JP4922964B2 - 乾式不織布 - Google Patents

乾式不織布 Download PDF

Info

Publication number
JP4922964B2
JP4922964B2 JP2008038865A JP2008038865A JP4922964B2 JP 4922964 B2 JP4922964 B2 JP 4922964B2 JP 2008038865 A JP2008038865 A JP 2008038865A JP 2008038865 A JP2008038865 A JP 2008038865A JP 4922964 B2 JP4922964 B2 JP 4922964B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
nonwoven fabric
island
polyester
dry
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008038865A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009197355A (ja
Inventor
健治 稲垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Fibers Ltd
Original Assignee
Teijin Fibers Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Fibers Ltd filed Critical Teijin Fibers Ltd
Priority to JP2008038865A priority Critical patent/JP4922964B2/ja
Publication of JP2009197355A publication Critical patent/JP2009197355A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4922964B2 publication Critical patent/JP4922964B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Description

本発明は、超極細ポリエステル繊維を含み、フィルター用またはワイピング用として特に好適に使用することのできる、地合いが均一な乾式不織布に関する。
従来、フィルター用途やワイピング用途などでは、不織布の密度を低くする必要があるため、主として、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布などの乾式不織布が使用されてきた。また、かかる乾式不織布において、フィルター性能(捕集効率やダスト保持量、寿命)やワイピング性能を高めるために、極細繊維と比較的汎用的な繊度を有する繊維とを組合わせることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
他方、最近では超極細繊維としてナノファイバーの研究開発が盛んに行われている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
このような超極細繊維を用いて乾式不織布を得ると、さらにフィルター性能やワイピング性能を高めることが可能であるが、超極細繊維を用いて乾式不織布を得る際、超極細繊維の分散性が低いため不織布の地合いが悪く、また、生産工程性も低いことが判明した。
特開2005−319347号公報 特開2004−162244号公報 国際公開第2005/095686号パンフレット
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、超極細ポリエステル繊維を含み、フィルター用またはワイピング用として特に好適に使用することのできる、地合いが均一な乾式不織布を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、特定の繊径および繊維長を有する超極細ポリエステル繊維と、所定繊度および繊維長を有するポリエステル繊維とで乾式不織布を得ると、均一な地合いを有する乾式不織布が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「目付けが20〜200g/mの乾式不織布であって、ポリエステルからなり単繊維径(D)が500〜1000nmかつ該単繊維径(D)nmに対する繊維長(L)nmの比(L/D)が30000〜140000の範囲内である超極細ポリエステル繊維Aと、単繊維繊度0.5〜3.3dtex、かつ繊維長30〜70mmのポリエステル繊維Bとが、前者/後者の重量比3/97〜50/50で含まれることを特徴とする乾式不織布。」が提供される。
その際、前記超極細ポリエステル繊維Aが、ポリエステルからなりかつその島径(D)が500〜1000nmである島成分と、前記のポリエステルよりもアルカリ水溶液易溶解性ポリマーからなる海成分とを有する複合繊維をカットした後にアルカリ減量加工を施すことにより、前記海成分を溶解除去したものであることが好ましい。また、前記の複合繊維において、海成分が、5-ナトリウムスルホン酸を6〜12モル%および分子量4000〜12000のポリエチレングリコールを3〜10重量%共重合したポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。また、前記の複合繊維において島数が100以上であることが好ましい。また、前記の複合繊維において、海成分と島成分との複合重量比率(海:島)が20:80〜80:20の範囲内であることが好ましい。また、通気度が200cc/cm/sec以下であることが好ましい。また、乾式不織布がフィルター用またはワイピング用であることが好ましい。
本発明によれば、超極細ポリエステル繊維を含み、フィルター用またはワイピング用として特に好適に使用することのできる、地合いが均一な乾式不織布が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明において、超極細ポリエステル繊維Aの単繊維径が500〜1000nmの範囲内であることが肝要である。該単繊維径が500nm未満では、超極細ポリエステル繊維A同士が擬似膠着しやすく均一分散しにくいため、フィルターやワイピング材などの本来の性能が得られず好ましくない。逆に、該該単繊維径が1000nmより大きいと、超極細ポリエステル繊維としての効果が低くなり、フィルターやワイピング材などしての性能向上が不十分となるため好ましくない。なお、なお、単繊維の断面形状が丸断面以外の異型断面である場合には外接円の直径を単繊維径とする。また、単繊維径は、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定が可能である。
また、前記超極細ポリエステル繊維Aにおいて、単繊維径(D)nmに対する繊維長(L)nmの比(L/D)が30000〜140000(より好ましくは40000〜100000)の範囲内であることが肝要である。該比(L/D)が30000未満では、繊維長が短くなり過ぎるため、他の繊維との絡みが小さくなり、繊維が脱落する可能性が高くなり好ましくない。逆に、該該比(L/D)が140000を越える場合、繊維長が長くなりすぎ、超極細ポリエステル繊維A自身の絡みが大きくなり、均一分散が阻害されるおそれがあり好ましくない。
前記超極細ポリエステル繊維Aを形成するポリエステルの種類としては、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ステレオコンプレックスポリ乳酸、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどが好ましく例示される。
前記のような超極細ポリエステル繊維の製造方法としては特に限定されないが、国際公開第2005/095686号パンフレットに開示された方法が好ましい。すなわち、単繊維径およびその均一性の点で、ポリエステルポリマーからなりかつその島径(D)が500〜1000nmである島成分と、前記のポリエステルポリマーよりもアルカリ水溶液易溶解性ポリマー(以下、「易溶解性ポリマー」ということもある。)からなる海成分とを有する複合繊維をカットした後にアルカリ減量加工を施し、前記海成分を溶解除去したものであることが好ましい。なお、前記島径は、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定が可能である。なお、島の形状が丸断面以外の異型断面である場合には、前記の島径(D)は、その外接円の直径を用いる。
ここで、海成分を形成するアルカリ水溶液易溶解性ポリマーの、島成分を形成するポリエステルポリマーに対する溶解速度比が200以上(好ましくは300〜3000)であると、島分離性が良好となり好ましい。溶解速度が200倍未満の場合には、繊維断面中央部の海成分を溶解する間に、分離した繊維断面表層部の島成分が、繊維径が小さいために溶解されるため、海相当分が減量されているにもかかわらず、繊維断面中央部の海成分を完全に溶解除去できず、島成分の太さ斑や島成分自体の溶剤侵食につながり、均一な繊維径の超極細繊維が得ることができないおそれがある。
海成分を形成する易溶解性ポリマーとしては、特に繊維形成性の良いポリエステル類、脂肪族ポリアミド類、ポリエチレンやポリスチレン等のポリオレフィン類を好ましい例としてあげることができる。更に具体例を挙げれば、アルカリ水溶液易溶解性ポリマーとして、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキサイド縮合系ポリマー、ポリアルキレングリコール系化合物と5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合ポリエステルが最適である。ここでアルカリ水溶液とは、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム水溶液などを言う。これ以外にも、ナイロン6やナイロン66等の脂肪族ポリアミドに対するギ酸、ポリスチレンに対するトリクロロエチレン等やポリエチレン(特に高圧法低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン)に対する熱トルエンやキシレン等の炭化水素系溶剤、ポリビニルアルコールやエチレン変性ビニルアルコール系ポリマーに対する熱水を例として挙げることができる。
ポリエステル系ポリマーの中でも、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6〜12モル%と分子量4000〜12000のポリエチレングリコールを3〜10重量%共重合させた固有粘度が0.4〜0.6のポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルが好ましい。ここで、5−ナトリウムスルホイソフタル酸は親水性と溶融粘度向上に寄与し、ポリエチレングリコール(PEG)は親水性を向上させる。また、PEGは分子量が大きいほど、その高次構造に起因すると考えられる親水性増加作用があるが、反応性が悪くなってブレンド系になるため、耐熱性や紡糸安定性の面で問題が生じる可能性がある。また、共重合量が10重量%以上になると、溶融粘度低下作用があるので、好ましくない。
一方、島成分を形成するポリエステルポリマーとしては、前述のとおりである。なお、海成分を形成するポリマーおよび島成分を形成するポリマーについて、製糸性および抽出後の超極細繊維の物性に影響を及ぼさない範囲で、必要に応じて、有機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂等の離型改良剤、等の各種添加剤を含んでいても差しつかえない。
前記の海島型複合繊維において、溶融紡糸時における海成分の溶融粘度が島成分ポリマーの溶融粘度よりも大きいことが好ましい。かかる関係にある場合には、海成分の複合重量比率が40%未満と少なくなっても、島同士が接合したり、島成分の大部分が接合して海島型複合繊維とは異なるものになり難い。
好ましい溶融粘度比(海/島)は、1.1〜2.0、特に1.3〜1.5の範囲である。この比が1.1倍未満の場合には溶融紡糸時に島成分が接合しやすくなり、一方2.0倍を越える場合には、粘度差が大きすぎるために紡糸調子が低下しやすい。
次に島数は、100以上(より好ましくは300〜1000)であることが好ましい。また、その海島複合重量比率(海:島)は、20:80〜80:20の範囲が好ましい。かかる範囲であれば、島間の海成分の厚みを薄くすることができ、海成分の溶解除去が容易となり、島成分の極細繊維への転換が容易になるので好ましい。ここで海成分の割合が80%を越える場合には海成分の厚みが厚くなりすぎ、一方20%未満の場合には海成分の量が少なくなりすぎて、島間に接合が発生しやすくなる。
溶融紡糸に用いられる口金としては、島成分を形成するための中空ピン群や微細孔群を有するものなど任意のものを用いることができる。例えば、中空ピンや微細孔より押し出された島成分とその間を埋める形で流路を設計されている海成分流とを合流し、これを圧縮することにより海島断面が形成されるといった紡糸口金でもよい。吐出された海島型複合繊維は冷却風により固化され、所定の引き取り速度に設定した回転ローラーあるいはエジェクターにより引き取られ、未延伸糸を得る。この引き取り速度は特に限定されないが、200〜5000m/分であることが望ましい。200m/分以下では生産性が悪い。また、5000m/分以上では紡糸安定性が悪い。
得られた未延伸糸は、海成分を抽出後に得られる超極細繊維の用途・目的に応じて、そのままカット工程あるいはその後の抽出工程に供してもよいし、目的とする強度・伸度・熱収縮特性に合わせるために、延伸工程や熱処理工程を経由して、カット工程あるいはその後の抽出工程に供することができる。延伸工程は紡糸と延伸を別ステップで行う別延方式でもよいし、一工程内で紡糸後直ちに延伸を行う直延方式を用いてもかまわない。
次に、かかる複合繊維を、島径(D)に対する繊維長(L)の比(L/D)が前記の範囲内となるようにカットした後、アルカリ減量加工を施すことにより、前記海成分を溶解除去する。かかるカットは、未延伸糸または延伸糸をそのまま、またいは数十本〜数百万本単位に束ねたトウにしてギロチンカッターやロータリーカッターなどでカットすることが好ましい。
前記のアルカリ減量加工は、不織布を製造後に行うことが好ましいが、不織布の製造前であってもよい。かかるアルカリ減量加工において、繊維とアルカリ液の比率(浴比)は0.1〜5%である事が好ましく、さらには0.4〜3%である事が好ましい。0.1%未満では繊維とアルカリ液の接触は多いものの、排水等の工程性が困難となるおそれがある。一方、5%以上では繊維量が多過ぎるため、アルカリ減量加工時に繊維同士の絡み合いが発生するおそれがある。なお、浴比は下記式にて定義する。
浴比(%)=(繊維質量(gr)/アルカリ水溶液質量(gr)×100)
また、アルカリ減量加工の処理時間は5〜60分である事が好ましく、さらには10〜30分である事が好ましい。5分未満ではアルカリ減量が不十分となるおそれがある。一方、60分以上では島成分までも減量されるおそれがある。
また、アルカリ減量加工において、アルカリ濃度は2%〜10%である事が好ましい。2%未満では、アルカリ不足となり、減量速度が極めて遅くなるおそれがある。一方、10%を越えるとアルカリ減量が進みすぎ、島部分まで減量されるおそれがある。
本発明において、ポリエステル繊維Bの単繊維繊度が0.5〜3.3dtexの範囲内であることが肝要である。該単繊維繊度が0.5dtex未満では、不織布を製造する際の開繊工程において、ポリエステル繊維B同士が固まりになったり、均一分散性が得られないおそれがあり好ましくない。逆に、該単繊維繊度が3.3dtexよりも大きいと、不織布の地合いが悪くなるおそれがあり好ましくない。
前記ポリエステル繊維Bの繊維長は30〜70mmの範囲内にあることが肝要である。該繊維長が30mm未満では、開繊工程での操業性が悪くなるおそれがあり好ましくない。逆に、該繊維長が70mmを越えると、繊維同士の絡みが大きくなるため好ましくない。
本発明の乾式不織布は、例えば以下の製造方法により製造することができる。まず、前記の超極細ポリエステル繊維Aまたはその前駆体(海島型複合繊維)と、前記のポリエステル繊維Bとを、超極細ポリエステル繊維A(海島型複合繊維の海成分を溶解除去した後の重量)とポリエステル繊維Bとの重量比が(前者/後者)3/97〜50/50の範囲内となるように用意する。ここで、超極細ポリエステル繊維Aの重量割合が該重量比よりも小さいと、フィルター性能やワイピング性能の性能向上が不十分となり好ましくない。逆に、超極細ポリエステル繊維Aの重量割合が該重量比よりも大きいと、超極細ポリエステル繊維A同士の絡みや繊維脱落の可能性が高くなり好ましくない。なお、不織布全重量に対して10重量%以下であれば、他の繊維をも用いてもよい。
次いで、比較的長い短繊維を針の付いたローラーを用いて繊維を開繊混合するカード法か、比較的短い短繊維を穴明きドラムに送り空気により分散しウェブを形成するエアレイド法等によりウェブを形成した後、絡合/熱処理工程により構造を固定する。その際、繊維の固定方法としては、ニードルによる繊維同士の絡み合い(ニードルパンチ法)、高圧水流による繊維同士の絡み合い(スパンレース法)等を適宜用いることが出来る。
次いで、必要に応じて、前述のようにアルカリ減量加工を施すことにより、海島型複合繊維の海成分を溶解除去することにより、乾式不織布が得られる。
かくして得られた乾式不織布において、その目付けが20〜200g/m(より好ましくは30〜100g/m)の範囲内であることが肝要である。該目付けが20g/m未満では、フィルター性能やワイピング性能などの性能が十分に得られず好ましくない。逆に、該目付けが200g/mよりも大きいと、高圧水流やニードルにより繊維を絡み合せる際に繊維同士の絡み合いが不十分となったり、アルカリ減量加工で海島型複合繊維の海成分を溶解除去する際、十分に除去できなくなるおそれがある。
また、かかる乾式不織布において、通気度が200cc/cm/sec以下(より好ましくは、80〜180cc/cm/sec)であることが好ましい。該通気度が200cc/cm/secよりも大きいと、フィルター性能やワイピング性能などの性能が十分に得られないおそれがある。なお、前記通気度はJIS L1096 6.27.1 A法(フラジール法)により測定するものとする。
本発明の乾式不織布には、必要に応じて、常法の染色加工、カレンダー加工、エンボス加工、親水加工、撥水加工、揉み加工、起毛加工など適宜施してもよい。
本発明の乾式不織布は、超極細ポリエステル繊維が含まれ、かつ地合いが均一であるので、フィルター用またはワイピング用として特に好適に使用することのできる。もちろん、他の用途(例えば、柔軟性が必要な衛生材料用、極細繊維の効果を発揮出来る断熱や吸音資材用など)に用いてもさしつかえない。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
(1)溶融粘度
乾燥処理後のポリマーを紡糸時のルーダー溶融温度に設定したオリフィスにセットして5分間溶融保持したのち、数水準の荷重をかけて押し出し、そのときのせん断速度と溶融粘度をプロットする。そのプロットをなだらかにつないで、せん断速度−溶融粘度曲線を作成し、せん断速度が1000秒−1の時の溶融粘度を見た。
(2)溶解速度測定
海成分および島成分のポリマーを、各々、径0.3mm、長さ0.6mmのキャピラリーを24孔もつ口金から吐出し、1000〜2000m/分の紡糸速度で引き取って得た未延伸糸を残留伸度が30〜60%の範囲になるように延伸して、83dtex/24フィラメントのマルチフィラメントを作成した。これを所定の溶剤および溶解温度で浴比100として、溶解時間と溶解量から減量速度を算出した。
(3)島径との測定
透過型電子顕微鏡TEMで、倍率30000倍で繊維断面写真を撮影し、測定した。TEMの機械によっては測長機能を活用して測定し、また無いTEMについては、撮った写真を拡大コピーして、縮尺を考慮した上で定規にて測定すればよい。ただし、繊維径は、繊維断面におけるその外接円の直径を用いた(n数5の平均値)。
(4)繊維長
走査型電子顕微鏡(SEM)により、海成分溶解除去前の超極細短繊維を基盤上に寝かせた状態とし、20〜500倍で測定した。SEMの測長機能を活用して測定した(n数5の平均値)。
(5)引張り強度(裂断長)
JIS P8113(紙及び板紙の引張強さ試験方法)に基づいて実施した。
(6)孔径
西華産業(株)製PMIパームポロメーター(ASTM E1294−89準拠)を用いて、最大孔径、平均孔径の測定を実施した。
(7)伸度
JIS P8132(紙及び板紙の伸び試験方法)に基づいて実施した。
(8)目付
JIS P8124(紙のメートル坪量測定方法)に基づいて実施した。
(9)厚み
JIS P8118(紙及び板紙の厚さと密度の試験方法)に基づいて実施した。
(10)密度
JIS P8118(紙及び板紙の厚さと密度の試験方法)に基づいて実施した。
(11)地合い
出来上がったサンプルの表面の状態を目視にて4段階判定を実施した(地合いが良いものから順に、◎、○、△、×)
(12)通気度
JIS L1096 6.27.1 A法(フラジール法)により通気度を測定した。
[実施例1]
島成分に285℃での溶融粘度が120Pa・secのポリエチレンテレフタレート、海成分に285℃での溶融粘度が135Pa・secである平均分子量4000のポリエチレングリコールを4重量%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を9mol%共重合した改質ポリエチレンテレフタレートを使用し、海:島=10:90の重量比率で島数400の口金を用いて紡糸し、紡糸速度1500m/minで引き取った。海成分と島成分とのアルカリ減量速度差は1000倍であった。これを3.9倍に延伸した後(複合繊維の単繊維径25μm(丸断面)、島成分の径750nm(丸断面))、押し込み捲縮機を用いて、繊維に捲縮を付与させた後に、ギロチンカッターで44mmにカットした超極細ポリエステル前駆体繊維とした。この前駆体繊維と常法により製造されたポリエチレンテレフタレート繊維(1.7dtex×44mm、丸断面)を10/90の比率で混綿した後にローラーカードを用いて均一なウェブを得た。このウェブを秤量(目付50g/mに調整)し、50メッシュの金属メッシュの上に置き、ウォーターニードル試験機を用いて高圧水流による絡合処理を施した(ノズル0.1mmφ、2列千鳥、294N/cm(30kg/cm)、2m/min、表裏各2回)。これを、4%NaOH水溶液(75℃、30分)で処理(前駆体繊維が約10%減量)する事により、前駆体繊維(複合繊維)の海成分を除去した後に、エアースルー乾燥機にて乾燥を行った。得られた乾式不織布の物性を表1に示す。
また、かかる乾式不織布を用いてフィルターを得たところ、優れたフィルター性能を有するものであった。また、前記乾式不織布を用いてワイピング材を得たところ優れたワイピング性能を有するものであった。
[実施例2]
実施例1で用いた前駆体繊維とポリエステル繊維の比率を30/70に変更した以外は同様の条件にて、不織布を製造した。得られた不織布の物性を表1に示す。
[実施例3]
実施例1と同じ繊維、同じ比率であるのに対して、目付を変更(100g/m)し、ウォーターニードル試験機の水圧条件を変更(588N/cm(60kg/cm)、表裏各2回)し不織布を製造した。得られた不織布の物性を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で用いた前駆体繊維とポリエステル繊維の比率を60/40に変更した以外は同様の条件で不織布を製造した。得られた不織布の物性を表1に示す。
[比較例2]
実施例1と同じ繊維、同じ比率であるのに対して、目付を変更(300g/m)し、ウォーターニードル試験機の水圧条件を変更(980N/cm(100kg/cm)、表裏各2回)し不織布を製造した。得られた不織布の物性を表1に示す。
[比較例3]
実施例1で用いたポリエステル繊維のみを用いる以外は同様の条件で不織布を製造した。得られた不織布の物性を表1に示す。かかる不織布には超極細繊維が含まれていないので、フィルター性能やワイピング性能に劣るものであった。
[比較例4]
実施例1で使用した超極細繊維の繊維長を変更し、(アスペクト比(L/D)=150000)とした以外は実施例1と同様にした。アスペクト比が大きくなった為、分散性が悪化し、斑が多い(地合い×)サンプルとなった。
[比較例5]
実施例1で使用した超極細繊維の繊維長を変更し、(アスペクト比(L/D)=20000)とした以外は実施例1と同様にした。アスペクト比が小さくなった為、分散性が更に向上した反面、湿紙強度が弱く、工程性の悪化及び乾燥時の収縮率がアップし、斑が多い(地合い×)サンプルとなった。
Figure 0004922964
本発明によれば、超極細ポリエステル繊維を含み、フィルター用またはワイピング用として特に好適に使用することのできる、地合いが均一な乾式不織布が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (7)

  1. 目付けが20〜200g/mの乾式不織布であって、ポリエステルからなり単繊維径(D)が500〜1000nmかつ該単繊維径(D)nmに対する繊維長(L)nmの比(L/D)が30000〜140000の範囲内である超極細ポリエステル繊維Aと、単繊維繊度0.5〜3.3dtex、かつ繊維長30〜70mmのポリエステル繊維Bとが、前者/後者の重量比3/97〜50/50で含まれることを特徴とする乾式不織布。
  2. 前記超極細ポリエステル繊維Aが、ポリエステルからなりかつその島径(D)が500〜1000nmである島成分と、前記のポリエステルよりもアルカリ水溶液易溶解性ポリマーからなる海成分とを有する複合繊維をカットした後にアルカリ減量加工を施すことにより、前記海成分を溶解除去したものである、請求項1に記載の乾式不織布。
  3. 前記の複合繊維において、海成分が、5-ナトリウムスルホン酸を6〜12モル%および分子量4000〜12000のポリエチレングリコールを3〜10重量%共重合したポリエチレンテレフタレートである、請求項2に記載の乾式不織布。
  4. 前記の複合繊維において島数が100以上である、請求項2または請求項3に記載の乾式不織布。
  5. 前記の複合繊維において、海成分と島成分との複合重量比率(海:島)が20:80〜80:20の範囲内である、請求項2〜4のいずれかにに記載の乾式不織布。
  6. 通気度が200cc/cm/sec以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の乾式不織布。
  7. 乾式不織布がフィルター用またはワイピング用である、請求項1〜6のいずれかに記載の乾式不織布。
JP2008038865A 2008-02-20 2008-02-20 乾式不織布 Expired - Fee Related JP4922964B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008038865A JP4922964B2 (ja) 2008-02-20 2008-02-20 乾式不織布

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008038865A JP4922964B2 (ja) 2008-02-20 2008-02-20 乾式不織布

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009197355A JP2009197355A (ja) 2009-09-03
JP4922964B2 true JP4922964B2 (ja) 2012-04-25

Family

ID=41141169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008038865A Expired - Fee Related JP4922964B2 (ja) 2008-02-20 2008-02-20 乾式不織布

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4922964B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5864212B2 (ja) * 2011-10-26 2016-02-17 帝人株式会社 遮熱シート
JP5908709B2 (ja) * 2011-12-09 2016-04-26 帝人株式会社 フィルター用不織布およびその製造方法およびフィルター

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06116854A (ja) * 1991-04-03 1994-04-26 Toyobo Co Ltd 特殊不織布
JPH08209521A (ja) * 1995-02-07 1996-08-13 Mitsubishi Rayon Co Ltd 高捕集効率フィルターの製造方法
JP4821127B2 (ja) * 2004-02-13 2011-11-24 東レ株式会社 ナノファイバー不織布
JP2005319347A (ja) * 2004-05-06 2005-11-17 Kuraray Co Ltd フィルター用濾材及びフィルター
JP4950472B2 (ja) * 2005-10-17 2012-06-13 帝人ファイバー株式会社 短カットナノファイバーの製造方法
JP2008007870A (ja) * 2006-06-28 2008-01-17 Teijin Fibers Ltd ポリエステル微細繊維およびその繊維製品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009197355A (ja) 2009-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5027688B2 (ja) 柔軟性不織布
JP4976487B2 (ja) 湿式不織布およびフィルター
JP4976488B2 (ja) 薄葉紙
JP5284889B2 (ja) 繊維製品
JP4950472B2 (ja) 短カットナノファイバーの製造方法
JP5607748B2 (ja) フィルター用多層ろ材およびフィルター
JP2010070870A (ja) 不織布の製造方法および不織布および不織布構造体および繊維製品
US10550803B2 (en) Filter medium for filter, method for producing the same, and filter
JP6397121B2 (ja) バグフィルター用ろ過布およびその製造方法およびバグフィルター
JP2013256739A (ja) マスク用不織布およびマスク
JP2014074246A (ja) 液体ろ過フィルター用湿式不織布および液体ろ過フィルター
JP4994313B2 (ja) 短カットナノファイバーの製造方法および湿式不織布の製造方法
JP5558989B2 (ja) コスメテイック製品用不織布およびコスメテイック製品
JP2012223396A (ja) コスメテイック製品用不織布およびコスメテイック製品
JP2013256461A (ja) 人体肌接触用シートおよびコスメテイック製品
JP2019199668A (ja) マスク用濾材およびマスク
JP2012092461A (ja) 薄葉紙
JP4922964B2 (ja) 乾式不織布
JP2012237084A (ja) フィルター用不織布およびエアーフィルター
JP2012092466A (ja) 湿式不織布および繊維製品
JP6462368B2 (ja) 湿式不織布および障子紙および製品
JP3185098U (ja) 化粧用パフ
JP3197714U (ja) 洗浄用手袋
JP2013118950A (ja) あぶらとり紙
JP5864212B2 (ja) 遮熱シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101209

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110706

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20110706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150210

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150210

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150210

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees