JP2011178002A - 両面離型フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】光硬化性樹脂層製造工程において好適に使用することができる、紫外線を吸収すると同時に紫外線照射時の寸法安定性および離型性が良好に制御された両面離型フィルムを提供する。
【解決手段】蛍光増白剤を0.03〜5重量%含有するポリエステルフィルムの両面に離型層を有するフィルムであり、360〜370nmの波長領域におけるフィルムの光線透過率が20%以下であり、フィルムの両面に設けられた離型層の常態剥離力がいずれも10〜130mN/cm以下であり、両面の常態剥離力の比が2〜6であり、両離型層の残留接着率がいずれも80%以上であり、紫外線照射前後のフィルムの寸法変化率が縦方向および横方向ともに−0.5〜0.5%の範囲であることを特徴とする離型フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線吸収性および離型性を有する離型フィルムに関するものであり、液晶ディスプレイ(以下、LCDと略記する)に用いられる偏光板、位相差板等のLCD構成部材製造用、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略記する)構成部材製造用、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略記する)構成部材製造用等、各種ディスプレイ構成部材製造用として、例えば、紫外線照射により形成される光硬化性樹脂層を成形する製造工程に好適な両面離型フィルムを提供するものである。
従来、ポリエステルフィルムを基材とする離型フィルムが、LCD用偏光板、位相差板製造用、PDP構成部材製造用、有機EL構成部材製造用等、各種ディスプレイ構成部材製造用等、各種光学用途に使用されている。
近年、IT(Information Technology)分野の躍進に伴い、LCD、PDP、有機EL等の表示部材における高機能化に伴い、ディスプレイを構成する光学部材に対する要求品質もさらに向上する傾向にあり、さらに高精度な光学部材が必要とされている。
光学部材を高精度で製造する必要性が高まる中、該光学部品製造に際しては、パターニングの微細化に伴い、複雑な表面形状に対応可能等の理由により、光硬化性樹脂を使用する場合がある(特許文献1、2)。
光硬化性樹脂層を成形する製造工程において、離型フィルムを使用する場合がある。例えば、離型フィルム上に光硬化性樹脂を塗布、乾燥させた後、ステッパーを用いた紫外線露光により、所望するパターンを形成した後、離型フィルムを剥離する等の工程に使われる。当該製造工程においては、紫外線露光時、紫外線は遮光パターンが描画されたフォトマスクの遮光膜のない部分を透過し、光硬化性樹脂に到達してこれを硬化させる。さらに硬化反応に消費された残りの紫外線はさらに離型フィルムに達する。この紫外線は離型面と光硬化性樹脂の界面および離型フィルムの反対面において反射し再び光硬化性樹脂に到達し、光硬化性樹脂を硬化させる。この反射戻り光は、フォトマスクのパターン作製時には考慮されておらず、特にパターンの遮光部と透過部との境目にはこの反射戻り光が作用しやすく、本来設計したパターンエッジが実際には精度よく再現できなかったことから、この有害な反射戻り光を排除する機能が、離型フィルムに求められている。
これらの要求に対し、光硬化性樹脂を硬化するために照射される紫外線量が多くてもポリエステルフィルムの寸法安定性を維持するために紫外線吸収時に発生するエネルギーを熱以外の形態に変換することによりエネルギーを系外に散逸させる技術が存在する(特許文献3)。
上記文献によると広く普及しているステッパーの紫外線露光の光源が、i線と呼ばれる365nmにピーク波長を持つことから、紫外線吸収域を360〜370nmに付与できれば工業的な価値を持つとしている。
一方、離型フィルムを構成する離型層に関して、光硬化樹脂を塗布する面にのみ設けるとの構成では、光硬化性樹脂を塗布し、乾燥後、一連の工程で紫外線露光によるパターン化を行なわない場合には、離型フィルム上に光硬化性樹脂層を設けた状態でロール状に巻き取る必要があるが、光硬化樹脂層は、非離型面と接して巻き取られることになる。したがって、該ロールを次工程で巻き出す時には、光硬化性樹脂は、非離型面と密着しているため、離型面から剥がれ(いわゆる、浮き)を生じ、パターニングにおいて、複雑な表面形状に対応できなくなる等の問題を生じる。
特開2006−30621号公報 特開2007−34026号公報 特開2009−226737公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、光硬化性樹脂層製造工程において好適に使用することができる、紫外線を吸収すると同時に紫外線照射時の寸法安定性および離型性が良好に制御された両面離型フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記実状に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなる離型フィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、蛍光増白剤を0.03〜5重量%含有するポリエステルフィルムの両面に離型層を有するフィルムであり、360〜370nmの波長領域におけるフィルムの光線透過率が20%以下であり、フィルムの両面に設けられた離型層の常態剥離力がいずれも10〜130mN/cm以下であり、両面の常態剥離力の比が2〜6であり、両離型層の残留接着率がいずれも80%以上であり、紫外線照射前後のフィルムの寸法変化率が縦方向および横方向ともに−0.5〜0.5%の範囲であることを特徴とする離型フィルムに存する。
本発明の離型フィルムによれば、光硬化性樹脂層成形用として、紫外線吸収性良好であり、かつ紫外線照射時の寸法安定性および離型力変動が良好に制御され、光硬化樹脂を塗工、乾燥硬化を経て安定して巻取れ、次工程でも光硬化樹脂層を損ねることなく巻き出せる離型フィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明における離型フィルムを構成するポリエステルフィルムは単層構成であっても積層構成であってもよく、例えば、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を超えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
本発明においてポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が例示される。一方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。何れにしても本発明でいうポリエステルとは、通常60モル%以上、好ましくは80モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレート等であるポリエステルを指す。
本発明において、ポリエステル層中には、易滑性付与を主たる目的として粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は、本発明の主旨を損なわない範囲において、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
また、用いる粒子の平均粒径は、通常0.01〜3μm、好ましくは0.01〜1μmの範囲である。平均粒径が0.01μm未満の場合には、粒子が凝集しやすく、分散性が不十分な場合があり、一方、3μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程において離型層を塗設させる場合等に不具合が生じる場合がある。
さらに、ポリエステル層中の粒子含有量は、通常0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜3重量%の範囲である。粒子含有量が0.001重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分な場合があり、一方、5重量%を超えて添加する場合には、フィルムの透明性が不十分な場合がある。
ポリエステル層中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。
また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
一方、本発明のポリエステル層中には蛍光増白剤を配合する。その含有量は0.03〜5重量%であり、好ましくは0.1〜4.5重量%、さらに好ましくは、0.5〜4重量%である。蛍光増白剤含量が0.03重量%未満では、紫外線吸収能力が低く、5重量%より多いと、紫外線に関しては良好であるが、離型表面からのブリードアウトが多くなり、工程用離型フィルムとしては好ましくない。
蛍光増白剤のブリードアウトを防止するため、本発明においてはフィルムを3層以上の積層構造とし、表面を形成する層以外の層に蛍光増白剤を含有させることが望ましい。すなわち、例えばA/B/A構造や、A/B/C構造のB層に含有させる方法が挙げられる。またこの場合、B層以外の層にも蛍光増白剤を含有させることはできるが、A層、C層中の蛍光増白剤含有量はB層よりも低いことが好ましい。かかる添加方法を用いた場合、蛍光増白剤のフィルム中の含有量は、フィルムを構成する全部のポリエステルに対する含有量として上記した範囲とすることが必要となる。
本発明では、蛍光増白剤は紫外線照射時の紫外線吸収性と低発熱性を両立させるために配合されるが、これら蛍光増白剤の例としては、ベンゾキサゾイル誘導体、クマリン誘導体、スチレンビフェニル誘導体、ピラゾロン誘導体等が挙げられる。特にベンゾキサゾイル誘導体は熱安定性に優れることから本発明に好適であり、これらはクラリアント社製「Hostalux KS」、チバ・ジャパン社製の「UVITEX OB−ONE」等として商品化されている。
蛍光増白剤の添加方法は、ポリエステルの製造工程中に添加しても、ポリエステル原料をチップ形状にしてからまぶす方法でもよく、またポリエステルの溶融押出工程中に添加してもよい。かかる方法で高濃度に添加したポリエステル原料をマスターバッチとして、製膜時の溶融押出工程にて添加する方法も採用できる。いずれにしても、得られたフィルムに蛍光増白剤が所定量含有されていれば、本発明の効果は発揮される。
なお、本発明において、離型フィルムを構成するポリエステルフィルム中には上記の粒子、蛍光増白剤以外に、本発明の主旨を損なわない範囲において、必要に応じて、従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料、紫外線吸収剤等を添加し併用することができる。
本発明の離型フィルムを構成するポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、用途上、通常9〜188μm、好ましくは12〜100μmの範囲である。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。
まず、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜 110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する延伸温度は通常70〜170℃であり、延伸倍率は通常 3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の 温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明におけるポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法で、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上記の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等の延伸方式を採用することができる。
さらに上記のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆる塗布延伸法(インラインコーティング:ILC)を施すことができる。塗布延伸法によりポリエステルフィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に塗布層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
本発明における離型フィルムに関して、紫外線吸収性を付与すると同時に可視光線透過性を維持する方法として、例えば、離型フィルムを構成するポリエステルフィルム中に染料、顔料、紫外線吸収剤等を含有する方法が挙げられる。
本発明において、離型フィルムを構成するポリエステルフィルム中に含有される染料としては、天然染料と合成染料に分類することができ、天然染料としては、インジゴ(藍)等が代表される。合成染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、硫化染料、トリフェニルメタン染料、ピラゾロン染料、スチルベン染料、ジフェニルメタン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料、キノンイミン染料(例えば、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料)、チアゾ−ル染料、メチン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、シアニン色素などが挙げられる。また、本発明において、使用する顔料としては、有機顔料と無機顔料とに分類することができ、有機顔料としては、フタロシアニン系、ジオキサジン系、アントラキノン系などの顔料で代表的なものとして、キナクリドン、ウォッチアングレッド、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。無機顔料としては、チタン白、亜鉛華、鉛白、カ−ボンブラック、ベンガラ、朱、カドミウム赤、黄鉛、群青、コバルト青、コバルト紫、ジンククロメ−ト等が挙げられる。
これらの染料および/または顔料は、1種または2種以上併用して使用することができる。これらはポリエステルフィルム中の含有量が通常0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%である。当該含有量が0.01重量%未満では、着色の度合いが少なく、所望する紫外線吸収性を得るのが困難な場合がある。一方、10重量%を超える場合には、着色の度合いが飽和してしまい、不経済であるだけでなく、生産性低下等の不具合を生じる場合がある。本発明において、離型フィルムの取扱性等の点で、ポリエステルフィルム中には、染料および/または顔料以外に前述の粒子を本発明の主旨を損なわない範囲において含有されていることが好ましい。
さらに、本発明における離型フィルムを構成するポリエステルフィルム中に紫外線吸収剤を蛍光増白剤と併用して含有させると、さらに効果的に紫外線照射時の紫外線吸収性と低発熱性を両立させることができる。これは紫外線吸収剤のみでは紫外線照射時の紫外線吸収性と低発熱性とは相反してしまう、という知見にもとづく。蛍光増白剤は不要な紫外領域の光エネルギーを熱以外のエネルギーに変換して系外に散逸させるためフィルム自身の温度上昇を抑制する。併用の場合、紫外線吸収剤は最大0.6重量%、好ましくは最大0.5重量%、より好ましくは最大0.4重量%の範囲で含有させるのがよい。紫外線吸収剤含有量が0.6重量%を超える場合、紫外線照射時の発熱が大きく寸法精度を維持できない場合がある。
本発明において使用できる紫外線吸収剤の具体例としては、ベンゾフェノン系化合物、1,3,5−トリアジン系化合物、ベンゾオキサジノン系化合物等が例示され、1種または2種以上を組み合わせて用いることもできるが、色調を考慮した場合、黄色味が付きにくいベンゾオキサジノン系化合物が用途上、好適に使用される。ベンゾオキサジン系化合物の具体例としては、例えば、2,2−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン]が挙げられる。
次に本発明における離型層の形成について説明する。
本発明における離型フィルムを構成する離型層とは、離型性を有する層のことを指し、具体的には、アクリル系粘着テープと離型層との剥離力が15〜100mN/cmの範囲であり、残留接着率がいずれの面とも80%以上であり、両面の常態剥離力の比が2〜6、好ましくは2.1〜5.5、さらに好ましくは2.2〜5の範囲である。剥離力が15mN/cm以下であれば、光硬化性樹脂の接着性が不足し、130mN/を超えると接着性が高すぎ、いずれの場合も乾燥硬化を経て巻取った後の次工程で光硬化樹脂層から離型フィルムを剥離時に支障を来たすことになる。また残留接着率が低いと離型層表面の滑り性が高いために乾燥硬化を経て巻取り時に巻ずれを生じやすくなる。また、転移した離型層成分により、次工程で塗工等の工程がある場合にコート層のはじきを生じやすくなる。
本発明における離型フィルムを構成する離型層は上記の塗布延伸法(インラインコーティング)等のフィルム製造工程内において、ポリエステルフィルム上に設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、いわゆるオフラインコーティング(OLC)を採用してもよく、何れの手法を採用してもよい。塗布延伸法(インラインコーティング)については以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては特に1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前にコーティング処理を施すことができる。塗布延伸法によりポリエステルフィルム上に離型層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に離型層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造できる。
本発明における離型フィルムを構成する離型層は離型性を良好とするために硬化型シリコーン樹脂を含有するのが好ましい。硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。
硬化型シリコーン樹脂の種類としては付加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等、何れの硬化反応タイプでも用いることができる。具体例を挙げると、信越化学工業(株)製KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−847H、KS−856、KS−723A、KS−723B、X−62−2422、X−62−2461、X−62−1387、KNS−3051、X−62−1496、KNS320A、KNS316、X−62−1574A/B、X−62−7052、X−62−7028A/B、X−62−7619、X−62−7213、東レ・ダウコーニング(株)製DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、DKQ3−3061、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、TPR6500、TPR6501、UV9300、UV9425、XS56−A2775、XS56−A2982、UV9430、TPR6600、TPR6604、TPR6605、東レ・ダウコーニング(株)製SRX357、SRX211、SRX67、SD7220、LTC750A、LTC760A、SP7259、BY24−468C、SP7248S、BY24−452等が例示される。
また、離型層の剥離力を所定の値とするための手段は特に限定するものではなく、硬化後の離型層の厚さや重剥離化剤の配合で達成すればよい。
重剥離化剤の具体例を上げると、信越化学工業(株)製KS−3800、X−92−183東レダウコーニング(株)製SDY7292、BY24−843、BY24−4980等が例示される。
本発明において、ポリエステルフィルムに離型層を設ける方法として、リバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
本発明において、ポリエステルフィルム上に離型層を形成する際の硬化条件に関しては特に限定されるわけではないが、例えば、オフラインコーティングにより離型層を設ける場合、通常、120〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのがよい。また、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。なお、活性エネルギー線照射による硬化のためのエネルギー源としては、従来から公知の装置,エネルギー源を用いることができる。離型層の塗工量は塗工性の面から、通常0.005〜1g/m、好ましくは0.005〜0.5g/mの範囲である。塗工量が0.005g/m未満の場合、塗工性の面より安定性に欠け、均一な塗膜を得るのが困難になる場合がある。一方、1g/mを超えて厚塗りにする場合には離型層自体の塗膜密着性、硬化性等が低下する場合がある。
また、離型フィルムを構成するポリエステルフィルムにはあらかじめ、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
次に本発明における光硬化性樹脂層の形成について説明する。
光硬化性樹脂層に関しては、不飽和ポリエステル樹脂系アクリル系、付加重合系、チオール・アクリルのハイブリッド系、カチオン重合系およびカチオン重合とラジカル重合のハイブリッド系の硬化成分を用いることができる。
硬化性、耐擦傷性、面硬度、可とう性および耐久性を重視する場合にはアクリル系のものを用いることが好ましく、防汚性、耐殺傷性、帯電防止性および表面に滑り性を付与する場合には、主成分としてカチオン性単量体単位、疎水性単量体単位およびオルガノポリシロキサン単位からなるカチオン性共重合体を用いることが好ましい。
アクリル系硬化成分とは、紫外線重合成分としてアクリルオリゴマーと反応性希釈剤を含むものであって、そのほかに必要に応じて光重合開始剤、光増感剤、改質剤を含有するものであってもよい。
アクリルオリゴマーとは、アクリル系樹脂骨格に反応性のアクリロイル基あるいはメタアクリロイル基が結合されたものを始めとして、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレートなどがあり、またメラミン、イソシアヌール酸、環状ホスファゼンなどの剛直な骨格にアクリロイル基あるいはメタアクリロイル基が結合されたものなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応性希釈剤とは、塗布剤の媒体として塗布工程での溶剤の機能を担うとともに、それ自体が多官能性あるいは一官能性のアクリルオリゴマーと反応する基を有し、塗膜の共重合成分となるものである。例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
アクリル系光硬化性樹脂層の離型フィルムに対する剥離性は、離型層に用いられたシリコーン樹脂に残存するSi−H基とアクリル分子との相互作用に強く支配されることから、品質の安定したアクリル系粘着テープで簡易的に評価することができる。このようなアクリル系粘着テープの例としては日東電工製「No.502」テープなどが挙げられる。
本発明において、紫外線発生源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどが挙げられる。また、紫外線を照射方法としては、バッチ式でも連続式でもよく、本発明の用途上特に限定されるわけではない。 本発明において、成形される光硬化性樹脂層の厚みに関しては用途上、特に限定されるわけではないが、5〜200μmが好ましく、さらに好ましくは10〜100μmの範囲がよい。
本発明において、成形される光硬化性樹脂は、離型フィルムにキャスティングした時点で離型面に若干の重剥離化を来たすため、剥離力の高い面(重剥離面)にキャスティングし、乾燥・硬化後の表面を剥離力の低い面(軽剥離面)で保護する方法で使用されるのがよい。
本発明の両面離型フィルムは、上記の光硬化性樹脂の硬化のための紫外線照射の前後の寸法変化率が−0.5〜0.5%の範囲に制御されたものである。これは光硬化樹脂層に所望された微細パターンが精度よく形成されるために、離型フィルムに要求される性能である。この寸法変化は、本発明の課題解決のために添加する蛍光増白剤が紫外線エネルギーを吸収しその一部を熱エネルギーに変換する結果、離型フィルムの温度が上昇して収縮または膨張する現象である。したがって、紫外線照射の前後の寸法変化率が−0.5〜0.5%の範囲に制御するには、例えば、蛍光増白剤の添加量と、上述したポリエステルフィルムの延伸条件を試行錯誤法等により調整することにより実現される。この寸法変化率はポリエステルフィルム製造時の流れ方向(MD)および幅方向(TD)の双方とも−0.5%以上0.5%以下の範囲に制御される。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの固有粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50:μm)の測定
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
(3)粒子の一次粒径
試料フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成型した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡にて観察した。フィルム断面中に観察される粒子の最大径(a)とそれと直交する径(b)とを計測し、次式から1個の粒子の一次粒径を求め、500個の粒子について測定し、その相加平均を粒子の一次粒径とした。
一個の粒子の一次粒径=(a+b)/2
(4)離型フィルムの光線透過率測定
島津製作所社製 分光光度計UV3100により、スキャン速度を低速、サンプリングピッチを2nm、波長360〜370nmの通称i線と呼ばれる微細パターニングで用いられる紫外線露光領域で連続的に光線透過率を測定した。
(5)離型フィルムの光線透過性評価
(4)項で得られた光線透過率の測定を用いて、下記判定基準により、判定を行った。
《判定基準》
◎:光線透過率の最大値が0.2%未満(実用可能なレベル)
○+:光線透過率の最大値が0.2%以上1%未満(実用可能なレベル)
○:光線透過率の最大値が1%以上10%未満(実用可能なレベル)
△:光線透過率の最大値が10%以上20%未満(実用可能なレベル)
×:光線透過率の最大値が20%以上(実用困難なレベル)
(6)離型フィルムの剥離力の測定
A4カット判サイズの離型フィルムの離型層表面に両面粘着テープ(日東電工製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置後の剥離力を測定した。剥離力は引張試験機((株)インテスコ製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下、180°剥離を行った。
(7)離型フィルムの残留接着率の測定
試料フィルムのシリ コーン面に粘着テープ(日東電工(製)「No.31B」)を2kgゴムローラーにて1往復圧着し、100℃で1時間加熱処理する。次いで、圧着したサンプルから試料フィルムを剥がし、粘着テープをJIS−C−2107(ステンレス板に対する粘着力:180°引き剥がし法)の方法に準じて接着力を測定し、これを残留接
着力とする。測定は、温度20±2℃、相対湿度65±5%の条件下に行う。
(8)紫外線硬化樹脂層の剥離性評価
あらかじめA4カット判サイズの離型フィルム(A)上に下記組成からなる紫外線硬化樹脂層を塗布厚み(乾燥後)が5μmになるように塗布した後、80℃、1分間熱処理した。次に下記紫外線照射条件により、紫外線照射させた。常温に冷却後、表面にA4カット判サイズの離型フィルム(B)を置き、荷重2kgのゴムローラーにて貼り合わせた。該試料から、離型フィルム(B)を紫外線硬化樹脂層から手で剥がし、剥離性を下記判定基準により評価した。
《紫外線硬化型樹脂組成》
紫外線硬化型樹脂:日本化薬製KAYANOBA FOP5000
《紫外線照射条件》
装置:ウシオ電機製「UVC―402型」
ライン速度:5m/分
ライン出力:120w/cm
照射距離:10cm
《紫外線硬化樹脂剥離性、判定基準》
○:離型フィルムBは、引っかかりがなくスムーズに剥がれ、同時に離型フィルムAから浮きを生じない。(実用可能なレベル)
△:離型フィルムBは、少し引っかかりがあるがスムーズに剥がれ、同時に離型フィルムAから浮きを生じない。(実用可能なレベル〉
または、離型フィルムAは、スムーズに剥がれるが、同時に離型フィルムBが若干浮きを生じる。(実用可能なレベル〉
×:離型フィルムBが、強く固着する箇所があってスムーズに剥がれず、あるいは離型フィルムAから浮きを生じる。(実用困難なレベル)
(9)紫外線照射後の光硬化性樹脂の巻取り性
光硬化性樹脂を離型フィルム上にキャスティングし、紫外線照射後に硬化した樹脂の巻取り性を以下の判定基準に従って判定した。
《紫外線照射後の光硬化性樹脂の巻取り性、判定基準》
○:光硬化性樹脂の塗工後のフィルムを200N/m張力にてロール状に巻き取るに 際し、巻き取り途中での蛇行や巻取り後のロール端面で巻ずれを生じない
△:上記同様の操作にて、巻取り途中の蛇行または巻取り後にロール端面にずれを生じさせないため、慎重なハンドリングを要する
×:上記同様の操作にて、巻取り途中の蛇行または巻取り後に容易にロール端面でずれのいずれかが見られた場合
(10)紫外線照射前後における離型フィルムの寸法変化率(ΔL)の測定
離型フィルムから15mm幅x150mm長の短冊状サンプルをMD方向、TD方向に切り出し、測微計により評点間約100mmを正確に測定し、下記紫外線照射条件にて無張力状態にて処理後、上記評点間を同様に測定して下記式にて各サンプルのΔL(MD)、ΔL(TD)を求めた。
《紫外線照射条件》
装置:ウシオ電機製「UVC―402型」
ライン速度:1m/分
ライン出力:160w/cm
照射距離:10cm
ΔL(MD)(%)=(紫外線照射後のMD評線間距離―MD紫外線照射前の評線間)/紫外線照射前のMD評線間距離×100
ΔL(TD)(%)=(紫外線照射後のTD評線間距離―TD紫外線照射前の評線間)/紫外線照射前のTD評線間距離×100
《判定基準》
○:△L(MD)、ΔL(TD)の絶対値がともに0.5%以下(実用可能なレベル) ×:△L(MD)、ΔL(TD)の絶対値のいずれかが0.5%超(実用困難なレベル)
(11)総合評価
試料フィルムの各項目における評価結果を元に下記判定基準により、判定を行った。
《判定基準》
○:紫外線吸収性の判定が◎または○+または○、かつ寸法安定性の判定が○、紫外線硬化樹脂剥離性が○〜△(実用可能なレベル)かつ光硬化樹脂の巻取り性が○
△:紫外線吸収性の判定、かつ寸法安定性の判定が○の場合(実用可能なレベル)、かつかつ光硬化樹脂の巻取り性が△(実用可能なレベル)
×:紫外線吸収性の判定、寸法安定性、紫外線硬化樹脂剥離性の判定、光硬化樹脂の巻取り性のいずれかが×の場合(実用困難なレベル)
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
〈ポリエステルの製造〉
製造例1(ポリエチレンテレフタレートA)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.03部、およびエチレングリコールスラリーとした平均粒径1.5μmのシリカ粒子を0.01部添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgに達せしめ、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後、系内を常圧に戻し、固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートAを得た。
製造例2(ポリエチレンテレフタレートB)
製造例1において製造したポリエチレンテレフタレートAをベント付き二軸押出機に供して、蛍光増白剤としてチバ・ジャパン社製のUVITEX OB−ONEを4重量%濃度となるように供給して溶融混練りしてチップ化を行い、蛍光増白剤マスターバッチポリエチレンテレフタレートBを作製した。得られたポリエチレンテレフタレートBの極限粘度は、0.59であった。
製造例3(ポリエチレンテレフタレートC)
製造例1において製造したポリエチレンテレフタレートAをベント付き二軸押出機に供して、紫外線吸収剤として2,2−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン](CYTEC社製 CYASORB UV−3638 分子量 369 ベンゾオキサジン系)を10重量%濃度となるように供給して溶融混練りしてチップ化を行い、紫外線吸収剤マスターバッチポリエチレンテレフタレートCを作製した。得られたポリエチレンテレフタレートCの極限粘度は、0.59であった。
製造例4(ポリエチレンテレフタレートD)
製造例1において製造したポリエチレンテレフタレートAを97.5部と平均粒径0.35μmの酸化チタン粒子2.5部とをドライブレンドし、二軸混練押出機を用いて押出し、ポリエチレンテレフタレートDを得た。得られたポリエチレンテレフタレートDの極限粘度は、0.61であった。
製造例5(ポリエチレンテレフタレートE)
製造例1において製造したポリエチレンテレフタレートAを99.4部と一次粒径20nmのカーボンブラック粒子0.6部とをドライブレンドし、二軸混練押出機を用いて押出し、ポリエチレンテレフタレートEを得た。得られたポリエチレンテレフタレートEの極限粘度は、0.60であった。
実施例1:
製造例2で製造したポリエチレンテレフタレートBを180℃で4時間、不活性ガス雰囲気中で乾燥し、溶融押出機により290℃で溶融し、口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。得られた未延伸シートをまず、95℃で延伸倍率をMDに3.6倍延伸した後、テンターに導き、TDに4.3倍の逐次二軸延伸を行った。その後、230℃にて3秒間熱固定し、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。次にオフラインにて、下記シリコーン樹脂液の組成(A)からなる離型剤を塗布量(乾燥後)が0.1g/m2になるように走行速度30m/分でリバースグラビアコート方式により塗布、次いで、120℃で乾燥させた後に120WのUVランプ2灯で紫外線を照射し、離型層(1)を有する離型フィルムを得た。さらに同フィルムの反対面に同様の手法により下記シリコーン樹脂液の組成(C)からなる離型層(2)を塗布し、両面離型フィルムを得た。各離型層を構成する離型剤組成例は以下のとおりである。
<離型層(1):シリコーン樹脂液の組成(C)>
硬化シリコーン樹脂(X-62-5039 ;信越化学工業社製) 14重量部
硬化シリコーン樹脂(X-92-185 ;信越化学工業社製) 0.4重量部
重剥離化剤 (KS-3800 ;信越化学工業社製) 6重量部
硬化剤 (PL-5000 ;信越化学工業社製) 1重量部
希釈溶剤;メチルエチルケトン/トルエン混合溶剤 700重量部
<離型層(2):シリコーン樹脂液の組成(A)>
硬化シリコーン樹脂(X-62-5039 ;信越化学工業社製) 20重量部
硬化シリコーン樹脂(X-92-185 ;信越化学工業社製) 0.4重量部
硬化剤 (PL-5000 ;信越化学工業社製) 1重量部
希釈溶剤;メチルエチルケトン/トルエン混合溶剤 700重量部
実施例2:
実施例1において用いた原料の代わりに、製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートA50部と、製造例2で製造したポリエチレンテレフタレートB50部とを混合した原料を用いたこと以外は実施例2と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
実施例3:
実施例1において用いた原料の代わりに、製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートA80部と、製造例2で製造したポリエチレンテレフタレートB20部とを混合した原料を用いたこと以外は実施例2と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
実施例4:
実施例2において用いた原料の代わりに、製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートA43部と、製造例2で製造したポリエチレンテレフタレートB50部と、製造例3で製造したポリエチレンテレフタレートC7部とを混合した原料を用いた以外は実施例2と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
実施例5:
実施例1において、離型層が下記離型剤組成としたこと以外は、実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
<離型層(1):シリコーン樹脂液の組成(D)>
硬化シリコーン樹脂(X-62-5039 ;信越化学工業社製) 12重量部
硬化シリコーン樹脂(X-92-185 ;信越化学工業社製) 0.4重量部
重剥離化剤 (KS-3800 ;信越化学工業社製) 8重量部
硬化剤 (PL-5000 ;信越化学工業社製) 1重量部
希釈溶剤;メチルエチルケトン/トルエン混合溶剤 700重量部
<離型層(2):シリコーン樹脂液の組成(A)>
硬化シリコーン樹脂(X-62-5039 ;信越化学工業社製) 20重量部
硬化シリコーン樹脂(X-92-185 ;信越化学工業社製) 0.4重量部
硬化剤 (PL-5000 ;信越化学工業社製) 1重量部
希釈溶剤;メチルエチルケトン/トルエン混合溶剤 700重量部
実施例6:
実施例1において、離型層が下記離型剤組成としたこと以外は、実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
<離型層(1):シリコーン樹脂液の組成(D)>
硬化シリコーン樹脂(X-62-5039 ;信越化学工業社製) 12重量部
硬化シリコーン樹脂(X-92-185 ;信越化学工業社製) 0.4重量部
重剥離化剤 (KS-3800 ;信越化学工業社製) 8重量部
硬化剤 (PL-5000 ;信越化学工業社製) 1重量部
希釈溶剤;メチルエチルケトン/トルエン混合溶剤 700重量部
<離型層(2):シリコーン樹脂液の組成(B)>
硬化シリコーン樹脂(X-62-5039 ;信越化学工業社製) 16重量部
硬化シリコーン樹脂(X-92-185 ;信越化学工業社製) 0.4重量部
重剥離化剤 (KS-3800 ;信越化学工業社製) 4重量部
硬化剤 (PL-5000 ;信越化学工業社製) 1重量部
希釈溶剤;メチルエチルケトン/トルエン混合溶剤 700重量部
実施例7:
実施例1において、離型層が下記離型剤組成としたこと以外は、実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。なお、離型層(2)については、シリコーン樹脂液の組成(C)からなる離型層(2)を塗布量(乾燥後)が0.1g/mになるように走行速度30m/分でリバースグラビアコート方式により塗布、次いで、120℃で乾燥し該離型層を得た。各離型層を構成する離型剤組成例は以下のとおりである。
<離型層(1):シリコーン樹脂液の組成(G)>
硬化シリコーン樹脂(DKQ3-3061 ;東レ・ダウコーニング社製) 50重量部
硬化シリコーン樹脂(SH21PA ; 東レ・ダウコーニング社製) 0.3重量部
硬化剤 (SRX67 ;東レ・ダウコーニング社製)0.7重量部
希釈溶剤;メチルエチルケトン/トルエン混合溶剤 550重量部
<離型層(2):シリコーン樹脂液の組成(A)>
硬化シリコーン樹脂(X-62-5039 ;信越化学工業社製) 20重量部
硬化シリコーン樹脂(X-92-185 ;信越化学工業社製) 0.4重量部
硬化剤 (PL-5000 ;信越化学工業社製) 1重量部
希釈溶剤;メチルエチルケトン/トルエン混合溶剤 700重量部
実施例8:
実施例1において、離型層が下記離型剤組成としたこと以外は、実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
<離型層(1):シリコーン樹脂液の組成(B)>
硬化シリコーン樹脂(X-62-5039 ;信越化学工業社製) 16重量部
硬化シリコーン樹脂(X-92-185 ;信越化学工業社製) 0.4重量部
重剥離化剤 (KS-3800 ;信越化学工業社製) 4重量部
硬化剤 (PL-5000 ;信越化学工業社製) 1重量部
希釈溶剤;メチルエチルケトン/トルエン混合溶剤 700重量部
<離型層(2):シリコーン樹脂液の組成(A)>
硬化シリコーン樹脂(X-62-5039 ;信越化学工業社製) 20重量部
硬化シリコーン樹脂(X-92-185 ;信越化学工業社製) 0.4重量部
硬化剤 (PL-5000 ;信越化学工業社製) 1重量部
希釈溶剤;メチルエチルケトン/トルエン混合溶剤 700重量部
実施例9:
実施例1において、離型層が下記離型剤組成としたこと以外は、実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
<離型層(1):シリコーン樹脂液の組成(E)>
硬化シリコーン樹脂(X-62-5039 ;信越化学工業社製) 10重量部
硬化シリコーン樹脂(X-92-185 ;信越化学工業社製) 0.4重量部
重剥離化剤 (KS-3800 ;信越化学工業社製) 10重量部
硬化剤 (PL-5000 ;信越化学工業社製) 1重量部
希釈溶剤;メチルエチルケトン/トルエン混合溶剤 700重量部
<離型層(2):シリコーン樹脂液の組成(C)>
硬化シリコーン樹脂(X-62-5039 ;信越化学工業社製) 14重量部
硬化シリコーン樹脂(X-92-185 ;信越化学工業社製) 0.4重量部
重剥離化剤 (KS-3800 ;信越化学工業社製) 6重量部
硬化剤 (PL-5000 ;信越化学工業社製) 1重量部
希釈溶剤;メチルエチルケトン/トルエン混合溶剤 700重量部
比較例1:
ポリエチレンテレフタレートAを用いたこと以外は実施例1と同様にして製造し、実施1と同じ構成の離型層を有する両面離型フィルムを得た。
比較例2:
実施例1において用いた原料の代わりに、製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートA90部と、製造例3で製造したポリエチレンテレフタレートC10部とを混合した原料を用いた以外は実施例1と同様にして製造し、実施1と同じ構成の離型層を有する両面離型フィルムを得た。
比較例3:
ポリエチレンテレフタレートDを用いたこと以外は実施例1と同様にして製造し、実施1と同じ構成の離型層を有する両面離型フィルムを得た。
比較例4:
実施例1において用いた原料の代わりにポリエチレンテレフタレートEを用いたこと以外は実施例1と同様にして製造し、実施1と同じ構成の離型層を有する両面離型フィルムを得た。
比較例5:
実施例1において用いた原料の代わりに、製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートA90部と、製造例2で製造したポリエチレンテレフタレートB10部とを混合した原料を用いた以外は実施例1と同様にして製造し、実施1と同じ構成の離型層を有する両面離型フィルムを得た。
比較例6:
実施例1において、離型層が下記離型剤組成としたこと以外は、実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。
<離型層(1):シリコーン樹脂液の組成(F)>
硬化シリコーン樹脂(X-62-5039 ;信越化学工業社製) 6重量部
硬化シリコーン樹脂(X-92-185 ;信越化学工業社製) 0.4重量部
重剥離化剤 (KS-3800 ;信越化学工業社製) 14重量部
硬化剤 (PL-5000 ;信越化学工業社製) 1重量部
希釈溶剤;メチルエチルケトン/トルエン混合溶剤 700重量部
<離型層(2):シリコーン樹脂液の組成(C)>
硬化シリコーン樹脂(X-62-5039 ;信越化学工業社製) 14重量部
硬化シリコーン樹脂(X-92-185 ;信越化学工業社製) 0.4重量部
重剥離化剤 (KS-3800 ;信越化学工業社製) 6重量部
硬化剤 (PL-5000 ;信越化学工業社製) 1重量部
希釈溶剤;メチルエチルケトン/トルエン混合溶剤 700重量部
比較例7:
実施例1において、離型層が下記離型剤組成としたこと以外は、実施例1と同様にして製造し、両面離型フィルムを得た。なお、離型層(2)については、シリコーン樹脂液の組成(C)からなる離型層(2)を塗布量(乾燥後)が0.1g/mになるように走行速度30m/分でリバースグラビアコート方式により塗布、次いで、120℃で乾燥し該離型層を得た。各離型層を構成する離型剤組成例は以下のとおりである。
<離型層(1):シリコーン樹脂液の組成(C)>
硬化シリコーン樹脂(X-62-5039 ;信越化学工業社製) 14重量部
硬化シリコーン樹脂(X-92-185 ;信越化学工業社製) 0.4重量部
重剥離化剤 (KS-3800 ;信越化学工業社製) 6重量部
硬化剤 (PL-5000 ;信越化学工業社製) 1重量部
希釈溶剤;メチルエチルケトン/トルエン混合溶剤 700重量部
<離型層(2):シリコーン樹脂液の組成(H)>
硬化シリコーン樹脂(DKQ3-3061 ;東レ・ダウコーニング社製) 50重量部
硬化剤 (SRX67 ;東レ・ダウコーニング社製) 0.7重量部
希釈溶剤;メチルエチルケトン/トルエン混合溶剤 550重量部
以上、得られた結果をまとめて下記表1〜3に示す。
Figure 2011178002
Figure 2011178002
Figure 2011178002
本発明のフィルムは、例えば、LCDに用いられる偏光板、位相差板等のLCD構成部材製造用、PDP構成部材製造用、有機EL構成部材製造用等、各種ディスプレイ構成部材製造用として好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 蛍光増白剤を0.03〜5重量%含有するポリエステルフィルムの両面に離型層を有するフィルムであり、360〜370nmの波長領域におけるフィルムの光線透過率が20%以下であり、フィルムの両面に設けられた離型層の常態剥離力がいずれも10〜130mN/cm以下であり、両面の常態剥離力の比が2〜6であり、両離型層の残留接着率がいずれも80%以上であり、紫外線照射前後のフィルムの寸法変化率が縦方向および横方向ともに−0.5〜0.5%の範囲であることを特徴とする離型フィルム。
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