JP4994313B2 - 短カットナノファイバーの製造方法および湿式不織布の製造方法 - Google Patents

短カットナノファイバーの製造方法および湿式不織布の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、繊維直径が10〜1000nmでありかつ水分散性が良好な短カットナノファイバーの製造方法、および該製造方法により得られた短カットナノファイバーを用いてなる湿式不織布に関する。
従来、湿式不織布用極細繊維としては、マイクロガラスや合成パルプ(ポリエチレン合成パルプ:三井化学(株)製SWP、パラアラミド合成パルプ:帝人トワロン(株)製トワロンパルプ等)等が知られている。また、湿式不織布用極細繊維の製造方法としては、水分散させた易フィブリル繊維に叩解処理を施して短繊維化する方法(例えば、特許文献1参照)、非アルカリ分解性繊維の袋に入れて減量処理を施す方法(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。しかしながら、これら湿式不織布用極細繊維の繊径は1〜10μm程度であった。
また、特許文献3では、海島型複合繊維を予め所定の長さにカットした後にアルカリ減量加工を施すことにより海成分を溶解除去する方法が提案されている。
しかしながら、かかる方法では、所定の長さにカットをした後にアルカリ減量を施すた、アルカリ減量時の撹拌による繊維同士の絡みが生じて分散性が悪化するという問題や、アルカリ減量時に生じる微小な繊維収縮により、繊維長のバラツキや収縮による繊維同士の絡みにより分散性が悪化するという問題があった。
特開平04−100992号公報 特許第3678511号公報 特開2007−107160号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、繊維直径が10〜1000nmでありかつ水分散性が良好な短カットナノファイバー(本発明において「超極細短繊維」と称することもある。)の製造方法、および該製造方法により得られた短カットナノファイバーを用いてなる湿式不織布を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、海成分と、島径が10〜1000nmである島成分とで形成される海島型複合繊維にアルカリ減量加工を施し、前記海成分を溶解除去することにより、前記海島型複合繊維を、単繊維径Dが10〜1000nmのマルチフィラメントAとした後、単繊維径Dに対する繊維長Lの比L/Dが100〜1500の範囲内となるようカットすると、繊維直径が10〜1000nmでありかつ水分散性が良好な短カットナノファイバーが得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「繊維形成性熱可塑性ポリマーからなりかつその島径が10〜1000nmである島成分と、前記の繊維形成性熱可塑性ポリマーよりもアルカリ水溶液に対して溶解しやすいポリマーからなる海成分とを有する海島型複合繊維からなる総繊度10万〜500万dtexのトウにアルカリ減量加工を施し、前記海成分を溶解除去することにより、前記海島型複合繊維を、単繊維径Dが10〜1000nmの長繊維からなるマルチフィラメントAとした後、該マルチフィラメントAを、単繊維径Dに対する繊維長Lの比L/Dが100〜1500の範囲内となるようカットすることを特徴とする短カットナノファイバーの製造方法。」が提供される。
その際、前記の海島型複合繊維において、海成分を形成するアルカリ水溶液易溶解性ポリマーの、島成分を形成する繊維形成性熱可塑性ポリマーに対する溶解速度比が200以上であることが好ましい。また、前記の海島型複合繊維において、海成分が、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキサイド縮合系ポリマー、ポリエチレングリコール系化合物共重合ポリエステル、およびポリエチレングリコール系化合物と5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合ポリエステルから選択される少なくとも1種のアルカリ水溶液易溶解性ポリマーであることが好ましい。特に、前記の海島型複合繊維において、海成分が、5-ナトリウムスルホン酸を6〜12モル%および分子量4000〜12000のポリエチレングリコールを3〜10重量%共重合したポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。また、前記の海島型複合繊維において、島成分がポリエステルであることが好ましい。また、前記の海島型複合繊維において島数が100以上であることが好ましい。また、前記の海島型複合繊維において、海成分と島成分との複合重量比率(海:島)が20:80〜80:20の範囲内であることが好ましい。また、前記の海島型複合繊維が、アルカリ水溶液易溶解成分と、該易溶解成分よりも溶融粘度が低い難溶解成分とを、前者を海成分とし後者を島成分として溶融・押し出し、紡糸速度200m/分〜5000m/分で海島型複合未延伸糸として引き取り、延伸されたものであることが好ましい。また、 溶融紡糸温度における海成分と島成分との溶融粘度比(海/島)が1.1〜2.0であることが好ましい。また、前記のアルカリ減量加工において、浴比が0.1〜5.0%の範囲内であることが好ましい。ただし、浴比は下記式にて定義する。
浴比(%)=(繊維質量(gr)/アルカリ水溶液質量(gr)×100)
また、前記のアルカリ減量加工において、次式で算出されるアルカリ減量定数Kが20〜200の範囲内であり、かつアルカリ液温度定数が0.4〜0.8の範囲内であることが好ましい。
アルカリ減量定数K=B×C÷A
ただし、A:浴比(繊維質量(gr)/アルカリ水溶液質量(gr)×100)、B:処理時間(分)、C:アルカリ濃度(%)である。
アルカリ液温度定数=(アルカリ液温度−Tga)/(Tgb−Tga)
ただし、Tga:前記アルカリ水溶液易溶解性ポリマーのガラス転移点、Tgb: 前記繊維形成性熱可塑性ポリマーのガラス転移点:である。
また、前記のアルカリ減量加工に続いて、中和および/または脱水を施すことが好ましい。その際、最終脱水後の対繊維水分率が50〜300%の範囲内であることが好ましい。また、アルカリ減量加工の後、分散剤を繊維表面に、繊維重量に対して0.1〜5.0重量%付着させることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の短カットナノファイバーの製造方法により得られた短カットナノファイバーを用いて湿式不織布を得る、湿式不織布の製造方法が提供される。
本発明によれば、繊維直径が10〜1000nmでありかつ水分散性が良好な短カットナノファイバーの製造方法、および該製造方法により得られた短カットナノファイバーを用いてなる湿式不織布が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明で用いる複合繊維は、繊維形成性熱可塑性ポリマー(以下、「難溶解性ポリマー」ということもある。)からなりかつその島径(D)が10〜1000nm(好ましくは100〜800nm、特に好ましくは550〜800nm)である島成分と、前記の繊維形成性熱可塑性ポリマーよりもアルカリ水溶液易溶解性ポリマー(以下、「易溶解性ポリマー」ということもある。)からなる海成分とを有する。島径(D)が10nm未満では、島を多数並べる為の口金設計が極めて困難であり操業性に乏しくなるおそれがある。逆に、島径(D)が1000nmを超える場合、通常の紡糸〜延伸から得られる短カット繊維との差が小さく、湿式不織布とした後にフィルター用途などに使用すると優れたフィルター性能が得られず好ましくない。かかる島径は、透過型電子顕微鏡で繊維の横断面を撮影することにより測定が可能である。なお、島の形状が丸断面以外の異型断面である場合には、前記の島径(D)は外接円の直径を島径とする。
ここで、海成分を形成するアルカリ水溶液易溶解性ポリマーの、島成分を形成する繊維形成性熱可塑性ポリマーに対する溶解速度比が200以上(好ましくは300〜3000)であると、島分離性が良好となり好ましい。溶解速度が200倍未満の場合には、繊維断面中央部の海成分を溶解する間に、分離した繊維断面表層部の島成分が、繊維径が小さいために溶解されるため、海相当分が減量されているにもかかわらず、繊維断面中央部の海成分を完全に溶解除去できず、島成分の太さ斑や島成分自体の溶剤侵食につながり、本発明の目的とする均一な繊維径の超極細短繊維が得ることができないおそれがある。
海成分を形成する易溶解性ポリマーとしては、特に繊維形成性の良いポリエステル類、脂肪族ポリアミド類、ポリエチレンやポリスチレン等のポリオレフィン類を好ましい例としてあげることができる。更に具体例を挙げれば、アルカリ水溶液易溶解性ポリマーとして、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキサイド縮合系ポリマー、ポリアルキレングリコール系化合物と5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合ポリエステルが最適である。ここでアルカリ水溶液とは、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム水溶液などを言う。これ以外にも、ナイロン6やナイロン66等の脂肪族ポリアミドに対するギ酸、ポリスチレンに対するトリクロロエチレン等やポリエチレン(特に高圧法低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン)に対する熱トルエンやキシレン等の炭化水素系溶剤、ポリビニルアルコールやエチレン変性ビニルアルコール系ポリマーに対する熱水を例として挙げることができる。
ポリエステル系ポリマーの中でも、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6〜12モル%と分子量4000〜12000のポリエチレングリコールを3〜10重量%共重合させた固有粘度が0.4〜0.6のポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルが好ましい。ここで、5−ナトリウムスルホイソフタル酸は親水性と溶融粘度向上に寄与し、ポリエチレングリコール(PEG)は親水性を向上させる。また、PEGは分子量が大きいほど、その高次構造に起因すると考えられる親水性増加作用があるが、反応性が悪くなってブレンド系になるため、耐熱性や紡糸安定性の面で問題が生じる可能性がある。また、共重合量が10重量%以上になると、溶融粘度低下作用があるので、好ましくない。
一方、島成分を形成する難溶解性ポリマーとしては、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリオレフィン類などが好適な例として挙げられる。具体的には、機械的強度や耐熱性を要求される用途では、ポリエステル類では、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、これらを主たる繰返し単位とする、イソフタル酸や5−スルホイソフタル酸金属塩等の芳香族ジカルボン酸やアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸やε−カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸縮合物、ジエチレングリコールやトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール等のグリコール成分等との共重合体が好ましい。また、ポリアミド類では、ナイロン6、ナイロン66等の脂肪族ポリアミド類が好ましい。一方、ポリオレフィン類は酸やアルカリ等に侵され難いことや、比較的低い融点のために超極細繊維として取り出した後のバインダー成分として使える等の特徴があり、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、無水マレイン酸などのビニルモノマーのエチレン共重合体等を好ましい例としてあげることができる。さらに島成分は丸断面に限らず、異型断面であってもよい。特にポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、イソフタル酸共重合率が20モル%以下のポリエチレンテレフタレートイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、等の脂芳族ポリエステル類、あるいは、ナイロン6、ナイロン66等の脂肪族ポリアミド類が、高い融点による耐熱性や力学的特性を備えているので、特許文献2に記載されているようなポリビニルアルコール/ポリアクリロニトリル混合紡糸繊維からなる超極細フィブリル化繊維に比べ、耐熱性や強度を要求される用途へ適用でき、好ましい。
なお、海成分を形成するポリマーおよび島成分を形成するポリマーについて、製糸性および抽出後の超極細短繊維の物性に影響を及ぼさない範囲で、必要に応じて、有機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂等の離型改良剤、等の各種添加剤を含んでいても差しつかえない。
前記の海島型複合繊維において、溶融紡糸時における海成分の溶融粘度が島成分ポリマーの溶融粘度よりも大きいことが好ましい。かかる関係にある場合には、海成分の複合重量比率が40%未満と少なくなっても、島同士が接合したり、島成分の大部分が接合して海島型複合繊維とは異なるものになり難い。
好ましい溶融粘度比(海/島)は、1.1〜2.0、特に1.3〜1.5の範囲である。この比が1.1倍未満の場合には溶融紡糸時に島成分が接合しやすくなり、一方2.0倍を越える場合には、粘度差が大きすぎるために紡糸調子が低下しやすい。
次に島数は、100以上(より好ましくは300〜1000)であることが好ましい。また、その海島複合重量比率(海:島)は、20:80〜80:20の範囲が好ましい。かかる範囲であれば、島間の海成分の厚みを薄くすることができ、海成分の溶解除去が容易となり、島成分の極細繊維への転換が容易になるので好ましい。ここで海成分の割合が80%を越える場合には海成分の厚みが厚くなりすぎ、一方20%未満の場合には海成分の量が少なくなりすぎて、島間に接合が発生しやすくなる。
さらに、前記の海島型複合繊維において、島径(Xd)と島間の海の厚み(S)が以下の関係式を満たすことが好ましい。ここで、S/Xd値が0.5より大である場合には、高速紡糸性が悪くなる、また延伸倍率を上げることができないので、海島繊維の延伸糸物性そして海溶解後の極細繊維強度が低くなるおそれがある。逆に、S/Xd値が0.001より小である場合には島同士が膠着する可能性がある。
0.001≦S/Xd≦0.5
溶融紡糸に用いられる口金としては、島成分を形成するための中空ピン群や微細孔群を有するものなど任意のものを用いることができる。例えば、中空ピンや微細孔より押し出された島成分とその間を埋める形で流路を設計されている海成分流とを合流し、これを圧縮することにより海島断面が形成されるといった紡糸口金でもよい。好ましく用いられる紡糸口金例は特開2007−107160号公報の図1および図2であるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。なお図1は、中空ピンを海成分樹脂貯め部分に吐出してそれを合流圧縮する方式であり、図2は、中空ピンのかわりに微細孔方式で島を形成する方法である。吐出された海島型複合繊維は冷却風により固化され、所定の引き取り速度に設定した回転ローラーあるいはエジェクターにより引き取られ、未延伸糸を得る。この引き取り速度は特に限定されないが、200m/分〜5000m/分であることが望ましい。200m/分以下では生産性が悪い。また、5000m/分以上では紡糸安定性が悪い。
得られた未延伸糸は、海成分を抽出後に得られる超極細繊維の用途・目的に応じて、そのままカット工程あるいはその後の抽出工程に供してもよいし、目的とする強度・伸度・熱収縮特性に合わせるために、延伸工程や熱処理工程を経由して、カット工程あるいはその後の抽出工程に供することができる。延伸工程は紡糸と延伸を別ステップで行う別延方式でもよいし、一工程内で紡糸後直ちに延伸を行う直延方式を用いてもかまわない。
次いで、かかる海島型複合繊維にアルカリ減量加工を施す。ここで、前記海島型複合繊維に予めアルカリ減量加工を施すことにより、単繊維径Dが10〜1000nmのマルチフィラメントAとした後に、所定の長さにカットすることが重要である。海島型複合繊維を短くカットした後にアルカリ減量加工を施すと、アルカリ減量時の攪拌により繊維同士の絡みが生じて分散性が悪化するという問題や、アルカリ減量加工時に生じる微小な繊維収縮により繊維長のバラツキや収縮による繊維同士の絡みのため分散性が悪化するという問題が発生するため好ましくない。
投入するトウ(海島型複合繊維の束)の総繊度としては、10万〜500万dtex(より好ましくは50万〜200万dtex)の範囲内であることが好ましい。該総繊度が10万dtex未満では、アルカリ減量加工としては安定しているものの、生産性が悪くなるおそれがある。逆に、該総繊度が500万dtexを越えると、繊維が収束しすぎるため、繊維とアルカリ液との接触が不十分となり、海成分を十分に溶解できないおそれがある。
また、アルカリ減量加工を施す際の海島型複合繊維(トウ)の長さについては、10〜5000m(より好ましくは30〜2000m)の範囲内であることが好ましい。該長さが10m未満では、連続的なアルカリ減量処理を施すには短すぎ、前後ロスが多くなって、その結果、収率が下がるおそれがあり好ましくない。逆に、該長さが5000mを越えると、繊度を大きくするための工程の作業性が悪くなり、部分的なゆるみ等を生じやすくなって、品質のバラツキの要因となるおそれがある。
また、繊維とアルカリ液の比率(浴比)は0.1〜5%である事が好ましく、さらには0.4〜3%である事が好ましい。0.1%未満では繊維とアルカリ液の接触は多いものの、排水等の工程性が困難となるおそれがある。一方、5%以上では繊維量が多過ぎるため、アルカリ減量加工時に繊維同士の絡み合いが発生するおそれがある。なお、浴比は下記式にて定義する。
浴比(%)=(繊維質量(gr)/アルカリ水溶液質量(gr)×100)
また、アルカリ減量加工の処理時間は5〜60分である事が好ましく、さらには10〜30分である事が好ましい。5分未満ではアルカリ減量が不十分となるおそれがある。一方、60分以上では島成分までも減量されるおそれがある。
また、アルカリ減量加工において、アルカリ濃度は2%〜10%である事が好ましい。2%未満では、アルカリ不足となり、減量速度が極めて遅くなるおそれがある。一方、10%を越えるとアルカリ減量が進みすぎ、島部分まで減量されるおそれがある。
特に、下記式で定義するアルカリ減量係数は20〜400である事が好ましく、さらには40〜200である事が好ましい。20未満ではアルカリ減量が不十分となり、目的とした超極細繊維(島成分)を取り出す事ができないおそれがある。400を超える場合、海成分だけでなく、島成分まで減量が進むおそれがある。
アルカリ減量定数K=B×C÷A
ただし、A:浴比(繊維質量(gr)/アルカリ水溶液質量(gr)×100)、B:処理時間(分)、C:アルカリ濃度(%)である。
また、アルカリ減量加工において、下記式で定義するアルカリ液温度定数が0.4〜0.8である事が好ましい。0.4未満ではアルカリ液の温度が低く、減量速度が上がり難い為、所定の減量率を確保し、島部分を取り出す事が困難となるおそれがある。一方、0.8を超える場合、島成分のガラス転移点付近となり、海成分だけでなく、島成分に関しても減量が開始されるおそれがある。
アルカリ液温度定数=(アルカリ液温度−Tga)/(Tgb−Tga)
ただし、Tga:前記アルカリ水溶液易溶解性ポリマーのガラス転移点、Tgb: 前記繊維形成性熱可塑性ポリマーのガラス転移点:である。
アルカリ減量の方法としては、前記のようなトウ(海島型複合繊維の集合体)を連続的にアルカリ液に投入し、所定の条件、時間で処理した後に、酢酸、シュウ酸などの有機酸を使用して中和、希釈を進め最終的に脱水する方法などがあげられる。
次いで、カット工程に持ち込む。その際、繊維の水分率を繊維重量対比20〜200%(より好ましくは30〜100%)の範囲内とすることが好ましい。該水分率が20%未満では、海島型複合繊維の海成分を溶解して得られたマルチフィラメントA同士が密着しすぎ、カット性が悪くなるおそれがある。逆に、該水分率が200%を越えると、マルチフィラメントAをカット工程に送る際に水分がしみだし、水分率の安定化がはかれず、結果としてカット性に斑を生じるおそれがある。
また、繊維の分散性を高めるために分散剤(例えば、高松油脂(株)製の型式YM−81)を繊維表面に、繊維重量に対して0.1〜5.0重量%付着させることが好ましい。この工程は、アルカリ減量後カット前でも最終カット後に行ってもよいが、アルカリ減量後カット前に行うと、繊維全体に均一に付着させることができ好ましい。
本発明において、次に、かかる複合繊維を、島径(D)に対する繊維長(L)の比(L/D)が100〜1500の範囲内となるようにカットすることが肝要である。該比(L/D)が100未満では繊維同士の絡みが極めて小さいため、不織布製造時の絡強度が小さく工程が安定しないため、好ましくない。一方、1500を超える場合、逆に繊維同士の絡みが大きいため、繊維と繊維が擬似膠着し、繊維を紡いだような状態となりやすく、結果として分散しにくくなり、地合い悪化の要因となるため好ましくない。
なお、前記のカットは、マルチフィラメントAを数十本〜数百万本単位に束ねたトウにしてギロチンカッターやロータリーカッターなどでカットすることが好ましい。
本発明において、最終脱水後の水分率が繊維重量対比で50〜300%の範囲内であることが好ましい。該水分率が50%よりも小さいと、本繊維を用いて不織布を作成する際の抄紙工程において、分散不良のおそれがある。逆に、該水分率が300%よりも大きいと、均一に水分率ではなく凝集し易くなり分散斑となるおそれがある。
次に、本発明の湿式不織布は、前記の製造方法により得られた短カットナノファイバーを主体繊維として用いてなるものである。かかる短カットナノファイバーは水分散性が良好なので、均質で極めて孔径の小さい湿式不織布が得られる。
かかる湿式不織布を構成する主体繊維とバインダー繊維の比率は80/20〜20/80である事が好ましい。主体繊維が80%を超える(バインダーが20%未満)と不織布の形態を構成する接着点が少なくなり過ぎ、強度不足となるおそれがある。主体繊維が20%未満(バインダーが80%以上)では、接着点が多くなり過ぎるため、不織布そのものが硬くなるおそれがある。
不織布を構成する繊維としては、前記の短カットナノファイバー以外に各種合成繊維(ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ナイロン、オレフィン系、アラミド系)を用いる事が出来る。特にポリエチレンテレフタレートが寸法安定性等の観点から好ましい。
かかる湿式不織布を製造する装置としては、通常の長網抄紙機、短網抄紙機、丸網抄紙機或いはこれらを複数台組み合わせて多層抄き等にしても何ら問題ない。また、熱処理工程としては、抄紙工程後、ヤンキードライヤー、エアースルードライヤーのどちらでも可能である。また、その後、金属/金属ローラー、金属/ペーパーローラー、金属/弾性ローラー等に言ったカレンダー/エンボスを施しても良い。
バインダー繊維の形態としては、未延伸タイプ、芯鞘複合タイプを用いる事が出来る。但し、未延伸タイプのバインダー繊維を用いる場合、抄紙後のドライヤーの後、熱圧着工程が必要である為、カレンダー/エンボス処理が必要となる。
不織布の目付は10〜200g/mである事が好ましい。10g/m未満では、不織布が薄過ぎる為、強度が弱くなりすぎるおそれがある。また、200g/mを超えると、不織布の剛性が増すおそれがある。
本発明の湿式不織布は、均質で極めて孔径が小さいので各種フィルターとして極めて好適に使用することができるが、孔版印刷用原紙、ワイパー、電池セパレーター、人工皮革などとしても使用することができる。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
(1)溶融粘度
乾燥処理後のポリマーを紡糸時のルーダー溶融温度に設定したオリフィスにセットして5分間溶融保持したのち、数水準の荷重をかけて押し出し、そのときのせん断速度と溶融粘度をプロットする。そのプロットをなだらかにつないで、せん断速度−溶融粘度曲線を作成し、せん断速度が1000秒−1の時の溶融粘度を見る。
(2)溶解速度測定
海成分および島成分のポリマーを、各々、径0.3mm、長さ0.6mmのキャピラリーを24孔もつ口金から吐出し、1000〜2000m/分の紡糸速度で引き取って得た未延伸糸を残留伸度が30〜60%の範囲になるように延伸して、83dtex/24フィラメントのマルチフィラメントを作成した。これを所定の溶剤および溶解温度で浴比100として、溶解時間と溶解量から減量速度を算出した。表中では海島溶解速度差が200倍以上の場合を合格、200倍以下の場合を不合格とした。
(3)島径の測定
透過型電子顕微鏡TEMで、倍率30000倍で繊維断面写真を撮影し、測定した。TEMの機械によっては測長機能を活用して測定し、また無いTEMについては、撮った写真を拡大コピーして、縮尺を考慮した上で定規にて測定すればよい。ただし、繊維径は、繊維断面における長径の平均値(n数=20)を用いた。
(4)繊維長
走査型電子顕微鏡(SEM)により、海成分溶解除去前の超極細短繊維を基盤上に寝かせた状態とし、20〜500倍で測定した。SEMの測長機能を活用して測定した。
(5)分散性
目付20g/mとなるように、JIS P8222に記載の手抄き装置で超極細短繊維の100%繊維ウェブを作成し、ロータリー型乾燥機を用いて、120℃で5分間乾燥した。得られたサンプルから5mm角の正方形を3箇所切り取って、切って静かに走査型電子顕微鏡(SEM)の試料台に乗せ、この表面を20〜500倍で観察し、目視で未開繊束状、毛玉状(糸の絡まり)等の分散不良を確認し、明らかにできるものの数を測定した。分散不良が5mm角中、21箇所以上確認された場合は×(不良)、20箇所以下の場合は○(良)と判定した。
[実施例1]
島成分に285℃での溶融粘度が120Pa・secのポリエチレンテレフタレート、海成分に285℃での溶融粘度が135Pa・secである平均分子量4000のポリエチレングリコールを4重量%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を9mol%共重合した改質ポリエチレンテレフタレートを使用し、海:島=30:70の重量比率で島数400の口金を用いて紡糸し、紡糸速度1500m/minで引き取った。アルカリ減量速度差は1000倍であった。これを3.9倍に延伸し超極細前駆体繊維を得た。この繊維を束ねて、50万dtexにした後、4%NaOH水溶液で75℃にて、浸漬時間15分になるように速度を調整し、27.6%減量した超極細長繊維(マルチフィラメントA)となった。これを、回転式カッターを用いて、1000μmにカットして、繊維径と繊維長が比較的均一である超極細短繊維(短カットナノファイバー)が生成していることを確認した。また、繊維径、繊維長、アスペクト比、分散性について表1に記す通り、分散性の良好であることが確認できた。
[実施例2、比較例1、2]
実施例1におけるカット長を変更した結果を表1に示す。
[比較例3]
島成分に285℃での溶融粘度が120Pa・secのポリエチレンテレフタレート、海成分に285℃での溶融粘度が140Pa・secである平均分子量4000のポリエチレングリコールを4重量%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を8mol%共重合した改質ポリエチレンテレフタレートを使用し、海:島=70:30の海島比率で紡糸し、紡糸速度1500m/minで引き取り、未延伸糸を得た。これを1.7倍で延伸し超極細短繊維前駆体を得た。これを4%NaOH水溶液で95℃にて68.5%減量したところ、海部を減量するのに時間がかかるため、表面付近にある島が余分に減量され、島径は不均一となった。超極細短繊維前駆体の断面をTEM観察したところ、島径(Xd)と島間の海の厚み(S)を調べたところ、S/Xd=0.8であり、海島の均質性が崩れていた。これを、ギロチンカッターで2000μmにカットする事で、超極細短繊維(短カットナノファイバー)を得た。また、繊維径およびその変動係数、繊維長およびその変動係数、アスペクト比、未分散欠点または絡み、および海抽出性について表1に記す通りである。
[実施例3]
島成分に285℃での溶融粘度が115Pa・secのポリエチレンテレフタレートを使用し、海成分に285℃での溶融粘度が130Pa・secである平均分子量4000のポリエチレングリコールを3重量%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を10mol%共重合した改質ポリエチレンテレフタレートを海:島=30:70の重量比率で、島数900の口金(図1と同型)を用いて紡糸し、3500m/minで引き取った。アルカリ減量速度差は2000倍であった。これを2.3倍に延伸し超極細短繊維前駆体を得た。これを4%NaOH水溶液で95℃にて28.2%減量した後、回転式カッターで600μmにカットして、超極細短繊維(短カットナノファイバー)を得た。繊維径と繊維長が比較的均一である超極細短繊維が生成していることを確認した。超極細短繊維前駆体(海島複合短繊維)の断面をTEM観察して島径(Xd)と島間の海の厚み(S)を調べたところ、S/Xd=0.22であった。また、繊維径、繊維長、アスペクト比、分散性について表1に記す通り、分散性の良好であることが確認できた。
[実施例4]
島成分に285℃での溶融粘度が120Pa・secのポリエチレンテレフタレートを使用し、海成分に285℃での溶融粘度が135Pa・secである平均分子量4000のポリエチレングリコールを3重量%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を9mol%共重合した改質ポリエチレンテレフタレートを用いて、海:島=30:70の重量比率で、島数1000の口金を用いて紡糸し、1000m/minで引き取り、未延伸糸を得た。アルカリ減量速度差は1200倍であった。これを80℃の温水バス中で22倍に延伸し更に90℃の加熱ローラー通過後乾熱状態で2.3倍延伸して超極細短繊維前駆体を得た。これを海成分のみを溶解除去するため、4%NaOH水溶液で95℃にて27.1%減量した後、回転式カッターで600μmにカットした。繊維径と繊維長が比較的均一である超極細短繊維(短カットナノファイバー)が生成していることを確認した。超極細短繊維前駆体(海島複合短繊維)の断面をTEM観察して、島径(Xd)と島間の海の厚み(S)を調べたところ、S/Xd=0.24であった。また、繊維径、繊維長、アスペクト比、分散性について表1に記す通り、分散性の良好であることが確認できた。
[実施例5]
島成分に270℃での溶融粘度が60Pa・secのポリエチレンテレフタレートを使用し、海成分に270℃での溶融粘度が175Pa・secであるD体純度が99%のポリ乳酸を用いて、海:島=20:80の重量比率で、島数500の口金を用いて紡糸し、1000m/minで引き取り、未延伸糸を得た。アルカリ減量速度差は1000倍であった。これを2.0倍に延伸し超極細短繊維前駆体を得た。これを海成分のみを溶解除去するため、4%NaOH水溶液で75℃にて、浸漬時間15分になるように速度を調整し18.0%減量した後、回転式カッターで600μmにカットして、超極細短繊維前駆体を得た。繊維径と繊維長が比較的均一である超極細短繊維が生成していることを確認した。(海島複合短繊維)の断面をTEM観察して、島径(Xd)と島間の海の厚み(S)を調べたところ、S/Xd=0.29であった。また、繊維径、繊維長、アスペクト比、分散性について表1に記す通り、分散性の良好であることが確認できた。
[比較例4]
島成分に285℃での溶融粘度が120Pa・secのポリエチレンテレフタレート、海成分に285℃での溶融粘度が135Pa・secである平均分子量4000のポリエチレングリコールを4重量%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を9mol%共重合した改質ポリエチレンテレフタレートを使用し、海:島=30:70の重量比率で島数400の口金を用いて紡糸し、紡糸速度1500m/minで引き取った。アルカリ減量速度差は1000倍であった。これを3.9倍に延伸した後、ギロチンカッターで1000μmにカットして、超極細短繊維前駆体を得た。これを4%NaOH水溶液で75℃にて28.9%減量した。また、繊維径およびその変動係数、繊維長およびその変動係数、アスペクト比、未分散欠点または絡み、および海抽出性について表1に記す通りである。
Figure 0004994313
本発明によれば、繊維直径が10〜1000nmでありかつ水分散性が良好な短カットナノファイバーの製造方法、および該製造方法により得られた短カットナノファイバーを用いてなる湿式不織布が提供される。かかる湿式不織布はフィルター用として極めて好適であり、その工業的価値は極めて大である。

Claims (15)

  1. 繊維形成性熱可塑性ポリマーからなりかつその島径が10〜1000nmである島成分と、前記の繊維形成性熱可塑性ポリマーよりもアルカリ水溶液に対して溶解しやすいポリマーからなる海成分とを有する海島型複合繊維からなる総繊度10万〜500万dtexのトウにアルカリ減量加工を施し、前記海成分を溶解除去することにより、前記海島型複合繊維を、単繊維径Dが10〜1000nmの長繊維からなるマルチフィラメントAとした後、該マルチフィラメントAを、単繊維径Dに対する繊維長Lの比L/Dが100〜1500の範囲内となるようカットすることを特徴とする短カットナノファイバーの製造方法。
  2. 前記の海島型複合繊維において、海成分を形成するアルカリ水溶液易溶解性ポリマーの、島成分を形成する繊維形成性熱可塑性ポリマーに対する溶解速度比が200以上である、請求項1に記載の短カットナノファイバーの製造方法。
  3. 前記の海島型複合繊維において、海成分が、ポリ乳酸、超高分子量ポリアルキレンオキサイド縮合系ポリマー、ポリエチレングリコール系化合物共重合ポリエステル、およびポリエチレングリコール系化合物と5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合ポリエステルから選択される少なくとも1種のアルカリ水溶液易溶解性ポリマーである、請求項1または請求項2に記載の短カットナノファイバーの製造方法。
  4. 前記の海島型複合繊維において、海成分が、5-ナトリウムスルホン酸を6〜12モル%および分子量4000〜12000のポリエチレングリコールを3〜10重量%共重合したポリエチレンテレフタレートである、請求項3に記載の短カットナノファイバーの製造方法。
  5. 前記の海島型複合繊維において、島成分がポリエステルである、請求項1〜4のいずれかに記載の短カットナノファイバーの製造方法。
  6. 前記の海島型複合繊維において島数が100以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の短カットナノファイバーの製造方法。
  7. 前記の海島型複合繊維において、海成分と島成分との複合重量比率(海:島)が20:80〜80:20の範囲内である、請求項1〜6のいずれかに記載の短カットナノファイバーの製造方法。
  8. 前記の海島型複合繊維が、アルカリ水溶液易溶解成分と、該易溶解成分よりも溶融粘度が低い難溶解成分とを、前者を海成分とし後者を島成分として溶融・押し出し、紡糸速度200m/分〜5000m/分で海島型複合未延伸糸として引き取り、延伸されたものである、請求項1〜7のいずれかに記載の短カットナノファイバーの製造方法。
  9. 溶融紡糸温度における海成分と島成分との溶融粘度比(海/島)が1.1〜2.0である、請求項8に記載の短カットナノファイバーの製造方法。
  10. 前記のアルカリ減量加工において、浴比が0.1〜5.0%の範囲内である、請求項1〜9のいずれかに記載の短カットナノファイバーの製造方法。
    ただし、浴比は下記式にて定義する。
    浴比(%)=(繊維質量(gr)/アルカリ水溶液質量(gr)×100)
  11. 前記のアルカリ減量加工において、次式で算出されるアルカリ減量定数Kが20〜200の範囲内であり、かつアルカリ液温度定数が0.4〜0.8の範囲内である、請求項1〜10のいずれかに記載の短カットナノファイバーの製造方法。
    アルカリ減量定数K=B×C÷A
    ただし、A:浴比(繊維質量(gr)/アルカリ水溶液質量(gr)×100)、B:処理時間(分)、C:アルカリ濃度(%)である。
    アルカリ液温度定数=(アルカリ液温度−Tga)/(Tgb−Tga)
    ただし、Tga:前記アルカリ水溶液易溶解性ポリマーのガラス転移点、Tgb: 前記繊維形成性熱可塑性ポリマーのガラス転移点:である。
  12. アルカリ減量加工に続いて、中和および/または脱水を施す、請求項1〜11のいずれかに記載の短カットナノファイバーの製造方法。
  13. 最終脱水後の対繊維水分率が50〜300%の範囲内である、請求項12に記載の短カットナノファイバーの製造方法。
  14. アルカリ減量加工の後、分散剤を繊維表面に、繊維重量に対して0.1〜5.0重量%付着させる、請求項1〜13のいずれかに記載の短カットナノファイバーの製造方法。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の短カットナノファイバーの製造方法により得られた短カットナノファイバーを用いて湿式不織布を得る、湿式不織布の製造方法。
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