以下、本発明を詳細に説明する。
I.半導体ドライプロセス後の残渣除去液
本発明のドライエッチング及び/又はアッシング後の半導体基板に存在する残渣の除去液は、
(1)式:=N−NH−で示される構造を有するヘテロ五員環芳香族化合物(3個のNが連続するものを除く)を基本骨格として含む化合物であり、その水溶液(10ppm、23℃)のpHが7以下であるもの、
(2)式:−N=C(SH)−X−(式中、XはNH、O又はSを示す。)で示される構造を有するヘテロ五員環化合物を基本骨格として含む化合物であり、その水溶液(10ppm、23℃)のpHが7以下であるもの、及び
(3)窒素原子(N)を少なくとも1個有するヘテロ六員環芳香族化合物を基本骨格として含む化合物であり、その水溶液(10ppm、23℃)のpHが7以上であるもの、
からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物からなるCu表面保護剤と、Cuと錯体又はキレートを形成し得る化合物と、水とを含み、pHが4〜9であることを特徴とする。
本発明のCu表面保護剤を含むドライプロセス後の残渣除去液のpHは4〜9であり、好ましくは4〜8であり、より好ましくは5〜7である。pH4未満であるとCu表面の亀裂、荒れ及び酸化の防止の効果が弱く、pH4以上でその効果は大きい。また、絶縁膜にポーラスLow-kが使用されている場合には、pH4未満で表面が変質する可能性があるためpH4以上であることが好ましい。pH9を越えるとCu表面保護剤の効果はあるが、Cuの自然酸化膜およびドライプロセス後の残渣の除去効果が弱くなるとともに、Low-k膜に表面の変質などのダメージを与える。
さらに、必要に応じ、フッ素化合物、過塩素酸塩、界面活性剤などを添加することにより、より優れた機能を追加することが可能である。
Cu表面保護剤
本発明の残渣除去液で用いられるCu表面保護剤は、
(1)式:=N−NH−で示される構造を有するヘテロ五員環芳香族化合物(3個のNが連続するものを除く)を基本骨格として含む化合物であり、その水溶液(濃度10ppm、23℃)のpHが7以下であるもの、
(2)式:−N=C(SH)−X−(式中、XはNH、O又はSを示す。)で示される構造を有するヘテロ五員環化合物を基本骨格として含む化合物であり、その水溶液(濃度10ppm、23℃)のpHが7以下であるもの、及び
(3)窒素原子(N)を少なくとも1個有するヘテロ六員環芳香族化合物を基本骨格として含む化合物であり、その水溶液(濃度10ppm、23℃)のpHが7以上であるもの、
からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物からなる。
上記(1)〜(2)のいずれの化合物においてもその水溶液(10ppm、23℃)のpHが7以下とするのは、分子中の窒素原子の非共有電子対に、プロトンが結合しにくい状態であることを示すものであり、好ましくはpH3〜7、より好ましくはpH4〜6.5である。上記(3)の化合物においてその水溶液(10ppm、23℃)のpHが7以上とするのは、分子中の窒素原子の非共有電子対に、プロトンが結合しやすい状態であることを示すものであり、好ましくはpH7〜11、より好ましくはpH8〜10である。
上記(1)で示される化合物は、式:=N−NH−で示される構造を有するヘテロ五員環芳香族化合物(3個のNが連続するものを除く)を基本骨格として含んでいればよく、該基本骨格と他の芳香環(例えば、ベンゼン環等)と縮環した化合物であってもよい。いわゆる、π-過剰N-ヘテロ芳香族化合物として位置づけられる。該化合物はその環上に置換基を有していてもよく、例えばアルキル基(好ましくはC1−3のアルキル基)、水酸基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、カルボキシル基等の置換基を1〜3個有していてもよい。
上記(1)で示される化合物の具体例としては、例えばインダゾール類、ピラゾール類、1,2,4-トリアゾール類等が挙げられる。より具体的には、インダゾール類としては、例えばインダゾール、3-ヒドロキシインダゾール、3-クロロ-1H-インダゾール、5-アミノインダゾール、6-アミノインダゾール、5‐ニトロインダゾール、6-ニトロインダゾール、3‐ブロモ‐7‐ニトロインダゾール、7‐ニトロインダゾール、インダゾール-3-カルボン酸、1-ベンジル-1H-インダゾール-3-オール、ピラゾール類としては、ピラゾール、3,5-ジメチルピラゾール等が挙げられ、1,2,4-トリアゾール類としては、例えば1,2,4-トリアゾールなどが挙げられる。これらの中で、インダゾール、3-クロロ-1H-インダゾール、インダゾール-3-カルボン酸、及び5‐ニトロインダゾールが好ましい。最も好ましいのはインダゾール、5‐ニトロインダゾール、インダゾール-3-カルボン酸である。
上記(1)で示される化合物からなるCu表面保護剤は、Cu表面の酸化及び亀裂及び荒れのすべてを防止することができるという優れた特徴を有している。そのため、残渣除去液中に含まれるCu表面保護剤として最も好適である。
上記(2)で示される化合物は、式:−N=C(SH)−X−(式中、XはNH、O又はSを示す。)で示される構造を有するヘテロ五員環化合物を基本骨格として含んでいればよく、該基本骨格と他の芳香環(例えば、ベンゼン環等)と縮環した化合物であってもよい。いわゆる、π-過剰N-、O-又はS-ヘテロ芳香族化合物として位置づけられる。該化合物はその環上に置換基を有していてもよく、例えばアルキル基(好ましくはC1−3のアルキル基)、水酸基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、カルボキシル基等の置換基を1〜3個有していてもよい。
上記(2)で示される化合物の具体例としては、メルカプトイミダゾール類、メルカプトオキサゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトチアゾリン類、メルカプトベンゾイミダゾール類、メルカプトベンゾオキサゾール類、又はメルカプトベンゾチアゾール類などが挙げられる。より具体的には、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトイミダゾール、2-メルカプトオキサゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2‐チアゾリン‐2‐チオールなどが挙げられる。これらの中で、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2‐チアゾリン‐2‐チオールが好ましい。最も好ましいのは2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2‐チアゾリン‐2‐チオールである。
上記(2)で示される化合物からなるCu表面保護剤は、主にCu表面の酸化及び荒れを防止することができるという優れた特徴を有している。
上記(3)で示される化合物は、窒素原子(N)を少なくとも1個有するヘテロ六員環芳香族化合物を基本骨格として含んでいればよく、該基本骨格と他の芳香環(例えば、ベンゼン環等)と縮環した化合物であってもよい。いわゆる、π-欠乏N-ヘテロ芳香族化合物として位置づけられる。該化合物はその環上に置換基を有していてもよく、例えばアルキル基(好ましくはC1−3のアルキル基)、水酸基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、カルボキシル基等の置換基を1〜3個有していてもよい。
上記(3)で示される化合物の具体例としては、例えばピリジン類、ピリミジン類、ピリダジン類、ピラジン類、キノリン類、キナゾリン類、キノキサリン類、シンノリン類などが挙げられる。より具体的には、メチルピリジン、アミノピリジン、2,4-ジアミノピリミジン、2,4,6-トリアミノピリミジン、ピリダジン、3-アミノピラジン-2-カルボン酸、4-アミノキノリンなどが挙げられる。これらの中で、2,4-ジアミノピリミジン、2,4,6-トリアミノピリミジンが好ましい。最も好ましいのは2,4,6-トリアミノピリミジンである。
上記(3)で示される化合物からなるCu表面保護剤は、主にCu表面の荒れを防止することができるという優れた特徴を有している。
Cuの表面の亀裂、荒れ及び酸化は、それぞれ別の原因で生じていると考えられるため、必ずしもひとつのCu表面保護剤でこれらを防止できるとは限らない。また、これらを防止する効果を補足するために、Cu表面の状況に応じて、上記の化合物の中から2種類以上を混合して使用することが望ましい。
Cu表面保護剤の量は、価格が高いことや過剰に添加するとドライプロセス後の残渣除去性が低下することから、添加量は効果が発揮し継続する濃度範囲で少なければ少ないほどよい。継続して効果を発揮させるためには、残渣除去液中に0.1〜4000ppm程度、好ましくは0.25〜2000ppm程度とすることができる。
上記(1)で示される化合物からなるCu表面保護剤の濃度は、通常0.1〜3000ppmppm程度であるが、残渣除去液中にカルボキシル基を含む物質を含まない場合、或いは、カルボキシル基を含む物質を含み、該残渣除去液のpHがカルボキシル基を含む物質のpKa=pHとなるpH以上である場合には、一般に0.1ppm〜100ppm、好ましくは0.1ppm〜10ppm、より好ましくは、0.1ppm〜1ppmである。
カルボキシル基を含む物質を含み、該残渣除去液のpHがカルボキシル基を含む物質のpKa=pHであるpH未満である場合には、1ppm〜3000ppm、好ましくは5ppm〜2000ppm、より好ましくは100ppm〜1000ppmである。
上記(1)で示される化合物は一般に水にわずかしか溶けず、溶解度の関係からその使用濃度が制約される場合が多い。また、多く添加するとドライプロセス後の残渣の除去性を低下させる場合がある。Cu表面保護剤の溶解度を増加させるとともに、Cu表面保護剤の添加による残渣除去性の低下を防ぐためには、必要に応じ残渣除去液中10重量%以上、好ましくは10〜50重量%程度の有機溶媒を添加することが望ましい。カルボキシル基を含む物質を含み、該残渣除去液のpHがカルボキシル基を含む物質のpKa=pHであるpH未満で、Cu表面保護剤の濃度が100ppm以上の場合は、通常、有機溶媒を含む。
上記(2)で示される化合物からなるCu表面保護剤の濃度は、0.1ppm〜50ppm、好ましくは0.1ppm〜5ppm、より好ましくは0.1ppm〜1ppmである。
上記(3)で示される化合物からなるCu表面保護剤の濃度は、10ppm〜1000ppm、好ましくは50ppm〜500ppm、より好ましくは100ppm〜300ppmである。
上記(1)〜(3)で示される化合物の混合系の場合には、これらの少なくとも二種類以上の含有量(濃度)が0.2ppm〜3000ppmであることが望ましい。
Cuと錯体又はキレートを形成し得る化合物
Cu表面保護剤を添加するドライプロセス後の残渣除去液の組成は、Cu、Si、有機物などを含有する残渣を除去できれば特に限定されないが、主成分であるCu残渣を除去するためには、Cuと錯体もしくはキレート形成し得る化合物を含むことが必要である。
Cuと錯体もしくはキレート形成し得る化合物としては、例えば、ケト酸、ケト酸塩、アルデヒド酸塩、ポリカルボン酸塩、Cuと錯体又はキレートを形成し得る強酸、Cuに配位し得る酸素原子を有する中性有機溶媒、C4以上のモノアルコールなどが挙げられる。残渣除去液のpHが4〜9に調節できる限りこれらの化合物のうちから任意の組み合わせが可能である。
ケト酸としては、例えば、ピルビン酸、レブリン酸、5-アミノレブリン酸、α‐ケトグルタル酸、アセトンジカルボン酸等が挙げられる。
ケト酸塩としては、例えば、上記したピルビン酸、レブリン酸、5-アミノレブリン酸、α‐ケトグルタル酸、アセトンジカルボン酸等のケト酸と、アンモニア、ヒドロキシルアミン、第一級、第二級又は第三級アミン、第四級アンモニウム、ポリアミン等の塩基とから形成される塩が挙げられる。このうち、好ましくはピルビン酸及びレブリン酸と、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、プロパンジアミン、トリエチレンテトラミン、水酸化テトラメチルアンモニウム及びコリンとから形成される塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である。より好ましくは、ピルビン酸のジエチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩、又はコリン塩であり、或いは、レブリン酸のメチルアミン塩、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩である。
アルデヒド酸塩としては、例えば、グリオキシル酸と、アンモニア、ヒドロキシルアミン、第一級、第二級又は第三級アミン、第四級アンモニウム、ポリアミン等の塩基とから形成される塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。このうち、好ましくはグリオキシル酸のブチルアミン塩、ジエチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩、又はコリン塩である。
ケト酸の塩又はアルデヒド酸の塩は、結晶として用いても良いし、水中でこれらの酸と塩基を混合して中和することにより生成した水溶液を用いても良い。
残渣除去液中におけるケト酸、ケト酸の塩及びアルデヒド酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の濃度は、除去するドライプロセス後の残渣の量や質に応じて適宜選択することができる。
ケト酸、ケト酸の塩及びアルデヒド酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の配合量(濃度)は、残渣除去液中、一般に0.1〜35重量%程度であればよい。
具体的には、ケト酸の配合量(濃度)は、残渣除去液中、通常0.5〜10重量%であれば十分であり、好ましくは1〜5重量%、さらに好ましくは、1〜3重量%である。これらの濃度が低いほど残渣除去効果が弱くなり、濃度が高いほど除去効果は高まり薬液の寿命が延びるが、酸であるためCu表面の亀裂が生じやすくなることや対費用効果の観点から10重量%以下が望ましい。
また、アルデヒド酸の塩及び/又はケト酸の塩の配合量(濃度)は、残渣除去液中、通常0.1〜35重量%であれば十分であり、好ましくは0.3〜15重量%、さらに好ましくは、0.5〜10重量%である。これらの濃度が低いほど残渣除去効果が弱くなり、0.1重量%未満では特に弱い。濃度が高いほど除去効果は高まり薬液の寿命が延びるが、対費用効果の観点から35重量%以下が望ましい。
ポリカルボン酸塩としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸水素二アンモニウム、クエン酸二水素アンモニウム、クエン酸等のポリカルボン酸と、アンモニア、ヒドロキシルアミン、アルカノールアミン、第一級、第二級又は第三級アミン、第四級アンモニウム、ポリアミン等の塩基とから形成される塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。好ましくは、シュウ酸、マロン酸、クエン酸水素二アンモニウム、クエン酸二水素アンモニウム、クエン酸等のポリカルボン酸と、アンモニア、第一級、第二級又は第三級アミン、第四級アンモニウム、アルカノールアミン、ポリアミン等の塩基とから形成される塩が挙げられる。
より具体的には、シュウ酸、マロン酸、クエン酸水素二アンモニウム、クエン酸二水素アンモニウム、クエン酸等のポリカルボン酸のアンモニウム塩、メチルアミン塩、エチルアミン塩、プロピルアミン塩、ブチルアミン塩、ジメチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリ‐iso‐プロパノールアミン塩、イソプロパノールアミン塩、n‐プロパノールアミン塩、N,N‐ジメチルエタノールアミン塩、N‐メチルエタノールアミン塩、N‐メチルジエタノールアミン塩、、N‐アセチルエタノールアミン塩、N‐エチルエタノールアミン塩、プロパンジアミン塩、トリエチレンテトラミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩、コリン塩等が挙げられる。
これらの中で、シュウ酸のアンモニウム塩、メチルアミン塩、マロン酸のアンモニウム塩、メチルアミン塩、エチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩又はコリン塩;クエン酸水素二アンモニウムのメチルアミン塩、エチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩又はコリン塩;クエン酸ニ水素アンモニウムのメチルアミン塩、エチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩又はコリン塩;及び、クエン酸のアンモニウム塩、メチルアミン塩、エチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩、又はコリン塩が最も好ましい。
ポリカルボン酸塩は結晶として用いても良いし、水中でこれらの酸と塩基を混合して中和することにより生成した水溶液を用いても良い。ポリカルボン酸塩の配合量(濃度)は、残渣除去液中、0.1〜20重量%であり、好ましくは、0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%である。
Cuに配位し得る酸素原子を有する中性有機化合物としては、Cuに対して酸素配位座を有する中性の有機化合物であれば良く、中性とは、プロトン供与性溶媒(酸性)および親プロトン性溶媒(塩基性)以外のものを示す。例えば、ポリカルボニル類、ケトアルコール類、ヒドロキシエステル類、ジエステル類、ケトエステル類、ラクトン類、炭酸エステル類、ポリエーテル類、グリコール類、アルキレングリコールモノエーテル類、アルキレングリコールジエステル類、アルキレングリコールエーテルエステル類、ポリアルキレングリコール類、ポリアルキレングリコールモノエーテル類、ポリアルキレングリコールジエステル類、ポリアルキレングリコールエーテルエステル類等が挙げられる。
ポリカルボニル類としては、例えば、ジアルデヒド類(例えば、グリオキサール等)、ジケトン類(2,3-ブタンジオン、2,4-ペンタンジオン(アセチルアセトン、2,3-ペンタンジオン、1,2-シクロヘキサンジオン、3,4-ヘキサンジオン等)、ケトアルデヒド類(メチルグリオキサール等)、が挙げられる。そのうち、2,3-ブタンジオンが好ましい。
ケトアルコール類としては、例えば、アセトイン、ジアセトンアルコール、アセトニルアルコール等が挙げられる。そのうち、アセトインが好ましい。
ヒドロキシエステル類としては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、酒石酸ジメチル、酒石酸ジエチル、グリコール酸メチル等が挙げられる。そのうち、乳酸エチル、グリコール酸メチルが好ましい。
ジエステル類としては、例えば、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、グルタル酸ジメチル、グルタル酸ジエチル、アジピン酸ジメチル、マレイン酸ジメチル等が挙げられる。そのうち、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、が好ましい。
ケトエステル類としては、例えば、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、レブリン酸ブチル等が挙げられる。そのうち、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルが好ましい。
ラクトン類としては、例えば、γ−ブチロラクトン、グルコノ‐δ‐ラクトン、δ‐バレロラクトン等が挙げられる。そのうち、γ−ブチロラクトンが好ましい。
炭酸エステル類としては、例えば、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等が挙げられる。そのうち、炭酸プロピレンが好ましい。
ポリエーテル類としては、例えば、グリコールジアルキルエーテル(ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、ジエトキシエタン、エチレングリコールジ‐n‐ブチルエーテル、ジメトキシプロパン等)、ポリアルキレングリコールジアルキルエーテル(ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ‐n‐ブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル等)等が挙げられる。そのうち、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルが好ましい。
グリコール類としては、例えば、エチレングリコール、1,3‐プロパンジオール、1,2‐プロパンジオール、グリセリン、1,2‐シクロヘキサンジオール、2,2‐ジメチル‐1,3‐プロパンジオール、2,5‐ジメチル‐2,5‐ヘキサンジオール、2,3‐ナフタレンジオール、1,2‐ブタンジオール、1,3‐ブタンジオール、1,4‐ブタンジオール、2‐ブチン‐1,4‐ジオール、2‐ブテン‐1,4‐ジオール、DL‐1,2‐ヘキサンジオール、2,5‐ヘキサンジオール、1,2‐ベンゼンジオール、2,4‐ペンタンジオール、2‐メチル‐2,4‐ペンタンジオールが挙げられる。そのうち、エチレングリコール、1,3‐プロパンジオール、1,2‐プロパンジオールが好ましい。
アルキレングリコールモノエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。そのうち、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。
アルキレングリコールジエステル類としては、例えば、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート等が挙げられる。そのうちエチレングリコールジアセテートが好ましい。
アルキレングリコールエーテルエステル類としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセタート、プロピレングリコール1-モノメチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテルアセテート等が挙げられる。そのうち、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましい。
ポリアルキレングリコール類としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリ(プロピレングリコール)、グリセリン等が挙げられる。そのうち、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールが好ましい。
ポリアルキレングリコールモノエーテル類としては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノ‐n‐ドデシルエーテル、ヘプタエチレングリコールモノ‐n‐ドデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。そのうち、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのアルコキシアルコールが好ましい。
ポリアルキレングリコールジエステル類としては、例えば、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジアセテート等が挙げられる。そのうち、ジエチレングリコールジアセテートが好ましい。
ポリアルキレングリコールエーテルエステル類としては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。そのうち、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましい。
上記の中性有機化合物のうち、好ましくは、2,3-ブタンジオン、アセトイン、乳酸エチル、グリコール酸メチル、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコール、1,3‐プロパンジオール、1,2‐プロパンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
また、上記の中性有機化合物のうち、他の好ましいものとして、Low-k膜にダメージを与えずにCu表面の亀裂をより効果的に抑制できる点から、ケトアルコール類、ヒドロキシエステル類、ジエステル類、ケトエステル類、ラクトン類、炭酸エステル類、アルキレングリコールジエステル類、アルキレングリコールエーテルエステル類、ポリアルキレングリコールジエステル類、ポリアルキレングリコールエーテルエステル類等が挙げられる。
具体的には、乳酸エチル、グリコール酸メチル、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレン、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
また、C4以上のモノアルコールとしては、例えば、1-ブタノール、tert-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコールなどのC4〜7のモノアルコールが挙げられる。そのうち、1-ブタノール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコールが好ましい。
中性有機化合物及び/又はC4以上のモノアルコールの配合量(濃度)は、残渣除去液中、0.1〜60重量%であり、好ましくは、1〜40重量%、より好ましくは2〜15重量%である。
上記の中性有機化合物の中には、水溶液中で加水分解を受けやすいエステル基を有する化合物もある。例えば、ヒドロキシエステル類、ジエステル類、ケトエステル類、ラクトン類、炭酸エステル類、アルキレングリコールジエステル類、アルキレングリコールエーテルエステル類、ポリアルキレングリコールジエステル類、及びポリアルキレングリコールエーテルエステル類が挙げられる。このようなエステル類に対しては、加水分解で生じたH+を中和するために水溶性の塩基、又は、生成したH+を制御するためポリカルボン酸塩を、さらに残渣除去液中に添加することが好ましい。ポリカルボン酸塩を添加することにより、CuxO含有残渣の除去効果とCuの防食効果が増加する。水溶性塩基としてアミンを用いた場合や、ポリカルボン酸のアミン塩を加えた場合には、Cu表面の亀裂を防止する効果も増加するため好ましい。
水溶性の塩基としては、例えば、アンモニア、ヒドロキシルアミン、第一級、第二級又は第三級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等、第四級アンモニウム(水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリン等)、ポリアミン(ヒドラジン、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ジエチレントリアミン、トリアミノトリエチルアミン、トリエチレンテトラミン等)等が挙げられる。このうち、エチルアミン、ジエチルアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、コリン、プロパンジアミン、トリエチレンテトラミン等が好ましい。
水溶性の塩基の配合量は、pHを4〜7に中和するために添加するのに適した量であれば良い。したがって、エステルの量とその加水分解の量にも依存し、加水分解は、温度やその他の組成にも依存するため、一般的に決められない。好ましくは、pH5〜7に中和し、より好ましくはpH6〜7に中和するのに適した量を加える。
さらに、過塩素酸塩を添加しても良い。過塩素酸塩としては、アンモニア、ヒドロキシルアミン、第一級、第二級又は第三級アミン、第四級アンモニウム及びポリアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種とから形成される塩であり、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸メチルアミン塩、過塩素酸プロパンポリアミン塩、過塩素酸トリエチレンテトラミン塩などがあげられる。これらの中で過塩素酸アンモニウムが好ましい。
過塩素酸塩の配合量(濃度)は、残渣除去液中、0.1〜10重量%であり、好ましくは、0.3〜5重量%、より好ましくは0.5〜3重量%である。
Cuと錯体又はキレートを形成し得る強酸は、25℃でのpKaが3以下(好ましくは2以下、より好ましくは0〜2)であるブレンステッド酸であり、水素イオンH+と、Cuとキレートあるいは錯体を形成する剤(部分)とを供給して、ドライプロセス後の残渣を除去する機能を有する。
具体例としては、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、α−クロロ酪酸、β−クロロ酪酸、γ−クロロ酪酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸などのハロゲン含有カルボン酸、臭化水素酸、過塩素酸、硫酸などの無機酸、シュウ酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸などのポリカルボン酸等が挙げられる。このうち、シュウ酸、マロン酸、クエン酸、トリフルオロ酢酸、臭化水素酸、過塩素酸が好ましく、シュウ酸、マロン酸、クエン酸、トリフルオロ酢酸がより好ましい。
残渣除去液中における該強酸の濃度は、除去するドライプロセス後の残渣の量や質に応じて適宜選択することができる。残渣除去液中、該強酸の配合量(濃度)は、一般に0.1〜10重量%程度であり、好ましくは0.1〜5重量%、さらに好ましくは、0.1〜3重量%である。これらの濃度が低いほどドライプロセス後の残渣が除去しにくくなり、濃度が高いほど残渣の除去が容易となる。対費用効果の観点から5重量%以下が望ましい。
これらのCuと錯体又はキレートを形成し得る化合物のうちから任意に選択することができるが、典型例として次のような態様が例示される。
例えば、(A)ケト酸、ケト酸塩及びアルデヒド酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種、(B)Cuと錯体又はキレートを形成し得る強酸及びポリカルボン酸塩との組み合わせ、(C)Cuに配位し得る2以上の酸素原子を有する中性有機化合物及び/又はC4以上のモノアルコールの組み合わせ、(D)過塩素酸塩、が挙げられる。なお、(A)〜(D)を含む残渣除去液の具体例を後述する。
上記(A)〜(D)を含む薬液だけでも、Cu表面の亀裂、荒れ及び酸化を防止する効果は高いが、さらに上記のCu表面保護剤を添加した場合には該効果はいっそう高くなる。
フッ素化合物
本発明の残渣除去液には、さらにフッ素化合物を添加することにより、Low-k膜などの層間絶縁膜で形成されたパターンの側壁に付着する残渣を除去する効果が高められる。この残渣は、Cu変質物のほかにSiNなどのストッパー膜やLow-k膜、埋め込み剤などがドライエッチングでスパッタリングされたものであり、Siや有機物を含んでいる場合がある。この残渣の除去が十分できない場合や除去できたかどうか不安が残る場合に、より高い除去効果を付加するために、少量のフッ素化合物を添加することができる。
フッ素化合物としては、例えば、フッ化水素、或いは、アンモニア、ヒドロキシルアミン、第一級、第二級若しくは第三級アミン、第四級アンモニウム又はポリアミン等のフッ化物塩などが挙げられる。具体的には、フッ化水素、フッ化アンモニウム、一水素二フッ化アンモニウム、フッ化メチルアミン、フッ化エチルアミン、フッ化ジエチルアミン、フッ化トリエチレンテトラミン、フッ化テトラメチルアンモニウム等が好ましい。フッ素化合物は、1種であっても又は2種以上であってもよい。本発明の1つの実施形態として、例えば、フッ化アンモニウム水溶液、希フッ酸(50重量%水溶液)を用いることができる。
フッ素化合物の配合量(濃度)は、シリコン含有膜、Low-k膜などの層間絶縁膜およびドライプロセスによりプラズマダメージを受けた層間絶縁膜の種類と量に応じて、適宜選択することができる。
フッ素化合物の好ましい配合量(濃度)は、残渣除去液中、0.001〜5重量%であり、より好ましくは0.01〜3重量%である。層間絶縁膜のプラズマダメージを受けた部分が本発明の除去液によりエッチングされるのを抑制する必要がある場合には、フッ素化合物を含有しないか、或いは少量(1重量%以下)配合するのが好ましい。しかし、0.001重量%未満であると残渣を除去する効果が低下する。
界面活性剤
本発明の残渣除去液には、さらに界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤は、疎水性の層間絶縁膜に対して濡れ性を増し、パターンの形状によっては薬液がいきわたらない場合などを防ぐためである。その種類は、カチオン系、アニオン系、ノニオン系など特に限定されない。濃度は0.00001〜5重量%、好ましくは0.0001〜3重量%である。0.00001重量%より少ないと界面活性効果が小さく、5重量%より多くても、その効果に変化はない。
本発明の残渣除去液に含まれる水の割合は、残渣除去液中、通常40〜99.5重量%程度、好ましくは50〜99重量%程度であり、水以外の成分の配合量に応じて決定することができる。
半導体ドライプロセス後の残渣除去液の具体例
残渣除去液(A)
本発明の残渣除去液は、ケト酸、ケト酸の塩及びアルデヒド酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とCu表面保護剤と水とを基本組成として含むことを特徴とする。さらに、ポリカルボン酸塩、Cuに配位し得る酸素原子を含む中性有機化合物、界面活性剤、フッ素化合物、酸化防止剤、亀裂防止剤などを添加することにより、より優れた機能を追加することが可能である。
Cu表面保護剤の種類及びその配合量は、上述したものが挙げられる。
ケト酸、ケト酸の塩及びアルデヒド酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種は、Cuの腐食を抑制するとともに、ドライプロセス後の残渣を除去する機能を有する。さらに、通常のCuバルクの腐食だけでなく、わずかなCu表面の亀裂を抑制できることが特徴である。
ケト酸としては、例えば、ピルビン酸、レブリン酸、5-アミノレブリン酸、α‐ケトグルタル酸、アセトンジカルボン酸等が挙げられる。
ケト酸の塩としては、例えば、上記したピルビン酸、レブリン酸、5-アミノレブリン酸、α‐ケトグルタル酸、アセトンジカルボン酸等のケト酸と、アンモニア、ヒドロキシルアミン、第一級、第二級又は第三級アミン、第四級アンモニウム、ポリアミン等の塩基とから形成される塩が挙げられる。このうち、好ましくはピルビン酸及びレブリン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種と、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、プロパンジアミン、トリエチレンテトラミン、水酸化テトラメチルアンモニウム及びコリンからなる群より選ばれる少なくとも1種とから形成される塩である。より好ましくは、ピルビン酸のジエチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩、又はコリン塩であり、或いは、レブリン酸のメチルアミン塩、エチルアミン塩又はジエチルアミン塩である。
アルデヒド酸の塩としては、例えば、グリオキシル酸と、アンモニア、ヒドロキシルアミン、第一級、第二級又は第三級アミン、第四級アンモニウム、ポリアミン等の塩基とから形成される塩が挙げられる。このうち、好ましくはグリオキシル酸のブチルアミン塩、ジエチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩、又はコリン塩である。
ケト酸の塩又はアルデヒド酸の塩は、結晶として用いても良いし、水中でこれらの酸と塩基を混合して中和することにより生成した水溶液を用いても良い。
残渣除去液中におけるケト酸、ケト酸の塩及びアルデヒド酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の濃度は、除去するドライプロセス後の残渣の量や質に応じて適宜選択することができる。
ケト酸、ケト酸の塩及びアルデヒド酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の配合量(濃度)は、残渣除去液中、一般に0.1〜35重量%程度であればよい。
具体的には、ケト酸の配合量(濃度)は、残渣除去液中、通常0.5〜10重量%であれば十分であり、好ましくは1〜5重量%、さらに好ましくは、1〜3重量%である。これらの濃度が低いほど残渣除去効果が弱くなり、濃度が高いほど除去効果は高まり薬液の寿命が延びるが、酸であるためCu表面の亀裂が生じやすくなることや対費用効果の観点から10重量%以下が望ましい。
また、アルデヒド酸の塩及び/又はケト酸の塩の配合量(濃度)は、残渣除去液中、通常0.1〜35重量%であれば十分であり、好ましくは0.3〜15重量%、さらに好ましくは、0.5〜10重量%である。これらの濃度が低いほど残渣除去効果が弱くなり、0.1重量%未満では特に弱い。濃度が高いほど除去効果は高まり薬液の寿命が延びるが、対費用効果の観点から35重量%以下が望ましい。
残渣除去液中にさらにポリカルボン酸塩を添加することにより、Cu表面の亀裂を防止する効果と、ドライプロセス後の残渣を除去する効果を増大させることが出来る。特にポリカルボン酸のアミン塩はCu表面の亀裂を防止する効果が大きい。このポリカルボン酸塩としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸水素二アンモニウム、クエン酸二水素アンモニウム、クエン酸等のポリカルボン酸と、アンモニア、ヒドロキシルアミン、第一級、第二級又は第三級アミン、第四級アンモニウム、アルカノールアミン、ポリアミン等の塩基とから形成される塩が挙げられる。好ましくは、シュウ酸、マロン酸、クエン酸水素二アンモニウム、クエン酸二水素アンモニウム、クエン酸等のポリカルボン酸と、アンモニア、第一級、第二級又は第三級アミン、第四級アンモニウム、アルカノールアミン、ポリアミン等の塩基とから形成される塩が挙げられる。
具体的には、シュウ酸、マロン酸、クエン酸水素二アンモニウム、クエン酸二水素アンモニウム、クエン酸等のポリカルボン酸のアンモニウム塩、メチルアミン塩、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリ‐iso‐プロパノールアミン塩、イソプロパノールアミン塩、n‐プロパノールアミン塩、N,N‐ジメチルエタノールアミン塩、N‐メチルエタノールアミン塩、N‐メチルジエタノールアミン塩、N‐アセチルエタノールアミン塩、N‐エチルエタノールアミン塩、トリエチレンテトラミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩及びコリン塩が好ましい。
これらの中で、シュウ酸のアンモニウム塩、メチルアミン塩、マロン酸のアンモニウム塩、メチルアミン塩、エチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩又はコリン塩;クエン酸水素二アンモニウムのメチルアミン塩、エチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩又はコリン塩;クエン酸ニ水素アンモニウムのメチルアミン塩、エチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩又はコリン塩;及び、クエン酸のアンモニウム塩、メチルアミン塩、エチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩、又はコリン塩が最も好ましい。
これらのポリカルボン酸塩は結晶として用いても良いし、水中でこれらの酸と塩基を混合して中和することにより生成した水溶液を用いても良い。ポリカルボン酸塩の配合量(濃度)は、残渣除去液中、0.1〜15重量%であり、好ましくは、0.5〜10重量%、より好ましくは0.75〜8重量%である。これらの濃度が低いほど残渣除去効果が弱くなり、0.1重量%未満では特に弱い。濃度が高いほど除去効果は高まり寿命が延びるが、対費用効果の観点から10重量%以下が望ましい。
残渣除去液中に、さらにフッ素化合物やCuに配位し得る酸素原子を含む中性有機化合物を添加することにより、Low-k膜などの層間絶縁膜で形成されたパターンの側壁に付着する残渣を除去する効果が高められる。この残渣は、Cu変質物のほかにSiNなどのストッパー膜やLow-k膜、埋め込み剤などがドライエッチングでスパッタリングされたものであり、Siや有機物を含んでいる場合がある。しかし、たとえ残渣中にSiや有機物を含んでいたとしても、Cu酸化物が主な構成物である場合には、通常は、フッ素化合物を添加しなくても、本発明の残渣除去液では、この残渣も除去できる。また、ドライプロセスでプラズマダメージを受けたLow-k膜などの層間絶縁膜はフッ素化合物によりエッチングされやすく、設計寸法どおりの加工ができなくなる可能性もある。そのため、この残渣の除去が十分できない場合や除去できたかどうか不安が残る場合に、より高い除去効果を付加するために、少量のフッ素化合物を添加する。
フッ素化合物としては、例えば、フッ化水素、或いは、アンモニア、ヒドロキシルアミン、第一級、第二級若しくは第三級アミン、第四級アンモニウム又はポリアミン等のフッ化物塩などが挙げられる。具体的には、フッ化水素、フッ化アンモニウム、一水素二フッ化アンモニウム、フッ化メチルアミン、フッ化エチルアミン、フッ化ジエチルアミン、フッ化トリエチレンテトラミン、フッ化テトラメチルアンモニウム等が好ましい。フッ素化合物は、1種であっても又は2種以上であってもよい。本発明の1つの実施形態として、例えば、フッ化アンモニウム水溶液、希フッ酸(50重量%水溶液)を用いることができる。
フッ素化合物の濃度は、シリコン含有膜、Low-k膜などの層間絶縁膜およびドライプロセスによりプラズマダメージを受けた層間絶縁膜の種類と量に応じて、適宜選択することができる。
フッ素化合物の好ましい配合量(濃度)は、残渣除去液中0.001〜5重量%であり、より好ましくは0.01〜3重量%である。層間絶縁膜のプラズマダメージを受けた部分が本発明の残渣除去液によりエッチングされるのを抑制する必要がある場合には、フッ素化合物を含有しないか、或いは少量(1重量%以下)配合するのが好ましい。しかし、0.001重量%未満であると残渣を除去する効果が低下する。
なお、本発明の残渣除去液に後述するCuに配位し得る酸素原子を含む中性有機化合物を添加した場合には、フッ素化合物の解離度が小さくなるので、水溶液だけの場合と同じ効果を発揮させるためには、フッ素化合物を多く添加することが好ましい。しかし、5重量%を超えると、層間絶縁膜のプラズマダメージを受けた部分がエッチングされて設計寸法どおりの加工ができなくなる。
本発明の残渣除去液には、さらにCuに配位し得る酸素原子を含む中性有機化合物を添加することもできる。該中性有機化合物は、酸素原子を二つ以上有する中性有機溶媒、或いは長鎖アルキル基などの疎水基をもつ酸素原子含有中性有機溶媒が好ましい。これらの有機溶媒は、Low-k膜などの層間絶縁膜で形成されたパターンの側壁に付着する残渣や層間絶縁膜基板表面の残渣の除去効果を高めるとともにCuの防食効果を有する。なお、中性有機溶媒とは、プロトン供与性溶媒(酸性溶媒)および親プロトン性溶媒(塩基性溶媒)以外のものを示す。
この中性有機化合物として、ポリカルボニル類;ヒドロキシケトン類;炭酸エステル、環状エステル、ケト酸エステル、オキシエステル、アルコキシエステルなどのエステル類;モノアルコール、ポリアルコール、アルコキシアルコールなどのアルコール類;ポリエーテル類などが挙げられる。
ポリカルボニル類としては、例えば、2,3−ブタンジオン、2,4−ペンタジオン、メチルグリオキサールなどが挙げられる。好ましくは、2,3−ブタンジオン、2,4−ペンタジオンである。
ヒドロキシケトン類としては、例えば、アセトイン、アセトンアルコール、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。好ましくは、アセトイン、アセトンアルコールである。
エステル類としては、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルなどの炭酸エステル;炭酸プロピレン、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルなどのケト酸エステル;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのオキシエステル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテル、エチレングリコールジアセタート(二酢酸エチレン)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のアルコキシエステルが挙げられる。
好ましくは、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン、二酢酸エチレン、PGMEA、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、乳酸エチル等が挙げられる。
アルコール類としては、例えば、イソプロピルアルコール、1-ブタノール、tert-ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどの長鎖(例えばC3〜6)アルキル基などの疎水基をもつモノアルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリ(プロピレングリコール)、グリセリン、2‐アミノ‐2‐エチル‐1,3‐プロパンジオール、2‐アミノ‐2‐メチル‐1,3‐プロパンジオール、1,2‐シクロヘキサンジオール、2,2‐ジメチル‐1,3‐プロパンジオール、2,5‐ジメチル‐2,5‐ヘキサンジオール、2,3‐ナフタレンジオール、1,2‐ブタンジオール、1,3‐ブタンジオール、1,4‐ブタンジオール、2‐ブチン‐1,4‐ジオール、2‐ブテン‐1,4‐ジオール、1,3‐プロパンジオール、1,2‐プロパンジオール、DL‐1,2‐ヘキサンジオール、2,5‐ヘキサンジオール、1,2‐ベンゼンジオール、2,4‐ペンタンジオール、2‐メチル‐2,4‐ペンタンジオールなどのポリアルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノ‐n‐ドデシルエーテル、ヘプタエチレングリコールモノ‐n‐ドデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコキシアルコールが挙げられる。
好ましくは、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等が挙げられる。
ポリエーテル類としては、例えば、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、ジメトキシエタン、ジメトキシプロパン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ‐n‐ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ‐n‐ブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。
好ましくは、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
上記の中性有機化合物中で、2,3−ブタンジオン、2,4−ペンタジオン、アセチルアセトン、アセトイン、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテルアセタート、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテル 、エチレングリコールジアセタート(二酢酸エチレン)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、イソプロピルアルコール、1-ブタノール、tert-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリン、2,2‐ジメチル‐1,3‐プロパンジオール 、1,3‐プロパンジオール 、2‐メチル‐2,4‐ペンタンジオール、エチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル 、ジエチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシメタン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、乳酸エチルが好ましい。
さらに好ましくは、2,3−ブタンジオン、2,4−ペンタジオン、アセトイン、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジアセタート(二酢酸エチレン)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール 、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、乳酸エチルである。
特に好ましくは、2,3−ブタンジオン、アセトイン、炭酸プロピレン、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジアセタート(二酢酸エチレン)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、イソプロピルアルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール 、テトラエチレングリコール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、乳酸エチルである。
Cuに配位し得る酸素原子を含む中性有機化合物の配合量(濃度)は、残渣除去液中、通常0.1〜60重量%、好ましくは2〜40重量%である。
本発明の残渣除去液には、さらに界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤は、疎水性の層間絶縁膜に対して濡れ性を増し、パターンの形状によっては薬液がいきわたらない場合などを防ぐためである。その種類は、カチオン系、アニオン系、ノニオン系など特に限定されない。配合量(濃度)は0.00001〜5重量%、好ましくは0.0001〜3重量%である。0.00001重量%より少ないと界面活性効果が小さく、5重量%より多くても、その効果に変化はない。
本発明の残渣除去液に含まれる水の割合は、残渣除去液中、通常40〜99.5重量%程度、好ましくは60〜99重量%程度であれば良く、水以外の成分の配合量に応じて決定することができる。
本発明の残渣除去液のpHは4〜9である。pHが4未満であるとCuを腐食しやすくなり、pHが9を超えるとLow-k膜にダメージを与える。好ましくはpH4〜7である。pHは、塩を調合する際のアルデヒド酸及び/又はケト酸と塩基との分量により調整する。
例えば、ケト酸、ケト酸の塩及びアルデヒド酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とCu表面保護剤と水とを含む残渣除去液の場合、ケト酸、ケト酸の塩及びアルデヒド酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の配合量は0.1〜35重量%程度(好ましくは0.5〜20重量%程度)であり、Cu表面保護剤の配合量は、0.1ppm〜1000ppm程度(好ましくは0.2ppm〜500ppm)であり、pHは4〜8程度(好ましくは5〜7程度)である。
また、ケト酸、ケト酸の塩及びアルデヒド酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、Cu酸化物に配位し得る酸素原子を含む中性有機化合物と、Cu表面保護剤と、水とを含む残渣除去液の場合、ケト酸、ケト酸の塩及びアルデヒド酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の配合量は0.5〜20重量%程度(好ましくは1〜10重量%程度)であり、中性有機化合物の配合量は0.1〜60重量%程度(好ましくは2〜40重量%程度)であり、Cu表面保護剤の配合量は、0.2ppm〜2000ppm程度(好ましくは0.5ppm〜1000ppm)であり、pHは4〜8程度(好ましくは5〜7程度)である。
また、ケト酸、ケト酸の塩及びアルデヒド酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、ポリカルボン酸塩と、Cu表面保護剤と、水とを含む残渣除去液の場合、ケト酸、ケト酸の塩及びアルデヒド酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の配合量は0.1〜10重量%程度(好ましくは0.5〜5重量%程度)であり、ポリカルボン酸塩の配合量は0.1〜10重量%程度(好ましくは0.5〜8重量%程度)であり、Cu表面保護剤の配合量は、0.5ppm〜1000ppm程度(好ましくは1ppm〜500ppm)であり、pHは4〜6程度(好ましくは5〜6程度)である。
また、ケト酸、ケト酸の塩及びアルデヒド酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と、ポリカルボン酸塩と、Cu酸化物に配位し得る酸素原子を含む中性有機化合物と、Cu表面保護剤と、水とを含む残渣除去液の場合、ケト酸、ケト酸の塩及びアルデヒド酸の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の配合量は0.1〜10重量%程度(好ましくは0.5〜5重量%程度)であり、ポリカルボン酸塩の配合量は0.1〜10重量%程度(好ましくは0.5〜8重量%程度)であり、中性有機化合物の配合量は0.1〜60重量%程度(好ましくは2〜40重量%程度)であり、Cu表面保護剤の配合量は、0.5ppm〜3000ppm程度(好ましくは1ppm〜2000ppm)であり、pHは4〜6程度(好ましくは5〜6程度)である。
残渣除去液(B)
本発明の除去液は、Cuと錯体又はキレートを形成し得る強酸(以下「強酸」とも呼ぶ)と、ポリカルボン酸塩と、Cu表面保護剤と、水とを基本組成として含むことを特徴とする。さらに、有機化合物、界面活性剤、フッ素化合物、亀裂防止剤、酸化防止剤などを添加することにより、より優れた機能を追加することが可能である。
Cu表面保護剤の種類及びその配合量は、上述したものが挙げられる。具体的には
Cuと錯体又はキレートを形成し得る強酸は、25℃でのpKaが3以下(好ましくは2以下、より好ましくは0〜2)であるブレンステッド酸であり、水素イオンH+と、Cuとキレートあるいは錯体を形成する剤(部分)とを供給して、ドライプロセス後の残渣を除去する機能を有する。
具体例としては、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、α−クロロ酪酸、β−クロロ酪酸、γ−クロロ酪酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸などのハロゲン含有カルボン酸、臭化水素酸、過塩素酸、硫酸、シュウ酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。このうち、シュウ酸、マロン酸、クエン酸、トリフルオロ酢酸、臭化水素酸、過塩素酸が好ましく、シュウ酸、マロン酸、クエン酸及びトリフルオロ酢酸がより好ましい。
残渣除去液中における該強酸の濃度は、除去するドライプロセス後の残渣の量や質に応じて適宜選択することができる。残渣除去液中、該強酸の配合量(濃度)は、一般に0.1〜10重量%程度であり、好ましくは0.1〜5重量%、さらに好ましくは、0.1〜3重量%である。これらの濃度が低いほどドライプロセス後の残渣が除去しにくくなり、濃度が高いほど残渣の除去が容易となる。対費用効果の観点から5重量%以下が望ましい。
ポリカルボン酸塩は、Low-k膜へのダメージを低減させるとともに、強酸と相互作用しCuの腐食を防止する効果とCuを含有するドライプロセス後の残渣を除去する効果を付与する。特に、ポリカルボン酸のアミン塩は、Cu表面の亀裂を抑制する効果が高い。
ポリカルボン酸塩としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸水素二アンモニウム、クエン酸二水素アンモニウム、クエン酸等のポリカルボン酸と、アンモニア、ヒドロキシルアミン、第一級、第二級又は第三級アミン、第四級アンモニウム、アルカノールアミン、ポリアミン等の塩基とから形成される塩が挙げられる。好ましくは、マロン酸、クエン酸水素二アンモニウム、クエン酸二水素アンモニウム、クエン酸等のポリカルボン酸と、アンモニア、第一級、第二級又は第三級アミン、第四級アンモニウム、アルカノールアミン、ポリアミン等の塩基とから形成される塩が挙げられる。
より具体的には、マロン酸、クエン酸水素二アンモニウム、クエン酸二水素アンモニウム、クエン酸等のポリカルボン酸のアンモニウム塩、メチルアミン塩、エチルアミン塩、プロピルアミン塩、ブチルアミン塩、ジメチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリ‐iso‐プロパノールアミン塩、イソプロパノールアミン塩、n‐プロパノールアミン塩、N,N‐ジメチルエタノールアミン塩、N‐メチルエタノールアミン塩、N‐メチルジエタノールアミン塩、、N‐アセチルエタノールアミン塩、N‐エチルエタノールアミン塩、プロパンジアミン塩、トリエチレンテトラミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩、コリン塩等が挙げられる。
これらの中で、マロン酸のアンモニウム塩、メチルアミン塩、エチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩又はコリン塩;クエン酸水素二アンモニウムのメチルアミン塩、エチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩又はコリン塩;クエン酸ニ水素アンモニウムのメチルアミン塩、エチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩又はコリン塩;及び、クエン酸のアンモニウム塩、メチルアミン塩、エチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩、又はコリン塩が最も好ましい。
ポリカルボン酸塩は結晶として用いても良いし、水中でこれらの酸と塩基を混合して中和することにより生成した水溶液を用いても良い。ポリカルボン酸塩の配合量(濃度)は、残渣除去液中、0.1〜20重量%であり、好ましくは、0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%である。
また、残渣除去液中に含まれるポリカルボン酸塩のモル数に対するCuと錯体又はキレートを形成し得る強酸のモル数の比(強酸/ポリカルボン酸塩)が、0.3〜1程度であることが好ましく、特に0.35〜0.8であることが好ましい。これは、0.3以下ではCuを腐食しやすくなり、1以上では、ドライプロセス後の残渣を除去する能力が低下するためである。
本発明の残渣除去液中には、有機化合物(特に水溶性有機化合物)を添加してもよい。この有機化合物は、強酸によるCuへの腐食を低減し、Low-k膜などの層間絶縁膜で形成されたパターンの側壁に付着する残渣や層間絶縁膜基板の表面残渣などのドライプロセス後の残渣を除去する効果を付与する。
有機化合物としては、親水性乃至水溶性の中性有機化合物が挙げられ、例えば、ポリカルボニル類、ヒドロキシケトン類、エステル類、C3以上のアルコール類、C3以上のアルデヒド類、ポリエーテル類、スルホン類などが好ましい。
ポリカルボニル類としては、例えば、2,3−ブタンジオン、2,4−ペンタジオン、メチルグリオキサール、アセチルアセトンなどが挙げられる。好ましくは、2,3−ブタンジオン、2,4−ペンタジオンである。
ヒドロキシケトン類としては、例えば、アセトイン、アセトンアルコール、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。好ましくは、アセトイン、アセトンアルコールである。
エステル類としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のモノカルボン酸エステル;シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル等のポリカルボン酸エステル;炭酸ジメチル、炭酸ジエチルなどの炭酸エステル;炭酸プロピレン、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルなどのケト酸エステル;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのオキシエステル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテル、エチレングリコールジアセタート(二酢酸エチレン)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のアルコキシエステルなどが挙げられる。好ましくは、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン、二酢酸エチレン、PGMEA、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、乳酸エチル等が挙げられる。
C3以上のアルコール類としては、例えば、イソプロピルアルコール、1-ブタノール、tert-ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどの長鎖(例えばC3〜6)アルキル基などの疎水基をもつモノアルコール;エチレングリコールジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリ(プロピレングリコール)、グリセリン、2‐アミノ‐2‐エチル‐1,3‐プロパンジオール、2‐アミノ‐2‐メチル‐1,3‐プロパンジオール、1,2‐シクロヘキサンジオール、2,2‐ジメチル‐1,3‐プロパンジオール、2,5‐ジメチル‐2,5‐ヘキサンジオール、2,3‐ナフタレンジオール、1,2‐ブタンジオール、1,3‐ブタンジオール、1,4‐ブタンジオール、2‐ブチン‐1,4‐ジオール、2‐ブテン‐1,4‐ジオール、1,3‐プロパンジオール、1,2‐プロパンジオール、DL‐1,2‐ヘキサンジオール、2,5‐ヘキサンジオール、1,2‐ベンゼンジオール、2,4‐ペンタンジオール、2‐メチル‐2,4‐ペンタンジオールなどのポリアルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノ‐n‐ドデシルエーテル、ヘプタエチレングリコールモノ‐n‐ドデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコキシアルコールが挙げられる。好ましくは、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等が挙げられる。
C3以上のアルデヒド類としては、例えば、プロピオンアルデヒド、ブタナール、ペンタナール等が挙げられる。
ポリエーテル類としては、例えば、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、ジメトキシエタン、ジメトキシプロパン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ‐n‐ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ‐n‐ブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。好ましくは、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
スルホン類としては、例えば、スルホラン、ジメチルスルホン等が挙げられる。
上記の有機化合物のうち、2,3−ブタンジオン、2,4−ペンタジオン、アセトイン、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールジアセタート(二酢酸エチレン)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール 、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、乳酸エチルが好適である。
有機化合物の配合量(濃度)は、残渣除去液中、60重量%以下、好ましくは0.5〜60重量%であり、より好ましくは2〜40重量%、特に好ましくは3〜30重量%である。
残渣除去液中にさらにフッ素化合物を添加することにより、Low-k膜などの層間絶縁膜で形成されたパターンの側壁に付着する残渣を除去する効果が高められる。この残渣は、Cu変質物のほかにSiNなどのストッパー膜やLow-k膜、埋め込み剤などがドライエッチングでスパッタリングされたものであり、Siや有機物を含んでいる場合がある。しかし、たとえ残渣中にSiや有機物を含んでいたとしても、Cu酸化物が主な構成物である場合には、通常は、フッ素化合物を添加しなくても、本発明の残渣除去液では、この残渣も除去できる。また、ドライプロセスでプラズマダメージを受けたLow-k膜などの層間絶縁膜はフッ素化合物によりエッチングされやすく、設計寸法どおりの加工ができなくなる可能性もある。そのため、この残渣の除去が十分できない場合や除去できたかどうか不安が残る場合に、より高い除去効果を付加するために、少量のフッ素化合物を添加する。
フッ素化合物としては、例えば、フッ化水素、アンモニア、ヒドロキシルアミン、第一級、第二級若しくは第三級アミン、第四級アンモニウム又はポリアミン等のフッ化物塩などが挙げられる。具体的には、フッ化水素、フッ化アンモニウム、一水素二フッ化アンモニウム、フッ化メチルアミン、フッ化エチルアミン、フッ化ジエチルアミン、フッ化トリエチレンテトラミン、フッ化テトラメチルアンモニウム等が好ましい。フッ素化合物は、1種であっても又は2種以上であってもよい。本発明の1つの実施形態として、例えば、フッ化アンモニウム水溶液、希フッ酸(50重量%水溶液)を用いることができる。
フッ素化合物の濃度は、シリコン含有膜、Low-k膜などの層間絶縁膜およびドライプロセスによりプラズマダメージを受けた層間絶縁膜の種類と量に応じて、適宜選択することができる。
フッ素化合物の好ましい配合量(濃度)は、残渣除去液中、0.001〜5重量%であり、より好ましくは0.01〜3重量%である。層間絶縁膜のプラズマダメージを受けた部分が本発明の除去液によりエッチングされるのを抑制する必要がある場合には、フッ素化合物を含有しないか、或いは少量(1重量%以下)配合するのが好ましい。しかし、0.001重量%未満であると残渣を除去する効果が低下する。特に、前記強酸を含有する残渣除去液の場合は、フッ素化合物は1重量%以下であることが好ましく、また、ポリカルボン酸塩を含有する残渣除去液の場合は、フッ素化合物は5重量%以下が好ましい。
本発明の残渣除去液には、さらに界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤は、疎水性の層間絶縁膜に対して濡れ性を増し、パターンの形状によっては薬液がいきわたらない場合などを防ぐためである。その種類は、カチオン系、アニオン系、ノニオン系など特に限定されない。配合量(濃度)は0.00001〜5重量%、好ましくは0.0001〜3重量%である。0.00001重量%より少ないと界面活性効果が小さく、5重量%より多くても、その効果に変化はない。
本発明の残渣除去液に含まれる水の割合は、残渣除去液中、通常40〜99.5重量%程度、好ましくは70〜99重量%程度であり、水以外の成分の配合量に応じて決定することができる。
本発明の除去液のpHは4〜7である。pHが4未満であるとドライプロセスでダメージをうけたLow-k膜表面が変質しやすくなり、pHが7を超えるとCuを腐食しやすくなる。好ましくはpH4〜6.5である。pHは、強酸とポリカルボン酸塩、必要に応じ有機化合物の分量により調整する。
例えば、Cuと錯体又はキレートを形成し得る強酸と、ポリカルボン酸塩と、Cu表面保護剤と、水とを含む残渣除去液の場合、該強酸の配合量は0.1〜5重量%程度(好ましくは0.3〜3重量%程度)であり、ポリカルボン酸塩の配合量は0.1〜20重量%程度(好ましくは0.5〜10重量%程度)であり、Cu表面保護剤の配合量は、0.5ppm〜1000ppm程度(好ましくは1ppm〜500ppm)であり、pHは4〜6.5程度(好ましくは4〜6程度)である。ポリカルボン酸塩のモル数に対する強酸のモル数の比は、0.3〜1程度(好ましくは0.35〜0.8程度)である。
また、Cuと錯体又はキレートを形成し得る強酸と、ポリカルボン酸塩と、有機化合物と、Cu表面保護剤と、水とを含む残渣除去液の場合、該強酸の配合量は0.1〜5重量%程度(好ましくは0.3〜3重量%程度)であり、該ポリカルボン酸塩の配合量は0.5〜20重量%程度(好ましくは0.75〜10重量%程度)であり、有機化合物の配合量は0.5〜60重量%(好ましくは2〜40重量%、より好ましくは3〜30重量%)であり、Cu表面保護剤の配合量は、0.5ppm〜3000ppm程度(好ましくは1ppm〜2000ppm)であり、pHは4〜7程度(好ましくは4〜6程度)である。ポリカルボン酸塩のモル数に対する強酸のモル数の比は、0.3〜1程度(好ましくは0.35〜0.8程度)である。
残渣除去液(C)
本発明の残渣除去液は、Cuに配位し得る2以上の酸素原子を有する中性有機化合物(以下「中性有機化合物」とも呼ぶ)及び/又はC4以上のモノアルコールと、水とを基本組成として含む水溶液であることを特徴とする。
Cu表面保護剤の種類及びその配合量は、上述したものが挙げられる。
中性有機化合物としては、Cuに対して2座以上の酸素配位座を有する中性の有機化合物であれば良く、中性とは、プロトン供与性溶媒(酸性)および親プロトン性溶媒(塩基性)以外のものを示す。例えば、ポリカルボニル類、ケトアルコール類、ヒドロキシエステル類、ジエステル類、ケトエステル類、ラクトン類、炭酸エステル類、ポリエーテル類、グリコール類、アルキレングリコールモノエーテル類、アルキレングリコールジエステル類、アルキレングリコールエーテルエステル類、ポリアルキレングリコール類、ポリアルキレングリコールモノエーテル類、ポリアルキレングリコールジエステル類、ポリアルキレングリコールエーテルエステル類等が挙げられる。
ポリカルボニル類としては、例えば、ジアルデヒド類(例えば、グリオキサール等)、ジケトン類(2,3-ブタンジオン、2,4-ペンタンジオン(アセチルアセトン、2,3-ペンタンジオン、1,2-シクロヘキサンジオン、3,4-ヘキサンジオン等)、ケトアルデヒド類(メチルグリオキサール等)、が挙げられる。そのうち、2,3-ブタンジオンが好ましい。
ケトアルコール類としては、例えば、アセトイン、ジアセトンアルコール、アセトニルアルコール等が挙げられる。そのうち、アセトインが好ましい。
ヒドロキシエステル類としては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、酒石酸ジメチル、酒石酸ジエチル、グリコール酸メチル等が挙げられる。そのうち、乳酸エチル、グリコール酸メチルが好ましい。
ジエステル類としては、例えば、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、グルタル酸ジメチル、グルタル酸ジエチル、アジピン酸ジメチル、マレイン酸ジメチル等が挙げられる。そのうち、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、が好ましい。
ケトエステル類としては、例えば、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、レブリン酸ブチル等が挙げられる。そのうち、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルが好ましい。
ラクトン類としては、例えば、γ−ブチロラクトン、グルコノ‐δ‐ラクトン、δ‐バレロラクトン等が挙げられる。そのうち、γ−ブチロラクトンが好ましい。
炭酸エステル類としては、例えば、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等が挙げられる。そのうち、炭酸プロピレンが好ましい。
ポリエーテル類としては、例えば、グリコールジアルキルエーテル(ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、ジエトキシエタン、エチレングリコールジ‐n‐ブチルエーテル、ジメトキシプロパン等)、ポリアルキレングリコールジアルキルエーテル(ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ‐n‐ブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル等)等が挙げられる。
そのうち、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルが好ましい。
グリコール類としては、例えば、エチレングリコール、1,3‐プロパンジオール、1,2‐プロパンジオール、グリセリン、1,2‐シクロヘキサンジオール、2,2‐ジメチル‐1,3‐プロパンジオール、2,5‐ジメチル‐2,5‐ヘキサンジオール、2,3‐ナフタレンジオール、1,2‐ブタンジオール、1,3‐ブタンジオール、1,4‐ブタンジオール、2‐ブチン‐1,4‐ジオール、2‐ブテン‐1,4‐ジオール、DL‐1,2‐ヘキサンジオール、2,5‐ヘキサンジオール、1,2‐ベンゼンジオール、2,4‐ペンタンジオール、2‐メチル‐2,4‐ペンタンジオールが挙げられる。そのうち、エチレングリコール、1,3‐プロパンジオール、1,2‐プロパンジオールが好ましい。
アルキレングリコールモノエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。そのうち、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。
アルキレングリコールジエステル類としては、例えば、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート等が挙げられる。そのうちエチレングリコールジアセテートが好ましい。
アルキレングリコールエーテルエステル類としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセタート、プロピレングリコール1-モノメチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテルアセテート等が挙げられる。そのうち、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましい。
ポリアルキレングリコール類としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリ(プロピレングリコール)、グリセリン等が挙げられる。そのうち、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールが好ましい。
ポリアルキレングリコールモノエーテル類としては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ‐n‐ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノ‐n‐ドデシルエーテル、ヘプタエチレングリコールモノ‐n‐ドデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。そのうち、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのアルコキシアルコールが好ましい。
ポリアルキレングリコールジエステル類としては、例えば、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジアセテート等が挙げられる。そのうち、ジエチレングリコールジアセテートが好ましい。
ポリアルキレングリコールエーテルエステル類としては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。そのうち、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましい。
上記の中性有機化合物のうち、好ましくは、2,3-ブタンジオン、アセトイン、乳酸エチル、グリコール酸メチル、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコール、1,3‐プロパンジオール、1,2‐プロパンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
また、上記の中性有機化合物のうち、他の好ましいものとして、Low-k膜にダメージを与えずにCu表面の亀裂をより効果的に抑制できる点から、ケトアルコール類、ヒドロキシエステル類、ジエステル類、ケトエステル類、ラクトン類、炭酸エステル類、アルキレングリコールジエステル類、アルキレングリコールエーテルエステル類、ポリアルキレングリコールジエステル類、ポリアルキレングリコールエーテルエステル類等が挙げられる。
具体的には、乳酸エチル、グリコール酸メチル、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレン、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
また、C4以上のモノアルコールとしては、例えば、1-ブタノール、tert-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコールなどのC4〜7のモノアルコールが挙げられる。そのうち、1-ブタノール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコールが好ましい。
中性有機化合物及び/又はC4以上のモノアルコールの配合量(濃度)は、残渣除去液中、0.1〜60重量%であり、好ましくは、1〜40重量%、より好ましくは2〜15重量%である。
上記の中性有機化合物の中には、水溶液中で加水分解を受けやすいエステル基を有する化合物もある。例えば、ヒドロキシエステル類、ジエステル類、ケトエステル類、ラクトン類、炭酸エステル類、アルキレングリコールジエステル類、アルキレングリコールエーテルエステル類、ポリアルキレングリコールジエステル類、及びポリアルキレングリコールエーテルエステル類が挙げられる。このようなエステル類に対しては、加水分解で生じたH+を中和するために水溶性の塩基、又は、生成したH+を制御するためポリカルボン酸塩を、さらに残渣除去液中に添加することが好ましい。ポリカルボン酸塩を添加することにより、CuxO含有残渣の除去効果とCuの防食効果が増加する。水溶性塩基としてアミンを用いた場合や、ポリカルボン酸のアミン塩を加えた場合には、Cu表面の亀裂を防止する効果も増加するため好ましい。
水溶性の塩基としては、例えば、アンモニア、ヒドロキシルアミン、第一級、第二級又は第三級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等、第四級アンモニウム(水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリン等)、ポリアミン(ヒドラジン、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ジエチレントリアミン、トリアミノトリエチルアミン、トリエチレンテトラミン等)等が挙げられる。このうち、エチルアミン、ジエチルアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、コリン、プロパンジアミン、トリエチレンテトラミン等が好ましい。
水溶性の塩基の配合量は、pHを4〜7に中和するために添加するのに適した量であれば良い。したがって、エステルの量とその加水分解の量にも依存し、加水分解は、温度やその他の組成にも依存するため、一般的に決められない。好ましくは、pH5〜7に中和し、より好ましくはpH6〜7に中和するのに適した量を加える。
ポリカルボン酸塩としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸水素二アンモニウム、クエン酸二水素アンモニウム、クエン酸等のポリカルボン酸と、アンモニア、ヒドロキシルアミン、第一級、第二級又は第三級アミン、第四級アンモニウム、アルカノールアミン、ポリアミン等の塩基とから形成される塩が挙げられる。好ましくは、マロン酸、クエン酸水素二アンモニウム、クエン酸二水素アンモニウム、クエン酸等のポリカルボン酸と、アンモニア、第一級、第二級又は第三級アミン、第四級アンモニウム、ポリアミン等の塩基とから形成される塩が挙げられる。
より具体的には、マロン酸、クエン酸水素二アンモニウム、クエン酸二水素アンモニウム、クエン酸等のポリカルボン酸のアンモニウム塩、メチルアミン塩、エチルアミン塩、プロピルアミン塩、ブチルアミン塩、ジメチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリ‐iso‐プロパノールアミン塩、イソプロパノールアミン塩、n‐プロパノールアミン塩、N,N‐ジメチルエタノールアミン塩、N‐メチルエタノールアミン塩、N‐メチルジエタノールアミン塩、、N‐アセチルエタノールアミン塩、N‐エチルエタノールアミン塩、プロパンジアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩、コリン塩等である。
これらの中で、マロン酸のアンモニウム塩、メチルアミン塩、エチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩又はコリン塩;クエン酸水素二アンモニウムのメチルアミン塩、エチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩又はコリン塩;クエン酸ニ水素アンモニウムのメチルアミン塩、エチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩又はコリン塩;及び、クエン酸のアンモニウム塩、メチルアミン塩、エチルアミン塩、水酸化テトラメチルアンモニウム塩、又はコリン塩が最も好ましい。
ポリカルボン酸塩は結晶として用いても良いし、水中でこれらの酸と塩基を混合して中和することにより生成した水溶液を用いても良い。ポリカルボン酸塩の配合量(濃度)は、残渣除去液中、0.1〜15重量%であり、好ましくは、0.5〜10重量%、より好ましくは0.75〜8重量%である。
さらに、過塩素酸塩を添加しても良い。過塩素酸塩としては、アンモニア、ヒドロキシルアミン、第一級、第二級又は第三級アミン、第四級アンモニウム及びポリアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種とから形成される塩であり、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸メチルアミン塩、過塩素酸プロパンポリアミン塩、過塩素酸トリエチレンテトラミン塩などがあげられる。これらの中で過塩素酸アンモニウムが好ましい。
過塩素酸塩の配合量(濃度)は、残渣除去液中、0.1〜10重量%であり、好ましくは、0.3〜5重量%、より好ましくは0.5〜3重量%である。
なお、本発明の残渣除去液は、基本的にはフッ素化合物を含まないものであるが、例えば、C4以上のモノアルコールを用いる場合や、中性有機化合物として、ケトアルコール類、ヒドロキシエステル類、ジエステル類、ケトエステル類、ラクトン類、炭酸エステル類、アルキレングリコールジエステル類、アルキレングリコールエーテルエステル類、ポリアルキレングリコールジエステル類、ポリアルキレングリコールエーテルエステル類等を用いる場合には、さらにフッ素化合物を添加することもできる。
フッ素化合物を添加することにより、Low-k膜などの層間絶縁膜で形成されたパターンの側壁に付着する残渣を除去する効果が高められる。この残渣は、Cu変質物のほかにSiNなどのストッパー膜やLow-k膜、埋め込み剤などがドライエッチングでスパッタリングされたものであり、Siや有機物を含んでいる場合がある。しかし、たとえ残渣中にSiや有機物含んでいたとしても、Cu酸化物が主な構成物である場合には、通常は、フッ素化合物を添加しなくても、本発明の残渣除去液では、この残渣も除去できる。また、ドライプロセスでプラズマダメージを受けたLow-k膜などの層間絶縁膜はフッ素化合物によりエッチングされやすく、設計寸法どおりの加工ができなくなる可能性もある。そのため、この残渣の除去が十分できない場合や除去できたかどうか不安が残る場合に、より高い除去効果を付加するために、少量のフッ素化合物を添加する。
フッ素化合物としては、例えば、フッ化水素、或いは、アンモニア、ヒドロキシルアミン、第一級、第二級若しくは第三級アミン、第四級アンモニウム又はポリアミン等のフッ化物塩などが挙げられる。具体的には、フッ化水素、フッ化アンモニウム、一水素二フッ化アンモニウム、フッ化メチルアミン、フッ化エチルアミン、フッ化ジエチルアミン、フッ化トリエチレンテトラミン、フッ化テトラメチルアンモニウム等が好ましい。フッ素化合物は、1種であっても又は2種以上であってもよい。本発明の1つの実施形態として、例えば、フッ化アンモニウム水溶液、希フッ酸(50重量%水溶液)を用いることができる。
フッ素化合物の配合量(濃度)は、シリコン含有膜、Low-k膜などの層間絶縁膜およびドライプロセスによりプラズマダメージを受けた層間絶縁膜の種類と量に応じて、適宜選択することができる。
フッ素化合物の好ましい配合量(濃度)は、残渣除去液中、0.001〜5重量%であり、より好ましくは0.01〜3重量%である。層間絶縁膜のプラズマダメージを受けた部分が本発明の除去液によりエッチングされるのを抑制する必要がある場合には、フッ素化合物を含有しないか、或いは少量(1重量%以下)配合するのが好ましい。しかし、0.001重量%未満であると残渣を除去する効果が低下する。
本発明の残渣除去液には、さらに界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤は、疎水性の層間絶縁膜に対して濡れ性を増し、パターンの形状によっては薬液がいきわたらない場合などを防ぐためである。その種類は、カチオン系、アニオン系、ノニオン系など特に限定されない。濃度は0.00001〜5重量%、好ましくは0.0001〜3重量%である。0.00001重量%より少ないと界面活性効果が小さく、5重量%より多くても、その効果に変化はない。
本発明の残渣除去液に含まれる水の割合は、残渣除去液中、通常40〜99.5重量%程度、好ましくは60〜99重量%程度であり、水以外の成分の配合量に応じて決定することができる。
本発明の残渣除去液のpHは4〜7である。pHが4以下であるとCuを腐食しやすくなる傾向にあり、pHが7を超えるとLow-k膜にダメージを与える場合がある。好ましくはpH4〜6である。pHは、塩基により調整する。
本発明の残渣除去液(C)の具体例としては、次のようなものが挙げられる。
例えば、中性有機化合物とCu表面保護剤と水とを含む残渣除去液の場合、中性有機化合物の配合量は0.1〜60重量%程度(好ましくは3〜20重量%程度)であり、Cu表面保護剤の配合量は、0.2ppm〜2000ppm程度(好ましくは0.5ppm〜1000ppm)であり、pHは4〜7程度(好ましくは4〜6程度)である。
また、C4以上のモノアルコールとCu表面保護剤と水とを含む残渣除去液の場合、C4以上のモノアルコールの配合量は1〜10重量%程度(好ましくは2〜5重量%程度)であり、Cu表面保護剤の配合量は、0.2ppm〜1000ppm程度(好ましくは0.5ppm〜500ppm)であり、pHは4〜7程度(好ましくは5〜7程度)である。
また、中性有機化合物と、水溶性の塩基と、Cu表面保護剤と、水とを含む残渣除去液の場合、中性有機化合物の配合量は0.1〜20重量%程度(好ましくは1〜10重量%程度)であり、水溶性の塩基の配合量は0.05〜5重量%程度(好ましくは0.1〜3重量%程度)であり、Cu表面保護剤の配合量は0.2ppm〜2000ppm程度(好ましくは0.5ppm〜1000ppm)であり、pHは4〜7程度(好ましくは4〜6程度)である。
また、中性有機化合物と、ポリカルボン酸塩と、Cu表面保護剤と、水とを含む残渣除去液の場合、中性有機化合物の配合量は0.1〜60重量%程度(好ましくは3〜20重量%程度)であり、ポリカルボン酸塩の配合量は0.1〜10重量%程度(好ましくは0.5〜5重量%程度)であり、Cu表面保護剤の配合量は、0.5ppm〜3000ppm程度(好ましくは1ppm〜2000ppm)であり、pHは4〜7程度(好ましくは4〜6程度)である。
残渣除去液(D)
本発明の残渣除去液は、過塩素酸塩と水とを含む水溶液であることを特徴とする。
Cu表面保護剤の種類及びその配合量は、上述したものが挙げられる。具体的には
過塩素酸塩は、上記の残渣除去液(C)で挙げたものを用いることができる。具体的には、過塩素酸塩としては、アンモニア、ヒドロキシルアミン、第一級、第二級又は第三級アミン、第四級アンモニウム及びポリアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種とから形成される塩であり、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸メチルアミン塩、過塩素酸プロパンポリアミン塩、過塩素酸トリエチレンテトラミン塩などがあげられる。これらの中で過塩素酸アンモニウムが好ましい。
過塩素酸塩の配合量(濃度)は、残渣除去液中、0.1〜10重量%であり、好ましくは、0.3〜5重量%、より好ましくは0.5〜3重量%である。
過塩素酸塩を含む残渣除去液中には、さらに薬液(A)で挙げたCuに配位し得る2以上の酸素原子を有する中性有機化合物及び/又はC4以上のモノアルコールを含んでもよい。Cuバルクの腐食とCu表面の亀裂を抑制する効果と、ドライプロセス後の残渣を除去する効果を増大させることが出来る。また、その配合量も薬液(C)で挙げたものを採用できる。
また、本発明の残渣除去液中に、さらに水溶性塩基、ポリカルボン酸塩、界面活性剤、フッ素化合物、酸化防止剤、亀裂防止剤等を添加しても良い。これらは、例えば、残渣除去液(C)で挙げたものを用いることができ、また、その配合量も残渣除去液(C)で挙げたものを採用できる。
本発明の残渣除去液に含まれる水の割合は、残渣除去液中、通常40〜99.5重量%程度、好ましくは60〜99重量%程度であり、水以外の成分の配合量に応じて決定することができる。
本発明の残渣除去液のpHは4〜7である。pHが4以下であるとCuを腐食しやすくなる傾向にあり、pHが7を超えるとLow-k膜にダメージを与える場合がある。好ましくはpH4〜6である。pHは、塩基により調整する。
本発明の残渣除去液(D)の具体例としては、次のようなものが挙げられる。
例えば、過塩素酸塩とCu表面保護剤と水とを含む残渣除去液の場合、過塩素酸塩の配合量は0.1〜10重量%程度(好ましくは0.3〜5重量%程度)であり、Cu表面保護剤の配合量は、0.1ppm〜1000ppm程度(好ましくは0.2ppm〜500ppm)であり、pHは4〜7程度(好ましくは5〜7程度)である。
また、過塩素酸塩と、中性有機化合物及び/又はC4以上のモノアルコールと、Cu表面保護剤と、水とを含む残渣除去液の場合、過塩素酸塩の配合量は0.1〜10重量%程度(好ましくは0.3〜5重量%程度)であり、中性有機化合物及び/又はC4以上のモノアルコールの配合量は0.5〜60重量%程度(好ましくは2〜40重量%程度)であり、Cu表面保護剤の配合量は、0.2ppm〜2000ppm程度(好ましくは0.5ppm〜1000ppm)であり、pHは4〜7程度(好ましくは5〜7程度)である。
また、過塩素酸塩と、中性有機化合物と、水溶性の塩基と、Cu表面保護剤と、水とを含む残渣除去液の場合、過塩素酸塩の配合量は0.1〜10重量%程度(好ましくは0.3〜5重量%程度)であり、中性有機化合物の配合量は0.5〜40重量%程度(好ましくは2〜30重量%程度)であり、水溶性の塩基の配合量は0.5〜40重量%程度(好ましくは2〜30重量%程度)であり、Cu表面保護剤の配合量は、0.2ppm〜2000ppm程度(好ましくは0.5ppm〜1000ppm)であり、pHは4〜7程度(好ましくは4〜6程度)である。
また、過塩素酸塩と、中性有機化合物と、ポリカルボン酸塩と、Cu表面保護剤と、水とを含む残渣除去液の場合、過塩素酸塩の配合量は0.1〜10重量%程度(好ましくは0.3〜5重量%程度)であり、中性有機化合物の配合量は0.5〜60重量%程度(好ましくは2〜40重量%程度)であり、ポリカルボン酸塩の配合量は0.5〜20重量%程度(好ましくは0.75〜10重量%程度)であり、Cu表面保護剤の配合量は、0.5ppm〜3000ppm程度(好ましくは1ppm〜2000ppm)であり、pHは4〜7程度(好ましくは4〜6程度)である。
除去対象残渣
本発明の残渣除去液の対象物は、主として除去されるべきCu酸化膜及びドライプロプロセス後の残渣と保護されるべきCu表面である。
Cu酸化膜としては、ドライエッチング及び/又はアッシング時に形成されたCu酸化物、或いはプロセス間の移動などにより大気に曝された場合に、金属が自然に酸化されてできたCuの自然酸化膜等が挙げられる。これらの組成としては、CuO、Cu2O、Cu(OH)2等が多く含まれる。
ドライプロプロセス後の残渣は、導電性金属として、Cuを用いて成膜したウェハーにおいて、Cu/Low-k多層配線構造のCu表面上のCu酸化膜、及び/又は、ドライエッチング及び/又はアッシングにより形成されたCu酸化物を含むCu変質物からなる。この残渣は、主にパターンが形成されたCu配線上やLow-k膜などの層間絶縁膜で形成されたパターンの側壁および層間絶縁膜基板表面に付着する。Cu上に形成される残渣はドライエッチング及び/又はアッシングにより、損傷を受けて酸化及び/又はフッ素化されたCu酸化物とそのCuとの混合物からなる変質物残渣であり、電気抵抗が増大したものである。このCu変質物は、酸化及び/又はフッ素化された、Cu酸化物及びCuからなるので、その電気抵抗はCu酸化物に近い絶縁層となる。
Low-k膜などの層間絶縁膜で形成されたパターンの側壁に付着する残渣は、Cu変質物のほかにSiNなどのストッパー膜やLow-k膜、埋め込み剤などがドライエッチングでスパッタリングされたものであり、Siや有機物を含んでいる場合がある。また、層間絶縁膜基板表面の残渣は、アッシングすることにより除去しきれなかったレジスト、反射防止膜および埋め込み剤などの有機物や無機マスクを用いたプロセスでの残留物に、ドライエッチングの際にホールやトレンチの底から飛来した若干のSiやCu変質物を含んだものであると推測できる。
本明細書において、層間絶縁膜とは、主にLow-k膜およびporous-Low-kのことであり、例えばフッ素を含んだシリコン酸化膜(FSG膜)も包含され、比誘電率が、1より大きく、4以下程度、好ましくは3以下程度、より好ましくは2.8以下程度、さらに好ましくは2.6以下程度の絶縁膜を意味する。Low-k膜は主に塗布またはプラズマCVDにより生成される。
具体的には、LKDシリーズ(商品名、JSR社製)、HSGシリーズ(商品名、日立化成社製)、Nanoglass(商品名、Honeywell社製)、IPS(商品名、触媒化成社製)、Z3M(商品名、Dow Corning社製)、XLK(商品名、Dow Corning社製)、FOx(商品名、Dow Corning社製)、Orion(商品名Tricon社製)、NCS(商品名、触媒化成社製)、SiLK、porous−SiLK(商品名、Dow Corning社製)などの無機SOG(HSG:水素化シルセスキオキサン)、有機SOG膜(MSQ膜:メチルシルセスキオキサン膜)、ポリアリルエーテルなどを主成分とする有機ポリマー膜とよばれる塗布膜や、Black Diamond(商品名、アプライドマテリアルズ社製)、コーラル(商品名、Novellus社製)、オーロラ(商品名、ASM社製)に代表されるプラズマCVD膜などがあるが、これらに限定されるものではない。
レジストとしては、KrF(クリプトンエフ)、ArF、F2レジスト等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
埋め込み剤は、反射防止膜の機能を兼ねる有機化合物であることが多い。
II.Cu酸化物及び/又はドライプロセス後の残渣の除去
本発明の残渣除去方法は、主として、ダマシン、デュアルダマシンなどの構造やキャパシタ構造の形成工程において、ドライプロセス(ドライエッチング及び/又はアッシング)後の半導体基板に存在する残渣を除去する方法である。具体的には、ドライプロセス後のCu/Low-k多層配線構造を有する半導体基板に存在する残渣を、上記の残渣除去液を用いて除去する。
本発明は半導体デバイスの製造方法をも提供する。該製造方法は(1)配線材料としてCu(Cu)を有し層間絶縁材料として低誘電率膜(Low-k膜)を有する半導体基板をドライエッチング及び/又はアッシングする工程、及び(2)上記(1)で処理された半導体基板を上記の残渣除去液と接触させる工程を含むことを特徴とする。
なお、基板上にLow-k膜を形成した後、必要に応じてLow-k膜上にSiN、SiC、TaN膜などの絶縁膜バリアが形成されるが、該SiN、SiC、TaN膜などは、Low-k膜と共にエッチングすることもできる。
残渣除去の処理は、被処理物である半導体基板を残渣除去液に接触させて行う。残渣除去液への接触方法は、Cu酸化物、及び/又は、ドライプロセス後の残渣が除去でき、Cuの腐食を抑えて、Low-k膜に実質的にダメージを与えなければ特に限定されることはなく、残渣除去液の種類や温度に応じて適宜設定することができる。接触方法としては、例えば、薬液をためた槽に、カセットに入った多量の被処理物(ウェハー)を浸漬させるバッチ式、回転させた被処理物(ウェハー)の上から薬液をかけて洗浄する枚葉式、被処理物(ウェハー)に薬液をスプレーで吹付け続けて洗浄するスプレー式等、種々の接触方法が用いられる。
残渣除去液の温度は、例えば10〜60℃程度、好ましくは15〜40℃程度にするのがよい。接触時間としても限定されず適宜選択することができるが、例えば、0.5分〜60分程度、好ましくは1分〜40分程度が例示できる。
また、バッチ式の場合は、必要に応じて、撹拌下の残渣除去液にウェハーを浸漬してもよい。撹拌の速度も限定されず、適宜選択することができる。不要物が剥離しにくい場合、例えば被処理物を残渣除去液に浸漬して超音波洗浄を行ってもよい。
本発明のCu酸化物の除去方法は、さらに、Cu酸化物、及び/又は、ドライプロセス後の残渣を除去したウェハーを、純水で洗浄することにより行うことができる。この洗浄工程により本発明のCu表面保護剤を含む残渣除去液を洗い流すことができる。
本発明のCu表面保護剤を含む残渣除去液を用いてCu酸化物、及び/又は、ドライプロセス後の残渣の除去を行った半導体基板は、例えば、Cu配線をするなど、慣用されている方法(例えば、詳説半導体CMP技術、土肥俊郎 編著 2001年 に記載された方法)に従って、様々な種類の半導体装置(デバイス)へと加工することができる。
なお、Cu表面に付着した表面保護剤は、洗浄後のスパッタなどの次のプロセス中もしくは新たに加えた脱離プロセス中で、不活性ガスあるいは真空雰囲気下で、180℃以上(好ましくは200〜300℃程度)に加熱することにより、Cu表面保護剤を半導体基板から脱離させることができる。