JP3185098U - 化粧用パフ - Google Patents

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Abstract

【課題】地合いが均一で柔軟性に富み、かつ皮膚への追随性に優れた化粧用パフを提供する。
【解決手段】中綿を含む中綿層12と、該中綿層の少なくとも一表面に積層してなる不織布11とを含む化粧用パフ10であって、前記不織布が、ポリエステルからなり単繊維径(D)が10〜1000nmかつ該単繊維径(D)nmに対する繊維長(L)nmの比(L/D)が600〜3000の範囲内である極細ポリエステル繊維Aと、単繊維繊度0.02〜0.9dtexかつ繊維長3〜20mmのポリエステル繊維Bとを含む。
【選択図】図1

Description

本考案は、地合いが均一で柔軟性に富み、かつ皮膚への追随性に優れた化粧用パフに関する。
従来、化粧用パフとしては脱脂綿を主体とした物が多く用いられていたが、使用中においても、皮膚表面に繊維用の毛羽が残り易く、使用者においては使い心地の悪いものであった。
それを改良すべく、エアレイド不織布シートを用いたもの(例えば、特許文献1参照)、コットンスパンレースからなる表面シートを中綿のまわりを被覆したもの(例えば、特許文献2参照)、再生セルロース繊維不織布を外層材に使用し、内層部に熱融着性繊維を含有したもの(例えば、特許文献3参照)等が提案されている。
しかしながら、表面の柔軟性、皮膚への追随性、表面毛羽の対策の点でまだ満足とはいえなかった。
特開2010−94373号公報 特開2009−285314号公報 特開2007−195614号公報
本考案は、上記の背景に鑑みなされたものであり、地合いが均一で柔軟性に富み、かつ皮膚への追随性に優れた化粧用パフを提供することにある。
本考案者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、中綿を含む中綿層に、特定の単繊維径および繊維長を有する極細ポリエステル繊維と、特定の単繊維繊度および繊維長を有するポリエステル繊維とを含む不織布を積層することにより、地合いが均一で柔軟性に富み、かつ皮膚への追随性に優れた化粧用パフが得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本考案に到達した。
かくして、本考案によれば「中綿を含む中綿層と、該中綿層の少なくとも一表面に積層してなる不織布とを含む化粧用パフであって、前記不織布が、ポリエステルからなり単繊維径(D)が10〜1000nmかつ該単繊維径(D)nmに対する繊維長(L)nmの比(L/D)が600〜3000の範囲内である極細ポリエステル繊維Aと、単繊維繊度0.02〜0.9dtexかつ繊維長3〜20mmのポリエステル繊維Bとを含むことを特徴とする化粧用パフ。」が提供される。
その際、前記中綿が、コットン、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、およびレーヨン繊維からなる群より選択される少なくとも1種からなることが好ましい。また、前記極細ポリエステル繊維Aが、ポリエステルからなりかつその島径(D)が10〜1000nmである島成分と、前記のポリエステルよりもアルカリ水溶液易溶解性ポリマーからなる海成分とを有する複合繊維にアルカリ減量加工を施すことにより、前記海成分を溶解除去したものであることが好ましい。また、前記極細ポリエステル繊維Aと前記ポリエステル繊維Bとの重量比が(極細ポリエステル繊維A/ポリエステル繊維B)1/99〜50/50の範囲内であることが好ましい。また、前記不織布の目付けが15〜50g/mの範囲内であることが好ましい。また、前記不織布が、湿式抄紙法によりシートを抄紙後、さらに高圧水流により繊維同士を絡合させた不織布であることが好ましい。その際、前記高圧水流処理を行う際、原綿組成を互いに異にするシートを2層以上積層して高圧水流処理したものであることが好ましい。また、前記不織布の引張強度が2N/5cm以上であることが好ましい。また、化粧用パフ全体重量に対する前記不織布の重量比が1〜25重量%の範囲内であることが好ましい。
本考案によれば、地合いが均一で柔軟性に富み、かつ皮膚への追随性に優れた化粧用パフが得られる。
本考案の化粧用パフの一例を示す図(縦断面図)である。 本考案の化粧用パフの他の例を示す図(縦断面図)である。
以下、本考案の化粧用パフについて詳細に説明する。
本考案において、極細ポリエステル繊維Aの単繊維径が10〜1000nm(より好ましくは50〜800nm)の範囲内であることが肝要である。該単繊維径が10nm未満では、極細ポリエステル繊維A同士が擬似膠着しやすく均一分散しにくいため好ましくない。逆に、該該単繊維径が1000nmより大きいと、極細ポリエステル繊維としての効果が低くなり、不織布の柔軟性が損われるおそれがあり好ましくない。なお、単繊維の断面形状が丸断面以外の異型断面である場合には外接円の直径を単繊維径とする。また、単繊維径は、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定が可能である。
また、前記極細ポリエステル繊維Aにおいて、単繊維径(D)nmに対する繊維長(L)nmの比(L/D)が600〜3000(好ましくは800〜1500)の範囲内であることが肝要である。該比(L/D)が600未満では、繊維長が短くなり過ぎるため、他の繊維との絡みが小さくなり、繊維が脱落する可能性が高くなり好ましくない。逆に、該比(L/D)が3000を越える場合、繊維長が長くなりすぎ、極細ポリエステル繊維A自身の絡みが大きくなり、均一分散が阻害されるおそれがあり好ましくない。
前記極細ポリエステル繊維Aを形成するポリエステルの種類としては、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ステレオコンプレックスポリ乳酸、ポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステルなどが好ましく例示される。さらには、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステル、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステル、これらに第3成分(例えば、ナトリウムスルホイソフタル酸などのカチオン染料可染性アニオン成分)を含んだものなども好ましく例示される。
前記の極細ポリエステル繊維Aの製造方法としては特に限定されないが、国際公開第2005/095686号パンフレットに開示された方法が好ましい。すなわち、単繊維径およびその均一性の点で、ポリエステルポリマーからなりかつその島径(D)が10〜1000nmである島成分と、前記のポリエステルポリマーよりもアルカリ水溶液易溶解性ポリマー(以下、「易溶解性ポリマー」ということもある。)からなる海成分とを有する複合繊維にアルカリ減量加工を施し、前記海成分を溶解除去したものであることが好ましい。なお、前記島径は、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定が可能である。なお、島の形状が丸断面以外の異型断面である場合には、前記の島径(D)は、その外接円の直径を用いる。
ここで、海成分を形成するアルカリ水溶液易溶解性ポリマーの、島成分を形成するポリエステルポリマーに対する溶解速度比が200以上(好ましくは300〜3000)であると、島分離性が良好となり好ましい。溶解速度が200倍未満の場合には、繊維断面中央部の海成分を溶解する間に、分離した繊維断面表層部の島成分が、繊維径が小さいために溶解されるため、海相当分が減量されているにもかかわらず、繊維断面中央部の海成分
を完全に溶解除去できず、島成分の太さ斑や島成分自体の溶剤侵食につながり、均一な繊維径の超極細繊維が得ることができないおそれがある。
海成分を形成する易溶解性ポリマーとしては、特に繊維形成性の良いポリエステル類、脂肪族ポリアミド類、ポリエチレンやポリスチレン等のポリオレフィン類を好ましい例としてあげることができる。更に具体例を挙げれば、アルカリ水溶液易溶解性ポリマーとして、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキサイド縮合系ポリマー、ポリアルキレングリコール系化合物と5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合ポリエステルが最適である。ここでアルカリ水溶液とは、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム水溶液などを言う。これ以外にも、ナイロン6やナイロン66等の脂肪族ポリアミドに対するギ酸、ポリスチレンに対するトリクロロエチレン等やポリエチレン(特に高圧法低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン)に対する熱トルエンやキシレン等の炭化水素系溶剤、ポリビニルアルコールやエチレン変性ビニルアルコール系ポリマーに対する熱水を例として挙げる
ことができる。
ポリエステル系ポリマーの中でも、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6〜12モル%と分子量4000〜12000のポリエチレングリコールを3〜10重量%共重合させた固有粘度が0.4〜0.6のポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルが好ましい。ここで、5−ナトリウムスルホイソフタル酸は親水性と溶融粘度向上に寄与し、ポリエチレングリコール(PEG)は親水性を向上させる。また、PEGは分子量が大きいほど、その高次構造に起因すると考えられる親水性増加作用があるが、反応性が悪くなってブレンド系になるため、耐熱性や紡糸安定性の面で問題が生じる可能性がある。また、共重合量が10重量%以上になると、溶融粘度が低下するおそれがある。
一方、島成分を形成するポリエステルポリマーとしては、前述のとおりである。なお、海成分を形成するポリマーおよび島成分を形成するポリマーについて、製糸性および抽出後の超極細繊維の物性に影響を及ぼさない範囲で、必要に応じて、有機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂等の離型改良剤、等の各種添加剤を含んでいてもよい。
前記の海島型複合繊維において、溶融紡糸時における海成分の溶融粘度が島成分ポリマーの溶融粘度よりも大きいことが好ましい。かかる関係にある場合には、海成分の複合重量比率が40%未満と少なくなっても、島同士が接合したり、島成分の大部分が接合して海島型複合繊維とは異なるものになり難い。
好ましい溶融粘度比(海/島)は、1.1〜2.0、特に1.3〜1.5の範囲である。この比が1.1倍未満の場合には溶融紡糸時に島成分が接合しやすくなり、一方2.0倍を越える場合には、粘度差が大きすぎるために紡糸調子が低下しやすい。
次に島数は、100以上(より好ましくは300〜1000)であることが好ましい。また、その海島複合重量比率(海:島)は、20:80〜80:20の範囲が好ましい。かかる範囲であれば、島間の海成分の厚みを薄くすることができ、海成分の溶解除去が容易となり、島成分の極細繊維への転換が容易になるので好ましい。ここで海成分の割合が80%を越える場合には海成分の厚みが厚くなりすぎ、一方20%未満の場合には海成分の量が少なくなりすぎて、島間に接合が発生しやすくなる。
溶融紡糸に用いられる口金としては、島成分を形成するための中空ピン群や微細孔群を有するものなど任意のものを用いることができる。例えば、中空ピンや微細孔より押し出された島成分とその間を埋める形で流路を設計されている海成分流とを合流し、これを圧縮することにより海島断面が形成されるといった紡糸口金でもよい。吐出された海島型複合繊維は冷却風により固化され、所定の引き取り速度に設定した回転ローラあるいはエジェクターにより引き取られ、未延伸糸を得る。この引き取り速度は特に限定されないが、200〜5000m/分であることが望ましい。200m/分未満では生産性が悪くなるおそれがある。また、5000m/分を越えると紡糸安定性が悪くなるおそれがある。
得られた未延伸糸は、海成分を抽出後に得られる極細繊維の用途・目的に応じて、そのままカット工程あるいはその後の抽出工程に供してもよいし、目的とする強度・伸度・熱収縮特性に合わせるために、延伸工程や熱処理工程を経由して、カット工程あるいはその後の抽出工程に供することができる。延伸工程は紡糸と延伸を別ステップで行う別延方式でもよいし、一工程内で紡糸後直ちに延伸を行う直延方式を用いてもかまわない。
次に、かかる複合繊維を、島径(D)に対する繊維長(L)の比(L/D)が前記の範囲内となるようにカットした後、アルカリ減量加工を施すことにより、前記海成分を溶解除去する。または、かかる複合繊維にアルカリ減量加工を施すことにより、前記海成分を溶解除去した後、カットする。かかるカットは、未延伸糸または延伸糸をそのまま、または数十本〜数百万本単位に束ねたトウにしてギロチンカッターやロータリーカッターなどでカットすることが好ましい。
前記のアルカリ減量加工は、不織布を製造後であってもよいし、不織布の製造前であってもよい。かかるアルカリ減量加工において、繊維とアルカリ液の比率(浴比)は0.1〜5%であることが好ましく、さらには0.4〜3%であることが好ましい。0.1%未満では繊維とアルカリ液の接触は多いものの、排水等の工程性が困難となるおそれがある。一方、5%以上では繊維量が多過ぎるため、アルカリ減量加工時に繊維同士の絡み合いが発生するおそれがある。なお、浴比は下記式にて定義する。
浴比(%)=(繊維質量(gr)/アルカリ水溶液質量(gr)×100)
また、アルカリ減量加工の処理時間は5〜60分であることが好ましく、さらには10〜30分であることが好ましい。5分未満ではアルカリ減量が不十分となるおそれがある。一方、60分以上では島成分までも減量されるおそれがある。
また、アルカリ減量加工において、アルカリ濃度は2%〜10%であることが好ましい。2%未満では、アルカリ不足となり、減量速度が極めて遅くなるおそれがある。一方、10%を越えるとアルカリ減量が進みすぎ、島部分まで減量されるおそれがある。
本考案において、ポリエステル繊維Bの単繊維繊度が0.02〜0.9dtexの範囲内であることが肝要である。該単繊維繊度が0.02dtex未満では、風合いが柔らかくなるものの、抄紙工程における水流の影響を受け易く地合いが悪くなるおそれがあり、好ましくない。逆に、該単繊維繊度が0.9dtexを越えると、柔軟性が損われるおそれがあり好ましくない。
前記ポリエステル繊維Bの繊維長は3〜20mmの範囲内にあることが肝要である。該繊維長が3mm未満では、不織布の強度が低下するおそれがあり好ましくない。逆に、該繊維長が20mmを越えると、抄紙法による繊維分散が極めて悪くなり、地合いが悪化するおそれがあり好ましくない。
前記不織布は、例えば以下の製造方法により製造することができる。まず、前記の極細ポリエステル繊維Aまたはその前駆体(海島型複合繊維)と、前記のポリエステル繊維Bとを用意する。その際、極細ポリエステル繊維A(海島型複合繊維の海成分を溶解除去した後の重量)とポリエステル繊維Bとの重量比が(前者/後者)1/99〜50/50の範囲内となるように用意することが好ましい。ここで、極細ポリエステル繊維Aの重量割合が該重量比よりも小さいと、柔軟性が損われるおそれがある。逆に、極細ポリエステル繊維Aの重量割合が該重量比よりも大きいと、不織布を製造する際の工程性が悪くなるおそれがある。なお、さらに他の繊維をも用いてもよいが、かかる他の繊維の重量割合は不織布全重量に対して10重量%以下であることが好ましい。
次いで、湿式抄造法によりウェブを形成した後、熱処理工程を経てから、高圧水流処理を施してもよいし、湿式抄造法により得られたウェブを未乾燥のまま、高圧水流処理を施してもよい。不織布の生産性を考慮した場合、熱処理工程を経てから高圧水流処理を施す方が好ましい。また、比較的長い短繊維を針の付いたローラを用いて繊維を開繊混合するカード法か、比較的短い短繊維を穴明きドラムに送り空気により分散しウェブを形成するエアレイド法等によりウェブを形成した後、絡合/熱処理工程により構造を固定してもよいが、前記の湿式抄造法のほうが好ましい。
なお、前記高圧水流を行う際、シートは単体でもよいし、原綿組成を互いに異にするシートを2層以上積層してもよい。また、前記高圧水流を行う際、前記シートと他の布帛とを積層してもよい。その際、かかる布帛としてはポリエステル繊維からなる織編物や不織布などが好ましい。
かくして得られた不織布において、その目付けが15〜50g/m(より好ましくは20〜40g/m)の範囲内であることが好ましい。該目付けが15g/m未満では、高圧水流処理を施す際に繊維が脱落するおそれがある。逆に、該目付けが50g/mを越えると、不織布の柔軟性が損われ、化粧用パフとして使用するのに皮膚への追随性が低下するおそれがある。
また、前記不織布の引張強度が2N/5cm以上であることが好ましい。ただし、かかる引張強度は、JIS L1096(一般織物試験方法)により不織布のタテ方向とヨコ方向について測定しその平均値を求めるものとする。このような引張強度は前記の範囲内で適宜最適化することにより得られる。
本考案の化粧用パフにおいて、中綿層に含まれる中綿としては、コットン、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ナイロン繊維のいずれか単独、あるいは組み合わせによって用いられる事がクッション性、化粧液の浸透性、保持性等の観点から好ましい。
前記中綿の単繊維繊度および繊維長としては、クッション性、化粧液の浸透性、保持性等の観点から単繊維繊度0.5〜3.0dtex、繊維長5〜80mmの範囲内であることが好ましい。
また、前記中綿層の組織は限定されない。織物や編物でもよいが、クッション性、化粧液の浸透性、保持性等の観点から、常法のカード法により得られたカードウエブが好ましい。
本考案の化粧用パフにおいて、前記中綿層の少なくとも一表面に前記不織布が積層されている。その際、図1に示すように、中綿層の一方表面に不織布を積層するか、または、図2に示すように、中綿層をはさむように中綿層の両表面に不織布を積層することが好ましい。
ここで、化粧用パフ全体重量に対する前記不織布(片側表面の不織布)の重量比が1〜25重量%(より好ましくは1〜20重量%)の範囲内であることが好ましい。該重量比が25重量%よりも大きいと、クッション性の不足や表面の柔軟性が不足するおそれがある。
中綿層と不織布との接着方法については、特に限定されることはなく、クモの巣状の接着不織布、パウダー状バインダー、低融点フィルム等を用いることができる。なかでも、接着性と風合いとを両立させる上で、クモの巣状の接着不織布を用いることが好ましい。
なお、前記不織布には、必要に応じて、常法の染色加工、カレンダー加工、エンボス加工、親水加工、撥水加工など適宜施してもよい。
本考案の化粧用パフは、中綿を含む中綿層と、該中綿層の少なくとも一表面に積層してなる前記不織布とを含むので、地合いが均一で柔軟性に富み、かつ皮膚への追随性に優れる。また、表面毛羽も少なく高品位である。さらには、化粧液の保持性および放出性にも優れる。
次に本考案の実施例及び比較例を詳述するが、本考案はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
(1)溶融粘度
乾燥処理後のポリマーを紡糸時のルーダー溶融温度に設定したオリフィスにセットして5分間溶融保持したのち、数水準の荷重をかけて押し出し、そのときのせん断速度と溶融粘度をプロットする。そのプロットをなだらかにつないで、せん断速度−溶融粘度曲線を作成し、せん断速度が1000秒−1の時の溶融粘度を見た。
(2)溶解速度測定
海成分および島成分のポリマーを、各々、径0.3mm、長さ0.6mmのキャピラリーを24孔もつ口金から吐出し、1000〜2000m/分の紡糸速度で引き取って得た未延伸糸を残留伸度が30〜60%の範囲になるように延伸して、83dtex/24フィラメントのマルチフィラメントを得た。これを所定の溶剤および溶解温度で浴比100として、溶解時間と溶解量から減量速度を算出した。
(3)島径との測定
透過型電子顕微鏡TEMで、倍率30000倍で繊維断面写真を撮影し、測定した。TEMの測長機能を活用して測定した。ただし、繊維径は、繊維断面におけるその外接円の直径を用いた(n数5の平均値)。
(4)繊維長
走査型電子顕微鏡(SEM)により、海成分溶解除去前の極細短繊維を基盤上に寝かせた状態とし、20〜500倍で測定した。SEMの測長機能を活用して測定した(n数5の平均値)。
(5)引張強度および伸度
JIS L1096(一般織物試験方法)に基づいて測定した。
(6)目付け
JIS P8124(紙のメートル坪量測定方法)に基づいて測定した。
(7)厚さ
JIS P8118(紙及び板紙の厚さと密度の試験方法)に基づいて測定した。
(8)密度
JIS P8118(紙及び板紙の厚さと密度の試験方法)に基づいて測定した。
(9)皮膚表面追随性
試験者の官能評価により、非常に優れている(◎)、優れている(○)、普通(△)、劣る(×)の4段階に評価した。
(10)表面毛羽
目視判定により品位を評価し、非常に優れている(◎)、優れている(○)、普通(△)、劣る(×)の4段階に評価した。
(11)化粧液保持性
化粧液の保持性を、非常に優れている(◎)、優れている(○)、普通(△)、劣る(×)の4段階に評価した。
(12)化粧液放出性
化粧液の放出性を、非常に優れている(◎)、優れている(○)、普通(△)、劣る(×)の4段階に評価した。
[実施例1]
島成分に285℃での溶融粘度が120Pa・secのポリエチレンテレフタレート、海成分に285℃での溶融粘度が135Pa・secである平均分子量4000のポリエチレングリコールを4重量%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を9mol%共重合した改質ポリエチレンテレフタレートを使用し、海:島=10:90の重量比率で島数400の口金を用いて紡糸し、紡糸速度1500m/minで引き取った。海成分と島成分とのアルカリ減量速度比は1000倍であった。これを3.9倍に延伸した後、ギロチンカッターで繊維長1000μmにカットして、極細短繊維前駆体を得た。これを4%NaOH水溶液で75℃にて10%減量したところ、繊維径と繊維長が均一である極細短繊維が生成していることを確認し、本繊維を極細ポリエステル繊維Aとした(単繊維径750nm、繊維長1mm(1000000nm)、L/D=1333)。
一方、ポリエチレンテレフタレート短繊維は常法によって製造されたポリエステル繊維B(単繊維繊度0.06dtex、繊維長5mm)を用意した。
両者を重量比率で(極細ポリエステル繊維A)20/(ポリエステル繊維B)80の比率で混合したスラリーを作製した後、傾斜短網抄紙機で湿紙を得た後に、ウォーターニードル加工機(ノズル0.1mmφ、2列千鳥、4ゾーン(上から下、下から上、下から上、上から下)196N/cm(20kg/cm)、速度10m/min)で絡合処理を施した後、エアースルードライヤーで乾燥処理を施し不織布を得た。
この不織布と、コットン100重量%からなるカードウエブにクモの巣状接着不織布(ポリエステル製、目付け12g/m)を用いて接着させて、化粧用パフを得た。得られた化粧用パフの特性を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、(極細ポリエステル繊維A)40/(ポリエステル繊維B)60の比率に変更したこと以外は実施例1と同様にした。得られた化粧用パフの特性を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において中綿をポリエステル繊維(丸断面、単繊維繊度1.7dtex、繊維長44mm)に変更したこと以外は実施例1と同様にした。得られた化粧用パフの特性を表1に示す。
[実施例4]
実施例1で使用した不織布を中綿層の両面にサンドイッチするように配置し、化粧用パフを得た。得られた化粧用パフの特性を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、ポリエステル繊維B(単繊維繊度0.06dtex、繊維長5mm)だけを用いて不織布を構成すること以外は実施例1と同様にした。得られた化粧用パフの特性を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、不織布としてキュプラ長繊維不織布(旭化成せんい製ベンリーゼ(商品名)、目付け30g/m)を用いること以外は実施例1と同様にした。得られた化粧用パフの特性を表1に示す。
本考案によれば、地合いが均一で柔軟性に富み、かつ皮膚への追随性に優れた化粧用パフが提供され、その工業的価値は極めて大である。
10 化粧用パフ(片面不織布タイプ)
11 不織布
12 中綿層
20 化粧用パフ(両面不織布タイプ)
21 表面不織布
22 中綿層

Claims (9)

  1. 中綿を含む中綿層と、該中綿層の少なくとも一表面に積層してなる不織布とを含む化粧用パフであって、
    前記不織布が、ポリエステルからなり単繊維径(D)が10〜1000nmかつ該単繊維径(D)nmに対する繊維長(L)nmの比(L/D)が600〜3000の範囲内である極細ポリエステル繊維Aと、単繊維繊度0.02〜0.9dtexかつ繊維長3〜20mmのポリエステル繊維Bとを含むことを特徴とする化粧用パフ。
  2. 前記中綿が、コットン、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、およびレーヨン繊維からなる群より選択される少なくとも1種からなる、請求項1に記載の化粧用パフ。
  3. 前記極細ポリエステル繊維Aが、ポリエステルからなりかつその島径(D)が10〜1000nmである島成分と、前記のポリエステルよりもアルカリ水溶液易溶解性ポリマーからなる海成分とを有する複合繊維にアルカリ減量加工を施すことにより、前記海成分を溶解除去したものである、請求項1または請求項2に記載の化粧用パフ。
  4. 前記極細ポリエステル繊維Aと前記ポリエステル繊維Bとの重量比が(極細ポリエステル繊維A/ポリエステル繊維B)1/99〜50/50の範囲内である、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧用パフ。
  5. 前記不織布の目付けが15〜50g/mの範囲内である、請求項1〜4のいずれかに記載の化粧用パフ。
  6. 前記不織布が、湿式抄紙法によりシートを抄紙後、さらに高圧水流により繊維同士を絡合させた不織布である、請求項1〜5のいずれかに記載の化粧用パフ。
  7. 前記高圧水流処理を行う際、原綿組成を互いに異にするシートを2層以上積層して高圧水流処理したものである、請求項6に記載の化粧用パフ。
  8. 前記不織布の引張強度が2N/5cm以上である、請求項1〜7のいずれかに記載の化粧用パフ。
  9. 化粧用パフ全体重量に対する前記不織布の重量比が1〜25重量%の範囲内である、請求項1〜8のいずれかに記載の化粧用パフ。
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