JP4924835B2 - マグネトロンスパッタリング用磁気回路装置及びその製造方法 - Google Patents

マグネトロンスパッタリング用磁気回路装置及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、基板表面に薄膜を形成するマグネトロンスパッタリング装置に搭載される磁気回路装置及びその製造方法に関する。
マグネトロンスパッタリング装置は、真空チャンバ内に、アノード側の基板と相対するように配置されたターゲットと、ターゲットの背後に配置された磁気回路装置と、ターゲットがカソードとなるようにターゲットに接続された高周波電源とを有する。真空チャンバ内に、例えば10-1〜10-3 Torr(13.33〜0.13 Pa)の不活性ガスを導入した後、基板(アノード)とターゲット(カソード)との間に電圧を印加することによりグロー放電を起こして不活性ガスをイオン化するとともに、ターゲットから放出された二次電子に直角に磁界を作用させて、ターゲット表面でサイクロイド運動を行わせ、ガス分子と衝突させることによりイオン化を促進し、ターゲット材が中性の原子として基板上に堆積(薄膜化)させる。マグネトロンスパッタリング装置は、成膜速度が速く、基板への電子の衝突が起こらないので低温成膜が可能であり、さらに各種の合金薄膜を再現性よく形成できるという利点を有するので、半導体ICの製造プロセス等の用途に広く使用されている。
マグネトロンスパッタリング装置においては、電界と磁界が直交するターゲット中央部に放電が集中し、その部分が顕著にスパッタされるので、長期間のスパッタの後にはターゲット表面が不均一化する。そのため、通常ターゲットの裏面に配設した磁気回路装置全体を往復移動させる。
例えば、特開平10-46334号は、内部に基板が搬送される真空容器の壁部に配置されたターゲットを取り付けたマグネトロンカソードと、ターゲットの表面に閉環状の磁界を形成するようにマグネトロンカソードの背面側に位置するマグネトロン磁気回路装置と、磁気回路装置をターゲットと平行でかつ基板搬送方向に揺動する第一の機構と、磁気回路装置をターゲットと平行でかつ基板搬送方向と垂直な方向に揺動する第二の機構とを備えたスパッタ成膜装置を開示している。特開平10-46334号に記載されたマグネトロン磁気回路装置は、ロッド状の中央磁石と、ターゲット側表面が中央磁石と逆極性となるように磁化された長方形状の外周磁石と、これらの磁石を支持する平坦な磁気ヨーク板とを有する。
特開2000-248360号は、基板とそれに対向するターゲットが配置された成膜室(第一真空室)と、ターゲットの表面にトンネル状のポロイダル磁界を発生させる磁界発生機構が配設されたマグネット室(第二真空室)と、磁界発生機構をターゲットに平行に往復移動させる駆動装置とを備えたマグネトロンスパッタ装置を開示している。磁界発生機構の近傍に、順にバッキングプレート及びターゲットが配置されており、バッキングプレートは負電位を印加するための電源に接続している。磁界発生機構、バッキングプレート及び電源により、ターゲットの表面に高密度のプラズマが生成される。
基板への成膜速度を早めるためには、磁気回路装置の表面(永久磁石の表面)からターゲット表面までの距離を短くして、ターゲットの表面に発生する磁界強度を高めることが必要である。しかし、磁気回路装置とターゲットとの間隔を狭くすると、永久磁石がターゲットの裏面にあるバッキングプレート(又はカソード)と干渉し、接触した場合等に永久磁石が脱落したり、そのエッジ部が破損したりするおそれがある。その上、磁気回路装置の組立作業中、磁気回路装置のマグネトロンスパッタリング装置への搬送中又は取り付け中に、梱包状況やハンドリング上のミス等により、永久磁石が他の部材と衝突し、永久磁石が脱落したり、一部が破損したりしてしまうという問題もある。
通常、特開2000-248360号に記載されているように、磁界発生機構における永久磁石はヨークに接着剤により固定されている。しかし、接着剤の硬化時又は硬化後にアウトガス(分子量300程度以下)が発生するので、磁気回路装置の表面が汚染され、不良品が発生する原因となる。脱落したり破損したりした永久磁石を健全な永久磁石に交換する場合、接着剤を剥離する必要があるが、そのためには接着剤の主成分である樹脂のガラス転移温度(例えば150〜200℃)以上の温度に磁気回路装置全体を加熱することが必要である。従って、破損した永久磁石のみを脱着することはできず、全ての永久磁石を脱着することになってしまう。特に大型のスパッタリング装置は多数(例えば100個以上)の永久磁石を備えた磁気回路装置を具備するので、作業工数を考えると、永久磁石の交換は余りにコスト高である。
そこで特開平10-317137号及び特開平11-36068号に記載のように、永久磁石をボルト等の機械的手段により固定すると、十分な組立精度が得られないという問題がある。
従って本発明の目的は、永久磁石を精確かつ着脱自在に搭載することができるとともに、使用中に永久磁石の脱落や破損がないマグトロンスパッタリング用磁気回路装置、及びその製造方法を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、少なくとも1つの永久磁石を保護カバー部材に装着し、それをマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置に機械的に固定すれば、永久磁石を精確に磁気回路装置に着脱自在に固定することができるとともに、使用中に永久磁石の脱落や損傷がなく、また接着剤を使用しないのでアウトガスの発生のおそれもないことを発見し、本発明に想到した。
従って、本発明の第一のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置は、上面に所定の極性の磁極を有するように直線状に連設された複数の直方体状の永久磁石からなる内側永久磁石列と、前記内側永久磁石列を取り囲み、上面に前記内側永久磁石列の磁極と逆極性の磁極を有するように連設された複数の直方体状の永久磁石からなる外側永久磁石列と、前記内側永久磁石列及び前記外側永久磁石列の永久磁石を着脱自在に保持する磁気ヨーク板と、前記永久磁石を少なくとも1つずつ覆うほぼ断面コの字状の非磁性保護カバー部材とを具備し、各保護カバー部材は、前記永久磁石の一方の側面を覆うとともに、前記磁気ヨーク板に機械的に固定された第一の側板部と、前記永久磁石の他方の側面を覆う第二の側板部と、両側板部を一体的に連結する上板部とからなり、各保護カバー部材の両側板部により前記永久磁石は強固に把持されていることを特徴とする。
上記磁気回路装置において、前記磁気ヨーク板は上面に直方体状の前記永久磁石を受承する凹部を有するのが好ましい。前記内側永久磁石列を構成する前記永久磁石を受承する凹部は中央溝であり、前記外側永久磁石列を構成する前記永久磁石を受承する凹部は外周段差であるのが好ましい。
上記磁気回路装置において、前記保護カバー部材の前記第一の側板部は少なくとも1つの開口部を有する外方フランジ部を有し、各永久磁石の下端部が前記磁気ヨーク板の前記凹部に配置された状態で、前記開口部に係合するボルトにより前記フランジ部が前記磁気ヨーク板に固定されているのが好ましい。
本発明の第二のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置では、前記磁気ヨーク板は上面に前記内側永久磁石列を受承する中央溝と、前記外側永久磁石列を受承する外周段差とを有するとともに、側面に水平溝を有し、前記外側永久磁石列における各保護カバー部材の前記第一の側板部は前記磁気ヨーク板の上面に接する位置に少なくとも1つの開口部を有する外方フランジ部を有し、前記第二の側板部は前記水平溝に達する長さを有するとともに先端に内方突起部を有し、もって前記内方突起部が前記水平溝に係合するとともに、前記永久磁石が前記外周段差に配置された状態で、前記開口部に係合するボルトにより前記第一の側板部の前記外方フランジ部が前記磁気ヨーク板に固定されることを特徴とする。
前記保護カバー部材の前記上板部の内面に前記永久磁石の上面に当接する突起部を設けても良い。
本発明の第三のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置は、上面に所定の極性の磁極を有するように直線状に連設された複数の直方体状の永久磁石からなる内側永久磁石列と、前記内側永久磁石列を取り囲み、上面に前記内側永久磁石列の磁極と逆極性の磁極を有するように連設された複数の直方体状の永久磁石からなる外側永久磁石列と、前記内側永久磁石列及び前記外側永久磁石列の永久磁石を着脱自在に保持する磁気ヨーク板と、前記内側永久磁石列と前記外側永久磁石列との間に設けられたスペーサと、前記永久磁石を少なくとも1つずつ覆うほぼ断面コの字状の非磁性保護カバー部材とを具備し、前記内側永久磁石列における各保護カバー部材は、前記永久磁石の一方の側面を覆うとともに、前記磁気ヨーク板に機械的に固定された第一の側板部と、前記永久磁石の他方の側面を覆う第二の側板部と、両側板部を一体的に連結する上板部とからなり、前記外側永久磁石列における各保護カバー部材は、前記永久磁石の一方の側面及び前記磁気ヨーク板の側面の少なくとも一部を覆う長さを有し、前記磁気ヨーク板に機械的に固定された第一の側板部と、前記永久磁石の他方の側面を覆う第二の側板部と、両側板部を一体的に連結する上板部とからなり、各保護カバー部材の両側板部により前記永久磁石は強固に把持されていることを特徴とする。
第三のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置において、前記磁気ヨーク板は上面に前記内側永久磁石列における直方体状の前記永久磁石を受承する中央溝を有するとともに、前記外側永久磁石列における直方体状の前記永久磁石を受承する外周段差を有し、前記内側永久磁石列における各保護カバー部材の前記第一の側板部は少なくとも1つの開口部を有する外方フランジ部を有し、前記外側永久磁石列における各保護カバー部材の前記第一の側板部は前記磁気ヨーク板の側面に接する先端部分に少なくとも1つの開口部を有し、各永久磁石の下端部が前記磁気ヨーク板の前記溝又は段差に配置された状態で、前記開口部に係合するボルトにより前記第一の側板部が前記磁気ヨーク板に固定されているのが好ましい。前記内側永久磁石列における各保護カバー部材の前記第一の側板部は、前記スペーサを受承する切欠きを有するのが好ましい。
いずれのマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置においても、前記保護カバー部材は弾性変形可能な非磁性金属板で形成されているのが好ましい。また前記永久磁石の磁極面の幅WPと、前記保護カバー部材の両側板部の開口端における内壁幅WO及び前記上板部における内壁幅WDは、WD>WP>WOの関係を満たすのが好ましい。
本発明の第一のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置を製造する方法は、上面に所定の極性の磁極を有するように直線状に連設された複数の直方体状の永久磁石からなる内側永久磁石列と、前記内側永久磁石列を取り囲み、上面に前記内側永久磁石列の磁極と逆極性の磁極を有するように連設された複数の直方体状の永久磁石からなる外側永久磁石列とを磁気ヨーク板に着脱自在に組み立てるもので、(a) 前記磁気ヨーク板との係合部を有する第一の側板部と、前記第一の側板部に対向する第二の側板部と、両側板部を一体的に連結する上板部とからなるほぼ断面コの字状の第一及び第二の非磁性保護カバー部材を作製し、(b) 前記第一の保護カバー部材に、高さ方向に磁化された少なくとも1つの永久磁石を前記上板部側が同極性となるように挿入することにより、第一の磁石組立体を作製し、(c) 前記第二の保護カバー部材に、高さ方向に磁化された少なくとも1つの永久磁石を、前記上板部側が前記第一の磁石組立体と逆極性となるように挿入することにより、第二の磁石組立体を作製し、(d) 前記第一及び第二の磁石組立体をそれぞれ前記磁気ヨーク板に機械的に固定することを特徴とする。
上記磁気回路装置の製造方法において、前記磁気ヨーク板は上面に直方体状の前記永久磁石を受承する凹部を有するのが好ましい。前記内側永久磁石列を構成する前記永久磁石を受承する凹部は中央溝であり、前記外側永久磁石列を構成する前記永久磁石を受承する凹部は外周段差であるのが好ましい。
上記磁気回路装置の製造方法において、前記保護カバー部材の前記第一の側板部は少なくとも1つの開口部を有する外方フランジ部を有し、各永久磁石の下端部を前記磁気ヨーク板の前記凹部に配置した状態で、前記開口部に係合するネジにより前記フランジ部を前記磁気ヨーク板に固定するのが好ましい。
本発明の第二のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置を製造する方法は、前記磁気ヨーク板が上面に中央溝及び外周段差及び側面に水平溝を有し、前記第二の非磁性保護カバー部材が、前記磁気ヨーク板との係合部を有する外方フランジ部を有する第一の側板部と、前記第一の側板部に対向する第二の側板部(前記水平溝に達する長さを有するとともに、先端に内方突起部を有する。)と、両側板部を一体的に連結する上板部とからなるほぼ断面コの字状を有し、前記第二の磁石組立体の前記第二の側板部の前記内方突起部を前記磁気ヨーク板の前記水平溝に係合させるとともに、前記永久磁石を前記外周段差に配置した状態で、前記第一の側板部の前記外方フランジ部を前記磁気ヨーク板に機械的に固定することを特徴とする。
本発明の第三のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置を製造する方法は、上面に所定の極性の磁極を有するように直線状に連設された複数の直方体状の永久磁石からなる内側永久磁石列と、前記内側永久磁石列を取り囲み、上面に前記内側永久磁石列の磁極と逆極性の磁極を有するように連設された複数の直方体状の永久磁石からなる外側永久磁石列とを、スペーサを介して磁気ヨーク板に着脱自在に組み立てるもので、(a) 前記磁気ヨーク板との係合部を有する第一の側板部と、前記第一の側板部に対向する第二の側板部と、両側板部を一体的に連結する上板部とからなるほぼ断面コの字状の第一の非磁性保護カバー部材と、前記磁気ヨーク板に達する長さを有するとともに先端部に少なくとも1つの前記磁気ヨーク板との係合部を有する第一の側板部と、前記第一の側板部に対向する第二の側板部と、両側板部を一体的に連結する上板部とからなるほぼ断面コの字状の第二の非磁性保護カバー部材とを作製し、(b) 前記第一の保護カバー部材に、高さ方向に磁化された少なくとも1つの永久磁石を前記上板部側が同極性となるように挿入することにより、第一の磁石組立体を作製し、(c) 前記第二の保護カバー部材に、高さ方向に磁化された少なくとも1つの永久磁石を、前記上板部側が前記第一の磁石組立体と逆極性となるように挿入することにより、第二の磁石組立体を作製し、(d) 前記磁気ヨーク板にスペーサを機械的に固定し、(e) 前記第一の磁石組立体を前記磁気ヨーク板に前記第一の側板部を介して機械的に固定し、(f) 前記第二の磁石組立体を前記磁気ヨーク板に前記第一の側板部を介して機械的に固定することを特徴とする方法。
第三のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置を製造する好ましい方法は、上面に所定の極性の磁極を有するように直線状に連設された複数の直方体状の永久磁石からなる内側永久磁石列と、前記内側永久磁石列を取り囲み、上面に前記内側永久磁石列の磁極と逆極性の磁極を有するように連設された複数の直方体状の永久磁石からなる外側永久磁石列とを、スペーサを介して、上面に所定方向に伸びる中央溝及び外周段差を有する磁気ヨーク板に着脱自在に組み立てるもので、(a) 少なくとも1つの開口部を有する外方フランジ部を有する第一の側板部と、前記第一の側板部に対向する第二の側板部と、両側板部を一体的に連結する上板部とからなるほぼ断面コの字状の第一の非磁性保護カバー部材と、前記磁気ヨーク板に達する長さを有するとともに先端部に少なくとも1つの開口部を有する第一の側板部と、前記第一の側板部に対向する第二の側板部と、両側板部を一体的に連結する上板部とからなるほぼ断面コの字状の第二の非磁性保護カバー部材とを作製し、(b) 前記第一の保護カバー部材に、高さ方向に磁化された少なくとも1つの永久磁石を前記上板部側が同極性となるように挿入することにより、第一の磁石組立体を作製し、(c) 前記第二の保護カバー部材に、高さ方向に磁化された少なくとも1つの永久磁石を、前記上板部側が前記第一の磁石組立体と逆極性となるように挿入することにより、第二の磁石組立体を作製し、(d) 前記磁気ヨーク板にスペーサを機械的に固定し、(e) 前記第一の磁石組立体の永久磁石を前記中央溝に配置した状態で、前記外方フランジ部の開口部に係合するボルトにより前記第一の磁石組立体を前記磁気ヨーク板に固定し、(f) 前記第二の磁石組立体の永久磁石を前記外周段差に配置した状態で、前記第一の側板部の開口部に係合するボルトにより前記第二の磁石組立体を前記磁気ヨーク板に固定することを特徴とする。
第三のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置の製造方法においては、前記第一の保護カバー部材が、少なくとも前記第一の側板部に前記スペーサを受承する切欠きを有し、前記スペーサが前記切欠きに入るように、前記第一の磁石組立体を前記磁気ヨーク板に固定するのが好ましい。
本発明のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置では、少なくとも1つの永久磁石が保護カバー部材で覆われており、かつ保護カバー部材が磁気ヨーク板に機械的に固定されているので、接着剤を使用する必要がなく、アウトガス発生のおそれが全くない。また隣接する同極性の磁極による磁気反発力にもかかわらず、永久磁石を磁気ヨーク板に精確に固定するのが容易である。また精確な位置決めのために治具を使用しても、治具は保護カバー部材に接触するので、永久磁石自体に損傷を与えるおそれはない。その上、使用中に他の部材等と衝突しても、永久磁石は保護カバー部材により保護されているので、脱落したり損傷したりすることはない。
組立時又は操作中に他の部材の衝突等により幾つかの永久磁石が脱落したり損傷したりした場合、それらの永久磁石を把持した保護カバー部材だけを脱着し、新たな永久磁石を把持させた後、再度磁気ヨーク板に装着すれば良い。この場合でも、接着剤を使用していないので、磁気回路装置全体を加熱する必要がなく、永久磁石の脱着を素早く行うことができる。また保護カバー部材なしに永久磁石を磁気ヨーク板に固定した場合、幾つかの永久磁石を脱着すると、磁気反発力により磁気ヨーク板上の永久磁石の位置がずれるおそれがあるが、本発明のように保護カバー部材を介して永久磁石を固定した場合、幾つかの永久磁石の脱着により磁気ヨーク板上の永久磁石が位置ずれを起こすことがない。
本発明のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置は、永久磁石を装着した保護カバー部材を磁気ヨーク板に機械的に固定することにより製造することができるので、永久磁石の精確な位置決めが容易であるのみならず、組立時間を極めて短縮することができる。その上、接着剤を使用する必要がないので、製造環境を良好に維持することができる。
本発明のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置の一例を示す平面図である。 図1のA-A断面図である。 第一及び第二の磁石組立体が磁気ヨーク板から離隔した状態を示す図2の分解図である。 図1のB-B断面図である。 第一の保護カバー部材の一例を示す断面図である。 図3に示す第一の保護カバー部材の平面図である。 外側永久磁石列用の第二の保護カバー部材の別の例を示す断面図である。 外側永久磁石列用の第二の保護カバー部材のさらに別の例を示す断面図である。 本発明のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置の別の例を示す断面図である。 図9の内側永久磁石列用の第一の保護カバー部材を示す斜視図である。 図9の外側永久磁石列用の第二の保護カバー部材を示す斜視図である。 図2に示す外側永久磁石列用の第二の保護カバー部材に永久磁石を挿入する様子を示す斜視図である。 1つの保護カバー部材に2つの永久磁石を挿入する様子を示す斜視図である。 図9の磁気回路装置の製造工程を示す断面図である。 本発明の磁気回路装置を備えたマグネトロンスパッタリング装置の一例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・磁気回路装置
2・・・磁気ヨーク板
21・・・中央溝
22・・・外周段差
23・・・水平溝
3・・・内側永久磁石列
4・・・外側永久磁石列
30,40・・・永久磁石
31,331,431・・・内側永久磁石列用の保護カバー部材
31a,331a、431a・・・第一の側板部
31b,331b、431b・・・第二の側板部
31c,331c、431c・・・上板部
31d,331d、431d・・・ネジ用開口部
31e,331e、431e・・・外方フランジ部
331f、431f,431g・・・スペーサ受承用切欠き
41,141,241,341,441・・・外側永久磁石列用の保護カバー部材
141a,241a,341a、441a・・・第一の側板部
141b,241b,341b、441b・・・第二の側板部
141c,241c,341c、441c・・・上板部
141d,241d,341d、441d・・・ネジ用開口部
141e,241e・・・外方フランジ部
141f,241g・・・内方突起部
441f・・・スペーサ受承用切欠き
5,51、52・・・ボルト
6・・・スペーサ
8・・・治具
100・・・マグネトロンスパッタリング装置
101:真空チャンバ
102・・・カソード
103・・・ターゲット
104・・・基板
105・・・アノード
106・・・直流電圧源
本発明のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置を添付図面を参照して以下詳細に説明する。なお各図において、同じ機能を有する部材には同じ参照番号(又は下二桁が同じ参照番号)を付与している。
[1] マグネトロンスパッタリング用磁気回路装置
(1) 第一の態様
図1に示すように、磁気回路装置1は、長手方向両端部がほぼ半円状の平坦な磁気ヨーク板2と、磁気ヨーク板2の上面に機械的に固定された内側永久磁石列3及び外側永久磁石列4とを備えている。図2〜4に示すように、内側永久磁石列3は、高さ方向に予め磁化された複数の例えば直方体状の永久磁石30が、上面に所定の極性の磁極(例えばS極)を有するように直線状に連設されてなる。各永久磁石30の下端部は磁気ヨーク板2に長手方向に形成された中央溝21内に保持されている。少なくとも1つの永久磁石30は、非磁性保護カバー部材31に覆われ、各保護カバー部材31は磁気ヨーク板2の上面にねじ込みボルト(以下単に「ボルト」という)5等により機械的に固定されている。
図5に示すように、各保護カバー部材31は、永久磁石30の一方の側面を覆うとともに、磁気ヨーク板2に機械的に固定される第一の側板部31aと、永久磁石30の他方の側面を覆う第二の側板部31bと、両側板部31a,31bを一体的に連結する上板部31cとからなり、第一の側板部31aは少なくとも1つの開口部31dを有する外方フランジ部31eを有し、開口部31dに係合するボルト5によりフランジ部31eは磁気ヨーク板2に固定される。この開口部31dは、ボルト5のねじ部が挿通しうる大きさの貫通穴である。
各保護カバー部材31の両側板部31a,31bにより永久磁石30を強固に把持するために、保護カバー部材31の両側板部31a,31bの開口端における内壁幅WOより上板部31cにおける内壁幅WDの方を大きくするのが好ましい。具体的には、幅WDを永久磁石30の幅WPより僅かに大きく、例えば0<WD−WP≦0.05 mmとし、幅WOを永久磁石30の幅WPより僅かに小さく、例えば0<WP−WO≦0.1 mmとする。従って、WD>WP>WOで、かつWD−WOは最大0.15 mmとする。このようにWD及びWOを設定することにより、永久磁石30を悪影響なしに強固に把持することができる。また永久磁石30の挿入時に開口エッジで傷がつくのを防止するために、図5(c) に示すように第二の側板部31bの先端部31gを僅かに拡開しても良い。
外方フランジ部31eの底面から上板部31cの内面までの高さHは、永久磁石30の地上部(磁気ヨーク板2より上に突出する部分)の高さHPと同じかそれより僅かに大きくし、例えばH−HP=0〜0.1 mmに設定するのが好ましい。また第二の側板部31bは、図2に示すように永久磁石30を中央溝21に嵌めたときに、その下端が磁気ヨーク板2の上面より僅かに高い位置にあるのを確実にする長さを有するのが好ましい。
保護カバー部材31の長さL(図6参照)は、1つの永久磁石30を収容する場合には、永久磁石30の長さLPと同じか僅かに短く設定するのが好ましく(図12参照)、また2つの永久磁石30を収容する場合には、2LPかそれより僅かに短く設定するのが好ましい(図13参照)。保護カバー部材31の角部は丸みを帯びているが、保護カバー部材31の内面と永久磁石30の外面との接触面積を大きくするために、保護カバー部材31の内周角部の曲率は、例えば0.5 mm以下とするのが好ましい。
図2〜4に示すように、外側永久磁石列4は、永久磁石30と逆方向に磁化された(図示の例では上面側がN極)複数の永久磁石40を内側永久磁石列3を取り囲むように連設してなり、各永久磁石40の下端部は磁気ヨーク板2に形成された外周段差22に保持されている。少なくとも1つの永久磁石40は非磁性保護カバー部材41に強固に把持されており、各保護カバー部材41の外方フランジ部41eはボルト5により磁気ヨーク板2に機械的に固定されている。永久磁石40を把持する保護カバー部材41の形状は、永久磁石40が永久磁石30より厚いために内壁幅が大きい以外、保護カバー部材31と同じであるので、その説明を省略する。ただし、図1に示すように、磁気ヨーク板2の両端部付近に装着された保護カバー部材41は、各永久磁石40のほぼ全表面を覆うような形状を有するのが好ましい。もちろん、永久磁石40を強固に把持するために、保護カバー部材31と同じWD、WP及びWOの関係を満たすのが好ましい。
永久磁石30、40自体は公知のもので良く、低価格の装置の場合にはフェライト焼結磁石を用い、またターゲット表面に強力な磁界を発生させる高価格の装置の場合には希土類磁石、好ましくはR2T14B(RはYを含む希土類元素の一種以上で、Nd、Pr、Dy及びTbからなる群から選ばれた少なくとも一種を必須とし、TはFe又はFeとCoである。)を主相とする異方性R-T-B系焼結磁石を使用するのが好ましい。成膜時には基板の温度が上昇し、磁気回路装置が設置された真空室の温度も上昇するので、1193 kA・m-1以上の保磁力Hcjを有する耐熱型の異方性R-T-B系焼結磁石を使用するのが特に好ましい。
磁気ヨーク板2は、磁路を形成するために、鉄、鋼等の強磁性金属からなるが、例えば一般構造用圧延鋼材(SS40等)、又はマルテンサイト系ステンレス鋼(SUS403等)が好ましい。
保護カバー部材31,41は、永久磁石30,40から発生した磁束の短絡を防止するために、非磁性体である必要がある。保護カバー部材31,41はFRP等のプラスチック材料により形成しても良いが、弾性変形可能で高耐久性であるオーステナイト系ステンレス鋼(例えばSUS304)又はアルミニウム合金(例えばA6063)のような金属板をプレス加工又は押出加工することにより形成するのが好ましい。保護カバー部材31,41の厚さは、永久磁石30、40の材質及びサイズにより適宜設定することができる。例えば異方性R-T-B系焼結磁石を金属製の保護カバー部材で覆う場合、弾性変形を容易にするために、板厚は3 mm以下、特に0.5〜2 mmが好ましい。
(2) 第二の態様
保護カバー部材の形状は上記のものに限らず、図7に示す形状でもよい。図7において、図1〜6と同じ機能の部分には同じ(又は下二桁が同じ)参照符号を付してある。図7に示す例では、磁気ヨーク板2は上面に内側永久磁石列30を受承する中央溝21と、外側永久磁石列40を受承する外周段差22とを有するとともに、側面で外周段差22の下方の位置に水平溝23を有し、保護カバー部材141は、磁気ヨーク板2の上面に接する位置に少なくとも1つの開口部141dを有する外方フランジ部141eを有する第一の側板部141aと、永久磁石40の下端を越えて水平溝23に達するとともに先端に内方突起部141fを有する第二の側板部141bと、両側板部141a,141bを一体的に連結する上板部141cとを有する。内方突起部141fは第二の側板部141bの先端部を内側に直角に折り曲げることにより形成することができる。内方突起部141fを水平溝23に係合させ、永久磁石40を外周段差22に配置した状態で、開口部141dに係合するネジ5により、第一の側板部141aの外方フランジ部141eを磁気ヨーク板2に固定する。内方突起部141fが水平溝23に係合する形状にすることにより、永久磁石40をより強固に磁気ヨーク板2に固定することができるので、保護カバー部材141を薄くすることができる。
(3) 第三の態様
図8に示す例では、保護カバー部材241の上板部241cの内面に、永久磁石40の上面に当接する突起部241gが設けられている。図8の(b) に示すように、突起部241gは保護カバー部材241の長手方向に延在する。突起部241gはエンボス等の手法により形成することができる。この形状によれば、保護カバー部材241に挿入された永久磁石40を磁気ヨーク板2の外周段差22に装着し、保護カバー部材241を磁気ヨーク板2に螺合する時に、永久磁石40が保護カバー部材4で下向きに押え付けられるので、永久磁石40をより強固に磁気ヨーク板2に固定することができる。
(4) 第四の態様
マグネトロンスパッタリング装置においては、磁気回路装置の幅は例えば170〜200 mmに設定されているが、ターゲット表面をできるだけ均一にスパッタしてターゲットの利用効率を向上させるために、幅を例えば100〜120 mm程度と狭くした磁気回路装置を多数(例えば12個又は14個)並べた構造とするのが好ましい。この狭幅の磁気回路装置においては、ターゲットの材質(例えば非磁性金属)によっては、ターゲットの表面に高い磁束密度を発生させることが必要となるので、図9に示すように幅の広い永久磁石30、40を磁気ヨーク板2に固定することが検討されている。
図9に示す第四の態様のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置では、肉厚の永久磁石を狭い間隔で設置した構造を有するため、永久磁石30と永久磁石40との間に強い磁気吸引力が生じ、内側永久磁石列3と外側永久磁石列4との間に非磁性体からなるスペーサ6を設置する必要がある。スペーサ6の設置スペースを確保するため、保護カバー部材331,441の第二の側板部を短くし、保護カバー部材331,341は全体としてL字に近いコの字状とする。
図9及び図10(a) に示すように、内側永久磁石列3の保護カバー部材331はほぼコの字の断面を有し、永久磁石30の一方の側面を覆う第一の側板部331aと、永久磁石30の他方の側面を覆う第二の側板部331bと、両側板部331a,331bを一体的に連結する上板部331cとからなる。第一の側板部331aは先端に外方フランジ部331eを有し、第一の側板部331a及び外方フランジ部331eにはスペーサ6を受承する切欠き331fが設けられており、また外方フランジ部331eにはボルト用開口部331dが設けられている。第二の側板部331bはスペーサ6を受承する高さまで短くされている。保護カバー部材331は、切欠き331f及び短い第二の側板部331bによりスペーサ6との干渉を防止しているので、内側永久磁石列3と外側永久磁石列4とを狭い間隔で設置するのを可能にする。
図9及び図11(a) に示すように、外側永久磁石列4の保護カバー部材341はL字形に近いほぼコの字の断面を有し、永久磁石40の一方の側面を覆う第一の側板部341aと、永久磁石40の他方の側面を覆う第二の側板部341bと、両側板部341a,341bを一体的に連結する上板部341cとからなる。第一の側板部341aは磁気ヨーク板2の側面の少なくとも一部を覆う長さを有し、先端部にボルト52用の開口部341dを有する。第二の側板部341bはスペーサ6を受承する高さまで短くされている。保護カバー部材341は、第一の側板部341aの下端部が磁気ヨーク板2の側面に締結されるので、永久磁石40を磁気ヨーク板2に強固に固定することができる。
また第四の実施態様では、永久磁石30,40の少なくとも上部が保護カバー部材331,341で覆われているので、永久磁石30,40が他部材との干渉(衝突)により破損する機会は大幅に低減され、また永久磁石30,40と磁気ヨーク板2とのなす角度が直角に維持されて、永久磁石30,40の倒れを防止することができる。また磁気ヨーク板2の外周側に取り付けられる保護カバー部材341は外方フランジ部を有さないので、永久磁石30と永久磁石40との間隔を狭く(例えば5〜15 mm)することができる。
図10(b) は内側永久磁石列3の保護カバー部材の別の例を示す。この保護カバー部材431は、第一の側板部431aだけでなく第二の側板部431bにも、スペーサ6,6を受承する切欠き431f,431gが設けられており、第二の側板部431bは磁気ヨーク板2の上面付近まで延びている。この構造により、永久磁石30の露出部分が低減するので、永久磁石30の損傷を大幅に低減することができる。またスペーサ6,6を切欠き431f,431gと係合させることにより、各スペーサ6,6を1つのボルト51で固定する場合でも、各スペーサ6,6と内側永久磁石列3との高い平行度を確保することができる。
図11(b) は外側永久磁石列4の保護カバー部材の別の例を示す。この保護カバー部材441では、第二の側板部441bはスペーサ6を受承する切欠き441fを有し、かつ磁気ヨーク板2の上面付近まで延びている。この構造により、永久磁石40の露出部分が低減するので、永久磁石40の損傷を大幅に低減することができる。またスペーサ6を切欠き441fと係合させることにより、スペーサ6を1つのボルト51で固定する場合でも、スペーサ6と外側永久磁石列4との高い平行度を確保することができる。
[2] 製造方法
(1) 第一及び第三の態様
図1〜6及び8に示す態様では、各保護カバー部材31,41,231,241に永久磁石30,40を挿入する操作は基本的に同じであるので、各保護カバー部材41に永久磁石40を挿入する場合を図12(a)〜(c) を参照して説明する。両側板部41a,41bの開口端における内壁幅WO及び上板部41cにおける内壁幅WDは永久磁石40の幅WPに対して、WD>WP>WOの関係を満たすので、第二の側板部41bを治具8により拡げた状態で、永久磁石40を保護カバー部材41内に挿入する。図12(c) に示すように、永久磁石40の挿入後、治具8を取り外す。
永久磁石40の挿入により、両側板部41a,41bは僅かながら拡開するように弾性変形するので、弾性復元力により永久磁石40の外面に圧接される。従って、接着剤を使用するまでもなく、永久磁石40は保護カバー部材41に強固に固定される。しかも保護カバー部材の使用により下記の利点も得られる。すなわち、着磁した永久磁石を同極同士を隣接させて配置する場合、磁気反発力により精確な位置決めが容易でなく、治具を用いても永久磁石を把持する力を大きくしなければならないので、永久磁石自体を損傷させてしまうおそれがある。しかし、各永久磁石を各保護カバー部材に挿入するのは容易であり、かつ保護カバー部材を治具でしっかり把持しても永久磁石を損傷することがないので、保護カバー部材の使用により永久磁石の磁気ヨーク板への取り付けが極めて容易となる。このように、保護カバー部材を用いることにより、永久磁石を磁気ヨーク板に精確に(直角かつ直線的に)取り付けるのが容易になるので、磁気回路装置の精度の向上及び製造コストの低減化を達成することができる。
図13は、1つの保護カバー部材41に2つの永久磁石40,40を挿入する場合を示す。この場合、保護カバー部材41の長さLは永久磁石40の長さLPの2倍以上に設定するのが好ましい。1つの保護カバー部材41に2つ以上の永久磁石40,40を挿入すると、保護カバー部材の磁気ヨーク板2への取り付け作業が短縮されるという利点を有する。隣接する永久磁石40,40は反発し合うが、薄形の永久磁石ではその反発力は比較的小さいので、保護カバー部材41に2つの永久磁石40,40を比較的容易に挿入することが可能である。ただし、永久磁石が厚くなると、挿入時に適当な治具(図示せず)を使用する必要があるだけでなく、両側板部41a,41bが永久磁石40に対して十分な把持力を有するように、WPに対するWD及びWOの大きさを最適化しなければならない。
第一の磁気回路装置では、内側永久磁石列3と外側永久磁石列4とが比較的離隔しているので、いずれを先に磁気ヨーク板2に取り付けても良い。例えば、まず保護カバー部材31に永久磁石30を挿入して第一の磁石組立体を作製するとともに、保護カバー部材41に永久磁石40を挿入して第二の磁石組立体を作製する。各永久磁石30の下端を磁気ヨーク板2の中央溝21に磁気吸着させ、中央溝21に沿って第一の磁石組立体を整列させる。全ての保護カバー部材31を磁気ヨーク板2にボルトで固定することにより、内側永久磁石列3を組み立てる。同様に、磁気ヨーク板2の外周段差22に永久磁石40を磁気吸着させ、外周段差22に沿って第二の磁石組立体を整列させる。全ての保護カバー部材41を磁気ヨーク板2にボルトで固定することにより、外側永久磁石列4を組み立てる。もちろん外側永久磁石列4を先に組み立ててもよい。
(2) 第二の態様
図7に示す第二の態様は、第二の磁石組立体の磁気ヨーク板への固定方法以外、第一の態様と同じであるので、第二の磁石組立体の磁気ヨーク板への固定方法のみ図7(b) を参照して説明する。内方突起部141fを水平溝23に係合させるとともに、永久磁石40を外周段差22に配置する。この状態では、外方フランジ部141eの開口部141dは磁気ヨーク板2のネジ穴25と整合しているので、ネジ5により、保護カバー部材141の外方フランジ部141eを磁気ヨーク板2に機械的に固定する。
(3) 第四の態様
図9に示す第四の態様の磁気回路装置の製造方法の一例を図14に示す。まずボルト51をネジ穴26に螺合させることにより磁気ヨーク板2に各スペーサ6,6を固定する[工程(a)]。両スペーサ6,6の間の中央溝21に、永久磁石30を保護カバー部材31に挿入してなる第一の磁石組立体を載置し、保護カバー部材31の外方フランジ部31eをボルト5により磁気ヨーク板2に固定する[工程(b)]。永久磁石40を保護カバー部材41に挿入してなる第二の磁石組立体を外周段差22に載置し、ボルト52により第一の側板部41bを磁気ヨーク板2の側面に固定する[工程(c)]。最後に残りの第二の磁石組立体を他方の外周段差22に載置し、ボルト52により第一の側板部41bを磁気ヨーク板2の側面に固定する[工程(d)]。各スペーサ6,6が永久磁石30,40及び/又は保護カバー部材31,41と接する構造とすることにより、各永久磁石30,40の位置決めを精確にすることができる。
[3] マグネトロンスパッタリング装置
図15は、図1に示す磁気回路装置1を備えたマグネトロンスパッタリング装置100を示す。図示されていないが、磁気回路装置1は紙面に垂直な方向に複数個(例えば6個)設置されている。スパッタリング装置100は、真空チャンバ101内において、磁気回路装置1と、磁気回路装置1に近接した位置に配置されたカソード102と、カソード102に接するターゲット103と、基板104を挟んでターゲット103と対向する位置に配置されたアノード105とを有する。真空チャンバ101は、作動ガスの供給手段(図示せず)に接続された作動ガス流入口101a、及び真空ポンプ(図示せず)に接続された排気口101bを有する。真空チャンバ101は接地電位とされ、磁気回路装置1とカソード102は同電位とされる。カソード102及びアノード105はそれぞれ直流電圧源106に接続されている。ターゲット103とアノード105との間で、基板104は搬送される。
磁気回路装置1の表面からターゲット103の表面までの距離が長すぎると、ターゲット103の表面に現出する磁界の水平成分が小さくなりすぎる。またこの距離が短すぎると、真空チャンバ101に磁気回路装置1を設置するのが困難となる。従って、両者の距離は基板104の大きさ等に応じて適宜設定する。例えば、第7〜8世代の基板の場合、この距離は50〜60 mmの範囲に設定されるのが一般的である。また磁気回路装置1の上面とカソード102の底面との間隔が数 mmと狭くても、永久磁石が保護カバー部材で覆われているので、組立時に永久磁石が破損するのを防止することができる。
マグネトロンスパッタリング装置100では、例えば次のようにして基板104の表面に成膜することができる。真空チャンバ101内を真空排気するとともに、不活性ガスを含む作動ガス(例えばAr、Ar+N2又はAr+O2)を導入して、10-1〜10-3Torrの圧力に保つ。次いでカソード102に負電圧(例えば−300 V〜−800 V)を印加して、ターゲット103の表面に向う電界を形成し、グロー放電させる。これにより、ターゲット103の表面にプラズマ中のイオンが衝突し、その時に放出される二次電子が磁界に捕捉されて、磁界に沿った細長い環状の高密度プラズマが形成される。高密度プラズマ中のイオンがターゲット103に衝突して、その中の物質が飛散し、その粒子が基板104の表面に付着することにより薄膜が形成される。
上記マグネトロンスパッタリング装置100は次のように構成するのが好ましい。すなわち、成膜を行うとき、高密度プラズマはターゲット103の表面に垂直な磁界成分がゼロの位置で密度が高くなるので、ターゲット103の表面には高密度プラズマに沿った形状の侵食領域が形成される。そこで、磁気回路装置1の裏側に駆動装置(図示せず)を設けて、磁気回路装置1をターゲット103に平行な面内で平行移動させ、かつその移動ピッチを高密度プラズマと同じかそれ以下のピッチとすることにより、ターゲット103の利用効率を向上させる。この構成により、ターゲット103の表面が高密度プラズマに曝せる時間が平均化されるので、ターゲット103の表面には均一な侵食領域が形成される。

Claims (14)

  1. 上面に所定の極性の磁極を有するように直線状に連設された複数の直方体状の永久磁石からなる内側永久磁石列と、前記内側永久磁石列を取り囲み、上面に前記内側永久磁石列の磁極と逆極性の磁極を有するように連設された複数の直方体状の永久磁石からなる外側永久磁石列と、前記内側永久磁石列及び前記外側永久磁石列の永久磁石を着脱自在に保持する磁気ヨーク板と、前記永久磁石を少なくとも1つずつ覆うほぼ断面コの字状の弾性変形可能な非磁性保護カバー部材とを具備し、各保護カバー部材は、前記永久磁石の一方の側面を覆うとともに、前記磁気ヨーク板に機械的に固定された第一の側板部と、前記永久磁石の他方の側面を覆う第二の側板部と、両側板部を一体的に連結する上板部とからなり、前記永久磁石の磁極面の幅W P と、前記保護カバー部材の両側板部の開口端における内壁幅W O 及び前記上板部における内壁幅W D は、W D >W P >W O の関係を満たし、各保護カバー部材の両側板部により前記永久磁石は把持されていることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置。
  2. 請求項1に記載のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置において、前記磁気ヨーク板は上面に直方体状の前記永久磁石を受承する凹部を有することを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置。
  3. 請求項2に記載のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置において、前記内側永久磁石列を構成する前記永久磁石を受承する凹部は中央溝であり、前記外側永久磁石列を構成する前記永久磁石を受承する凹部は外周段差であることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置。
  4. 請求項2又は3に記載のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置において、前記保護カバー部材の前記第一の側板部は少なくとも1つの開口部を有する外方フランジ部を有し、各永久磁石の下端部が前記磁気ヨーク板の前記凹部に配置された状態で、前記開口部に係合するボルトにより前記フランジ部が前記磁気ヨーク板に固定されていることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置。
  5. 請求項1に記載のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置において、前記磁気ヨーク板は上面に前記内側永久磁石列を受承する中央溝と、前記外側永久磁石列を受承する外周段差とを有するとともに、側面に水平溝を有し、前記外側永久磁石列における各保護カバー部材の前記第一の側板部は前記磁気ヨーク板の上面に接する位置に少なくとも1つの開口部を有する外方フランジ部を有し、前記第二の側板部は前記水平溝に達する長さを有するとともに先端に内方突起部を有し、もって前記内方突起部が前記水平溝に係合するとともに、前記永久磁石が前記外周段差に配置された状態で、前記開口部に係合するボルトにより前記第一の側板部の前記外方フランジ部が前記磁気ヨーク板に固定されることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置において、前記保護カバー部材の前記上板部の内面に前記永久磁石の上面に当接する突起部を有することを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置。
  7. 上面に所定の極性の磁極を有するように直線状に連設された複数の直方体状の永久磁石からなる内側永久磁石列と、前記内側永久磁石列を取り囲み、上面に前記内側永久磁石列の磁極と逆極性の磁極を有するように連設された複数の直方体状の永久磁石からなる外側永久磁石列と、前記内側永久磁石列及び前記外側永久磁石列の永久磁石を着脱自在に保持する磁気ヨーク板と、前記内側永久磁石列と前記外側永久磁石列との間に設けられたスペーサと、前記永久磁石を少なくとも1つずつ覆うほぼ断面コの字状の弾性変形可能な非磁性保護カバー部材とを具備し、前記内側永久磁石列における各保護カバー部材は、前記永久磁石の一方の側面を覆うとともに、前記磁気ヨーク板に機械的に固定された第一の側板部と、前記永久磁石の他方の側面を覆う第二の側板部と、両側板部を一体的に連結する上板部とからなり、前記外側永久磁石列における各保護カバー部材は、前記永久磁石の一方の側面及び前記磁気ヨーク板の側面の少なくとも一部を覆う長さを有し、前記磁気ヨーク板に機械的に固定された第一の側板部と、前記永久磁石の他方の側面を覆う第二の側板部と、両側板部を一体的に連結する上板部とからなり、前記永久磁石の磁極面の幅W P と、前記保護カバー部材の両側板部の開口端における内壁幅W O 及び前記上板部における内壁幅W D は、W D >W P >W O の関係を満たし、各保護カバー部材の両側板部により前記永久磁石は把持されていることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置。
  8. 請求項7に記載のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置において、前記磁気ヨーク板は上面に前記内側永久磁石列における直方体状の前記永久磁石を受承する中央溝を有するとともに、前記外側永久磁石列における直方体状の前記永久磁石を受承する外周段差を有し、前記内側永久磁石列における各保護カバー部材の前記第一の側板部は少なくとも1つの開口部を有する外方フランジ部を有し、前記外側永久磁石列における各保護カバー部材の前記第一の側板部は前記磁気ヨーク板の側面に接する先端部分に少なくとも1つの開口部を有し、各永久磁石の下端部が前記磁気ヨーク板の前記溝又は段差に配置された状態で、前記開口部に係合するボルトにより前記第一の側板部が前記磁気ヨーク板に固定されていることを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置。
  9. 請求項7又は8に記載のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置において、前記内側永久磁石列における各保護カバー部材の前記第一の側板部は、前記スペーサを受承する切欠きを有することを特徴とするマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置。
  10. 上面に所定の極性の磁極を有するように直線状に連設された複数の直方体状の永久磁石からなる内側永久磁石列と、前記内側永久磁石列を取り囲み、上面に前記内側永久磁石列の磁極と逆極性の磁極を有するように連設された複数の直方体状の永久磁石からなる外側永久磁石列とを磁気ヨーク板に着脱自在に組み立てることにより、マグネトロンスパッタリング用磁気回路装置を製造する方法であって、前記磁気ヨーク板は上面に中央溝及び外周段差及び側面に水平溝を有し、(a) 前記磁気ヨーク板との係合部を有する第一の側板部と、前記第一の側板部に対向する第二の側板部と、両側板部を一体的に連結する上板部とからなるほぼ断面コの字状の第一の非磁性保護カバー部材を作製し、(b) 前記磁気ヨーク板との係合部を有する外方フランジ部を有する第一の側板部と、前記第一の側板部に対向する第二の側板部(前記水平溝に達する長さを有するとともに、先端に内方突起部を有する。)と、両側板部を一体的に連結する上板部とからなるほぼ断面コの字状の第二の非磁性保護カバー部材を作製し、(c) 前記第一の保護カバー部材に、高さ方向に磁化された少なくとも1つの永久磁石を前記上板部側が同極性となるように挿入することにより、第一の磁石組立体を作製し、(d) 前記第二の保護カバー部材に、高さ方向に磁化された少なくとも1つの永久磁石を、前記上板部側が前記第一の磁石組立体と逆極性となるように挿入することにより、第二の磁石組立体を作製し、(e) 前記第一の磁石組立体の前記第一の側板部を介して前記第一の磁石組立体を前記磁気ヨーク板に機械的に固定し、(f) 前記第二の磁石組立体の前記第二の側板部の前記内方突起部を前記磁気ヨーク板の前記水平溝に係合させるとともに、前記永久磁石を前記外周段差に配置した状態で、前記第一の側板部の前記外方フランジ部を前記磁気ヨーク板に機械的に固定することを特徴とする方法。
  11. 請求項10に記載のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置の製造方法において、前記中央溝に前記第一の磁石組立体の永久磁石を配置することを特徴とする方法。
  12. 請求項10又は11に記載のマグネトロンスパッタリング用磁気回路装置の製造方法において、前記第一の保護カバー部材は前記第一の側板部の先端に外方フランジ部を有し、前記外方フランジ部を介して前記第一の保護カバー部材を前記磁気ヨーク板に機械的に固定することを特徴とする方法。
  13. 上面に所定の極性の磁極を有するように直線状に連設された複数の直方体状の永久磁石からなる内側永久磁石列と、前記内側永久磁石列を取り囲み、上面に前記内側永久磁石列の磁極と逆極性の磁極を有するように連設された複数の直方体状の永久磁石からなる外側永久磁石列とを、スペーサを介して磁気ヨーク板に着脱自在に組み立てることにより、マグネトロンスパッタリング用磁気回路装置を製造する方法であって、(a) 前記磁気ヨーク板との係合部を有する第一の側板部と、前記第一の側板部に対向する第二の側板部と、両側板部を一体的に連結する上板部とからなり、少なくとも前記第一の側板部に前記スペーサを受承する切欠きを有するほぼ断面コの字状の第一の非磁性保護カバー部材と、前記磁気ヨーク板に達する長さを有するとともに先端部に少なくとも1つの前記磁気ヨーク板との係合部を有する第一の側板部と、前記第一の側板部に対向する第二の側板部と、両側板部を一体的に連結する上板部とからなるほぼ断面コの字状の第二の非磁性保護カバー部材とを作製し、(b) 前記第一の保護カバー部材に、高さ方向に磁化された少なくとも1つの永久磁石を前記上板部側が同極性となるように挿入することにより、第一の磁石組立体を作製し、(c) 前記第二の保護カバー部材に、高さ方向に磁化された少なくとも1つの永久磁石を、前記上板部側が前記第一の磁石組立体と逆極性となるように挿入することにより、第二の磁石組立体を作製し、(d) 前記磁気ヨーク板にスペーサを機械的に固定し、(e) 前記スペーサが前記切欠きに入るように、前記第一の磁石組立体を前記磁気ヨーク板に前記第一の側板部を介して機械的に固定し、(f) 前記第二の磁石組立体を前記磁気ヨーク板に前記第一の側板部を介して機械的に固定することを特徴とする方法。
  14. 上面に所定の極性の磁極を有するように直線状に連設された複数の直方体状の永久磁石からなる内側永久磁石列と、前記内側永久磁石列を取り囲み、上面に前記内側永久磁石列の磁極と逆極性の磁極を有するように連設された複数の直方体状の永久磁石からなる外側永久磁石列とを、スペーサを介して、上面に所定方向に伸びる中央溝及び外周段差を有する磁気ヨーク板に着脱自在に組み立てることにより、マグネトロンスパッタリング用磁気回路装置を製造する方法であって、(a) 少なくとも1つの開口部を有する外方フランジ部を有する第一の側板部と、前記第一の側板部に対向する第二の側板部と、両側板部を一体的に連結する上板部とからなり、少なくとも前記第一の側板部に前記スペーサを受承する切欠きを有するほぼ断面コの字状の第一の非磁性保護カバー部材と、前記磁気ヨーク板に達する長さを有するとともに先端部に少なくとも1つの開口部を有する第一の側板部と、前記第一の側板部に対向する第二の側板部と、両側板部を一体的に連結する上板部とからなるほぼ断面コの字状の第二の非磁性保護カバー部材とを作製し、(b) 前記第一の保護カバー部材に、高さ方向に磁化された少なくとも1つの永久磁石を前記上板部側が同極性となるように挿入することにより、第一の磁石組立体を作製し、(c) 前記第二の保護カバー部材に、高さ方向に磁化された少なくとも1つの永久磁石を、前記上板部側が前記第一の磁石組立体と逆極性となるように挿入することにより、第二の磁石組立体を作製し、(d) 前記磁気ヨーク板にスペーサを機械的に固定し、(e) 前記第一の磁石組立体の永久磁石を前記中央溝に配置した状態で、前記スペーサが前記切欠きに入るように、前記外方フランジ部の開口部に係合するボルトにより前記第一の磁石組立体を前記磁気ヨーク板に固定し、(f) 前記第二の磁石組立体の永久磁石を前記外周段差に配置した状態で、前記第一の側板部の開口部に係合するボルトにより前記第二の磁石組立体を前記磁気ヨーク板に固定することを特徴とする方法。
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