JP2005105488A - 表面塗工剤及び塗工紙の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【効果】本発明の表面塗工剤を塗工原紙に塗工することで紙の表面強度を向上し、優れたサイズ性と高い接触角を付与することができる。
Description
(1)アルキルもしくはアルケニル置換コハク酸塩 [A]と、不飽和ジカルボン酸類(a)とアクリルアミド類(b)を反応して得られるアクリルアミド系樹脂[B]を含有することを特徴とする表面塗工剤、
(2)不飽和ジカルボン酸類(a)がイタコン酸及び/又はその塩であることを特徴とする前記(1)の表面塗工剤、
(3)アクリルアミド系樹脂[B]が架橋剤(c)を使用していることを特徴とする(1)または(2)の表面塗工剤、
(4)前記(1)ないし(3)の何れかの表面塗工剤を塗工することを特徴とする塗工紙の製造方法、
(5)接触角が90°以下である原紙に前記(1)ないし(4)の何れかに記載の表面塗工剤を塗工することを特徴とする塗工紙の製造方法、
(6)塗工紙が中性新聞用紙であることを特徴とする(4)又は(5)の塗工紙の製造方法
を提供するものである。
本発明で使用するアルキルもしくはアルケニル置換コハク酸塩[A]としては従来サイズ剤として公知のアルキルもしくはアルケニル置換コハク酸塩、またはアルキルもしくはアルケニルコハク酸誘導体の塩が使用できる。具体的には炭素数8以上、好ましくは炭素数12〜36のアルキル基またはアルケニル基を有する置換コハク酸のアルカリ金属塩、アンモニアまたは有機アミン類の塩が使用される。また、アルキルもしくはアルケニルコハク酸誘導体としてはアルコール類とアルケニルコハク酸またはアルケニルコハク酸無水物とのハーフエステルを使用することができる。
炭素数16で且つ5位以内の位置に二重結合を有する内部オレフィンに無水マレイン酸を付加して得たアルケニルコハク酸無水物100部に水酸化カリウム31.3部を水172部に溶解した溶液を加え、90℃に加温し、酸無水物を溶解させた後、更に水で希釈して濃度40%のアルケニルコハク酸ナトリウム水溶液を得た。これをA−1とする。
炭素数8のオレフィンに無水マレイン酸を付加して得たアルケニルコハク酸無水物を使用し、アルキルもしくはアルケニル置換コハク酸塩 [A]の調整例1と同様に行い40%のアルケニルコハク酸ナトリウム水溶液を得た。これをA−2とする。
攪拌機、温度計、還流冷却管及び窒素ガス導入間をつけた1リットルの四つ口フラスコに水240部50%アクリルアミド水溶液274部、イタコン酸13部、イソプロピルアルコール50部を仕込み60℃に昇温した。次いで、窒素ガス導入下で5%過硫酸アンモニウム水溶液3.8部を添加し、80℃に昇温し、2時間反応させた。得られた生成物に水19部を加え、固形分25.2%、粘度4800mPa・sのアクリルアミド系樹脂を得た。これをB−1とする。
アクリルアミド系樹脂(B−1)の調整と同様の装置に水250部50%アクリルアミド水溶液264部、イタコン酸13部、尿素5部、イソプロピルアルコール45部を仕込み60℃に昇温した。次いで、窒素ガス導入下で5%過硫酸アンモニウム水溶液3.8部を添加し、80℃に昇温し、2時間反応させた。得られた生成物に水19部を加え、固形分25.1%、粘度5100mPa・sのアクリルアミド系樹脂を得た。これをB−2とする。
アニオン性のビニルモノマーの使用量及び種類を表1の通り適宜変えること以外は合成例1と同様に行いアクリルアミド系樹脂を得た。これをB−3〜B−5、b−1、b−2とする。
IA :イタコン酸
FA :フマル酸
AA :アクリル酸
AAm :アクリルアミド
MBAAm:メチレンビスアクリルアミド
攪拌器、温度計、還流冷却管及び窒素導入管を備えた1リットルの四つ口フラスコに、水697重量部、47%ドデシルジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム水溶液1.9重量部、スチレン51重量部、ノルマルブチルアクリレート51重量部、80%メタアクリル酸水溶液84重量部、α−メチルスチレンダイマー3.4部及び過硫酸カリウム8重量部を加え、窒素気流下で混合攪拌しながら80℃に昇温した後、2時間保持して反応を完結させた。その後、30%水酸化ナトリウム水溶液106.7重量部(メタアクリル酸に対して100モル%)を加え、水で希釈し、共重合体の濃度が20%になるように調製し、水溶性共重合体であるスチレン−ノルマルブチルアクリレート−メタアクリル酸共重合体のナトリウム塩水溶液を得た。これをアニオン性高分子化合物のアルカリ塩a−1とする。
アニオン性高分子化合物のアルカリ塩(a−1)の調整と同様の装置に、水100部、95%イソプロピルアルコール75部を加え、攪拌しながら加熱し、温度を80℃にまで上昇させた。これに、スチレン45部及びアクリル酸55部を混合した単量体混合液と、過硫酸カリウム5部を水120部に溶解した重合開始剤溶液とを3時間で全量滴下させ、その後に2時間熟成させ反応を完結させた。その後、イソプロピルアルコールを留去し、冷却後に48%水酸化カリウム水溶液89.2部(アクリル酸に対して100モル%)を加え、水で希釈し、共重合体の濃度が20%になるように調製し、水溶性共重合体であるスチレン−アクリル酸共重合体の水酸化カリウム水溶液(S−1)を得た。更に、上記調整で得たアニオン性高分子化合物のアルカリ塩(S−1)153部(疎水性モノマー100重量部に対して15重量部)に、水586部、ニューコールN210(日本乳化剤(株)製、アルキルベンゼンスルホン酸塩)8部(2重量部)スチレン102部(疎水性モノマー50重量部)、ノルマルブチルアクリレート102部(疎水性モノマー50重量部)、及び過硫酸アンモニウム0.5部をアニオン性高分子化合物のアルカリ塩(a−1)の調整と同様の装置に加え、窒素気流下で混合攪拌しながら80℃に昇温した後、2時間保持して25%のエマルジョン液を得た。これをアニオン性高分子化合物のa−2とする。
アニオン性高分子化合物のアルカリ塩(a−1)と同様の装置に、トルエン44重量部、ジイソブチレン50重量部、無水マレイン酸50重量部及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル3.3重量部を加え、攪拌しながら加熱し、温度を80℃にまで上昇させた。その後3時間保持して反応を完結させた。その後、48%水酸化カリウム水溶液82重量部(無水マレイン酸に対して50モル%)、水251重量部を加え、トルエンを留去した。その後48%水酸化カリウム水溶液を無水マレイン酸に対して合計で100モル%となるように加え、水で希釈し、共重合体の濃度が20%になるように調製し、水溶性共重合体であるジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体のカリウム塩水溶液を得た。これをアニオン性高分子化合物のアルカリ塩a−3とする。
アクリルアミド系樹脂の合成例1のB−1を100部とアルキルもしくはアルケニル置換コハク酸塩[A]の調整例1のA−1を9部混合し、水を加えて合成例1のアクリルアミド系樹脂の固形分濃度が2%の表面塗工剤1を調整した。
アクリルアミド系樹脂の合成例1のB−1を50部、濃度が10%の蒸煮した酸化デンプン[日本食品化工(株)製、商品名MS−3800]125部とアルキルもしくはアルケニル置換コハク酸塩 [A]の調整例1のA−1を9部混合し、アクリルアミド系樹脂の合成例1のB−1と酸化デンプンの固形分濃度の総和が2%の表面塗工剤2を調整した。
アクリルアミド系樹脂の合成例1のB−1を100部、アルキルもしくはアルケニル置換コハク酸塩 [A]の調整例1のA−1を4.5部と前記アニオン性高分子化合物のアルカリ塩のa−1を9部混合し、水を加えてアクリルアミド系樹脂の合成例1のB−1の固形分濃度が2%の表面塗工剤3を調整した。
アクリルアミド系樹脂の合成例1のB−1の代わりにアクリルアミド系樹脂の合成例2〜5で調整したB−2〜B−5を使用した他は実施例1と同様にして固形分濃度が2%の表面塗工剤4〜7を調整した。
アクリルアミド系樹脂の合成例1のB−1を100部とアルキルもしくはアルケニル置換コハク酸塩[A]の調整例2のA−2を9部混合し、水を加えてアクリルアミド系樹脂の合成例1のB−1の固形分濃度が2%の塗工液を調整した。
アクリルアミド系樹脂の合成例1のB−1の代わりにアクリルアミド系樹脂の合成例6〜7で調整したb−1〜b−2を使用した他は実施例1と同様にして固形分濃度が2%の比較例用表面塗工剤1〜2を調整した。
アクリルアミド系樹脂の合成例1のB−1を100部と前記アニオン性高分子化合物のアルカリ塩のa−2を14.4部混合し、水を加えてアクリルアミド系樹脂の合成例1のB−1の固形分濃度が2%の比較例用表面塗工剤3を調整した。
アクリルアミド系樹脂の合成例1のB−1を100部と前記アニオン性高分子化合物のアルカリ塩のa−3を18部混合し、水を加えてアクリルアミド系樹脂の合成例1のB−1の固形分濃度が2%の比較例用表面塗工剤4を調整した。
上記で調整した表面塗工剤1を未塗工中性新聞用紙(接触角46.6°、坪量45[g/m2])にブレードを用いて片面塗工し、回転ドラムドライヤーで90℃、1分にて乾燥を行った。乾燥後、23℃、相対湿度50%RHの恒温恒湿環境下で24時間調湿し、その後各種評価試験を行った。結果を表3に示す。
表面塗工剤1の代わりに表3のように表面塗工剤2〜8、比較例用表面塗工剤1〜4、水を用いた以外は実施例9と同様に行い、各種評価試験を行った。結果を表3に示す。
塗工直後の重量を測定し、塗工直後の重量から塗工前の重量を差し引いた単位面積あたりで表示した。
評価試験は以下の方法で行った。
<表面強度の評価試験>
ドライピック;RI印刷試験機、ニップ幅10mm、FINE INK(大日本インキ化学工業(株)製)インキT.V=20を用いて印刷後の紙剥け状態を肉眼で観察し、5を優、1を劣として5段階評価を行った。
(1)ドロップテスト(秒);J.TAPPI 33(1μl)に準じて行った。
(2)接触角:FACE自動・動的接触角計を用いて、2.5μlのイオン交換水を滴下し、1秒後の接触角を測定した。
(3)コブサイズ度:JIS P−8140(120秒)に準じて行った。
表2で調整した塗工液を接触角97.7°の中性原紙(坪量64[g/m2])にサイズプレスを用いて両面塗工し、回転ドラムドライヤーで90℃、1分にて乾燥を行った。乾燥後、23℃、相対湿度50%RHの恒温恒湿環境下で24時間調湿し、その後各種評価試験を供した。結果を表4に示す。
表面塗工剤1の代わりに表4のように表面塗工剤5、比較例用表面塗工剤2,3、水を用いた以外は実施例17と同様に行い、各種評価試験を行った。結果を表4に示す。
Claims (6)
- アルキルもしくはアルケニル置換コハク酸塩 [A]と、不飽和ジカルボン酸類(a)とアクリルアミド類(b)を反応して得られるアクリルアミド系樹脂[B]を含有することを特徴とする表面塗工剤。
- 不飽和ジカルボン酸類(a)がイタコン酸及び/又はその塩であることを特徴とする請求項1の表面塗工剤。
- アクリルアミド系樹脂[B]が架橋剤(c)を使用していることを特徴とする請求項1または2記載の表面塗工剤。
- 前記請求項1ないし3の何れか一項に記載の表面塗工剤を塗工することを特徴とする塗工紙の製造方法。
- 接触角が90°以下である原紙に前記請求項1ないし3の何れか一項に記載の表面塗工剤を塗工することを特徴とする塗工紙の製造方法。
- 塗工紙が中性新聞用紙であることを特徴とする請求項4又は5の塗工紙の製造方法。
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