JP4924860B2 - 非水電解液二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム・ニッケル・マンガン複合酸化物を含む正極を備えた非水電解液二次電池の製造方法に関する。
近年、携帯電子機器の急速な発達に伴い、非水電解質二次電池の更なる高エネルギー密度化が要求されるようになった。そこで、現在市販されている非水電解質二次電池の正極活物質であるリチウムコバルト酸化物に置き換わる正極活物質として、リチウム・ニッケル・マンガン複合酸化物(LiNi0.5Mn1.5)が提案されている(例えば、特許文献1)。このリチウム・ニッケル・マンガン複合酸化物を正極に用いた非水電解質二次電池は5V級の高電圧電池となることから、高エネルギー密度化が可能であり、さらにポータブルコンピュータ・電動工具・HEVおよびEVなどの組電池としての用途において、直列に接続するセル数を少なくできるという利点がある。
しかしながら、このリチウム・ニッケル・マンガン複合酸化物を含む正極を備えた電池は、リチウムコバルト酸化物やリチウムマンガン酸化物を用いた正極を備えた電池とは異なり、作動電圧が高いために、高電圧下において電解液が酸化分解されて、電池性能が低下するといった問題があり実用化が困難になっている(例えば、特許文献2)。
特開2002−42814公報 特開平11−219722号公報
リチウム・ニッケル・マンガン複合酸化物を正極に用いた非水電解液二次電池においては、高電圧下において電解液が酸化分解されて、様々な問題が生じる。具体的には、電解液の酸化分解にともない、セパレータおよび極板に電解液の分解生成物が付着して抵抗が増大する、あるいは電解液が枯渇することによって充放電サイクル性能が低下する問題があった。
本発明は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、リチウム・ニッケル・マンガン複合酸化物を含む正極を備えた非水電解液二次電池の充放電サイクル性能を向上させることを目的とする。
本発明者等は、かかる問題点を解決し得る非水電解液二次電池を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、リチウム・ニッケル・マンガン複合酸化物を含む正極を用いた非水電解液二次電池の製造時に注液する非水電解液中のビニレンカーボネート量を非水電解液の全重量に対して0.1重量%以上2.0重量%以下とすることにより、正極上での電解液の分解が抑制されて充放電サイクル性能が向上することを見出した。なお、非水電解液二次電池の製造時とは、電池を組み立てて電解液を注液する製造プロセスにおけることを意味する。
このように特定範囲のビニレンカーボネートを含有する電解液を使用することにより、充放電サイクル性能が向上する理由は以下のように推測された。
すなわち、リチウム・ニッケル・マンガン複合酸化物を含む正極を用いた非水電解液二次電池にビニレンカーボネートを含有する電解液を使用すると、その作動電圧が高いために、充放電サイクル初期に正極でほとんど酸化分解されて、正極表面上に安定な被膜を形成して、その後の正極での電解液の分解反応が抑制される。この皮膜は、ビニレンカーボネートの量が非水電解液全重量に対して0.1重量%以上あれば、正極とビニレンカーボネート以外の他の溶媒との反応を抑制するために十分な量形成される。
一方、ビニレンカーボネートを非水電解液全重量の2重量%よりも多く含有した電解液を使用すると、電池が著しく膨張するという現象が観察されるとともに、充放電サイクル性能の低下が生じた。この原因は以下のように推測された。
すなわち、ビニレンカーボネートが正極で酸化分解されて正極表面上に安定な被膜を形成する際にガスを発生する。電解液中に含まれるビニレンカーボネートの量が少ない場合には、発生したガスは充放電サイクル初期に電解液中および極板内に吸収されてしまう。しかしながら、電解液中のビニレンカーボネートの量を非水電解液全重量の2重量%よりも多くした場合は、発生ガス量が多くなり、電池内部に吸収できなかったガスが残ってしまい、その結果、電池が膨れるものと推測された。また、ガスが残っている部分では充放電されないために,電流分布が不均一になり、リチウム電析を生じて、充放電サイクル性能が低下したことが考えられた。
以上の検討を踏まえ、本発明ではサイクル充放電性能を向上するための手段として、請求項1の発明は、LiX+aNiMn2−Y−a4−δ(但し、0<X≦1.0、0≦a≦0.1、0.45≦Y≦0.55、0≦δ≦0.4)を含有する正極を備えた非水電解液二次電池の製造方法であって、製造時に注液する非水電解液の溶媒が、環状カーボネート、鎖状カーボネート及びビニレンカーボネートからなり、ビニレンカーボネートが、ビニレンカーボネートを含めた前記非水電解液の全重量に対して0.1重量%以上2重量%以下含まれていることを特徴とした。
このようにビニレンカーボネートの量を規定した電解液を製造段階で使用すると、初期の数サイクルの間に正極上に安定な被膜が形成されて、その後の正極での電解液の分解反応が抑制される。また前記電解液を使用した場合、ビニレンカーボネートの酸化分解にともない発生したガスは、充放電初期にすべて電解液中や極板内に吸収されるため、ガス発生にともなう電池の性能低下も避けられる。よって充放電サイクル性能が向上する。
ここで、本発明の非水電解液二次電池とは、例えば、図1に示す角型非水電解液二次電池1(以下、「角型電池1」という)がその一例として挙げられる。そして、この非水電解液二次電池は、アルミニウム板等により形成された電池容器(本発明の外装体に相当する)6に、発電要素2を挿入した後に、図示しない非水電解液を注入して、電池蓋7で密封することによって製造される。発電要素2は、正極3と負極4とがセパレータ5を介して例えば長円状の横断面を有する偏平渦巻状に巻回されてなるものである。
電池蓋7には負極端子9及び安全弁8が設けられている。正極3は正極リード10により電池蓋7と電気的に接続され、負極端子9は電池蓋7と絶縁されるとともに、負極リード11を介して負極4と電気的に接続されている。
そして、正極3は、例えばアルミニウム、ニッケル、又はステンレス製の正極集電体の両面にリチウムイオンを吸蔵・放出する物質を構成要素とする正極合剤からなる正極活物質層を設けた構造となっている。この正極活物質層は、正極活物質を含有する。
本発明に係る正極活物質としては、一般式LiX+aNiMn2−Y−a4−δ(但し、0<X≦1.0、0≦a≦0.1、0.45≦Y≦0.55、0≦δ≦0.4)で表されるリチウムニッケルマンガン複合酸化物を用いる。リチウムニッケルマンガン複合酸化物は、一般的には、例えば、リチウム源、マンガン源、ニッケル源となる化合物を混合して、焼成する固相法により合成することができる。また、特表2000−515672公報に示されるようなゾルゲル法によっても合成することができる。
リチウム源としては、例えば、水酸化リチウム・一水和物、硝酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム、クエン酸リチウム、フッ化リチウム、ヨウ化リチウム、乳酸リチウム、シュウ酸リチウム、リン酸リチウム、ピルビン酸リチウム、硫酸リチウム、酸化リチウムなどが挙げられる。また、マンガン源としては、例えば、二酸化マンガン、酸化マンガン、水酸化マンガン、炭酸マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガン、シュウ酸マンガンなどが挙げられ、それらの中でも二酸化マンガンが特に好ましい。さらに、ニッケル源としては、例えば硝酸ニッケル、炭酸ニッケル、酸化ニッケルなどが挙げられる。
LiMnのMnサイトがNiで置換されることにより、高電位側の放電電位平坦領域4.5V以上の高い電位を示す正極活物質を得ることができる。また、LiMnのMnサイトがLiで置換されることにより、4V領域の放電電位平坦部を小さくすることができる。
Liの割合を示すXは充放電により変化し、満充電時には1となる。一方、過放電するとリチウムニッケルマンガン複合酸化物の結晶構造が不安定になるので、0<X≦1.0が好ましい。aは、上述の通り、Mnサイトに置換したLiの割合である。Mnの一部をLiで置換すると、Mnの価数が増加し、4V領域の放電電位平坦部が小さくなる。aが0.1を超えると放電容量が低下するので好ましくない。したがって、0≦a≦0.1が好ましい。Yは、上述の通り、Mnサイトに置換したNiの割合である。Yが0.45未満になると5V領域の放電電位平坦部分が減少するので好ましくない。一方Yが0.55を超えると、Niイオンの価数が2価から3価に変化するので5V領域における放電容量が減少する。したがって、0.45≦Y≦0.55が好ましい。そして、δは結晶構造における酸素欠損を表す。このδが大きくなるとMnの価数が低下し、4V領域の電位平坦部が大きくなる。また、δが0.4を超えるとスピネル構造のフレームを構成する酸素が不足するので、スピネル構造を維持できなくなることがあるため好ましくない。したがって、0≦δ≦0.4が好ましい。
なお、正極に、LiX+aNiMn2−Y−a4−δ(但し、0<X≦1.0、0≦a≦0.1、0.45≦Y≦0.55、0≦δ≦0.4)が含まれていれば、他の正極活物質を含有してもよい。
リチウムニッケルマンガン複合酸化物における、格子定数、及び各原子のサイト占有率は、粉末X線回折法により得た回折パターンをリートベルト解析(例えば、"The Rietveld Method," ed. by R. A. Young, Oxford University Press, Oxford (1993).)することにより求めることができる。リートベルト解析は、X線、中性子線を用いた粉末回折パターンと、仮定した構造モデルに基づいて計算した回折パターンとをフィッティングすることにより結晶構造に関するパラメータの精密化を行う方法である。
上記の正極活物質と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤を金属箔からなる正極集電体に塗工することにより正極板を製造することができる。なお、その他の方法によって正極板を製造してもよい。
導電剤としては特に制限はなく、種々の材料を適宜使用できる。例えば、Ni、Ti、Al、Fe若しくはこれらの二種以上の合金又は炭素材料が挙げられる。なかでも、炭素材料を用いることが好ましい。炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ニードルコークスなどの無定形炭素が挙げられる。
正極に用いられる結着剤としては特に制限はなく、種々の材料を適宜使用できる。例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロース、またはこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を使用することができる。
正極集電体には、例えば、Al、Ta、Nb、Ti、Hf、Zr、Zn、W、Bi、およびこれらの金属を含む合金などを例示することができる。これらの金属は、電解液中での陽極酸化によって表面に不動態皮膜を形成するため、正極集電体と電解液との接触部分において非水電解質が酸化分解するのを有効に防止することができる。その結果、非水系二次電池のサイクル特性を有効に高めることができる。
負極活物質としては特に制限はなく、種々の材料を適宜使用できる。例えば、黒鉛や非晶質炭素などの炭素材料、酸化物、窒化物、およびリチウム合金などが挙げられる。リチウム合金としては、例えばアルミニウム、亜鉛、ビスマス、カドミウム、アンチモン、シリコン、鉛、または錫などからなる群から選択される少なくとも1種の金属と、リチウムとの合金を用いることができる。また、酸化物、窒化物、およびリチウム合金は、種々の炭素材料と混合して使用することができる。また、酸化物、窒化物、およびリチウム合金を種々の炭素材料に担持させて使用することもできる。
負極の集電体としては、鉄、銅、ステンレス、またはニッケルを用いることができる。その形状としては、シート、面状体、網状体、発泡体、焼結多孔体、エキスパンド格子が挙げられる。さらに、これらの集電体に任意の形状で穴を開けたものを用いることができる。
負極の製造方法は特に制限されず、例えば、上記の正極の製造方法と同様の方法により製造することができる。
負極用結着剤としては特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体またはこの(Na+ )イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体またはこの(Na+ )イオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体またはこの(Na+ )イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体またはこの(Na+ )イオン架橋体、ポリエチレン、ポリプロピレンが挙げることができ、これらの材料を単独又は混合物として用いることができる。これらの材料の中でスチレンブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−アクリル酸共重合体またはこの(Na+ )イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体またはこの材料の(Na+ )イオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体またはこの材料の(Na+ )イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体またはこの材料の(Na+ )イオン架橋体が好ましい。
なお、両面のみならず、片面のみ負極活物質層を設けた構造となっていても構わない。
セパレータとしては、特に制限はなく、種々の材料を適宜使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、芳香族ポリアミドなどからなる微多孔膜が用いられ、材料、重量平均分子量や空孔率の異なる複数の微多孔膜が積層してなるものや、これらの微多孔膜に各種の可塑剤、酸化防止剤、難燃剤などの添加物を適量含有しているものであっても良い。
非水電解液の有機溶媒には、ビニレンカーボネート以外に、環状カーボネートと鎖状カーボネートとが含まれる。特に非水電解液中に含まれる環状カーボネートと鎖状カーボネートとの総体積に対して、環状カーボネートが体積比で40%以下であることが望ましい。環状カーボネートが体積比で40%以下の場合に電池膨れが著しく抑制されるからである。
ここで、環状カーボネートの例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどが挙げられる。また鎖状カーボネートの例としては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどが挙げられる。特に、環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートから選択される少なくとも1種の溶媒であることが好ましい。また鎖状カーボネートとしては、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネートから選択される少なくとも1種の溶媒であることが好ましい。
さらに、本発明では非水電解液に、ビニレンカーボネートを含有している。ビニレンカーボネートの含有量は、非水電解液の溶媒及び溶質の合計重量、すなわちビニレンカーボネートを含めた溶媒及び溶質の合計重量(非水電解液の全重量)に対して0.1重量%以上2重量%以下であり、特に好ましくは0.2重量%以上1重量%以下である。0.1重量%未満では、正極上に安定な皮膜が十分に形成されず、電解液と正極との反応が充放電サイクル中に継続して進行するからである。一方、ビニレンカーボネートを総重量の2重量%よりも多く含有した電解液を使用すると、電池が著しく膨張するとともに、充放電サイクル性能の低下が生じるからである。
また、本発明の非水電解液二次電池に用いる電解質の溶質としては、特に制限はなく、種々の溶質を適宜使用できる。例えば、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、LiCF(CF、LiCF(CF、LiCF(CF、LiCF(CF、LiCF(CF)、LiCF(C、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CCO)、LiI、LiAlCl、LiBCなどを単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。なかでもLiPFを使用することが好ましい。さらに、これらのリチウム塩濃度は、0.5〜2.0mol・dm−3とするのが好ましい。
また、電解質中に、ビフェニルやシクロヘキシルベンゼンなどのベンゼン類、プロパンスルトンなどの硫黄類、エチレンサルファイド、フッ化水素、トリアゾール系環状化合物、フッ素含有エステル類、テトラエチルアンモニウムフルオライドのフッ化水素錯体またはこれらの誘導体、ホスファゼンおよびその誘導体、アミド基含有化合物、イミノ基含有化合物、または窒素含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含有しても使用できる。
なお、上記電解質の他にさらに、固体またはゲル状のイオン伝導性電解質を組み合わせて使用することができる。複数のイオン伝導性電解質を組み合わせる場合、非水電解質電池は、例えば、正極と、負極と、セパレータと、有機または無機の固体電解質と、非水電解液とから構成できるし、また、正極と、負極と、セパレータとしての有機または無機の固体電解質膜と、非水電解液とからも構成できる。また、イオン伝導性電解質には有孔性高分子固体電解質膜も使用することができる。
イオン伝導性電解質としてはポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリエチレングリコールおよびこれらの誘導体、LiI、LiN、Li1+xTi2−x(PO(M=Al、Sc、Y、La)、Li0.5−3x0.5+xTiO(R=La、Pr、Nd、Sm)、またはLi4−xGe1−xに代表されるチオリシコンを使用することができる。さらに、LiI−Li2O−B25系、Li2O−SiO2系などの酸化物ガラス、またはLiI−Li2S−B23系、LiI−Li2S−SiS2系、Li2S−SiS2−LiPO系などの硫化物ガラスを使用することができる。
また、非水電解液二次電池の形状は特に限定されるものではなく、本発明は、角形、楕円形、コイン形、ボタン形、シート形電池等の様々な形状の非水電解液二次電池に適用可能である。
本発明の製造方法によれば、リチウム・ニッケル・マンガン複合酸化物を含む正極を用いた非水電解液二次電池の正極上に被膜が形成され、この被膜により正極上での電解液の酸化分解が抑制されて、充放電サイクル性能が著しく向上する。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
1.試料の調製
非水電解液二次電池として、図1に示す角形非水電解液二次電池1を作製した。まず、正極活物質として、LiNi0.5Mn1.5、90重量部と、導電剤のアセチレンブラック4重量部と、結着剤のポリフッ化ビニリデン6重量部とを混合し、N-メチル-2-ピロリドンを適宜加えて分散させ、スラリーを調製した。このスラリーを、厚さが20μmのアルミ製正極集電体の両面に均一に塗布、乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成形することにより正極3を作製した。
負極合剤は、グラファイト(黒鉛)95重量部とカルボキシメチルセルロース2重量部とスチレンブタジエンゴム3重量部とを混合し、水を適宜加えて分散させ、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmの銅製の負極集電体の両面に塗布、乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成形することにより負極4を作製した。
セパレータ5には、厚さ20μmの微多孔性ポリエチレンフィルムを用いた。
つぎに、これらの正・負極板とセパレータとを用いて、巻回型発電要素とし、この巻回形発電要素を角形電池ケースに入れ、高さ48mm、幅30mm、厚さが4.2mm、公称容量600mAhの角形非水電解質二次電池1を作製した。
作製した角形電池を用いて、電解液中のビニレンカーボネート(VC)含有量の検討をおこなった。基本電解液E1には、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を体積比30:70で混合した溶媒に、LiPFを1.0mol・dm−3溶解したものを用いた。この基本電解液にVCを加え、非水電解液の全重量(100重量%)に対して0.1〜2.0重量%のVCを含有する電解液を用いて、表1に示す電池<C>〜<J>を作製した。また、比較例として、VC未添加の電解液、および非水電解液の全重量(100重量%)に対して0.05、3.0〜6.0重量%のVCを含有する電解液を用いて、電池<A>、<B>、<K>〜<N>を作製した。
Figure 0004924860
2.充放電試験
25℃において、1CmA(=600mA)の定電流で4.8Vまで充電した後、その値での定電圧充電をおこない、次に1CmAの定電流で3.5Vまで放電するという充放電サイクル試験をおこなった。
2.1 サイクル性能の評価
100サイクル目の放電容量の、1サイクル目の放電容量に対する放電容量比(100サイクル後容量維持率)をもって充放電サイクル性能を評価した(以下の式参照)。
容量維持率(%)=(100サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
サイクル性能についての試験結果を図2のグラフに示す。このグラフより、0.1〜2.0重量%のVCを含有する電解液を用いた電池において、充放電サイクル性能が著しく向上していることが確認された。
2.2 電池厚さの評価
100サイクル後の電池厚さを図3のグラフに示す。このグラフより、0.1〜2.0重量%のVCを含有する電解液を用いた電池において、電池の膨張が著しく抑制されることが確認された。
2.3 電池抵抗の測定
交流4端子法をもちいて、100サイクル後の電池抵抗を測定した。100サイクル後の電池抵抗を図4のグラフに示す。このグラフより、0.1〜2.0重量%のVCを含有する電解液を用いた電池において、電池抵抗が小さくなることが確認された。
非水電解液二次電池の一例の分解斜視図 VC含有量(VC濃度)と100サイクル後容量維持率との関係を示すグラフ VC含有量(VC濃度)と電池厚みとの関係を示すグラフ VC含有量(VC濃度)と電池抵抗との関係を示すグラフ
符号の説明
1…非水電解液二次電池
3…正極
4…負極
5…セパレータ
6…電池容器(外装体)

Claims (1)

  1. LiX+aNiMn2−Y−a4−δ(但し、0<X≦1.0、0≦a≦0.1、0.45≦Y≦0.55、0≦δ≦0.4)を含有する正極を備えた非水電解液二次電池の製造方法であって、
    製造時に注液する非水電解液の溶媒が、環状カーボネート、鎖状カーボネート及びビニレンカーボネートからなり、ビニレンカーボネートが、ビニレンカーボネートを含めた前記非水電解液の全重量に対して0.1重量%以上2重量%以下含まれていることを特徴とする非水電解液二次電池の製造方法。
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