JP4924290B2 - 炭化珪素単結晶の製造装置およびその製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造装置およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、半導体や発光ダイオードなどの素材に利用することができる炭化珪素(以下、SiCという)単結晶の製造装置およびその製造方法に関するものである。
従来より、SiC単結晶を成長させる方法として、昇華再結晶法が広く用いられている。この昇華再結晶法は、黒鉛製るつぼ内に配置した黒鉛台座に種結晶を接合すると共に、るつぼ底部に配したSiC原料を加熱昇華させ、その昇華ガスを種結晶に供給することによって種結晶上にSiC単結晶を成長させるものである。
このような昇華再結晶法を用いたSiC単結晶の製造方法として、例えば特許文献1〜4に示される手法がある。
図2(a)は、特許文献1に示される手法によってSiC単結晶を成長させている様子を示した断面図である。この図に示したように、るつぼの蓋部J1の台座J2の上に例えば{0001}面から8°傾いた面が露出した転位制御種結晶J3を配置し、この転位制御種結晶J3の表面にSiC単結晶J4を成長させている。このような成長を行った場合、成長初期はc面ファセットJ5の位置を結晶の端の方に形成することができ、螺旋転位発生可能領域J6内にc面ファセットJ5を収めることができるので、所望の単一多形、例えば4H単一多形や6H単一多形のSiC単結晶に異種多形や異方位結晶が発生することはない。
また、特許文献2に示される手法では、階段状に多数の(0001)面が形成された6H多形のオフアングル種結晶の表面にSiC単結晶を形成するようにし、(0001)面のうち最表面に近いほど、つまり成長ステップの高さに比例して昇華ガスの供給量を増加させるようにしている。
また、特許文献3に示される手法では、反応炉の蓋部の中心から一方向に偏った位置に種結晶基板を配置し、種結晶の一方の縁部から対向する他方の縁部にわたって温度勾配を設け、ステップ成長を主体とすることで核生成を制御している。
また、特許文献4に示される手法では、ジャストアングルの種結晶を用いると共に種結晶の中心部に低温領域を設け、成長初期に実質的にオフアングル状態を形成することで、ステップフロー成長を実現して成長核の発生を制御することで欠陥の発生を抑制している。
特許第3764462号公報 特開平4−357824号公報 特開平8−245299号公報 特開平11−278985号公報
しかしながら、特許文献1に示す手法では、SiC単結晶を長尺に成長させようとすると、成長に伴ってSiC単結晶の外周側が比較的高温になっていくため、図2(b)に示すように成長表面が曲面になり、c面ファセットJ5は徐々に内側に移動して、螺旋転位発生可能領域J6からc面ファセットJ5が外れてしまう。そのため、下地の多形を継承するための成長ステップがなくなり、SiC単結晶J4に異種多形や異方位結晶が新たに発生し易くなるという問題がある。このため、実質上、SiC単結晶J4の成長長さに限界がある。したがって、特許文献1に示す手法では、長尺の成長が困難なため、大口径の高品質結晶を多数枚得ることができない。
また、特許文献2に示す手法では、温度分布の精密制御が不可能のため、成長ステップの高さに比例して反応ガス量を精密に制御することが困難であり、成長条件によって成長面内のいたる箇所で核生成する可能性があり、核生成を完全に制御することができずに3C多形が混在してしまう。したがって、特許文献2に示す手法も、高品質結晶を得ることができない。
また、特許文献3に示す手法では、一番温度が低い部分は成長ステップが存在しないため、核生成の制御ができず、種結晶とは異種の多形が発生するおそれがあるという問題がある。また、径方向に大きな温度勾配(30℃)を設けて成長するため、SiC単結晶の形状は、るつぼの中心軸に近い位置で成長が大きく、そこから離れた位置で成長が小さいといういびつな形状となり、大きな歪みが生じるため欠陥が多数発生する。したがって、特許文献3に示す手法によっても、高品質結晶を得ることができない。
さらに、特許文献4に示す手法では、上述した特許文献3と同様、低温領域ではステップがないため、核生成の制御ができず、種結晶とは異種の多形が発生しまう可能性がある。また、偶然的に低温領域にステップが存在したとしても、成長量が大きくなるに連れて成長結晶からの放熱が面内で均一化してくるため、中心部での低温化が妨げられ、初期成長でしか効果が得られない。このため、成長量を大きくしたときの結晶の品質は劣化してしまう。したがって、特許文献4に示す手法によっても、高品質結晶を長尺に成長することができない。
本発明は上記点に鑑みて、高品質なSiC単結晶を長尺に成長することができるSiC単結晶の製造装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、底部および開口部を有する有底円筒状部材にて構成されたるつぼ本体(1a)と、SiC単結晶基板(3)が配置される台座(1c)を含み、るつぼ本体(1a)の開口部を密封するための蓋材(1b)とを有してなる円筒形状のるつぼ(1)と、るつぼ(1)の外周に配置された加熱装置(6)とを備え、るつぼ本体(1a)内にSiC原料(2)を配置すると共に、台座(1c)にSiC単結晶基板(3)として{0001}面から1°以上かつ15°以下傾斜させた面を成長面として有していて該成長面上に成長させるSiC単結晶(4)に螺旋転位(4a)を周囲よりも高密度で発生させることができる螺旋転位発生可能領域(4b)を{0001}面の法線ベクトルを成長面に投影したベクトルの方向であるオフセット方向の端部であって、かつ、成長面上の50%以下の領域に有する種結晶を配置し、加熱装置(6)によりSiC原料(2)を加熱昇華させることでSiC単結晶基板(3)上にSiC単結晶(4)を成長させるSiC単結晶の製造装置において、るつぼ(1)は、加熱装置(6)の中心軸(R1)に対して台座(1c)の中心を通る該るつぼ(1)の中心軸(R2)が所定距離(L)ずらされて配置されていることを特徴としている。
このように、加熱装置(6)の中心軸(R1)に対してるつぼ(1)の中心軸(R2)が所定距離(L)ずらされるようにるつぼ(1)を配置している。このような構造において、SiC単結晶基板(3)における螺旋転位発生可能領域(4b)が加熱装置(6)の中心軸(R1)と一致するようにすれば、SiC単結晶基板(3)にSiC単結晶(4)を成長させる際に、SiC単結晶(4)のうちの螺旋転位発生可能領域(4b)がその周囲の領域と比べて高温になることを防止できる。つまり、螺旋転位発生可能領域(4b)では相対的に成長速度を早くでき、螺旋転位による螺旋(スパイラル)成長をするので、下地の多形を引き継いで、単一多形を得ることが可能となる。これにより、SiC単結晶(4)の長尺の成長が可能となり、大口径の高品質結晶を多数枚得ることも可能となる。
この場合、所定距離(L)は、加熱装置(6)の中心軸(R1)を中心として所定距離(L)の範囲に螺旋転位発生可能領域(4b)が含まれるように、加熱装置(6)の中心軸(R1)の径方向における螺旋転位発生可能領域(4b)の幅(D)の1/2よりも大きくなるようにする。また、螺旋転位発生可能領域(4b)の幅(D)は螺旋転位発生可能領域(4b)を{0001}面の法線ベクトルを成長面に投影したベクトルの方向であるオフセット方向の端部であって、かつ、成長面上の50%以下の領域に有する種結晶と前述にあるので、2D≦Rsという関係が成り立つ。
また、所定距離(L)は、円盤状のSiC単結晶基板(4)の径(Rs)の1/2よりも小さいことが望ましい。このようにすることで、るつぼ(1)の中心軸(R2)が加熱装置(6)の中心軸(R1)から離れ過ぎないようにできる。
さらに、るつぼ(1)を搭載し、加熱装置(6)の中心軸(R1)と同心軸を回転軸としてるつぼ(1)を偏心回転させる回転装置(5)を備えることもできる。このような回転装置(5)によりるつぼ(1)を偏心回転させることで、回転装置(5)および加熱装置(6)の中心軸(R1)から等距離の場所での温度分布の均一化を図ることが可能となる。
以上では本発明をSiC半導体装置の製造装置として把握した場合について説明したが、本発明をSiC半導体装置の製造方法として把握することも可能である。すなわち、加熱装置(6)の中心軸(R1)に対して台座(1c)の中心を通る該るつぼ(1)の中心軸(R2)が所定距離(L)ずらされ、かつ、SiC単結晶基板(4)を加熱装置(6)の中心軸(R1)を中心として所定距離(L)の範囲に螺旋転位発生可能領域(4b)が含まれるようにるつぼ(1)を配置することで、SiC単結晶(4)の長尺の成長が可能となり、大口径の高品質結晶を多数枚得ることも可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかる結晶成長装置を用いてSiC単結晶を成長させている様子を示した断面図である。
図1に示すように、結晶成長装置の容器として円筒状の黒鉛製るつぼ1が用いられている。黒鉛製るつぼ1は、黒鉛製るつぼ1の底部に備えられたSiC原料粉末(SiC原料)2を加熱処理によって昇華させ、種結晶であるSiC単結晶基板3上にSiC単結晶4を結晶成長させるものである。
この黒鉛製るつぼ1は、上面が開口している有底円筒状のるつぼ本体1aと、るつぼ本体1aの開口部を塞ぐ円盤状の蓋材1bとを備えて構成されている。また、黒鉛製るつぼ1を構成する蓋材1bの中央部において突き出した部分を台座1cとして、台座1c上にSiC単結晶基板3が図示しない接着剤等を介して接合されている。台座1cは、円盤状の蓋材1bの中心に円柱状で形成されており、台座1cの径寸法は接合されるSiC単結晶基板3のとほぼ同等とされている。今回は台座1cの径寸法RsとSiC単結晶基板3の径寸法はともにφ75mmである。
また、黒鉛製るつぼ1は、回転装置5に搭載されている。具体的には、回転装置5は、図中の中心軸R1を中心として回転するようになっており、この回転装置5の中心軸R1に対して黒鉛製るつぼ1の中心軸R2(台座1cの中心およびSiC単結晶基板3の中心と同心軸)が一定距離Lずらされるように黒鉛るつぼ1が搭載されている。今回のこの一定距離Lは15mmである。このため、回転装置5を回転させると、黒鉛製るつぼ1は回転装置5の中心軸R1に対して黒鉛製るつぼ1の中心軸R2が偏心するように回転させられる構造となっている。
さらに、黒鉛製るつぼ1の外部には、黒鉛製るつぼ1の外周を囲むようにヒータ等の加熱装置6が備えられている。加熱装置6の中心は回転装置5の中心軸R1と同心軸とされており、黒鉛製るつぼ1の中心軸R1から所定距離Lずらされた状態とされている。このように配置された加熱装置6のパワーを制御することにより、黒鉛製るつぼ1内の温度を制御できるように構成されている。例えば、SiC単結晶4を結晶成長させる際には、この加熱装置6のパワーを調節することによって種結晶であるSiC単結晶基板3の温度がSiC原料粉末2の温度よりも100℃程度低温に保たれるようにすることができる。なお、図示しないが、黒鉛製るつぼ1や回転装置5等は、アルゴンガスが導入できる真空容器の中に収容されており、この真空容器内で加熱できるようになっている。
このように構成された結晶成長装置を用いたSiC単結晶の製造工程について説明する。
まず、SiC原料粉末2を黒鉛製るつぼ1のるつぼ本体1a内に配置すると共に、蓋材1bの台座1cに接着剤等を介して種結晶であるSiC単結晶基板3を貼り付ける。このとき、SiC単結晶基板3としては、上述した特許文献1に示される種結晶(転位制御種結晶)と同様のもの、すなわち{0001}面から1°以上かつ15°以下傾斜させた面を成長面として有し、成長中のSiC単結晶4に螺旋転位4aを周囲よりも高密度で発生させることができる螺旋転位発生可能領域4bを{0001}面の法線ベクトルを成長面に投影したベクトルの方向であるオフセット方向の端部であって、かつ、成長面上の50%以下の領域に有する種結晶を用意する。
ここで、{0001}面から1°以上としたのは、1°未満傾斜させた面では螺旋転位発生可能領域4bをc軸方向または成長面に垂直な方向において成長中の途中の表面(以下、途中表面という)に投影した領域と、c面ファセット4cとが重なるようにSiC単結晶4を成長させるのが困難になる可能性があるためである。また、{0001}面から15°以下としたのは、15°を超えて傾斜させた面では、積層欠陥を排除するために、c軸方向に高くSiC単結晶4を成長させなければならなくなるためである。今回は{0001}面から8°傾斜させた4H単一多形のSiC種結晶3を用意する。
そして、るつぼ本体1aを蓋材1bで塞いだのち、このようにした黒鉛製るつぼ1を回転装置5に搭載する。このとき、回転装置5の中心軸R1に対して黒鉛製るつぼ1の中心軸R2が一定距離Lずらされるように黒鉛るつぼ1を搭載すると共に、SiC単結晶基板3における螺旋転位発生可能領域4bが回転装置5および加熱装置6の中心軸R1と一致するように、具体的には加熱装置6の中心軸R1を中心として所定距離Lの範囲に螺旋転位発生可能領域4bが含まれるようにしている。換言すると、黒鉛製るつぼ1が偏心回転させられたときに黒鉛製るつぼ1の中心軸R2が通過する軌跡内にSiC単結晶基板3の表面における螺旋転位発生可能領域4bがほぼ全域含まれるように位置合わせして、黒鉛製るつぼ1を回転装置5に搭載する。
ここで、所定距離Lは、SiC単結晶基板3の径Rsと螺旋転位発生可能領域4bの幅Dとの関係により決まる値であり、径Rsの1/2以下、かつ、幅Dの1/2以上とされる。このようにすることで、黒鉛製るつぼ1が偏心回転させられたときに黒鉛製るつぼ1の中心軸R2が通過する軌跡内にSiC単結晶基板3の表面における螺旋転位発生可能領域4bが全域含まれるようにしつつ、かつ、黒鉛製るつぼ1の中心軸R2が回転装置5および加熱装置6の中心軸R1から離れ過ぎないようにできる。今回の場合、前述したが、L=15mm、Rs=75mmで螺旋転位発生可能領域4bの幅Dは25mmであるので、1/2D<L<1/2Rs、かつ、2D≦Rsの関係を満たす。
この後、図示しない真空容器内をアルゴンガス雰囲気にしたのち、加熱装置6にて、SiC原料粉末2の温度を2000〜2500℃に加熱し、加熱装置6の調節等により、SiC単結晶基板3の温度がSiC原料粉末2の温度よりも低くなるように、黒鉛製るつぼ1内に温度勾配を設ける。このとき、加熱装置6の中心の位置では、加熱装置6から最も距離が離れた位置となるため、構造的にSiC単結晶基板3の表面のうち螺旋転位発生可能領域4bが他の領域と比較して低温となる。
次に、真空装置の真空度を調整することで黒鉛製るつぼ1内の圧力を13.3Pa〜26.7kPaとして、昇華法成長を開始すると、SiC原料粉末2が昇華して昇華ガスとなり、SiC単結晶4に到達し、SiC原料粉末2側よりも相対的に低温となるSiC単結晶基板3の表面上にSiC単結晶4が成長する。
この後は、SiC原料粉末2の減少量がほぼ一定となるようにさせつつ、SiC単結晶4を結晶成長させる。例えば、加熱装置6のパワーを調整することにより黒鉛製るつぼ1内の温度分布を調整することができる。このようにすることで、るつぼ1内の珪素/炭素比を安定化させることができ、SiC単結晶4を長尺に成長させることが可能となる。
そして、このとき、上述したように構造的にSiC単結晶基板3の表面のうち螺旋転位発生可能領域4bが他の領域と比較して低温となるため、SiC単結晶4が成長したときに、成長に伴ってSiC単結晶4中の螺旋転位発生可能領域4bがその周囲の領域と比べて高温になることを防止できる。このため、図1中に示したように、c面ファセット4cの軌跡がほぼSiC単結晶4の成長方向に沿って伸びた状態となり、c面ファセット4cが螺旋転位発生可能領域4b中に含まれた状態となる。つまり、SiC単結晶4中の螺旋転位発生可能領域4bが含まれるSiC単結晶4の外周部分において、従来のように成長表面が曲面になることで、c面ファセット4cが徐々に内側に移動し、螺旋転位発生可能領域4bからc面ファセット4cJ5が外れてしまうという現象が生じることを防止できる。
したがって、下地の多形を継承するための成長ステップを確保することができ、SiC単結晶4に異種多形や異方位結晶が新たに発生し易くなることを防止できる。このため、SiC単結晶4の長尺の成長が可能となり、高品質結晶を多数枚得ることも可能となる。今回は4H単一多形のSiC単結晶4の長尺量が45mm、φ90mmの径寸法の成長が可能となり、次式に基づき、螺旋転位発生可能領域4bを除去して、φ50〜φ65mmの径寸法の高品質なSiC単結晶4のウエハを多数枚得ることも可能となる。
(数1)
75−25=50((SiC単結晶基板3の径寸法)−(螺旋転位発生可能領域4bの幅D)=(SiC単結晶4の高品質部分の径寸法))
(数2)
90−25=65((SiC単結晶4の径寸法)−(螺旋転位発生可能領域4bの幅D)=(SiC単結晶4の高品質部分の径寸法))
以上説明したように、本実施形態では、回転装置5や加熱装置6の中心軸R1に対して黒鉛製るつぼ1の中心軸R2が一定距離Lずらされるように黒鉛るつぼ1を配置すると共に、SiC単結晶基板3における螺旋転位発生可能領域4bが回転装置5および加熱装置6の中心軸R1と一致するようにしている。このため、SiC単結晶基板3にSiC単結晶4を成長させる際に、SiC単結晶4のうちの螺旋転位発生可能領域4bがその周囲の領域と比べて高温になることを防止できる。これにより、SiC単結晶4の長尺の成長が可能となり、高品質結晶を多数枚得ることも可能となる。
(第2の実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対してSiC単結晶の製造装置の寸法を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
今回は台座1cの径寸法RsとSiC単結晶基板3の径寸法はともに75mm、
一定距離Lは15mm、螺旋転位発生可能領域4bの幅Dは15mmであり、1/2D<L<1/2Rs、かつ、2D≦Rsの関係を満たす。
このような寸法にしたら、4H単一多形のSiC単結晶4の長尺量が45mm、φ90mmの径寸法の成長が可能となり、次式に基づき、螺旋転位発生可能領域4bを除去して、φ60〜φ75mmの径寸法の高品質なSiC単結晶4のウエハを多数枚得ることも可能となる。
(数3)
75−15=60((SiC単結晶基板3の径寸法)−(螺旋転位発生可能領域4bの幅D)=(SiC単結晶4の高品質部分の径寸法))
(数4)
90−15=75((SiC単結晶4の径寸法)−(螺旋転位発生可能領域4bの幅D)=(SiC単結晶4の高品質部分の径寸法))
このように、螺旋転位発生可能領域4bの幅Dを15mmと第1実施形態と比較して小さくしても(螺旋転位発生可能領域4bの幅Dは螺旋転位発生可能領域4bを{0001}面の法線ベクトルを成長面に投影したベクトルの方向であるオフセット方向の端部であって、かつ、成長面上の50%以下の領域に有する種結晶と前述にあるが、20%(=15/75)に相当する。要するに、螺旋転位発生可能領域4bの割合を小さくした方がSiC単結晶4の高品質部分の径寸法を大きくするためには効率的である。)、SiC単結晶基板3にSiC単結晶4を成長させる際に、SiC単結晶4のうちの螺旋転位発生可能領域4bがその周囲の領域と比べて高温になることを防止できる。よって、SiC単結晶4の高品質部分の径寸法を大きくすることが可能となり、大口径の高品質結晶を多数枚得ることも可能となる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、るつぼの一例として黒鉛製るつぼ1を例に挙げたが、これは単なる一例であり、すべてが黒鉛製でなくても構わない。例えば、Ta(タンタル)等で内壁面がコーティングされていても良い。
また、上記実施形態では回転装置5を用いて黒鉛製るつぼ1を回転させるようにしたが、回転装置5および加熱装置6の中心軸R1から等距離の場所での温度分布の均一化を図るためであり、必ずしも回転させる必要はない。
また、上記実施形態では螺旋転位発生可能領域4bの幅Dは2通りの寸法を例としてあげたが、幅Dのみならず、他の寸法も上記に限られるのものではなく、どんな値でも適用可能である。また、一定距離Lは大きい値として、螺旋転位発生可能領域4bの幅Dはできる限り小さい値とすることで、効率よく大口径結晶を得ることが可能となる。それは、SiC単結晶基板3にSiC単結晶4を成長させる際に、SiC単結晶4のうちの螺旋転位発生可能領域4bがその周囲の領域と比べて高温になることを一定距離Lを大きい値とすることで防止しやすくするからである。そうすれば、螺旋転位発生可能領域(4b)では相対的に成長速度を早くでき、螺旋転位による螺旋(スパイラル)成長をするので、下地の多形を引き継いで、単一多形を得ることが可能となる。
本発明の第1実施形態における黒鉛製るつぼの断面構成を示す図である。 (a)は、従来手法によってSiC単結晶を成長させている様子を示した断面図であり、(b)は、(a)の状態から更にSiC単結晶を長尺成長させたときの様子を示した断面図である。
符号の説明
1…黒鉛製るつぼ、1a…本体、1b…蓋材、1c…台座、2…SiC原料粉末、
3…単結晶基板、4…SiC単結晶、5…回転装置、6…加熱装置

Claims (4)

  1. 底部および開口部を有する有底円筒状部材にて構成されたるつぼ本体(1a)と、炭化珪素単結晶基板(3)が配置される台座(1c)を含み、前記るつぼ本体(1a)の前記開口部を密封するための蓋材(1b)とを有してなる円筒形状のるつぼ(1)と、前記るつぼ(1)の外周に配置された加熱装置(6)とを備え、
    前記るつぼ本体(1a)内に炭化珪素原料(2)を配置すると共に、前記台座(1c)に前記炭化珪素単結晶基板(3)として{0001}面から1°以上かつ15°以下傾斜させた面を成長面として有していて該成長面上に成長させる炭化珪素単結晶(4)に螺旋転位(4a)を周囲よりも高密度で発生させることができる螺旋転位発生可能領域(4b)を{0001}面の法線ベクトルを成長面に投影したベクトルの方向であるオフセット方向の端部であって、かつ、成長面上の50%以下の領域に有する種結晶を配置し、
    前記加熱装置(6)により前記炭化珪素原料(2)を加熱昇華させることで前記炭化珪素単結晶基板(3)上に前記炭化珪素単結晶(4)を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置において、
    前記るつぼ(1)は、前記加熱装置(6)の中心軸(R1)に対して前記台座(1c)の中心を通る該るつぼ(1)の中心軸(R2)が所定距離(L)ずらされて配置されており、
    前記所定距離(L)は、前記加熱装置(6)の中心軸(R1)を中心として前記所定距離(L)の範囲に前記螺旋転位発生可能領域(4b)が含まれるように、前記加熱装置(6)の中心軸(R1)の径方向における前記螺旋転位発生可能領域(4b)の幅(D)の1/2よりも大きくされていることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  2. 前記所定距離(L)は、円盤状の前記炭化珪素単結晶基板(4)の径(Rs)の1/2よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  3. 前記るつぼ(1)を搭載し、前記加熱装置(6)の中心軸(R1)と同心軸を回転軸として前記るつぼ(1)を偏心回転させる回転装置(5)を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  4. 底部および開口部を有する有底円筒状部材にて構成されたるつぼ本体(1a)と、炭化珪素単結晶基板(3)が配置される台座(1c)を含み、前記るつぼ本体(1a)の前記開口部を密封するための蓋材(1b)とを有してなる円筒形状のるつぼ(1)と、前記るつぼ(1)の外周に配置された加熱装置(6)とを用意し、
    前記るつぼ本体(1a)内に炭化珪素原料(2)を配置すると共に、前記台座(1c)に前記炭化珪素単結晶基板(3)として{0001}面から1°以上かつ15°以下傾斜させた面を成長面として有していて該成長面上に成長させる炭化珪素単結晶(4)に螺旋転位(4a)を周囲よりも高密度で発生させることができる螺旋転位発生可能領域(4b)を{0001}面の法線ベクトルを成長面に投影したベクトルの方向であるオフセット方向の端部であって、かつ、成長面上の50%以下の領域に有する種結晶を配置し、
    前記加熱装置(6)により前記炭化珪素原料(2)を加熱昇華させることで前記炭化珪素単結晶基板(3)上に前記炭化珪素単結晶(4)を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記加熱装置(6)の中心軸(R1)に対して前記台座(1c)の中心を通る該るつぼ(1)の中心軸(R2)が所定距離(L)ずらされ、かつ、前記炭化珪素単結晶基板(3)を前記加熱装置(6)の中心軸(R1)を中心として前記所定距離(L)の範囲に前記螺旋転位発生可能領域(4b)が含まれるように前記るつぼ(1)を配置することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
JP2007221128A 2007-08-28 2007-08-28 炭化珪素単結晶の製造装置およびその製造方法 Active JP4924290B2 (ja)

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