JP4915529B2 - 液体塗布装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体塗布装置およびインクジェット記録装置に関する。詳しくは、顔料を色材とするインクで記録した際に顔料の凝集を早めるなど所定の目的で媒体に液体を塗布する液体塗布装置、インクジェット記録装置および液体塗布装置の制御方法に関するものである。
プリンタなどのインクジェット記録装置では、滲み、濃度、色調や裏写り等といった記録品位や、耐水性、耐候性といった画像堅牢性を向上させるため、インクの色材を不溶化あるいは凝集させる処理液を用いることが一般に知られている。
記録媒体に処理液を付与する方法としてはインクと同様に記録ヘッドによって記録媒体に処理液を吐出するものがある。しかし、この方法では、吐出に伴って処理液ミストが発生するため、この処理液ミストが原因で吐出口の目詰りが生じる可能性がある。また、記録ヘッドから安定的に吐出できる処理液にするには、処理液の粘度や表面張力、溶液組成等に多くの制約が生じる。
これに対し、ローラを用いて処理液を記録媒体全体に塗布する方法が知られている。図34は、この方法による処理液塗布機構の主要部を示す断面図である。同図において、図示していないモータ等によって回動するプラテンローラ61には押えチャック62によって記録媒体63が巻き付けられている。また、コーティングユニット64内には処理液65が収納されている。この処理液65は、攪拌・供給ローラ66によって攪拌されるとともに、輸送・薄膜化ローラ68に供給される。そして、輸送・薄膜化ローラ67、68は塗布ローラ69のローラ面に処理液65を薄膜として形成する。塗布ローラ69は、回転するプラテンローラ61に巻き付けられている記録媒体63に対して押圧しながら回転し、記録媒体63の表面に処理液65を塗布する。これと同時に、記録ヘッド70は、処理液65が塗布された記録媒体63の表面にインクを吐出して記録を行う。このように、処理液を予め塗布ローラで記録媒体に塗布する方法によれば、記録ヘッドを用いて処理液を吐出する方法に比べ、処理液ミストを生じさせることなく、比較的粘度の高い液を薄く塗布することができる。
また、処理液等の塗布液をローラの回転に伴って媒体に塗布する液体塗布機構として、特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1では、ローラと接するドクターブレードを用い、このブレードとローラとの間にコーティング液を溜めるようにし、ローラの回転に伴ってコーティング液がローラに付与される。そして、このローラの回転に伴い、これと他のローラとの間を搬送される支持体に対し付与されているコーティング液が転写、塗布される。特許文献2にも、同様に、染料を不溶化する処理液を記録の前に予め塗布する液体塗布機構が示されている。
さて、このような液体塗布機構にあっては、塗布動作が中断している間、フレッシュな処理液が供給されないまま塗布ローラが外気に曝されることになるため、塗布ローラの表面に残存する処理液が増粘してしまう。中断時間が長いほど、その増粘の度合いは大きい。すなわち、処理液が塗布ローラに付着したまま比較的長い時間が経過すると、処理液中の水分など溶媒の蒸発によって処理液の粘度が上昇する。このように粘度増加した状態で塗布動作を行うと、ローラが良好に回転できなかったり、ローラに適切な量の塗布液が供給されなかったりすることがある。その結果、記録媒体に対する塗布が良好に行えないという問題を生じる。
なお、このような問題は図34に示す構成の塗布機構にのみ生じるものでないことはもちろんである。図11、図21、図27や図30にて後述する構成はもちろん、凡そ塗布ローラを用いて処理液を塗布する構成では、処理液を貯留する箇所から塗布ローラまで処理液に接する種々の部分が存在する。これらの処理液に接する部分では上記のような処理液の増粘による問題を生じる。例えば、液体保持部材の一部が塗布ローラに当接することにより形成される空間に保持される処理液を塗布ローラを介して媒体に塗布する塗布機構も知られている。この機構では塗布ローラはもちろん液体保持部材内やこの保持部材が塗布ローラと当接する部分に存在する処理液も増粘して上記と同様の問題を生じることがある。
以上のような問題を解決するため、記録に伴う塗布動作の前に予め塗布初期動作を行うことが知られている(特許文献3参照)。これは、記録動作の待機中(つまり塗布動作の中断中)に、一定期間毎に記録媒体のない状態で処理液の塗布動作を行うものである。すなわち、塗布ローラを初めとして処理液が付着する各ローラを駆動して回転させるとともにこれらのローラ表面に処理液を供給して処理液の流動を生じさせる。特許文献3では、この塗布初期動作を装置の電源オン時(装置の起動時)に行わせることも記載されている。このような塗布初期動作によって、処理液が塗布ローラ等の表面を循環し各ローラ上の処理液の粘度を通常の値に復帰させ、塗布ローラによる塗布条件を良好に行うことが可能な状態とすることができる。
特表2002−517341号公報 特開平8−72227号公報 特開2002−96452号公報 特開2002−137378号公報
しかしながら、記録待機中に一定時間ごとに塗布初期動作を実行する構成では、特に家庭などで使用するユーザーにとっては、音などが気になり不快感を与える場合がある。
また、特許文献3では、上述のように、電源オン時の記録待機中の処理液の増粘に対する初期処理だけでなく、電源オフの間の処理液の増粘に対応すべく、電源投入時に塗布初期動作を実行している。さて、長期間電源をオフにしていた場合と比較的短時間電源をオフしていた場合では、塗布ローラの固着の程度は同じではない。従って、電源オフの期間の長さに応じた塗布初期動作を実行するべきである。
しかし、特許文献3では、電源オフの期間の長さに応じた塗布初期動作を実行していない。すなわち、特許文献3では、上記復帰動作の際の塗布ローラの回転時間を、前回の電源オフから今回の電源オフまでの経過時間によらず一定に設定している。従って、上記経過時間が長い場合は、上記回転時間だけでは塗布ローラ上の処理液の粘度を十分に復帰できない場合がある。また、上記経過時間が短い場合は、上記回転時間だけ復帰動作を行わなくても、塗布ローラ上の処理液の粘度は十分に復帰する。よって、この場合、余計な回転時間分だけ起動が遅くなってしまう。
このように特許文献3は、処理液の粘度上昇が生じる期間の長さ(あるいは処理液の増粘の程度)を考慮して、塗布ローラ等に付着している処理液の粘度を減少させる処理(処理液の低粘度化処理)を実行するものではない。
本発明は、処理液の粘度上昇が生じる期間の長さを考慮して適切な処理液の低粘度化処理を行うことのできる、液体塗布装置、インクジェット記録装置、記録装置および液体塗布装置の制御方法を提供することを目的としている。
また、本発明は、塗布ローラの表面に付着した増粘物を減少させるための動作時間を必要最小限に抑えることが可能な液体塗布装置、インクジェット記録装置および液体塗布装置の制御方法を提供することも目的としている。
本発明の第1の実施態様では、液体塗布装置であって、媒体に液体を塗布するための塗布ローラと、塗布開始命令の入力に応じて、前記塗布ローラによる前回の液体塗布に関わる処理の終了からの経過期間に関連する情報を取得するための取得手段と、前記取得手段により取得された情報に基づいて、前記塗布ローラの回転に関する条件を決定するための決定手段と、前記決定手段により決定された条件に応じて、前記塗布開始命令に基づく液体塗布が実行される前に前記塗布ローラを回転させる前処理を実行可能な前処理手段と、を備えることを特徴とする。
また、第2の実施態様では、液体塗布装置であって、媒体に液体を塗布するための塗布ローラと、塗布開始命令の入力に応じて、前記塗布ローラによる前回の液体塗布に関わる処理の終了からの経過期間に関連する情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された情報に基づいて、前記塗布開始命令に基づく液体塗布が実行される前に前記塗布ローラを回転させる処理を実行するか否かを決定する決定手段と、を備えることを特徴とする。
また、第3の実施態様では、液体塗布装置であって、媒体に液体を塗布するための塗布ローラと、塗布開始命令の入力に応じて、前記塗布ローラによる前回の液体塗布に関わる処理の終了からの経過期間に関連する情報を取得する取得手段と、前記塗布開始命令に基づく液体塗布が実行される前に前記塗布ローラを回転させる前処理を実行するための前処理手段と、前記前処理手段による塗布ローラの回転数あるいは回転時間を、前記取得手段により取得された情報に基づいて決定する決定手段と、を備えることを特徴とする。
また、第4の実施態様では、液体塗布装置であって、媒体に液体を塗布するための塗布ローラと、前記塗布ローラの一部と当接して液体を保持するための液体保持部材と、前記液体を収容したタンクと、前記タンクと前記液体保持部材とを接続するための経路と、前記経路を介して前記液体保持部材により保持される液体を前記タンクに回収するための回収手段と、塗布開始命令の入力に応じて、前記回収手段による前回の液体の回収処理の終了からの経過期間に関連する情報を取得するための取得手段と、前記取得手段により取得された情報に基づいて、前記塗布ローラの回転に関する条件を決定するための決定手段と、前記決定手段により決定された条件に応じて、前記塗布開始命令に応じて前記塗布ローラによって前記液体保持部材に保持される液体が前記媒体に塗布される前に前記塗布ローラを回転させる前処理を実行可能な前処理手段と、を備えることを特徴とする。
また、第5の実施態様では、液体塗布装置であって、媒体に液体を塗布するための塗布ローラと、前記塗布ローラの一部と当接して液体を保持するための液体保持部材と、前記液体を収容したタンクと、前記タンクと前記液体保持部材とを接続するための経路と、前記経路を介して前記液体保持部材により保持される液体を前記タンクに回収するための回収手段と、塗布開始命令の入力に応じて、前記回収手段による前回の液体の回収処理の終了からの経過期間に関連する情報を取得するための取得手段と、前記塗布開始命令に基づく液体塗布が実行される前に前記塗布ローラを回転させる前処理を実行するための前処理手段と、前記取得手段により取得された情報に基づいて、前記前処理を実行するか否かを決定する決定手段と、を備えることを特徴とする。
また、第6の実施態様では、液体塗布装置であって、媒体に液体を塗布するための塗布ローラと、前記塗布ローラの一部と当接して液体を保持するための液体保持部材と、前記液体を収容したタンクと、前記タンクと前記液体保持部材とを接続するための経路と、前記経路を介して前記液体保持部材により保持される液体を前記タンクに回収するための回収手段と、塗布開始命令の入力に応じて、前記回収手段による前回の液体の回収処理の終了からの経過期間に関連する情報を取得するための取得手段と、前記塗布開始命令に基づく液体塗布が実行される前に前記塗布ローラを回転させる前処理を実行するための前処理手段と、前記前処理手段による塗布ローラの回転数あるいは回転時間を、前記取得手段により取得された情報に基づいて決定する決定手段と、を備えることを特徴とする。
以上の構成によれば、塗布部材による前回の液体塗布に関わる処理の終了(例えば、前回の液体の回収処理の終了)からの経過期間に応じて、塗布部材上での処理液の粘度を減少させる処理(処理液の低粘度化処理)を行うことができる。従って、処理液の低粘度化処理を行う時間を必要最小限に抑えることができる。
本発明の液体塗布装置に係る実施形態の全体構成を示す斜視図である。 図1に示した塗布ローラ、カウンターローラおよび液体保持部材などの配置の一例を示す縦断側面図である。 図1および図2に示した液体保持部材の正面図である。 図3に示した液体保持部材をIV−IV線にて切断した端面を示す端面図である。 図3に示した液体保持部材をV−V線にて切断した端面を示す端面図である。 図3に示した液体保持部材の平面図である。 図3に示した液体塗布部材の当接部を液体塗布ローラに当接させた状態を示す左側面図である。 図3に示した液体塗布部材の当接部を液体塗布ローラに当接させた状態を示す右側面図である。 本発明の実施形態において、液体保持部材と塗布ローラとによって形成される液体保持空間に塗布液が充填され、塗布ローラの回転により塗布媒体に液体が塗布されている状態を示す縦断面図である。 本発明の実施形態において、液体保持部材と塗布ローラとによって形成される液体保持空間に塗布液が充填され、塗布媒体が存在しない状態で塗布ローラを回転させた状態を示す縦断面図である。 本発明の実施形態における液体塗布装置の液体流路の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態における制御系の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態における液体塗布動作シーケンスを示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における、前処理の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における、後処理動作の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における、前処理の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における、予備回転・回収動作の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態における、前処理の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における、塗付ローラ予備回転時間を決定するための関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態における、塗付ローラ予備回転時間を決定するための関係を示す図である。 本発明の第4の実施形態におけるインクジェット記録装置の概略構成を示す縦断側面図である。 本発明の第4の実施形態における制御系の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態における塗布動作および記録動作のシーケンスを示すフローチャートである。 媒体Pが普通紙である場合における媒体の表面と塗布面での塗布過程を説明する説明図である。 媒体Pが普通紙である場合における媒体の表面と塗布面での塗布過程を説明する説明図である。 媒体Pが普通紙である場合における媒体の表面と塗布面での塗布過程を説明する説明図である。 本発明の第6の実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す断面図である。 図27に示した記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第6の実施形態に係り、主にこの塗布初期動作の制御を示すフローチャートである。 本発明の第7の実施形態に係るプリンタの構成を示す断面図である。 本発明の第7の実施形態に係り、主に塗布初期動作の制御を示すフローチャートである。 塗布ローラなどの塗布機構が動作を行わない、放置状態の時間(例えば待機時間)と処理液の粘度の増加との関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係り、塗布初期動作の動作時間を待機時間に応じて段階的に変える態様を説明する図である。 ローラを用いて処理液を記録媒体全体に塗布する従来の方法による処理液塗布機構の主要部を示す断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
本発明の一実施形態は、塗布液等の液体を塗布媒体(記録媒体)に塗布する塗布機構を有するインクジェット記録装置や記録装置において、塗布機構が動作していない時間に適した前処理動作(塗布初期動作とも呼ぶ)を行う。上記塗布機構は、第1〜第5の実施形態にて説明する、液体保持空間を有する機構であっても良いし、第6および7の実施形態にて説明する、塗布液タンクに貯蔵されている塗布液が、外気に曝されているような機構であっても良い。
後述する各実施形態から明らかになるように本発明は、塗布部材による前回の液体塗布に関わる処理の終了(例えば、前回の液体の回収処理の終了)からの経過期間に応じて、塗布部材上での処理液の粘度を減少させる処理(処理液の低粘度化処理)を制御することを特徴としている。
ここで、「処理液の粘度上昇が生じる期間の長さ」とは、前回の液体塗布に関わる処理の終了からの経過期間を指し、後述する各実施形態では「経過時間」あるいは「待機時間」と称している。
本明細書において、「前回の塗布に関わる処理の終了からの経過期間」とは、少なくとも、下記(A)〜(F)のような期間を含むものである。
(A)前回の回収動作終了から今回の塗布動作開始までの経過時間
(B)前回の回転動作終了から今回の塗布動作開始までの経過時間
(C)前回の塗布動作終了から今回の塗布動作開始までの経過時間
(D)前回の回収動作終了から電源ONまでの経過時間
(E)前回の回転動作終了から電源ONまでの経過時間
(F)前回の塗布動作終了から電源ONまでの経過時間
また、「今回の塗布動作開始」とは、例えば、ポンプ駆動開始時、塗布ローラの回転開始時、あるいは記録開始命令の入力時を含むものである。
更に、「処理液の低粘度化処理」とは「前処理」のことであり、例えば、塗布部材を回転させる処理、あるいは塗布部材を摺動させる処理を含むものである。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の液体塗布装置100に係る実施形態の全体構成を示す斜視図である。ここに示す液体塗布装置100は、概略、塗布媒体に対し所定の塗布液を塗布する液体塗布手段と、この液体塗布手段に塗布液を供給する液体供給手段を備えている。
液体塗布手段は、円筒状の塗布ローラ1001、この塗布ローラ1001に対向して配置された円筒状のカウンターローラ(媒体支持部材)1002、および塗布ローラ1001を駆動するローラ駆動機構1003などを有する。このローラ駆動機構1003は、ローラ駆動モータ1004と、このローラ駆動モータ1004の駆動力を塗布ローラ1001に伝達するギアトレインなどを有する動力伝達機構1005とによって構成されている。
また、液体供給手段は、塗布ローラ1001の周面との間で塗布液を保持する液体保持部材2001、およびこの液体保持部材2001に液体を供給する後述の液体流路3000(図1では不図示)などを備えている。塗布ローラ1001およびカウンターローラ1002は、それぞれ、それらの両端が不図示のフレームに対して回動自在に取り付けられた、互いに平行な軸によって回動自在に支持されている。また、液体保持部材2001は、塗布ローラ1001の長手方向のほぼ全体にわたって延在するものであり、塗布ローラ1001の周面に対して接離動作を可能とする機構を介して上記のフレームに移動可能に取り付けられている。
本実施形態の液体塗布装置は、さらに、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002とのニップ部に塗布媒体を搬送するための、ピックアップローラなどからなる塗布媒体供給機構1006を備える。また、この塗布媒体の搬送路において、塗布ローラ1001およびカウンターローラ1002の後流側には、塗布液が塗布された塗布媒体を排紙部(不図示)へ向けて搬送する、排紙ローラなどからなる排紙機構1007が設けられる。これらの給紙機構や排紙機構も、塗布ローラなどと同様、動力伝達機構1005を介して伝えられる駆動モータ1004の駆動力によって動作する。
なお、本実施形態で使用する塗布液は、顔料を色材とするインクで記録した際に顔料の色材の凝集を早めることを目的とした液体である。
塗布する液体の成分の一例を以下に記述する。
硝酸カルシウム・4水和物 10%
グリセリン 42%
界面活性剤 1%
水 残量
また、前記塗布液の粘度は25℃で5〜6cP(センチポアズ)である。
なお、本発明の適用において塗布液は、上記のものに限られないことは勿論である。例えば、別の塗布液として、染料を不溶化あるいは凝集させる成分を含有する液体を用いることも可能である。また、別の塗布液として、塗布媒体のカール(媒体が湾曲形状となる現象)を抑制する成分を含有する液体を用いることも可能である。
塗布する液体に水を用いる場合、本発明の塗布ローラとの液体保持部材の当接部分での周動性は、表面張力を下げる成分を前記液体に含ませることで良好なものとなる。
上述の塗布する液体の成分の一例では、グリセリン及び界面活性剤が水の表面張力を下げる成分である。
次に、以上概略を説明した液体塗布装置を構成する各部の要素についてより詳細に説明する。
図2は、塗布ローラ1001、カウンターローラ1002および液体保持部材2001などの配置の一例を示す縦断側面図である。
カウンターローラ1002は、不図示の付勢手段によって塗布ローラ1001の周面に向けて付勢されている。塗布ローラ1001を図中、時計方向に回転させることにより、両ローラの間に塗布液を塗布すべき塗布媒体Pを挟持し得ると共に、塗布媒体Pを図中の矢印方向に搬送し得るようになっている。
また、液体保持部材2001は、バネ部材(押圧手段)2006の付勢力によって塗布ローラ1001の周面に対して付勢されて当接するとき、塗布ローラ1001による液体塗布領域全体に亘って延在する長尺な液体保持空間Sを形成するようになっている。この液体保持空間S内には、後述の液体供給経路3000から液体保持部材2001を介して塗布液が供給される。このとき、液体保持部材2001が以下のように構成されているため、塗布ローラ1001の停止状態において、液体保持空間Sから外方へ不用意に塗布液が漏出するのを防止することができる。
この液体保持部材2100の構成を、図3ないし図8に示す。
図3に示すように、液体保持部材2001は、空間形成基材2002と、この空間形成基材2002の一方の面に設けられた環状の当接部材2009とを備えている。空間形成基材2002には、その中央部分における長手方向に沿って、底部の断面形が円弧状をなす凹部2003が形成される。そして、当接部材2009は、その直線部分がこの凹部2003の上縁部に沿って固着され、また、円周部分が上記上縁部から底部を経て反対側の上縁部に至るように固着される。これにより、液体保持部材2001の当接部材2009が塗布ローラ1001に当接したとき、塗布ローラの周面形状に沿った当接が可能となり、均一な圧力の当接を実現することができる。
上記のようにこの実施形態における液体保持部材は、継ぎ目のない一体に形成された当接部材2009が、バネ部材2006の付勢力によって塗布ローラ1001の外周面に隙間なく連続した状態で当接する。その結果、液体保持空間Sは、この当接部材2009と、空間形成基材の一面と、塗布ローラ1001の外周面とによる実質的に閉塞した空間となり、この空間に塗布液が保持される。そして、塗布ローラ1001の回転が停止した状態では、当接部材2009と塗布ローラ1001の外周面とは液密状態を維持し、液体が外部へと漏出するのを確実に防止することができる。一方、塗布ローラ1001が回転するときは、後述されるように、塗布液は塗布ローラ1001の外周面と当接部材2009との間をすり抜けて、塗布ローラの外周面に層状に付着する。ここで、塗布ローラ1001の停止状態において、その外周面と当接部材2009とが密接状態にあるとは、上記のとおり、上記液体保持空間Sの内と外との間で液体を通さないことである。この場合、当接部材2009の当接状態としては、それが塗布ローラ1001の外周面に対し、直に接する状態の他、毛管力によって形成される液体の膜を解して上記外周面に当接する状態を含むものである。
また、当接部材2009の長手方向における左右両側部は、図3ないし図8に示すように、正面(図3)、平面(図6)および側面(図7、図8)のいずれの方向から見ても緩やかに湾曲する形状をなしている。このため、塗布ローラ1001に対し、比較的強い押圧力で当接部材2120を当接させても、当接部材2009の全体が略均一に弾性変形し、局所的に大きな歪みが生じることはない。このため、当接部材2009は図6ないし図8に示すように、隙間なく連続的に塗布ローラ1001の外周面に当接し、上記の実質的に閉塞した空間を形成することができる。
一方、空間形成基材2002には、図3ないし図5に示すように、当接部材2009に囲繞された領域内に、それぞれ空間形成基材2002を貫通する孔を有して構成される液体供給口2004および液体回収口2005が設けられている。これらは空間形成基材の背面側に突設された円筒状の連結部20041,20051にそれぞれ連通している。また、この連結部20041,20051は、後述の液体供給流路3000に連結されている。なお、この実施形態では、液体供給口2004が当接部材2009に囲繞された領域の一端部(図3では左端部)近傍に形成され、液体回収口2005が同領域の他端部(図3では右端部)近傍に設けられる。この液体供給口2004は、液体流路3000から供給される塗布液を前述の液体保持空間Sに供給し、液体回収口2005は液体保持空間S内の液体を液体流路3000へと流出させるためのものである。この液体の供給、流出を行うことにより、液体保持空間S内において、塗布液は上記の左端部から右端部へと流動する。
(塗布液流路)
図11は、前記塗布液供給手段の液体保持部材2001に連結される液体流路3000の概略構成を示す説明図である。
この液体流路3000は、液体保持部材2001を構成する空間形成基材2002の液体供給口2004と塗布液を貯蔵する貯蔵タンク3003とを連結する第1流路(供給流路)3001を有する。また、液体流路3000は、空間形成基材2002の液体回収口2005と前記貯蔵タンク3003とを連結する第2流路(回収流路)3002を有する。この貯蔵タンク3003には、大気連通口3004が設けられている。この大気連通口には、大気との連通、遮断を切換える大気連通弁3005が設けられている。また、第1流路3001内には切換弁3006が設けられている。この切換弁3006によって第1流路3001と大気との連通、遮断が切換え可能となっている。さらに第2流路3002内には、本液体流路3000内で塗布液および空気を所望の方向へと強制的に流動させるためのポンプ3007が連結されている。
この実施形態において、第1流路3001および第2の流路3002は円管状のチューブによって形成されている。各チューブの端部に形成される開口部は、貯蔵タンク3003の底部もしくは底部に近い位置に配置され、貯蔵タンク3003内の塗布液を完全に消費し得るようになっている。
また、この実施形態における切換弁3006は、第1流路3001と大気との連通、遮断を切換え得るものであれば、種々のものが適用可能であるが、ここでは図11に示すような三方弁を使用している。この三方弁3006は、互いに連通する3つのポートを有する。このポートのうち2つのポートは、第1流路3001における貯蔵タンク側チューブ3011と、液体保持部材側チューブ3012と、大気連通口3013の中のいずれか二つに選択的に連通することができる。そして、この三方弁3006の切換えにより、チューブ3011とチューブ3012とを連通させる連結状態と、チューブ3012と大気連通口3013とを連通させる連結状態とが選択的に切り換えられる。これにより、液体保持部材2001と塗布ローラ1001とによって形成される液体保持空間Sに対し、貯蔵タンク3003内の塗布液あるいは大気連通口3013から取り込まれる空気の何れかを選択して供給することが可能となる。なお、三方弁3006の切換えは、後述の制御部4000からの制御信号によって行われ、塗布液の充填、供給などが行われる。
(制御系)
図12は、本実施形態の液体塗布装置における制御系の概略構成を示すブロック図である。
図において、4000は液体塗布装置全体を制御する制御手段としての制御部である。この制御部4000は、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行するCPU4001を有する。また、制御部4000は、CPU4001によって実行される、図13〜図18にて後述される処理などの制御プログラムや、図19、20にて後述されるルックアップテーブルなどを格納するROM4002を有する。さらに、制御部4000は、CPU4001の処理動作中のデータや入力データなどを一時的に格納するRAM4003、フラッシュメモリやSRAM等の不揮発性メモリ4012などを有する。
この制御部4000は、後述される経過時間を示す情報を取得する機能や、経過時間を示す情報に基づいて前処理動作を制御する機能を有する。
また、制御部4000には、所定の指令あるいはデータなどを入力するキーボードあるいは各種スイッチなどを含む入力操作部4004、液体塗布装置の入力・設定状態などをはじめとする種々の表示を行う表示部4005が接続されている。また、制御部4000には、塗布媒体の位置や各部の動作状態などを検出するセンサなどを含む検出部4006が接続されている。さらに、制御部4000には、前記ローラ駆動モータ1004、ポンプ駆動モータ4009、大気連通弁3005および切換弁3006などがそれぞれ駆動回路4007、4008、4010、4011を介して接続されている。
(液体塗布動作シーケンス)
図13は、本実施形態の液体塗布装置の液体塗布に係わる処理手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照して、液体塗布にかかる各工程を説明する。
すなわち、液体塗布装置に電源が投入されると、制御部4000は、図13に示すフローチャートに従って以下の塗布動作シーケンスを実行する。
充填工程
ステップS1では、前記塗布空間Sに対する塗布液の充填工程を実行する。この充填工程では、まず、貯蔵タンク3003の大気連通弁3005を大気に開放させると共に、ポンプ3007を一定時間駆動する。これにより、液体塗布空間Sおよび各流路3001、3002内に塗布液が充填されていない場合には、ポンプによって内部の空気が貯留部へと送られて大気へと排出されると共に各部に塗布液が充填される。また、既に各部に塗布液が充填されている場合には、各部の塗布液が流動して適正な濃度および粘度の塗布液が供給される。この初期動作によって、塗布ローラ1001に対し塗布液が供給された状態となり、塗布媒体への塗布が可能となる。
塗布工程
ここで、塗布開始指令が入力されると(ステップS2)、再びポンプ3007が作動を開始し(ステップS3)、塗布液は、塗布液流路を介して貯蔵タンク3003と液体保持部材2001との間を循環する。次いで、後述する前処理を行い(ステップS4)、塗布ローラ1001の表面に残留した液体による増粘または固着の影響を軽減ないしは解消する。ステップS4では、前処理動作を終了すると、一旦塗布ローラ1001を停止させる。
なお、「液体が増粘する」とは、糊状やゲル状、固体状のものなど、予め決められた組成の液体から溶媒や水分等が蒸発して、上記液体よりも粘度が高まったものを含み、液体貯蔵タンクに収容される液体よりも粘度が高まる意を含む。また、温度低下による粘度の上昇や、凝固点近傍において液体に含まれる成分の凝固点の違いによって生じる、ある成分が凝固した状態等も含まれる。また、「液体が固着する」とは、上記液体の増粘よりもさらに粘度が高くなった状態である。
「増粘物」とは、液体が増粘して、糊状やゲル状になったものを指し、「固着物」とは、増粘物よりもさらに粘度が上昇したものを指す。すなわち、増粘物は、前回の塗布動作において塗布ローラの表面に残留した液体が長時間放置による水分の蒸発などによって増粘したものである。固着物は、増粘物からさらに粘度を増したものである。
また、本明細書において、「前処理」とは、前回の液体塗布に関わる処理の終了後であって、今回の液体塗布に関わる処理の開始前に、塗布ローラの表面に付着している処理液の粘度を低減させる処理(低粘度化処理)のことである。このように、「前処理」とは、塗布ローラの表面に形成された増粘物および/または固着物を減少、ないしは除去するための処理である。前処理には、塗布ローラ1001の予備回転や、この予備回転を行うか否かの判断等、前処理動作に関わる処理を含む。このような前処理を行うことにより、塗布ローラ1001の表面に付着した増粘物や固着物を減少させることができる。また、塗布ローラ1001の表面の全面に渡って、ぬれ性などの表面特性の均一性を向上することができる。
また、本明細書において、「前処理動作」とは、塗布部材上の処理液の低粘度化処理を行う動作を指し、例えば、塗布ローラ1001表面の処理液の粘度、増粘物や固着物を減少させるためのローラの回転(予備回転)に係る動作である。また、「前処理動作」とは、第6、第7の実施形態で説明する「塗布初期動作」も指す。
ところで、特許文献3では、塗布を行わないとき、媒体に液体を直接塗布する塗布ローラまたはこの塗布ローラに塗布液を供給するためのローラは、液室に所定量溜まった塗布液に浸されたままである。このとき、塗布を行わない時間が長時間にわたる場合は、塗布液に浸されたローラの表面では塗布液によって劣化等が起こって表面特性にムラが発生し、その後の塗布動作で塗布ムラを生じたりするなどの懸念がある。そこで本実施形態では、塗布を行わない間の所定のタイミングで液体保持部材2001から塗布液を排出させて、貯蔵タンク3003に回収している。
そこで、特許文献3では、長期間電源オフで放置された後の再起動時には、塗布動作を記録媒体なしで行い(空塗布)、塗布部材表面の液体が通常の規定物性値(粘度など)に復帰させる制御が行われる。このような制御は、例えばユーザが装置のメーカー保障期間のほとんどを放置してしまった場合においても必ず正常に戻す必要があるため、非常に長時間の(空回転などの)なじませ動作を行わなければならかった。
そこで、本実施形態では、今回の塗布動作に先立って、前処理動作を行うことにより、塗布ローラの表面に付着した増粘物や固着物を減少、ないしは除去するようにしている。特に、本実施形態では、後述するように、前回の回収動作終了時から今回の塗布動作の開始時までの経過時間に応じて、前処理動作に係る塗布ローラ1001の回転を変化させているので、経過時間に合った適切な時間で前処理動作を行うことができる。
よって、回収後における、塗布ローラ1001の表面に残存した塗布液による塗布ローラ1001の表面の劣化を抑制することができる。また、塗布ローラ1001の表面に付着した増粘物や固着物を減少、ないしは除去できるので、塗布動作時の塗布ローラ1001表面には、通常の規定物性値(粘度など)の塗布液を形成することができる。さらに、上記経過時間に合った適切な時間で前処理動作を行うことができるので、長時間放置した場合であっても、装置の起動時間を短縮化することができ、さらに低コスト化も実現できる。
ステップS4にて、前処理が終了すると、増粘物や固着物が減少ないしは除去された塗布ローラ1001が図2の矢印に示すように、時計周りに回転を開始する(ステップS5)。この塗布ローラ1001の回転により、液体保持空間Sに充填された塗布液Lは、塗布ローラ1001に対する液体保持部材2001の当接部材2009の押圧力に抗して、塗布ローラ1001と当接部材2009の下縁部2011との間を摺り抜ける。この擦り抜けた塗布液Lは、塗布ローラ1001の外周に層状態となって付着する。塗布ローラ1001に付着した塗布液Lは、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002との当接部に送られる。
なお、上記前処理動作は、塗布ローラ1001を回転することによって行われるが、ステップS4にて前処理が終了した際に、塗布ローラを一旦停止しない場合は、ステップS5をスキップしてステップS6に進めばよい。
次いで、塗布媒体送給機構1006によって塗布ローラ1001とカウンターローラ1002との間に塗布媒体が搬送され、これらのローラの間に塗布媒体が挿入される。そして、この塗布媒体は、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002の回転に伴い排紙部へ向けて搬送される(ステップS6)。この搬送の間に、塗布ローラの周面に塗布された塗布液が、図9に示すように塗布ローラ1001から塗布媒体Pに転写される。なお、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002との間に塗布媒体を供給する手段としては、上記の送給機構に限られないことはもちろんである。上記手段として、例えば、所定のガイド部材を補助的に用いる手差しによる手段を併せて用いてもよく、また、手差し手段を単独で用いる構成などどのような手段を用いてもよい。
図9において、交差する斜線で表現した部分が塗布液Lを示している。なお、ここでは、塗布ローラ1001及び塗布媒体Pにおける塗布液の層の厚みは、塗布時における塗布液Lの様子を明確に図示する上で、実際の厚みよりもかなり過大に表している。
上記のようにして、塗布媒体Pの塗布された部分は塗布ローラ2001の搬送力により矢印方向に搬送されると共に、塗布媒体Pと塗布ローラ2001の接触部に塗布媒体Pの未塗布部分が搬送される。この動作を連続もしくは間欠的に行うことで塗布媒体全体に塗布液を塗布していく。
ところで、図9では、当接部材2009から摺り抜けて塗布ローラ1001に付着した塗布液Lの全てが塗布媒体Pに転写された理想的な塗布状態を示しているが、実際には、塗布ローラ1001に付着した塗布液Lの全てが塗布媒体Pに転写されるとは限らない。つまり、搬送される塗布媒体Pが塗布ローラ1001から離間する際、塗布液Lは、塗布ローラ1001にも付着し、塗布ローラ1001に塗布液Lが残留することが多い。この塗布ローラ1001における塗布液Lの残留量は、塗布媒体Pの材質及び表面の微小な凹凸の状態によっても異なるが、塗布媒体Pが普通紙の場合、塗布動作後も塗布ローラ1001の周面には塗布液Lが残留する。
図24,図25、図26は、媒体Pが普通紙である場合における媒体の表面と塗布面での塗布過程を説明する説明図である。本図では液体を黒く塗りつぶしてある。
図24は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部より上流側での状態を示している。同図において塗布ローラ1001の塗布面には液体が塗布面の表面の微細な凹凸をわずかに被うように液体が付着している。
図25は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部での、媒体Pである普通紙の表面と塗布ローラ1001の塗布面の状態を示している。同図において媒体Pである普通紙の表面の凸部は塗布ローラ1001の塗布面と接触し、接触した部分より液体が瞬時に媒体Pである普通紙の表面の繊維に浸透ないし吸着する。また塗布ローラ1001の塗布面には普通紙の表面の凸部と接触しない部分に付着した液体が残留される。
図26は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部より下流側での状態を示している。同図は媒体と塗布ローラ1001の塗布面が完全に離脱した状態である。塗布ローラ1001の塗布面には普通紙の表面の凸部と接触しない部分に残留した液体と接触部における液体も極微量ながら塗布面に残留する。
この塗布ローラ1001に残留した塗布液は、塗布ローラ1001に対する液体保持部材2001の当接部材2009の押圧力に抗して、塗布ローラ1001と当接部材2009の上縁部2010との間を摺り抜けて液体保持空間S内に戻る。液体保持空間S内に戻った塗布液は、同空間S内に充填されている塗布液と混合される。
また、この塗布液の戻し動作は、図10に示すように塗布媒体が存在しない状態で塗布ローラ1001を回転させた場合にも同様に行われる。すなわち、塗布ローラ1001を回転することで塗布ローラ1001の外周に付着した塗布液は、カウンターローラ1002との当接部の間をすり抜ける。すり抜けた後は塗布ローラ1001側とカウンターローラ1002側とに塗布液が分離し、塗布ローラ1001に塗布液が残留する。そして、塗布ローラ1001側に付着した塗布液Lは当接部材2009の上縁部2010と塗布ローラ1001との間をすり抜けて液体保持空間S内に侵入し、同空間S内に充填されている塗布液に混合する。
終了工程
上記のようにして、塗布媒体への塗布動作が実行されると、次に塗布工程を終了して良いか否かの判断を行い(ステップS7)、塗布工程を終了しない場合は、ステップS6に戻り、塗布媒体の塗布が必要な部分全体に塗布工程を終了するまで塗布動作を繰り返す。塗布工程を終了すると、塗布ローラ1001を停止させ(ステップS8)、さらに、ポンプ3007の駆動を停止させる(ステップS9)。この後、ステップS2へ移行し、塗布開始指令が入力されていれば、前述のステップS2〜S9の動作を繰り返す。一方、塗布開始指令が入力されていなければ、液体保持空間Sおよび液体流路内の塗布液を回収する回収動作などの後処理を行い(ステップS10)、塗布にかかる処理を終了する。
なお、上記回収動作は、後述のように、前記大気連通弁3005および切換弁3006を開放し、ポンプ3007を駆動することによって塗布液を塗布液保持空間Sおよび第2流路3002内の塗布液を液体貯留タンク3003へと流入させることによって行う。この回収動作を行うことにより、液体保持空間Sからの塗布液の蒸発を完全に防止ないし緩和することができる。また、回収動作後は大気連通弁3005を閉じ、切換弁3006を切換えて第1流路3001および大気連通口3013との連通を遮断することにより、貯蔵タンク3003を大気から遮断する。これにより、液体貯蔵タンク3003からの塗布液の蒸発を防止ないし緩和することができると共に、移動、運搬などにおいて装置の姿勢が傾いた場合にも塗布液が外部へ流出するのを完全に防止ないし緩和することができる。
以上説明した本発明の一実施形態にかかる塗布装置の基本構成に基づく、塗布工程において、前回の塗布動作で、塗布ローラ1001の表面に残留した塗布液Lが非動作時間および環境によって蒸発・増粘する場合がある。この蒸発・増粘により、塗布ローラ1001の表面に増粘物または固着物を形成する場合がある。このように、塗布ローラ1001の表面に増粘物や固着物が存在しても、塗布動作性能を維持し、塗布媒体Pの塗布均一性を悪化させないようにできる、本発明の一実施形態に係る前処理の一例を以下に説明する。
本実施形態では、前処理動作として、前回の回収動作終了から今回の塗布動作の開始(ここでは、ポンプ駆動開始)までの経過時間に応じて、塗布ローラ1001の予備回転数Rを決定する。R[回]は、塗布ローラ1001の回転数である。
なお、本明細書において、「予備回転」とは、塗布ローラの前処理動作のための回転であって、実際の塗布動作の前に行う、塗布ローラの回転を指す。
図14は、本実施形態に係る、前処理の処理手順を示すフローチャートである。
図13のステップS3においてポンプ3007の動作が開始すると、ステップS21にて、前回の回収処理の終了時刻を示す前回の回収終了時刻情報を不揮発性メモリ4012から読み出す。それと共に、液体塗布装置に内蔵された内部時計、または時刻を計測する機能を有する外部機器(不図示)を参照して現時刻を示す現時刻情報を取得する。上記現時刻情報と前回の回収終了時刻情報とから、現時刻と前回の回収終了時刻との差分を取ることにより、前回の回収終了時から今回の塗布開始までの経過時間を示す経過時間情報を取得し、RAM4003に格納する。
ステップS22にて、上記RAM4003に格納された経過時間情報から、前処理動作が必要か否かの判断を行う。具体的には、経過時間ΔTが、図19のルックアップテーブル(LUT)において規定された予備回転数と時間範囲との関係のうち、予備回転が必要ない時間範囲の最大の時間t(図19では、60秒)に達しているか否かの判断を行う。この判断の結果、経過時間ΔTが時間tより大きいと判断された場合はステップS24に進み、塗布ローラの予備回転数Rを決定する。一方、経過時間ΔTが時間t以下であると判断された場合は、塗布ローラの予備回転を行わずに、そのまま前処理動作を終了する。すなわち、図19に示すLUTによれば、ΔT≦t(=60秒)である場合、対応する予備回転数Rは0回となっている。従って、この場合、予備回転は行われない。
ステップS22にて、経過時間ΔTが時間tより大きいと判断された場合は、経過時間情報から、ROM4002に格納された、図19に示すLUTを参照して、塗布ローラの予備回転数Rを決定する(ステップS23)。
図19に示すLUTによれば、60秒<ΔT≦10分である場合の予備回転数は3回、10分<ΔT≦24時間である場合の予備回転数は10回と定められている。さらに、ΔT>24時間である場合は、予備回転数は、100回となる。経過時間が長いほど付着した増粘物や固着物の量は多くなるので、経過時間が長いほど予備回転数を多く設定する。
このように、経過時間に応じて予備回転数が決定されるので、経過時間の長さに最適な予備回転を行うことができる。よって、経過時間が短い場合において、前処理動作を長く行うことがないので、前処理動作に要する時間を必要最小限に抑えることができる。また、経過時間に応じて最適な前処理動作を行うことができるので、経過時間に関わらず塗布ローラ1001の表面に付着した増粘物や固着物を適切に減少ないしは除去でき、経過時間毎の塗布のムラを軽減することができる。さらに、経過時間に応じて最適な前処理動作を行うので、余計な前処理動作を行う必要がなくなり、液体塗布装置の起動の短縮化を図ることができる。
なお、図19に示したルックアップテーブルは一例であって、時間範囲の区分数、予備回転数、時間範囲については、装置の環境や装置の設計等に応じて設定すればよい。すなわち、本実施形態では、経過時間に応じて、予備回転数を変化させることが重要であって、そのために、経過時間が増加すると共に、予備回転数が増加するような関係のルックアップテーブルを用いるのである。
ステップS24では、ローラ駆動モータ1004を駆動することにより、ステップS23にて決定された、塗布ローラ1001の予備回転数だけ塗布ローラ1001を回転させる。このとき、塗布ローラ1001の回転速度は、予備回転数によらず一定である。このように、前処理動作において、塗布ローラ1001を適切な回数だけ回転することにより、塗布ローラ1001の表面に塗布液が上塗りされることになり、塗布ローラ1001の表面に付着した増粘物や固着物を、フレッシュな塗布液と入れ替えることができる。
すなわち、上記予備回転により、増粘物や固着物が付着した、塗布ローラ1001の表面が液体保持空間S内に保持された塗布液に浸されると、上記付着した増粘物や固着物は、液体保持空間S内に保持された塗布液と相溶する。その結果、上記付着した増粘物や固着物は、減少、ないしは除去され、塗布ローラ1001の表面における塗布液の粘度が低減される。また、上記相溶の他に、上記付着した増粘物や固着物が、塗布ローラ1001から剥がれ落ちることもある。本実施形態では、前処理動作中は、塗布液が塗布液流路中を循環しているので、このように剥がれ落ちた増粘物や固着物は、液体保持空間Sから貯蔵タンク3003へと運ばれる。この貯蔵タンク3003に運ばれた増粘物や固着物は、貯蔵タンク3003において、貯蔵されている塗布液と相溶し、適切な濃度の塗布液に戻る。
さらに、上記予備回転によって、塗布ローラの表面に付着した増粘物や固着物は、塗布ローラ1001と当接部材2009の上縁部2010との当接部を通過する際に、上縁部2010によって掻き取られる場合もある。すなわち、上記塗布ローラ1001の回転により、塗布ローラ1001の表面と、上縁部2010とを摺動・摩擦させることになる。よって、この摺動・摩擦が起こっている、塗布ローラ1001と上縁部2010との当接部に塗布ローラ1001に付着した増粘物や固着物が到着すると、上記当接部にて増粘物や固着物は剥がれ落ちることになる。このような現象は、当然、塗布ローラ1001の表面と、当接部材2009の下縁部2011との当接部でも起こっている。
上記予備回転が終了すると、ステップS25では、塗布ローラ1001の回転を止めて、RAM4003に格納されている経過時間情報をゼロにクリアする。このように経過時間情報をクリアすることによって、起動後の次回の塗布動作の際では、ステップS22にて、経過時間ΔTはゼロと判断されるので、予備回転を行わずに前処理動作を終了し、次の塗布動作に進むことができる。
次に、本実施形態に係る後処理動作(図13のステップS10)を説明する。
図15は、本実施形態に係る、後処理動作の処理手順を示すフローチャートである。
図13のステップS2にて、塗布開始命令が入力されていないと判断すると、液体保持部材2001に保持されている塗布液回収動作を開始する。
塗布液回収動作を開始すると、図15のステップS31にて、ポンプ3007を駆動して、ポンプ3007から貯蔵タンク3003へと流れを発生させる。なお、ステップS9にてポンプ3007を停止していなければ、本ステップを行わず、塗布液回収動作が開始すると、ステップS32へと進む。
ステップS32では、切換弁(三方弁)3006を切換えて、大気連通口3013とチューブ3012とを連通させる。すなわち、貯蔵タンク3003から液体保持部材2001への供給路を遮断することにより、液体保持部材2001への塗布液の供給を断つ。このとき、ポンプ3007により図11に示す矢印方向への流れを作っているので、液体保持部材2001を含む液体保持部材側チューブ3012から第2流路3002に至る各流路にある塗布液は貯蔵タンク3003へと回収される。またそれらへは、大気連通口3013から空気が充満される。
ステップS33では、ポンプ3007の駆動を停止する。これで貯蔵タンク3003は、第2の流路3002から遮断される。また、チューブ3011も、切換弁3006によってチューブ3012から遮断されている。なお、ポンプ3007の停止は、ステップS32にて切換弁3006を切換えてから所定の時間経過してから行っても良い。また、ポンプ3007を停止させるタイミングを検知する手段、例えば、液体保持部材2001内に塗布液が残存しているかを検知するための手段としてのセンサを液体保持部材2001内に設けて、その検知情報を元にポンプ3003を停止するようにしても良い。
ステップS34では、大気連通口3004を閉じる。この状態で、貯蔵タンク3003は、外気と遮断される。
ステップS35では、液体塗布装置に内蔵された内部時計、または時刻を計測する機能を有する外部機器(不図示)を参照して、今回の回収終了時の時刻を示す今回の回収終了時刻情報を取得し、該今回の回収終了時刻情報を不揮発性メモリ4012に格納する。この不揮発性メモリ4012に格納された回収終了時刻情報は、次回の前処理動作にて利用される。
このように、本実施形態では、前処理動作として、経過時間に応じた予備回転数により塗布ローラ1001を回転することによって、塗布ローラ1001に付着した増粘物や固着物を減少、ないしは除去している。このような前処理動作によって、前回の塗布動作で、塗布ローラ1001の表面に残留した塗布液が非動作時間および環境によって蒸発・増粘していても、適正な予備回転によって塗布液をリフレッシュすることが可能となる。これによって塗布装置を再稼動した際の塗布性能を著しく悪化させていた増粘塗布液および付着物の影響を除去でき、常に均質な塗布機能を発揮することが可能である。
なお、本実施形態で重要なことは、経過時間に適切な前処理動作時間を決定することである。そのために、本実施形態では、塗布ローラ1001の回転速度を一定の下、塗布ローラ1001の予備回転数を変化させることによって、前処理動作に要する時間を制御しているのである。本実施形態では、経過時間に応じて予備回転数を制御することは、前処理動作に要する時間を制御するための一要素である。
よって、本実施形態では、経過時間応じて塗布ローラの予備回転回数を制御することで前処理動作にかける時間を制御しているがこれに限定されない。例えば、塗布ローラの回転数の一定の下、塗布ローラの予備回転速度や予備回転間隔を調整することによって前処理動作時間を制御する方法によっても本実施形態と同様の効果を得ることができる。上記予備回転間隔は、塗布ローラを所定の角度だけ回転させ、所定の時間を置いて次の回転を行うという、間欠的な回転、すなわち、インターバル時間である。また、本実施形態では、前処理動作に係る塗布ローラ1001の回転時間の一定の下、塗布ローラの予備回転速度や予備回転間隔を調整しても良い。
また、本実施形態では、上述した現時刻取得による経過時間確定に限らず、液体塗布装置の内部にタイマーを設けることにより、前回の回収終了からの経過時間を取得する方法を用いても良い。
(第2の実施形態)
図20は、本実施形態にかかる、予備回転数(予備回転時間)を決定するためのルックアップテーブルである。本実施形態に係る前処理動作は、例えばΔTが24時間以上などといった長時間不使用であった場合に、塗付ローラ表面および液体保持部材内に残留していた塗布液の増粘物や付着したゴミを塗布ローラおよび液体保持部材から排出させるためのものである。すなわち、一定の予備回転ののち、少なくとも一回、塗布液を回収させる制御方法である。
図16は、本実施形態に係る、前処理の処理手順を示すフローチャートである。
同図において、ステップS41〜S42、S45〜S47の処理は、図14に示した、それぞれ、ステップS21〜S22、S23〜S25処理と同様である。
本実施形態では、前回の回収終了時から今回の塗布開始(ここでは、ポンプ駆動開始)までの経過時間を示す経過時間情報を取得し、RAM4003に格納する(ステップS41)。次いで、RAM4003に格納された経過時間情報から、予備回転や回収動作等の前処理動作が必要か否かの判断を行う(ステップS42)。このステップS42における判断は、図20に示すルックアップテーブル(LUT)を用いて行う。予備回転や回収動作が必要でないと判断すると、予備回転・回収動作を行わずに、そのまま前処理動作を終了する。
予備回転や回収動作等の前処理動作が必要と判断した場合は、経過時間情報から、ROM4002に格納された、図20に示すLUTを参照して、経過時間ΔTが24時間より大きいか否かの判断を行う(ステップS43)。経過時間ΔTが、24時間より大きい場合はステップS44に進み、24時間以下である場合はステップS45に進む。
ステップS44では、図17に示すフローチャートに従って、予備回転・回収動作を行う。
図17において、予備回転・回収動作が開始すると、塗布ローラ1001を10回回転し(ステップS51)、塗布ローラ1001を停止する(ステップS52)。液体保持部材2001から塗布液を一度貯蔵タンク3003に回収するので、ステップS53にて、切換弁(三方弁)3006を切換えて、大気連通口3013とチューブ3012とを連通させる。このとき、ポンプ3007により図11に示す矢印方向への流れを作っているので、液体保持部材2001を含む液体保持部材側チューブ3012から第2流路3002に至る各流路にある塗布液は貯蔵タンク3003へと回収される。またそれらへは、大気連通口3013から空気が充満される。
所定の時間が経過した後、液体保持部材2001内の塗布液の貯蔵タンク3003への回収が終了すると、ポンプ3007を停止し(ステップS54)、切換弁3006を切換えて、チューブ3011とチューブ3012とを連通させる(ステップS55)。次いで、ポンプ3007を駆動させて(ステップS56)、液体塗布空間Sおよび各流路3001、3002内に、再び塗布液を充填する。次いで、ステップS57にて、塗布ローラ1001を10回転させて、予備・回収動作を終了し、ステップS47へと進む。
ステップS45では、LUTにより経過時間に応じた予備回転数Rを決定し、該予備回転数Rだけ塗布ローラ1001を回転させる(ステップS46)。
上記予備回転が終了すると、ステップS47では、塗布ローラ1001の回転を止めて、RAM4003に格納されている経過時間情報をゼロにクリアする。
さて、前回の回収終了時から今回の塗布動作の開始までの経過時間が長時間である場合、予備回転によって塗布ローラ1001の表面から剥げ落ちた増粘物や固着物、またゴミ等が液体保持部材2001内に溜まってしまうことがある。しかしながら、本実施形態では、経過時間が長時間である場合は、予備回転を行った後に、一度、液体保持部材2001内に保持されている塗布液を回収している。よって、この回収により、増粘物や固着物、またゴミ等は貯蔵タンク3003に回収される。この回収の後に再び、塗布液の充填を行えば、液体保持部材2001内に良好な状態の塗布液を供給することができるので、塗布ローラ1001の表面に供給される塗布液も良好な状態のものとすることができる。
なお、図17において、ステップS51およびS57の予備回転を10回としたが、この回数に限定されない。また、ステップS51およびS57における塗付ローラ回転時間は、回転数のみならず予備回転速度や予備回転間隔によっても制御可能なことは言うまでもない。また、本実施形態において、たびたびポンプを作動・停止させるが、一貫して作動させておくことも可能とする。
また、本実施形態では、前処理動作における回収の回数が重要なのではなく、所定回の予備回転が終わってから今回の塗布動作の前に、塗布液を貯蔵タンクに回収することが重要なのである。よって、本実施形態では、前処理動作における塗布液の回収を1回行っているが、2回以上行っても良い。
(第3の実施形態)
第1および第2の実施形態では、前処理動作を、前回の回収が終了し、所定時間経過した後の今回の塗布開始の前に行っている。一方、本実施形態では、前回の回収動作より前の、前回の塗布動作の終了時(塗布動作に関わる塗布ローラの回転の停止時)から、今回の塗布動作の開始時(塗布動作に関る塗布ローラの回転の開始時)まで経過した時間に応じて、前処理動作を制御している。
図18は、本実施形態に係る、前処理の処理手順を示すフローチャートである。
図13のステップS3においてポンプ3007の動作が開始すると、ステップS61にて、前回の塗布ローラ1001の停止時の時刻を示す前回の停止時刻情報を不揮発性メモリ4012から読み出す。それと共に、液体塗布装置に内蔵された内部時計、または時刻を計測する機能を有する外部機器(不図示)を参照して現時刻を示す現時刻情報を取得する。上記現時刻情報と前回の停止時刻情報とから、現時刻と前回の停止時刻との差分を取ることにより、前回の塗布ローラ停止時から今回の塗布開始までの経過時間を示す経過時間情報を取得し、RAM4003に格納する。
次いで、図19に示すLUTを参照して(ステップS62)、塗布ローラの予備回転数Rを決定する(ステップS63)。
このように、前回の塗布動作からの経過時間に応じて予備回転数が決定されるので、後処理として回収動作を行わない形態であっても、適切な前処理動作を行うことができる。上記前処理動作は、前回の塗布終了時から今回の塗布開始時までの経過時間に応じて行われる。よって、経過時間毎の塗布媒体への塗布液の塗布のムラを低減することができ、上記塗布をさらに良好に行うことができる。
ステップS64では、ローラ駆動モータ1004を駆動することにより、ステップS63にて決定された、塗布ローラ1001の予備回転数だけ塗布ローラ1001を回転させる。このとき、塗布ローラ1001の回転速度は、予備回転数によらず一定である。このように、前処理動作において、塗布ローラ1001を適切な回数だけ回転することにより、塗布ローラ1001の表面に塗布液が上塗りされることになり、塗布ローラ1001の表面に付着した増粘物や固着物を、フレッシュな塗布液と入れ替えることができる。なお、ステップS63にて決定された予備回転数が0回であった場合、ステップS64においける塗布ローラの回転は行わない。
上記予備回転が終了すると、ステップS65では、塗布ローラ1001の回転を止めて、RAM4003に格納されている経過時刻情報をゼロにクリアする。
なお、本実施形態では、今回の塗布ローラ1001の停止時の時刻を示す今回の停止時刻情報の不揮発性メモリ4012への格納は、図15にて示したステップS35で行わず、ステップS8の塗布ローラ1001の停止の後に行う。もしくはステップS9のポンプ3007の停止の後に行っても良い。この格納は、液体塗布装置に内蔵された内部時計、または時刻を計測する機能を有する外部機器(不図示)を参照して、今回の停止時の時刻を示す今回の停止時刻情報を取得し、該今回の停止時刻情報を不揮発性メモリ4012に格納する。この不揮発性メモリ4012に格納された停止時刻情報は、次回の前処理動作にて利用される。
(第4の実施形態)
上述の第1〜第3の実施形態で示した液体塗布装置はインクジェット記録装置などの記録装置に適用するのが有効である。以下、上述の液体塗布装置をインクジェット記録装置に適用した場合について説明する。但し、第1〜第3の実施形態で示した塗布動作制御は同様に適用されるため、ここでは説明を省略する。
図21は、上述の液体塗布装置とほぼ同様の構成を有した塗布機構を備えたインクジェット記録装置120の概略構成を示す図である。
このインクジェット記録装置120には、複数枚の記録媒体Pを積載する給送トレイ102が設けられている。半月形状の分離ローラ103は、給送トレイに積載された記録媒体Pを1枚づつ分離して搬送経路に給送する。搬送経路中には、上記液体塗布機構の液体塗布手段を構成する塗布ローラ1001およびカウンターローラ1002が配置されており、給送トレイ102から給送された記録媒体Pは、両ローラ1001,1002の間に送られる。塗布ローラ1001はローラ駆動モータの回転によって図21において時計周り方向に回転し、記録媒体Pを搬送しながら塗布液を記録媒体Pの記録面に塗布する。塗布液が塗布された記録媒体Pは、搬送ローラ104とピンチローラ105との間に送られる。このとき、搬送ローラ104が、図中、反時計周り方向へと回転することによって、記録媒体Pはプラテン106の上を搬送され、記録手段を構成する記録ヘッド107に対向する位置へと移動する。記録ヘッド107は所定数のインク吐出用のノズルを配設したインクジェット記録ヘッドである。記録ヘッド107は、この記録ヘッド107が図の紙面と垂直方向に走査する間に、記録データに従ってノズルから記録媒体Pの記録面に対してインク滴を吐出して記録を行う。この記録動作と搬送ローラ104による所定量の搬送動作とを交互に繰り返しながら、記録媒体に画像を形成して行く。この画像形成動作とともに、記録媒体の搬送路において記録ヘッドの走査領域の後流側に設けられた、排紙ローラ108と排紙拍車109によって記録媒体Pが挟持される。この挟持された記録媒体Pは、排紙ローラ108の回転によって排紙トレイ110上に排紙される。
なお、このインクジェット記録装置としては、インクを吐出するノズルを記録媒体の最大幅に亘って配設した長尺な記録ヘッドを用いて記録動作を行ういわゆるフルライン型のインクジェット記録装置を構成することも可能である。
図22は、上述したインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。同図において、液体塗布機構の要素であるローラ駆動機構1004、ポンプ駆動モータ4009、および大気連通弁のアクチュエータ3005は、前述した液体塗布装置とで説明したものと同様の要素である。
CPU5001は、図23にて後述する処理手順のプログラムに従い、塗布機構の各要素の駆動を制御する。また、CPU5001は、記録機構にかかるLFモータ5013、CRモータ5015、および記録ヘッド7の駆動を、それぞれの駆動回路5012、5014、5016を介して制御する。すなわち、LFモータ5013の駆動によって搬送ローラ4などを回転させ、また、CRモータの駆動によって記録ヘッド7を搭載したキャリッジを移動させる。さらに、記録ヘッドのノズルからインクを吐出させる制御を行う。
図23は、本実施形態のインクジェット記録装置における液体塗布およびそれに伴う記録動作の手順を示すフローチャートである。
同図において、ステップS71〜S75、S78〜S80の処理は、図13に示した、それぞれ、ステップS1〜S6、S8〜S10の処理と同様である。すなわち、本実施形態の前処理(ステップS74)は、第1実施形態で説明した前処理(ステップS4)と同じである。
本実施形態では、記録開始の指令があると(ステップS72)、ポンプ作動が作動し(ステップS73)、前処理を行う(ステップS74)。その後、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002とのニップ部に塗布媒体を通し(ステップS75)、その塗布媒体に対して一連の液体塗布動作を行う。この塗布工程の後、必要な部分に塗布液が塗布された記録媒体に対して、記録動作を行う(ステップS76)。すなわち、搬送ローラ4によって所定量ずつ搬送される記録媒体Pに対して記録ヘッド7を走査させ、この走査の間に記録データに応じてノズルからインクを吐出することにより記録媒体にインクを付着させてドットを形成する。この付着するインクは塗布液と反応するため、濃度向上や滲みの防止が可能となる。以上の記録媒体の搬送と記録ヘッドの走査を繰り返すことにより、記録媒体Pに対して記録がなされ、記録を終了した記録媒体は排紙トレイ10上に排紙される。
ステップS77で記録が終了したと判断すると、ステップS78以降の処理を行い、本処理を終了する。
(第5の実施形態)
第1〜第4の実施形態では、ポンプ3007を駆動することによって、前処理動作中に塗布液の循環を行っているが、ポンプ3007を駆動させずに、前処理動作中に循環を行わないようにしても良い。すなわち、本発明の一実施形態で重要なことは、前処理動作によって塗布ローラの表面に付着した増粘物や固着物を減少、ないしは除去することである。塗布ローラを回転させる際に、上記循環を行うと、液体保持空間にフレッシュな塗布液が常時供給されるのでより好ましい。しかしながら、本発明の一実施形態では、塗布ローラを回転させる際に、上記循環を行わなくても、塗布ローラの表面に付着した増粘物や固着物は適切に減少、ないしは除去することができる。
このように、前処理動作中に上記循環を行わない場合は、図13にて、ステップS2とステップS3との間に、前処理動作を行えば良い。
(第6の実施形態)
図27は、本発明の第6の実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す断面図である。
同図に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置としてのプリンタ1は、概略、用紙供給ユニット10、塗布液塗布ユニット20、記録ユニット30を含んで構成されている。用紙供給ユニット10は、記録媒体としての用紙11を送り出す給紙ローラ12を有する。
塗布液塗布ユニット20は、インク中の染料あるいは顔料の色材を凝集させる化合物を含有した塗布液22を収納する塗布液タンク21を備える。さらに、このユニット20は、塗布液22を攪拌して汲み上げる汲み上げローラ23と、汲み上げられた塗布液を塗布ローラ25に均一な膜厚に制御する膜厚制御ローラ24と、搬送される用紙11を塗布ローラ25に押圧するためのカウンタローラ26を備える。
記録ユニット30は、搬送されてきた用紙11に記録を行う記録部36を備える。この記録部36は、概略、インクを吐出する記録ヘッド、記録ヘッドに供給するインクを貯留したインクタンクおよびこれら記録ヘッドおよびインクタンクを搭載して図27の紙面に垂直な方向に移動可能に構成されたキャリッジを有して構成される。記録ユニット30は、さらに記録部36による記録領域に用紙11を搬送するための搬送ローラ31〜33と、記録部36によって記録された用紙11を排紙トレイ19に排出するための排出ローラ38、39を備える。
図28は、図27に示した記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。図28において、100は外部入力機器としてのホスト装置を示し、プリンタ1に記録データなどの送信を行うコンピュータやデジタルカメラなどの形態とすることができる。プリンタ1において、210はホストコンピュータ100と接続し、記録データなどを入力するためのインターフェイス部、220はプリンタ1の主制御部をそれぞれ示す。主制御部220において、221はマイクロコンピュータ形態のCPUを示す。ROM222はCPUが実行する制御プログラム、所要のテーブル、その他固定データを格納するメモリである。RAM223はホストコンピュータ100から受けとった記録データ展開する領域や各部の制御で使用される変数を格納するメモリである。不揮発性メモリ224はROM222およびRAM223とともにCPU221が管理するメモリ領域の一部として設けられたものである。このメモリ224は、本プリンタの電源がオフとされたときでも記憶内容を保持可能なメモリであり、図31にて後述する実施形態で説明されるように塗布液塗布機構を動作させた時の時刻情報を一時保持する場合などにも用いられる。不揮発性メモリとしては不揮発性RAM(NVRAM)、EEPROMなどを用いることができる。225は操作者による入力を行うための入力部を示し、電源スイッチ、プリントを開始するためのスイッチなどを備える。226はタイマーを示し、後述の実施形態で説明するように、塗布液塗布機構が動作していない待機状態の時間を計時するときにも用いられる。227は各種駆動部を駆動するための駆動回路を示し、記録ヘッド230、キャリッジモータ240、搬送モータ250、塗布液塗布機構を動作させる塗布機構駆動モータ260を駆動する。
以上、図27、図28を参照して説明した本実施形態のプリンタ1の動作は以下のとおりである。用紙給紙ユニット10に用紙11が収納されている。この用紙11は給紙ローラ12によって送り出される。一方、塗布液塗布ユニット20の塗布液タンク21内の塗布液22は汲み上げローラ23によって汲み上げられ、膜厚制御ローラ24を介して塗布ローラ25のローラ面に均一な膜厚の付着塗布液が形成される。そして、塗布ローラ25とカウンタローラ26によって塗布液22が用紙11の記録領域に均一に薄く塗布される。そして、用紙11は塗布液22を塗布されつつ搬送ローラ31〜33などのローラによって記録部36による記録領域を搬送される。この搬送は、用紙11の記録領域全体に対する塗布液22の塗布が完了するまで送られ、その時点まで記録は行われない。用紙11に対する塗布液22の塗布が完了すると、搬送ローラ31〜33などの逆回転によって用紙11が送られてきた経路と同じ経路を戻す搬送を行う。そして、この逆送のときは用紙ガイド42で方向を切り替え、用紙11を用紙退避経路45へ案内する。これにより、用紙11の先端は記録領域の記録開始位置まで戻される。その後、記録部36のキャリッジによる移動によって記録ヘッドは用紙11に対して往復走査し、この間に記録ヘッドからインクを吐出して塗布液22が塗布された用紙11の記録領域に逐次記録がなされる。用紙11に対する記録が終了すると、用紙11は排出ローラ38〜41によって排出部19に排出される。
前述したように、塗布液は塗布ローラに付着されたまま時間が経過すると水分等の蒸発により増粘が進み、次第に塗布条件が変化するなどの問題を生じる。図32は、塗布ローラなどの塗布機構が動作を行わない、放置状態の時間(例えば待機時間)と塗布液の粘度の増加との関係を示す図である。同図に示すように、ある時間まではその時間に比例して粘度が上昇する。そして、そのある時間以上になるとほとんどの蒸発成分が蒸発し、不揮発性の溶剤のみが残って蒸発するものがなくなってくるため、粘度の変化は少なくなり飽和してくる。
そこで本発明の実施形態では、図33に示すように放置時間に応じて塗布液塗布機構が用紙に対する塗布を行う前の塗布初期動作(前処理動作ともいう)の動作時間を待機時間に応じて段階的に変えるようする。
図29は、本発明の第6の実施形態に係り、主にこの塗布初期動作の制御を示すフローチャートである。本実施形態は、プリンタの電源がオンとなっている状態で塗布動作を伴う記録動作を待機している時間に応じて塗布初期動作の時間を変化させるものである。
先ず、記録開始命令があると、ステップ301でホストコンピュータなどのホスト装置100から記録データを取得する。そして、ステップ302で塗布液塗布機構の前回の動作終了時点からの待機時間twaitをメモリから読み出し、この待機時間が図7に示した第1時間t1よりも短いか否かを判断する。この待機時間twaitは、塗布ローラ25の前回の回転動作の終了時から、今回の記録開始命令入力時までの経過時間である。
待機時間twaitが第1時間t1よりも短いと判断したときは、ステップ304に進み、駆動時間T1の塗布初期動作(前処理動作)1を実行する。この初期動作は、先ず用紙なしの状態で塗布液塗布ユニット20を動作させるものである。具体的には、塗布液塗布ユニット20を構成する各ローラを回転(予備回転)させる。そして、ステップ304では駆動時間をT1とする。この塗布初期動作を行うことにより塗布液22が各ローラ23〜26上を循環し、それぞれのローラ上の塗布液22の粘度を通常規定値内の粘度に戻すことができる。
ステップ302で待機時間twaitが第1時間t1よりも長いと判断したときはステップ303に進み、待機時間twaitが第2の閾値である第2時間t2よりも短いか否かを判断する。待機時間twaitが第2時間t2よりも短いと判断したときは、ステップ305に進み、駆動時間T2の塗布初期動作2を実行する。この動作は駆動時間T2がステップ304の駆動時間T1よりも長い(T2>T1)ことが異なる点である。これは、待機時間がt1未満の時よりも塗布液塗布ユニット20の各ローラ23〜26上の塗布液は粘度がさらに増加していることから、動作時間を長くするためである。これにより、安定して確実に各ローラ23〜26上の塗布液22を通常規定値内の粘度に戻すことができる。
ステップ303で待機時間twaitが第2時間t2よりも長いと判断したときはステップ306に進み、駆動時間T3の塗布初期動作3を実行する。この動作はその駆動時間T3がステップ305の駆動時間T2よりも長い(T3>T2>T1)点が異なる点である。これは、待機時間がt2以上の時は塗布液塗布ユニット20の各ローラ23〜26上の塗布液は粘度がさらに増して、さらにはローラ同士が固着するまでに至っている場合もある。このような場合、さらに駆動時間を長くすることにより、高い信頼性で確実に各ローラ23〜26上の塗布液22を通常規定値内の粘度に戻すことが可能となる。
ステップ304、305、306のいずれかの塗布初期動作を終了すると、スッテプ307に進み、記録用紙を塗布液塗布ユニット20に搬送させて記録用紙に対する塗布液塗布を実行する。記録用紙への塗布液の塗布が終了したら(スッテプ308)、ステップ309で待機時間を計時しているカウンタタイマーをリセットして再スタートさせる。これにより、次回の塗布液塗布ユニットによる記録用紙への塗布動作の前の塗布初期動作を決定するための待機時間を計時することができる。その後、ステップ310に進み記録ヘッドによる記録動作を実行して本処理を終了する。
以上のように本実施形態によれば、待機時間に応じた最適な塗布初期動作を行うことができ、塗布ローラによる記録用紙への塗布条件を常に一定に保つことができる。また、記録動作を行わない待機状態で装置の一部が不意に動き出すこともない。さらに、待機時間が短い時にはそれに応じて塗布初期動作にかかる時間も短縮されるため、スループットの低下を招くこともない。
(第7の実施形態)
図30は、本発明の第7の実施形態に係るプリンタの構成を示す断面図である。同図において、図27に示した要素と同じ要素には同じ参照符号を付しその説明を一部省略する。本実施形態のプリンタは、塗布液塗布機構によって記録媒体に塗布液を塗布する塗布経路と、塗布しない塗布不要経路を設けたものである。図30に示す構成は、基本的に特許文献4に記載の構成と同様のものである。
塗布液塗布ユニット20は、第6の実施形態に関して図27に示したものと異なる点は、用紙11の裏面に施された例えば着色部や穴等のマーキングを検出するセンサ27を備える点である。このセンサ27を用い検出したマークの内容に応じてその用紙が塗布加工が不要であるか否かを判断する。また、塗布工程経路(図中矢印Aで示す)と塗布不要経路(図中矢印Bで示す)に用紙の搬送路を切り換える回動可能な切り換え爪28、および塗布不要経路内の搬送ローラ対29を備える点も異なる。
以上の構成を有する本実施形態のプリンタ1における一連の記録動作は次の通りである。用紙給紙ユニット10に収納されている用紙11は給紙ローラ12によって送り出されると、用紙11の裏面の所定位置に施されているマーキングをセンサ27によって検出する。検出の結果、用紙11が塗布を必要とする例えば普通紙であるときは、切り換え爪28を図中破線で示した位置まで回動させて用紙11を塗布工程経路Aに導く。このとき、塗布液塗布ユニット20の塗布液タンク21内の塗布液22は汲み上げローラ23によって汲み上げられ、塗布ローラ25のローラ面には膜厚制御ローラ24によって均一な膜厚の塗布液が形成されている。そして、塗布ローラ25とカウンタローラ26によって塗布液22が用紙11の記録領域に均一に薄く塗布される。塗布液22が塗布された用紙11は搬送ローラ31〜33などによって記録部36による記録領域に送られる。その後、キャリッジの往復動作による記録ヘッドの走査を行い、この間に塗布液22が塗布された用紙11にインクを吐出して逐次記録がなされて行く。記録が終了した用紙11は排出ローラ対38、39によって排出部19に排出される。
一方、センサ27によって検出した結果、用紙11に対して塗布液の塗布が不要である用紙、例えばOHPや光沢フィルム等の用紙であるときは、切り換え爪28を図中実線で示した位置として、用紙11を塗布不要経路Bに導く。そして、塗布液が塗布される場合と同様、用紙11は搬送ローラ31などによって記録部36による記録領域に送られ、記録ヘッドによる記録がなされて最終的に排紙される。
なお、上述の例では、用紙11の裏面における所定の位置に塗布液の塗布要、不要を示すマーキングを施してそのマーキングをセンサで検出し経路を切り換える例で説明した。しかし、これに限定する必要はなく、パーソナルコンピュータ等のホスト装置において操作者が選択した用紙の種類情報を制御信号を記録データなどとともに転送し、この用紙種類情報を基に切り換え爪を切り換えてもよい。また、操作者の指示によって強制的に塗布不要というキャンセルモードによる制御信号をもって切り換え爪を切り換えても構わない。さらに、切り換え爪を設けず、用紙種別に用紙を収納する各給紙ユニットを塗布工程経路及び塗布不要経路に対応させて設けてもよい。これにより、切り換え爪における用紙のジャム発生を回避できる。
図31は、本発明の第7の実施形態に係り、主に塗布初期動作の制御を示すフローチャートである。本実施形態は、本プリンタの電源がオフとされていた時間をも考慮した待機時間を求め、その求めた待機時間に応じた適切な塗布初期動作を行うものである。
すなわち、第6の実施形態の場合、プリンタの電源が投入されている間は待機時間を電子タイマーなどで計測することができるが、電源が投入されていない時は、プリンタ内にタイマー用の電池を搭載していない限り、その時間を計測することができない。このため、電源が投入されていない場合には、どれだけ放置されていたかを示す放置時間を計ることができない。従来は、前述したように、電源オフの時間に関わりなく電源投入時に一律に塗布初期動作をする。また、塗布液がどれだけ増粘、固着しているかわからないため、塗布初期動作の駆動時間も最も長い時間で行う必要があった。本実施形態では、電源投入時でもその待機時間を精度良く判断し、塗布液の増粘状態に応じた最適な塗布初期動作を行うことを可能とする。
先ず、記録開始命令が入力されると、ステップ501でホスト装置100から記録データを取得し、記録データとともに転送されてきた年月日時情報を取得する(ステップ502)。そして、この取得した情報によって、プリンタ内のメモリに格納されていた年月日時情報を更新し、タイマー時刻を更新させる。これにより、プリンタのタイマーについて電源がオフの間の時間経過が加味された時間を計測することができる。
次に、ステップ504でホストコンピュータから記録データに付加された記録用紙種類情報に基づいて塗布液を塗布するか否かを判断する。なお、この際、図30に示した判断構成の場合は、用紙11を給紙してセンサ27によってマーカーを検出するようにする。
ステップ504で塗布液を塗布すると判断したときは、ステップ505で更新されたプリンタのタイマー時刻と不揮発性メモリ224内に記憶されている前回の塗布動作を終了した最終年月日時を読み出し、この2つの年月日時から待機時間twaitを演算する。すなわち、この待機時間は、電源オフの時間を加味した待機時間とすることができる。
以後、ステップ506からステップ512までは、図3に示したステップ302からステップ308と同じであるためそれらの説明は省略する。
ステップ512で記録媒体への塗布動作が終了すると、ステップ513でプリンタのタイマーから現在の時刻を読み取り、この時刻を不揮発性メモリ224に最終年月日時情報として更新し記憶させる。これにより、次回の塗布動作における待機時間を算出することができる。このように不揮発性メモリ224に塗布動作の最終時刻情報を記憶させることにより、電源が投入されない状態でも最終時刻情報が失われることが無い。これにより、再度電源が投入されて記録動作前に塗布液を塗布しなければならないときでも、精度良く待機時間を算出することができる。これにより、塗布液塗布機構の待機時間の違いによる塗布ローラ上の増粘の程度の差に応じた最適な塗布初期動作の制御が可能となる。
ステップ504で、塗布液の塗布が必要でないと判断したときは、ステップ514に進み、塗布初期動作および記録媒体への塗布動作をスキップして記録動作を行う。
なお、塗布初期動作の制御は3段階に限らない。また、塗布初期動作で制御するのはローラの駆動時間に限定されるものではなく、例えば、塗布ローラの回転速度を制御するようにしてもよい。このように、待機時間に応じた塗布初期動作の駆動は、塗布ローラなど塗布機構の塗布液が付着している要素における塗布液を低粘度化させるものである。そして、駆動制御はこの低粘度化が適切なものとなるように待機時間に応じて低粘度化させる動作の程度を異ならせる。
また、待機時間がかなり短い時にはイニシャル動作を行わないような条件を設けても良い。
さらに、図31に示す処理では、ステップ503において記録動作ごとに取得した年月日時情報を毎回プリンタ内のタイマー時刻に更新をするものとした。しかし、更新は毎回する必要はなく電源を投入してから最初に年月日時情報を取得した時だけプリンタ内のタイマー時刻に更新するようにしても良い。また、このような塗布液塗布機構の塗布初期動作は記録ヘッドのクリーニングなど他の立ち上がり準備作業やデータの転送作業と並行して進めても、順次に進めてもよい。しかし、並行に進めた方がトータルのプリント時間(スループット)を短くできる。また、本実施形態では、説明の便宜上、塗布液の記録媒体への塗布工程と記録ヘッドによる記録媒体への記録動作を順次に行う例について説明したが、これらの動作を並行して進めるようにしてもよい。
上記第1〜第7の実施形態では、「前回の液体塗布に関わる処理の終了から今回の液体塗布に関わる処理の開始までの期間」を「経過時間」あるいは「待機時間」と定義されている(これを前者の定義という)。しかし、電源ON直後に前処理を行う形態にあっては、「前回の液体塗布に関わる処理の終了から電源ONまでの期間」を「経過時間」あるいは「待機時間」と定義してもよい(これを後者の定義という)。この後者の定義であっても、「前回の液体塗布に関わる処理の終了」とは、前者の定義の場合と同じく、回収動作終了、回転動作終了、塗布動作終了等を指す。このように両者の定義を含む本明細書において「経過時間」あるいは「待機時間」とは、「前回の液体塗布に関わる処理の終了からの経過期間」と定義される。
なお、上記第1〜第7の実施形態で説明した具体的構成は、組合せたときに矛盾が生じない範囲内で、部分的に組合せ用いることが可能である。
本出願は、2005年8月11日に出願された日本国特許出願第2005−233269号、2005年12月1日に出願された日本国特許第2005−348250号に基づいて優先権を主張し、前記日本国特許出願は、これらの参照によって本明細書に含まれる。

Claims (14)

  1. 液体塗布装置であって、
    媒体に液体を塗布するための塗布ローラと、
    塗布開始命令の入力に応じて、前記塗布ローラによる前回の液体塗布に関わる処理の終了からの経過期間に関連する情報を取得するための取得手段と、
    前記取得手段により取得された情報に基づいて、前記塗布ローラの回転に関する条件を決定するための決定手段と、
    前記決定手段により決定された条件に応じて、前記塗布開始命令に基づく液体塗布が実行される前に前記塗布ローラを回転させる前処理を実行可能な前処理手段と、
    を備えることを特徴とする液体塗布装置。
  2. 前記回転に関する条件とは、前記塗布ローラの回転数に関する条件であり、
    前記取得手段により取得された情報が示す経過期間が所定の期間よりも長い場合に前記決定手段により決定される回転数は、前記経過期間が前記所定の期間よりも短い場合に前記決定手段により決定される回転数よりも多いことを特徴とする請求項1に記載の液体塗布装置。
  3. 前記経過期間が前記所定の期間より短い場合に決定される回転数は0であることを特徴とする請求項2に記載の液体塗布装置。
  4. 前記回転に関する条件とは、前記塗布ローラの回転時間に関する条件であり、
    前記取得手段により取得された情報が示す経過期間が所定の期間よりも長い場合に前記決定手段により決定される回転時間は、前記経過期間が所定の期間よりも短い場合に前記決定手段により決定される回転時間よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の液体塗布装置。
  5. 前記塗布ローラに当接して液体を保持するための液体保持部材をさらに備え、
    前記塗布ローラの回転により前記液体保持部材により保持される液体が前記媒体に塗布されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の液体塗布装置。
  6. 前記液体を貯蔵するための貯蔵手段と、
    前記液体保持部材と前記貯蔵手段とを接続するための経路と、
    前記経路を介して前記液体保持部材から前記貯蔵手段へと前記液体の回収を行うための回収手段とをさらに備え、
    前記前回の液体塗布に関わる処理の終了とは、前記回収手段による前回の液体回収の終了であることを特徴とする請求項に記載の液体塗布装置。
  7. 前記液体を貯蔵するための貯蔵手段と、
    前記液体保持部材と前記貯蔵手段とを接続するための経路と、
    前記経路、前記貯蔵手段および前記液体保持部材を繋ぐ流路内において前記液体を循環させる循環手段とを備え、
    前記処理手段は、前記循環中に前処理を行うことを特徴とする請求項に記載の液体塗布装置。
  8. 液体塗布装置であって、
    媒体に液体を塗布するための塗布ローラと、
    塗布開始命令の入力に応じて、前記塗布ローラによる前回の液体塗布に関わる処理の終了からの経過期間に関連する情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された情報に基づいて、前記塗布開始命令に基づく液体塗布が実行される前に前記塗布ローラを回転させる処理を実行するか否かを決定する決定手段と、
    を備えることを特徴とする液体塗布装置。
  9. 液体塗布装置であって、
    媒体に液体を塗布するための塗布ローラと、
    塗布開始命令の入力に応じて、前記塗布ローラによる前回の液体塗布に関わる処理の終了からの経過期間に関連する情報を取得する取得手段と、
    前記塗布開始命令に基づく液体塗布が実行される前に前記塗布ローラを回転させる前処理を実行するための前処理手段と、
    前記前処理手段による塗布ローラの回転数あるいは回転時間を、前記取得手段により取得された情報に基づいて決定する決定手段と、
    を備えることを特徴とする液体塗布装置。
  10. 液体塗布装置であって、
    媒体に液体を塗布するための塗布ローラと、
    前記塗布ローラの一部と当接して液体を保持するための液体保持部材と、
    前記液体を収容したタンクと、
    前記タンクと前記液体保持部材とを接続するための経路と、
    前記経路を介して前記液体保持部材により保持される液体を前記タンクに回収するための回収手段と、
    塗布開始命令の入力に応じて、前記回収手段による前回の液体の回収処理の終了からの経過期間に関連する情報を取得するための取得手段と、
    前記取得手段により取得された情報に基づいて、前記塗布ローラの回転に関する条件を決定するための決定手段と、
    前記決定手段により決定された条件に応じて、前記塗布開始命令に応じて前記塗布ローラによって前記液体保持部材に保持される液体が前記媒体に塗布される前に前記塗布ローラを回転させる前処理を実行可能な前処理手段と、
    を備えることを特徴とする液体塗布装置。
  11. 液体塗布装置であって、
    媒体に液体を塗布するための塗布ローラと、
    前記塗布ローラの一部と当接して液体を保持するための液体保持部材と、
    前記液体を収容したタンクと、
    前記タンクと前記液体保持部材とを接続するための経路と、
    前記経路を介して前記液体保持部材により保持される液体を前記タンクに回収するための回収手段と、
    塗布開始命令の入力に応じて、前記回収手段による前回の液体の回収処理の終了からの経過期間に関連する情報を取得するための取得手段と、
    前記塗布開始命令に基づく液体塗布が実行される前に前記塗布ローラを回転させる前処理を実行するための前処理手段と、
    前記取得手段により取得された情報に基づいて、前記前処理を実行するか否かを決定する決定手段と、
    を備えることを特徴とする液体塗布装置。
  12. 液体塗布装置であって、
    媒体に液体を塗布するための塗布ローラと、
    前記塗布ローラの一部と当接して液体を保持するための液体保持部材と、
    前記液体を収容したタンクと、
    前記タンクと前記液体保持部材とを接続するための経路と、
    前記経路を介して前記液体保持部材により保持される液体を前記タンクに回収するための回収手段と、
    塗布開始命令の入力に応じて、前記回収手段による前回の液体の回収処理の終了からの経過期間に関連する情報を取得するための取得手段と、
    前記塗布開始命令に基づく液体塗布が実行される前に前記塗布ローラを回転させる前処理を実行するための前処理手段と、
    前記前処理手段による塗布ローラの回転数あるいは回転時間を、前記取得手段により取得された情報に基づいて決定する決定手段と、
    を備えることを特徴とする液体塗布装置。
  13. 前記塗布ローラにより前記液体が塗布された媒体に対して、インクを吐出して画像を記録するための記録手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の液体塗布装置。
  14. 前記液体は、前記インク中の色材を凝集させるための成分を含むことを特徴とする請求項13に記載の液体塗布装置。
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