JP4715591B2 - 紙用柔軟剤 - Google Patents

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本発明は、紙用柔軟剤に関する。より詳細には、紙力を低下させずに、紙に優れた曲げのしなやかさおよび紙表面の滑らかさを付与することが可能な紙用柔軟剤に関する。
コミック本やペーパーバックなどの製本用紙として、あるいはトイレットペーパー、ティッシュペーパーなどの衛生紙として、紙は日常生活において種々の用途に用いられている。特に衛生紙については、その用途から紙を曲げたときのしなやかさおよび紙の表面の滑らかさが求められている。
紙の機能の向上、あるいは新たな機能を付与するために、これまで多くの紙用柔軟剤が開発されている。例えば、特許文献1には、ジ長鎖アルキル型第4級アンモニウム塩及びグリセリンと、水または炭素数4以下の脂肪族アルコールを含有する柔軟剤が開示されている。特許文献2には、ラノリン及びラノリン誘導体を含有する柔軟剤が開示されている。特許文献3には、ウレタンアルコールまたはその4級化物を含有する柔軟剤が開示されている。特許文献4には、ピロリドンカルボン酸もしくはその塩を含有する柔軟剤が開示されている。特許文献5には、脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステル化合物および脂肪酸の混合物を含有する柔軟剤が開示されている。しかしながら、これらの柔軟剤では、紙の曲げのしなやかさおよび紙表面の滑らかさを向上させるには不十分である。さらに紙力が低下するという問題も生じる。
特開平4−100995号公報 特開昭53−147803号公報 特開昭60−139897号公報 特開平7−189170号公報 特開平7−189171号公報
本発明の目的は、紙力を低下させずに、紙に優れた曲げのしなやかさおよび紙表面の滑らかさを付与することが可能な紙用柔軟剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、アルキレンオキシド誘導体である特定の非イオン性界面活性剤(a)と、特定の化合物(b)とを組み合わせた紙用柔軟剤が上記目的を達成できることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明の紙用柔軟剤は、非イオン性界面活性剤(a)と、化合物(b)とからなる紙用柔軟剤であって、該非イオン性界面活性剤(a)が、以下の一般式(1):
O{(PO)(EO)}H (1)
(Rは炭素数12〜24のアルキル基、アルケニル基、またはアシル基であり、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基であり、x、yは平均付加モル数であり、xは1〜35、yは0〜15、およびx>yであり、そして{(PO)(EO)}はランダム付加でもブロック付加でもよく、ブロック付加の場合はPOとEOとの付加順序はどちらが先でもよい。)で表され、該化合物(b)が、以下の一般式(2):
Figure 0004715591
(Aは炭素数4〜12であるジカルボン酸の残基であり、R、R、R、およびRはそれぞれ炭素数が1〜4のアルキル基であり、そしてRおよびRはそれぞれ炭素数が2〜4のアルキレン基である。)で表され、そして該非イオン性界面活性剤(a)と、該化合物(b)との質量比が95/5〜50/50である。
本発明の紙用柔軟剤は、紙力を低下させずに、紙に優れた曲げのしなやかさおよび紙表面の滑らかさを付与することができる。したがって、本発明の紙用柔軟剤を用いることによって、紙力を維持し、かつ曲げのしなやかさと表面の滑らかさとに優れた紙を得ることができる。
本発明の紙用柔軟剤は、非イオン性界面活性剤(a)と、化合物(b)とからなる。以下、各成分および紙用柔軟剤について順次説明する。
(非イオン性界面活性剤(a):a成分)
本発明に用いる非イオン性界面活性剤(a)は、以下の一般式(1):
O{(PO)(EO)}H (1)
(Rは炭素数12〜24のアルキル基、アルケニル基、またはアシル基であり、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基であり、x、yは平均付加モル数であり、xは1〜35、yは0〜15、およびx>yであり、そして{(PO)(EO)}はランダム付加でもブロック付加でもよく、ブロック付加の場合はPOとEOとの付加順序はどちらが先でもよい。)で表される。
上記一般式(1)において、Rは、上述のとおり、炭素数12〜24のアルキル基、アルケニル基、またはアシル基である。好ましくは、炭素数14〜18のアルキル基、アルケニル基、アシル基である。炭素数が12未満の場合は紙表面の滑らかさを向上させる効果が不十分であり、24を超える場合は用いる非イオン性界面活性剤の融点が高くなり、取り扱いが困難になる場合がある。
上記一般式(1)において、オキシプロピレン基の平均付加モル数であるxは1〜35、好ましくはRの炭素数をnとした場合にxは(22−0.3n)〜35である。オキシエチレン基の平均付加モル数であるyは0〜15、好ましくはRの炭素数をnとした場合にyは0〜(0.7n−4)である。そしてx>yである。xが0の場合、yが15を超える場合、あるいはxがy以下(x≦y)の場合、紙の曲げのしなやかさおよび紙表面の滑らかさを向上させる効果が不十分であり、xが35を超える場合、非イオン性界面活性剤の粘度が高くなり、取扱いが困難になる場合がある。
上記一般式(1)において、オキシプロピレン基およびオキシエチレン基の付加は、特に制限されず、ランダム付加であってもブロック付加であってもよい。好ましくはランダム付加である。ブロック付加の場合は、オキシプロピレン基およびオキシエチレン基の付加順序についても特に制限はなく、どちらが先でもよい。
上記非イオン性界面活性剤(a)は、例えば、アルコールまたは脂肪酸にアルカリ触媒下、オキシプロピレン基およびオキシエチレン基を付加することによって得られる。
(化合物(b):b成分)
本発明に用いられる化合物(b)は、以下の一般式(2):
Figure 0004715591
(Aは炭素数4〜12であるジカルボン酸の残基であり、R、R、R、およびRはそれぞれ炭素数が1〜4のアルキル基であり、そしてRおよびRはそれぞれ炭素数が2〜4のアルキレン基である。)で表される。
上記一般式(2)において、Aは炭素数が4〜12のジカルボン酸の残基であり、このようなジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、およびテレフタル酸が挙げられる。好ましくは炭素数が6〜10のジカルボン酸である。炭素数が12を超える場合、このような化合物(b)から得られる紙用柔軟剤は、紙に曲げのしなやかさを付与するものの、得られる化合物(b)の融点が高くなり、取り扱いが困難になる場合がある。
上記一般式(2)において、R、R、R、およびRの炭素数が1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基などが挙げられる。好ましくはメチル基およびエチル基である。炭素数が4を超える場合、このような化合物(b)から得られる紙用柔軟剤は、紙に曲げのしなやかさを付与するものの、得られる化合物(b)の融点が高くなり、取り扱いが困難になる場合がある。
上記一般式(2)において、RおよびRの炭素数が2〜4のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。
上記化合物(b)は、ジアルキルアミノアルキレンアミンとジカルボン酸とを反応させて得られる。この反応は、通常の縮合反応によって行われる。上記化合物(b)は、そのまま使用することができるが、酸で中和することにより取り扱い性がよくなる。この際使用する酸としては、抄紙後の紙に残留する場合を考慮すると、蟻酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、グルコン酸などが好ましい。これらの酸は、化合物(b)のアミン価を測定し、該アミン価に対して当量用いられる。
(紙用柔軟剤)
本発明の紙用柔軟剤は、上記非イオン性界面活性剤(a成分)および上記化合物(b)(b成分)からなる。a成分とb成分との質量比(a成分)/(b成分)は、95/5〜50/50であり、好ましくは90/10〜60/40である。質量比が95/5を超える場合、紙力の低下が大きくなる。50/50未満の場合、紙表面の滑らかさを向上させる効果が不十分となる。
本発明の紙用柔軟剤は、その使用において特に制限はないが、以下に好適な使用例を挙げる。
(紙用柔軟剤の使用例)
パルプ100質量部に対して、上記紙用柔軟剤(非イオン性界面活性剤(a成分)と上記化合物(b)(b成分)との合計量)を0.03〜8質量部、好ましくは0.1〜4質量部となるように添加する。上記紙用柔軟剤の量が0.03質量部未満の場合、得られる紙の曲げのしなやかさが不十分な場合がある。8質量部を超える場合、使用量に見合った紙の曲げのしなやかさを向上させる効果が得られず、むしろ紙のコストアップにつながり経済的に不利となる。
上記パルプ(原料パルプ)としては、例えば化学パルプ(針葉樹もしくは広葉樹の晒しまたは未晒しクラフトパルプなど)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプなど)、脱墨パルプ(新聞、雑誌古紙など)などが用いられる。これらは単独で、または混合して用いることができる。
紙の製造において、本発明の紙用柔軟剤は種々の工程において利用され得る。すなわち、抄紙工程のいずれの段階においても抄紙系に添加され得(内部添加法)、さらに抄紙工程により得られたパルプシートの表面に付与することも可能である(外部添加法)。例えば、抄紙工程におけるミキシングチェスト、マシンチェスト、種箱などの工程でパルプスラリーに添加する内部添加法、あるいは、抄紙により得られたパルプシート表面に塗工するサイズプレス、ゲートロール、スプレーなどの外部添加法が採用される。
特に、内部添加法が好適に採用される。例えば、パルプと水とを含む混合物(例えば、パルプスラリー)に上記紙用柔軟剤を添加し、通常の方法により抄造を行なうことにより紙が得られる。
紙の製造においては、一般に紙の抄造に用いられる長網抄紙機、ツインワイヤー機、ヤンキー機などの抄紙機を使用することができる。
本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(合成例1.1:非イオン性界面活性剤の調製)
ステアリルアルコール378.0g(1.4モル)に水酸化カリウム18.9g(ステアリルアルコール100質量部に対して5質量部に相当)を5L容オートクレーブに量りとり125℃に昇温し、プロピレンオキシド2354.1g(39.9モル)およびエチレンオキシド294.8g(6.7モル)を0.49MPaの条件下にて反応させ、2時間熟成を行った。次いで75℃、減圧下にて脱ガスを行った後、酢酸で中和し、ろ過を行い、水酸基価29.2mgKOH/g、オキシプロピレン基の平均付加モル数20、およびオキシエチレン基の平均付加モル数4の非イオン性界面活性剤a−1を得た。
(合成例1.2〜1.6)
合成例1.1と同様にして、表1に示す非イオン性界面活性剤a−2〜a−6を得た。
(比較合成例1.1〜1.3)
合成例1.1と同様にして、表1に示す非イオン性界面活性剤a’−1〜a’−3を得た。
Figure 0004715591
(合成例2.1:化合物(b)の調製)
攪拌機、冷却管、温度計および窒素導入管を備えた500ミリリットル容量の4つ口フラスコにアジピン酸146.1g(1モル)およびジメチルアミノプロピルアミン204.0g(2.0モル)を仕込んだ。次いで、窒素雰囲気下、攪拌しながら120〜130℃まで昇温し、生成する水を系外へ除去しながら15時間反応を行い、アミン価182の化合物b−1を得た。
(合成例2.2〜2.4)
合成例2.1と同様にして、表2に示す化合物b−2〜b−4を得た。
Figure 0004715591
(実施例1:紙用柔軟剤の分散液の調製および紙用柔軟剤の評価)
1.紙用柔軟剤の分散液の調製
200mLのビーカーに、158.27gのイオン交換水、1.28gの非イオン性界面活性剤a−1、0.32gの化合物b−1、および0.13gの酢酸(化合物b−1のアミン価に対して当量に相当)を量りとり、70℃で30分間撹拌し、紙用柔軟剤の1質量%分散液を調製した(分散液Iとする)。
2.紙用柔軟剤の評価
上記で得られた分散液Iを用いて、以下のようにして手すきシートを製造した。そして、得られた手すきシートについて、(1)曲げのしなやかさ、(2)紙表面の滑らかさ、および(3)紙力を評価した。
2−1.手すきシートの調製
フリーネスが450mLであるLBKP(広葉樹晒パルプ)を、離解機(熊谷理研株式会社製)を用いて離解し、パルプを1質量%含有するパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー400g(パルプ量4g)を500mL容量のビーカーに入れ、上記紙用柔軟剤の分散液Iを2.0g(パルプ100質量部に対して紙用柔軟剤(非イオン性界面活性剤および化合物(b)の合計量)が0.5質量部)を添加した。次いで、径4.5cmのタービン羽根により、250rpmにて1分間撹拌した。撹拌後、57gのパルプスラリーを用いて、TAPPIスタンダードシートマシン(安田精機株式会社製)により抄紙した。抄紙後、油圧プレス機(安田精機株式会社製)を用いて0.35Mpaで5分間プレスし、ドラム式ドライヤー(安田精機株式会社製)により105℃で2分間乾燥し、坪量約30g/mの手すきシートを3枚製造した。この手すきシートを、さらに温度23℃および湿度50%の恒温恒湿室に17時間保管して調湿した。
2−2.評価
(1)曲げのしなやかさの評価
上記手すきシートおよび上記紙用柔軟剤を添加していない手すきシートをそれぞれ10名の女性に触らせ、以下の5段階の基準で採点させた:
(評価基準)
5点: 柔軟剤を添加していない手すきシートに比べて非常にしなやかである
4点: 柔軟剤を添加していない手すきシートに比べてしなやかである
3点: 柔軟剤を添加していない手すきシートに比べてややしなやかである
2点: 柔軟剤を添加していない手すきシートのしなやかさとかわらない
1点: 柔軟剤を添加していない手すきシートに比べて硬い
得られた点数の平均点を算出し、平均点が3点以上の場合は曲げのしなやかさが十分である、3点未満の場合は曲げのしなやかさが不十分であるとして評価した。結果を表3に示す。
(2)紙表面の滑らかさの評価
上記手すきシートおよび上記紙用柔軟剤を添加していない手すきシートの表面を、10名の女性に触らせ、以下の5段階の基準で採点させた:
(評価基準)
5点: 柔軟剤を添加していない手すきシートに比べて非常に滑らかである
4点: 柔軟剤を添加していない手すきシートに比べて滑らかである
3点: 柔軟剤を添加していない手すきシートに比べてやや滑らかである
2点: 柔軟剤を添加していない手すきシートの滑らかさとかわらない
1点: 柔軟剤を添加していない手すきシートに比べて粗い
得られた点数の平均点を算出し、平均点が3点以上の場合は曲げのしなやかさが十分である、3点未満の場合は曲げのしなやかさが不十分であるとして評価した。結果を表3に示す。
(3)紙力の評価
手すきシートを120×15mmに裁断し、引張圧縮試験機(株式会社今田製作所製SV−201−0−SH)で紙を引き離すときの引張り強度を測定した。得られた引張り強度および坪量の値から、JIS P 8113に準じて以下の式から裂断長を算出した(試験裂断長とする)。この操作を3回行って、試験裂段長の平均値を得た。他方、紙用柔軟剤を添加せずに製造した手すきシート(対照例)を用いた場合の列断長をブランク列断長とした。試験列断長をブランク列断長と比較して、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
Figure 0004715591
(評価基準)
試験裂断長がブランク列断長の90%以上:紙力が非常に良好である(◎)
試験裂断長がブランク列断長の80%以上90%未満:紙力が良好である(○)
試験裂断長がブランク列断長の80%未満:紙力が不十分である(×)
(実施例2〜7)
表3に記載の非イオン界面活性剤(a−1〜a−6)、化合物(b)(b−1〜b−4)、および酸(化合物(b)のアミン価に対して表3に記載の中和当量に相当)を用いて、実施例1と同様の手順で、それぞれ紙用柔軟剤の1質量%分散液(分散液II〜VII)を得た。これらの分散液II〜VIIを用いて、実施例1と同様の手順で手すきシートを製造し、得られた手すきシートの評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例1)
紙用柔軟剤の分散液Iを用いなかったこと以外は、実施例1と同様の手順で手すきシートを製造し、得られた手すきシートの評価を行った。結果を表4に示す。
(比較例2〜6)
表4に記載した紙用柔軟剤の1質量%分散液(分散液VIII〜XII)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で手すきシートを製造し、得られた手すきシートの評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 0004715591
Figure 0004715591
表3の結果から、実施例1〜7の紙用柔軟剤の分散液I〜VIIを用いた場合は、いずれの紙(手すきシート)も、紙力を維持しつつ、良好な曲げのしなやかさおよび紙表面の滑らかさを有していることがわかる。
これに対して、表4の結果から、比較例1の紙用柔軟剤を用いない場合、あるいは比較例2〜6の紙用柔軟剤の分散液VIII〜XIIを用いた場合は、紙力、曲げのしなやかさ、および紙表面の滑らかさのいずれかの点で劣った。すなわち、比較例1では、紙用柔軟剤を用いていないので、曲げのしなやかさおよび紙表面の滑らかさが不十分である。比較例2では、非イオン界面活性剤のアルキル鎖長が短いので、紙表面の滑らかさが不十分である。比較例3では、非イオン界面活性剤のオキシエチレン基の平均付加モル数が高いため、曲げのしなやかさおよび紙表面の滑らかさが不十分である。比較例4では、非イオン界面活性剤のオキシエチレン基の平均付加モル数がオキシプロピレン基の平均付加モル数よりも高いため、曲げのしなやかさおよび紙表面の滑らかさが不十分である。比較例5では、非イオン性界面活性剤の量(a成分)が化合物(b)の量(b成分)に比べて高いため(質量比a成分/b成分が99/1)、紙力の低下が大きい。比較例6では、非イオン性界面活性剤の量(a成分)が化合物(b)の量(b成分)に比べて低いため(質量比a成分/b成分が25/75)、紙表面の滑らかさが不十分である。
本発明によれば、紙力を低下させずに、紙に優れた曲げのしなやかさと紙表面の滑らかさを付与することが可能な紙用柔軟剤が提供される。この柔軟剤を用いると、紙力を維持しつつ、十分な曲げのしなやかさおよび紙表面の滑らかさを有する紙を得ることができる。このような紙は、製本用紙、新聞用紙、印刷・情報用紙、段ボール原紙、板紙、ティシューペーパー、トイレットペーパー、キッチンタオルなど各種分野の紙に広く利用され得る。

Claims (1)

  1. 非イオン性界面活性剤(a)と、化合物(b)とからなる紙用柔軟剤であって、
    該非イオン性界面活性剤(a)が、以下の一般式(1):
    O{(PO)(EO)}H (1)
    (Rは炭素数12〜24のアルキル基、アルケニル基、またはアシル基であり、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基であり、x、yは平均付加モル数であり、xは1〜35、yは0〜15、およびx>yであり、そして{(PO)(EO)}はランダム付加でもブロック付加でもよく、ブロック付加の場合はPOとEOとの付加順序はどちらが先でもよい。)で表され、
    該化合物(b)が、以下の一般式(2):
    Figure 0004715591
    (Aは炭素数4〜12であるジカルボン酸の残基であり、R、R、R、およびRはそれぞれ炭素数が1〜4のアルキル基であり、そしてRおよびRはそれぞれ炭素数が2〜4のアルキレン基である。)で表され、そして
    該非イオン性界面活性剤(a)と、該化合物(b)との質量比が95/5〜50/50である、紙用柔軟剤。
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