JP2011207691A - 炭化珪素単結晶の製造装置および炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造装置および炭化珪素単結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】オフ角が0.5°以下とほとんどないオン基板のSiC単結晶からなる種結晶を用いてSiC単結晶を成長させる際に、異種多形のSiC単結晶の成長を防止し、高品質のSiC単結晶を製造することが可能なSiC単結晶の製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】種結晶4を配置する台座3に空洞部3aを設け、空洞部3aにおいて台座3の他の部分よりも放熱性を高める。そして、空洞部3aのうち種結晶4側の部位が直径1mm以上、5mm以下の円形内に収まるようにすることで、種結晶4の表面に1つの成長核のみが形成され、その成長核からSiC単結晶が広がりながら成長する。これにより、初めに形成された成長核となる部分の上、つまりファッセットが形成される部分では、マイクロパイプ欠陥やらせん転位が発生するが、それら以外の領域では、基底面転位や積層欠陥の発生を防ぐことが可能となり、異種多形が発生しないようにできる。
【選択図】図2

Description

本発明は、パワーMOSFET等の素材に利用することができる炭化珪素(以下、SiCという)単結晶の製造を行うSiC単結晶製造装置およびSiC単結晶製造方法に関するものである。
従来、SiC単結晶を成長させる方法として、昇華再結晶法やガス供給法が用いられている。昇華再結晶法は、黒鉛製の坩堝内に配置した黒鉛台座に種結晶を接合すると共に、坩堝底部に配したSiC原料を加熱昇華させ、その昇華ガスを種結晶に供給することによって種結晶上にSiC単結晶を成長させるものである。ガス供給法は、台座に接合した種結晶に対して、ガス導入孔を通じて、シランガスとプロパンガスのSiC原料ガスを供給することによって種結晶上にSiC単結晶を成長させるものである。
SiC単結晶を成長させる際には、種結晶として例えば1〜20°のオフ角を有するオフ基板を用いると、SiC単結晶を成長させ易いが、その反面積層欠陥が発生し易いという問題がある。このため、積層欠陥の発生を抑制するために、例えばオフ角が0.5°以下とほとんどないオン基板を種結晶としてSiC単結晶を成長させることが考えられている。
特開平08−059389号公報
しかしながら、オン基板を用いる場合、ファセットが不特定の場所に形成されるので、4H−SiCの上に結晶構造が異なる6H−SiCが形成されるなど、異種多形が不特定の場所に発生してしまう可能性がある。
これに対して、種結晶の中央等に人為的に凹みなどを形成するようにすれば(例えば、特許文献1参照)、成長中心にファセットが形成されるようにでき、異種多形のSiC単結晶が成長することを防ぐことができると考えられる。しかし、種結晶に対する人為的な凹みなどの形成の有無に関わらず、不特定の場所に異種多形のSiC単結晶が成長することを防げるようにすることが望まれる。
本発明は上記点に鑑みて、オン基板のSiC単結晶からなる種結晶を用いてSiC単結晶を成長させる際に、不特定の場所に所望の多形以外の異種多形のSiC単結晶が成長することを防止でき、かつ基底面転位や積層欠陥の発生を抑制できる高品質のSiC単結晶を製造するためのSiC単結晶の製造装置およびSiC単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、台座(3)における種結晶(4)が取り付けられる一面のうち、該台座(3)の外縁部よりも内側に、種結晶(4)側の部位が直径1mm以上、5mm以下の円形内に収まり、前記一面の他の部位よりも放熱性が高くされた放熱部(3a、3c、3e)が備えられていることを特徴としている。
このように構成されたSiC単結晶製造装置では、種結晶(4)を配置する台座(3)に放熱部(3a、3c、3e)を設け、放熱部(3a、3c、3e)において台座(3)の他の部分よりも放熱性を高めるようにしている。そして、放熱部(3a、3c、3e)のうち種結晶(4)側の部位が直径1mm以上、5mm以下の円形内に収まるようにすることで、種結晶(4)の表面に1つの成長核のみが形成されるようにでき、その成長核から広がりながら成長する(ステップフロー成長)ようにSiC単結晶(6)を形成することができる。これにより、初めに形成された成長核となる部分の上、つまりファッセットが形成される部分では、マイクロパイプ欠陥やらせん転位が発生するが、それら以外の領域では、基底面転位や積層欠陥の発生を防ぐことが可能となり、異種多形が発生しないようにできる。したがって、オン基板のSiC単結晶からなる種結晶(4)を用いてSiC単結晶(6)を成長させる際に、異種多形のSiC単結晶(6)が成長することを防止することが可能となる。
例えば、請求項2に記載したように、放熱部を台座(3)に対して一面に形成された空洞部(3a)で構成することができる。
また、請求項3に記載したように、台座(3)を、台座本体(3b)と、該台座本体(3b)に形成された空洞部(3a)内に配置され、台座本体(3b)の構成材料よりも高熱伝導度の材料で構成された高熱伝導部材(3c)とを有した構成とし、放熱部を高熱伝導部材(3c)により構成することもできる。
さらに、請求項4に記載したように、台座(3)を、台座本体(3b)と、該台座本体(3b)の種結晶(4)側の面に形成された凸部(3e)を囲む凹部(3f)内に配置され、台座本体(3b)の構成材料よりも低熱伝導度の材料で構成された低熱伝導部材(3d)とを有した構成とし、放熱部を凸部(3e)により構成することもできる。
請求項5に記載の発明では、台座(3)として、該台座(3)における種結晶(4)が取り付けられる一面のうち、該台座(3)の外縁部よりも内側に、前記一面の他の部位よりも放熱性が高くされた放熱部(3a、3c、3e)が備えられたものを用意する工程と、台座(3)の一面に種結晶(4)を取り付け、原料ガスを供給することにより、種結晶(4)のうち放熱部(3a、3c、3e)と対応する場所に初めに1つの成長核を形成し、その後、当該成長核よりSiC単結晶(6)を成長させる工程と、を含んでいることを特徴としている。
このように、種結晶(4)の表面に1つの成長核のみが形成されるようにし、その成長核から広がりながら成長する(ステップフロー成長)ようにSiC単結晶(6)を形成している。これにより、初めに形成された成長核となる部分の上、つまりファセットが形成される部分では、マイクロパイプ欠陥やらせん転位が発生するが、それら以外の領域では、基底面転位や積層欠陥の発生を防ぐことが可能となり、異種多形が発生しないようにできる。したがって、オン基板のSiC単結晶からなる種結晶(4)を用いてSiC単結晶(6)を成長させる際に、異種多形のSiC単結晶(6)が成長することを防止することが可能となる。
具体的には、請求項6に記載したように、種結晶(4)として、該種結晶(4)のうち放熱部(3a、3c、3e)に対応する箇所にマイクロパイプ欠陥もしくは、らせん転位が1個以上存在するものを用いるようにすれば、マイクロパイプ欠陥もしくはらせん転位に基づいて成長核が形成されるようにできる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1の断面構成図である。 (a)は、種結晶4を貼り付けた台座3の断面図、(b)は、台座3の正面図である。 SiC単結晶6の成長中の様子を示した断面図である。 本発明の第2実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1に備えられる台座3に種結晶4を貼り付けたときの様子を示した断面図である。 本発明の第3実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1に備えられる台座3に種結晶4を貼り付けたときの様子を示した断面図である。 他の実施形態で説明する台座3の正面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るSiC単結晶製造装置1の断面構成図である。
図1に示すように、SiC単結晶製造装置1の容器として円筒状の黒鉛製の坩堝1が用いられている。坩堝2は、台座3に取り付けられたSiC単結晶基板からなる種結晶4に対して、坩堝2の底部に備えられたSiCの粉末原料(SiC原料)5の昇華ガスを供給し、種結晶4上にSiC単結晶6を結晶成長させるものである。
この坩堝2は、上面が開口している有底円筒状の坩堝本体2aと、坩堝本体2aの開口部を塞ぐ円盤状の蓋材2bとを備えて構成されている。また、坩堝2を構成する蓋材2bの中央部において突き出した部分を台座3として、台座3上にSiC単結晶基板3が図示しない接着剤等を介して接合される。台座3は、接合される種結晶4とほぼ同等の寸法とされている。本実施形態では、種結晶4を円形としており、台座3も種結晶4と同じく円形とされている。そして、台座3の中心が坩堝2の中心軸上に配置されることで、種結晶4もその中心軸上に配置されるようにしている。また、種結晶4は、例えば円形状の(0001)Si面もしくは(000−1)C面を主表面とするオフ角が0.5°以下の4H−SiCのオン基板とされている。
なお、種結晶4および台座3の形状は任意であり、円形に限らず、四角形、六角形、八角形など、他の多角形状であっても構わない。
図2(a)は、種結晶4を貼り付けた台座3の断面図、図2(b)は、台座3の正面図である。この図に示されるように、台座3の中央部には、種結晶4の貼り付け面に対して垂直方向に伸びる放熱用の空洞部3aを形成してある。空洞部3aは、種結晶4側の部位(開口部)が直径1mm以上、5mm以下の円形内に収まるように構成されている。この空洞部3aを備えることにより、台座3を構成する他の部分よりも放熱性が高められるようにしている。
一方、坩堝2のうち容器本体2aの底部には、昇華ガスの供給源となるSiCの粉末原料5が配置されている。そして、坩堝2内の空間のうち種結晶4と粉末原料5との間を成長空間領域として、粉末原料5からの昇華ガスが種結晶4の表面上に再結晶化して、種結晶4の表面にSiC単結晶6が成長させられる構成とされている。
そして、このように種結晶4および粉末原料5を収容した坩堝2を囲むように断熱材7が備えられている。例えば、断熱材7は、坩堝2の外周面および底面を構成する坩堝本体2aと蓋材2bを囲むように配置され、多孔質カーボンなどで構成されることにより、孔を通じて雰囲気ガスの導入が行えるようになっている。断熱材7は複数部品に分割できるように構成され、複数部品を組付けることによって坩堝2を囲めるようになっている。
また、SiC単結晶製造装置1は、回転機構8を備えている。回転機構8は、上記の坩堝2を搭載するための円板状のテーブル8aと、坩堝2の中心軸を中心にテーブル8aを回転させるための棒状のシャフト8bとを備えて構成されている。
テーブル8aの一面には坩堝2が配置され、テーブル8aの他面には当該他面に対して垂直方向にシャフト8bが延びるようにシャフト8bの一端が接続されている。シャフト8bの他端は図示しないモータに支持され、当該モータによってシャフト8bの中心軸を中心にシャフト8bが回転させられるようになっている。
例えば、坩堝2の中心軸はシャフト8bの中心軸上に配置されている。これにより、テーブル8aおよび坩堝2がシャフト8bの中心軸すなわち坩堝2の中心軸を中心に回転する。
さらに、坩堝2の外周を囲むように円筒型の誘導コイル9、10が配置されている。本実施形態では、この誘導コイル9、10が加熱装置となる。一方の誘導コイル9は、坩堝2のうち粉末原料5が配置された箇所の側面と対向するように配置され、他方の誘導コイル10は、坩堝2のうち種結晶4が配置された箇所の側面と対向するように配置されている。各誘導コイル9、10の中心は坩堝2やテーブル8aの中心軸と同心軸とされている。このように配置された誘導コイル9、10のパワーを制御することにより、坩堝2を誘導加熱する際の温度が図示しない測温孔を通じて適宜調整される。例えば、SiC単結晶6を結晶成長させる際には、この誘導コイル9、10のパワーを調節することによって種結晶4の温度が粉末原料5の温度よりも100℃程度低温に保たれるようにすることができる。なお、図示しないが、坩堝2やテーブル8a等は、アルゴンガスが導入できる真空容器の中に収容されており、この真空容器内で加熱できるようになっている。以上のようにして、本実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1が構成されている。
続いて、上記のような構成のSiC単結晶製造装置1によるSiC単結晶6の製造方法について説明する。図3は、SiC単結晶6の成長中の様子を示した断面図である。
まず、台座3に対して種結晶4を貼り付ける。このとき、種結晶4として、空洞部3aに対応する箇所にマイクロパイプ欠陥もしくは、らせん転位が1個以上存在するものを用いるようにする。そして、図示しない排気機構を用いて、ガス排出を行って坩堝2を収容する真空容器内を真空にすると共に、ヒータ9、10を加熱し、その輻射熱により坩堝2を加熱することで坩堝2内を所定温度にする。
その後、真空容器内に、例えば不活性ガス(Arガス等)や水素、結晶へのドーパントとなる窒素などの混入ガスを流入させる。そして、種結晶4の成長面の温度および粉末原料5の温度を目標温度まで上昇させる。例えば、成長結晶を4H−SiCとする場合、粉末原料5の温度を2100〜2300℃とし、成長結晶表面の温度をそれよりも10〜100℃程度低くする。そして、シャフト8bを回転させることで坩堝2を回転させる。このようにして、種結晶4上にSiC単結晶6を成長させることができる。
このSiC単結晶6の成長時に、図3に示すように、空洞部3aが台座3の他の部分よりも放熱性が高められていることから、種結晶4のうち温度の低くなった空洞部3aと対応する箇所に初めにSiC単結晶6が成長し、それを成長核として広がりながらSiC単結晶6が成長していく。このとき、種結晶4のうち初めに形成された成長核となる部分と対応する場所に存在していたマイクロパイプ欠陥やらせん転位上にファセットが成長するので、らせん転位で種結晶4と同一多形のステップが承継され、異種多形が発生しないようにでき、種結晶4の表面のうち成長核以外の部分では微小なオフ成長(ステップフロー成長)が行われることで、SiC単結晶6が成長していく。
このため、初めに形成された成長核となる部分の上、つまりファッセットが形成される部分では、マイクロパイプ欠陥やらせん転位が発生するが、それら以外の領域では、基底面転位や積層欠陥の発生を防ぐことが可能となり、異種多形が発生しないようにできる。また、種結晶4のうち空洞部3aと対応する部分に傷などによる凹み部を形成しておけば、その傷上にファセットが形成され易くなるため、より上記効果を得ることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態のSiC単結晶製造装置1では、種結晶4を配置する台座3に空洞部3aを設け、空洞部3aにおいて台座3の他の部分よりも放熱性を高めるようにしている。そして、空洞部3aのうち種結晶4側の部位が直径1mm以上、5mm以下の円形内に収まるようにすることで、種結晶4の表面に1つの成長核のみが形成されるようにし、その成長核から広がりながら成長するようにSiC単結晶6を形成している。これにより、初めに形成された成長核となる部分の上、つまりファッセットが形成される部分では、マイクロパイプ欠陥やらせん転位が発生するが、それら以外の領域では、基底面転位や積層欠陥の発生を防ぐことが可能となり、不特定の場所に異種多形が発生しないようにできる。したがって、オン基板のSiC単結晶からなる種結晶4を用いてSiC単結晶6を成長させる際に、不特定の場所に異種多形のSiC単結晶6が成長することを防止することが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して台座3の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図4は、本実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1に備えられる台座3に種結晶4を貼り付けたときの様子を示した断面図である。この図に示されるように、本実施形態では、台座3を台座本体3bと高熱伝導部材3cとによって構成している。具体的には、台座3の空洞部3a内に台座本体3bを構成する材料、つまり黒鉛よりも熱伝導度が高い材料で構成された高熱伝導部材3cを配置している。この高熱伝導部材3cは、例えば台座本体3bを構成する黒鉛の熱伝導度が100[W/m・k]程度のとき、台座本体3bを構成する黒鉛とは結晶構造が異なる熱伝導度が110[W/m・k]以上の黒鉛にて構成されるように、台座本体3bと高熱伝導部材3cの黒鉛の熱伝導度の差は10[W/m・k]以上あると効果的である。10[W/m・k]未満では、種結晶(4)のうち高熱伝導部材3cに対応する場所に初めに1つの成長核が形成されず、他の場所に所望の多形でない成長核が形成され異種多形が発生する恐れがある。
このように、空洞部3a内に高熱伝導部材3cを備えることにより、より高い熱伝導度を得ることが可能となり、より種結晶4の表面のうち高熱伝導部材3cと対応する場所を放熱し易くなって、そこに1つの成長核を形成することが可能となる。これにより、第1実施形態と同様の効果をより効果的に得ることが可能となる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態も、第1実施形態に対して台座3の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図5は、本実施形態にかかるSiC単結晶製造装置1に備えられる台座3に種結晶4を貼り付けたときの様子を示した断面図である。この図に示されるように、本実施形態では、
台座3を台座本体3bと低熱伝導部材3dによって構成している。具体的には、台座本体3bのうちの種結晶4側の面について、中央部が凸部3e、それ以外の部分が凹部3fとなるようにし、凹部3f内に台座本体3bを構成する黒鉛よりも熱伝導度が低い材料、例えば耐熱性カーボンシートで構成された低熱伝導部材3dを配置することで、黒鉛で構成された台座本体3bの凸部3eが低熱伝導部材3dで囲まれた構造とされている。これにより、凸部3eが相対的にその周囲を囲む低熱伝導部材3dよりも熱伝導度が高くなる。
このように、台座本体3bの凸部3eが低熱伝導部材3dで囲まれる構造としても、台座本体3bの凸部3eが相対的に熱伝導度が高くなるようにでき、種結晶4の表面のうち台座本体3bの凸部3eと対応する場所が相対的に放熱し易くなって、その場所に1つの成長核を形成することが可能となる。これにより、第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
(他の実施形態)
上記第1、第2実施形態では、放熱部の一例として、台座3の中央部に空洞部3aを備えたり、空洞部3a内に高熱伝導部材3cを配置した例を示した。また、第3実施形態では、台座本体3bの中央部のみを残して凹部3fを形成し、凹部3f内に低熱伝導部材3dを配置することで台座本体3bの凸部3eが相対的に高熱伝導度となるようにし、放熱部として機能するようにした。
しかしながら、台座3における種結晶4が取り付けられる一面のうち、他の部分と放熱性を高くできる場所、つまり放熱部として機能する場所は必ずしも中央部である必要はなく、台座3の外縁部よりも内側の一箇所が放熱部として機能していれば良い。また、第1、第2実施形態で示した空洞部3aや高熱伝導部材3cは、種結晶4の貼り付け面に対して垂直方向に伸びる構造でなくても良く、例えば、種結晶4から離れるほど拡径する形状であっても構わない。
また、上記第1〜第3実施形態では、放熱部として機能する空洞部3a、高熱伝導部材3c、凸部3eが直径1mm以上、5mm以下の円形内に収まるようにしているが、これらを円形以外の形状としても良い。図6(a)〜(c)は、その一例を示した台座3の正面図である。なお、ここでは、第1実施形態のように台座3に対して空洞部3aを形成する場合について図示してあるが、高熱伝導部材3c、凸部3eについても同様の形状を適用することができる。すなわち、空洞部3a、高熱伝導部材3c、凸部3eについては、1mm以上、5mm以下の円形以外にも、図6(a)〜(c)に示したように、対辺が1mm以上、対角線が5mm以下となる四角形、六角形、八角形などの多角形状としても構わない。
また、上記各実施形態では、昇華再結晶法によりSiC単結晶6を成長させるSiC単結晶製造装置1において、台座3のうち種結晶4が取り付けられる一面の一部を放熱部として機能させる場合について説明したが、Si含有ガス、具体的には例えばシランガスと、C含有ガス、具体的には例えばプロパンガスを供給するガス供給法によりSiC単結晶6を成長させる場合にも同様の構成の台座3を適用することにより、上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、上記各実施形態では、台座3を黒鉛で構成する場合について説明した。黒鉛にも様々な組成があるが、いずれの組成の黒鉛にて台座3を構成しても構わない。ただし、第2、第3実施形態において高熱伝導部材3cや凸部3eを放熱部として機能させるためには、第2実施形態の高熱伝導部材3cを台座本体3bの構成材料よりも高熱伝導の材料とする必要があるし、第3実施形態の低熱伝導部材3dを台座本体3bの構成材料よりも低熱伝導の材料とする必要がある。
(比較例)
台座3に放熱部として形成された空洞部3a、もしくは、高熱伝導部材3c、凸部3eのうち種結晶4側の部位が直径5mmを超えた円形にすると、種結晶4に存在するマイクロパイプ欠陥やらせん転位以外の場所の種結晶4の表面に多数の成長核が形成され、不特定の場所に異種多形が発生した。また、台座3に放熱部として形成された空洞部3a、もしくは、高熱伝導部材3c、凸部3eのうち種結晶4側の部位が直径1mm未満の円形にしても、種結晶4に存在するマイクロパイプ欠陥やらせん転位以外の場所の種結晶4の表面に多数の成長核が形成され、不特定の場所に異種多形が発生した。この比較例からも、上記したように、空洞部3aのうち種結晶4側の部位が直径1mm以上、5mm以下となるようにするのが好ましいといえる。
なお、結晶の方位を示す場合、本来ならば所望の数字の上にバー(−)を付すべきであるが、パソコン出願に基づく表現上の制限が存在するため、本明細書においては、所望の数字の前にバーを付すものとする。
1 SiC単結晶製造装置
2 坩堝
3 台座
3a 空洞部
3b 台座本体
3c 高熱伝導部材
3d 低熱伝導部材
3e 凸部
3f 凹部
4 種結晶
5 粉末原料
6 SiC単結晶

Claims (6)

  1. 台座(3)に対して炭化珪素単結晶基板にて構成された種結晶(4)を取り付け、該種結晶(4)の下方から炭化珪素の原料ガスを供給することにより、前記種結晶(4)の表面に炭化珪素単結晶(6)を成長させる炭化珪素単結晶の製造装置において、
    前記台座(3)における前記種結晶(4)が取り付けられる一面のうち、該台座(3)の外縁部よりも内側に、前記種結晶(4)側の部位が直径1mm以上、5mm以下の円形内に収まり、前記一面の他の部位よりも放熱性が高くされた放熱部(3a、3c、3e)が備えられていることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造装置。
  2. 前記放熱部は、前記台座(3)に対して前記一面に形成された空洞部(3a)であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  3. 前記台座(3)は、台座本体(3b)と、該台座本体(3b)に形成された空洞部(3a)内に配置され、前記台座本体(3b)の構成材料よりも高熱伝導度の材料で構成された高熱伝導部材(3c)とを有して構成され、
    前記放熱部は、前記高熱伝導部材(3c)により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  4. 前記台座(3)は、台座本体(3b)と、該台座本体(3b)の前記種結晶(4)側の面に形成された凸部(3e)を囲む凹部(3f)内に配置され、前記台座本体(3b)の構成材料よりも低熱伝導度の材料で構成された低熱伝導部材(3d)とを有して構成され、
    前記放熱部は、前記凸部(3e)により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
  5. 台座(3)に対して炭化珪素単結晶基板にて構成された種結晶(4)を取り付け、該種結晶(4)の下方から炭化珪素の原料ガスを供給することにより、前記種結晶(4)の表面に炭化珪素単結晶(6)を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、
    前記台座(3)として、該台座(3)における前記種結晶(4)が取り付けられる一面のうち、該台座(3)の外縁部よりも内側に、前記一面の他の部位よりも放熱性が高くされた放熱部(3a、3c、3e)が備えられたものを用意する工程と、
    前記台座(3)の前記一面に前記種結晶(4)を取り付け、前記原料ガスを供給することにより、前記種結晶(4)のうち前記放熱部(3a、3c、3e)と対応する場所に初めに1つの成長核を形成し、その後、当該成長核より前記SiC単結晶(6)を成長させる工程と、を含んでいることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  6. 前記種結晶(4)として、該種結晶(4)のうち前記放熱部(3a、3c、3e)に対応する箇所にマイクロパイプ欠陥もしくは、らせん転位が1個以上存在するものを用いることを特徴とする請求項5に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
JP2010078222A 2010-03-30 2010-03-30 炭化珪素単結晶の製造装置および炭化珪素単結晶の製造方法 Active JP5333315B2 (ja)

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