JP4922565B2 - 燃料電池発電システムの起動準備方法 - Google Patents
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Description
図13に示すように、燃料電池発電システム1Aは、天然ガス、都市ガス、メタノール、LPG、ブタンなどの炭化水素系燃料ガスを、原燃料ガス開閉弁2を備えた原燃料ガス供給ライン3を経て供給して脱硫する脱硫器4を備えるとともに、脱硫器4で脱硫した脱硫燃料ガスを脱硫燃料ガス開閉弁5を備えた脱硫ガス供給ライン6を経て供給し、一方、水を閉止弁7を経て気化器8へ送って気化して逆止弁9を経て水蒸気を供給し、燃料ガスをCO濃度を低減した水素リッチな改質ガスに改質する燃料改質装置10[改質器(RF)/CO変成器(SH)/CO除去器(PROX)]を備えており、燃料改質装置10で得られた改質ガスを改質ガス開閉弁11を備えた改質ガス供給ライン12を経て燃料極(AN)に供給し、この改質ガスと空気極(CA)へ供給された空気中の酸素とを電気化学的に反応させて発電する燃料電池13を備えている。
なお、燃料改質装置10の燃焼部(バーナ)15へ供給する炭化水素系燃料ガスも脱硫器4で脱硫したものを使用する場合もある。
この常温で脱硫できる脱硫器は積極的に加熱する加熱手段を有しておらず、その作動温度は、システム起動時にシステムの各発熱部位が昇温される以前のシステム使用下限温度が下限値となり、システム起動後に積極的な加熱手段を講じない脱硫器の周辺の機器昇温により脱硫器が温度上昇した場合の温度が上限値となり、例えば、家庭用燃料電池に本発明を用いる場合には、脱硫器の温度は−20〜70℃、好ましくは、−10〜60℃、さらに好ましくは、0〜50℃の範囲である。
脱硫性能が低下する前に脱硫器4を交換するが、交換した後、運搬などの際に脱硫器4の温度が上昇すると、ゼオライト系脱硫剤に吸着した炭化水素系燃料ガスが脱離し、脱硫器4の内圧が上昇し、バルブ開放時、後段の燃料改質装置への原燃料ガスの過供給が起こり、S/Cが設定値より低減し、コーキングなどを起こす問題があった。
また、新しい脱硫器に備えられたゼオライト系脱硫剤には空気が吸着されているので、燃料電池発電システムに新しい脱硫器を設置して使用するに当たっては、炭化水素系燃料ガスを新しい脱硫器に供給して吸着させ、望ましくは空気を脱離させるが、長時間を要し、ロスが大きい問題があった。
一定期間毎に交換する脱硫器を備えた燃料電池発電システムの起動準備方法であって、空気が吸着されている新規脱硫器を燃料電池発電システムに搭載する前に、原燃料ガスによる吸着処理を行うことを特徴とする。
原燃料ガスによる吸着処理を行う前に、新規脱硫器内圧力を減圧することを特徴とする。
原燃料ガスによる吸着処理を行う前でかつ燃料電池発電システムに搭載前に、新規脱硫器内圧力を減圧させることを特徴とする。
新規脱硫器内圧力を、−10kPa(25℃でのゲージ圧)以下−150kPa(25℃でのゲージ圧)の範囲まで減圧することを特徴とする。
新規脱硫器内圧力が0kPa(ゲージ圧)になった時点で、原燃料ガスの導入を停止することを特徴とする。
新規脱硫器内圧力を減圧してから、原燃料ガスによる吸着処理を行う際に、導入した原燃料ガスの合計が、新規脱硫器脱硫剤の容器温度30℃における飽和吸着量の70〜95%で原燃料ガスの導入を停止することを特徴とするものである。
本発明の請求項8に記載の燃料電池発電システムの起動準備方法は、請求項1、請求項3から請求項6のいずれかに記載の燃料電池発電システムの起動準備方法において、
導入した原燃料ガスの合計が、新規脱硫器脱硫剤の容器温度30℃における飽和吸着量の70〜95%で原燃料ガスの導入を停止することを特徴とする。
燃料電池発電システムに新規脱硫器を設置して使用するに当たって、新規脱硫器を燃料電池発電システムに搭載する前に、炭化水素系燃料ガスを新規脱硫器に供給して吸着処理し、吸着処理した新規脱硫器が装着されれば、短時間で燃料電池発電システムを起動できその上、起動後は燃料改質装置の触媒を劣化させるなどの問題がなく、確実に容易に経済的に連続運転できるという顕著な効果を奏する。
燃料電池発電システムに新規脱硫器を設置して使用するに当たって、新規脱硫器を燃料電池発電システムに搭載した後に、新規脱硫器内圧力を減圧してから、炭化水素系燃料ガスを新規脱硫器に供給して吸着処理すれば、短時間で燃料電池発電システムを起動できその上、起動後は燃料改質装置の触媒を劣化させるなどの問題がなく、確実に容易に経済的に連続運転できるという顕著な効果を奏する。
減圧状態にしてから原燃料ガスを導入して吸着処理するので、より短時間で確実に吸着処理できるというさらなる顕著な効果を奏する。
新規脱硫器内圧力を減圧してから、原燃料ガスによる吸着処理を行う際に、導入した原燃料ガスの合計が、新規脱硫器脱硫剤の容器温度30℃における飽和吸着量の70〜95%で原燃料ガスの導入を停止することを特徴とするものであり、70%を超え95%の範囲内で吸着速度が激減するが、70〜95%で原燃料ガスの導入を停止すれば、より短時間で吸着処理できるというさらなる顕著な効果を奏する。減圧状態にしてから原燃料ガスを導入して吸着処理するので、より短時間で確実に吸着処理できるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項8に記載の燃料電池発電システムの起動準備方法は、請求項1、請求項3から請求項6のいずれかに記載の燃料電池発電システムの起動準備方法において、
導入した原燃料ガスの合計が、新規脱硫器脱硫剤の容器温度30℃における飽和吸着量の70〜95%で原燃料ガスの導入を停止することを特徴とするものであり、70%を超え95%の範囲内で吸着速度が激減するが、70〜95%で原燃料ガスの導入を停止すれば、より短時間で吸着処理できるというさらなる顕著な効果を奏する。
図1は、燃料電池発電システムの電子ネットワークの1例を模式的に説明する説明図である。
図1に示した電子ネットワーク30は、分散型の複数の燃料電池発電システム31とそれらを統括的に管理する管理装置32および管理装置32の表示装置33を備えた管理会社34がインターネット35を介して接続されている。管理会社34は図示しない専用回線で電力会社、ガス会社、水道事業者などと接続され、これら各社の委託を受けた事業を行っている。
燃料電池発電システム31は、天然ガス、都市ガス、メタノール、LPG、ブタンなどの炭化水素系燃料ガスを、脱硫する一定期間毎に交換する脱硫器4を備えるとともに、脱硫器4で脱硫した脱硫燃料ガスを供給し、一方、図示しない上水から生成した水蒸気を供給し、燃料ガスをCO濃度を低減した水素リッチな改質ガスに改質する燃料改質装置10を備えており、燃料改質装置10で得られた改質ガスを燃料極(AN)へ供給し、この改質ガスと空気極(CA)へ供給された空気中の酸素とを電気化学的に反応させて発電して直流電圧を得る燃料電池13を備えている。
またその直流電圧を交流に変換するインバータ35と、それらを制御する制御部36を備えている。
情報部38は蓄積された情報を表示装置41に表示させる。
この場合、運転時間が2500時間を超える燃料電池発電システム(メンテ候補機)が表1(システム番号順の表示)、表2(運転時間順の表示)、表3(近接エリア別の表示)に示したように複数表示された場合には、例えば表3に示した複数のメンテ候補機中から近接したエリアのもの、例えばAエリアのもの(FC0004、FC0012、FC0007)を選択して一緒に交換すれば、短時間で効率よくメンテナンスを行うことができる。
図4は、真空ポンプで新規脱硫器4中の空気を強制的に離脱してから原燃料ガスを導入して吸着処理する例を説明する説明図である。
メンテナンス候補のシステムが通知されると、それに基づいてメンテナンスの準備を行う。脱硫器4を事前に原燃料ガスを導入して吸着処理することによって、脱硫器4の交換後のシステム起動の簡略化を図ることが目的である。
脱硫器4に付属のバルブV01、VO2のうち、前処理装置40に接続する側のV02を開ける。バルブV11を開き(V12は閉止)真空ポンプ41を作動して吸引する。例えば、圧力計Pで示されるゲージ圧−100kPaに達した時点で吸引をやめ、バルブV11を閉止するとともにV12を開ける。V12を通り原燃料ガスのLPGが脱硫器4内に充填され、充填量と共に内圧が上昇し、流量が低下する。42は流量計、43は減圧弁を示す。
図5より、吸着割合が70%を超えた付近から、導入LPG量の増加、脱硫器内圧上昇速度が低下しており、吸着割合が75%を超えた付近から脱硫器内圧はほぼ一定(0kPa)になり、導入LPG量の増加が低下している。
充填終了は、(1)吸着割合が75%に達した時、(2)脱硫器内圧が0kPaになった時点などで判定可能である。
運搬中などに温度が上昇するなどして使用済み脱硫器4の内部の圧力が上昇すれば、圧力逃がし弁SV01が動作し、脱硫器4内圧上昇を防ぐ。圧力逃がし弁SV01の動作圧力は、150±50kPa(脱硫器4の破過圧力以下)とする。
脱硫器4内の圧力が上昇し、圧力逃がし弁SV01が作動した時のみ、ダミーの他の容器4−1が機能して余分なLPGを吸着する。
圧力計P(P21)を接続する事により、バルブV02、V22を開放する前の圧力計P(P21)の指示値を記録(ゲージに印を付けても良い)しておけば、圧力逃がし弁SV01が動作したかどうか、すなわちダミーの他の容器4−1が余剰LPGを吸着したかどうかを判別することができる。ダミーの他の容器4−1接続前の圧力計P(P21)の数値に対し、圧力計P(P21)接続後の数値が上昇していれば圧力逃がし弁SV01が動作したと判断できる。
これによって、圧力逃がし弁SV01が動作しなかったダミーの他の容器4−1については、LPGの吸着が起こっていないと判断し、そのまま別の脱硫器4の取り外しに再利用することが可能になり、コスト低減につながる。
20℃(常温)で脱硫剤の容器温度30℃における飽和吸着量の約85%になり、脱硫器内は減圧状態になり、燃料ガス吸着可能量が増加する。
約30℃で吸着割合100%で吸着した状態で、70℃近くまで昇温すると、容器温度30℃における飽和吸着量が低減し、原燃料ガスが離脱するため脱硫器内圧が上昇する。
脱硫器の脱硫剤1リットルに対して30℃で30リットルのLPGが充填されたとすると、脱硫器内圧は大気圧101kPaであり、それを70℃まで昇温した時の脱硫器内圧(kPa)は実際には260kPaとなる。
同様に脱硫器の脱硫剤1リットルに対して30℃で30リットルのLPGが充填されたとして気体の状態方程式(PV=nRT)で計算される脱硫器内圧は114kPaとなる。
実際の内圧260kPaと計算による内圧114kPaとの差は、70℃まで昇温した時に脱硫剤に吸着されていたLPGが脱着したためである。このLPG脱着量を計算すると1.28リットルとなる。
したがって、この例においてはLPG脱着量1.28リットルを吸着できる能力の吸着剤(ゼオライト系脱硫剤)を充填(具体的には約0.1リットル)したダミの他の容器4−1を用いればよい。
燃料電池発電システムに新規脱硫器を設置して使用するに当たって、新規脱硫器を燃料電池発電システムに搭載した後に、あるいは新規脱硫器を燃料電池発電システムに搭載した後に、炭化水素系燃料ガスを新規脱硫器に供給して吸着処理すれば、短時間で燃料電池発電システムを起動できその上、起動後は燃料改質装置の触媒を劣化させるなどの問題がなく、確実に容易に経済的に連続運転できるという顕著な効果を奏するので産業上の利用価値が高い。
4−1 他の容器
30 電子ネットワーク
31 燃料電池発電システム
32 管理装置
33、41 表示装置
35 インターネット
SV01 圧抜き用圧力逃がし弁
Claims (8)
- 一定期間毎に交換する脱硫器を備えた燃料電池発電システムの起動準備方法であって、空気が吸着されている新規脱硫器を燃料電池発電システムに搭載する前に、原燃料ガスによる吸着処理を行うことを特徴とする燃料電池発電システムの起動準備方法。
- 一定期間毎に交換する脱硫器を備えた燃料電池発電システムの起動準備方法であって、空気が吸着されている新規脱硫器を燃料電池発電システムに搭載した後に、新規脱硫器内圧力を減圧してから、原燃料ガスによる吸着処理を行うことを特徴とする燃料電池発電システムの起動準備方法。
- 原燃料ガスによる吸着処理を行う前に、新規脱硫器内圧力を減圧することを特徴とする請求項1記載の燃料電池発電システムの起動準備方法。
- 原燃料ガスによる吸着処理を行う前でかつ燃料電池発電システムに搭載前に、新規脱硫器内圧力を減圧させることを特徴とする請求項1記載の燃料電池発電システムの起動準備方法。
- 新規脱硫器内圧力を、−10kPa(25℃でのゲージ圧)以下−150kPa(25℃でのゲージ圧)の範囲まで減圧することを特徴とする請求項4記載の燃料電池発電システムの起動準備方法。
- 新規脱硫器内圧力が0kPa(ゲージ圧)になった時点で、原燃料ガスの導入を停止することを特徴とする請求項4あるいは請求項5記載の燃料電池発電システムの起動準備方法。
- 新規脱硫器内圧力を減圧してから、原燃料ガスによる吸着処理を行う際に、導入した原燃料ガスの合計が、新規脱硫器脱硫剤の容器温度30℃における飽和吸着量の70〜95%で原燃料ガスの導入を停止することを特徴とする請求項2記載の燃料電池発電システムの起動準備方法。
- 導入した原燃料ガスの合計が、新規脱硫器脱硫剤の容器温度30℃における飽和吸着量の70〜95%で原燃料ガスの導入を停止することを特徴とする請求項1、請求項3から請求項6のいずれかに記載の燃料電池発電システムの起動準備方法。
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