JP3726834B2 - 紙用添加剤およびそれを用いた紙の製造方法 - Google Patents

紙用添加剤およびそれを用いた紙の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、嵩高くかつ柔軟性に優れた紙を製造し得る紙用添加剤、およびそれを用いた紙の製造方法に関する。
近年、パルプ資源の不足およびこれに伴うパルプ価格の高騰、資源の有効利用や環境保護などの観点から、紙を製造する際の使用パルプ量を少なくし、種々の紙製品の坪量を減らす試みがなされている。これらに加え、紙製品の製造コストの低減や生産量の増大のため、さらには紙製品の運搬の際の過積載による車の横転、積荷落下などの事故防止のためにも、紙の坪量を下げ軽量化することは重要課題となっている。しかしながら、坪量を低下させた薄い紙では、印刷したインクが裏側へ抜けるなどの問題が生じる。このような理由から、少ない量のパルプを使用したときにも厚みのある嵩高な紙を得る方法が望まれている。紙を嵩高にする方法としては、特許文献1および特許文献2に、パルプに架橋剤を反応させる方法が、そして特許文献3には、合成繊維と混抄を行う方法が開示されている。しかしながら、このような架橋パルプや合成繊維などを使用しても十分に紙を嵩高にすることができず、かつ紙のリサイクルが困難となるなどの問題が生じる。
さらに、架橋剤などを使用しないで、特定の添加剤を用いることにより紙を嵩高にする方法が提案されている。例えば、特許文献4にはジ長鎖アルキル型四級アンモニウム塩を含有する添加剤を使用する方法;特許文献5には、ジアルキル型四級アンモニウム塩およびグリセリンと、水または炭素数4以下の脂肪族アルコールとを含有する添加剤を使用する方法;特許文献6には、ラノリンおよびラノリン誘導体を含有する添加剤を使用する方法;そして特許文献7には、ポリアミド誘導体を含有する添加剤を使用する方法が開示されている。さらに、特許文献8には、脂肪酸のポリオキシアルキレン付加物および脂肪酸エステルのポリオキシアルキレン付加物よりなる添加剤を使用する方法;特許文献9には、油脂または糖アルコール系非イオン性界面活性剤を含む添加剤を使用する方法;そして特許文献10参照には、四級アンモニウム塩、アルキルアミン、ベタイン型両性界面活性剤、および非イオン性界面活性剤の組み合わせでなる添加剤を使用する方法が開示されている。しかしながら、これらの方法を採用しても、十分な嵩高効果は得られていない。さらに、これらの添加剤は界面活性剤を含むため、抄紙の際の気泡性が高く、パルプスラリー中の泡が紙製品の穴になるなど、操業上に問題がある。このような気泡の問題に対しては1価アルコールにアルキレンオキシドを付加させたポリエーテル系消泡剤が使用されているが、消泡効果の持続性、廃水負荷の増大などの問題がある。他方、特許文献11には、脂肪酸ポリアミドポリアミンよりなる添加剤を使用する方法が開示されている。この方法で得られた紙は嵩高性が向上するが、起泡性の問題は改善されていない。さらに、上記いずれの方法においても、抄紙工程中に、あるいは得られた紙に紙粉が発生しやすいという欠点がある。
また、昨今のコミック本やペーパーバックの急激な普及により紙の柔軟性が要求され、さらには最近の健康ブームも拍車をかけ、身近な衛生紙に対しても、柔軟性や肌触りの向上などが要求されている。紙の柔軟性は、原料パルプの種類、抄紙後の紙の密度、紙の含水率などの多くの因子が相互に関与して発現すると考えられている。一般に衛生紙といわれるトイレットペーパー、ティッシュペーパーなどは、その用途から適度な柔軟性が要求されるため、これまでに多くの柔軟剤が開発されている。現在知られているものとしては、グリセリン、ポリエチレングリコール、尿素、パラフィン乳化物、第四級アンモニウム塩などが挙げられる。例えば、特許文献12には、吸湿性を有する塩類、多価アルコールおよび糖類より得られる紙用吸湿剤;特許文献13には、脂肪酸エステル系の薬剤としてオレイン酸ポリエチレングリコールエステルおよびフタル酸ジオレイルよりなる紙用柔軟剤;そして特許文献14には、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド化合物を使用した紙用柔軟剤が開示されている。しかしながら、これらの薬剤では充分な柔軟性の向上効果は得られておらず、抄紙工程における起泡性も高い。
以上のように、抄紙工程において起泡や紙粉の発生による操業性の低下を引き起こすことなく、嵩高くかつ柔軟性に優れた紙を製造することの可能な紙用添加剤は未だ得られていない。
特開平4−185791号公報 特開平4−185792号公報 特開平3−269199号公報 特開昭63−165597号公報 特開平4−100995号公報 特開昭53−147803号公報 特開昭51−38600号公報 特開平11−200284号公報 特開平11−200283号公報 特開平11−269799号公報 特開2002−275786号公報 特開平5−156596号公報 特開昭60−139897号公報 特表平9−506683号公報
本発明は、上記従来の課題を解決し、その目的は、嵩高く柔軟な紙を得ることが可能であり、紙の製造時において、パルプスラリーの起泡性が低く、抄紙工程中に、あるいは得られた紙が紙粉を発生することが極めて少ない紙用添加剤、およびそれを用いて嵩高く柔軟な紙を効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来の課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のカルボン酸と特定のポリアルキレンポリアミンを反応させて得られる、アミン価を制御したアミド化合物を用いると、従来に比べて嵩高く柔軟な紙を得ることが可能であり、しかも抄紙工程において、パルプ繊維が任意の割合で水中に分散したパルプスラリー中にこれを添加しても起泡が低く抑えられることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の紙用添加剤は、ポリアルキレンポリアミンおよびカルボン酸を反応させて得られるアミド化合物またはその塩を含有し、該ポリアルキレンポリアミンが、式(1)で示され:
N−(R−NH−)−R−NH (1)
(ここで、Rは各々独立して炭素数1〜4のアルキレン基であり、nは1〜3の整数である)、該カルボン酸の炭素数は10〜24であり、該カルボン酸は不飽和結合および分岐鎖のうちの少なくとも一方を有するカルボン酸を少なくとも40重量%の割合で含有し、該アミド化合物は、該ポリアルキレンポリアミン1モルに対して、該カルボン酸を1.5〜2.5モルの割合で反応させることにより得られ、かつ三級アミン価/全アミン価比は0.60〜0.99である。
好適な実施態様においては、この紙用添加剤は、さらに、式(2)で表される第4級アンモニウム塩:
Figure 0003726834
(ここで、Rは各々独立して炭素数10〜24の炭化水素基、Rは炭素数1〜3のアルキル基またはベンジル基であり、mは1〜10であり、そしてXは陰イオンである)および(3)で表される第4級アンモニウム塩:
Figure 0003726834
(ここで、RCOは各々独立して炭素数10〜24のアシル基、Rは各々独立して炭素数2〜4のアルキレン基、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、Rは炭素数1〜3のアルキル基またはベンジル基であり、そしてXは陰イオンである)のうちの少なくとも一方でなるアンモニウム化合物を含有し、該アミド化合物と該アンモニウム化合物との重量比は25/75〜99/1である。
本発明の紙の製造方法は、紙の製造において、パルプ100重量部に対して、上記紙用添加剤を0.03〜8重量部の割合で添加する工程を包含する。
好適な実施態様においては、上記添加する工程は、抄紙プロセスにおいて、パルプおよび水を含む混合物に該紙用添加剤を添加する工程である。
好適な実施態様においては、上記添加する工程は、抄紙プロセスにおいて得られたパルプシートの表面に、該紙用添加剤を付与する工程である。
本発明によれば、特定のアミド化合物を含み、嵩高く柔軟な紙を得ることが可能な紙用添加剤が提供される。この添加剤を用いた本発明の紙の製造方法によれば、抄紙工程における起泡の発生が抑制される。さらに添加剤が特定のアンモニウム化合物を含む場合には、嵩高くかつ柔軟であり、さらに紙粉の発生も極めて少ない紙を製造することが可能である。
(I)アミド化合物
本発明の紙用添加剤の主成分であるアミド化合物は、ポリアルキレンポリアミンおよびカルボン酸を反応させて得られる。本明細書においてこの「アミド化合物」を「アミド化合物(a)」、あるいは単に「化合物(a)」という場合がある。
本発明に用いられるポリアルキレンポリアミンは、分子中に少なくとも3個のアミノ基を有し、下記の式(1)で示される:
N−(R−NH−)−R−NH (1)
(ここで、Rは各々独立して炭素数1〜4のアルキレン基であり、nは1〜3の整数である)。
上記式(1)におけるRの具体的としてはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、およびブチレン基が挙げられる。1分子中に異なるRが存在していてもよく、2種以上のポリアルキレンポリアミンを用いることも可能である。好ましいRはエチレン基である。アルキレン基の炭素数が4を超える場合は取り扱いが困難になる。このような化合物を用いて得られるアミド化合物を用いると、嵩高く柔軟な紙を調製することが可能となる。
アミド化合物の調製に用いられるカルボン酸としては、炭素数10〜24のカルボン酸が用いられる。このカルボン酸は飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸のいずれであってもよいし、直鎖状カルボン酸、分岐鎖を有するカルボン酸のいずれであってもよい。但し、そのうちの少なくとも40重量%は、不飽和結合および分岐鎖のうちの少なくとも一方を有するカルボン酸であることが必要である。
炭素数10〜24のカルボン酸の例としては、次の化合物が挙げられる:カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リグノセリン酸などの単独の脂肪酸;およびヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、牛脂脂肪酸、豚脂脂肪酸、大豆油脂肪酸、なたね油脂肪酸、トール油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、カカオ油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸などの天然油脂由来の混合脂肪酸、およびこれらの水素添加物など。これらは2種以上混合して用いられ得る。これらの中で炭素数12〜22のカルボン酸が好ましく、特に炭素数14〜18のカルボン酸が好ましい。炭素数が10未満のカルボン酸では、得られるアミド化合物による嵩高性および柔軟性向上効果が低く、炭素数が24を超えるカルボン酸では得られるアミド化合物の取り扱いが困難となる。
上記のうち、不飽和結合を有するカルボン酸(単独の脂肪酸)の例としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、およびパルミトレイン酸があり、分岐鎖を有するカルボン酸としては、イソパルミチン酸、およびイソステアリン酸がある。これらの脂肪酸が不純物として他の脂肪酸を含有する場合もあり、そのような脂肪酸も利用され得る。不飽和カルボン酸を40〜100重量%含む天然の混合脂肪酸としては、大豆油脂肪酸、パーム油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、カカオ油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、牛脂脂肪酸、豚脂脂肪酸などが挙げられる。不飽和結合および分岐鎖のうちの少なくとも一方を有するカルボン酸または該カルボン酸の混合物のうち特に好ましいのは、大豆油脂肪酸、オレイン酸、およびエルカ酸である。
本発明の紙用添加剤に含有されるアミド化合物は、上記式(1)で示されるポリアルキレンポリアミンに上記カルボン酸を反応させて得られる。このカルボン酸は、ポリアルキレンポリアミン1モルに対して、1.5〜2.5モル、好ましくは1.8〜2.2モルの割合で使用される。この量が1.5モル未満の場合は、充分に嵩高く柔軟な紙が得られず、2.5モルを超える場合は得られるアミド化合物の取り扱いが困難になる。
上記式(1)で示されるポリアルキレンポリアミンにカルボン酸を反応させると、反応混合物の酸価が仕込み時の理論酸価の約10%となるまではカルボン酸がアミノ基と反応するアミド化反応が優先的に進行し、全アミン価に対する三級アミン価の比率が0〜0.4である化合物が生成する。しかし、酸価が仕込み時の理論酸価の10%を下回ると、反応時間に対する酸価の減少が小さくなるため、通常のアミド化反応はこの段階で反応を終了させる。そしてこの段階から更に所定の条件で反応を進めると、生成したアミド化合物のアミド基とアミノ基とが脱水縮合し、三級アミンを有するアミド化合物が生成する。そのため、全アミン価に対する三級アミンの比率は0.4を超えるようになる。本発明においては、三級アミン価/全アミン価比が0.60〜0.99であるアミド化合物(三級アミンを有するアミド化合物)が用いられる。このような化合物は、例えば、反応混合物の仕込み時の理論酸価の10%以下になった段階の酸価を基準として、さらにその75%以下にまで酸価が下がるまで反応を進めることによって得られる。このような反応(アミド化合物のアミド基とアミノ基とを脱水縮合させる反応)を進める方法は、特に限定されるものではないが、アミド化合物生成後に減圧反応を行う方法、あるいは更に高温での反応を行う方法などが挙げられる。得られたアミド化合物の三級アミン価/全アミン価比は、上述のように、0.60〜0.99であり、好ましくは0.70〜0.99である。この値が0.60未満ではパルプスラリー中での起泡性が高くなり、また取り扱いが困難になる。
上記アミド化合物は、そのまま紙用添加剤として使用することができるが、無機酸あるいは有機酸で中和して塩として使用すると、取り扱いがさらに容易になる。上記無機酸としては、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。有機酸としては、次の化合物が挙げられる:蟻酸、酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、イタコン酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、クエン酸、ヒドロキシ安息香酸、リンゴ酸、ヒドロキシマロン酸、乳酸、サリチル酸、ヒドロキシ吉草酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、タウリン、スルファミン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸など。これらの中では有機酸が好ましく、その中でも蟻酸、酢酸および乳酸が特に好ましい。
塩を形成させるために使用する酸の量は、上記反応により得られた生成物の全アミン価を測り、目的に応じて必要な量を決定する。全アミン価と当量の無機酸または有機酸を添加してアミド化合物の塩とすることが好ましい。
このようにして得られるアミド化合物またはその塩は取り扱いが容易であり、嵩高く柔軟な紙が製造可能である。さらに、この化合物をパルプ繊維が任意の割合で水中に分散してなるパルプスラリー中に添加しても、起泡が生じにくいという利点がある。
(II)アンモニウム化合物
本発明の紙用添加剤は、さらに必要に応じて式(2)で表される第4級アンモニウム塩および式(3)で表される第4級アンモニウム塩の少なくとも一方でなるアンモニウム化合物を含有する。本明細書中において、このアンモニウム化合物を「アンモニウム化合物(b)」あるいは、単に「化合物(b)」という場合がある。このアンモニウム化合物(b)を含有することにより、さらに柔軟性に優れる紙が製造可能であり、抄紙工程時および得られた紙の紙粉の発生が効果的に抑制される。
Figure 0003726834
(ここで、Rは各々独立して炭素数10〜24の炭化水素基、Rは炭素数1〜3のアルキル基またはベンジル基であり、mは1〜10であり、そしてXは陰イオンである)。
Figure 0003726834
(ここで、RCOは各々独立して炭素数10〜24のアシル基、Rは各々独立して炭素数2〜4のアルキレン基、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、Rは炭素数1〜3のアルキル基またはベンジル基であり、そしてXは陰イオンである)。
上記アンモニウム化合物(b)のうち、式(2)で示される第4級アンモニウム塩において、Rの具体例としては、次の基が挙げられる:デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基などのアルキル基;およびテトラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、ドコセニル基などのアルケニル基。Rの炭素数は、好ましくは12〜22であり、さらに好ましくは、存在するRのうちの少なくとも40重量%が不飽和結合または分岐を有する。炭素数が10未満の場合は、該第4級アンモニウム塩を含む添加剤を用いた場合に柔軟性の改善効果が不充分な場合があり、製造工程において紙粉の発生を抑える効果が乏しい。炭素数が24を超える場合は取扱いが困難になる。
式(2)で示される第4級アンモニウム塩において、mは、上述のように1〜10であり、これはエチレンオキシドの付加モル数に相当する。mは好ましくは1〜7である。mが0の場合には、紙粉の低減効果が得られない。mが10を超える場合は、柔軟性の改善効果が得られにくい。
式(2)においてRのうち、炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、およびイソプロピル基が挙げられる。好ましくはメチル基またはエチル基である。Xは陰イオンであり、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオンなどが挙げられる。好ましくは塩素イオンまたはメチル硫酸イオンである。
上記アンモニウム化合物(b)のうち、式(3)で示される第4級アンモニウム塩において、RCOは、具体的には炭素数10〜24のカルボン酸由来のアシル基であり得る。このようなカルボン酸としては、次の化合物が挙げられる:カプリン酸、ラウリン酸、リンデル酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、アラキン酸、エイコセン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リグノセリン酸、セラコレン酸などの単独の脂肪酸;ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、牛脂脂肪酸、豚脂脂肪酸、大豆油脂肪酸、なたね油脂肪酸、トール油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、カカオ油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸などの天然油脂由来の混合脂肪酸、およびこれらの水素添加物など。1分子中に異なるRCO基が存在していてもよく、2種以上の式(3)で示される第4級アンモニウム塩を用いることも可能である。
COの炭素数が10未満の場合は柔軟性の改善効果が不充分な場合があり、紙粉の発生を抑える効果が乏しい。炭素数が24を超える場合は取扱いが困難になる。
式(3)において、RおよびRの具体例としては、エチレン基、プロピレン基、およびブチレン基が挙げられる。好ましくはエチレン基である。
のうち炭素数1〜3のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。好ましくはメチル基またはエチル基である。Xの具体例としては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオンなどが挙げられる。好ましくは塩素イオンまたはメチル硫酸イオンである。
これらのアンモニウム化合物(b)は、いずれも公知の方法で製造することができる。
(III)紙用添加剤およびそれを用いた紙の製造方法
本発明の紙用添加剤は、上記アミド化合物(a)、あるいは該アミド化合物(a)および上記アンモニウム化合物(b)の組み合わせでなる。本発明の紙用添加剤がアンモニウム化合物(b)を有する場合には、該アミド化合物(a)とアンモニウム化合物(b)とは、25/75〜99/1の重量比であることが好ましい。このことにより、抄紙工程中における、および得られた紙の紙粉の発生の低減効果が得られやすい。
本発明の紙の製造方法は、パルプ100重量部に対して、上記紙用添加剤を0.03〜8重量部の割合となるように添加する工程を包含する。本発明の方法においては、上記添加剤は、抄紙工程のいずれの段階においても使用され得、さらに抄紙工程により得られたパルプシートの表面に付与することも可能である。例えば、抄紙工程におけるミキシングチェスト、マシンチェスト、種箱などの工程でパルプスラリーに添加する内部添加法、あるいは、抄紙により得られたパルプシート表面に塗工するサイズプレス、ゲートロール、スプレーなどの外部添加法が採用される。特に、内部添加法が好適に採用され、パルプと水とを含む混合物(例えば、パルプスラリー)に上記紙用添加剤および必要に応じて他の添加剤(後述)を添加し、得られた混合物を用いて通常の方法により抄造を行なうことにより紙が得られる。
上記パルプ(原料パルプ)としては、例えば化学パルプ(針葉樹若しくは広葉樹の晒しまたは未晒しクラフトパルプなど)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプなど)、脱墨パルプ(新聞、雑誌古紙など)などが用いられる。これらは単独で、または任意の割合で混合して利用することができる。
上記抄紙工程において、本発明の紙用添加剤を添加する際には、該紙用添加剤の各成分(化合物(a)、ならびに必要に応じてアンモニウム化合物(b)およびその他の添加剤)を予め水溶性の1〜3価アルコールに加えて混合しておくと、該添加剤の粘度が低減し、取扱いが容易になり好ましい。水溶性の1〜3価アルコールとしてはエタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、t−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−ブタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、グリセリンおよび分子量150〜600のポリエチレングリコールなどが挙げられる。これらのうち、3−メトキシ−3−メチル−ブタノール、プロピレングリコール、分子量150〜600のポリエチレングリコールなどが好適である。これらのアルコールは2種以上混合して用いられ得る。
上記添加剤の量が、0.03重量部未満では嵩高く柔軟な紙が得られない場合があり、8重量部を超えても、使用量に見合った効果が得られず、むしろ紙のコストアップにつながり経済的に不利となる。好ましい量は0.1〜4重量部の範囲である。
抄紙工程においては、上述のように、紙用添加剤と共に、製紙工程において一般的に使用される各種添加剤が用いられ得る。添加剤としては、紙力増強剤(ポリアクリルアミド、植物グァムなど);サイズ剤(アルキルケテンダイマー、ロジンなど);濾水性・歩留り向上剤(ポリエチレンイミン、カチオン化ポリマーなど);内添助剤(硫酸バンド、塩化ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ラテックスなど)があり、さらに、目的に応じてその他の添加剤(ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤など)も用いられ得る。
本発明の紙の製造方法においては、一般に紙の抄造に用いられる長網抄紙機、ツインワイヤー機、ヤンキー機などのあらゆる抄紙機を使用することが可能である。
本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
本実施例において、合成に用いた大豆油脂肪酸、オレイン酸α、エルカ酸α、混合脂肪酸A、混合脂肪酸Bの脂肪酸組成(重量%)は、下記の通りである。
大豆油脂肪酸:パルミチン酸(11.6%)、ステアリン酸(4.2%)、オレイン酸(33.3%)、リノール酸(42.2%)、リノレン酸(7.2%)、その他(1.5%);
オレイン酸α:パルミチン酸(2.0%)、ステアリン酸(1.5%)、パルミトレイン酸(2.0%)、オレイン酸(91.0%)、リノール酸(2.0%)、その他(1.5%);
エルカ酸α:ステアリン酸(0.4%)、リノール酸(0.4%)、リノレン酸(2.7%)、アラキン酸(0.4%)、ベヘン酸(1.0%)、エルカ酸(90.4%)、リグノセリン酸(2.0%)、その他(2.7%);
混合脂肪酸A:ラウリン酸(10.3%)、ミリスチン酸(7.5%)、パルミチン酸(10.2%)、ステアリン酸(3.0%)、オレイン酸(26.4%)、リノール酸(34.2%)、リノレン酸(5.8%)、その他(2.6%);
混合脂肪酸B:パルミチン酸(9.8%)、ステアリン酸(39.8%)、オレイン酸(45.6%)、リノール酸(3.2%)、その他(1.6%)。
(i)化合物(a)を含む分散液の調製
実施例1.1
攪拌機、冷却管、温度計および窒素導入管を備えた500mL容量の4つ口フラスコに、大豆油脂肪酸283.0g(1モル)を仕込み(第1段階)、窒素雰囲気下、90℃まで攪拌しながら昇温し、ジエチレントリアミン51.5g(0.5モル)を仕込み、水を系外へ除去しながら180℃で2時間反応を行った(第2段階)。さらに、180℃、10torrの減圧条件下、5時間の脱水反応を行い、ポリアミンポリアミド化合物を得た(第3段階)。
上記反応において、第2段階および第3段階のそれぞれの酸価を測定した。第2段階における反応生成物の酸価は6.6、全アミン価は92.1、3級アミン価は29.6(全アミン価に対する3級アミン価の比率0.32)であり、留出水の量は17.8g(理論留出水量は用いた脂肪酸と等モルの18.0g)であった。第3段階におけるポリアミンポリアミド化合物(a−1)の酸価は3.2、全アミン価は91.1、3級アミン価は82.1(全アミン価に対する3級アミン価の比率0.90)であった。このとき留出水の量は25.1gであった。
次に1L容量のビーカーに、得られた化合物(a−1)を60g、該化合物(a−1)の全アミン価に対応するモル量の酢酸5.9gおよびイオン交換水534.1gを仕込み、攪拌して分散させ、表1に示す紙用添加剤分散液A(濃度10重量%)600gを得た。
表1に、合成に使用したポリアルキレンポリアミンおよびカルボン酸の種類およびモル比、ならびに第1段階、第2段階、および第3段階の酸価を示す(第1段階の酸価は、仕込み原料から算出した理論値である)。さらに、得られた化合物(a)の全アミン価、3級アミン価、および3級アミン価/全アミン価比、そして、該化合物(a)の塩の種類を表1に示す。後述の実施例1.2〜1.12、および比較例1.1〜1.10についても同様に表1に示す。
実施例1.2
酢酸を加えず、イオン交換水の量を540gとしたこと以外は、実施例1.1と同様に操作し、紙用添加剤分散液Bを得た。
実施例1.3〜1.9
表1に示す化合物を表1で示す割合で用いて実施例1.1と同様に操作し、紙用添加剤分散液C〜Iを得た。実施例1.5においては、酢酸の代わりに蟻酸を用いた。
実施例1.10〜1.12
表1に示す化合物を表1で示す割合で用いて実施例1.1と同様に合成を行い、添加剤分散液J〜Lを得た。但し、これらの実施例では減圧による脱水反応を1時間とした。
比較例1.1〜1.3
表1に示す化合物を表1で示す割合で用いて実施例1.1と同様に操作し、紙用添加剤分散液M〜Oを得た。
比較例1.4
表1に示す化合物を表1で示す割合で用い、さらに酢酸を加えず、イオン交換水の量を540gとしたこと以外は実施例1.1と同様に操作し、紙用添加剤分散液Pを得た。
比較例1.5
表1に示す化合物を表1で示す割合で用いて実施例1.1と同様に操作し、紙用添加剤分散液Qを得た。
比較例1.6
表1に示す化合物を表1で示す割合で用いて実施例1.1と同様に合成を行い、添加剤分散液Rを得た。但し、本実施例では減圧による脱水反応を1時間とした。
比較例1.7〜1.10
表1に示す化合物を表1で示す割合で用いて実施例1.1と同様に合成を行い、添加剤分散液T〜Vを得た。但し、これらの実施例では減圧による脱水反応を行わなかった。
Figure 0003726834
(ii)アンモニウム化合物(b)の調製
後述の実施例で用いられるアンモニウム化合物(b)のうち、式(3)で示される第4級アンモニウム塩(アンモニウム化合物(b−2)〜(b−7))の合成例を以下に示す。
合成例1.1
攪拌機、冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、オレイン酸メチル298.5g(1.0モル)およびトリエタノールアミン74.5g(0.5モル)を仕込み、窒素雰囲気下、180℃まで昇温し、メタノールを系外へ除去しながら180℃で15時間反応を行い、水酸基価84.1、全アミン価80.3のエステル化合物を得た。このエステル化合物314.4g(0.45モル)とエタノール330.0gとを、攪拌機および温度計を備えた耐圧反応装置に仕込み、60℃にて気相部を窒素置換した後に、撹拌しながら90℃でメチルクロリド48.1g(0.95モル)を添加し、4時間攪拌を行った。次いで、減圧下でメチルクロリドを除去し、全アミン価が0.1未満である第4級アンモニウム塩(アンモニウム化合物(b−2))を得た。この化合物の式(3)に対応する各基の名称を表2に示す。
合成例1.2
オレイン酸メチルの代わりにイソステアリン酸メチルを用い、合成例1.1と同様の操作を行い、表2に示す第4級アンモニウム塩(b−3)を得た。
合成例1.3
攪拌機、冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、エルカ酸α340.0g(1.0モル)およびトリエタノールアミン74.5g(0.5モル)を仕込み、窒素雰囲気下、180℃まで昇温し、水を系外へ除去しながら180℃で15時間反応を行い、水酸基価71.5、全アミン価69.4のエステル化合物を得た。このエステル化合物323.3g(0.4モル)とエタノール370.0gを攪拌機および温度計を備えた反応容器に仕込み、60℃にて気相部を窒素置換した後に、撹拌しながら70℃でジメチル硫酸50.1g(0.4モル)を添加し、2時間反応させた。その結果、全アミン価が0.1未満である第4級アンモニウム塩(アンモニウム化合物(b−4))を得た。
合成例1.4〜1.5
エルカ酸αの代わりに、混合脂肪酸Aまたは混合脂肪酸Bを用い、合成例1.4と同様の操作を行い、表2に示す第4級アンモニウム塩(アンモニウム化合物(b−5)〜(b−6)を得た。
比較合成例1.1
エルカ酸αの代わりに、オクチル酸を用い、合成例1.4と同様の操作を行い、表2に示す第4級アンモニウム塩(アンモニウム化合物(b−7)を得た。
Figure 0003726834
(iii)紙用添加剤の調製
実施例2.1
攪拌機、冷却管、および温度計を備えた4つ口フラスコに、化合物(a)として、化合物(a−1)244.4g、酢酸23.8g、アンモニウム化合物(b)として、アンモニウム化合物(b−1)(日本油脂(株)製カチオン2OL−205;式(2)で示される第4級アンモニウム塩;式(2)の各基に該当する基の名称を表2に示す)8.4g、プロピレングリコール60g、および3−メトキシ−3−メチル−ブタノール60gを仕込み、50℃で30分間撹拌して紙用添加剤X−1を得た。化合物(a)およびアンモニウム化合物(b)の種類および重量比を表3に示す。後述の実施例2.2〜2.10および比較例2.1〜2.4についても併せて表3に示す。
実施例2.2
攪拌機、冷却管、および温度計を備えた4つ口フラスコに、化合物(a)として、化合物(a−1)を314.6g、酢酸21.9g、アンモニウム化合物(b)として、アンモニウム化合物(b−2)30.4gおよびポリエチレングリコール(平均分子量200)20gを仕込み、50℃で30分間撹拌して紙用添加剤X−2を得た。
実施例2.3〜2.10
表3に示す化合物(a)およびアンモニウム化合物(b)を、表3に示す割合で用い、実施例2.2に順じて操作を行ない、紙用添加剤X−3〜X−10を得た。実施例2.7においては、アンモニウム化合物(b)を用いなかった。
比較例2.1
表3に示すアンモニウム化合物(b)のみを用い、実施例2.2に順じて操作を行ない、紙用添加剤X−11を得た。
比較例2.2〜2.4
表3に示す化合物(a)およびアンモニウム化合物(b)を、表3に示す割合で用い、実施例2.2に順じて操作を行ない、紙用添加剤X−12〜X−14を得た。
Figure 0003726834
(iv)紙用添加剤の評価
実施例3.1
(1)紙の調製および嵩高さの評価
水道水1LとLBKP(広葉樹晒パルプ)50.0gとを2L容量の離解機(熊谷理研(株)製パルパー)中に仕込み、15分間離解を行い、LBKPパルプスラリーを得た。これのスラリーの一部をとり、300mL容量のビーカーに入れ、水道水で希釈し、1.5重量%のLBKPパルプスラリー80gを得た。このパルプスラリー80gに対して、表1に示す添加剤分散液Aを0.12g(パルプ100重量部に対して添加剤1.0重量部)を添加し、300mL容量のビーカー中、径4.5cmのタービン羽根により、250rpm×2分間攪拌した。その後、シートマシン(安田精機(株)製TAPPIスタンダードシートマシン)により坪量約60g/mとなるように抄紙し、プレス機(安田精機(株)製ドライヤー)により105℃で80秒間乾燥し、試験紙を得た。
この試験紙の坪量と厚さとを測定し、密度を算出した。坪量はJIS P 8124に従って求め、厚さは得られた試験紙を4枚重ね合わせ、JIS式紙厚測定機(シチズン時計(株)製 MEI−10)により異なる10箇所の厚さを測定し、その平均値により求めた。後述の比較例3.11(添加剤分散液を使用しない)で得られた試験紙の密度を100%(ブランク値)としたときの%を算出し、次のように評価した。
密度がブランク値の95.0%未満:嵩高さが充分であり、添加剤の効果が認められる;表において○で示す
密度がブランク値の95.0%以上:嵩高さが不充分であり、添加剤の効果が認められない;表において×で示す。
上記結果を表4に示す。
(2)紙の調製および柔軟性の評価
添加剤分散液を添加しなかったこと以外は上記(1)項と同様の方法で紙の調製を行ない、坪量20g/mの紙を得た。この紙の表面に、該紙のパルプ100重量部に対して、乾燥重量が1.0重量部に相当する量の添加剤分散液Aをハンドスプレーにて均一に噴霧した。これを105℃にて120秒間でドラムドライヤー乾燥し、試験紙を得た。この試験紙を5枚一組とし、充分に石鹸洗浄した両手で触ることによって、柔軟性の官能評価を行った。その結果を表4に示す。評価は次の5段階で行い、評価者10人の平均値を評価値とした。
評価 柔軟性
1 硬い
2 柔軟剤を使用しない場合と同程度
3 やや柔らかい
4 柔らかい
5 非常に柔らかい
(3)紙の白色度の評価
上記(1)項と同様の方法で調製した坪量60g/mの試験紙を測色色差計(日本電色工業(株)製ZE−2000)にかけて白色度(WB)を測定した。白色度の評価は下記の基準で行った。
白色度81.0以上:白色度が充分である;表4において○で示す
白色度81.0未満:白色度が不充分である;表4において×で示す
その結果を表4に示す。
(4)剥離性の評価
ろ紙(アドバンテック東洋(株)製5A)およびアルミホイルを10cm×9cm角に切り、ろ紙の10cm×6cmの部分に市販の液状のり(不易糊工業(株)製オーグルーGF5)と添加剤分散液Aとが9/1の重量比となるように混合し、得られた混合物約1gを均一に塗りつけ、アルミホイルを裏側を接着面として貼り付けた。これをクロームメッキ銅版製プレート(円形、直径16cm)で挟み込み、0.35MPaで5分間プレスした後、105℃で1時間乾燥させた。これを引張試験機((株)今田製作所製 引張圧縮試験機SV−201−0−SH)で接着面に対して180°の方向に引張り、紙を引き離すときの力を剥離強度を測定した。剥離性の評価は下記の基準で行った。
剥離強度2.0N未満:剥離強度は低く、剥離性の効果が良好である;表中において○で示す
剥離強度2.0以上:剥離強度は強く、剥離性の効果は不充分である;表中において×で示す。
その結果を表4に示す。
(5)起泡性の評価
起泡性試験:フローテーターを用いた試験
LBKP 10.5gを水道水2089.5gに加えて離解させ、0.5重量%パルプスラリー2100gを調製し、浴中で25℃に保温した。これに10%炭酸カルシウムを、パルプ100重量部に対して50重量部、および紙用添加剤分散液Aをパルプ100重量部に対して1.0重量部となるように添加して均一になるまで攪拌した。これを泡掻き取り用の邪魔板をはずした京大式フローテーター((有)太田機械製作所製 浮選試験機)中で5分間攪拌し、このときに発生する泡の高さを測定した。その結果を表4に示す。泡の高さが70mm以下の場合を起泡性が低い(表4において○で示す)、70mmを超える場合を起泡性が高い(表4において×で示す)と判定した。
実施例3.2
嵩高さ、柔軟性、白色度、および起泡性の各評価について、添加剤分散液Aの添加量を、パルプ100重量部に対して添加剤0.5重量部となるように変更したこと以外は実施例3.1と同様に行った。剥離性については実施例3.1と同一条件で試験を行った。その結果を表4に示す。
実施例3.3
嵩高さ、柔軟性、白色度、および起泡性の各評価について、添加剤分散液Aの添加量を、パルプ100重量部に対して添加剤5.0重量部となるように変更したこと以外は実施例3.1と同様に行った。剥離性については実施例3.1と同一条件で試験を行った。その結果を表4に示す。
実施例3.4〜3.14
添加剤分散液を表1の分散液B〜Lとしたこと以外は実施例3.1と同様に行った。その結果を表4に示す。
比較例3.1〜3.10
添加剤分散液を表1の分散液M〜Vとしたこと以外は実施例3.1と同様に行った。その結果を表4に示す。
比較例3.11
添加剤分散液を添加しなかったこと以外は実施例3.1と同様に行った。その結果を表4に示す。
Figure 0003726834
表4の実施例3.1〜3.14の結果を参照すると、本発明の紙用添加剤を含有する分散液を用いた場合には、抄紙工程における起泡が少なく、嵩高く柔軟な紙が得られることがわかる。得られる紙の白色度および剥離性も良好である。
これに対して、比較例3.1で用いられた添加剤のアミド化合物を構成する原料カルボン酸は、アルキル鎖長が短いために、得られる紙の嵩高さおよび柔軟性は充分ではない。比較例3.2、3.3および3.6では、上記原料カルボン酸中の不飽和または分岐のカルボン酸の含有率が低いために、得られる紙の柔軟性が充分ではなく、かつ起泡性が高い。比較例3.4では、アミド化合物を構成するポリアルキレンポリアミンとしてエチレンジアミンを使用しているため、得られる紙の嵩高さおよび柔軟性が充分ではない。比較例3.5では、アミド化合物を構成するカルボン酸の、式(1)で示されるポリアルキレンポリアミンに対するモル比が小さいために得られる紙の嵩高さおよび柔軟性が不充分である。比較例3.7〜3.9は、アミド化合物の全アミン価に対する3級アミン価の比率が小さいために起泡性が高い。比較例3.10では、原料カルボン酸中の不飽和または分岐のカルボン酸の含有率が低く、かつ全アミン価に対する3級アミン価の比率が小さいために、得られる紙の柔軟性が充分ではなく、かつ起泡性が高い。さらに、比較例3.1〜3.10はいずれも白色度および剥離性が不良であった。
実施例4.1
紙用添加剤として、実施例2.1で得られた紙用添加剤X−1を用い、実施例3.1に準じて、(1)項の紙の調製および嵩高さの評価、(2)項の紙の調製および柔軟性の評価、および(5)項の起泡性試験を行った。さらに、次の(6)項に示す紙粉発生についての評価も併せて行った。
(6)紙粉発生の評価
実施例3.1の(1)項の方法に準じて調製した坪量60g/mの試験紙の表面に黒色粘着テープを貼り付けた後に、これをはがし、画像解析装置(オリンパス(株)製SP500F)にて黒色粘着テープに付着したパルプ繊維の面積率を測定した。紙粉発生の評価は、下記の基準で行った。
付着パルプの面積率が10%未満:紙粉の発生が少ない;表中に○で示す
付着パルプの面積率が10%以上:紙粉の発生が多い;表中に×で示す
これらの結果を併せて表5に示す。後述の実施例4.2〜4.10および比較例4.1〜4.5に結果も併せて表5に示す。
実施例4.2〜4.10
紙用添加剤として、実施例2.2〜2.10で得られた紙用添加剤X−2〜X10を用いたこと以外は実施例4.1と同様である。
比較例4.1
紙用添加剤を全く使用しなかったこと以外は、実施例4.1と同様である。
比較例4.2〜4.5
紙用添加剤として、比較例2.1〜2.4で得られた紙用添加剤X−11〜X14を用いたこと以外は実施例4.1と同様である。
Figure 0003726834
表5から明らかなように、実施例4.1〜4.6の本発明の紙用添加剤を用いると、抄紙工程における起泡が少なく、嵩高く柔軟な紙が得られ、さらに紙粉の発生が極めて少ないことがわかる。実施例4.7〜4.10においては、得られる紙の紙粉の発生が比較的多いが、嵩高さおよび柔軟性は充分である。
これに対して比較例4.1では紙用添加剤を添加していないため、嵩高く柔軟な紙が得られず、紙粉の発生も多い。比較例4.2では化合物(a)を用いていないために、嵩高く柔軟な紙が得られず、紙粉の発生および泡立ちも多い。比較例4.3では化合物(a)の原料脂肪酸の炭素数が本発明の範囲より小さいために、嵩高く柔軟な紙が得られず、紙粉の発生も多い。比較例4.4では化合物(a)における原料脂肪酸と式(1)で示されるポリアルキレンポリアミンのモル比が本発明の範囲を外れるために、嵩高く柔軟な紙が得られず、紙粉の発生および泡立ちも多い。比較例4.5では化合物(a)の原料脂肪酸中の不飽和結合または分岐の割合が本発明の範囲を外れるために、柔軟効果および風合いの向上が不十分であり、紙粉の発生および泡立ちも多い。
本発明によれば嵩高く柔軟な紙を得ることが可能な紙用添加剤が提供される。この添加剤を用いると、抄紙工程における起泡の発生が抑制され、嵩高くかつ柔軟な紙を得ることができ、得られる紙は、紙粉の発生も極めて少ない。このような紙は、衛生紙、製本用紙、新聞用紙、印刷・情報用紙、ダンボール原紙、板紙など各種分野の紙に広く利用され得る。

Claims (4)

  1. ポリアルキレンポリアミンおよびカルボン酸を反応させて得られるアミド化合物またはその塩、およびアンモニウム化合物を含有する紙用添加剤であって、
    該ポリアルキレンポリアミンが、式(1)で示され:
    N−(R−NH−)−R−NH (1)
    (ここで、Rは各々独立して炭素数1〜4のアルキレン基であり、nは1〜3の整数である)、
    該カルボン酸の炭素数が10〜24であり、該カルボン酸が不飽和結合および分岐鎖のうちの少なくとも一方を有するカルボン酸を少なくとも40重量%の割合で含有し、
    該アミド化合物が、該ポリアルキレンポリアミン1モルに対して、該カルボン酸を1.5〜2.5モルの割合で反応させることにより得られ、かつ三級アミン価/全アミン価比が0.60〜0.99であり、
    該アンモニウム化合物が、以下の式(2)で表される第4級アンモニウム塩:
    Figure 0003726834
    (ここで、R は各々独立して炭素数10〜24の炭化水素基、R は炭素数1〜3のアルキル基またはベンジル基であり、mは1〜10であり、そしてX は陰イオンである)および
    以下の式(3)で表される第4級アンモニウム塩:
    Figure 0003726834
    (ここで、R COは各々独立して炭素数10〜24のアシル基、R は各々独立して炭素数2〜4のアルキレン基、R は炭素数2〜4のアルキレン基、R は炭素数1〜3のアルキル基またはベンジル基であり、そしてX は陰イオンである)のうちの少なくとも一方であり、そして
    該アミド化合物と該アンモニウム化合物との重量比が25/75〜99/1である、
    紙用添加剤。
  2. 紙の製造において、パルプ100重量部に対して、請求項1に記載の紙用添加剤を0.03〜8重量部の割合で添加する工程を包含する、紙の製造方法。
  3. 前記添加する工程が、抄紙プロセスにおいて、パルプおよび水を含む混合物に該紙用添加剤を添加する工程である、請求項に記載の製造方法。
  4. 前記添加する工程が、抄紙プロセスにおいて得られたパルプシートの表面に、該紙用添加剤を付与する工程である、請求項に記載の製造方法。
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