JP4112399B2 - 防犯サムターンユニットとそれを用いた開閉体 - Google Patents

防犯サムターンユニットとそれを用いた開閉体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、扉などの開閉体の施解錠操作に用いられる防犯サムターンユニットとそれを用いた開閉体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば扉に設けられる施錠装置は、屋外側に表出させたシリンダー錠の鍵孔に、合カギ(キー)を挿入して回動操作することにより、扉の木口より進退させたデッドボルトを扉枠に設けたストライクに係合・係合解除して施解錠を行うとともに、屋内側からは、サムターンの摘みを回動操作するのみで、デッドボルトを進退させて、扉の施解錠を簡便に行えるようにしている。
【0003】
ところが、近年、扉面の一部に嵌め込まれたガラス部分を割って穴を開けて手を挿入したり、ポスト口や、機械工具によって開けた小さな穴などから、棒や針金等を挿入し、回転操作の容易なサムターンに係止するなどして、このサムターンを回転させ、施錠装置を解錠する不正解錠が増えている。
【0004】
このような不正な解錠操作に対して対処するために、例えば、下記に示す特許文献1のようなものが開示されている。
この特許文献1では、扉(ドア)の室外面及び室内面のそれぞれに錠箱に連動連結されるシリンダー錠を設け、室外からの施解錠操作に加え、室内からの施解錠操作に室内側シリンダー錠に対応する合カギを用いて行うようになっており、通常時、室内側には合カギを取り付けたままの状態として、その合カギを必要時、例えば、外出時や就寝時に抜き去り、別途保管しておくものとなっている。すなわち、室外から手や針金などの挿入があっても、室内側にはサムターンの代わりとなる合カギの摘み部分がなく、解錠が不能となり、防犯性を得るようになっている。
【0005】
また、下記に示す特許文献2では、サムターンを、軸部と摘み部とで別体構成とし、軸部を錠箱側に連動連結状態とするとともに、この軸部に対して係脱自在に摘み部を構成する構造や、軸部と摘み部とが一体のサムターンを錠箱に対して抜脱自在な構成とし、必要時に、この摘み部のみやサムターンを抜き去り、防犯性を得る構成としたものが開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−93482号公報
【特許文献2】
特開2001−288937号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に示される従来の扉の防犯構造では、室外側のシリンダー錠と室内側のシリンダー錠との双方の合カギを保管・管理しなくてはならず、煩雑である欠点を有している。また、これらシリンダー錠を室内外で同じもので構成し、1本の合カギで対応することで、取り扱いを容易なものとすることも可能であるが、防犯性を向上させるには、室外と室内とをそれぞれ異なる合カギで構成することとなり、二重の管理が必要となる欠点がある。
【0008】
また、室内から施解錠操作を行うために、合カギが必要となる構成であることから、非常時などに慌てて解錠操作を行おうとした場合に、室内側シリンダー錠に合カギが挿着されていないと、その解錠操作を行えない場合があり、このことから、非常時等において考慮されていない欠点がある。
【0009】
また、上述した特許文献2に示される従来の施解錠装置では、上記特許文献1の欠点と同様に、抜き外した摘み部やサムターンを保管・管理しなくてはならず、煩雑である欠点を有している。さらに、上記同様、非常時などの際にサムターン部分が取り外された状態では解錠操作が不可能となるという欠点もある。
【0010】
さらに、上述の各特許文献に示される構成では、専用の構造であることから、施解錠装置として既存のものに後から追加構成させることができず、扉に内蔵される錠箱を含め全てを交換しなくてはならず、容易に防犯性を向上させる構造を得ることができない欠点を有している。
【0011】
そこで本発明は、上記問題点を解消するために、針金や棒、手などの挿入による解錠操作を阻止する防犯サムターンユニットを提供することを目的としている。また、合カギなどの管理を不要とし、使い勝手のよい防犯サムターンユニットを提供することを目的としている。さらに、非常時などにおける解錠操作などの操作性を低下させることのない防犯サムターンユニットを提供することを目的としている。また、既存の施解錠装置に対して、簡便に構成させることのできる防犯サムターンユニットを提供することを目的としている。そしてさらに、前記防犯サムターンユニットを用いた防犯性を備えた開閉体を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
この発明の請求項1記載の防犯サムターンユニットは、扉面に配設される座板部材32に対して抜脱不能とされて回動自在に設けられるとともに、該座板部材32に対して軸線方向に移動自在とされ、先端42のみが錠箱機構部44に対し係脱自在とされるサムターン軸40と、
該サムターン軸40の基端40aに設けられ、前記座板部材32の表面32bより突出する摘み部45と、
前記サムターン軸40の先端42が前記錠箱機構部44に係合する位置と、前記サムターン軸40の先端42が前記錠箱機構部44と係合しない後退位置とのいずれか一方の位置に、前記サムターン軸40を前記座板部材32に対して保持する保持手段と、
を具備するとともに、
前記保持手段は、
前記サムターン軸40の中途部外周面に、前記サムターン軸40の先端42が前記錠箱機構部44に係合する位置と、前記サムターン軸40の先端42が前記錠箱機構部44と係合しない後退位置とに対応する位置とされて軸線方向に所定間隔をあけて並列して配置され、周方向に形成された一対の凹溝48と、
前記座板部材32内に配設され、前記サムターン軸40の軸線方向に直交して進退自在とされるとともに、前記凹溝48のいずれか一方の凹溝48a(48b)に対して係合する方向に付勢力を有する付勢手段55を備えた一対の係合手段50と、
前記座板部材32の左右両側縁32cより表出するとともに、前記座板部材32の表面と平行にスライド自在に配設され、前記各係合手段50に連結され、前記付勢手段55の付勢力に抗して前記係合手段50と前記凹溝48との係合を解除する左右一対の操作手段57と、
を具備することを特徴とする。
【0013】
この防犯サムターンユニットによれば、必要時に保持手段を操作して、サムターン軸40を軸線方向に移動させることで、このサムターン軸40と錠箱機構部44との係脱を行うことが可能となる。これにより、サムターン軸40と錠箱機構部44とを係合しない位置とすることで、針金や棒、手などの挿入による解錠操作を阻止する防犯サムターンユニット31を得られる。すなわち、サムターン軸40と錠箱機構部44とが係合していない状態では、サムターン軸40は摘み部45とともに空転状態であり、解錠操作等が無効となる。また、サムターン自体を取り外すことなく、サムターン軸40と錠箱機構部44との係脱が行え、操作を行うことが可能であることから、合カギなどの管理を不要とし、使い勝手のよい防犯サムターンユニットを得られる。さらに、非常時などにおける解錠操作などの操作性を低下させることのない防犯サムターンユニットを得られる。
【0014】
また、この防犯サムターンユニットでは、座板部材32より表出する操作手段57により、サムターン軸40に対して係合する係合手段50の進退を操作でき、サムターン軸40の錠箱機構部44に対する係脱が行われることとなる。
【0015】
さらに、この防犯サムターンユニットによれば、係合手段50、操作手段57を複数で構成することで、操作を複雑化することが可能となり、防犯性を高めることが可能となる。
【0016】
さらに、この防犯サムターンユニットによれば、座板部材32を側縁32cから掴むような動作で、操作手段57の操作を行うことができ、操作感を向上できる。特に、操作手段を座板部材32を挟むように座板部材32の左右側縁に設けることで、それぞれを操作するために両側縁から掴むような動作となり、正しく操作を行う場合には、サムターン軸40の軸線方向の移動の操作も必要であることから、両手を必要とし、より防犯性が向上することとなる。
【0017】
請求項2記載の防犯サムターンユニットは、請求項1記載の防犯サムターンユニットにおいて、前記操作手段57の外形と略同等の外形に形成され前記座板部材32の左右両側縁32cに表出して設けられるとともに、前記操作手段57に並設されて、前記係合手段50には連結されず、前記操作手段57と略同等の操作のみを可能とする少なくとも1つの疑似操作手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
この防犯サムターンユニットによれば、室内(屋内)側からは、操作手段57と疑似操作手段が配設されて見られるが、正規に使用する者であれば、どれが正しく作動する操作手段57であるかわかることから、容易にサムターン軸先端42と錠箱機構部44との係脱操作を行える。ところが、不正に操作しようとする者であれば、操作手段57と疑似操作手段との違いが判別不可能であることから、正しく操作を行えず、これにより、防犯性を得ることが可能となる。
【0019】
そして、前記操作手段57と疑似操作手段とを略同等の外形に形成することで操作手段57と疑似操作手段との違いを、さらに判別が困難なものとすることができ、防犯性をさらに高めることが可能となる。
【0020】
請求項3記載の防犯サムターンユニットは、請求項1又は2に記載の防犯サムターンユニットにおいて、前記座板部材32には、前記摘み部45とともに前記サムターン軸40を軸線方向にスライド移動させる付勢手段60が設けられ、該付勢手段60の付勢力により前記サムターン軸40の先端42が前記錠箱機構部44に対して離脱する方向へ移動されて、前記サムターン軸40と前記錠箱機構部44とが係合せず、前記摘み部45が空転状態となることを特徴とする。
【0021】
この防犯サムターンユニットによれば、付勢手段60により、サムターン軸40が座板部材32に対して、その表面32bより摘み部45の方向となる軸線方向に常に付勢されることとなり、サムターン軸40の先端42が、錠箱機構部44に対して離脱する方向に付勢されることとなる。このことから、防犯状態への移行を容易にすることが可能となる。すなわち、保持手段或いは操作手段を操作するのみで、サムターン軸40が自動的に後退方向へと移動し、係合状態が解除されることとなる。
【0022】
請求項4記載の防犯サムターンユニットは、請求項1,2,3のいずれか1つに記載の防犯サムターンユニットにおいて、前記座板部材32に穿孔形成される表示窓74を備えるとともに、前記サムターン軸40に連結されて、該サムターン軸40が軸線方向に移動するに伴って連動する回転体73を具備し、該回転体73の表示片部78が前記表示窓74より前記座板部材32の外に覗けるよう構成されて、前記サムターン軸先端42の前記錠箱機構部44に対する係脱状態を前記表示片部78にて示す係脱状態表示手段71が設けられることを特徴とする。
【0023】
この防犯サムターンユニットによれば、係脱状態表示手段71が設けられることにより、サムターン軸40の先端42と錠箱機構部44とが、係合状態であるか、或いは離脱状態であるかを容易に確認可能とすることができる。
【0024】
請求項5記載の防犯サムターンユニットは、請求項1,2,3,4のいずれか1つに記載の防犯サムターンユニットにおいて、前記座板部材32には、表示窓が穿孔形成され、前記サムターン軸の回転に連動して前記表示窓より視認できる施解錠状態表示板を具備し、前記摘み部による施錠或いは解錠の回転操作による前記錠箱機構部44内の状態を表示する状態表示手段が設けられることを特徴とする。
【0025】
この防犯サムターンユニットによれば、状態表示手段により、錠箱機構部44内の状態、すなわち、施錠状態であるか解錠状態であるかを室内(屋内)側から視認できることとなる。そして、サムターン軸40と錠箱機構部44との係合を行う際には、係合後に錠箱機構部が施錠・解錠のどちらに移行されるのか(操作可能なのか)が容易に判断でき、また、サムターン軸40と錠箱機構部44との離脱を行う際にも、どの状態で防犯状態としたかを容易に判断可能となる。
【0026】
請求項6記載の防犯サムターンユニットを用いた開閉体は、請求項1,2,3,4,5のいずれか1つに記載の前記防犯サムターンユニットが、少なくとも一方の扉面に配設されることを特徴とする。
【0027】
この防犯サムターンユニットを用いた開閉体によれば、上述した防犯サムターンユニットを予め配設された開閉体、例えば扉などを構成することができ、新築住宅などの建築物等に対して容易に防犯性を備えた扉として配置構成でき、また、既設の住宅などの建築物等に対しては、扉を交換するのみで、上記防犯効果を備えた扉を構成できるという効果がある。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る防犯サムターンユニットの好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
第1の実施の形態
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1は本発明による防犯サムターンユニットの第1の実施の形態を示す分解斜視図、図2は同防犯サムターンユニットの側断面図を(a)に、正面図を(b)に示した説明図である。
【0030】
この第1の実施の形態による防犯サムターンユニット1は、その主要な構成として、図1に示す座板部材2と、サムターン軸10と、摘み部15と、保持手段とを有している。
【0031】
座板部材2は、略板状に形成され、本実施の形態では、図1に示すように、略矩形板状に形成される。座板部材2には、略中央に円形の軸穴3が貫通形成される。また、この軸穴3のやや下方には矩形状の操作穴4が貫通形成されている。なお、軸穴3の内径は、後述するサムターン軸10の外径と略同一かやや大径に形成される。
【0032】
座板部材2の裏面2aには、略矩形状の凹部5が形成されている。この凹部5には、略中央に上記操作穴4が位置し、また凹部5の上縁に上記軸穴3の下半部が位置し、すなわちこの上縁に跨がって軸穴3が形成されている。そして、この凹部5には、後述する保持手段が配設される。また、図1に示すように、凹部5を覆う蓋板6が取り付けられる。なお、この蓋板6には、上縁に軸穴3と連通するための半円状の切欠部7が形成される。
【0033】
なお、この座板部材2には、上下端部近傍に、板面を貫通する取付穴8,8が穿設されており、この座板部材2を扉面に取り付ける際にネジなどの固定手段9が挿通される。また、この座板部材2は、表面に塗装などを施されたり、化粧板が被着或いは貼着されたりして、取付対象である開閉体としての扉や施解錠装置に合せた意匠性を持つ構成、エスカチオンなどとして構成されていてもよい。
【0034】
サムターン軸10は、座板部材2の軸穴3を貫通し、この座板部材2に対して回動自在に支持されて取り付けられる。またサムターン軸10の座板部材2を貫通しこの座板部材2の裏面2a側となる先端近傍には、抜止部材11が取り付けられて、蓋板6に当接することで座板部材2の表面方向への抜脱が不能となるように取り付けられる。
サムターン軸10の先端12は、断面略十字形に形成される。このサムターン軸先端12は、錠箱機構部14に挿着されることで係合し、この錠箱機構部14と連動連結される。そして、この錠箱機構部14に回動操作力を入力する。
また、このサムターン軸10の中途部分には、後述する保持手段を構成する凹溝18が形成される。
【0035】
摘み部15は、サムターン軸10の基端10aに相対回転不能に設けられ、座板部材2の表面2bより突出する。この摘み部15は、サムターン軸10と一体構成でもよく、それぞれが連結固定されることで構成されても良い。本実施の形態では、図1に示すように、翼状に形成され、サムターン軸10とで略T字状に形成されている。
【0036】
保持手段は、凹溝18と、係合手段20と、操作手段25とで大略構成されている。
凹溝18は、サムターン軸10の中途部分に形成される。本実施の形態では、図1,2(a)に示すように、サムターン軸10の中途部外周面に、軸線方向に所定間隔をあけて並列して配置され一対となって周方向に設けられる。これら凹溝18の間隔は、サムターン軸10の先端12が錠箱機構部14に係合する位置(図2(a)参照)と、サムターン軸10の先端12が錠箱機構部14と係合しない後退位置(図4参照)となるように、すなわちサムターン軸10の軸線方向の移動長さであるストローク長さに設定され、先端12側が離脱位置凹溝18aとされ、基端10a側が係合位置凹溝18bとされる。そして、これら凹溝18a,18bは、座板部材2の裏面側凹部5に略位置する。なお、好ましくは、先端側の離脱位置凹溝18aと、サムターン軸10に設けられる抜止部材11との間隔を、凹部5を閉塞する蓋板6の厚みに設定する。
【0037】
係合手段20は、本実施の形態では、図1に示すように略矩形板状のスライド板21と、付勢手段としてのコイルバネ23とで構成される。
スライド板21は、座板部材2の凹部5内に上下方向にスライド移動自在となって配設される。このスライド板21の上縁には係合部22が設けられている。この係合部22は、凹部5内にて軸穴3と略連通する位置とされる。係合部22は、略半円状に切欠形成されており、その内径は、サムターン軸10の凹溝18における外径と略同等に形成される。スライド板21の下縁21aと凹部5の下端5aとの間にはコイルバネ23が介設される。このコイルバネ23の付勢力によりスライド板21は、常に上方向に付勢されている。すなわち、サムターン軸10に対して係合する方向となる。
【0038】
操作手段は、本実施の形態では、図1に示すように、上記係合手段20のスライド板21と一体に構成される。すなわち、スライド板21の下縁中央から下方向に延出して操作手段としての操作板部25が形成され、スライド板21とともに略T字状に形成される。操作板部25の略中央には、スリット状の長穴が形成され操作部26とされる。操作部26は、座板部材2における操作穴4に対応し、座板部材2の表面2bから操作穴4を通して表出するようになる。すなわち座板部材表面2bから操作部26を操作可能としており、この操作部26にてスライド板21を上下方向にスライド操作可能としている。
【0039】
なお、本発明の防犯サムターンユニット1が取り付けられる扉は、図示しないが、蝶番にて建物躯体に揺動自在に設けられる所謂ドアや、建物開口部に水平方向にスライドすることで開閉する所謂引戸である。そして戸先部分に錠箱機構部が内蔵され、室外(屋外)面にシリンダー錠が配設されて鍵穴が表出し、室内(屋内)面に本発明の防犯サムターンユニット1が設けられる。扉の室内面には、錠箱機構部の一部である連結穴が表出しており、この連結穴に上記したサムターン軸10の先端12が挿着され連結されることとなる。すなわち連結穴は、一般的な形状である略十字形の穴であり、サムターン軸10の先端12と嵌合される。そして、この連結穴を覆うように座板部材2が扉面に固定される。
【0040】
次に上記構成の防犯サムターンユニット1の動作について説明する。
まず、室内(屋内)において、施錠操作或いは、解錠操作を行う場合には、図2(a)に示すように、サムターン軸10の係合位置凹溝18bにスライド板21の係合部22が係合しており、サムターン軸10の先端12が錠箱機構部14の連結穴に係合した状態とされている。そして、摘み部15の回動操作によって、錠箱機構部14へ、その回動操作力を入力する。これにより、施錠操作或いは解錠操作が行われる。
解錠状態では、摘み部15は、図2(b)に示すように、略垂直な状態となり、この状態では摘み部15の一部が操作穴4の手前に位置し、操作穴4からの操作部26の操作が行えない。また施錠状態では、摘み部15は、略水平な状態とされ(図3参照)、この状態では操作穴4の手前に摘み部15が干渉せず、容易に目視可能であり、操作穴4からの操作部26の操作を行うことが可能となる。
【0041】
次に、外出時、或いは就寝時などで、室内(屋内)側からの施解錠の操作を無効とする場合には、まず、摘み部15を回動操作し、施錠状態とする。摘み部15は略水平な状態となり、操作穴4の位置と干渉せず、操作部26が表出状態となる。
操作穴4から操作部26を、例えば指先や爪など或いは硬貨などを使ってコイルバネ23の付勢力に抗して下方にスライド移動させる(図3(b)参照)。これにより、スライド板21が下方に移動して、係合部22とサムターン軸10の係合位置凹溝18bとの係合状態が解除される。この状態を保ったまま、摘み部15を持ち、座板部材2から後退する方向、すなわち手前方向に引く。これにより摘み部15と一体のサムターン軸10は軸線方向に移動する(図3(a)参照)。
そして、抜止部材11によって停止する位置まで引いた後、操作部26の下方へのスライド移動状態を放つと、スライド板21はコイルバネ23の付勢力により上方にスライドし、これにより係合部22が離脱位置凹溝18aに係合する(図4参照)。この状態でサムターン軸10は軸縁方向の移動は阻止され、回動方向のみに自在となる。そして、サムターン軸10の先端12は錠箱機構部14から後退しており、すなわち離脱状態となる。
【0042】
従って、この状態では、摘み部15を摘み持ち回転操作を行っても、空転状態となり(図4中矢線)、錠箱機構部14への解錠・施錠操作が不能となる。このことから、針金や棒、手などの挿入による不正な操作を行おうとしても、摘み部15は空転してしまい、このような不正な解錠操作を阻止することができる。
そして、このような構成としたことで、摘み部15が取り除かれずに、座板部材2に取り付けられている状態なので、従来のような、室内用の合カギなどの管理を不要とし、使い勝手のよい防犯サムターンユニットを得ることができる。さらに、非常時などにおける解錠操作などの操作性を低下させることのない防犯サムターンユニット1を得られる。
【0043】
また、通常の施解錠操作を行うことを可能とするには、上記した手順同様に、操作部26を下方にスライド移動させ、係合部22と離脱位置凹溝18aとの係合を解除した後、摘み部15を押し、係合部22を係合位置凹溝18bに係合させることで、サムターン軸10の先端12が錠箱機構部14に係合状態となる(図2参照)。このとき、操作穴26に摘み部15が干渉しないように略水平な状態として行うこととなるので、施錠状態で摘み部15を空転状態とさせた状態からの復帰が、施錠状態を復帰させることとなる。
【0044】
一方、室外(屋外)からの施錠、及び解錠については、合カギを用いることで、シリンダー錠に対して回転操作を行い、通常通りの施錠操作、又は解錠操作にて扉の施解錠が行われる。この施解錠操作に伴い、室内(屋内)側の摘み部15が回転する、或いは、連結してなければ摘み部は回転しない。
【0045】
このように、上記した構成の防犯サムターンユニット1によれば、必要時に操作手段25を操作して摘み部15を軸線方向に移動させることで、サムターン軸10と錠箱機構部14との係脱を行えるので、針金や棒、手などの挿入による解錠操作を阻止する防犯サムターンユニット1を得られる。また、取り外すことなく操作が行えることから、合カギなどの管理を不要とし、使い勝手のよい防犯サムターンユニット1を得られる。さらに、非常時などにおける解錠操作などの操作性を低下させることのない防犯サムターンユニット1を得られる。
【0046】
また、一般に、施解錠装置として構成されるサムターンは、エスカチオンや化粧板などとなる座板部材にサムターン軸が抜け止めされて、回動自在に設けられる構成であり、サムターン軸先端のみが、錠箱機構部14に連結される構成であることから、このような既存の座板部材(エスカチオン等)を扉面から取り外すことで、既存のサムターンを取り除くことができ、すなわち、本発明の防犯サムターンユニット1では、座板部材2を含めた構成とされることから、既存のサムターンをエスカチオンなど座板部材ごと取り外せば、その個所に本発明の防犯サムターンユニット1を配設することが可能となる。このことから、既存のサムターンに換え、この防犯サムターンユニット1を取り付けることで容易に防犯性の高い施解錠装置を構成できることとなる。
【0047】
第2の実施の形態
次に、第2の実施の形態について説明する。
図5は本発明による防犯サムターンユニットの第2の実施の形態を示す分解斜視図、図6は同防犯サムターンユニットの平断面図である。
【0048】
この第2の実施の形態による防犯サムターンユニット31は、その主要な構成として、図5に示す座板部材32と、サムターン軸40と、摘み部45と、保持手段とを有している。
【0049】
座板部材32は、略板状に形成され、この第2の実施の形態では、図5に示すように、略矩形板状に形成される。座板部材32には、略中央に円形の軸穴33が貫通形成される。軸穴33の内径は、後述するサムターン軸40の外径と略同一かやや大径に形成される。
【0050】
座板部材32の裏面32aには、やや左右に長い略矩形状の凹部35が形成されている。この凹部35には、略中央に上記軸穴33が位置している。また、凹部35には、図5に示すように、略コ字状に形成されるバネ受け片37が軸穴33の左右近傍に対となって突設されている。そして、この凹部35には、後述する保持手段が配設される。また、この軸穴33の左右側部に位置する座板部材32の左右側縁32cには切欠溝34が凹部35に連通して形成されている。この切欠溝34は、すり鉢状に奥方に向かって狭まるテーパ面で形成される。また、凹部35には、図1に示すように、凹部35を覆う蓋板36が取り付けられる。なお、この蓋板36には、略中央に軸穴33と連通するための貫通穴36aが形成される。そして、この蓋板36が取り付けられた状態で、上記各切欠溝34が一対の操作穴38とされる。
【0051】
なお、この座板部材32には、上下端部近傍に、板面を貫通する取付穴39が穿設されており、この座板部材32を扉面に取り付ける際にネジなどの固定手段が挿通される。また、この座板部材32の表面32bには、軸穴33の周囲を筒状に突出形成するカラー部32dを有している。さらに、座板部材32の表面32bに塗装などを施されたり、化粧板が被着或いは貼着されたりして、取付対象である扉や施解錠装置に合せた意匠性を持つ構成、エスカチオンなどとして構成されていてもよい。
【0052】
サムターン軸40は、座板部材32の軸穴33を貫通し、この座板部材32に対して回動自在に支持されて取り付けられる。またサムターン軸40の座板部材32を貫通しこの座板部材32の裏面32a側となる先端42近傍には、抜止部材41が取り付けられて、蓋板36に当接することで座板部材32の表面32b方向への抜脱が不能となるように取り付けられる。
サムターン軸40の先端42は、断面略十字形に形成される。このサムターン軸先端42は、錠箱機構部44に挿着されることで係合し、この錠箱機構部44と連動連結される。そして、この錠箱機構部44に回動操作力を入力する。
また、このサムターン軸40の中途部分には、後述する保持手段を構成する凹溝48が形成される。
【0053】
摘み部45は、サムターン軸40の基端40aに相対回転不能に設けられ、座板部材32の表面32bより突出する。この摘み部45は、サムターン軸40と一体構成でもよく、それぞれが連結固定されることで構成されても良い。本実施の形態では、図5に示すように、翼状に形成され、サムターン軸40とで略T字状に形成されている。
【0054】
保持手段は、凹溝48と、係合手段と、操作手段とで大略構成されている。
凹溝48は、サムターン軸40の中途部分に形成される。本実施の形態では、図5,図6に示すように、サムターン軸40の中途部外周面に、軸線方向に所定間隔をあけて並列して配置され一対となって周方向に設けられる。これら凹溝の間隔は、サムターン軸40の先端42が錠箱機構部44に係合する位置(図6参照)と、サムターン軸40の先端42が錠箱機構部44と係合しない後退位置(図7参照)となるように、すなわちサムターン軸40の軸線方向の移動長さであるストローク長さに設定され、先端42側が離脱位置凹溝48aとされ、基端40a側が係合位置凹溝48bとされる。そして、これら凹溝48a,48bは、座板部材32の裏面側凹部35に略位置する。
【0055】
係合手段50は、本実施の形態では、図5に示すように略矩形板状のスライド板51と、付勢手段としてのコイルバネ55とで構成される。
本実施の形態のスライド板51は、左右一対で構成され、座板部材32の凹部35内に左右方向にスライド移動自在となって配設される。各スライド板51,51の略中央には、左右方向に長い長穴52が設けられている。この長穴52は、サムターン軸40が貫通するとともに、バネ受け片37が貫通する幅長に形成されており、すなわちこれらサムターン軸40とバネ受け片37とを案内部材とするガイド穴となっている。
【0056】
また、スライド板51の先端側となる長穴52の一端内縁部52aは、サムターン軸40の凹溝48における外径に沿う湾曲形状とされ係合部53とされる。一方スライド板51の基端側は、幅狭な延出片54が延出形成されるとともに、略コ字状に屈曲形成され、コイルバネ55の一端が当接される。コイルバネ55は、このスライド板51の基端延出片54とバネ受け片37との間に介設される。そして、各スライド板51は、それぞれの先端側が重なった状態で、それぞれの長穴52の一端側を軸穴33と連通状態とし、サムターン軸40が貫通する。また各スライド板51の各基端は、座板部材32の左右側縁32c側に位置し、コイルバネ55の付勢力により、常に左右外方向に付勢され、すなわち各スライド板51が相対方向外側に付勢されている。これにより、各スライド板51の各係合部53が、図6に示すように、サムターン軸40を左右から挟持するようになり、各係合部53が凹溝48に係合する。
なお、各スライド板51には、先端側の上下縁部に支持片56が突設され、互いを重ねた状態で、互いの上下縁部を支持し、互いにスライド時のガイドを行う。
【0057】
操作手段は、本実施の形態では、図5に示すように、上記係合手段50のスライド板51と一体に構成される。すなわち、スライド板51基端の延出片54に形成され、コイルバネ55の一端が当接している延出した屈曲部分の表面側を操作手段としての操作片57とされる。これらスライド板51の各操作片57は、座板部材32の各操作穴38より突出する。なお、各操作片57の先端は平面に形成され、座板部材32の側面32cより突出しない構成が好ましい。そして、各操作片57を座板部材32の側縁から操作穴38内に押し込む操作をすることで、各スライド板51,51が、サムターン軸40の軸線方向に対して直交方向に移動し、このサムターン軸40に向かって互いにスライドされる。これにより、サムターン軸40を左右から挟持している状態から各係合部53,53が後退して、各長穴52のそれぞれの一端部分により形成される穴状部分が、左右幅方向に大径な状態となり、サムターン軸40の軸線方向の移動を可能とする。
【0058】
なお、本発明の防犯サムターンユニットが取り付けられる扉は、図示しないが、蝶番にて建物躯体に揺動自在に設けられる所謂ドアや、建物開口部に水平方向にスライドすることで開閉する所謂引戸である。そして戸先部分に錠箱機構部が内蔵され、室外(屋外)面にシリンダー錠が配設されて鍵穴が表出し、室内(屋内)面に本発明の防犯サムターンユニットが設けられる。扉の室内面には、錠箱機構部の一部である連結穴が表出しており、この連結穴に上記したサムターン軸40の先端42が挿着されることとなる。すなわち連結穴は、一般的な形状である略十字形の穴であり、サムターン軸40の先端42と嵌合される。そして、この連結穴を覆うように座板部材32が扉面に固定される。
【0059】
次に上記構成の防犯サムターンユニットの動作について説明する。
まず、室内(屋内)において、施錠操作或いは、解錠操作を行う場合には、サムターン軸40の係合位置凹溝48bに各スライド板51の各係合部53,53が左右から挟持するように係合しており、サムターン軸40の先端42が錠箱機構部44の連結穴に係合した状態とされている(図6参照)。そして、摘み部45の回動操作によって、錠箱機構部44へ、その回動操作力を入力する。これにより、施錠操作或いは解錠操作が行われる。
【0060】
次に、外出時、或いは就寝時などで、室内(屋内)側からの施解錠の操作を無効とする場合には、まず、摘み部45を回動操作し、施錠状態とする。摘み部45は例えば略水平な状態となる。
座板部材32の左右側縁32cを摘むように、各側縁32cに位置する各操作片57を、例えば指先などで各コイルバネ55の付勢力に抗して互いに近接するように右及び左方向に押し込む。これにより、各スライド板51がそれぞれ左右に移動して、各係合部53,53とサムターン軸40の係合位置凹溝48bとの係合状態が解除される。この状態を保ったまま、摘み部45を持ち、座板部材32から後退する方向、すなわち手前方向に引く。これにより摘み部45と一体のサムターン軸40は軸線方向に移動する(図7参照)。
【0061】
そして、抜止部材41によって停止する位置まで引いた後、各操作片57の押込み方向へのスライド移動状態を放つと、スライド板51はコイルバネ55の付勢力によりそれぞれスライドし、これにより各係合部53,53が離脱位置凹溝48aに係合する。この状態でサムターン軸40は軸縁方向の移動は阻止され、回動方向のみに自在となる。そして、サムターン軸40の先端42は錠箱機構部44から後退しており、すなわち離脱状態となる。
【0062】
従って、この状態では、摘み部45を摘み持ち回転操作を行っても、空転状態となり、錠箱機構部44への解錠・施錠操作が不能となる。このことから、針金や棒、手などの挿入による不正な操作を行おうとしても、摘み部45は空転してしまい、このような不正な解錠操作を阻止することができる。
そして、このような構成としたことで、摘み部45が取り除かれずに、座板部材32に取り付けられている状態なので、従来のような、室内用の合カギなどの管理を不要とし、使い勝手のよい防犯サムターンユニット31を得ることができる。さらに、非常時などにおける解錠操作などの操作性を低下させることのない防犯サムターンユニット31を得られる。
【0063】
また、通常の施解錠操作を行うことを可能とするには、上記した手順同様に、各操作片57,57を押し込んでスライド移動させ、各係合部53,53と離脱位置凹溝48aとの係合を解除した後、摘み部45を押し、各係合部53,53を係合位置凹溝48bに係合させることで、サムターン軸40の先端42が錠箱機構部44に係合状態となる。
【0064】
一方、室外(屋外)からの施錠、及び解錠については、合カギを用いることで、シリンダー錠に対して回転操作を行い、通常通りの施錠操作、又は解錠操作にて扉の施解錠が行われる。この施解錠操作に伴い、室内(屋内)側の摘み部45が回転する、或いは、連結してなければ摘み部45は回転しない。
【0065】
このように、上記した構成の防犯サムターンユニット31によれば、必要時に操作片57を操作して摘み部45を軸線方向に移動させることで、サムターン軸40と錠箱機構部44との係脱を行えるので、針金や棒、手などの挿入による解錠操作を阻止する防犯サムターンユニット31を得られる。また、取り外すことなく操作が行えることから、合カギなどの管理を不要とし、使い勝手のよい防犯サムターンユニット31を得られる。さらに、非常時などにおける解錠操作などの操作性を低下させることのない防犯サムターンユニット31を得られる。
【0066】
また、一般に、施解錠装置として構成されるサムターンは、エスカチオンや化粧板などとなる座板部材にサムターン軸が抜け止めされて、回動自在に設けられる構成であり、サムターン軸先端のみが、錠箱機構部に連結される構成であることから、このような既存の座板部材(エスカチオン等)を扉面から取り外すことで、既存のサムターンを取り除くことができ、すなわち、本発明の防犯サムターンユニット31では、座板部材32を含めた構成とされることから、既存のサムターンをエスカチオンなど座板部材ごと取り外せば、その個所に本発明の防犯サムターンユニット31を配設することが可能となる。このことから、既存のサムターンに換え、この防犯サムターンユニット31を取り付けることで容易に防犯性の高い施解錠装置を構成できることとなる。
【0067】
なお、上述した第1,第2の実施の形態では、操作部26或いは操作片57を操作し、摘み部15,45を持ってサムターン軸10,40の軸線方向にスライド移動させることで、このサムターン軸10,40と錠箱機構部14,44との係脱を行う構成とした例について述べたが、この摘み部15,45とともにサムターン軸10,40をスライド移動させる構成として、付勢手段60を備えた構成としてもよい。
すなわち、図8に示すように、サムターン軸40(10)の基端側に大径段部61を形成し、座板部材32の表面32bに、この大径段部61を収容可能な空間部62を設け、この空間部62内に付勢手段としての圧縮コイルバネ60を介設させる構成とする。このような構成とすることで、サムターン軸40(10)は、座板部材32に対して、その表面32bより摘み部45(15)の方向となる軸線方向に常に付勢されることとなり、サムターン軸40(10)の先端42(12)が、錠箱機構部44(14)に対して離脱する方向に付勢されることとなる。
【0068】
このコイルバネ60を備えた構成とした場合には、施解錠操作を行う際に、操作部26或いは操作片57を操作して、このコイルバネ60の付勢力に抗して、摘み部45(15)を持ってサムターン軸40(10)を挿入方向に操作させる。そして、サムターン軸40(10)の先端を錠箱機構部44(14)に連結状態とさせる(図9参照)。また、摘み部45(15)による操作を無効とする防犯状態とする場合には、操作片(図示せず)を操作するのみで、サムターン軸40(10)は、コイルバネ60の付勢力により、軸線方向にスライド移動し、錠箱機構部44(14)との係合状態から離脱して、摘み部45(15)の空転状態とする(図8参照)。
このような構成とすることにより、防犯状態への移行を容易にすることが可能となる。すなわち、保持手段を構成する操作手段57(25)を操作するのみで、サムターン軸40(10)が自動的に後退方向へと移動し、係合状態が解除されることとなる。
【0069】
また、上記のような付勢手段(コイルバネ)を備える構成として、上記した圧縮コイルバネに換え、引張コイルバネを介設する構成とすることで、サムターン軸の先端が、常に錠箱機構部の方向に付勢させる構成を得ることができる。すなわち、サムターン軸の先端が錠箱機構部に係合し連結状態を保とうとする構成とされ、例えば、通常時、サムターン軸の先端と錠箱機構部とを係合状態としない離脱状態で使用し、サムターンとして機能しない状態を保持手段にて保持させる。そして、施解錠操作を行いたいときのみ、保持手段の保持を解除し、コイルバネの付勢力にてサムターン軸先端と錠箱機構部との係合を行わせる構成とする。このような構成とすることで、通常、サムターンとしての施解錠操作を無効状態として用いることとなり、例えば、非常時,緊急時に施解錠の操作を行う際にのみ操作手段の操作のみでサムターンとしての機能が有効となる構成を得られる。
【0070】
また、上述した第1の実施の形態では、操作部26を1箇所のみとし、第2の実施の形態では操作片57を2箇所で構成した例としたが、これら操作部26,操作片57の配設数は、これらに限定されることなく、複数構成させることとしてもよく、配設個所を増やすことで防犯性を高めることが可能となる。
【0071】
さらに、上述した各実施の形態では、操作部26或いは操作片57を操作し、摘み部15,45を持ってサムターン軸10,40の軸線方向にスライド移動させることで、このサムターン軸10,40と錠箱機構部14,44との係脱を行う構成とした例について述べたが、この摘み部15,45とともにサムターン軸10,40をスライド移動した状態、すなわち、サムターン軸10,40と錠箱機構部14,44とが、係合状態であるか、或いは離脱状態であるかを容易に目視可能とする係脱状態表示手段を設ける構成としても良い。
【0072】
この係脱状態表示手段としては、例えば、図10に示すように、移動ラック72と回転体73とで構成するとともに、座板部材2,32に表示窓74を穿孔形成して構成する係脱状態表示部71とする。
移動ラック72は、図11(a)に示すように、無端リング状の取付環75を備え、この取付環75の一部に、取付環75の軸線方向に沿って並ぶ歯列より構成される。この移動ラック72は、取付環75がサムターン軸10,40の基端10a,40aに挿着される。そして、サムターン軸10,40の軸線方向の移動に伴い略一体となって移動する。なお、この移動ラック72の取付環75は、上記した圧縮コイルバネよりなる付勢手段60にて座板部材2,32に対して摘み部15,45の方向に付勢されている。
【0073】
回転体73は、図11(b)に示すように、円板状に形成され、サムターン軸10,40の軸線方向と直交する軸76を備えて座板部材2,32に回転自在に取り付けられている。回転体73の外周縁には、ピニオン部77を有し、略セグメントギア状に形成され、移動ラック72の歯列と噛み合う。また、回転体73の外周縁にはピニオン部77に近接して表示片部78が突設されている。この表示片部78は、その外周端面78aに、色や文字、記号などが標示形成される。
表示窓74は、図10に示すように、座板部材2,32の略中央における摘み部15,45の下部に位置して穿孔され、その内方に位置する回転体73の表示片部78が覗けるようになっている。
なお、座板部材2,32は、上記した移動ラック72,回転体73を収容できるように、内部に空間を備えた箱状部79をサムターン軸周りに構成し、この箱状部79における摘み部下部の、摘み部15,45の旋回軌跡の外方に位置して表示窓78が穿孔形成される。
【0074】
このような構成とすると、上述した第1,第2の実施の形態の操作部26或いは操作片57を操作して、摘み部15,45を持ってサムターン軸10,40の軸線方向にスライド移動させると、このスライド移動に伴って移動ラック72が移動し、これに噛合する回転体73が、箱状部79内で回転する。この回転体73の回転により、サムターン軸10,40の先端が、錠箱機構部14,44に対して係合状態であるか、離脱状態であるかを、表示窓74内に見ることのできる表示片部78により判断が可能となる。すなわち、摘み部15,45を持って押し、サムターン軸10,40の先端12,42を錠箱機構部14,44に係合させた状態とすると、移動ラック72を介して回転体73が回転し、この回転体73の表示片部78の下半部が表示窓より見えるようになり(図12参照)、また、摘み部15,45を持って引き、サムターン軸10,40の先端12,42を錠箱機構部14,44より離脱させた状態とすると、移動ラック72を介して回転体73が回転し、この回転体73の表示片部78の上半部が表示窓より見えるようになる(図10(a)参照)。表示片部78を、例えば、下半部に赤色を、上半部に青色を標示形成し、すなわち、係合状態を「赤」、離脱状態を「青」とすれば、表示窓74より見える表示片部78の色を見ることで、サムターン軸先端12,42と錠箱機構部14,44との係脱状態を容易に目視にて確認することが可能となる。
【0075】
また、この係脱状態表示手段としては、例えば、図13に示すように、スライド杆82にて構成する係脱状態表示部81としても良い。
この係脱状態標示部81を構成するスライド杆82は、図14に示すように、無端リング状の取付環83を備え、この取付環83の一部に延出片84を介して、取付環83の軸線方向と同方向に沿って延びる軸状の部材よりなる。このスライド杆82は、取付環83が、上記移動ラック72と同様に、サムターン軸10,40の基端10a,40aに挿着され、圧縮コイルバネよりなる付勢手段60にて座板部材2,32に対して摘み部15,45の方向に付勢され、取り付けられる。
スライド杆82は、座板部材2,32の略中央の摘み部下部の、摘み部15,45の旋回軌跡の外方に位置して穿設された貫通孔よりなる窓部85に挿通自在とされ、この窓部85に対して進退するようになっている。
【0076】
このような構成によれば、上述と同様に、第1,第2の実施の形態の操作部26或いは操作片57を操作して、摘み部15,45を持ってサムターン軸10,40の軸線方向にスライド移動させると、このスライド移動に伴って、スライド杆82がスライド移動する。これにより、スライド杆82は、座板部材2,32の窓部85を進退することとなる。すなわち、摘み部15,45を持って押し、サムターン軸10,40の先端12,42を錠箱機構部14,44に係合させた状態とすると、スライド杆82は窓部85内に進入状態となり(図15参照)、また、摘み部15,45を持って引き、サムターン軸10,40の先端12,42を錠箱機構部14,44より離脱させた状態とすると、スライド杆82は窓部85より突出した状態となる(図13(a)参照)。このことから、スライド杆82の進退状態で、サムターン軸先端12,42と錠箱機構部14,44との係脱状態を容易に目視及び、触れることで確認することが可能となる。なお、このスライド杆82の表面を着色などすることで、目視による確認が容易となり、さらに上記係脱の状態を容易に確認することが可能となる。
【0077】
さらに、上述した各実施の形態では、操作部26や操作片57とされる操作手段25,57を操作することで、サムターン軸10,40との係合を行う係合部22,53とされる係合手段20,50を係脱操作行う構成とされるが、この操作手段25,57と略同等の操作のみを可能とする疑似操作手段を具備した構成としてもよい。
【0078】
この疑似操作手段としては、例えば上記第2の実施の形態のような構成であれば、上記操作片57と同様構成の操作片をサムターン軸40との係脱を行わない構成で、疑似操作片91としてスライド自在に座板部材32に設ける。この疑似操作片91を座板部材32の側縁32cに操作片57と並設し、同様に押込み操作が行える構成とさせる。
【0079】
例えば、図16に示すように、係合手段50のスライド板51と、操作手段である操作片57とを分割した別体構造とし、この操作片57と略同形状の疑似操作片91を備えた構成とする。図17に示すように、スライド板51には、上記第2の実施の形態と同様に、長穴52と係合部53とを設け、基端51aに複数、本実施の形態では3つの溝部92が設けられる。各溝部92の側縁を構成する各延出片93には、先端に係合孔94がそれぞれ設けられる。各溝部92内には、座板部材32に突設されるバネ受け片37が配置される。一方、操作片57は、略コ字状に形成され、その外側面が座板部材32に側縁に表出し、一端にバネ受け凸部57aを有し、この一端側の両側縁に、連結片95,95が一対、略L字状に突設されている。各連結片95,95の間隔は、スライド板51の溝部92の両側を構成する両延出片93の各係合孔94の間隔に設定される。また、疑似操作片91は、外形を操作片57ち略同一なものとし、略コ字状に形成されているが、一端側の両側縁には、翼状の係止片96が突設されている。
【0080】
そして、スライド板51の各溝部92に位置して、上記した操作片57と疑似操作片91とを配設させる。例えば、図16に示すように、座板部材32の裏面凹部35に、スライド板51をサムターン軸40を挟んで配置するとともに、座板部材32の左右側縁側に位置する各溝部92の左右各最上部に操作片57をそれぞれ配置し、残る4個所の各溝部92には疑似操作片91を配置する。各操作片57は、スライド板51に穿設されている係合孔94に各連結片95を挿着して連結状態とする。また、各操作片57とバネ受け片37との間に付勢手段としてのコイルバネ55を介設させる。各疑似操作片91は、各バネ受け片37との間にコイルバネ55が介設されて、座板部材32の側壁32e内面に係止片96が当接状態とされ、この座板部材32に進退自在となって配設される。すなわち、各疑似操作片91は、スライド板51とは連結状態とならず、このスライド板51とは独立して進退自在な状態となる。
【0081】
このような構成とすることで、室内(屋内)側からは、操作片57と疑似操作片91が複数配設されて、例えば上記構成では左右に3個づつ計6個が見られるが、正規に使用する者であれば、どれが正しく作動する操作片57であるか判ることから、すなわち、この例においては左右最上部の各操作片57が正しく作動することから、これら操作片57の操作により各スライド板51,51がスライドし、容易にサムターン軸先端42と錠箱機構部44との係脱操作を行える。ところが、不正に操作しようとする者であれば、操作片57と疑似操作片91との違いが判別不可能であることから、正しく操作を行えず、すなわち、スライド板51をスライドさせることができず、これにより、防犯性を得ることが可能となる。
そして、この疑似操作片91を、操作片57と略同等の外形とすることで、さらに判別が困難なものとなり、不正な操作を行おうとする者に対する防犯性を高めることができる。
【0082】
なお、例えば、上記座板部材32を円形に形成し、その周縁部分に略等間隔に配列されるように、上記同様の操作片57及び疑似操作片91を配置し構成する構造としても良く、同様の作用及び効果を得られる。
【0083】
また、上述した各実施の形態において、座板部材2,32に、サムターン軸10,40の錠箱機構部14,44に対する係脱を行う際の摘み部15,45の操作位置を示す表示手段を備える構成としてもよい。
この表示手段は、例えば座板部材表面に、印刷や刻印などにて設けられる文字や矢印やその他形状の印などで、上述した摘み部を持って引く或いは押す操作を行う回転角度位置を示すものである。通常、錠箱機構部の施錠及び解錠となる操作は、90度の回転範囲であり、また一般的なサムターンの回転角度位置は、垂直な状態と水平な状態の2状態とされる。すなわちそれら回転位置にて摘み部の引く或いは押す操作を行うこととなることから、それら位置に対応する座板部材表面の各個所に文字,印等を設けることとする。これにより、サムターン軸と錠箱機構部との係脱を行う摘み部の回転位置を特定でき、係合状態から離脱状態、離脱状態から係合状態への各操作を行い易くでき、すなわち操作性を向上させることができる。
【0084】
さらに、上述した各実施の形態において、座板部材2,32に、状態表示手段を備える構成としてもよい。
この状態表示手段は、例えば座板部材に表示窓などを穿孔形成し、サムターン軸が錠箱機構部と係合状態の際の回転に連動する施解錠状態表示板などを座板部材に内蔵させ、摘み部による施錠或いは解錠の回転操作を行うと、表示窓より施解錠状態表示板の回転位置が視認できる構成などとする。これにより、錠箱機構部内の状態、すなわち、施錠状態であるか解錠状態であるかを室内(屋内)側から視認できることとなる。そして、サムターン軸と錠箱機構部との係合を行う際には、係合後に錠箱機構部が施錠・解錠のどちらに移行されるのか(操作可能なのか)が容易に判断でき、また、サムターン軸と錠箱機構部との離脱を行う際にも、どの状態で防犯状態としたかを容易に判断可能となる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による請求項1記載の防犯サムターンユニットでは、必要時に保持手段を操作して、サムターン軸を軸線方向に移動させることで、このサムターン軸と錠箱機構部との係脱を行うことが可能となる。これにより、サムターン軸と錠箱機構部とを係合しない位置とすることで、針金や棒、手などの挿入による解錠操作を阻止する防犯サムターンユニットを得られる。すなわち、サムターン軸と錠箱機構部とが係合していない状態では、サムターン軸は摘み部とともに空転状態であり、解錠操作等が無効となる。また、サムターン自体を取り外すことなく、サムターン軸と錠箱機構部との係脱が行え、操作を行うことが可能であることから、合カギなどの管理を不要とし、使い勝手のよい防犯サムターンユニットを得られる。さらに、サムターン自体が取り外されないことから、非常時などにおける解錠操作などの操作性を低下させることのない防犯サムターンユニットを得られる。
【0086】
また、この防犯サムターンユニットによれば、サムターン軸の位置保持を行う保持手段に操作手段を備えており、座板部材より表出する操作手段により、サムターン軸に対して係合する係合手段の進退を操作でき、サムターン軸の錠箱機構部に対する係脱が行われることとなる。さらに、係合手段を複数構成とし、各係合手段のそれぞれに対応して操作手段が備えられる構成とされることで、操作を複雑化することが可能となり、さらに防犯性を高めることが可能となる。
【0087】
さらに、この防犯サムターンユニットによれば、座板部材を左右側縁から掴むような動作で、操作手段の操作を行うことができ、操作感を向上できる。特に、座板部材を挟むように左右両側縁に操作手段を設けることで、それぞれを操作するために両側縁から掴むような動作となり、正しく操作を行う場合には、サムターン軸の軸線方向の移動の操作も必要であることから、両手を必要とし、より防犯性が向上することとなる。
【0088】
そして、錠箱機構部に対しサムターン軸先端のみが連結されて扉面に取り付けられる既存の座板部材とサムターンを備えたものに対し、本発明の防犯サムターンユニットでは、座板部材を含めた構成とされることから、この既存のサムターンをエスカチオンなど座板部材ごと取り外せば、その個所に本発明の防犯サムターンユニットを配設することが可能となる。このことから、既存のサムターンに換え、この防犯サムターンユニットを取り付けることで容易に防犯性の高い施解錠装置を構成できることとなる。
【0089】
請求項2記載の防犯サムターンユニットによれば、室内(屋内)側からは、操作手段と疑似操作手段が配設されて見られるが、正規に使用する者であれば、どれが正しく作動する操作手段であるかわかることから、容易にサムターン軸先端と錠箱機構部との係脱操作を行える。そして、不正に操作しようとする者であれば、操作手段と疑似操作手段との違いが判別不可能であることから、正しく操作を行えず、これにより、防犯性を得ることが可能となる。また、この疑似操作手段が、操作手段の外形と略同等の外形に形成されることで、上記した操作手段と疑似操作手段との違いを、さらに判別が困難なものとすることができ、防犯性をさらに高めることが可能となる。
【0090】
請求項3記載の防犯サムターンユニットによれば、付勢手段により、サムターン軸が座板部材に対して、その表面より摘み部の方向となる軸線方向に常に付勢されることとなり、サムターン軸の先端が、錠箱機構部に対して離脱する方向に付勢されることとなる。このことから、防犯状態への移行を容易にすることが可能となる。すなわち、保持手段,操作手段を操作するのみで、サムターン軸が自動的に後退方向へと移動し、係合状態が解除されることとなる。
【0091】
請求項4記載の防犯サムターンユニットによれば、係脱状態表示手段が設けられることにより、サムターン軸の先端と錠箱機構部とが、係合状態であるか、或いは離脱状態であるかを容易に確認可能とすることができる。
【0092】
請求項5記載の防犯サムターンユニットによれば、状態表示手段を備えた構成とすることにより、錠箱機構部内の状態、すなわち、施錠状態であるか解錠状態であるかを室内(屋内)側から表示窓にて視認できることとなる。そして、サムターン軸と錠箱機構部との係合を行う際には、係合後に錠箱機構部が施錠・解錠のどちらに移行されるのか(操作可能なのか)が容易に判断でき、また、サムターン軸と錠箱機構部との離脱を行う際にも、どの状態で防犯状態としたかを容易に判断可能となる。
【0093】
請求項6記載の防犯サムターンユニットを用いた開閉体によれば、上述した防犯サムターンユニットを予め配設された開閉体、例えば扉などを構成することができ、新築住宅などの建築物等に対して容易に防犯性を備えた扉として配置構成でき、また、既設の住宅などの建築物等に対しては、扉を交換するのみで、上記防犯効果を備えた扉を構成できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による防犯サムターンユニットの第1の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】 同防犯サムターンユニットの側断面図を(a)に、正面図を(b)に示した説明図である。
【図3】 同防犯サムターンユニットの操作時における側断面図を(a)に、正面図を(b)に示した説明図である。
【図4】 同防犯サムターンユニットの側断面図である。
【図5】 本発明による防犯サムターンユニットの第2の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図6】 同防犯サムターンユニットの平断面図である。
【図7】 同防犯サムターンユニットの動作を示した平断面図である。
【図8】 他の実施の形態における防犯サムターンユニットの側断面図である。
【図9】 同防犯サムターンユニットの側断面図である。
【図10】 他の実施の形態にける防犯サムターンユニットの側断面図を(a)に、正面図を(b)に示した説明図である。
【図11】 同防犯サムターンユニットを構成する係脱状態表示手段の一例である移動ラックの斜視図を(a)に、回転体の斜視図を(b)に示した説明図である。
【図12】 同防犯サムターンユニットの動作を示した側断面図である。
【図13】 他の実施の形態にける防犯サムターンユニットの側断面図を(a)に、正面図を(b)に示した説明図である。
【図14】 同防犯サムターンユニットを構成する係脱状態表示手段の一例であるスライド杆の斜視図である。
【図15】 同防犯サムターンユニットの動作を示した側断面図である。
【図16】 他の実施の形態にける防犯サムターンユニットの一部裁断背面図を(a)に、一部拡大側面図を(b)に示した説明図である。
【図17】 同防犯サムターンを構成する係合手段と操作手段の斜視図である。
【符号の説明】
1,31…防犯サムターンユニット
2,32…座板部材
2b,32b…表面
10,40…サムターン軸
10a,40a…基端
12,42…先端
14,44…錠箱機構部
15,45…摘み部
18,48…凹溝
20,50…係合手段
25,57…操作手段(操作板部,操作片)
60…付勢手段(コイルバネ)
71,81…係脱状態表示手段(係脱状態表示部)
91…疑似操作手段(疑似操作片)

Claims (6)

  1. 扉面に配設される座板部材に対して抜脱不能とされて回動自在に設けられるとともに、該座板部材に対して軸線方向に移動自在とされ、先端のみが錠箱機構部に対し係脱自在とされるサムターン軸と、
    該サムターン軸の基端に設けられ、前記座板部材の表面より突出する摘み部と、
    前記サムターン軸の先端が前記錠箱機構部に係合する位置と、前記サムターン軸の先端が前記錠箱機構部と係合しない後退位置とのいずれか一方の位置に、前記サムターン軸を前記座板部材に対して保持する保持手段と、
    を具備するとともに、
    前記保持手段は、
    前記サムターン軸の中途部外周面に、前記サムターン軸の先端が前記錠箱機構部に係合する位置と、前記サムターン軸の先端が前記錠箱機構部と係合しない後退位置とに対応する位置とされて軸線方向に所定間隔をあけて並列して配置され、周方向に形成された一対の凹溝と、
    前記座板部材内に配設され、前記サムターン軸の軸線方向に直交して進退自在とされるとともに、前記凹溝のいずれか一方の凹溝に対して係合する方向に付勢力を有する付勢手段を備えた一対の係合手段と、
    前記座板部材の左右両側縁より表出するとともに、前記座板部材の表面と平行にスライド自在に配設され、前記各係合手段に連結され、前記付勢手段の付勢力に抗して前記係合手段と前記凹溝との係合を解除する左右一対の操作手段と、
    を具備することを特徴とする防犯サムターンユニット。
  2. 前記操作手段の外形と略同等の外形に形成され前記座板部材の左右両側縁に表出して設けられるとともに、前記操作手段に並設されて、前記係合手段には連結されず、前記操作手段と略同等の操作のみを可能とする少なくとも1つの疑似操作手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の防犯サムターンユニット。
  3. 前記座板部材には、前記摘み部とともに前記サムターン軸を軸線方向にスライド移動させる付勢手段が設けられ、該付勢手段の付勢力により前記サムターン軸の先端が前記錠箱機構部に対して離脱する方向へ移動されて、前記サムターン軸と前記錠箱機構部とが係合せず、前記摘み部が空転状態となることを特徴とする請求項1又は2記載の防犯サムターンユニット。
  4. 前記座板部材に穿孔形成される表示窓を備えるとともに、前記サムターン軸に連結されて、該サムターン軸が軸線方向に移動するに伴って連動する回転体を具備し、該回転体の表示片部が前記表示窓より前記座板部材の外に覗けるよう構成されて、前記サムターン軸先端の前記錠箱機構部に対する係脱状態を前記表示片部にて示す係脱状態表示手段が設けられることを特徴とする請求項1,2,3のいずれか1つに記載の防犯サムターンユニット。
  5. 前記座板部材には、表示窓が穿孔形成され、前記サムターン軸の回転に連動して前記表示窓より視認できる施解錠状態表示板を具備し、前記摘み部による施錠或いは解錠の回転操作による前記錠箱機構部内の状態を表示する状態表示手段が設けられることを特徴とする請求項1,2,3,4のいずれか1つに記載の防犯サムターンユニット。
  6. 前記防犯サムターンユニットが、少なくとも一方の扉面に配設されることを特徴とする請求項1,2,3,4,5のいずれか1つに記載の防犯サムターンユニットを用いた開閉体。
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