JP4931552B2 - 開口部の施錠構造 - Google Patents
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Description
一方、戸建住宅における犯罪手口は、ガラス破りが最も多く、ついで無締りによる犯罪が顕著であり、窓開口部の防犯強化は、必須の課題である(非特許文献1)。
開口部の防犯強化として、窓の開閉を検知するマグネットセンサー、窓ガラスの破壊を検知するガラス破壊警報装置等が市販されており、また、これらのセンサーや人感センサー等をシステム化した警備会社によるセキュリティシステムなどが挙げられるが、これらはいずれも侵入盗によって犯罪が実施されたことを検知することを重視したものであり、どちらかと言えば、犯罪を未然に防ぐためのものではなかった。
また、本発明は、開口部の施錠構造に備えられた複数の施錠機能の状態を検知し、住人にその施錠状態を視認性良く報知する手段を設けることによって、閉め忘れを防止するだけでなく、複数の施錠機能をすべて利用することを促す効果を提供し、防犯性能を日常的に高めるよう配慮された開口部の施錠構造を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る開口部の施錠構造の第1の構成は、
建築物の開口部に設置されて該開口部を開閉する戸に設けられる本体部と、
該本体部に備えられ前記戸を施錠および解錠する複数の施解錠機構と、
該複数の施解錠機構の少なくとも一の施解錠状態を電気的に検知する電気的検知手段と、
検知した施解錠機構の施解錠状態を区別して表示する電気的表示部と、
を具備し、
前記戸が引き違い障子で、
前記本体部が該引き違い障子の室内側召合框の側面に設けられる箱型部材であり、前記複数の施解錠機構が、前記本体部の上面に軸支され、回動自在とされた操作ハンドルと、該操作ハンドルに設けられ該操作ハンドルの回動に伴って前記引き違い障子のフック受け部に係止されることにより前記引き違い障子を施錠および解錠するフック部とを具備する主施解錠機構と、
前記フック部が前記引き違い障子のフック受け部に係止された施錠状態にあるときに前記操作ハンドルの回転をロックして前記引き違い障子の解錠を阻止する補助施解錠機構とを有してなり、
前記電気的表示部が、
主施解錠機構が解錠されている状態と、
主施解錠機構が施錠されかつ補助施解錠機構が解錠されている状態と、
主施解錠機構が施錠されかつ補助施解錠機構が施錠されている状態と、
の各状態を区別して表示する手段であるであることを特徴とする開口部の施錠構造である。
また、開口部の施錠構造は、前記電気的表示部が、その開口部の施錠構造と対応して建築物の室内側から視認可能な位置に配される。
また、施解錠機構とは、戸が引き違い障子のように複数の戸部材からなる場合は、一の戸部材と他の戸部材を係脱する係脱機構を、戸が一の戸部材からなる場合は、戸と開口部の枠体との間を係脱する係脱機構を、それぞれ意味する。複数の施解錠機構とは、一の施錠装置自体に備えられた二以上の施解錠機構であって、それぞれが単独で又は他の施解錠機構と協働して施錠および解錠をなす施解錠機構を意味する。たとえば、開口部である引き違い障子付サッシのクレセント錠の場合は、操作ハンドルとクレセントからなる施解錠機構(主施解錠機構)と、前記操作ハンドル等をロックする他の施解錠機構(補助施解錠機構)とによって、複数の施解錠機構が構成される。玄関ドアや勝手口ドアなどのシリンダー錠の場合は、シリンダー錠自体が一の施解錠機構(主施解錠機構)を構成し、着脱式サムターン機構が他の施解錠機構(補助施解錠機構)を構成する。
また、電気的表示部とは、表示部より、2〜3m以上の距離において、視認出来る程度の輝度を有する電気的な光源であれば、特に限定されるものではない。たとえば、パイロットランプ、豆電球、LED、EL素子等が挙げられる。好ましくは、LEDやEL素子など、消費電力の小さいものが好適である。また、視認性を高めるため、電気的に点灯する光源の背面に反射板を設けたり、拡散板や拡散レンズ等で光源を覆うことなどもできる。
上記電気的表示部は、戸に設けられる本体部上であって、建築物の室内側から視認可能な位置に配され、好ましくは、防犯上、室内側から視認可能であるが、屋外から直接視認できない位置に配される。たとえば、前記本体部の室内側に向いている面に、光源の放射の向きを室内側に向けて、取り付けられる。よって、本発明に係る開口部の施錠構造の好適な構成は、本発明に係る施錠構造の第1の構成において、電気的表示部が、屋外から視認不能な位置に配されることを特徴とする開口部の施錠構造である。
また、「その開口部の施錠構造と対応して建築物の室内側から視認可能な位置」とは、その施錠構造を備えた開口部が配置される室またはその室に隣接する室等内部側から、人が視覚的に見ることができる状態であり、電気的表示とその開口部の施錠構造との対応関係が明確であること、すなわち、施錠がされていない開口部がどの開口部かをその室に居る人が一目でわかる位置に電気的表示がされることを意味する。よって、電気的表示部は、たとえば、開口部の戸に設置された本体部に設けたり、本体部の近傍の戸に設けてもよい。
また、信号処理部は、電気的検知手段からの検知信号を処理して複数の施解錠機構の施解錠状態を判別して判別信号を出力するものであり、一般にICから構成されるが、前記電気的検知手段としてICを備えたホールセンサなどを用いた場合には、センサの機能として信号処理が可能であるので、センサが電気的検知手段と信号処理部を構成する態様となる。
例えばクレセント錠構造の場合、主施解錠機構を構成する操作ハンドルと補助施解錠機構を構成する補助ロック部がともに解錠状態の場合、第1の表示色で点滅し、操作ハンドルが施錠状態で補助ロック部がロック状態になったときに、第2の表示色で点灯し、所定時間後消灯する。解錠状態の場合は、住人への警告となるように、赤色等の目立つ色で点滅させる一方、施錠状態にある場合は、施錠状態を視認できれば良いため、緑色等の穏やかな色で点灯のみさせ、また施錠状態の視認後も継続して点灯させておくのは電池消耗につながるのみであるので、たとえば3秒経過後には消灯する構成とされる。
電気的表示部は、施錠構造が解錠状態である場合、継続してそれを表示するが、施錠構造が解錠状態であっても住人がそれを知った上で部屋に所在している場合は、表示を継続させる必要はなく、また住人にとって点滅等が目障りになりうる。そこで、本発明に係る開口部の施錠構造にはそのような点を解消するものとして表示停止手段が設ける。表示停止手段は、点滅若しくは点灯を停止させることができれば如何なる構成のものでも良く、例えば本体部に専用のボタンを設け、該ボタンを押すことによって表示停止手段が作動して電気的表示部が消灯されるようにすることができる。一方、表示停止手段は、施解錠状態が変移すると、解除手段がそれを検知して表示停止手段による表示停止状態を解除し、電気的表示部の表示が再開される。よって、住人は、意識的に表示停止を解除することなく、戸締り確認機能が自動的に復旧する。
(1)前記シリンダー錠が解錠され、着脱式サムターンが装着された状態とはずされた状態
(2)前記シリンダー錠が施錠され、着脱式サムターンが装着された状態とはずされた状態
のいずれかの場合において、各状態を区別して表示するものであることを特徴とする開口部の施錠構造である。
勝手口や玄関等の出入り口における扉の閉め忘れを室内から確認する必要が生じた場合に効果的な施錠構造であり、シリンダー錠の施錠状態を視認性良く確認することができる。シリンダー錠が施錠状態か解錠状態かは、シリンダー錠と連動するデッドボルトの位置を検知しても良いし、サムターンの指がかりとなる部分の両端の回動位置を検知してもよい。
本発明に係る第2の構成は、クレセント構造が有する複数の施錠機構による施錠状態を個別に検知し、それらの機構の利用状況に応じて、防犯レベルを利用者にLED等で視認性良くかつ積極的に報知することによって、無締り防止だけでなく、より高いレベルの戸締りを利用者に日常的に促す効果を有する。
本発明に係る第4の構成は、幅広い生活シーンに対応した利用が可能となる。特に、通風や開放感のために敢えて窓を開ける場合等に、表示部が点滅又は点灯していると、目障りや電池消耗などが問題となるが、それを解消する効果を有する。
本発明に係る第5の構成は、サムターン機構の施解錠を視認できるので、玄関扉や勝手口等の扉の無締り防止が容易になるという効果を奏する。
さらに、本発明に係る前述の開口部の施錠構造を建築物の開口部構造や該開口部で建築物を構成すれば、住人の意識が高まり、防犯性に優れた開口部構造および建築物を提供することができる。
〔実施形態1〕
実施形態1は、クレセント構造(施錠構造)の操作ハンドル(主施解錠機構)の位置を検知することにより該操作ハンドルが解錠されている状態と該操作ハンドルが施錠されている状態を区別して表示するためのものである。図1は本発明に係るクレセント錠における施錠構造の一実施形態を説明するための模式図で、引き違い障子サッシにクレセント構造が設けられ、施錠されている状態を示す平面図、図2は図1のII−II線に沿って見た正面図、図3は図1のIII−III線に沿って見た側面図である。また、図4は図3と同様の図で、非施錠状態(解錠状態)を示すための模式図である。
これらの図において、符号Aは、開口部に設置された引き違い障子サッシの縦框召し合せ部に設けられたクレセント構造を示し、符号Oは建築物の外部、Iは建築物の室内側、Wは建築物の外壁、Sは開口部に設置された引き違い障子サッシの全体、Gはサッシガラス、Taは内側障子サッシの縦框、Tbは外側障子サッシの縦框、1は磁気検出素子(磁気センサ)、2は磁石、3は回動自在で施錠のためのフックを備えた第1の筐体(操作ハンドル)、5は回動自在で施錠のためのフック部を備えた第1の筐体3の回動を不可能にさせるためのサブロック部(補助ロック部又は補助施解錠機構)、7は施錠状態表示用のLED、8はサッシ等に取り付け可能な第2の筐体(クレセント構造の本体部)、aは回動自在で施錠のためのフック部を備えた第1の筐体3における第1の回転方向、bは回動自在で施錠のためのフック部を備えた第1の筐体3における第2の回転方向である。13は、外部出力端子(外部出力手段)である。
実施形態2は、クレセント構造の操作ハンドルの施錠状態をロックするサブロック部の位置を検知することにより、補助施解錠機構が解錠されている状態と補助施解錠機構が施錠されている状態を区別して表示するためのものである。
本実施形態では、回動自在で施錠のためのフック部を備えた第1の筐体3の位置状態を把握することなく施錠状態のロック状態を監視するための実施形態を以下に示す。
サブロック部5としては、第1の筐体が図5あるいは図6のような位置にあるとき、すなわちクレセント錠が施錠された状態であるときのみ可動するように構成されたものを使用すれば、間接的にこの磁気検出素子9によってクレセント錠の施錠状態を判定できる(サブロック部が動かずにクレセント錠がロックされないときは、クレセントは、解錠状態である)。
いずれにしても、磁気検出素子9の出力信号は施錠状態表示用LED7に転送され、施錠状態にあわせ(施錠がされているか否かにあわせ)点灯や点滅、あるいは消灯など所望の状態にすることができる。これにより、サブロック部である補助施解錠機構が解錠されている状態と補助施解錠機構が施錠されている状態を区別して表示し、離れた位置からでもドアの施錠状態を容易に確認することができる。
図示しない実施形態3は、クレセント構造の操作ハンドルの位置と操作ハンドルの施錠状態をロックするサブロック部の位置を検知することにより、該操作ハンドルが解錠している状態と該操作ハンドルの施錠されかつロックされている状態を区別して表示するか、または該操作ハンドルが解錠している状態、該操作ハンドルが施錠されかつロック状態されていない状態若しくは該操作ハンドルが施錠されかつロックしている状態を区別して表示するためのものである。
本実施形態は、実施形態1と実施形態2の各機能を併せ持つ。つまり、第1の筐体3が施錠状態にあり、さらにサブロック部5も施錠状態の時、LED7が点灯するようにできる。
本実施例では、磁気検出素子2個と磁石2個を用いて、第1の筐体3が施錠状態で、さらにサブロック部5も施錠状態の時、LED7が点灯する構成を説明したが、配置を工夫することにより、例えば磁気検出素子2個と磁石1個で構成することも可能である。
実施形態4は、実施形態1の変形例であり、操作ハンドルや第2の筐体を小さくして構造全体をコンパクト化するためにクレセント構造の操作ハンドルによって回転する回動部の位置を検知するようにして、該操作ハンドルが解錠している状態と該操作ハンドルが施錠されている状態を区別して表示するためのものである。
本実施形態では、第2の筐体8内に設けた第1の筐体3の回動部11に、状態検知用の磁石2を配置した実施形態を以下に示す。前記実施形態と同じ機能を有するものは同じ符号を用いて説明する。
図7は本発明に係るクレセント錠の第2の筐体内部に磁石と磁気センサを設置し、施錠により磁気センサが磁石の磁束密度をうけた状態を説明するための模式図であり、図8は、図7の解錠により磁気センサが磁石の磁束密度をうけていない状態を示す模式図である。
本実施例のように、磁石2を第1の筐体3ではなく、第1の筐体の第2の筐体内部の回動部11に設けても、同様の機能を満足することができる。
実施形態5は、実施形態2の変形例であり、該操作ハンドルが解錠している状態と該操作ハンドルの施錠されかつロックされている状態を区別して表示するためのものである。
本実施形態では、サブロック部5に磁気センサ1を配置し、第2の筐体8内に設けた第1の筐体3の回動部11に、状態検知用の磁石2を配置した実施形態を以下に示す。前記実施形態と同じ機能を有するものは同じ符号を用いて説明する。
図9は、本発明に係るクレセント構造の第2の筐体内部に磁石と磁気センサを設置し、磁気センサがサブロック部に接続され、施錠とサブロックにより磁気センサが磁石の磁束密度をうけた状態を示す模式図であり、図10は、図9のサブロック部の解錠により、磁気センサが磁石の磁束密度をうけていない状態を示す模式図である。
実施形態4のように、磁気センサ1を第2の筐体内に固定するのではなく、サブロック部5の移動に伴い磁気センサ1も移動するように構成しているので、第1の筐体3とサブロック部5を含めた複合的な施錠もしくは解錠状態、又は施錠状態がロックされているか否かの状態を簡易な構成で検知可能になる。
実施形態6は上記実施形態5の変形例である。
本実施形態では、サブロック部5に磁性体12を配置し、第2の筐体8内に設けた第1の筐体3の回動部11に状態検知用の磁石2を、また、第2の筐体内に磁気センサを固定して配置した実施形態を以下に示す。前記実施形態と同じ機能を有するものは同じ符号を用いて説明する。
図11は、本発明に係るクレセント構造の第2の筐体内部に磁石と磁気センサと磁性体を設置し、磁性体がサブロック部に接続され、施錠とサブロックにより磁石の磁束密度を磁性体を介して磁気センサがうけた状態を示す模式図であり、図12は、図11のサブロックの解錠により磁石の磁束密度を磁気センサがうけていない状態を示す模式図である。
本実施形態のように、磁性体12を磁気ヨークのように用いることで、クレセント構造の施錠もしくは解錠状態、又は施錠状態がロックされているか否かの状態を検知することも可能である。本実施形態では、磁性体12を磁気ヨークとして利用する例を説明したが、逆に磁性体を磁気シールドのように用いて、施錠もしくは解錠状態、又は施錠状態がロックされているか否かの状態を検知することも可能である。
実施形態7は、実施形態4の変形例であり、施錠状態において磁石と磁気センサの位置が他の部品との関係でやむをえず離隔してしまう場合の対応例である。
本実施形態では、第2の筐体8内に設けた第1の筐体3の回動部11に、状態検知用の磁石2と磁性体12を、さらに第2の筐体内部に磁性体12と磁気センサ1を固定して配置した実施形態を以下に示す。前記実施形態と同じ機能を有するものは同じ符号を用いて説明する。
本実施形態のように、クレセント構造内部に磁気回路を構成しておき、施錠もしくは解錠状態、又は施錠状態がロックされているか否かの状態を検知することも可能である。施錠または解錠に応じて、磁気回路が導通または切断するようにすれば良い。本実施例の構成に限定することなく、例えば、磁気センサと磁石の配置を逆にしても、状態検知可能であるので、状況に応じて適宜磁気回路を修正して使用することが可能である。つまり、本実施形態で示した図13に示す構成以外にも様々な構成の磁気回路を形成可能である。
実施形態8は、実施形態6の変形例であり、施錠状態のロック状態において磁石と磁気センサの位置が他の部品との関係でやむをえず離隔してしまう場合の対応例である。
本実施形態では、第2の筐体8内に設けた第1の筐体3の回動部11に、状態検知用の磁石2と磁性体12を、さらに第2の筐体内部に磁性体12と磁気センサ1を、また第2の筐体内部でサブロック部5に連動して移動する磁性体12を配置した実施形態を以下に示す。前記実施形態と同じ機能を有するものは同じ符号を用いて説明する。
図15は、本発明に係るクレセント構造の第2の筐体内部に磁石と磁気センサと磁性体を設置し、磁性体がサブロック部に接続され、磁性体が施錠とサブロックにより磁石の磁束密度を磁性体を介して磁気センサがうけた状態を示す模式図であり、図16は、図15のサブロックの解錠により磁石の磁束密度を磁性体を介して磁気センサがうけていない状態を示す模式図である。
また、実施形態7と同様、磁気回路の構成は本実施形態に限定されるものではなく、施錠または解錠に応じて、磁気回路が導通または切断するようにすれば良い。例えば、磁気センサと磁石の配置を逆にしても、状態検知可能であるので、状況に応じて適宜磁気回路を修正して使用することが可能である。つまり、本実施形態で示した図14に示す構成以外にも様々な構成の磁気回路を形成可能である。
実施形態9は、実施形態3と同様に、クレセント構造の操作ハンドルの位置と操作ハンドルの施錠状態をロックするサブロック部の位置を検知するが、本実施形態では、次の4通りの状態を検知し、LEDは状態1から3のいずれかの場合に赤色で点滅し、状態4の場合には、緑色で点灯し、その後消灯する構成とされている。
状態1:操作ハンドルが解錠しかつサブロック部がロックされていない状態、
状態2:操作ハンドルが施錠されているがサブロック部がロックされていない状態、
状態3:操作ハンドルが施錠されていないがサブロック部がロックされている状態、
状態4:操作ハンドルとサブロック部の双方とも施錠されている状態。
すなわち、図17に示すように、本実施形態に係るクレセント施錠構造は、実施形態1において説明したものと同様の構成とできる操作ハンドルの位置を検知する操作ハンドル検知部(主施解錠機構検知部)14aと、実施形態2において説明したものと同様の構成とできるサブロック部の位置を検知するサブロック検知部(補助施解錠機構検知部)14bと、これら検知部14a,14bに接続された信号処理部15と、該信号処理部15に接続されたLEDからなる電気的表示部16を有する。また、クレセント施錠構造は、サブロック部が、操作ハンドルの施解錠に関係なく、スライド可能な構成である。
ここで、本実施形態においては、サブロック部が、操作ハンドルの施解錠に関係なく、スライド可能な構成であり、操作ハンドルが施錠されていないがサブロック部がロックされている前述の状態3が生じているが、この状態3を一時停止ボタンとして代用することも可能である。すなわち、信号処理部15において検知部14a,14bからの信号が前記状態3に相当する信号である場合にLEDが消灯するように設定しておくと、操作ハンドルが解錠状態にあるときにサブロック部をロック位置に移動させる操作によって、LEDが消灯する。そして、利用者が、例えば操作ハンドルをロック状態とするなど、クレセント錠を再び操作すると、前記状態3から別の状態に移行し、LEDが点滅又は点灯することとなる。
実施形態10は、勝手口や玄関等の出入り口(開口部)に設置される扉に設けられる施錠構造に係るもので、図18は該施錠構造Aを勝手口の扉Dに設けた例を示している。該施錠構造Aは、扉Dに設けられたシリンダー錠構造の本体部18と、扉Dの室内側の面で該本体部18の上側近傍に設けられたセンサー本体19とを具備し、本体部18には、図19(a)から(c)に示すように、着脱式サムターン20(補助施解錠機構)を有するシリンダー錠21(主施解錠機構)が備えられている。実施形態9に関連して示した図17の回路構成図における場合と同様に、シリンダー錠21には、その施解錠状態を検知する主施解錠機構検知部が設けられ、着脱式サムターン20には、その施解錠状態を検知する補助施解錠機構検知部が設けられているが、前者については例えばシリンダー錠と連動するデッドボルトの位置を検知する等により容易に実現することができるので、説明を省き、後者についてのみここで説明する。
着脱式サムターン20は、シリンダー錠21の室内側に開口するスリット状の鍵穴22に室内側から挿脱自在に装着される構成とされており、サムターン20を鍵穴22に装着した状態においては、室内側からサムターン20を回して水平状態にすることによりシリンダー錠21が施錠され(図19(b))、垂直状態にすることによりシリンダー錠21が解錠される一方(図19(c))、サムターン20が水平状態でシリンダー錠21が施錠状態にあるときにサムターン20を鍵穴22から引き抜くことができるものである(図19(a))。このような着脱式のサムターン20はサムターン回しを確実に防止して防犯効果を高めることができるが、本実施形態では、このサムターン20を引き抜いたかどうか、サムターン20が施錠状態にあるかどうか等が前記センサー本体19により検知され、前記主施解錠機構検知部からのシリンダー錠21の施解錠状態に関する検知信号と併せて、表示される。
状態1:シリンダー錠が施錠され、サムターンが装着されている状態(図19(b))
状態2:シリンダー錠が解錠され、サムターンが装着されている状態(図19(c))
状態3:シリンダー錠が施錠された後、サムターンがはずされた状態(図19(a))
状態4:シリンダー錠が解錠された後、サムターンがはずされた状態(図示せず)
なお、状態3および状態4において、「シリンダー錠が施錠(解錠)された後」と記載したのは、シリンダー錠が施錠(解錠)されていることの信号を信号処理部が記憶して保持したまま、サムターンがはずされた状態を検知するという意味である。
本実施形態によれば、着脱式サムターンを備えたシリンダー錠構造においても複数の施解錠機構の施解錠を視認できるので、玄関扉や勝手口等の扉の無締り防止が可能となる。
O 建築物の外部
I 建築物の室内側
W 建築物の外壁
S 障子サッシ
G サッシガラス
Ta 内側障子サッシの縦框
Tb 外側障子サッシの縦框
1 磁気検出素子
2 磁石
3 第1の筐体
4 フック部
4a サッシ障子に設けられたフック受け部
5 サブロック部
7 施錠状態表示用LED
8 第2の筐体
8a 第2の筐体の上面
a 第1の筐体の第1の回転方向
b 第1の筐体の第2の回転方向
c サブロック部の可動方向
9 磁気検出素子
10 磁石
11 第1の筐体の、第2の筐体内部の回動部
12 磁性体
13 外部出力端子
14a 操作ハンドル検知部
14b サブロック検知部
15 信号処理部
16 電気的表示部
17 表示停止ボタン
D 扉
18 本体部
20 サムターン
21 シリンダー錠
23 第1ホール素子
24 第2ホール素子
25 LED表示部(電気的表示部)
26 磁石
Claims (8)
- 建築物の開口部に設置されて該開口部を開閉する戸に設けられる本体部と、
該本体部に備えられ前記戸を施錠および解錠する複数の施解錠機構と、
該複数の施解錠機構の少なくとも一の施解錠状態を電気的に検知する電気的検知手段と、
検知した施解錠機構の施解錠状態を区別して表示する電気的表示部と、
を具備し、
前記戸が引き違い障子で、
前記本体部が、該引き違い障子の室内側召合框の側面に設けられ、
前記複数の施解錠機構が、
前記本体部の上面に軸支され、回動自在とされた操作ハンドルと、該操作ハンドルに設けられ該操作ハンドルの回動に伴って前記引き違い障子のフック受け部に係止されることにより前記引き違い障子を施錠および解錠するフック部とを具備する主施解錠機構と、
前記フック部が前記引き違い障子のフック受け部に係止された施錠状態にあるときに前記操作ハンドルの回転をロックして前記引き違い障子の解錠を阻止する補助施解錠機構とを有してなり、
前記電気的表示部が、
主施解錠機構が解錠されている状態と、
主施解錠機構が施錠されかつ補助施解錠機構が解錠されている状態と、
主施解錠機構が施錠されかつ補助施解錠機構が施錠されている状態と、
の各状態を区別して表示する手段である
ことを特徴とする開口部の施錠構造。 - 前記電気的表示部が、その開口部の施錠構造と対応して建築物の室内側から視認可能な位置に配されてなることを特徴とする請求項1に記載の開口部の施錠構造。
- 前記電気的表示部が、前記複数の施解錠機構のうち少なくとも補助施解錠機構が解錠状態の場合に第1の表示色を点滅することを特徴とする請求項1又は2に記載の開口部の施錠構造。
- 前記電気的表示部が、前記複数の施解錠機構が全て施錠状態となった場合に第2の表示色を点灯し、所定の時間を経過すると消灯する構成とされたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の開口部の施錠構造。
- 前記電気的表示部が、点滅または点灯により施解錠状態を表示する構成とされ、前記本体部には、前記電気的表示部が点滅または点灯を継続している状態において、点滅または点灯を一時的に停止させる表示停止手段が設けられ、該表示停止手段には、施解錠状態の変化を検知した場合に一時的停止を解除する解除手段が接続されてなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の開口部の施錠構造。
- 建築物の開口部に設置されて該開口部を開閉する戸に設けられる本体部と、
該本体部に備えられ前記戸を施錠および解錠する複数の施解錠機構と、
該複数の施解錠機構の少なくとも一の施解錠状態を電気的に検知する電気的検知手段と、
検知した施解錠機構の施解錠状態を区別して表示する電気的表示部と、
を具備し、
前記戸が扉であり、
前記本体部は、該扉に設けられ、
前記複数の施錠機構が、シリンダー錠機構と、該シリンダー錠に挿入することで当該シリンダー錠を施解錠可能とすると共に、該シリンダー錠から離脱することで当該シリンダー錠を施解錠不能とする着脱式サムターン機構を有してなり、
前記電気的検知手段は、
着脱式サムターンに設けられる磁石と、前記本体部に設けられる一対の磁器センサを備え、前記シリンダー錠に挿入された前記着脱式サムターンを前記シリンダー錠の解錠姿勢としたときに対向する位置に一方の磁器センサが設けられると共に、他方のセンサが前記シリンダー錠に挿入された前記着脱式サムターンを前記シリンダー錠の施錠姿勢としたときに対向する位置に他方の磁器センサが設けられ、
これら一対の磁器センサは、それぞれ着脱式サムターンの磁石が接近することでサムターンの装脱状態と姿勢が判別され、
前記電気的表示部は、前記電気的検知手段による検知結果を受けて
(1)前記シリンダー錠が解錠され、着脱式サムターンが装着された状態とはずされた状態
(2)前記シリンダー錠が施錠され、着脱式サムターンが装着された状態とはずされた状態
のいずれかの場合において、各状態を区別して表示するものである
ことを特徴とする開口部の施錠構造。 - 請求項1から6のいずれかに記載の開口部の施錠構造を有する建築物の開口部構造。
- 請求項7に記載された開口部の施錠構造を有する開口部構造により開口部が構成された建築物。
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