JP4935513B2 - 光学素子およびその製造方法、ならびに光学素子作製用複製基板およびその製造方法 - Google Patents

光学素子およびその製造方法、ならびに光学素子作製用複製基板およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4935513B2
JP4935513B2 JP2007150817A JP2007150817A JP4935513B2 JP 4935513 B2 JP4935513 B2 JP 4935513B2 JP 2007150817 A JP2007150817 A JP 2007150817A JP 2007150817 A JP2007150817 A JP 2007150817A JP 4935513 B2 JP4935513 B2 JP 4935513B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical element
substrate
lattice pattern
tetragonal lattice
pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007150817A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008304637A (ja
Inventor
惣銘 遠藤
透 永井
和弥 林部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2007150817A priority Critical patent/JP4935513B2/ja
Priority to TW097119543A priority patent/TWI387782B/zh
Priority to KR1020080052133A priority patent/KR20080107276A/ko
Priority to US12/133,158 priority patent/US8027090B2/en
Priority to CN200810085972XA priority patent/CN101320104B/zh
Publication of JP2008304637A publication Critical patent/JP2008304637A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4935513B2 publication Critical patent/JP4935513B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/11Anti-reflection coatings
    • G02B1/118Anti-reflection coatings having sub-optical wavelength surface structures designed to provide an enhanced transmittance, e.g. moth-eye structures
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/02Diffusing elements; Afocal elements
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1335Structural association of cells with optical devices, e.g. polarisers or reflectors
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F2201/00Constructional arrangements not provided for in groups G02F1/00 - G02F7/00

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)

Description

本発明は、光学素子およびその製造方法、ならびに光学素子作製用複製基板およびその製造方法に関する。詳しくは、凸部または凹部からなる構造体が基体表面に多数設けられた光学素子に関する。
従来、ガラスやプラスチックなどの透光性基板を用いた光学素子においては、表面反射による光を減少させ、透過特性を上げるための方法として、光学素子表面に微細且つ緻密な凹凸(サブ波長構造体;蛾の目)形状を形成する方法がある。一般に、光学素子表面に周期的な凹凸形状を設けた場合、ここを光が透過するときには回折が発生し、透過光の直進成分が大幅に減少する。しかし、凹凸形状のピッチが透過する光の波長よりも短い場合には回折は発生せず、例えば凹凸形状を円錐形としたときに、そのピッチや深さなどに対応する単一波長の光に対して有効な反射防止効果と優れた透過特性を得ることができる。
例えば、非特許文献1には、上述の光学素子の作製方法が記載されている。まず、Si基板上のフォトレジストに電子線記録により凹凸フォトレジストパターンを形成し、凹凸フォトレジストパターンをマスクにして、Si基板をエッチングする。これにより、図15に示すように、微細なテント形状のサブ波長構造体(ピッチ:約300nm、深さ:約400nm)を有するSi原盤が作製される。
上述のようにして作製されたSi原盤では、広い波長域を有する光に対しても反射防止効果を得ることができる。さらに、図16に示すように、上記サブ波長構造体を六方格子状に形成することにより、可視光域において非常に高性能な反射防止効果(透過率1%以下)を得ることができる(図17参照)。なお、図17中、l1、l2はそれぞれSi平坦部の反射率、パターン部の反射率を示す。
次に、図18に示すように、作製したSi原盤のNiめっきスタンパを作製する。このスタンパの表面の所定領域R1には、図19に示すように、Si原盤のものとは反対の凹凸構造が形成されている。次に、このスタンパを用いて、ポリカーボネートの透明樹脂に凹凸パターンを転写する。これにより、目的とする光学素子(複製基板)が得られる。この光学素子も高性能な反射防止効果(透過率1%以下)を得ることができる(図20参照)。なお、図20中、l3、l4はそれぞれパターン無しの反射率、パターン有りの反射率を示す。但し、非特許文献1には、上記光学素子の透過特性については記載がなく、また、上記光学素子を用いてディスプレイなどの導光性能を改善することについても記載されてはいない。
ところで、近年、ディスプレイ、光エレクトロニクス、光通信、太陽電池、照明装置などの種々の光学デバイスの反射防止素子や高透過素子に対して、サブ波長構造体の表面凹凸形状を適用する試みが広く行われている。以下、サブ波長構造体の表面凹凸形状の適用例として、液晶ディスプレイについて説明する。
近年、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイに代わり、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)といった非常に薄型のディスプレイが実用化されている。特に、液晶ディスプレイは、低消費電力での駆動が可能であることや、大型のカラー液晶表示パネルの低価格化などに伴い、加速的に普及しつつある。
液晶ディスプレイでは、透過型のカラー液晶表示パネルを背面側からバックライト装置にて照明することでカラー画像を表示させるバックライト方式が主流となっている。バックライト装置の光源としては、蛍光管を使った白色光を発光する冷陰極蛍光管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)が多く用いられている。
しかし、冷陰極蛍光管は蛍光管内に水銀を封入するため、環境への悪影響を及ぼす虞がある。そのため、バックライト装置の光源として、冷陰極蛍光管に代わる光源が求められている。近年の青色発光ダイオードの開発により、光の3原色である赤色光、緑色光、青色光をそれぞれ発光する発光ダイオードが揃ったため、冷陰極蛍光管に代わる光源として発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が有望視されるようになっている。発光ダイオードから出射される赤色光、緑色光、青色光を混色することで、色純度の高い白色光を得ることができる。
この発光ダイオードをバックライト装置の光源とすることで、カラー液晶表示パネルを介した色光の色純度が高くなるため、色再現範囲をNTSC(National Television System Committee)方式で規定される程度、さらには、それを超える程度まで広げることが期待されている。
このように、赤色光、緑色光、青色光をそれぞれ発光する発光ダイオードを、カラー液晶表示パネルを照明する照明光を生成するバックライト装置の光源とした場合、各色光を効率的に透過させる技術が必要となる。そこで、上述したように、サブ波長構造体の表面凹凸形状を液晶ディスプレイに適用する検討がなされている。
例えば、特許文献1には、レジスト膜に対して電子線描画処理を行ない、その後現像処理を施すことにより、レジストパターンを形成し、所定のエッチングガスを用い、レジストパターンを介してエッチング処理を施すことにより、第2の半導体層を直接的にエッチング処理し、反射防止フィルタ(サブ波長構造体)を形成することが開示されている。また、この反射防止フィルタを有する半導体発光素子は、反射防止フィルタを有しないものに比較して、約30%発光強度が増大させることが記載されている。
しかし、電子線露光は作業時間が長いという欠点を有しており、工業的な生産には適さない。例えば、一番細いパターンを描くときの使う100pAのビームで、カリックスアレーンのような数十mC/cm2のドーズ量を要求するレジストへ描いた場合、24時間露光しても一辺が200μmの正方形を塗りつぶせない。また、現在一般的に用いられている携帯電話用の2.5インチ小型ディスプレイ(50.8mm×38.1mm)の面積を露光する場合、約20日も要することになる。
一方、非特許文献2に記載の方法では、光ディスクの記録技術を用いるため、高速、低コスト、大面積作製技術の実現を図ることが可能である。しかしながら、この方法で作製された光学素子は、反射率の波長依存特性が悪く、1%以下の低反射率を実現できないため、反射防止構造としては実用に向かない。これは、ナノドットパターンの密度(開口率)が低い(50%以下)ためと考えられる。
また、上述のサブ波長構造体以外にも、無機多層膜を液晶ディスプレイに適用する検討がなされている。例えば、特許文献2では、低屈折率層を形成する誘電体材料として酸化珪素(SiO2)、高屈折率層を形成する誘電体材料として五酸化ニオブ(Nb25)を用い、誘電体を24層積層することで、上述したような光学特性を有する光学フィルタを形成し、赤色光(640nm)、緑色光(530nm)、青色光(450nm)の透過率をそれぞれ、80%、80%、50%と向上させることが開示されている。しかし、このような光学フィルタでは、十分な透過率特性の改善は得られないため、更なる透過特性の改善、特に青色光の透過特性の改善が望まれる。
NTTアドバンストテクノロジ(株)、"波長依存性のない反射防止体(モスアイ)用成形金型原盤"、[online]、[平成18年5月21日検索]、インターネット<http://keytech.ntt-at.co.jp/nano/prd_0016.html> 独立行政法人産業技術総合研究所、"ナノメータサイズの微細加工を可能とする卓上型装置を開発"、[online]、[平成18年5月21日検索]、インターネット<http://aist.go.jp/aist_i/press_release/pr2006/pr20060306/pr20060306.html> 特許第3723843号公報 特開2006−145885号公報
したがって、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、生産性が高く、かつ、反射防止特性に優れた光学素子およびその製造方法、ならびに光学素子作製用複製基板およびその製造方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本願第1の発明は、
凸部または凹部からなる構造体が微細ピッチで基体表面に多数設けられている、反射防止特性を有する光学素子であって、
各構造体は、基体表面において複数列の円弧状トラックをなしている共に、隣接する3列の円弧状トラック間において四方格子パターンまたは準四方格子パターンをなし
円弧状トラックに対して45度方向における構造体の高さまたは深さは、円弧状トラックの径方向における構造体の高さまたは深さよりも小さい
ことを特徴とする光学素子である。
本願第2の発明は、
凸部または凹部からなる構造体が微細ピッチで基体表面に多数設けられている、反射防止特性を有する光学素子を作製するための光学素子作製用複製基板であって、
各構造体は、基体表面において複数列の円弧状トラックをなしていると共に、隣接する3列の円弧状トラック間において四方格子パターンまたは準四方格子パターンをなし
円弧状トラックに対して45度方向における構造体の高さまたは深さは、円弧状トラックの径方向における構造体の高さまたは深さよりも小さい
ことを特徴とする光学素子作製用複製基板である。
本願第3の発明は、
凸部または凹部からなる構造体が微細ピッチで表面に多数設けられている、反射防止特性を有する光学素子を作製するための光学素子作製用複製基板の製造方法であって、
表面にレジスト層が形成された基板を準備する第1の工程と、
基板を回転させると共に、レーザ光を基板の回転半径方向に相対移動させながら、レジスト層にレーザ光を間欠的に照射して、可視光波長よりも短いピッチで潜像を形成する第2の工程と、
レジスト層を現像して、基板の表面にレジストパターンを形成する第3の工程と、
レジストパターンをマスクとするエッチング処理を施すことで、基板の表面に凹凸構造を形成する第4の工程と、
基板の凹凸構造を転写して、トラックに対して45度方向における構造体の高さまたは深さは、トラックの径方向における構造体の高さまたは深さよりも小さい複製基板を作製する第5の工程とを有し、
第2の工程では、隣接する3列のトラック間において四方格子パターンまたは準四方格子パターンが構成されるように潜像を形成する
ことを特徴とする光学素子作製用複製基板の製造方法である。
本願第4の発明は、
凸部または凹部からなる構造体が微細ピッチで表面に多数設けられている、反射防止特性を有する光学素子の製造方法であって、
表面にレジスト層が形成された基板を準備する第1の工程と、
基板を回転させると共に、レーザ光を基板の回転半径方向に相対移動させながら、レジスト層にレーザ光を間欠的に照射して、可視光波長よりも短いピッチで潜像を形成する第2の工程と、
レジスト層を現像して、基板の表面にレジストパターンを形成する第3の工程と、
レジストパターンをマスクとするエッチング処理を施すことで、基板の表面に凹凸構造を形成する第4の工程と、
基板の複製基板を作製し、複製基板の凹凸構造の上に金属メッキ層を形成する第5の工程と、
金属メッキ層を複製基板から剥離して、凹凸構造が転写された成形用金型を作製する第6の工程と、
成形用金型を用いて、トラックに対して45度方向における構造体の高さまたは深さは、トラックの径方向における構造体の高さまたは深さよりも小さい、凹凸構造が表面に形成された透明基体を成形する第7の工程とを有し、
第2の工程では、隣接する3列のトラック間において四方格子パターンまたは準四方格子パターンが構成されるように潜像を形成する
ことを特徴とする光学素子の製造方法である。
本発明では、微細ピッチで基体表面に多数配設けられた構造体が、複数列の円弧状トラックをなしていると共に、隣接する3列のトラック間において四方格子パターンまたは準四方格子パターンをなしているので、表面における構造体の充填密度を高くすることができ、これにより可視光の反射防止効率を高め、反射防止特性に優れ、透過率の極めて高い光学素子を得ることができる。また、構造体の作製に光ディスクの記録技術を利用可能であるので、上記構成の光学素子を作製するための光学素子作製用原盤を短時間で効率良く製造することができると共に、基板の大型化にも対応でき、これにより光学素子の生産性の向上を図ることができる。
本発明によれば、反射防止特性に優れ、透過率の極めて高い光学素子を得ることができる。また、このような光学素子を高い生産性で製造することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(光学素子の構成)
図1Aは、本発明の実施形態による光学素子1の構成の一例を示す概略平面図である。図1Bは、図1Aに示した光学素子1の一部を拡大して表す平面図である。図1Cは、図1BのトラックT1、T3、・・・における断面図である。図1Dは、図1BのトラックT2、T4、・・・における断面図である。図1Eは、図1BのトラックT1、T3、・・・に対応する潜像形成に用いられるレーザ光の変調波形を示す略線図である。図1Fは、図1BのトラックT2、T4、・・・に対応する潜像形成に用いられるレーザ光の変調波形を示す略線図である。図2は、図1Aに示した光学素子1の一部を拡大して表す斜視図である。この光学素子1は、ディスプレイ、光エレクトロニクス、光通信(光ファイバー)、太陽電池、照明装置など種々の光デバイスに適用して好適なものであり、例えば、種々の波長域を有する光ファイバーやディスプレイ導光板に適用可能である。また、入射光の入射角に応じた透過率を有する光学フィルタ(サブ波長構造体)およびこの光学フィルタを用いたディスプレイパネルを照明するバックライト装置に適用可能である。
本実施形態による光学素子1は、基体2の表面に凸部形状または凹部形状の構造体3が可視光の波長(例えば約400nm)以下の微細ピッチで多数配設された構成を有している。この光学素子1は、基体2を図2の−Z方向に透過する光について、構造体3とその周囲の空気との界面における反射を防止する機能を有している。
基体2は、透光性を有する透明基体であり、例えば、ポリカーボネート(PC)やポリエチレンテレフタレート(PET)などの透明性合成樹脂、ガラスなどからなる。その形態は特に限られず、フィルム状、シート状、プレート状、ブロック状でもよい。上述したように、本実施形態の光学素子1は、ディスプレイ、光エレクトロニクス、光通信、太陽電池、照明装置など所定の反射防止機能が必要とされる各種光学デバイスに適用して好適なものであり、これら光学デバイスの本体部分や、これらの光学デバイスに取り付けられるシート状あるいはフィルム状の反射防止機能部品の形状などに合わせて、基体2の形態が決定される。
構造体3は、例えば、基体2と一体的に形成されている。各構造体3はそれぞれ同一の形状を有しているが、これに限られない。構造体3は、例えば、底面が長軸と短軸をもつ楕円形、長円形あるいは卵形の錐体構造であり、その頂部が曲面または平坦な形状(以下、これらを総称して「楕円錐台形状」という。)に形成されている。特に、中央部の傾きが底部および頂部より急峻な楕円錐台形状であることが好ましい。また、頂部の傾きが緩やかで中央部から底部に徐々に急峻な傾きとなる楕円錐台形状、すなわち、釣鐘型の楕円錐台形状であることも好ましい。
構造体3は、例えば、凸形状または凹形状を有する。各構造体3は、基体表面において複数列の円弧状トラックをなしている共に、隣接する3列の円弧状トラック間において四方格子パターンまたは準四方格子パターンをなしている。構造体3の高さまたは深さは特に限定されず、例えば、159nm〜312nm程度である。円周(約)45度方向ピッチP3は、例えば、275nm〜297nm程度である。構造体3のアスペクト比(高さ/配置ピッチ)は、例えば、0.54〜1.13程度である。更に、各構造体3のアスペクト比は全て同一である場合に限らず、各構造体3一定の高さ分布をもつように構成されていてもよい。
図3は、ディスク状光学素子1Wの構成の一例を示す概略平面図である。光学素子1は、図3に示すように、ディスク状光学素子1Wの表面ほぼ全域に構造体3が形成された後、光学素子1Wから所定の製品サイズに合わせて切り出されて形成される。構造体3は、後述するように光学ディスク記録装置をベースにして構成された露光装置を用いて形成した露光パターンをもとに形成される。上述のように、ディスク状光学素子1Wを所定サイズに切り出して光学素子1を作製するので、光学素子1の各構造体3は、図1Bに示したように、基体2の表面において複数列の円弧状のトラックT1、T2、T3、・・・(以下総称して「トラックT」ともいう。)をなすような配置形態を有する。
各構造体3は、例えば、底面の長軸方向をトラックTの円周方向に向けて配置されている。各構造体3の底部には、例えば、円弧状トラックTの円周方向に沿って延びる裾部を有していてもよい。トラックTの円周に対して45度方向における構造体3の高さH1は、例えば、円弧状トラックTの径方向における構造体3の高さH2よりも小さい。すなわち、H1<H2の関係にある。
各構造体3は、隣接する2つのトラックT間において、一方のトラック(例えばT1)に配列された各構造体3の中間位置(半ピッチずれた位置)に、他方のトラック(例えばT2)の構造体3が配置されている。その結果、図1Bに示すように、隣接する3列のトラック(T1〜T3)間においてa1〜a4の各点に構造体3の中心が位置する四方格子パターンまたは準四方格子パターンを形成するように各構造体3が配置されている。円周方向ピッチP2は半径方向ピッチP1の2倍の間隔であり、円周45度方向ピッチP3は半径方向ピッチP1の√2倍である。半径方向ピッチP1は、例えば200nmであり、円周方向ピッチP2は、例えば400nmであり、円周45度方向ピッチP3は、例えば283nmである。
ここで、「四方格子パターン」とは、トラックTの円弧に沿って歪み、かつ、円周方向ピッチP2が半径方向ピッチP1の2倍になっている四方格子パターンのことをいう。「準四方格子パターン」とは、トラックTの円弧に沿って歪み、かつ、円周方向ピッチP2が半径方向ピッチP1の2倍になっていない四方格子パターンのことをいう。
また、「半径方向ピッチP1」とは、隣接する2トラック間における構造体3の配置ピッチ(例えばトラックT1−T2間距離)のことをいう。「円周方向ピッチP2」とは、同一トラック(例えばT2)内における各構造体3の配置ピッチ(a2−a4間距離)のことをいう。「円周(約)45度方向ピッチP3」とは、円周方向に対して(約)45度方向における構造体3の配置ピッチ(例えばa1−a2間距離)のことをいう。
(光学素子の製造方法)
次に、図4〜7を参照しながら、以上のように構成される光学素子の製造方法の一例について説明する。この光学素子の製造方法では、光学素子作製用原盤の製造工程と、光学素子作製用複製基板の製造工程と、光学素子作製用金型の製造工程と、光学素子の作製工程とを経て、上述した構成の光学素子1が製造される。
[光学素子作製用原盤の製造工程]
まず、図4Aに示すように、ディスク状(円盤状)の基板11を準備する。この基板11は、例えば石英基板などである。次に、図4Bに示すように、基板11の表面にレジスト層12を形成する。レジスト層12は、例えば有機系レジストまたは無機レジストからなる。有機系レジストとしては、例えばノボラック系レジスト、化学増幅型レジストなどを用いることができる。
次に、図4Cに示すように、基板11を回転させると共に、レーザ光(露光ビーム)13をレジスト層12に照射する。このとき、レーザ光13を基板11の半径方向に移動させながら、レーザ光13を間欠的に照射することで、レジスト層12を全面にわたって露光する。これにより、レーザ光13の軌跡に応じた潜像14が、可視光波長よりも短いピッチでレジスト層12の全面にわたって形成される。レーザ光13は、例えばその変調波形がサイン波状、矩形波状、鋸波状となるように強度変調されて、レジスト層12に照射される。また、レーザ光13の変調波形の振幅が、例えば周期的または非周期的(ランダム)に変化するようにしてもよい。なお、この露光工程の詳細については後述する。
この露光工程では、例えば、レジスト層12に対するレーザ光13の照射周期を1トラック毎に変化させながら行うことにより、隣接する3列のトラック間において潜像(構造体)12aを四方格子状または準四方格子状に設けることが好ましい。また、レーザ光13の照射周期は、例えば、基板11を角速度一定で回転させ、円周方向ピッチP2が一定となるようにレーザ光13のパルス周波数を最適化することにより調整される。具体的には、トラック位置が基板中心から遠ざかるに従い、レーザ光13の照射周期が短くなるように変調制御する。これにより、図3に示すように、基体全面において空間周波数が一様であり、円弧状トラックの円周方向に対して45度傾いた正方形状や菱形状などに配置されたナノパターンを形成することが可能となる。
次に、基板11を回転させながら、レジスト層12上に現像液14を滴下して、図4Dに示すように、レジスト層12を現像処理する。これより、四方格子状または準四方格子状のレジストパターンがレジスト層12に形成される。なお、レジスト層12をポジ型のレジストにより形成した場合には、レーザ光13で露光した露光部は、非露光部と比較して現像液に対する溶解速度が増すので、露光部(潜像14)に応じたパターンがレジスト層12に形成される。
次に、基板11の上に形成されたレジスト層12のパターン(レジストパターン)をマスクとして、基板11の表面をエッチング処理する。これにより、図4Eに示すように、四方格子状または準四方格子状の凹部15aのパターンが基板上に形成される。エッチング方法としては、例えばドライエッチング法を用いることができる。このとき、エッチング処理とアッシング処理とを交互に繰り返し行うことにより、例えば楕円錐台形状の凹部15aのパターンを形成することができると共に、レジスト層12の3倍以上の深さ(選択比3以上)のマスターを作製でき、構造体3の高アスペクト比化を図ることができる。
上述のようにして潜像14を現像し、得られたレジストパターンをマスクとするエッチング処理を施すことにより、例えば、円弧状トラックの円周方向に長軸方向をもつ楕円錐台形状などの構造体3を得ることができる。特に、楕円錐台形状の構造体3としては、中央部の傾きが先端部および底部の傾きよりも急峻に形成されるものが好ましい。これにより、耐久性および転写性を向上させることが可能であるからである。また、円周方向ピッチP2が半径方向ピッチP1と等しい四方格子パターンまたは、円周方向ピッチP2が半径方向ピッチP1よりも長い準四方格子パターンなどを得ることができ、これにより、構造体3の充填密度の更なる向上を図れるようになる。
以上の工程により、目的とする光学素子作製用原盤15が製造される。この光学素子作製用原盤15は、図1に示した光学素子1を形成するマスター原器である。すなわち、この光学素子作製用原盤15の凹部15aからなる表面凹凸構造に基づいて、光学素子1の構造体3が形成される。したがって、光学素子作製用原盤15の凹部15aは、例えば、光学素子作製用原盤15の円周に沿って歪んだ四方格子パターンまたは準四方格子パターンを形成するように設けられている。
次に、図5を参照して、図4Cに示した露光工程の詳細について説明する。図5に示す露光装置は、光学ディスク記録装置をベースにして構成されている。
レーザ21は、基板11の表面に着膜されたレジスト層12を露光するための光源であり、例えば波長λ=266nmの遠紫外線レーザ光13を発振するものである。レーザ21から出射されたレーザ光13は、平行ビームのまま直進し、電気光学変調器(EOM:Electro Optical Modulator)22へ入射する。電気光学変調器22を透過したレーザ光13は、ミラー23で反射され、変調光学系25に導かれる。
ミラー23は、偏光ビームスプリッタで構成されており、一方の偏光成分を反射し他方の偏光成分を透過する機能を有する。ミラー23を透過した偏光成分はフォトダイオード24で受光され、その受光信号に基づいて電気光学変調器22が制御されてレーザ光13の位相変調が行われる。
変調光学系25において、レーザ光13は、集光レンズ26により、石英(SiO2)などからなる音響光学変調器(AOM:Acoust-Optic Modulator)27に集光される。レーザ光13は、音響光学変調器27により強度変調され発散した後、レンズ28によって平行ビーム化される。変調光学系25から出射されたレーザ光13は、ミラー31によって反射され、移動光学テーブル32上に水平かつ平行に導かれる。
移動光学テーブル32は、ビームエキスパンダ33、ミラー34および対物レンズ35を備えている。移動光学テーブル32に導かれたレーザ光13は、ビームエキスパンダ33により所望のビーム形状に整形された後、ミラー34および対物レンズ35を介して、基板11上のレジスト層12へ照射される。基板11は、スピンドルモータ36に接続されたターンテーブル(図示省略)の上に載置されている。そして、基板11を回転させると共に、レーザ光13を基板11の回転半径方向に移動させながら、レジスト層12へレーザ光13を間欠的に照射することにより、レジスト層12の露光工程が行われる。形成された潜像14は、例えば円周方向に長軸を有する略楕円形になる。レーザ光13の移動は、移動光学テーブル32を矢印R方向へ移動することにより行われる。
図5に示した露光装置は、図1Bに示した四方格子パターンまたは準四方格子パターンの2次元パターンに対応する潜像14をレジスト層12に形成するための制御機構37を備えている。制御機構37は、フォーマッタ29とドライバ30とを備える。フォーマッタ29は、極性反転部を備え、この極性反転部が、レジスト層12に対するレーザ光13の照射タイミングを制御する。ドライバ30は、極性反転部の出力を受けて、音響光学変調器27を制御する。
制御機構37は、潜像14の2次元パターンが空間的にリンクするように、1トラック毎に、音響光学変調器27によるレーザ光13の強度変調と、スピンドルモータ36の駆動回転速度と、移動光学テーブル32の移動速度とをそれぞれ同期させる。基板11は、例えば角速度一定(CAV:Constant Angular Velocity)で回転制御される。そして、スピンドルモータ36による基板11の適切な回転数と、音響光学変調器27によるレーザ光強度の適切な周波数変調と、移動光学テーブル32によるレーザ光13の適切な送りピッチとでパターニングを行う。これにより、レジスト層12に対して四方格子パターンまたは準四方格子パターンの潜像14が形成される。
例えば、円周方向ピッチP2を400nm、円周(約)45度方向ピッチP3を283nmにする場合、送りピッチを200nmにすればよい。更に、極性反転制御部の制御信号を、空間周波数(潜像14のパターン密度、円周方向ピッチP2:400nm)が一様になるように徐々に変化させる。より具体的には、レジスト層12に対するレーザ光13の照射周期を1トラック毎に変化させながら露光を行い、各トラックTにおいて円周方向ピッチP2がほぼ400nmとなるように制御機構37においてレーザ光13の周波数変調を行う。すなわち、トラック位置が基板中心から遠ざかるに従い、レーザ光の照射周期が短くなるように変調制御する。これにより、基板全面において空間周波数が一様なナノパターンを形成することが可能となる。
次に、図6を参照して、光学素子作製用原盤15から光学素子1が作製されるまでの工程について説明する。
光学素子作製用原盤15は、上述したように、基板11の表面にレジスト層12のパターンを形成した状態(図6A)から、このレジストパターンをマスクとするエッチング処理を施し、基板11の表面に凹部15aを含む凹凸構造を形成することで作製される(図6B)。
ここで、レジスト層12のパターンは、基板11の半径方向と円周(約)45度方向とで現像後の層厚が異なっており、半径方向の層厚よりも円周方向の層厚が薄い。これは、露光工程において基板11を回転させながらレーザ光13を照射するため、レーザ光13の照射時間が円周(約)45度方向よりも円周方向の方が長くなり、これが現像後においてレジスト層12の層厚の違いとなって現れるからである。その後のエッチング処理においては、基板11の円周方向と円周(約)45度方向でのレジスト層12の層厚の違いによって、形成される凹部15aに形状の異方性が付される。
[光学素子作製用複製基板の製造工程]
まず、作製した光学素子作製用原盤15の凹凸構造面に紫外線硬化樹脂などの光硬化樹脂を塗布し、その上にアクリル板などの透明基板を重ねて配置する。そして、透明基板の上から紫外線などを照射し光硬化樹脂を硬化させた後、光学素子作製用原盤15から剥離する。これにより、図6Cに示すように、透明基板16aの一主面に光硬化樹脂からなる構造体16bが設けられ、光学素子作製用複製基板16が作製される。
[光学素子作製用金型の製造工程]
次に、作製した光学素子作製用複製基板16の凹凸構造面に導電化膜を無電界メッキ法などにより形成した後、電界メッキ法などによって金属メッキ層を形成する。これら無電解メッキ膜および電界メッキ層の構成材料には、例えばニッケル(Ni)が好適である。そして、金属メッキ層の形成後、光学素子作製用複製基板16から金属メッキ層を剥離し、必要に応じて外形加工を施す。これにより、図6Dに示すように、凹部17aが一主面に設けられた光学素子作製用金型17が作製される。
[光学素子の作製工程]
次に、作製した光学素子作製用金型17を射出成形機の所定位置に設置し、金型を閉じキャビティを形成した後、ポリカーボネートなどの溶融樹脂を充填する。次に、溶融樹脂を冷却した後に金型を開き、固化した樹脂を取り出す。これにより、図6Eに示したように、構造体3が基体2の一主面に一体形成されたディスク状光学素子1Wが作製される。
[切り出し工程]
次に、ディスク状光学素子1Wを所定の製品サイズに応じて切り出す。例えば、ディスク状光学素子1Wが直径200mmを有する円形状である場合、図7Aに示すように、ディスク状光学素子1Wから携帯電話機用(例えば横2.5インチ)などの光学素子1を4枚、あるいは、図7Bに示すように、ディスク状光学素子1Wから携帯ゲーム装置用(例えば横4.3インチ)などの光学素子1を2枚切り出すことができる。以上により、図1Aに示す光学素子1が作製される。
以上、本実施形態によれば、基体2の表面に可視光波長以下の微細ピッチで多数配置された構造体3が、複数列の円弧状トラックをなすように配置されていると共に、隣接する3列のトラック間において四方格子パターンまたは準四方格子パターンを形成しているので、基体表面における構造体3の充填密度を高くすることができ、これにより可視光の反射防止効率を高め、反射防止特性に優れ、透過率の極めて高い光学素子1を得ることができる。
また、本実施形態によれば、各構造体3を上述したような楕円錐台形状としたことにより、図15に示した従来の錐体形状のサブ波長構造体構造に比べて、凹凸構造面の耐久性を高めることができると共に、光学素子作製用複製基板16、光学素子作製用金型17および光学素子1の各凹凸構造面の転写性を高めることが可能となる。
また、本実施形態によれば、光ディスク記録装置を応用した露光装置を用いて光学素子作製用原盤15を作製するようにしているので、上記構成の光学素子1を短時間で効率良く製造することができると共に光学素子1の大型化にも対応可能となり、これにより生産性の向上を図ることができる。また、マスター原器である光学素子作製用原盤15を低コストかつ短時間で作製できる。
また、本実施形態によれば、レジスト層12に対するレーザ光13の照射周期を1トラック毎に変化させながら露光を行うことにより、隣接する3列のトラック間において潜像14を四方格子パターンまたは準四方格子パターン状に配置形成し、形成した潜像14を現像し、この現像により得られたレジストパターンをマスクとするエッチング処理を施すので、円弧状トラックの円周方向に対して45度傾いた正方形状や菱形状に配置された楕円錐台形状の構造体3を得ることができる。特に、この楕円錐台形状の構造体3は、中央部の傾きが先端部および底部の傾きよりも急峻に形成されるのが好ましく、これにより、耐久性および転写性を向上させることが可能となる。また、同一トラック内における構造体3の配置ピッチが、隣接する2トラック間における構造体3の配置ピッチよりも2倍長い四方格子パターン、または、同一トラック内における構造体3の配置ピッチが、隣接する2トラック間における構造体3の配置ピッチよりも2倍以上長い準四方格子パターンなどを得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例においては、上述の実施形態と対応する部分には同一の符号を付す。
実施例1〜3では、四方格子パターンまたは準四方格子パターンにサブ波長構造体3を形成すると共に、そのサブ波長構造体3の空間周波数を3種類変化させることにより、光学素子作製用複製基板16を作製した。比較例では、準六方格子パターンにサブ波長構造体3を形成することにより、光学素子作製用複製基板16を作製した。
(実施例1)
[光学素子作製用原盤の作製]
石英基板11上に、化学増幅型またはノボラック系ポジ型レジスト層12を厚さ150nm程度塗布し、このレジスト層12に、図5に示した露光装置を用いて、半径方向ピッチ(半径周期)P1:190nm、円周方向ピッチ(円周周期)P2:400nm、円周約45度方向のピッチ(円周約45度方向周期)P3:275nmの準四方格子パターンの潜像14をレジスト層12に形成した。レーザ光13の波長は266nm、レーザパワーは0.50mJ/mとした。なお、レジスト層12に対するレーザ光13の照射周期を1トラック毎に変化させた。その後、レジスト層12に対して現像処理を施して、準四方格子パターンのレジストパターンを作製した。現像液としては、無機アルカリ性現像液(東京応化社製)を用いた。
次に、O2アッシングによりレジストパターンを除去し開口径を広げるプロセスと、CHF3ガス雰囲気中でのプラズマエッチングで石英基板11をエッチングするプロセスとを繰り返し行った。その結果、石英基板11の表面が露出している準四方格子パターン径が徐々に広がりながら、エッチングが進行し、その他の領域はレジストパターンがマスクとなりエッチングされず、釣鐘型楕円錐体状を有する凹部15aが形成された。なお、エッチング量はエッチング時間によって変化させた。最後に、O2アッシングによりレジストパターンを完全に除去した。
ここで、上述のアッシングおよびエッチングのプロセスの詳細について説明する。まず、アッシングおよびエッチングのプロセスを、(1)O2アッシング5秒、CHF3エッチング1分、(2)O2アッシング5秒、CHF3エッチング2分、(3)O2アッシング5秒、CHF3エッチング3分、(4)O2アッシング5秒、CHF3エッチング4分の順序で行った。最後に、O2アッシングを10秒行うことにより、レジストパターンを完全に除去した。
以上により、半径方向ピッチ(半径周期)P1:190nm、円周方向ピッチ(円周周期)P2:400nm、円周約45度方向のピッチ(円周約45度方向周期)P3:275nm、深さ:220〜312nm、アスペクト比:0.80〜1.13、準四方格子パターンの光学素子作製用原盤(サブ波長構造体石英マスター)15が作製された。
[光学素子作製用複製基板の作製]
次に、作製した光学素子作製用原盤15上に紫外線硬化樹脂を塗布した後、アクリル板16aを紫外線硬化樹脂上に密着させた。そして、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させ、光学素子作製用原盤15から剥離した。次に、光学素子作製用原盤15上に紫外線硬化樹脂を塗布した後、光学素子作製用複製基板16の平面側を紫外線硬化樹脂上に密着させた。そして、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させ、光学素子作製用原盤15から剥離した。以上により、準四方格子パターンを両面に有する光学素子作製用複製基板(サブ波長構造体紫外線硬化複製基板)16が作製された。
(実施例2)
[光学素子作製用原盤の作製]
半径方向ピッチ(半径周期)P1:200nm、円周方向ピッチ(円周周期)P2:400nm、円周45度方向ピッチ(円周45度方向周期)P3:283nmの四方格子パターンの潜像14をレジスト層12に形成する以外は実施例1と同様にして、四方格子パターンのレジストパターンを作製した。
次に、アッシングおよびエッチングのプロセスを、(1)O2アッシング5秒、CHF3エッチング1分、(2)O2アッシング5秒、CHF3エッチング2分、(3)O2アッシング5秒、CHF3エッチング3分、(4)O2アッシング5秒、CHF3エッチング4分の順序で行った。最後に、O2アッシングを10秒行うことにより、レジストパターンを完全に除去した。
以上により、半径方向ピッチ(半径周期)P1:200nm、円周方向ピッチ(円周周期)P2:400nm、円周45度方向ピッチ(円周45度方向周期)P3:283nm、深さ:178〜220nm、アスペクト比:0.63〜0.78、四方格子パターンの光学素子作製用原盤15が作製された。
[光学素子作製用複製基板の作製]
次に、上述のようにして作製した光学素子作製用原盤15を用いる以外は実施例1と同様にして、四方格子パターンを両面に有する光学素子作製用複製基板16を作製した。
(実施例3)
[光学素子作製用原盤の作製]
半径方向ピッチ(半径周期)P1:210nm、円周方向ピッチ(円周周期)P2:420nm、円周45度方向ピッチ(円周45度方向周期)P3:297nmの四方格子パターンの潜像14をレジスト層12に形成する以外は実施例1と同様にして、四方格子パターンのレジストパターンを作製した。
次に、アッシングおよびエッチングのプロセスを、(1)O2アッシング5秒、CHF3エッチング1分、(2)O2アッシング5秒、CHF3エッチング2分、(3)O2アッシング5秒、CHF3エッチング3分、(4)O2アッシング5秒、CHF3エッチング4分の順序で行った。最後に、O2アッシングを10秒行うことにより、レジストパターンを完全に除去した。
以上により、半径方向ピッチ(半径周期)P1:210nm、円周方向ピッチ(円周周期)P2:420nm、円周45度方向ピッチ(円周45度方向周期)P3:297nm、深さ:159〜212nm、アスペクト比:0.54〜0.71、四方格子パターンの光学素子作製用原盤15が作製された。
[光学素子作製用複製基板の作製]
次に、上述のようにして作製した光学素子作製用原盤15を用いる以外は実施例1と同様にして、四方格子パターンを両面に有する光学素子作製用複製基板16を作製した。
(比較例)
円周方向ピッチ(円周周期)P2:330nm、円周約60°方向ピッチ(円周約60°方向周期)P3:300nmの準六方格子パターンの潜像14をレジスト層12に形成する以外は実施例1と同様にして、準六方格子パターンのレジストパターンを作製した。
次に、アッシングおよびエッチングのプロセスを、(1)O2アッシング4秒、CHF3エッチング1分、(2)O2アッシング4秒、CHF3エッチング1.5分、(3)O2アッシング4秒、CHF3エッチング2分、(4)4.O2アッシング4秒、CHF3エッチング3分、(5)O2アッシング4秒、CHF3エッチング4分、(6)O2アッシング4秒、CHF3エッチング5分のプロセスの順序で行った。最後に、O2アッシングを10秒行うことにより、レジストパターンを完全に除去した。
以上により、図8に示すように、円周方向ピッチ(円周周期)P2:330nm、円周約60°方向ピッチ(円周約60°方向周期)P3:300nm、深さ:300nm〜380nm、アスペクト比:0.96〜1.22、準六方格子パターンの光学素子作製用原盤15が作製された。
[光学素子作製用複製基板の作製]
次に、上述のようにして作製した光学素子作製用原盤15を用いること、ポリカーボネートからなる、屈折率1.59の基板16aを用いること以外は実施例1と同様にして、準六方格子パターンを両面に有する光学素子作製用複製基板16を作製した。
(形状の評価1)
上述のようにして作製した実施例1の光学素子作製用複製基板16について、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により観察を行った。その結果を図9A、図9Bに示す。なお、図9Aは光学素子1の要部平面SEM写真であり、図9Bは図9Aの円周方向の45度方向から見た光学素子1の要部斜視SEM写真である。
図9A、図9Bから以下のことが分かる。
光学素子作製用複製基板上には、透明基体上に四方格子パターンをなすように複数のサブ波長構造体16bが配設されている。また、サブ波長構造体16bは、頂部の傾きが緩やかで中央部から底部に徐々に急峻な傾きの楕円錐台形状を有する凸部である。このような形状のサブ波長構造体16bは、光学素子作製用原盤の作製工程において、サブ波長構造体3の先端部から中央部、底部にかけて徐々にエッチング時間を長くすることで得ることができる。
(形状の評価2)
上述のようにして作製した実施例1〜3、比較例の光学素子作製用複製基板16について、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)により観察を行った。そして、AFMの断面プロファイルから各光学素子作製用複製基板16のサブ波長構造体16bの高さを求めた。その結果を表1に示す。なお、パターンの円周45度方向の高さは、半径方向の高さよりも小さかった。また、パターンの円周45度方向以外の部分の高さが半径方向の高さとほぼ同一であったことから、パターンの高さを半径方向の高さで代表した。
表1から以下のことが分かる。
エッチング時間を変えることにより、サブ波長構造体16bの形状を変えられることが分かる。したがって、エッチング時間を変えることにより、所望の特性を有する光学素子1を作製できることが分かる。
(透過特性・反射特性の評価)
上述のようにして作製した実施例1〜3、比較例の光学素子作製用複製基板16の透過率を測定した。また、実施例1の光学素子作製用複製基板16の反射率を測定した。その測定結果を図10〜図14に示す。なお、測定には、紫外可視分光光度計(日本分光社株式会社製、商品名:V−500)を用いた。
図10〜図14から、実施例1〜3、比較例の光学素子作製用複製基板16それぞれの特性について以下のことが分かる。
実施例1では、図10に示すように、低入射角度(0度、10度)の透過率に波長依存性があるが、波長420〜800nmにおいて平均透過率が98〜99%であり、格段に優れた透過特性が得られている。また、350nm紫外線領域の透過率は、低入射角度0度で85%、高入射角度60度で72%であり、紫外線導光板といて十分な特性が得られている。
実施例2では、図11に示すように、低入射角度(0度、10度)の透過率に波長依存性があるが、波長440〜800nmにおいて平均透過率が98%であり、優れた透過特性が得られている。また、波長350nmの紫外線領域の透過率は、低入射角度0度で84%、高入射角度60度で74%であり、紫外線導光板といて十分な特性が得られている。
実施例3では、図12に示すように、低入射角度(0度、10度)の透過率に波長依存性があるが、波長440〜800nmにおいて平均透過率が98%であり、優れた透過特性が得られている。また、波長350nmの紫外線領域の透過率は、低入射角度0度で84%、高入射角度60度で81%であり、紫外線導光板として格段に優れた透過特性が得られている。
比較例では、図13に示すように、入射角50度以上で青色光(450nm)の透過特性が悪化している。また、紫外線領域で、透過特性が悪化している。
実施例1では、図14に示すように、高入射角度(40〜60度)の長波長領域の反射率がやや悪いが、低入射角度(0〜30度)の反射率は、平均0.3%程度であり、優れた反射特性が得られている。
図10〜図14を参照して、実施例1〜3の光学素子と、比較例の光学素子1、先行技術文献1〜2に記載された光学素子とを対比すると、以下のことが分かる。
先行技術文献1に記載された光学素子と、実施例1〜3の光学素子1とを対比すると、以下の点において相違している。先行技術文献1に記載された光学素子では、反射防止フィルタ(サブ波長構造体)を形成することで、50〜60度の10度の範囲のみで、優れた透過特性が得られる。これに対して、実施例1〜3の光学素子1では、四方格子パターンまたは準四方格子パターンにサブ波長構造体3を形成することにより光学素子1を作製することで、入射角依存性を少なくし、0〜±40度の範囲で優れた透過特性が得られる。
先行技術文献2に記載された光学素子と、実施例1〜3の光学素子1とを対比すると、以下の点において相違している。先行技術文献2に記載の光学素子では、誘電体を24層積層することにより光学特性を有する光学フィルタを形成することで、赤色光(640nm)、緑色光(530nm)、青色光(450nm)の透過率をそれぞれ、80%、80%、50%に向上させている。これに対して、実施例1〜3の光学素子1では、四方格子パターンまたは準四方格子パターンにサブ波長構造体3を形成することにより光学素子1を作製することで、赤色光(640nm)、緑色光(530nm)、青色光(450nm)の透過率をそれぞれ、99%、99%、99%に格段に向上させている。特に、青色光(450nm)透過特性は50%から99%と2倍の性能になっている。これにより、青色光(450nm)吸収による素子の劣化が起こりにくくなると考えられる。したがって、極めて高い信頼性の光学フィルタ素子およびディスプレイを提供できる。また、Nb(ニオブ)などの希土類を用いていないため、地球環境汚染の少ない光学素子およびディスプレイを提供できる。
比較例の光学素子1と実施例1〜3の光学素子1とを対比すると、格子パターンにサブ波長構造体3を形成することにより光学素子1を作製することで、赤色光(640nm)、緑色光(530nm)、青色光(450nm)の透過率をそれぞれ、99%、99%、99%に格段に向上させている点において、両者は類似している。しかし、比較例の光学素子1と実施例1〜3の光学素子1とは以下の点において、相違している。実施例1〜3の光学素子1では、四方格子パターンまたは準四方格子パターンにサブ波長構造体3を形成することにより光学素子1を作製することで、透過率の波長依存性は多少あるが、可視光領域から紫外線領域(350〜400nm)の平均透過率が90%程度であり、格段に優れた透過特性が得られている。また、可視光領域(波長350〜800nm)における平均透過率が95%であり、格段に優れた透過特性が得られている。これに対して、比較例の光学素子1では、準六方格子パターンにサブ波長構造体3を形成することにより光学素子1を作製することで、優れた透過特性を実現しているが、50度以上の青色光(450nm)の透過特性が悪化し、また、紫外線領域で透過特性が悪化してしまっている。
以上の結果から、円周(約)45度方向ピッチ(円周(約)45度方向周期)P3が275nm(実施例1)、283nm(実施例2)、297nm(実施例3)である四方格子パターンまたは準四方格子パターンでは、格段に優れた透過特性が得られる。すなわち、円周(約)45度方向ピッチP3が275〜297nmである場合、格段に優れた透過特性が得られる。
また、基体上にサブ波長構造体を四方格子パターンまたは準四方格子パターンに配設する共に、そのサブ波長構造体の形状を凸形状の楕円錐台形状とし、かつ、アスペクト比が0.54〜1.13となるパターン高さ分布にすることで、非常に優れた透過特性を得ることができる。
また、可視光領域(波長350〜800nm)において格段に優れた透過特性を有する光学素子1を提供できるので、この光学素子1をLEDディスプレイや蛍光ランプディスプレイなどの表示装置、照明装置の導光素子などの光学デバイスに適用した場合、これらの表示装置や光学デバイスの性能を向上できる。
実施例4では、光学素子作製用金型17を作製し、この光学素子作製用金型17を用いて射出成形によりディスク状光学素子1Wを作製した。
(実施例4)
[光学素子作製用原盤の作製]
石英基板11上に、化学増幅型またはノボラック系ポジ型レジスト層12を厚さ150nm程度塗布し、このレジスト層12に、図5に示した露光装置を用いて四方格子パターンまたは準四方格子パターンの潜像14を形成した。レーザ光13の波長は266nm、レーザパワーは0.50mJ/mとした。なお、レジスト層12に対するレーザ光13の照射周期を1トラック毎に変化させた。その後、レジスト層12に対して現像処理を施して、四方格子パターンまたは準四方格子状のレジストパターンを作製した。現像液としては、無機アルカリ性現像液(東京応化社製)を用いた。
次に、O2アッシング(5秒)によりレジストパターンを除去し開口径を広げるプロセスと、CHF3ガス雰囲気中でのプラズマエッチング(3分)で石英基板11をエッチングするプロセスとを繰り返し行った。その結果、石英基板11の表面が露出している四方格子パターンまたは準四方格子パターン径が徐々に広がりながら、エッチングが進行し、その他の領域はレジストパターンがマスクとなりエッチングされず、図6Bに模式的に示したような断面略三角形状の凹部3が形成された。エッチング量はエッチング時間によって変化させた。最後に、O2アッシングによりレジストパターンを完全に除去した。
以上により、半径方向ピッチ(半径周期)P1が200nm、円周方向ピッチ(円周周期)P2が400nm、円周約45度方向ピッチ(円周約45度周期)P3が283nm、深さ159nm程度から312nm程度の凹部四方格子パターンまたは準四方格子パターンを有する光学素子作製用原盤15が作製された。
[光学素子作製用複製基板の作製]
次に、作製した光学素子作製用原盤15上に紫外線硬化樹脂を塗布した後、アクリル板を紫外線硬化樹脂上に密着させた。そして、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させ、石英マスターから剥離した。以上により、凸部四方格子パターンまたは準四方格子パターンを有する光学素子作製用複製基板16が作製された。
[光学素子作製用金型の作製]
次に、作製した光学素子作製用複製基板16の凹凸パターン上に、無電界メッキ法によりニッケル皮膜からなる導電化膜を形成した。そして、導電化膜層が形成された光学素子作製用複製基板16を電鋳装置に設置し、電気メッキ法により導電化膜上に300±5μm程度の厚さのニッケルメッキ層を形成した。続いて、光学素子作製用複製基板16からニッケルメッキ層をカッターなどを用いて剥離した後、転写された凹凸構造面をアセトンで洗浄した。以上により、凹部四方格子パターンまたは準四方格子パターンを有する光学素子作製用金型(サブ波長構造体Ni金属マスター)17が作製された。
[光学素子の作製]
次に、作製した光学素子作製用金型17を用いてポリカーボネート樹脂の射出成形基板を作製し、表面に凸部四方格子パターンまたは準四方格子パターンを有するディスク状光学素子1Wを得た。その後、このディスク状光学素子1Wを所定サイズに切り出した。以上により、目的とする光学素子1が作製された。
(光学素子の評価)
上述のようにして作製した光学素子1の透過特性・反射特性を評価した。その結果、光学素子1においても、上述の実施例1〜3の光学素子作製用複製基板16と同様に、優れた透過特性と反射特性とが得られた。
以上、本発明の実施形態および実施例について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態および実施例に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態および実施例において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
また、上述の実施形態および実施例では、基板をエッチング処理して光学素子作製用原盤を形成する場合について説明したが、レジスト層のパターンが形成された基板をそのまま光学素子作製用原盤として用いることも可能である。
本発明の実施形態による光学素子の構成の一例を示す概略図である 図1に示した光学素子の一部を拡大して表す斜視図である。 ディスク状光学素子の構成の一例を示す概略平面図である。 光学素子作製用原盤の製造工程を説明するための模式図である。 光学素子作製用原盤の製造工程に用いる露光装置の概略構成図である。 光学素子作製用原盤から光学素子を作製するまでの概略工程を説明するための模式図である。 光学素子の切り出し工程を説明するための模式図である。 比較例の光学素子作製用複製基板の構成を示す概略平面図である。 実施例1の光学素子作製用複製基板のSEM写真を示す図である。 実施例1の透過特性を示すグラフである。 実施例2の透過特性を示すグラフである。 実施例3の透過特性を示すグラフである。 比較例の透過特性を示すグラフである。 実施例1の反射特性を示すグラフである。 従来のSi原盤の構成を示す図である。 従来のSi原盤の構成を示す図である。 従来のSi原盤における波長と反射率との関係を示すグラフである。 従来のSi原盤のNiめっきスタンパの構成を示す図である。 図17に示したNiめっきスタンパを拡大して示す図である。 従来の光学素子における波長と反射率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 光学素子
1W ディスク状光学素子
2 基体
3,16b 構造体
11 基板
12 レジスト層
12a 潜像
13 レーザ光
14 潜像
15 光学素子作製用原盤
15a,17a 凹部
16 光学素子作製用複製基板
16a 透明基板
17 光学素子作製用金型
21 レーザ
22 電気光学変調器
23,31,34 ミラー
24 フォトダイオード
25 変調光学系
26 集光レンズ
27 音響光学変調器
28 コリメータレンズ
29 フォーマッタ
30 ドライバ
32 移動光学テーブル系
33 ビームエキスパンダ
35 対物レンズ
36 スピンドルモータ
37 制御機構

Claims (9)

  1. 凸部または凹部からなる構造体が微細ピッチで基体表面に多数設けられている、反射防止特性を有する光学素子であって、
    上記各構造体は、上記基体表面において複数列の円弧状トラックをなしている共に、隣接する3列の上記円弧状トラック間において四方格子パターンまたは準四方格子パターンをなし
    上記円弧状トラックに対して45度方向における上記構造体の高さまたは深さは、上記円弧状トラックの径方向における上記構造体の高さまたは深さよりも小さい
    ことを特徴とする光学素子。
  2. 上記四方格子パターンまたは準四方格子パターンは、円弧状トラックに対して45度傾いて配設されている
    ことを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  3. 上記各構造体は、楕円錐台形状であり、上記楕円錐台形状は、中央部の傾きが先端部および底部の傾きよりも急峻となるように形成されている、または、頂部の傾きが緩やかで中央部から底部に徐々に急峻な傾きとなるように形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  4. 凸部または凹部からなる構造体が微細ピッチで基体表面に多数設けられている、反射防止特性を有する光学素子を作製するための光学素子作製用複製基板であって、
    上記各構造体は、上記基体表面において複数列の円弧状トラックをなしていると共に、隣接する3列の上記円弧状トラック間において四方格子パターンまたは準四方格子パターンをなし
    上記円弧状トラックに対して45度方向における上記構造体の高さまたは深さは、上記円弧状トラックの径方向における上記構造体の高さまたは深さよりも小さい
    ことを特徴とする光学素子作製用複製基板。
  5. 凸部または凹部からなる構造体が微細ピッチで表面に多数設けられている、反射防止特性を有する光学素子を作製するための光学素子作製用複製基板の製造方法であって、
    表面にレジスト層が形成された基板を準備する第1の工程と、
    上記基板を回転させると共に、レーザ光を上記基板の回転半径方向に相対移動させながら、上記レジスト層にレーザ光を間欠的に照射して、可視光波長よりも短いピッチで潜像を形成する第2の工程と、
    上記レジスト層を現像して、上記基板の表面にレジストパターンを形成する第3の工程と、
    上記レジストパターンをマスクとするエッチング処理を施すことで、上記基板の表面に凹凸構造を形成する第4の工程と、
    上記基板の凹凸構造を転写して、トラックに対して45度方向における上記構造体の高さまたは深さは、上記トラックの径方向における上記構造体の高さまたは深さよりも小さい複製基板を作製する第5の工程とを有し、
    上記第2の工程では、隣接する3列のトラック間において四方格子パターンまたは準四方格子パターンが構成されるように上記潜像を形成する
    ことを特徴とする光学素子作製用複製基板の製造方法。
  6. 上記第4の工程では、上記レジストパターンをマスクとするエッチング処理と上記レジストパターンに対するアッシング処理とを繰り返し行うことを特徴とする請求項記載の光学素子作製用複製基板の製造方法。
  7. 上記第5の工程では、上記基板の表面に光硬化樹脂層を形成した後剥離し、上記凹凸構造が転写された複製基板を作製する
    ことを特徴とする請求項記載の光学素子作製用複製基板の製造方法。
  8. 凸部または凹部からなる構造体が微細ピッチで表面に多数設けられている、反射防止特性を有する光学素子の製造方法であって、
    表面にレジスト層が形成された基板を準備する第1の工程と、
    上記基板を回転させると共に、レーザ光を上記基板の回転半径方向に相対移動させながら、上記レジスト層にレーザ光を間欠的に照射して、可視光波長よりも短いピッチで潜像を形成する第2の工程と、
    上記レジスト層を現像して、上記基板の表面にレジストパターンを形成する第3の工程と、
    上記レジストパターンをマスクとするエッチング処理を施すことで、上記基板の表面に凹凸構造を形成する第4の工程と、
    上記基板の複製基板を作製し、上記複製基板の凹凸構造の上に金属メッキ層を形成する第5の工程と、
    上記金属メッキ層を上記複製基板から剥離して、上記凹凸構造が転写された成形用金型を作製する第6の工程と、
    上記成形用金型を用いて、トラックに対して45度方向における上記構造体の高さまたは深さは、上記トラックの径方向における上記構造体の高さまたは深さよりも小さい、上記凹凸構造が表面に形成された透明基体を成形する第7の工程とを有し、
    上記第2の工程では、隣接する3列のトラック間において四方格子パターンまたは準四方格子パターンが構成されるように上記潜像を形成する
    ことを特徴とする光学素子の製造方法。
  9. 上記第7の工程の後、上記透明基体を所定サイズに切り出す第8の工程を有する
    ことを特徴とする請求項記載の光学素子の製造方法。
JP2007150817A 2007-06-06 2007-06-06 光学素子およびその製造方法、ならびに光学素子作製用複製基板およびその製造方法 Active JP4935513B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007150817A JP4935513B2 (ja) 2007-06-06 2007-06-06 光学素子およびその製造方法、ならびに光学素子作製用複製基板およびその製造方法
TW097119543A TWI387782B (zh) 2007-06-06 2008-05-27 光學元件及其製造方法,形成光學元件之複製基板及其製造方法
KR1020080052133A KR20080107276A (ko) 2007-06-06 2008-06-03 광학 소자 및 그 제조 방법과 광학 소자 제작용 복제 기판및 그 제조 방법
US12/133,158 US8027090B2 (en) 2007-06-06 2008-06-04 Optical element, replica substrate configured to form optical element
CN200810085972XA CN101320104B (zh) 2007-06-06 2008-06-06 光学元件及制造方法、形成光学元件的复制基板及制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007150817A JP4935513B2 (ja) 2007-06-06 2007-06-06 光学素子およびその製造方法、ならびに光学素子作製用複製基板およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008304637A JP2008304637A (ja) 2008-12-18
JP4935513B2 true JP4935513B2 (ja) 2012-05-23

Family

ID=40095633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007150817A Active JP4935513B2 (ja) 2007-06-06 2007-06-06 光学素子およびその製造方法、ならびに光学素子作製用複製基板およびその製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8027090B2 (ja)
JP (1) JP4935513B2 (ja)
KR (1) KR20080107276A (ja)
CN (1) CN101320104B (ja)
TW (1) TWI387782B (ja)

Families Citing this family (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4398507B2 (ja) * 2006-08-21 2010-01-13 ソニー株式会社 光学素子、光学素子作製用原盤の製造方法、および光電変換装置
CN101930085B (zh) * 2008-02-27 2012-10-03 索尼株式会社 防反射用光学元件以及原盘的制造方法
JP5257066B2 (ja) * 2008-12-26 2013-08-07 ソニー株式会社 光学素子、表示装置、反射防止機能付き光学部品、および原盤
JP4596072B2 (ja) * 2008-12-26 2010-12-08 ソニー株式会社 微細加工体の製造方法、およびエッチング装置
TWI514421B (zh) * 2008-12-31 2015-12-21 Ind Tech Res Inst 抗反射透明導電複合膜
CN102326447A (zh) * 2009-02-24 2012-01-18 住友化学株式会社 基板和有机el发光装置
WO2010122924A1 (ja) 2009-04-24 2010-10-28 シャープ株式会社 反射防止膜、反射防止膜の製造方法、及び、表示装置
CN102460227B (zh) 2009-06-12 2014-10-22 夏普株式会社 防反射膜、显示装置以及透光部件
JP6049979B2 (ja) 2009-07-03 2016-12-21 ソニー株式会社 光学素子、および表示装置
JP2011053496A (ja) 2009-09-02 2011-03-17 Sony Corp 光学素子およびその製造方法、ならびに原盤の製造方法
JP5075234B2 (ja) * 2009-09-02 2012-11-21 ソニー株式会社 光学素子、および表示装置
TWI467214B (zh) * 2009-09-02 2015-01-01 Dexerials Corp A conductive optical element, a touch panel, an information input device, a display device, a solar cell, and a conductive optical element
JP4626721B1 (ja) * 2009-09-02 2011-02-09 ソニー株式会社 透明導電性電極、タッチパネル、情報入力装置、および表示装置
JP2012208526A (ja) * 2009-09-02 2012-10-25 Sony Corp 光学素子、および表示装置
JP2011053495A (ja) * 2009-09-02 2011-03-17 Sony Corp 光学素子、およびその製造方法
JP5440165B2 (ja) * 2009-12-28 2014-03-12 デクセリアルズ株式会社 導電性光学素子、タッチパネル、および液晶表示装置
CN102763008A (zh) * 2010-03-02 2012-10-31 松下电器产业株式会社 光学元件以及光学元件的制造方法
JP5866765B2 (ja) * 2010-04-28 2016-02-17 ソニー株式会社 導電性素子およびその製造方法、配線素子、情報入力装置、表示装置、ならびに電子機器
JP5552887B2 (ja) * 2010-04-30 2014-07-16 ソニー株式会社 配線構造体、およびその製造方法
JP2012022484A (ja) * 2010-07-14 2012-02-02 Nissha Printing Co Ltd 透明タッチパネル
JP4849183B1 (ja) * 2010-08-05 2012-01-11 大日本印刷株式会社 反射防止フィルム製造用金型の製造方法
JP2011002853A (ja) * 2010-09-21 2011-01-06 Sony Corp 微細加工体の製造方法、およびエッチング装置
CN103155725B (zh) * 2010-10-22 2016-07-06 索尼公司 图案基板、图案基板的制造方法、信息输入装置和显示装置
JP5782719B2 (ja) * 2011-01-19 2015-09-24 デクセリアルズ株式会社 透明導電性素子、入力装置、および表示装置
JP5720278B2 (ja) * 2011-02-07 2015-05-20 ソニー株式会社 導電性素子およびその製造方法、情報入力装置、表示装置、ならびに電子機器
JP5640854B2 (ja) * 2011-03-25 2014-12-17 ソニー株式会社 導電性素子およびその製造方法、配線素子、情報入力装置、表示装置、電子機器、ならびに原盤
US8998429B2 (en) * 2011-03-31 2015-04-07 Sony Corporation Printed material and photographic material
CN103748699B (zh) * 2011-08-31 2017-03-15 旭化成株式会社 光学用基材以及半导体发光元件
TW201415067A (zh) * 2012-03-28 2014-04-16 Sony Corp 導電性元件及其製造方法、配線元件及母盤
JP6107131B2 (ja) * 2012-12-27 2017-04-05 デクセリアルズ株式会社 ナノ構造体及びその作製方法
JP2014170066A (ja) * 2013-03-01 2014-09-18 Sony Corp 光学体、撮像装置、電子機器、および原盤
CN103185294A (zh) 2013-04-07 2013-07-03 京东方科技集团股份有限公司 导光板制作方法
JP2015004993A (ja) * 2014-10-07 2015-01-08 デクセリアルズ株式会社 光学素子およびその製造方法、ならびに原盤の製造方法
JP6563231B2 (ja) * 2015-03-31 2019-08-21 デクセリアルズ株式会社 原盤の製造方法、光学体の製造方法、光学部材の製造方法、および表示装置の製造方法
KR20180090304A (ko) * 2015-12-10 2018-08-10 오지 홀딩스 가부시키가이샤 기판, 광학 소자, 금형, 유기 발광 소자, 유기 박막 태양 전지 및 기판의 제조 방법
JP2016105203A (ja) * 2016-02-17 2016-06-09 デクセリアルズ株式会社 光学素子およびその製造方法、ならびに原盤の製造方法
US10310144B2 (en) * 2016-06-09 2019-06-04 Intel Corporation Image sensor having photodetectors with reduced reflections

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03150738A (ja) * 1989-11-04 1991-06-27 Fujitsu Ltd スタンパの製造方法及び光ディスクの製造方法
US6791757B2 (en) * 1999-07-12 2004-09-14 Coho Holdings, Llc Optical device for filtering and sensing
JP2003131390A (ja) * 2001-03-22 2003-05-09 Seiko Epson Corp 微細構造体の製造方法、電子装置の製造方法及び製造装置
JP2003121609A (ja) * 2001-10-11 2003-04-23 Hitachi Ltd 光学シートおよびこれを備えた表示装置
JPWO2004031815A1 (ja) * 2002-10-07 2006-03-23 ナルックス株式会社 反射防止用回折格子
US7212340B2 (en) * 2003-07-14 2007-05-01 Konica Minolta Holdings, Inc. Forming methods, forming devices for articles having a micro-sized shape and optical elements
DE10343630B4 (de) * 2003-09-20 2007-11-15 Schott Ag Streuscheibe
JP4577210B2 (ja) * 2003-10-06 2010-11-10 オムロン株式会社 面光源装置及び表示装置
WO2006059686A1 (ja) * 2004-12-03 2006-06-08 Sharp Kabushiki Kaisha 反射防止材、光学素子、および表示装置ならびにスタンパの製造方法およびスタンパを用いた反射防止材の製造方法
JP4398507B2 (ja) * 2006-08-21 2010-01-13 ソニー株式会社 光学素子、光学素子作製用原盤の製造方法、および光電変換装置
JP4539657B2 (ja) * 2007-01-18 2010-09-08 ソニー株式会社 反射防止用光学素子
JP4935627B2 (ja) * 2007-10-30 2012-05-23 ソニー株式会社 光学素子および光学素子作製用原盤の製造方法
CN101930085B (zh) * 2008-02-27 2012-10-03 索尼株式会社 防反射用光学元件以及原盘的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US8027090B2 (en) 2011-09-27
CN101320104B (zh) 2012-12-05
JP2008304637A (ja) 2008-12-18
KR20080107276A (ko) 2008-12-10
TWI387782B (zh) 2013-03-01
US20080304155A1 (en) 2008-12-11
TW200914879A (en) 2009-04-01
CN101320104A (zh) 2008-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4935513B2 (ja) 光学素子およびその製造方法、ならびに光学素子作製用複製基板およびその製造方法
JP4935627B2 (ja) 光学素子および光学素子作製用原盤の製造方法
JP4539657B2 (ja) 反射防止用光学素子
JP5081443B2 (ja) 光学素子およびその製造方法、ならびに光学素子作製用複製基板およびその製造方法
TWI409493B (zh) Optical element
JP5257066B2 (ja) 光学素子、表示装置、反射防止機能付き光学部品、および原盤
JP4398507B2 (ja) 光学素子、光学素子作製用原盤の製造方法、および光電変換装置
JP5439783B2 (ja) 光学素子、反射防止機能付き光学部品、および原盤
TWI425507B (zh) Production method and etching apparatus for micro-machined body
WO2017164309A1 (ja) 光学体及び発光装置
JP2019070801A (ja) 光学体、光学体の製造方法、発光装置及び遊戯機器用表示装置
JP5257131B2 (ja) 光学素子の製造方法、ならびに光学素子の作製用原盤およびその製造方法
JP2011002853A (ja) 微細加工体の製造方法、およびエッチング装置
JP2010152411A (ja) 光学素子およびその製造方法、ならびに光学素子作製用複製基板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110927

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120206

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4935513

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250