JP4919996B2 - 離型フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、紫外線反射防止性および離型性を有する離型フィルムに関するものであり、液晶ディスプレイ(以下、LCDと略記する)に用いられる偏光板、位相差板等のLCD構成部材製造用、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略記する)構成部材製造用、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する)構成部材製造用等、各種ディスプレイ構成部材製造用として、例えば、紫外線照射により形成される光硬化性樹脂層を成形する製造工程に好適な離型フィルムを提供するものである。
従来、ポリエステルフィルムを基材とする離型フィルムが、LCD用偏光板、位相差板製造用、PDP構成部材製造用、有機EL構成部材製造用等、各種ディスプレイ構成部材製造用等、各種光学用途に使用されている。
近年、IT(Information Technology)分野の躍進に伴い、LCD、PDP、有機EL等の表示部材における高機能化に伴い、ディスプレイを構成する光学部材に対する要求品質もさらに向上する傾向にあり、さらに高精度な光学部材が必要とされている。
光学部材を高精度で製造する必要性が高まる中、該光学部品製造に際しては、パターニングの微細化に伴い、複雑な表面形状に対応可能等の理由により、光硬化性樹脂を使用する場合がある(例えば、特許文献1)。
光硬化性樹脂層を成形する製造工程において、離型フィルムを使用する場合がある。例えば、離型フィルム上に光硬化性樹脂を塗布、乾燥させた後、ステッパーを用いた紫外線露光により、所望するパターンを形成した後、離型フィルムを剥離する等の工程に使われる。当該製造工程においては、紫外線露光時、紫外線は遮光パターンが描画されたフォトマスクの遮光膜の無い部分を透過し、光硬化性樹脂に到達してこれを硬化させる。さらに硬化反応に消費された残りの紫外線はさらに離型フィルムに達する。この紫外線は離型面と光硬化性樹脂の界面および離型フィルムの反対面において反射し再び光硬化性樹脂に到達し、光硬化性樹脂を硬化させる。この反射戻り光は、フォトマスクのパターン作製時には考慮されておらず、特にパターンの遮光部と透過部との境目には、この反射戻り光が作用しやすく、本来設計したパターンエッジが実際には精度よく再現できなかったことから、この有害な反射戻り光を排除する機能が、離型フィルムに求められている。
これらの問題を解決するため発明者らは、紫外線吸収性の物質、例えば全ての波長域で吸収能を有するカーボンブラックや紫外域のみに吸収能を有するベンゾオキサジン系などの紫外線吸収剤などをポリエステルフィルムに含有させる方法を提案した。しかしながら、研究をさらに進めた結果、これらの方法では次の点が問題となることを新たに知見するに至った。
すなわち、光硬化性樹脂を硬化するために照射する紫外線光量が多いと、ポリエステルフィルム自身が発熱し、フィルムの寸法が変化し、加えて硬化中の光硬化性樹脂の温度が上昇して粘度が変化する結果、得られる光学部材の寸法精度が所望するレベルに到達しない場合がある。この原因は、ポリエステルフィルムに含有させた紫外線吸収性の物質が光エネルギーを熱エネルギーに変換する性質を有することに帰する。したがって、紫外線を吸収し、熱エネルギーに変換する性質を有する物質の使用は極力避けることが求められている。
一方、離型フィルムを構成する離型層に関して、例えば、光硬化性樹脂と接する離型層においては、離型層表面より紫外線照射した場合、離型層と光硬化性樹脂層との接着性が向上するため、離型フィルム剥離時に剥離困難な場合があった。その為、離型層表面を紫外線照射する前後において、離型層と光硬化性樹脂層との相互作用が極力小さい離型フィルムが必要とされている。
上記のとおり、離型フィルムにおいては従来よりもさらに高度なレベルで紫外線反射光の制御と寸法安定性および離型性の制御が必要とされている。
特開2006−30621号公報 特開2007−34026号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、特に光硬化性樹脂層製造工程において好適に使用される、紫外線の反射防止性が付与された、紫外線照射時の寸法安定性および離型性が良好に制御された離型フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記実状に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなる離型フィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポポリエステルフィルムの片面に離型層を有するフィルムであり、離型層側から入射した紫外線の絶対反射率が360〜370nmの波長領域全域にわたって5.5%以下であり、離型層表面の残存Si−H指数が2.0以下であり、紫外線照射前後のフィルムの寸法変化率が縦方向および横方向ともに−0.5〜0.5%の範囲であることを特徴とする離型フィルムに存する。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明における離型フィルムを構成するポリエステルフィルムは単層構成であっても積層構成であってもよく、例えば、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を超えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
本発明において、ポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が例示される。一方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。何れにしても本発明でいうポリエステルとは、通常60モル%以上、好ましくは80モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレート等であるポリエステルを指す。
本発明において、ポリエステル層中には、易滑性付与を主たる目的として粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は、本発明の主旨を損なわない範囲において、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、用いる粒子の平均粒径は、通常0.01〜3μm、好ましくは0.01〜1μmの範囲である。平均粒径が0.01μm未満の場合には、粒子が凝集しやすく、分散性が不十分な場合があり、一方、3μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程において離型層を塗設させる場合等に不具合が生じる場合がある。
さらに、ポリエステル層中の粒子含有量は、通常0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.001重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場合にはフィルムの透明性が不十分な場合がある。
ポリエステル層中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
なお、本発明において、離型フィルムを構成するポリエステルフィルム中には上記の粒子、蛍光増白剤以外に、本発明の主旨を損なわない範囲において、必要に応じて、従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料、紫外線吸収剤、蛍光増白剤等を添加し併用することができる。
さらに、本発明における離型フィルムを構成するポリエステルフィルム中に紫外線吸収剤、蛍光増白剤、あるいは両者を併用して含有させると、紫外線照射時の紫外線吸収性を付加することができる。しかしながら、紫外線吸収剤含有量が0.6重量%を超える場合、紫外線照射時の発熱が大きく寸法精度を維持できない場合がある。また蛍光増白剤を使用する場合もその含有量が5重量%を超えると離型表面からのブリードアウトが多くなり、工程用離型フィルムとしては好ましくない。蛍光増白剤のブリードアウトを防止するため、フィルムを3層以上の積層構造とし、表面を形成する層以外の層に蛍光増白剤を含有させることが望ましい。すなわち、例えばA/B/A構造や、A/B/C構造のB層に含有させる方法が挙げられる。またこの場合、B層以外の層にも蛍光増白剤を含有させることはできるが、A層、C層中の蛍光増白剤含有量はB層よりも低いことが好ましい。かかる添加方法を用いた場合、蛍光増白剤のフィルム中の含有量は、フィルムを構成する全部のポリエステルに対する含有量として上記した範囲とすることが必要となる。
本発明の離型フィルムを構成するポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、用途上、通常9〜188μm、好ましくは12〜100μmの範囲である。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
まず、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜 110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常 3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の 温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明におけるポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法で、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上記の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来から公知の延伸方式を採用することができる。
さらに上記のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆる塗布延伸法(インラインコーティング:ILC)を施すことができる。塗布延伸法によりポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に塗布層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
本発明における離型フィルムに関して、紫外線吸収性を付与すると同時に可視光線透過性を維持する方法として、例えば、離型フィルムを構成するポリエステルフィルム中に染料、顔料、紫外線吸収剤等を含有する方法が挙げられる。
本発明において、離型フィルムを構成するポリエステルフィルム中に含有される染料としては、天然染料と合成染料に分類することができ、天然染料としては、インジゴ(藍)等が代表される。合成染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、硫化染料、トリフェニルメタン染料、ピラゾロン染料、スチルベン染料、ジフェニルメタン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料、キノンイミン染料(例えば、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料)、チアゾ−ル染料、メチン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、シアニン色素などが挙げられる。また、本発明において、使用する顔料としては、有機顔料と無機顔料とに分類することができ、有機顔料としては、フタロシアニン系、ジオキサジン系、アントラキノン系などの顔料で代表的なものとして、キナクリドン、ウォッチアングレッド、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。無機顔料としては、チタン白、亜鉛華、鉛白、カ−ボンブラック、ベンガラ、朱、カドミウム赤、黄鉛、群青、コバルト青、コバルト紫、ジンククロメ−ト等が挙げられる。
これらの染料および/または顔料は、1種または2種以上併用して使用することができる。これらはポリエステルフィルム中の含有量が通常0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%である。当該含有量が0.01重量%未満では、着色の度合いが少なく、所望する紫外線吸収性を得るのが困難な場合がある。一方、10重量%を超える場合には、着色の度合いが飽和してしまい、不経済であるだけでなく、生産性低下等の不具合を生じる場合がある。本発明において、離型フィルムの取扱性等の点で、ポリエステルフィルム中には、染料および/または顔料以外に前述の粒子を本発明の主旨を損なわない範囲において含有されていることが好ましい。
次に本発明における離型層の形成について説明する。
本発明における離型フィルムを構成する離型層とは、離型性を有する層のことを指し、具体的には、アクリル系粘着テープと離型層との剥離力(F)が通常10〜300mN/cm、好ましくは10〜200mN/cmの範囲である。
本発明の離型フィルムは、光硬化性樹脂層形成過程における剥離性を良好とするために残存Si−H指数を2.0以下に抑制することが必要である。残存Si−H指数に関して、好ましくは1.5以下がよい。当該残存Si−H指数が2.0を超える場合、本発明の用途上、剥離性が不十分となる。
本発明の離型フィルムを構成する離型層は、上記の塗布延伸法(インラインコーティング)等のフィルム製造工程内において、ポリエステルフィルム上に設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、いわゆるオフラインコーティング(OLC)を採用してもよく、何れの手法を採用してもよい。塗布延伸法(インラインコーティング)については以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては特に1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前にコーティング処理を施すことができる。塗布延伸法によりポリエステルフィルム上に離型層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に離型層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
また、本発明における離型フィルムを構成する離型層は離型性を良好とするために硬化型シリコーン樹脂を含有するのが好ましい。硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては付加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等、何れの硬化反応タイプでも用いることができる。具体例を挙げると、信越化学工業(株)製KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、X−62−1387、KNS−3051、X−62−1496、KNS320A、KNS316、X−62−1574A/B、X−62−7052、X−62−7028A/B、X−62−7619、X−62−7213、東レ・ダウコーニング(株)製DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、TPR6500、TPR6501、UV9300、UV9425、XS56−A2775、XS56−A2982、UV9430、TPR6600、TPR6604、TPR6605、東レ・ダウコーニング(株)製SRX357、SRX211、SD7220、LTC750A、LTC760A、SP7259、BY24−468C、SP7248S、BY24−452等が例示される。
Si−H結合が少ない塗材を選択することにより、本発明で規定する残存Si−H指数を低く抑制することができる。さらに離型層の剥離性等を調整するために剥離コントロール剤を併用してもよい。
本発明において、ポリエステルフィルムに離型層を設ける方法として、リバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
本発明において、ポリエステルフィルム上に離型層を形成する際の硬化条件に関しては特に限定されるわけではないが、本発明で規定する残存Si−H指数を低く制御するためには熱履歴を多く、すなわち高い温度と長い時間をかけることは効果がある。例えば、オフラインコーティングにより離型層を設ける場合、通常、120〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのがよい。また、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。尚、活性エネルギー線照射による硬化のためのエネルギー源としては、従来公知の装置,エネルギー源を用いることができる。離型層の塗工量は塗工性の面から、通常0.005〜1g/m、好ましくは0.005〜0.5g/mの範囲である。塗工量が0.005g/m未満の場合、塗工性の面より安定性に欠け、均一な塗膜を得るのが困難になる場合がある。一方、1g/mを超えて厚塗りにする場合には、離型層自体の塗膜密着性、硬化性等が低下する場合がある。
また、本発明で規定する残存Si−H指数を低く制御するためには、離型層を形成した後、下記に述べる光硬化性樹脂層の形成に使用するまでの間に長時間エージングすることにも効果がある。これは活性なSi−H基が空気中の酸素あるいは水が反応することで消滅すると考えられるためである。例えば、25℃で2週間、あるいは40℃で1週間などのエージングで離型層形成直後に比較して残存Si−H指数は減少する。
上記のように、残存Si−H基の数は時間とともに減少する性質を持ち、本発明で規定する残存Si−H指数は離型層の形成直後から減少して約1週間で収斂する。したがって当該評価については収斂したと見なされる、離型層形成後少なくとも1週間後以降のサンプルを用いて行う必要がある。
次に本発明の必須要件である紫外線反射防止複合層を構成する塗布層の形成について説明する。
この紫外線反射防止複合層はポリエステルフィルムと空気の界面で反射して再度光硬化樹脂に戻る光を抑制するために離型層と反対の面に設けられる。一般的には、ポリエステルフィルムにハードコート層、反射防止層を順次積層した層構成であるが、ハードコート層の密着性等の性能を高めるためにアンカー塗布層を設けてもよい。
紫外線反射防止複合層を構成する塗布層の塗布剤および層厚みは、離型フィルムとして使用される上記パターニング製造工程のステッパーの光源紫外線波長における絶対反射率を制御するべく光学的計算手法などを用いて選択される。必要に応じて光学的シミュレーション、事前のスクリーニング実験などを実施して決定してもよい。
アンカー塗布層に関しては、上記のインラインコーティングによりポリエステルフィルム上に設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、いわゆるオフラインコーティングを採用してもよく、両者を併用してもよい。なお、製造が安価に対応可能な点でインラインコーティングの方が好ましく用いられる。
インラインコーティングについては、以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては、特に縦延伸が終了した横延伸前にコーティング処理を施すことができる。インラインコーティングによりポリエステルフィルム上にアンカー塗布層が設けられる場合には、製膜と同時に塗布が可能になると共にアンカー塗布層を高温で処理することができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
アンカー塗布層については、以下に限定するものではないが、例えば、一軸方向に延伸されたポリエステルフィルムの片面に、金属元素を有する有機化合物と水性ウレタン樹脂とを含有する塗布剤を塗布し、乾燥させることにより設けられる。
アンカー塗布層を設ける方法は、リバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、上記の従来公知の塗工方式を用いることができる。
ハードコート層は、ポリエステルフィルム面に直接、または上記に例示された方法で形成されたアンカー塗布層の上に形成されるもので、通常用いられる構成材料を用いることができる。例えば、紫外線硬化性樹脂からなるものがある。紫外線硬化性樹脂としては、ポリエステル−アクリレート系、ウレタン−アクリレート系、エポキシ−アクリレート系などの紫外線硬化性組成物が挙げられる。
上記のハードコート層を設ける方法は、リバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、上記の従来公知の塗工方式を用いることができる。上記のハードコート層の塗布厚みは、通常0.5〜20μmの範囲であり、さらには2〜15μmが好ましい。
反射防止層は上記のように形成されたハードコート層の上に形成されるもので、ハードコート層よりも低屈折率の層を設けることで反射防止の機能が発現する。さらに反射率を低減させる場合にはその上に高屈折率層を形成すればよく、この高屈折率層、低屈折率層を交互に積層することで反射率をさらに低減させることができる。低屈折率層の構成成分としては、酸化珪素または有機樹脂が挙げられる。高屈折率層の構成成分としては、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、インジウム−スズ酸化物等の金属酸化物が挙げられる。上記の反射防止層を設ける方法は、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンビーム法等を用いることができる。
本発明における離型フィルムにおいては、上記光硬化性樹脂層をパターニング成形する製造工程のステッパーの紫外線波長(360〜370nm)における絶対反射率を5.5%以下とする必要があり、好ましくは4.5%以下、最も好ましくは2.0%以下がよい。当該絶対反射率が5.5%を越える場合には離型フィルムの離型面上に光硬化性樹脂層を塗布、乾燥後、紫外線照射によるパターン形成を行う際に、所望するパターン精度を確保するのが困難になる。
次に本発明における光硬化性樹脂層の形成について説明する。
光硬化性樹脂層に関しては、不飽和ポリエステル樹脂系アクリル系、付加重合系、チオール・アクリルのハイブリッド系、カチオン重合系およびカチオン重合とラジカル重合のハイブリッド系の硬化成分を用いることができる。
硬化性、耐擦傷性、面硬度、可とう性および耐久性を重視する場合には、アクリル系のものを用いることが好ましく、防汚性、耐殺傷性、帯電防止性および表面に滑り性を付与する場合には、主成分としてカチオン性単量体単位、疎水性単量体単位およびオルガノポリシロキサン単位からなるカチオン性共重合体を用いることが好ましい。
アクリル系硬化成分とは、紫外線重合成分としてアクリルオリゴマーと反応性希釈剤を含むものであって、そのほかに必要に応じて光重合開始剤、光増感剤、改質剤を含有するものであってもよい。
アクリルオリゴマーとは、アクリル系樹脂骨格に反応性のアクリロイル基あるいはメタアクリロイル基が結合されたものを始めとして、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレートなどがあり、またメラミン、イソシアヌール酸、環状ホスファゼンなどの剛直な骨格にアクリロイル基あるいはメタアクリロイル基が結合されたものなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応性希釈剤とは、塗布剤の媒体として塗布工程での溶剤の機能を担うとともに、それ自体が多官能性あるいは一官能性のアクリルオリゴマーと反応する基を有し、塗膜の共重合成分となるものである。例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
アクリル系光硬化性樹脂層の離型フィルムに対する剥離性は、離型層に用いられたシリコーン樹脂に残存するSi−H基とアクリル分子との相互作用に強く支配されることから、品質の安定したアクリル系粘着テープで簡易的に評価することができる。このようなアクリル系粘着テープの例としては日東電工製「No.502」テープなどが挙げられる。
本発明において、紫外線発生源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどが挙げられる。また、紫外線を照射方法としては、バッチ式でも連続式でもよく、本発明の用途上特に限定されるわけではない。
本発明において、成形される光硬化性樹脂層の厚みに関しては、用途上、特に限定されるわけではないが、5μm〜200μmが好ましく、さらに好ましくは10μm〜100μmの範囲がよい。
本発明の離型フィルムは、上記の光硬化性樹脂の硬化のための紫外線照射の前後の寸法変化率が−0.5〜0.5%の範囲に制御されたものである。これは光硬化樹脂層に所望された微細パターンが精度よく形成されるために、離型フィルムに要求される性能である。この寸法変化は、本発明の課題解決のために添加する蛍光増白剤が紫外線エネルギーを吸収し、その一部を熱エネルギーに変換する結果、離型フィルムの温度が上昇して収縮または膨張する現象である。したがって、紫外線照射の前後の寸法変化率が−0.5%から0.5%の制御は、蛍光増白剤の添加量と、上述したポリエステルフィルムの延伸条件を試行錯誤法等により調整することにより実現される。この寸法変化率はポリエステルフィルム製造時の流れ方向(MD)および幅方向(TD)の双方とも−0.5%以上0.5%以下の範囲に制御される。
本発明の離型フィルムによれば、光硬化性樹脂層成形用として、紫外線の反射防止性が付与された、紫外線照射時の寸法安定性および離型力変動が良好に制御された離型フィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50:μm)の測定
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(3)粒子の一次粒径
試料フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成型した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡にて観察した。フィルム断面中に観察される粒子の最大径(a)とそれと直交する径(b)とを計測し、次式から1個の粒子の一次粒径を求め、500個の粒子について測定し、その相加平均を粒子の一次粒径とした。
一個の粒子の一次粒径=(a+b)/2
(4)離型フィルムの紫外線絶対反射率測定
サンプルフィルムから測定用小片を2枚切り出し、1枚はそのまま、もう1枚は離型面の裏面に黒テープ(ニチバン株式会社製ビニールテープVT―50)を貼り測定サンプルとした。島津製作所社製 分光光度計UV3100により、スキャン速度を低速、サンプリングピッチを2nm、波長360〜370nmの紫外線露光領域で、サンプルフィルムの離型面側から入射角5°で入射させて連続的に絶対反射率を測定した。波長λにおける黒テープを貼って測定した絶対反射率データをRb(λ)、黒テープを貼らずに測定した反射率データをRt(λ)として、離型面の裏面の絶対反射率R(λ)は以下の式で算出した。
R(λ)=Rb(λ)−Rt(λ)
(5)離型フィルムの紫外線反射性評価
(4)項で得られた絶対反射率R(λ)を用いて、下記判定基準により、判定を行った。 《判定基準》
◎:絶対反射率Rb(λ)の最大値が2%以下(実用可能なレベル)
○:絶対反射率Rb(λ)の最大値が2%超4.5%以下(実用可能なレベル)
△:絶対反射率Rb(λ)の最大値が4.5%超5.5%以下(実用可能なレベル)
×:絶対反射率Rb(λ)の最大値が5.5%超(実用困難なレベル)
(6)離型フィルムにおける離型層の残存Si−H指数評価
あらかじめ、試料フィルムを40cm相当量準備する。次に5mm角程度に切り出し、20ccのバイアル瓶に入れる。さらに水酸化カリウムの飽和ブタノール溶液を4cc添加し、テフロン(登録商標)製のチューブにて密閉する。その後、50℃および80℃の恒温槽に各々、45分間放置する。室温に冷却後、バイアル瓶中に発生する水素ガス発生量を下記測定条件により、ガスクロマトグラフィーにより定量分析した。得られた水素ガス発生量を用いて、下記式により、残存Si−H指数を求め、下記判定基準により、判定を行った。
*ガスクロマトグラフィー測定条件
〈検出器〉:TCD
〈キャリアー〉:窒素ガス
〈温度設定〉:カラム:150℃
インジェクション:150℃
TCD:150℃
残存Si−H指数=(発生する水素ガス量(80℃処理))/(発生する水素ガス量(50℃処理))
上記残存Si−H指数が大きいほど、離型層皮膜形成後、当該皮膜表面に残存するSi−H基量が多いため、本発明において製造する光硬化性樹脂層に対する接着性が増加するようになる。
《判定基準》
○:残存Si−H指数が1.5以下で特に剥離性良好(実用可能なレベル)
△:残存Si−H指数が1.5を超え、2.0以下で剥離性良好(実用可能なレベル)
×:残存Si−H指数が2.0を越えるため、剥離性不良(実用困難なレベル)
いずれも離型剤塗布後1週間以上経過したサンプルの測定値で判定した。
(7)離型フィルムの剥離力の測定
A4カット判サイズの離型フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置後の剥離力を測定した。剥離力は引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
(8)離型フィルムの剥離力の測定
A4カット判サイズの離型フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置後の剥離力を測定した。剥離力は引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
(9)紫外線硬化樹脂層の剥離性評価
あらかじめA4カット判サイズの試料フィルム上に下記組成からなる紫外線硬化樹脂層を塗布厚み(乾燥後)が5μmになるように塗布した後、80℃、1分間熱処理した。次に下記紫外線照射条件により、紫外線照射させた。常温に冷却後、離型フィルムを紫外線硬化樹脂層から手で剥がし、剥離性を下記判定基準により評価した。
《紫外線硬化型樹脂組成》
紫外線硬化型樹脂:日本化薬製KAYANOBA FOP5000
《紫外線照射条件》
装置:ウシオ電機製「UVC―402型」
ライン速度:5m/min
ライン出力:120w/cm
照射距離:10cm
《判定基準》
○:引っかかりがなくスムーズに剥がれる(実用可能なレベル)
△:少し引っかかりがあるがスムーズに剥がれる(実用可能なレベル〉
×:強く固着する箇所があってスムーズに剥がれない(実用困難なレベル)
(10)紫外線照射前後における離型フィルムの寸法変化率(ΔL)の測定
離型フィルムから15mm幅×150mm長の短冊状サンプルをMD方向、TD方向に切り出し、測微計により評点間約100mmを正確に測定し、下記紫外線照射条件にて無張力状態にて処理後、上記評点間を同様に測定して下記式にて各サンプルのΔL(MD)、ΔL(TD)を求めた。
《紫外線照射条件》
装置:ウシオ電機製「UVC―402型」
ライン速度:1m/min
ライン出力:160w/cm
照射距離:10cm
ΔL(MD)(%)=(紫外線照射後のMD評線間距離―MD紫外線照射前の評線間)/紫外線照射前のMD評線間距離×100
ΔL(TD)(%)=(紫外線照射後のTD評線間距離―TD紫外線照射前の評線間)/紫外線照射前のTD評線間距離×100
《判定基準》
○:△L(MD)、ΔL(TD)の絶対値がともに0.5%以下(実用可能なレベル)
×:△L(MD)、ΔL(TD)の絶対値のいずれかが0.5%超(実用困難なレベル)
(11)総合評価
試料フィルムの各項目における評価結果を元に下記判定基準により、判定を行った。
《判定基準》
○:紫外線反射防止性の判定が◎または○、残存Si−H指数の判定が○、かつ寸法安定性の判定が○の場合(実用可能なレベル)
△:紫外線反射防止性の判定、残存Si−H指数の判定のいずれかが△、かつ寸法安定性の判定が○の場合(実用可能なレベル)
×:紫外線反射防止性の判定、残存Si−H指数の判定、寸法安定性の判定のいずれかが×の場合(実用困難なレベル)
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
〈ポリエステルの製造〉
製造例1(ポリエチレンテレフタレートA)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.03部、およびエチレングリコールスラリーとした平均粒径1.5μmのシリカ粒子を0.01部添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgに達せしめ、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後、系内を常圧に戻し、固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートAを得た。
製造例2(ポリエチレンテレフタレートB)
製造例1において製造したポリエチレンテレフタレートAをベント付き二軸押出機に供して、蛍光増白剤としてチバ・ジャパン社製のUVITEX OB−ONEを5重量%濃度となるように供給して溶融混練りしてチップ化を行い、蛍光増白剤マスターバッチポリエチレンテレフタレートBを作製した。得られたポリエチレンテレフタレートBの極限粘度は、0.59であった。
製造例3(ポリエチレンテレフタレートC)
製造例1において製造したポリエチレンテレフタレートAをベント付き二軸押出機に供して、紫外線吸収剤として2,2−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン](CYTEC社製 CYASORB UV−3638 分子量 369 ベンゾオキサジン系)を10重量%濃度となるように供給して溶融混練りしてチップ化を行い、紫外線吸収剤マスターバッチポリエチレンテレフタレートCを作製した。得られたポリエチレンテレフタレートCの極限粘度は、0.59であった。
製造例4(ポリエチレンテレフタレートD)
製造例1において製造したポリエチレンテレフタレートAを97.5部と平均粒径0.35μmの酸化チタン粒子2.5部とをドライブレンドし、二軸混練押出機を用いて押出し、ポリエチレンテレフタレートDを得た。得られたポリエチレンテレフタレートDの極限粘度は、0.61であった。
製造例5(ポリエチレンテレフタレートE)
製造例1において製造したポリエチレンテレフタレートAを99.4部と一次粒径20nmのカーボンブラック粒子0.6部とをドライブレンドし、二軸混練押出機を用いて押出し、ポリエチレンテレフタレートEを得た。得られたポリエチレンテレフタレートEの極限粘度は、0.60であった。
実施例1:
製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートAを180℃で4時間、不活性ガス雰囲気中で乾燥し、溶融押出機により290℃で溶融し、口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。得られた未延伸シートにまず、95℃で延伸倍率をMD方向に3.6倍延伸した後、下記離型剤を塗布量(乾燥後)が0.05g/mになるようにリバースグラビアコート方式により塗布した後、テンターに導き、TD方向に4.3倍の逐次二軸延伸を行った。その後、230℃にて3秒間熱固定し、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。
離型層を構成する離型剤組成例は以下のとおりである。
《離型剤組成》
硬化型シリコーン樹脂(Dehesive430:旭化成ワッカー製):50重量%
硬化型シリコーン樹脂(Dehesive440:旭化成ワッカー製):50重量%
上記離型剤を水で希釈し、濃度5重量%の塗布液を作製した。
次に、上記の方法で作製した二軸配向ポリエステルフィルムの離型層の反対面に、トルエンとメチルエチルケトン(重量比1:1)の混合溶媒で、アクリル系ハードコート剤(日本化薬社製「KAYANOVA FOP−1700」:乾燥、硬化後の屈折率は1.54)を希釈し、乾燥、硬化後の塗布厚さで3μmとなる様に、リバースグラビアコート方式で塗布した。次いで、110℃で1分間乾燥して溶剤を除去した後、高圧水銀灯により、出力120w/cm、照射距離15cm、移動速度10m/分の条件下で紫外線硬化させ、ハードコート層を形成した。ハードコート層の上に、パーフルオロブテニルビニルエーテルの重合体のパーフルオロ(2−ブチルテトラハイドロフラン)溶液を、乾燥後の塗布厚さが0.2μmとなる様に、リバースグラビアコート方式で塗布した。次いで、120℃で1分間乾燥し反射防止層を形成して、紫外線反射防止性を有する離型フィルムを得た。
実施例2:
製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートAを180℃で4時間、不活性ガス雰囲気中で乾燥し、溶融押出機により290℃で溶融し、口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。得られた未延伸シートにまず、95℃で延伸倍率をMD方向に3.6倍延伸した後、下記アンカー塗布剤を塗布量(乾燥後)が0.1g/mになるようにリバースグラビアコート方式により塗布した後、テンターに導き、TD方向に4.3倍の逐次二軸延伸を行った。その後、230℃にて3秒間熱固定し、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。
アンカー塗布層を構成する塗布剤組成例は以下のとおりである。
《アンカー塗布剤組成》
a/b/c/d=47/20/30/3
ここで、aは、テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸/エチレングリコール/ジエチレングリコール/トリエチレングリコール=31/16/3/22/21(モル比)のポリエステル分散体;bは、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリルニトリル/N−メチロールメタアクリルアミド=45/45/5/5(モル比)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤);cは、ヘキサメトキシメチルメラミン(メラミン系架橋剤);dは、粒子径0.06μmの酸化ケイ素の水分散体(無機粒子)である。
次にオフラインにて、下記離型剤組成からなる離型剤を塗布量(乾燥後)が0.1μmになるようにリバースグラビアコート方式により塗布、次いで、120℃、10秒間乾燥させた後に離型フィルムを得た。
離型層を構成する離型剤組成例は以下のとおりである。
《離型剤組成》
硬化型シリコーン樹脂(KS−778:信越化学製):99重量%
硬化剤(PL−50T:信越化学製):1重量%
上記離型剤をトルエン/MEK混合溶媒(混合比率=1:1)にて希釈し、固型分濃度2重量%の塗布液を得た。
次に、上記の方法で作製した二軸配向ポリエステルフィルムの離型層の反対面に、トルエンとメチルエチルケトン(重量比1:1)の混合溶媒で、アクリル系ハードコート剤(日本化薬社製「KAYANOVA FOP−1700」:乾燥、硬化後の屈折率は1.54)を希釈し、乾燥、硬化後の塗布厚さで3μmとなる様に、リバースグラビアコート方式で塗布した。次いで、110℃で1分間乾燥して溶剤を除去した後、高圧水銀灯により、出力120w/cm、照射距離15cm、移動速度10m/分の条件下で紫外線硬化させ、ハードコート層を形成した。該ハードコート層の上に、パーフルオロブテニルビニルエーテルの重合体のパーフルオロ(2−ブチルテトラハイドロフラン)溶液を、乾燥後の塗布厚さが0.2μmとなるように、リバースグラビアコート方式で塗布した。次いで、120℃で1分間乾燥し反射防止層を形成して、紫外線反射防止性を有する離型フィルムを得た。
実施例3:
線反射防止層の乾燥後の塗布厚みを0.1μmとしたこと以外は実施例2と同様にして製造し、離型フィルムを得た。
実施例4:
実施例2において用いた原料の代わりに、製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートA50部と、製造例2で製造したポリエチレンテレフタレートB50部とを混合した原料を用いたことと、離型剤組成が下記離型剤組成としたこと以外は実施例2と同様にして製造し、離型フィルムを得た。実施例2において用いた原料の代わりに、製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートA50部と、製造例2で製造したポリエチレンテレフタレートB50部とを混合した原料を用いたことと、離型剤組成が下記離型剤組成としたこと以外は実施例2と同様にして製造し、離型フィルムを得た。
《離型剤組成》
硬化型シリコーン樹脂(KS−3703:信越化学製):79重量%
硬化型シリコーン樹脂(KS−3800:信越化学製):20重量%
硬化剤(PL−50T:信越化学製):1重量%
上記離型剤をトルエン/MEK混合溶媒(混合比率=1:1)にて希釈し、固型分濃度2重量%の塗布液を得た。
実施例5:
実施例2において用いた原料の代わりに、製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートA93部と、製造例2で製造したポリエチレンテレフタレートB7部とを混合した原料を用いたことと、離型剤組成が下記離型剤組成としたこと以外は実施例2と同様にして製造し、離型フィルムを得た。
《離型剤組成》
硬化型シリコーン樹脂(KS−3703:信越化学製):59重量%
硬化型シリコーン樹脂(KS−3800:信越化学製):40重量%
硬化剤(PL−50T:信越化学製):1重量%
上記離型剤をトルエン/MEK混合溶媒(混合比率=1:1)にて希釈し、固型分濃度2重量%の塗布液を得た。
実施例6:
実施例2において用いた原料の代わりに、製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートA43部と、製造例2で製造したポリエチレンテレフタレートB50部と、製造例3で製造したポリエチレンテレフタレートC7部とを混合した原料を用いた以外は、実施例2と同様にして製造し離型フィルムを得た。
比較例1:
紫外線反射防止複合層の塗布を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。
比較例2:
反射防止層の塗布を行わなかったこと以外は実施例2と同様にして製造し、離型フィルムを得た。
比較例3:
実施例2において、離型剤組成が下記離型剤組成としたこと以外は実施例2と同様にして製造し、離型フィルムを得た。
《離型剤組成》
硬化型シリコーン樹脂(KS−3703:信越化学製):29重量%
硬化型シリコーン樹脂(KS−3800:信越化学製):70重量%
硬化剤(PL−50T:信越化学製):1重量%
上記離型剤をトルエン/MEK混合溶媒(混合比率=1:1)にて希釈し、固型分濃度2重量%の塗布液を得た。
Figure 0004919996
本発明の離型フィルムを光学部材製造用に用いた場合、特に光硬化性樹脂層成形用として、紫外線反射防止性および離型性が良好であり、特にLCDバックライト、有機EL、無機EL等、ディスプレイ用光学部材製造用として好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. ポリエステルフィルムの片面に離型層を有するフィルムであり、離型層側から入射した紫外線の絶対反射率が360〜370nmの波長領域全域にわたって5.5%以下であり、離型層表面の残存Si−H指数が2.0以下であり、紫外線照射前後のフィルムの寸法変化率が縦方向および横方向ともに−0.5〜0.5%の範囲であることを特徴とする離型フィルム。
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