JP2010143014A - 記録装置および記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗布液を塗布する記録装置であっても、搬送ローラや排紙ローラ径の経時変化による搬送量の変化を簡易に補正し、高品位な画像を出力することができる記録装置を提供する。
【解決手段】記録媒体を搬送するための複数のローラと、該記録媒体に記録を行う記録部と、塗布液を該記録媒体に塗布する塗布部とを具える記録装置であって、前記複数のローラのそれぞれの搬送誤差を補正するための搬送量補正値に基づいて記録媒体の搬送を制御する搬送制御手段、を具え、前記搬送制御手段は、前記複数のローラに転写された前記塗布液の量を推測して前記搬送量補正値を取得する。
【選択図】図16

Description

本発明は、記録装置および記録制御方法に関し、特に、インクジェット記録装置で用いる記録媒体の搬送誤差を補正するための補正値を適用する技術に関するものである。
インクジェット記録装置は、微細なノズルを配列してなる記録ヘッドを用い、各ノズルから記録データに応じてインクを吐出してドットを形成することで記録媒体上に画像を記録する。従って、高品位の画像を形成するには、記録媒体上でのドット形成位置のずれが生じないようにすることが重要な課題となっている。ドット形成位置のずれは、記録ヘッドのノズル形状のばらつきや記録動作時における装置の振動などのノイズ成分、記録媒体と記録ヘッドとの距離など、種々の要因によって発生する。ドット形成位置のずれを発生させる大きな要因のひとつに、記録媒体の搬送精度がある。通常、記録媒体の搬送手段にはローラ(搬送ローラ)が用いられており、記録媒体を圧接した状態で搬送ローラを指定した角度分回転させることで、記録媒体を所望の長さ分搬送することが可能となる。そして記録媒体の搬送精度は、搬送ローラの偏心に大きく依存している。
図22(a)は搬送ローラの径が規格中心の状態、同図(b)は搬送ローラの径が規格中心より大きい状態、同図(c)は規格中心より小さい状態を示している。
図22(a)に示すように、搬送ローラ径が規格中心の場合には、角度Rだけ搬送ローラを回転させたときの周方向の長さ(弧の長さ)L0である。しかし、図22(b)および(c)に示すように搬送ローラ径が規格中心からずれている場合、同じ角度Rだけ搬送ローラを回転させても、搬送ローラの径に応じて搬送量が異なってしまう。すなわち、同図(b)に示す、搬送ローラ径が規格中心より大きい状態においてはL1分記録媒体が搬送され、同図(c)に示す、搬送ローラ径が規格中心より小さい状態においてはL2分記録媒体が搬送されることになる。この場合、L1>L0>L2の関係があり、記録媒体の搬送量が理想状態(L0の状態)では図22(a)の下図のように記録されるべき画像が記録される。一方、L1およびL2の状態では、同図(b)および(c)の下図に示すような、つなぎ部分で白スジ(L1の状態)もしくは黒スジ(L2の状態)のある画像として記録されてしまう。
このような搬送ローラ径の誤差に起因する搬送媒体の搬送量誤差を低減させ、記録画質の低下を抑制する技術が知られている。例えば、記録装置の製造工程において記録装置の個体毎に固有の搬送量補正値を予め算出し、その搬送量補正値を記録装置内部のROM等のメモリに予め記憶させて保持する。そして、記録媒体への記録実行時にはメモリに保持している搬送量補正値に基づいて搬送量を補正する記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、記録装置の個体毎の固有の搬送誤差を補正することが可能となる。
また、同一個体の搬送ローラ径の磨耗等の経年変化により搬送量が変化した場合の記録画質の低下を抑制する技術も知られている。例えば、記録媒体の先端が、記録装置のキャリッジの記録媒体と対向する部分に副走査方向に一定の間隔αをもって配置された2個の記録媒体検出手段を備える。そして、2個の記録媒体検出手段のうち1つ目の検出手段により検出されてから2つ目の検出手段により検出される時点までの搬送量βを取得する。そして、この搬送量βと間隔αとの関係から、搬送量の誤差を補正するための搬送補正値γを算出する記録装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−011345号公報 特開2007−098759号公報
ところで、記録装置には、記録動作前や記録動作後に、塗布ローラを用いて記録媒体にインクと反応する液体を塗布する機構が設けられたものがある。例えば、記録インクに顔料を用いた記録装置の場合、インク受容層を持たない普通紙等の記録媒体における画質を高めるために、インクが記録媒体内部に浸透する前に表面で顔料を凝集させることが効果的である。このように、顔料を凝集させるために、記録動作前に、塗布ローラを用いて記録媒体にインクと反応する液体である塗布液を塗布することがある。
しかしながら、このような記録装置では、塗布液を塗布した記録媒体を搬送することにより搬送ローラに塗布液や紙粉が付着してローラ径が増加し、それに起因して搬送量が大きくなることで画像劣化が発生する。また搬送ローラだけでなく、排紙ローラにも塗布液や紙粉が付着することで記録媒体のあらゆる領域で搬送量が変動し、画像劣化を招くことがある。
このような画像劣化を低減するために、搬送量の経時変化を補正するためにキャリッジに記録媒体検出手段を2個配置することがある。しかしながら、このような構成では、コストがかかるとともに、記録ヘッドを載せたキャリッジを往復走査させて記録を行うシリアルスキャン型の記録装置では、キャリッジの重量が増加し、記録装置の耐久性が劣ることがある。
本発明は以上の点を鑑みてなされたものであり、塗布液を塗布する記録装置であっても、搬送ローラや排紙ローラ径の経時変化による搬送量の変化を簡易に補正し、高品位な画像を出力することができる記録装置を提供することを目的とする。
そのために本発明は、記録媒体を搬送するための複数のローラと、該記録媒体に記録を行う記録部と、塗布液を該記録媒体に塗布する塗布部とを具える記録装置であって、前記複数のローラのそれぞれの搬送誤差を補正するための搬送量補正値に基づいて記録媒体の搬送を制御する搬送制御手段、を具え、前記搬送制御手段は、前記複数のローラに転写された前記塗布液の量を推測して前記搬送量補正値を取得することを特徴とする。
以上の構成によれば、塗布液が搬送ローラおよび排紙ローラに付着することによる経次変化により搬送量の変化を簡単に補正することができる。その結果、塗布液を塗布する記録装置特有の経時変化の影響によらず、高品位な画像を出力することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
1.基本構成
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置1の概略構成を示す図である。
このインクジェット記録装置1には、複数枚の記録媒体Pを積載する給送トレイ2が設けられており、半月形状の分離ローラ3が、給送トレイに積載された記録媒体Pを1枚ずつ分離して搬送経路に給送する。搬送経路中には、上記液体塗布機構の液体塗布手段を構成する塗布ローラ1001およびカウンターローラー1002が配置されており、給送トレイ2から給送された記録媒体Pは、両ローラ1001,1002の間に送られる。塗布ローラ1001はローラ駆動モータの回転によって図1において時計周り方向に回転し、記録媒体Pを搬送しながら塗布液を記録媒体Pの記録面に塗布する。塗布液が塗布された記録媒体Pは、搬送ローラ4とピンチローラ5との間に送られ、搬送ローラ4が、図中、反時計周り方向へと回転することによって、記録媒体Pはプラテン6の上を搬送され、記録手段を構成する記録ヘッド7に対向する位置へと移動する。記録ヘッド7は所定数のインク吐出用のノズルを配設したインクジェット記録ヘッドであり、この記録ヘッド7が図の紙面と垂直方向に走査する間に、記録データに従ってノズルから記録媒体Pの記録面に対してインク滴を吐出して記録を行う。この記録動作と搬送ローラ4による所定量の搬送動作とを交互に繰り返しながら、記録媒体に画像を形成してゆく。この画像形成動作とともに、記録媒体の搬送路において記録ヘッドの走査領域の後流側に設けられた、排紙ローラ8と排紙拍車9によって記録媒体Pが挟持され、排紙ローラ8の回転によって排紙トレイ10上に排紙される。
なお、このインクジェット記録装置としては、インクを吐出するノズルを記録媒体の最大幅に亘って配設した長尺な記録ヘッドを用いて記録動作を行ういわゆるフルライン型のインクジェット記録装置を構成することも可能である。
本実施形態では、インクと反応する液体として処理液を用いることにより、この処理液とこの処理液が塗布された記録媒体に吐出されるインクの色材である顔料を反応させて顔料の凝集を促進させる。そして、顔料の凝集を促進させることにより、記録濃度の向上を図ることができる。さらに、ブリーディングの軽減または防止することも可能となる。なお、インクジェット記録装置において用いるインクの色材としては、顔料に限定されず、また、塗布液としては、上記の例に限られないことはもちろんである。
図2は、上述したインクジェット記録装置の要部を示す斜視図である。同図に示すように、給送トレイ2の一端の上方に塗布機構(塗布部)100が設けられ、この塗布機構より上部で、給送トレイ2の中央部上方に記録ヘッド7などを備えた記録機構(記録部)が設けられる。
液体塗布装置100は、概略、塗布媒体に対しインクと反応する所定の塗布液を塗布する液体塗布手段と、この液体塗布手段に塗布液を供給する液体供給手段を有して構成されている。
液体塗布手段は、円筒状の塗布ローラ1001、この塗布ローラ1001に対向して配置された円筒状のカウンターローラー(媒体支持部材)1002、および塗布ローラ1001を駆動するローラ駆動機構1003などを有する。このローラ駆動機構1003は、ローラ駆動モータ1004と、このローラ駆動モータ1004の駆動力を塗布ローラ1001に伝達するギアトレインなどを有する動力伝達機構1005とによって構成されている。
また、液体供給手段は、塗布ローラ1001の周面との間で塗布液を保持する液体保持部材2001、およびこの液体保持部材2001に液体を供給する後述の液体流路3000(図1では不図示)などを有して構成される。塗布ローラ1001およびカウンターローラー1002は、それぞれ、それらの両端が不図示のフレームに対して回動自在に取り付けられた、互いに平行な軸によって回動自在に支持されている。また、液体保持部材2001は、塗布ローラ1001の長手方向のほぼ全体にわたって延在するものであり、塗布ローラ1001の周面に対して接離動作を可能とする機構を介して上記のフレームに移動可能に取り付けられている。
本実施形態の液体塗布装置は、さらに、塗布ローラ1001とカウンターローラー1002とのニップ部に塗布媒体を搬送するための、ピックアップローラなどからなる塗布媒体供給機構1006を備える。また、この塗布媒体の搬送路において、塗布ローラ1001およびカウンターローラー1002の下流側には、塗布液が塗布された塗布媒体を排紙部(不図示)へ向けて搬送する、排紙ローラなどからなる排紙機構1007が設けられる。これらの給紙機構や排紙機構も、塗布ローラなどと同様、動力伝達機構1005を介して伝えられる駆動モータ1004の駆動力によって動作する。
なお、本実施形態で使用する塗布液は、例えば、顔料を色材とするインクで記録した際に顔料の凝集を早めることを目的とした液体を用いる。
この場合の塗布する液体の成分の一例を以下に記述する。
硝酸カルシウム・4水和物 10%
グリセリン 42%
界面活性剤 1%
水 残量
また、前記塗布液の粘度は25℃で5〜6cP(センチポアズ)である。なお、本発明の適用において塗布液は、上記のものに限られないことは勿論である。
塗布する液体に水を用いる場合、本発明の塗布ローラとの液体保持部材の当接部分での摺動性は、表面張力を下げる成分を前記液体に含ませることで良好なものとなる。上述の塗布する液体の成分の一例では、グリセリン及び界面活性剤が水の表面張力を下げる成分である。
次に、以上概略を説明した液体塗布装置を構成する各部の要素についてより詳細に説明する。
図3は、塗布ローラ1001、カウンターローラー1002および液体保持部材2001などの配置の一例を示す説明縦断側面図である。
カウンターローラー1002は、不図示の付勢手段によって塗布ローラ1001の周面に向けて付勢されている。塗布ローラ1001を図中、時計方向に回転させることにより、両ローラの間に塗布液を塗布すべき塗布媒体Pを挟持し得ると共に、塗布媒体Pを図中の矢印方向に搬送し得るようになっている。
本実施形態では、塗布ローラ1001の材質はゴム硬度40度のシリコンとし、表面粗さはRa1.6μmとし、直径23.169mmとした。カウンターローラー1002の材質は鉄材とし、直径は14mmとした。
また、液体保持部材2001は、バネ部材(押圧手段)2006の付勢力によって塗布ローラ1001の周面に対して付勢されて当接するとき、塗布ローラ1001による液体塗布領域全体に亘って延在する長尺な液体保持空間Sを形成するようになっている。この液体保持空間S内には、後述の液体供給経路3000から液体保持部材2001を介して塗布液が供給される。しかしながら、液体保持部材2001が以下のように構成されているため、塗布ローラ1001の停止状態において、液体保持空間Sから外方へ不用意に塗布液が漏出することを防止することができる。
この液体保持部材2001の構成を、図4ないし図9に示す。
図4に示すように、液体保持部材2001は、空間形成基材2002と、この空間形成基材2002の一方の面に設けられた環状の当接部材2009とを有して構成されている。空間形成基材2002には、その中央部分における長手方向に沿って、凹部2003が形成される。そして、当接部材2009は、その直線部分がこの凹部2003の上縁部に沿って固着され、また、円周部分が上記上縁部から底部を経て反対側の上縁部に至るように固着される。これにより、液体保持部材2001の当接部2009が塗布ローラ1001に当接したとき、塗布ローラの周面形状に沿った当接が可能となり、均一な圧力の当接を実現することができる。
上記のようにこの実施形態における液体保持部材は、継ぎ目のない一体に形成された当接部材2009が、バネ部材2006の付勢力によって塗布ローラ1001の外周面に隙間なく連続した状態で当接する。その結果、液体保持空間Sは、この当接部材2009と、空間形成基材の一面と、塗布ローラ1001の外周面とによる実質的に閉塞した空間となり、この空間に塗布液が保持される。そして、塗布ローラ1001の回転が停止した状態では、当接部材2009と塗布ローラ1001の外周面とは液密状態を維持し、液体が外部へと漏出するのを確実に防止することができる。一方、塗布ローラ1001が回転するときは、後述されるように、塗布液は塗布ローラ1001の外周面と当接部材2009との間をすり抜けて、塗布ローラの外周面に層状に付着する。ここで、塗布ローラ1001の停止状態において、その外周面と当接部材2009とが密接状態にあるとは、上記のとおり、上記液体保持空間Sの内と外との間で液体を通さないことである。この場合、当接部材2009の当接状態としては、それが塗布ローラ1001の外周面に対し、直に接する状態の他、毛管力によって形成される液体の膜を介して上記外周面に当接する状態を含むものである。
また、当接部材2009の長手方向における左右両側部は、図4ないし図9に示すように、正面(図7)、平面(図4)および側面(図8、図9)のいずれの方向から見ても緩やかに湾曲する形状をなしている。このため、塗布ローラ1001に対し、比較的強い押圧力で当接部材2120を当接させても、当接部材2009の全体が略均一に弾性変形し、局所的に大きな歪みが生じることはない。このため、当接部材2009は図7ないし図9に示すように、隙間なく連続的に塗布ローラ1001の外周面に当接し、上記の実質的に閉塞した空間を形成することができる。
一方、空間形成基材2002には、図4ないし図6に示すように、当接部材2009に囲繞された領域内に、それぞれ空間形成基材2002を貫通する孔を有して構成される液体供給口2004および液体回収口2005が設けられている。これらは空間形成基材2002の背面側に突設された円筒状の連結部20041,20051にそれぞれ連通している。また、この連結部20041,20051は、後述の液体供給流路3000に連結されている。なお、この実施形態では、液体供給口2004が当接部材2009に囲繞された領域の一端部(図4では左端部)近傍に形成され、液体回収口2005が同領域の他端部(図4では右端部)近傍に設けられる。この液体供給口2004は、液体流路3000から供給される塗布液を前述の液体保持空間Sに供給し、液体回収口2005は液体保持空間S内の液体を液体流路3000へと流出させるためのものである。この液体の供給、流出を行うことにより、液体保持空間S内において、塗布液は上記の左端部から右端部へと流動する。
(塗布液流路)
図10は、前記塗布液供給手段の液体保持部材2001に連結される液体流路3000の概略構成を示す説明図である。
この液体流路3000は、第1流路(供給流路)3001と、第2流路(回収流路)3002とを有する。第1流路3001は、液体保持部材2001を構成する空間形成基材2002の液体供給口2004と塗布液を貯蔵する貯蔵タンク3003とを連結している。また、第2流路3002は、空間形成基材2002の液体回収口2005と前記貯蔵タンク3003とを連結している。この貯蔵タンク3003には、大気連通口3004が設けられており、また、この大気連通口には、大気との連通、遮断を切換える大気連通弁3005が設けられている。また、第1流路3001内には切換弁3006が設けられており、この切換弁3006によって第1流路3001と大気との連通、遮断が切換え可能となっている。さらに第2流路3002内には、本液体流路3000内で塗布液および空気を所望の方向へと強制的に流動させるためのポンプ3007が連結されている。
本実施形態において、第1流路3001および第2の流路3002は円管状のチューブによって形成されている。各チューブの端部に形成される開口部は、貯蔵タンク3003の底部もしくは底部に近い位置に配置され、貯蔵タンク3003内の塗布液を完全に消費し得るようになっている。
また、この実施形態における切換弁3006は、第1流路3001と大気との連通、遮断を切換え得るものであれば、種々のものが適用可能であるが、ここでは図10に示すような三方弁を使用している。この三方弁3006は、互いに連通する3つのポートを有している。このポートのうち2つのポートを、第1流路3001における貯蔵タンク側チューブ3011と、液体保持部材側チューブ3012と、大気連通口3013の中のいずれか二つに選択的に連通させ得るものとなっている。そして、この三方弁3006の切換えにより、チューブ3011とチューブ3012とを連通させる連結状態と、チューブ3012と大気連通口3013とを連通させる連結状態とが選択的に切り換えられる。これにより、液体保持部材2001と塗布ローラ1001とによって形成される空間Sに対し、貯蔵タンク3003内の塗布液あるいは大気連通口3013から取り込まれる空気の何れかを選択して供給することが可能となる。なお、三方弁3006の切換えは、後述の制御部4000からの制御信号によって行われ、塗布液の充填、供給などが行われる。
(制御系)
図12は、本実施形態のインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。同図において、制御部4000は、記録装置全体を制御する制御手段である。この制御部4000は、CPU4001と、ROM4002と、RAM4003などを有している。CPU4001は、後述する搬送制御補正や、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行する。ROM4002は、CPU4001によって実行される処理などの制御プログラムや、図16にて後述する搬送量補正値テーブルなどを格納する。RAM4003は、CPU4001の処理動作中のデータや入力データなどを一時的に格納する。
この制御部4000には、入力操作部4004、表示部4005および検出部4006などが接続されている。入力操作部4004は、所定の指令あるいはデータなどを入力するキーボードあるいは各種スイッチなどを含むものである。また、表示部4005は、液体塗布装置の入力・設定状態などをはじめとする種々の表示を行う。検出部4006は、塗布媒体の位置や各部の動作状態などを検出するセンサなどを含んでいる。また、前記ローラ駆動モータ1004、ポンプ駆動モータ4009、大気連通弁3005および切換弁3006がそれぞれ駆動回路4007,4008,4010,4011を介して接続されている。また、記録機構にかかる搬送モータ4013、キャリッジモータ5015、および記録ヘッド7の駆動を、それぞれの駆動回路5012、5014、ヘッドドライバ5016を介して接続されている。
CPU5001は、搬送モータ4013の駆動によって搬送ローラ4などの回転量を制御することにより、後述する本実施形態の記録媒体の搬送量補正を行う。
(液体塗布動作シーケンス)
図13は、本実施形態の液体塗布装置の液体塗布に係わる処理手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照して、液体塗布にかかる各工程を説明する。
液体塗布装置に電源が投入されると、制御部4000は、図13に示すフローチャートに従って以下の塗布動作シーケンスを実行する。
(充填工程)
ステップS1では、前記塗布空間Sに対する塗布液の充填工程を実行する。この充填工程では、まず、貯蔵タンク3003の大気連通弁3005を大気に開放させると共に、ポンプ3007を一定時間駆動する。これにより、液体塗布空間Sおよび各流路3001,3002内に塗布液が充填されていない場合には、ポンプによって内部の空気が貯留部へと送られて大気へと排出されると共に各部に塗布液が充填される。また、既に各部に塗布液が充填されている場合には、各部の塗布液が流動して適正な濃度および粘度の塗布液が供給される。この初期動作によって、塗布ローラ1001に対し塗布液が供給された状態となり、塗布媒体への塗布が可能となる。
(塗布工程)
ここで、塗布開始指令が入力されると(ステップS2)、再びポンプ3007が作動を開始すると共に(ステップS3)、塗布ローラ1001が時計周りに回転を開始する(ステップS4)。この塗布ローラ1001の回転により、液体保持空間Sに充填された塗布液Lは、塗布ローラ1001に対する液体保持部材2001の当接部材2009の押圧力に抗する。そして、塗布ローラ1001と当接部材2009の下縁部2011との間を摺り抜け、塗布ローラ1001の外周に層状態となって付着する。塗布ローラ1001に付着した塗布液Lは、塗布ローラ1001とカウンターローラー1002との当接部に送られる。
次いで、塗布媒体送給機構1006によって塗布ローラ1001とカウンターローラー1002との間に塗布媒体が搬送される。そして、これらのローラの間に塗布媒体が挿入されるとともに、塗布ローラ1001とカウンターローラー1002の回転に伴い排紙部へ向けて搬送される(ステップS5)。この搬送の間に、塗布ローラ1001の外周面に塗布された塗布液が、図9に示すように塗布ローラ1001から塗布媒体Pに転写される。なお、塗布ローラ1001とカウンターローラー1002との間に塗布媒体を供給する手段としては、上記の送給機構に限られないことは勿論である。例えば、所定のガイド部材を補助的に用いる手差しによる手段を併せて用いてもよく、また、手差し手段を単独で用いる構成など、どのような手段を用いてもよい。
図11において、交差する斜線で表現した部分が塗布液Lを示している。なお、ここでは、塗布ローラ1001および塗布媒体Pにおける塗布液の層の厚みは、塗布時における塗布液Lの様子を明確に図示する上で、実際の厚みよりもかなり過大に表している。
上記のようにして、塗布媒体Pの塗布された部分は塗布ローラ2001の搬送力により矢印方向に搬送されると共に、塗布媒体Pと塗布ローラ2001の接触部に塗布媒体Pの未塗布部分が搬送される。そして、これらの動作を連続もしくは間欠的に行うことで塗布媒体全体に塗布液を塗布して行く。
ところで、図11においては、当接部材2009から摺り抜けて塗布ローラ2001に付着した塗布液Lの全てが塗布媒体Pに転写された理想的な塗布状態を示している。しかしながら、実際には、塗布ローラ1001に付着した塗布液Lの全てが塗布媒体Pに転写されるとは限らない。つまり、搬送される塗布媒体Pが塗布ローラ1001から離間する際、塗布液Lは、塗布ローラ1001にも付着し、塗布ローラ1001に塗布液Lが残留することが多い。この塗布ローラ1001における塗布液Lの残留量は、塗布媒体Pの材質及び表面の微小な凹凸の状態によっても異なるが、塗布媒体Pが普通紙の場合、塗布動作後も普通紙の表面の凸部と接触しなかった部分に塗布ローラ1001の周面には塗布液Lが残留する。
この塗布ローラ1001に残留した塗布液は、塗布ローラ1001に対する液体保持部材2001の当接部材2009の押圧力に抗して、塗布ローラ1001と当接部材2009の上縁部2010との間を摺り抜けて液体保持空間S内に戻る。その結果、同空間S内に充填されている塗布液と混合される。
また、この塗布液の戻し動作は、図14に示すように塗布媒体が存在しない状態で塗布ローラ1001を回転させた場合にも同様に行われる。すなわち、塗布ローラ1001を回転することで塗布ローラ1001の外周に付着した塗布液は、カウンターローラー1002と当接する部分(ニップ部)の間をすり抜ける。すり抜けた後は塗布ローラ1001側とカウンターローラー1002側とに塗布液が分離し、塗布ローラ1001に塗布液が残留する。そして、塗布ローラ1001側に付着した塗布液Lは当接部材2009の上縁部2010と塗布ローラ1001との間をすり抜けて液体保持空間S内に侵入し、同空間S内に充填されている塗布液に混合する。
(終了工程)
上記のようにして、塗布媒体への塗布動作が実行されると、次に塗布工程を終了して良いか否かの判断を行い(ステップS6)、塗布工程を終了しない場合は、ステップS5に戻り、塗布媒体の塗布が必要な部分全体に塗布工程を終了するまで塗布動作を繰り返す。塗布工程を終了すると、塗布ローラ1001を停止させ(ステップS7)、さらに、ポンプ3007の駆動を停止させる(ステップS8)。この後、ステップS2へ移行し、塗布開始指令が入力されていれば、前述のステップS2〜S8の動作を繰り返す。また、塗布開始指令が入力されていなければ、塗布空間Sおよび液体流路内の塗布液を回収する回収動作などの後処理を行い(ステップ9)、塗布にかかる処理を終了する。
なお、上記回収動作は、前記大気連通弁3005および切換弁3006を開放し、ポンプ3007を駆動することによって塗布液を塗布液保持空間Sおよび第2流路3002内の塗布液を液体貯留タンク3003へと流入させることによって行う。この回収動作を行うことにより、液体保持空間Sからの塗布液の蒸発を完全に防止することができる。また、回収動作後は大気連通弁3005を閉じ、切換弁3006を切換えて第1流路3001および大気連通口3013との連通を遮断することにより、貯蔵タンク3003を大気から遮断する。これにより、液体貯蔵タンク3003からの塗布液の蒸発を防止することができると共に、移動、運搬などにおいて装置の姿勢が傾いた場合にも塗布液が外部へ流出するのを完全に防止することができる。
以上のように、この実施形態における液体塗布装置では、液体保持空間Sに充填された塗布液が、塗布ローラ1001の回転によって、塗布ローラ1001に対する当接部材2009の下縁部2011の押圧力に抗して、液体保持空間Sの外側へとすり抜ける。その結果、塗布ローラ1001の周面に層状に供給される。
2.1 記録媒体搬送制御の第1実施形態
本実施形態では、インクと反応する液体である塗布液が塗布された記録媒体が搬送された回数に応じて、記録媒体の搬送補正量を変更するものである。
なお、本実施形態の記録媒体は、普通紙等のインク受容層のない記録媒体に対し記録動作前に塗布ローラを用いてインクと反応する液体である塗布液を塗布する機構が設けられたものであるが、本発明の記録装置はこのようなものに限定されるものではない。すなわち、使用する記録媒体は、普通紙等のインク受容層のない記録媒体に限定されない。コート紙、光沢紙といった一般的な記録媒体はもとより、インク受容層が表層にコーティングされたプリンタブルCDやプリンタブルDVDのような特殊構造をした記録媒体にも適用することができる。また、記録媒体に対し記録動作前に塗布液を塗布するものであるが、本発明はこのようなものに限定されるものではなく、記録動作後に塗布液を塗布するものであってもよい。
図15は、本実施形態の搬送ローラおよび排紙ローラと記録画像の例を示す模式図である。図15(a)は、記録装置の初期状態における例を、図15(b)は、耐久後における例をそれぞれ示している。図15(a)に示すように、初期状態においては搬送ローラ4や排紙ローラ8にはまだ塗布液が転写されておらず、搬送量が適正であることから記録画像につなぎスジは見られない。
一方、図15(b)に示すように、塗布液を塗布された記録媒体Pが搬送されることで、塗布液が搬送ローラ4や排紙ローラ8に転写され、さらに紙粉等も付着することでローラ径が増大して搬送量が増加する。このため、記録画像のつなぎ部分に白スジが発生する。
そこで本実施形態では、塗布液を塗布された記録媒体が搬送された回数をカウントし、その回数に応じて予め本体ROM4002内に記憶された搬送量補正値を設定するものである。搬送された回数は、記録媒体の枚数をカウントしても、記録を開始する命令が入力されてから、その記録が終了するまでの回数をカウントしてもよい。これらのカウントの単位に応じた搬送回数と搬送量補正値の関係が設定されているものであり、搬送回数のカウントの単位、カウント方法について特に限定されるものではない。例えば、塗布液を塗布する記録媒体は装置下部に設置された給紙トレイ、塗布液を塗布しない特殊紙等の記録媒体は装置背面に設置された給紙トレイから給紙される場合は、記録装置下部の給紙トレイから給紙された回数に応じて搬送量補正値を設定してもよい。
本実施形態では、搬送された記録媒体数のカウントは、RAM4003に保存され、一連の搬送動作が終了するごとに、ROM4002内に記憶された搬送量補正値が設定される。
図16は、本実施形態の搬送量補正値と搬送回数を規定したテーブルの例を示す図である。図16(a)は、記録媒体の搬送回数のみに基づき搬送量補正値を設定するためのテーブルである。図16(b)は、塗布液の使用量に基づき搬送量補正値を設定するためのテーブルである。図16(c)は、記録媒体が搬送される領域により、搬送量補正値を変更して設定するためのテーブルである。縦軸は搬送量補正値を示し、横軸は記録媒体の搬送回数を示している。このテーブルは予めROM4002内に記憶されており、一連の搬送動作が終了するごとに、搬送量補正値が設定され、設定された搬送量補正値により搬送量が補正される。そして、補正された搬送量に基づき、駆動回路4012を介して搬送モータ4013が制御される。
なお、本実施形態では、一連の記録動作が終了するごとに、ROM内に記憶された搬送量補正値が設定されるものであるが、搬送量補正値の設定はこのようなタイミングに限定されるものではない。すなわち、搬送量補正値を設定するタイミングは、例えば、予め設定された枚数を超える都度、新たにROM内に記憶された搬送量補正値を設定するものであってもよい。
さらに、塗布液は、図16(b)に示すように、塗布液の使用量をカウントして、塗布液の累積使用量に基づき搬送量補正値を設定してもよい。この場合、インクと同様に交換時期の警告のために使用量をカウントしているため、かかるカウントを使用して、塗布液の累積使用量に応じて、あらかじめ本体ROM内に記憶された搬送量補正値を設定してもよい。
また、両面記録を行なう場合には、表面記録時の搬送と裏面記録時の搬送を別々にカウントすることが好ましい。
次に、図16(c)のテーブルを用いて搬送量補正値を設定する場合について説明をする。
図17は、図16(c)のテーブルを用いて搬送量補正値を設定する場合の、搬送ローラおよび排紙ローラと記録画像の例を示す模式図である。図17(a)は、記録媒体Pが搬送ローラ4のみで搬送される領域(第1領域)の搬送ローラおよび排紙ローラと記録画像の例を示している。図17(b)は、記録媒体Pが搬送ローラ4と排紙ローラ8とで搬送される領域(第2領域)の搬送ローラおよび排紙ローラと記録画像の例を示している。図17(c)は、記録媒体Pが排紙ローラ8のみで搬送される領域(第3領域)の搬送ローラおよび排紙ローラと記録画像の例を示している。
搬送ローラ4は、排紙ローラ8より塗布ローラ1001に近い位置に設置されているため、塗布液がより転写されやすい。そのため、搬送ローラ4の径の変動は、排紙ローラ8の径の変動より大きくなる。このように、搬送ローラ4の径と排紙ローラ8の径がそれぞれに変動すると、第1領域、第2領域および第3領域のそれぞれの領域において搬送量が変動することになる。そこで、これらの3つの領域にそれぞれ補正値を設けて、塗布液を塗布された記録媒体が搬送された回数に応じてあらかじめ本体ROM内に記憶された搬送量補正値を設定する。
図16(c)は、3つの記録領域にそれぞれ補正値を設けた場合の搬送量補正値と搬送回数を規定したテーブルの例を示す図である。第1領域、第2領域および第3領域は、搬送回数に応じたそれぞれの搬送量補正値を有している。このように、記録媒体Pに関与するローラに応じて、すなわち記録媒体Pの搬送領域ごとに搬送量補正値を異ならせることにより、より精度の高い搬送誤差を是正する制御を行なうことができる。
なお、本実施形態の記録装置は、排紙ローラ8は2本設けられているため、2本を区別して扱うと4つの記録領域に分割される。しかしながら、本実施形態では記録媒体の先端部が排紙ローラ1つ目に突入してから排紙ローラ2つ目に突入するまでの領域が狭いため、両方の領域を統合して第一の領域としている。なお、本発明は上述したような搬送ローラと排紙ローラ2つで記録媒体を搬送する系に限定されるものではなく、記録媒体を搬送するローラの数に応じて領域を分け、各々に補正値を設定してもよい。
2.2 記録媒体搬送制御の第2実施形態
本発明の第1の実施形態は、インクと反応する液体である塗布液が塗布された記録媒体が搬送された回数に応じて、記録媒体の搬送補正量変更するものであったが、本実施形態は、さらに搬送された記録媒体の種類に応じて、搬送補正量を変更するものである。
記録媒体への塗布液の浸透速度によって、塗布液の搬送ローラや排紙ローラへの転写の程度は変動する。この浸透速度は、記録媒体の種類によって異なる。例えば、記録媒体に塗布液が塗布されてから搬送ローラに達するまでの時間に対し、記録媒体への塗布液の浸透時間が速い場合、液体は搬送ローラや排紙ローラには転写されにくい。ところが、記録媒体に塗布液が塗布されてから搬送ローラに達するまでの時間に対し、記録媒体への液体の浸透時間が遅い場合、搬送ローラや排紙ローラへの液体の転写が発生する。すなわち、浸透時間が遅い場合には、記録媒体が搬送ローラや排紙ローラを通るときには記録媒体表面は塗布液で濡れているため、搬送ローラや排紙ローラへの液体の転写が発生する。このような状況下において、本実施形態では、入力操作部4005等により入力された記録媒体の種類に応じた搬送量補正値と搬送回数を規定したテーブルにより搬送量補正を行うものである。
図18は、ドライバユーザインターフェイスの例を示す図である。本実施形態のユーザインターフェイスでは、普通紙、はがき、写真用紙を選択することができる。ユーザがユーザインターフェイス(入力操作部4005)により使用する記録媒体を選択することにより、記録媒体に応じた搬送量補正値と搬送回数が設定される。
図19は、本実施形態の搬送量補正値と搬送回数を規定したテーブルの例を示す図である。塗布液の浸透速度が速い記録媒体、浸透速度が中位の記録媒体、浸透速度が遅い記録媒体の搬送量補正値と搬送回数がそれぞれ規定されている。ドライバユーザインターフェイス上で選択された記録媒体の種類と、記録媒体の累積記録枚数から、あらかじめ本体ROM内に記憶された、記録媒体への液体の浸透速度に応じて重み付けされた搬送量補正値が設定される。
なお、本実施形態では、ユーザが記録媒体の種類を入力することにより使用する記録媒体が選択されるものであるが、本発明はこのようなものに限定されない。例えば、記録装置が記録品位、記録速度等に応じて、浸透速度の速い記録媒体、中位の記録媒体、遅い記録媒体を自動的に選択するようなものであってもよい。また、本実施形態のテーブルは、塗布液の浸透速度は3種類の記録媒体に対応した3段階であったが、本発明はこのようなテーブルに限定されるものではない。すなわち、対応する記録媒体は2種類であっても、4種類以上であってもよく、浸透速度も3段階でなくてもよい。また、1つの段階の浸透速度の搬送量補正値と搬送回数との関係を、複数の記録媒体に対応させたものであってもよい。
2.3 記録媒体搬送制御の第3実施形態
本発明の第1および第2の実施形態は、さらに記録装置の環境温度に応じて、搬送補正量を変更するものであってもよい。温度が変動すると、塗布液の粘度が変動するため、液体の搬送ローラや排紙ローラへの転写の程度も変動する。
図20は、塗布液の粘度と記録装置の環境温度の関係を示す図である。縦軸は塗布液の粘度を示し、横軸は記録装置の環境温度を示している。一般に、環境温度が低くなると液体の粘度は高くなり、塗布液の粘度が高くなると、液体が搬送ローラや排紙ローラに転写しやすくなる。一方、環境温度が高くなると液体の粘度は低くなり、塗布液の粘度が低くなると、液体が搬送ローラや排紙ローラに転写しにくくなる。
そこで、機内に設置されたサーミスタ等の温度センサを用いた検出部4006により環境温度を取得し、あらかじめ本体ROM内に記憶された、環境温度に応じて重み付けされた搬送量補正値が設定される。
図21は、本実施形態の搬送量補正値と搬送回数を規定したテーブルの例を示す図である。記録装置の環境温度が高い場合、環境温度が中位の場合、環境温度が低い場合の搬送量補正値と搬送回数がそれぞれ規定されている。検出部4006により取得された環境温度と、記録媒体の累積記録枚数から、あらかじめ本体ROM内に記憶された、記録媒体への液体の浸透速度に応じて重み付けされた搬送量補正値が設定される。
2.4 その他
上述した実施形態は、さらに、塗布部にクリーニング制御部を備えたものであってもよい。この場合、記録媒体の搬送回数が所定の回数に達した場合に、転写物を取り除くために片面が粘着テープになっているシート(以下、クリーニングシートと呼ぶ)を通すよう指示する構成を備えるものであってもよい。例えば、塗布液が塗布された記録媒体が5000枚搬送されたときに、ユーザに対しクリーニングシートを搬送ローラ4および排紙ローラ5に通して転写物を取り除くようドライバユーザインターフェイス上で指示を行う。また、クリーニングシートを通した後、搬送量補正値を初期値(初期状態)に戻し、上述した実施形態に示したように、再び搬送ローラ径および排紙ローラ径の増加量を推測し搬送量補正値を設定する。
また、本発明は、ワイヤドット方式、感熱方式、昇華・熱転写方式、電子写真方式、銀板写真方式等による記録方式であってもよく、記録方式は上述したインクジェット方式に限定されるものでない。また、フルラインタイプの記録方式であっても、シリアルタイプの記録方式であってもよい。
本発明の第1実施形態のインクジェット記録装置の概略構成を示す図である。 本発明の第1実施形態のインクジェット記録装置の要部を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態の塗布ローラ、カウンターローラーおよび液体保持部材などの配置の一例を示す説明縦断側面図である。 本発明の第1実施形態の液体保持部材の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態の液体保持部材の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態の液体保持部材の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態の液体保持部材の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態の液体保持部材の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態の液体保持部材の構成を示す図である。 本発明の塗布液供給手段の液体保持部材に連結される液体流路の概略構成を示す説明図である。 本発明の第1実施形態の塗布ローラの回転により塗布媒体に液体が塗布されている状態を示す縦断断面図である。 本実施形態のインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態の液体塗布装置の液体塗布に係わる処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態の塗布ローラの回転により塗布媒体に液体が塗布されている状態を示す縦断断面図である。 本発明の第1実施形態の搬送ローラおよび排紙ローラと記録画像の例を示す模式図である。 本発明の第1実施形態の搬送量補正値と搬送回数を規定したテーブルの例を示す図である。 本発明の第1実施形態の搬送ローラおよび排紙ローラと記録画像の例を示す模式図である。 本発明の第2実施形態のドライバユーザインターフェイスの例を示す図である。 本発明の第2実施形態の搬送量補正値と搬送回数を規定したテーブルの例を示す図である。 本発明の第3実施形態の塗布液の粘度と記録装置の環境温度の関係を示す図である。 本発明の第3実施形態の搬送量補正値と搬送回数を規定したテーブルの例を示す図である。 従来の搬送ローラ径と搬送量および記録画像の関係を示す図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 給紙トレイ
3 分離ローラ
4 搬送ローラ
5 ピンチローラ
6 プラテン
7 記録部
8 排紙ローラ
9 排紙拍車
10 排紙トレイ
100 液体塗布装置
1001 塗布ローラ
4000 制御部
4001 CPU
4002 ROM
4003 RAM
4004 入力操作部
4005 表示部
4006 検出部

Claims (9)

  1. 記録媒体を搬送するための複数のローラと、該記録媒体に記録を行う記録部と、塗布液を該記録媒体に塗布する塗布部とを具える記録装置であって、
    前記複数のローラのそれぞれの搬送誤差を補正するための搬送量補正値に基づいて記録媒体の搬送を制御する搬送制御手段、を具え、
    前記搬送制御手段は、前記複数のローラに転写された前記塗布液の量を推測して前記搬送量補正値を取得することを特徴とする記録装置。
  2. 前記搬送制御手段は、前記塗布液が塗布された記録媒体が搬送された回数に応じた前記搬送量補正値を取得することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記搬送制御手段は、前記塗布液の累積使用量に応じた前記搬送量補正値を取得することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  4. 前記搬送制御手段は、前記記録媒体上の複数の記録領域に応じて前記搬送量補正値を切り替えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の記録装置。
  5. 前記搬送制御手段は、前記記録媒体の給紙方法に応じた前記搬送量補正値を取得することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の記録装置。
  6. 前記搬送制御手段は、前記記録媒体の種類に応じた前記搬送量補正値を取得すること特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の記録装置。
  7. 前記搬送制御手段は、前記記録装置の環境温度に応じた前記搬送量補正値を取得すること特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の記録装置。
  8. 前記記録装置は、さらに、前記塗布液が塗布された記録媒体が搬送された回数が所定の回数を超えた場合、前記搬送ローラおよび前記排紙ローラをクリーニングする指示を行うクリーニング制御手段を備え、
    前記クリーニングが行われると、前記搬送量補正値を初期値に設定することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の記録装置。
  9. 記録媒体を搬送するための複数のローラと、該記録媒体に記録を行う記録部と、塗布液を該記録媒体に塗布する塗布部とを具える記録装置により記録を行なう記録方法であって、
    前記複数のローラのそれぞれの搬送誤差を補正するための搬送量補正値に基づいて記録媒体の搬送を制御する搬送制御工程、を具え、
    前記搬送制御工程は、前記複数のローラに転写された前記塗布液の量を推測して前記搬送量補正値を取得することを特徴とする記録方法。
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