JPH10317137A - マグネット取付装置 - Google Patents

マグネット取付装置

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JPH10317137A
JPH10317137A JP13746497A JP13746497A JPH10317137A JP H10317137 A JPH10317137 A JP H10317137A JP 13746497 A JP13746497 A JP 13746497A JP 13746497 A JP13746497 A JP 13746497A JP H10317137 A JPH10317137 A JP H10317137A
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magnet
target
sputtering
fixing member
backing plate
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JP13746497A
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English (en)
Inventor
Hideaki Futai
英昭 二井
Fumihiro Yamazaki
文宏 山崎
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FDK Corp
Original Assignee
FDK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパッタの条件が異なっても、同一のマグネ
ット取付装置を用いて、スパッタレート,スパッタ膜
質,ターゲットの使用効率を良好にするような調整が容
易に行うことのできるマグネット取付装置を提供するこ
と 【解決手段】 ターゲット1の裏面にバッキングプレー
ト2が接合され、係るバッキングプレートの表面に、細
長い形状の溝のマグネット挿入部15が形成されてい
る。係るマグネット挿入部の所定位置に、収納筒部17
と固定部材18から構成されるマグネット固定治具14
が配置される。収納筒部は、筒状本体17b内の内部空
間17c内にマグネット18が挿入された状態で、固定
部材がネジにより取り付けられて固定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネット取付装
置に関するもので、具体的にはマグネトロンスパッタを
行うときに用いられるターゲットの裏面にマグネットを
配置するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】マグネトロンスパッタを行う場合には、
ターゲットの裏面にマグネットを配置してターゲットの
表面に磁場を発生させ、係る磁場内に、例えば励起させ
たArイオンのプラズマを収束させる。そして、係る収
束されたプラズマにより、ターゲットから原子を飛び出
させ、所望の基板表面にスパッタを行う。
【0003】ターゲットの裏面にマグネットを配置する
ために、マグネット取付装置を用いている。図5は、従
来用いられているターゲットの裏面にマグネットを配置
するための装置を示している。同図(A)に示すよう
に、ターゲット1の裏面に、ターゲット1の形状に合わ
せて形成されたバッキングプレート2の裏面が取付けら
れている。
【0004】また、バッキングプレート2の表面に、バ
ッキングプレート2の長手方向の中心線上に等間隔に3
つの穴部2aが形成されている。係る穴部2a内に、マ
グネット固定治具3が取付けられ、係るマグネット固定
治具3により、穴部2a内にマグネット(複数のマグネ
ット要素6a〜6cの集合体)6を配置させて、ターゲ
ット1の表面に磁場を発生させている。
【0005】同図(B)は、マグネット固定治具3の構
成を示している。同図に示すように、マグネット固定治
具3は、マグネット6を収納する有底円筒状の収納筒部
5と、その収納筒部5の開口部を閉塞し、内部にマグネ
ット6を固定する円柱状の固定部材4とから構成されて
いる。そしてそれら収納筒部5並びに固定部材4は非磁
性材料の銅により形成されている。
【0006】固定部材4は、その先端側の周面に雄ネジ
部4aが形成されている。また、収納筒部5は、筒状本
体5bの軸方向中央部の外周囲に突出するフランジ部5
aを備え、底面側の内部空間5cがマグネット6を収納
する領域となっている。そして、筒状本体5bの底面側
が、バッキングプレート2に設けた穴部2a内に挿入さ
れる。また、その筒状本体5bの内径と固定部材4の外
径とがほぼ一致しており、内部空間5cの内壁の開口側
近傍には、前記固定部材4の雄ネジ部4aと符合する雌
ネジ部5dが設けられている。これにより、収納筒部5
の内部空間5c内に3個のマグネット要素6a,6b,
6c(マグネット6)を挿入した状態で固定部材4を収
納筒部5に固定すると、マグネット6が固定部材4によ
り収納筒部5の底面側に付勢され、両者間で挟持されて
位置決め固定される。
【0007】さらに、フランジ部5aには120度間隔
で3つの貫通孔5eが形成されている。また、バッキン
グプレート2の穴部2aの周縁には、筒状本体5bを穴
部2a内に挿入した状態における前記貫通孔5eに対向
する位置に、それぞれネジ穴2bが設けられている。よ
って、貫通孔5eとネジ穴2bを位置合わせした状態で
貫通孔5e内に止めネジ7を挿入するとともに、ネジ穴
2bと止めネジ7とを締結することにより収納筒部5を
バッキングプレート2に固定する。
【0008】これにより、マグネット固定治具3内に収
納されたマグネット6から発生する磁力により、バッキ
ングプレート2に装着されたターゲット1の表面側に所
定の磁界を形成することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のマグネット取付装置では、以下に示す問題を有
する。すなわち、各マグネット取付治具5に装着された
マグネット6により形成される磁界内にプラズマが収束
される。そして、従来のものでは、マグネット6の取付
位置や、マグネット要素の個数は一定であったため、タ
ーゲット1を装着しない状態でマグネット6自体に起因
して形成される磁界も一定となる。そして、その磁界の
領域や強さは、その磁界内に収束するプラズマの密度等
に影響を与え、ひいてはスパッタレートやスパッタ膜厚
等の成膜状態に影響を与える一因となる。つまり、例え
ば、現在のプラズマの収束される領域が拡散している場
合には、プラズマ密度が低くなり、ターゲット1の表面
が削られる量(スパッタに用いられる量)が少なくなっ
てしまうので、スパッタレートやスパッタ膜質は劣化し
てしまう。
【0010】また、プラズマの収束される領域は、磁界
の強さと収束・供給されるプラズマのエネルギーの均衡
が取れた範囲となるので、スパッタ条件(パワー,ガス
圧,ガス流量)を変更した場合にもプラズマの収束され
る領域が変更される。
【0011】その結果、例えばターゲットの材料や形状
やスパッタ条件が変更された場合には、それにあったプ
ラズマ密度等になるようにしなければならないが、マグ
ネット6により形成される磁界は一定であるため、磁界
の発生領域や強さを変えることはできず、所望の領域に
プラズマを収束させることが困難となる。また、仮に係
る事態に対応するためには、ターゲットの種類等に応じ
て最適な磁界領域を形成するようにマグネットを配置し
たマグネット取付装置を複数種類用意し、所定のものを
選択し交換・取り付けしなければならず、煩雑で実用性
に欠ける。また、使用しないマグネット固定装置3を保
管するスペースも必要となる。
【0012】一方、ターゲット1の表面のマグネットが
配置された位置に、プラズマ状態の原子が集中してぶつ
かるので、マグネットとマグネットの間の位置(マグネ
ットが配置されていない位置)は削られないか削られた
としてもその切削量は少ない。よって、ターゲット1の
表面は均一に削られない。そして、ターゲット1に対す
るマグネット6の設置数は固定されているので、ターゲ
ット1におけるスパッタに用いられる領域は部分的に制
限される。そのため、ターゲット1の材質をスパッタに
使用できない領域が存在し、また、そのようにターゲッ
ト1の一部が残っているにもかかわらずマグネット近傍
の表面が除去されてなくなるとターゲットの交換をしな
ければならず、利用性に欠ける。
【0013】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題点を解
決し、ターゲットの材質,形状が変わりまたスパッタ条
件が変わったとしても、同一のマグネット取付装置を用
いて発生する磁界の領域や強さを変更・調整することが
でき、スパッタレート,スパッタ膜質を良好にするよう
な調整が容易に行うことができ、また、ターゲットの使
用効率が良好となるように容易に調整することのできる
マグネット取付装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係るマグネット取付装置では、マグネト
ロンスパッタを行うスパッタ装置に設けられ、そのスパ
ッタ装置内の所定領域に磁界を発生させるためのマグネ
ットを取り付けるマグネット取付装置であって、ターゲ
ットを装着するためのバッキングプレートの表面に、細
長い形状の切り口を有するマグネット挿入部を設ける。
そして、前記マグネット挿入部の長手方向の所定位置に
マグネット固定治具を位置決め固定可能とし、かつ、前
記マグネット固定治具によって、前記マグネットが前記
マグネット挿入部内の所定位置に着脱自在に配置される
ようにした。
【0015】ここで、細長い形状とは、直線形状であっ
ても、曲線形状であってもよい。また、表面が開口され
ていれば、その奥面は有底の凹部であっても底部のない
透孔であってもよい。また、マグネットは単数または複
数のマグネット要素から構成された部品である。なおま
た、マグネット固定治具のバッキングプレートへの取付
機構は、実施の形態では止めネジ17を用いて固定して
いるが本発明はこれに限ることはなく、フック機構その
他各種の固定手段を用いることができる。このことは、
請求項2に規定する収納筒部と固定部材の固定構造にも
同様のことが言える。
【0016】また、前記マグネット固定治具は、前記マ
グネットを収納する少なくとも一方が開放した筒状の収
納筒部と、その収納筒部の開放側より内部に少なくとも
先端側の一部が挿入される棒状の固定部材から構成さ
れ、前記収納筒部内にマグネットを供給した状態で前記
固定部材の先端側を前記収納筒部内に挿入するとともに
固定して前記マグネットを前記収納筒部内に収納固定可
能に構成し、さらに、前記固定部材を前記収納筒体に固
定した際における前記固定部材の前記収納筒部内への挿
入量を変更可能としてもよい(請求項2)。
【0017】請求項1に記載するように、バッキングプ
レート表面にマグネットを収納するためのマグネット挿
入部は、細長い形状の凹部または孔部から形成されてい
るので、係るマグネット挿入部の長手方向の任意の位置
にマグネットを挿入配置できる。よって、マグネットの
位置はマグネット挿入部上で容易に調整可能であり、複
数のマグネットの配置間隔を変えたり、設置数を変更す
ることができる。
【0018】その結果、例えばスパッタの条件(パワ
ー,ガス圧,ガス流量)が異なって、プラズマの収束さ
れる領域が異なってしまう場合でも、マグネットの配置
位置を調整したり、配置個数を変更することにより、プ
ラズマの収束される領域を変化させて最良の状態に調整
し、スパッタレート,スパッタ膜質を最良の状態に制御
することができる。
【0019】また、マグネット挿入部上に配置するマグ
ネットの個数を変更すると、収束されたプラズマの領域
の数を容易に任意の数に分割調整することができ、スパ
ッタに用いられるターゲットの面積を調整する。
【0020】また、請求項2に記載するように、マグネ
ット固定治具を構成する固定部材の収納筒部内への挿入
量を変更することにより、収納筒部の内部空間の容積
(軸方向の長さ)を変更することができ、係る内部空間
内に収納するマグネットの大きさを変更することができ
る。これにより、マグネットから発生する磁力を変更で
き、プラズマの収束領域が調整されて、スパッタレー
ト,スパッタ膜質を最良の状態に制御することができ
る。なお、このように収納するマグネットの大きさを変
更する方法としては、例えば大きさの異なるマグネット
を複数用意し、それらを適宜交換するようにしてもよ
く、或いは、実施の形態で説明したように、複数の小さ
なマグネット要素を用意しておき、収納筒部内に収納す
るマグネット要素の数を変更するようにしてもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るマグネット取
付装置を用いて、マグネトロンスパッタを行うためのス
パッタ装置を示している。同図に示すように、八角柱の
基板ホルダー10の各側面(図示された基板ホルダー1
0の各辺)に基板11が接着されている。基板ホルダー
10はチャンバー12の内部に配置されており、基板ホ
ルダー10の中心軸がチャンバー12の中心と重なるよ
うに配置されている。チャンバー12の側面には凹所1
2aが設けられており、係る凹所12a内に、本発明に
係るマグネット取付装置13に取付けられたターゲット
1が配置されている。
【0022】同図(B)は、B部(同図(A)の点線で
示す部分)の側面図を示している。同図に示すように、
基板ホルダー10の一側面には2枚の基板11が配置さ
れ、接着されている。この基板11の表面と平行になる
ようにターゲット1が配置される。
【0023】すなわち、ターゲット1は、マグネット取
付装置13の構成部品であるバッキングプレート2の裏
面に接着されている。そして、バッキングプレート2の
表面に取り付けたマグネット固定治具14を介して、マ
グネットが固定されて配置されている。係るマグネット
により、ターゲット1の表面に磁界を発生させ、プラズ
マを収束させて、基板11の表面にスパッタを行ってい
る。
【0024】図2はターゲット1に取付けられた本発明
に係るマグネット取付装置13の一実施の形態を示して
いる。同図(A)に示すように、装着するターゲット1
と同一の平面形状からなるバッキングプレート2の表面
の長手方向の中心線上に、切り口が細長い帯形状の溝か
らなるマグネット挿入部15が形成されている。そのマ
グネット挿入部15は、本形態では有底の凹溝としてい
るが、底面が開口された透孔となっていても良い。
【0025】バッキングプレート2の表面のマグネット
挿入部15の両側縁近傍には、多数のネジ穴16が形成
されている。各ネジ穴16はマグネット挿入部15の長
辺との距離が同じ間隔となるように形成されている。ま
た、隣り合ったネジ穴16同士は同じ間隔をあけて形成
されている。これにより、マグネット挿入部15の両側
縁に設けたネジ穴16はそれぞれ等間隔で同一直線上に
配置されることになる。
【0026】係るマグネット挿入部15にガイドされて
マグネット固定治具14が配置される。まず、マグネッ
ト固定治具14の構造について説明すると、同図(B)
に示すようになっている。同図(B)と図5(B)を比
較すると明らかなように、基本的な構成は、従来のもの
と同様であるが、本発明品の方が全体的に長く形成して
いる。
【0027】具体的には、マグネット固定治具14は収
納筒部17と固定部材18から構成されている。収納筒
部17は有底の筒状本体17bの外周面に矩形状のフラ
ンジ部17が設けられる。この筒状本体17bの長さを
従来の筒状本体5bの長さよりも十分に長くしている。
そして、筒状本体17bの内部空間17cがマグネット
20の収納空間となる。この内部空間17cは、挿入さ
れるマグネット20の外径よりもやや大きめの内径とな
るように設けられており、係る内部空間17cの開口側
内壁に雌ネジ部17dが形成されている。この雌ネジ部
17dの形成領域も従来よりも長くしている。
【0028】また、フランジ部17aには、筒状本体1
7bの片側に2個ずつ貫通孔17eを設けている。この
貫通孔17eの設置位置は、筒状本体17bからの離反
距離と、バッキングプレート2のマグネット挿入部15
の中心からネジ穴16までの離反距離とが一致し、さら
に、同一側に設けた貫通孔17eの間隔は、ネジ穴16
の配置間隔と一致するようにしている。これにより、筒
状本体17bの底面側をマグネット挿入部15内の所定
位置に挿入すると、4つの貫通孔17eは、所定のネジ
穴16に対向するようになる。
【0029】従って、係る所定位置に挿入した状態で止
めネジ17を貫通孔17e,ネジ穴16内に挿入すると
ともに締結することにより、収納筒部17がバッキング
プレート2の表面に固定される。よって、ネジ穴16の
配置間隔(ピッチ)単位で収納筒部17(マグネット固
定治具15)をマグネット挿入部15(バッキングプレ
ート2)内の所定位置に位置決め固定できる。
【0030】一方、固定部材18は、収納筒部17の内
径とほぼ一致する外径を有する円柱(細棒)状からな
り、その先端側の周面に雄ネジ部18aを形成し、その
雄ネジ部18aと、収納筒部17の雌ネジ部17dとを
符合させることにより、固定部材18を収納筒部17に
固定する。そして、ネジの締め付け量に応じて収納筒部
17に対する固定部材18の先端位置を変更でき、それ
により内部空間17cの閉塞された領域の容積(軸方向
の長さ)を変更できる。これにより、内部空間17c内
に収納可能なマグネット20を構成するマグネット要素
20a,20b,…の個数を変更できる。
【0031】次に、上記した実施の形態の使用態様につ
いて説明する。本形態では、マグネット20のバッキン
グプレート2に対する取付位置や設置数を変更できる。
さらにマグネット20から発生する磁力も調整できるよ
うになっている。
【0032】*取付位置の変更 ネジ穴16は多数形成されているので、マグネット20
の位置を変更するには、貫通孔17e,ネジ穴16に挿
入されている止めネジ19を取り除き、貫通孔17eの
位置を別のネジ穴16に合わせ、貫通孔17e,ネジ穴
16に止めネジ19を挿入し、収納筒部17をバッキン
グプレート2に固定すればよい。すると、収納筒部17
に形成されている内部空間17cは、マグネット挿入部
15上の別の位置に移動するので、ターゲット1の裏面
の任意の位置にマグネット20を移動させることができ
る。
【0033】このとき、バッキングプレート2上に、多
数のネジ穴16が設けられているので、貫通孔17eの
位置合わせを微調整することができる。すなわち、マグ
ネット20の位置を容易に調整できるので、プラズマが
収束する領域を容易に変化させ、スパッタレートやスパ
ッタ膜質を容易に調整することができる。
【0034】マグネット20の位置を移動させることに
より、スパッタレートやスパッタ膜質を調整する一例に
ついて説明する。図3(A)に示すように、ターゲット
1の裏面に、本発明に係るマグネット取付装置13によ
って2つのマグネットが配置されている。すなわち、タ
ーゲット1の裏面側にバッキングプレート2が取付けら
れ、係るバッキングプレート2に設けられたマグネット
挿入部15上で、2つのマグネット固定治具14によ
り、マグネットが配置されている。すると、図中の実線
で示した領域内でプラズマの収束が生じる。
【0035】ここで例えば、スパッタ条件の一つである
パワーを上げると、プラズマの収束領域は、図中の1点
鎖線で示す領域内に拡散してしまう。よって、せっかく
パワーを上げてもプラズマ密度が低くなってしまうの
で、スパッタに用いられる(プラズマにより削られる)
ターゲット1の材料の量は減少し、所望のスパッタレー
ト,スパッタ膜質が形成できなくなる。
【0036】そこで、同図(B)に示すように、2つの
マグネット固定治具14(マグネット)が互いに近付く
ような位置に調整し、両マグネット間の距離を近付ける
と、プラズマの収束領域は狭められる。よって、プラズ
マ密度を高くして、スパッタに用いるターゲット1の材
料の量を増加させ、スパッタレート,スパッタ膜質を良
好にすることができる。
【0037】*装着するマグネット個数の変更 本形態のマグネット取付装置では、多数のネジ穴16が
設けられており、上記したように適宜の位置にマグネッ
ト取付治具14を装着できる。従って、マグネット取付
治具14を、複数用意しておくことにより、ターゲット
1の裏側に配置するマグネットの数を容易に調整するこ
とができる。
【0038】このように、マグネット20の設置個数を
調整することにより、ターゲットの使用効率を調整する
ことができる。すなわち、図4(A)に示すように、タ
ーゲット1の裏面にバッキングプレート2が取付けら
れ、係るバッキングプレート2に設けられたマグネット
挿入部15上で、2つのマグネット固定治具14によ
り、2つのマグネットが配置されている。すると、スパ
ッタを行う時に、マグネット固定治具14(マグネッ
ト)が配置された位置で、ターゲット1の表面が削られ
る。すなわち、配置されたマグネットが2個である場
合、ターゲット1の削られる箇所は2箇所となる。する
と、ターゲット1の表面でスパッタに使用される面積
は、スパッタに使用されない面積よりもかなり小さくな
る。
【0039】そこで、同図(B)に示すように、マグネ
ット固定治具14の数を3個に増加して、ターゲット1
の裏面側に配置するマグネットの数を3個に増加するこ
とにより、ターゲット1の削られる箇所の数は3箇所に
増加する。よって、スパッタに使用されるターゲット1
の面積を増加し、スパッタに用いるターゲットの使用効
率を向上することができる。
【0040】*マグネットの磁力の変更 本形態では、収納筒部17を構成する筒状本体17bの
長さを長くしているとともに、雄ネジ部18a,雌ネジ
部17dも長くしているので、収納筒部17に対する固
定部材18の軸方向の相対位置を変更でき、それに伴い
内部空間17cの容積を変更できる。
【0041】よって、内部空間17cに収納可能なマグ
ネット要素の数を増加することが可能となる。つまり、
固定部材18を取り外した状態で任意数のマグネット要
素を収納筒部17内に供給し、その状態で固定部材18
を収納筒部17に締結固定する。そして、両ネジ部17
d,18aの締結量を調整することにより、固定部材1
8の先端をマグネット20に接触させ、収納筒部17と
の間で挟持固定できる。すなわち、収納したマグネット
要素の数が変更しても固定部材18と収納筒部17との
相対位置関係(固定部材18の進入量)を調整すること
により、内部に供給したマグネット要素を固定できる。
【0042】そのため、マグネット20に用いるマグネ
ット要素の数の選択の幅が広がるので、マグネット20
を構成するマグネット要素の数を調整して、プラズマ収
束領域を調整し、スパッタレート,スパッタ膜質を調整
することができる。
【0043】なお、上記した各調整・変更に伴う代表的
な効果をそれぞれ説明したが、係る調整等に伴い発生す
る効果は上記のものに限られない。つまり、マグネット
20の設置位置をずらすと、それに伴いターゲット1の
切除される領域を変更することができる。また、マグネ
ット20の設置数や、各マグネット20を構成するマグ
ネット要素の数を変更すると、磁界(磁場)の磁力を変
更できる。
【0044】なおまた、本形態では、マグネット挿入部
の形状を直線形状に形成しているが、マグネット挿入部
の形状は曲線形状であってもよく、また、複数の溝を組
み合わせても良い。すなわち、マグネットの挿入できる
範囲が自由に調整可能であれば良いからである。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るマグネット
取付装置では、マグネット挿入部の形状を細長い形状に
形成することにより、マグネット固定治具の配置位置を
容易に調整することができ、ターゲットの裏面に配置さ
れるマグネットの位置や設置数を容易に調整することが
できる。
【0046】よって、異なるスパッタ条件でスパッタを
行う場合や、異なる材質のターゲットを用いてスパッタ
を行う場合であっても、同一のマグネット取付装置を用
いて、マグネットの配置位置や数を調整して、容易にス
パッタレート,スパッタ膜質,ターゲット使用効率を調
整することができる。
【0047】また、マグネットを固定するためのマグネ
ット固定治具の内部空間の長さを長くすることにより、
調整できるマグネットを構成するマグネット要素の数の
幅を広げることができる。よって、マグネットを構成す
るマグネット要素の数を調整して、スパッタレート,ス
パッタ膜質,ターゲットの使用効率を向上することがで
きる。
【0048】そして、スパッタ膜質を向上することによ
り、スパッタによって製造される製品の歩留まりを向上
することができる。また、スパッタレートやターゲット
の使用効率を向上することにより、スパッタ工程での時
間の短縮や、コスト削減を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係るマグネット取付装置を用
いて、基板にスパッタを行うための装置の一例を示す図
である。(B)はそのB部の側面図である。
【図2】(A)は本発明に係るマグネット取付装置の一
例を示す図である。(B)はそのマグネット固定治具の
構成を説明するための図である。
【図3】(A)は、スパッタ条件が異なる場合のプラズ
マの発生領域を示した図である。(B)は、マグネット
の配置位置を調整した後のプラズマの発生領域を示す図
である。
【図4】(A)は、マグネットの数を2つにした場合の
ターゲットの削られる箇所の数を示した図である。
(B)は、マグネットの数を増加した場合のターゲット
の削られる箇所の数を示した図である。
【図5】従来のマグネット取付装置を示す図である。
【符号の説明】
2 バッキングプレート 14 マグネット固定治具 15 マグネット挿入部 17 筒状収納部 18 固定部材 20 マグネット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネトロンスパッタを行うスパッタ装
    置に設けられ、そのスパッタ装置内の所定領域に磁界を
    発生させるためのマグネットを取り付けるマグネット取
    付装置であって、 ターゲット(1)を装着するためのバッキングプレート
    (2)の表面に、細長い形状の切り口を有するマグネッ
    ト挿入部(15)を設け、 前記マグネット挿入部の長手方向の所定位置にマグネッ
    ト固定治具(14)を位置決め固定可能とし、 かつ、前記マグネット固定治具によって、前記マグネッ
    ト(20)が前記マグネット挿入部内の所定位置に着脱
    自在に配置されることを特徴とするマグネット取付装
    置。
  2. 【請求項2】 前記マグネット固定治具は、前記マグネ
    ットを収納する少なくとも一方が開放した筒状の収納筒
    部(17)と、その収納筒部の開放側より内部に少なく
    とも先端側の一部が挿入される棒状の固定部材(18)
    から構成され、 前記収納筒部内にマグネットを供給した状態で前記固定
    部材の先端側を前記収納筒部内に挿入するとともに固定
    して前記マグネットを前記収納筒部内に収納固定可能に
    構成し、 さらに、前記固定部材を前記収納筒部内に固定した際に
    おける前記固定部材の前記収納筒部内への挿入量を変更
    可能としたことを特徴とするマグネット取付装置。
JP13746497A 1997-05-13 1997-05-13 マグネット取付装置 Withdrawn JPH10317137A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009209385A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Fujitsu Ltd マグネトロンスパッタ装置用磁石ユニット及び磁石着脱方法
TWI400349B (zh) * 2005-02-02 2013-07-01 Hitachi Metals Ltd 磁控管濺鍍用磁回路裝置及其製造方法

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