JP2015163442A - 液体付与装置、及び、プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送ローラへの付着物の量を精確に把握することができる液体付与装置を提供する。
【解決手段】ローラ対24は、主走査方向に延在する第1ローラ24x、及び、第1ローラ24xと接触する第2ローラ24ya〜24ydを含む。制御部は、用紙Pにおける領域A〜Dに対する液体付与量を示すデータ(吐出量QA〜QD)に基づいて、ローラ対24における付着物の量の推定値XA〜XDを算出する。
【選択図】図7

Description

本発明は、記録媒体に対して液体を付与する液体付与装置、及び、プログラムに関する。
液体付与装置の一例として、特許文献1に、インクジェット記録装置1が開示されている。装置1は、図1に示すように、搬送ローラ4及びピンチローラ5を含むローラ対と、ローラ対よりも搬送方向の上流側に配置された塗布ローラ1001(液体付与部)とを含む。塗布ローラ1001は、カウンターローラ1002とで記録媒体を挟持し、塗布ローラ1001の外周面に供給された液体を記録媒体全体に付与する。
特許文献1では、液体が付与された記録媒体が搬送されることで、ローラ対に液体が移り、さらに紙粉等もローラ対に付着することで、ローラ対を構成するローラの径が増加して、搬送精度が悪化し、ひいては画質が悪化し得る、という問題が示されている(段落0059参照)。特許文献1では、記録媒体が搬送された回数(請求項2)、液体の使用量(請求項3)等に基づいて、ローラ対に付着した付着物の量を推定している。
特開2010−143014号公報
特許文献1において、液体付与部は、記録媒体全体に液体を付与する。本願発明者は、液体消費量抑制の観点等から、搬送方向と直交する第1方向に関して部分的に液体を付与可能な液体付与部の採用を検討した。そして本願発明者は、記録媒体の領域全体に付与される液体の総量が同じ場合であっても、記録媒体の領域の一部に比較的多くの液体を付与した場合と、記録媒体の領域全体に略均一に液体を付与した場合とでは、ローラ径の増加による搬送精度への影響度合いが異なる(具体的には、前者の方が後者よりも搬送精度が悪化し易い)ことを知見した。したがって、第1方向に関して部分的に液体を付与可能な液体付与部を採用した場合、特許文献1で示されている推定方法では、付着物の量を精確に把握することができない。
本発明の目的は、付着物の量を精確に把握することができる、液体付与装置及びプログラムを提供することにある。
本発明に係る液体付与装置は、第1方向に延在する第1ローラ、及び、前記第1ローラと接触する第2ローラを含み、前記第1ローラと前記第2ローラとが記録媒体を挟持しつつ回転することにより、記録媒体を前記第1方向と直交する第2方向に搬送するように構成された、ローラ対と、前記ローラ対よりも前記第2方向の上流側に配置された液体付与部であって、前記第1方向に関して部分的に液体を付与可能に構成された、液体付与部と、前記ローラ対の駆動及び前記液体付与部を制御する、制御部と、を備え、前記制御部は、前記ローラ対によって搬送される記録媒体における前記第1方向に沿って並ぶ複数の領域に対して前記液体付与部が付与する液体の量を示す液体量データに基づいて、前記ローラ対に付着した付着物の量の推定値を算出する、算出処理を行うことを特徴とする。
本発明に係るプログラムは、第1方向に延在する第1ローラ、及び、前記第1ローラと接触する第2ローラを含み、前記第1ローラと前記第2ローラとが記録媒体を挟持しつつ回転することにより、記録媒体を前記第1方向と直交する第2方向に搬送するように構成された、ローラ対と、前記ローラ対よりも前記第2方向の上流側に配置された液体付与部であって、前記第1方向に関して部分的に液体を付与可能に構成された、液体付与部と、前記ローラ対の駆動及び前記液体付与部を制御する、制御部と、を備えた液体付与装置において、前記制御部を、前記ローラ対によって搬送される記録媒体における前記第1方向に沿って並ぶ複数の領域に対して前記液体付与部が付与する液体の量を示す液体量データに基づいて、前記ローラ対に付着した付着物の量の推定値を算出する、算出処理手段として機能させることを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体における第1方向に沿って並ぶ複数の領域に対する液体付与量を示す液体量データに基づいて、付着物の量の推定値を算出する。これにより、付着物の量を精確に把握することができる。さらに、当該推定値に基づいて適宜の処理(ローラ対の清掃、搬送補正等)を行うことで、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を、より確実に抑制することができる。また、推定値に基づいてローラ対の清掃を行う場合に、推定値の精度が悪いと、清掃頻度が高過ぎることにより、ローラ対の摩耗、ユーザの手間やコストがかかる、といった問題が生じたり、或いは、清掃頻度が低過ぎることにより、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を抑制することができない、といった問題が生じたりし得る。これに対し、本発明によれば、高精度の推定値を算出できるため、上記問題を軽減することができる。
前記ローラ対は、前記第1方向に互いに離隔して配置された、複数の前記第2ローラを含み、前記複数の領域は、前記複数の第2ローラのそれぞれと接触すると共に前記第2方向に延在する領域であってよい。上記構成によれば、算出処理において、第2ローラのそれぞれと接触する複数の領域に対する液体付与量を示す液体量データに基づいて、付着物の量の推定値を算出する。これにより、付着物の量を精確に把握することができる。
前記複数の第2ローラは、前記第1ローラに対する圧接力が互いに異なるものを含み、前記複数の領域は、前記複数の第2ローラの少なくともいずれかと接触する第1領域、及び、前記複数の第2ローラのうちの前記第1領域と接触する第2ローラよりも前記圧接力が大きい第2ローラと接触する第2領域を含み、前記制御部は、前記第2領域に対して付与される液体の量の重み付けが前記第1領域に対して付与される液体の量の重み付けよりも大きな値に設定されている重み付けデータを考慮して、前記算出処理を行ってよい。第1ローラと第2ローラとの圧接力が大きい部分ほど、記録媒体から液体が移り易い。上記構成は、この傾向に鑑みたものであり、より高精度の推定値を算出することができる。
前記複数の第2ローラは、表面粗さが互いに異なるものを含み、前記複数の領域は、前記複数の第2ローラの少なくともいずれかと接触する第3領域、及び、前記複数の第2ローラのうちの前記第3領域と接触する第2ローラよりも前記表面粗さが大きい第2ローラと接触する第4領域を含み、前記制御部は、前記第4領域に対して付与される液体の量の重み付けが前記第3領域に対して付与される液体の量の重み付けよりも大きな値に設定されている重み付けデータを考慮して、前記算出処理を行ってよい。表面粗さが大きいローラほど、記録媒体と接触したときに液体が移り易い。上記構成は、この傾向に鑑みたものであり、より高精度の推定値を算出することができる。
本発明に係る液体付与装置は、前記重み付けデータを記憶する、記憶部を備え、前記制御部は、前記記憶部から読み出された前記重み付けデータを考慮して、前記算出処理を行ってよい。上記構成によれば、外部装置の記憶部から重み付けデータを読み出す場合に比べ、算出処理を迅速に行うことができる。
前記複数の第2ローラは、前記第1ローラと接触する接触位置と前記第1ローラから離隔した離隔位置とを取り得る、少なくとも1つの移動ローラを含み、前記制御部は、前記複数の第2ローラのうち前記移動ローラ以外の第2ローラと前記接触位置を取る前記移動ローラとに対応する前記領域に対して前記液体付与部が付与する液体の量を示す液体量データに基づいて、前記算出処理を行ってよい。記録媒体の領域のうち、第2ローラと接触する領域は、第2ローラと接触しない領域に比べ、ローラ径の増加への影響度合いが高い。上記構成は、この傾向に鑑みたものであり、より高精度の推定値を算出することができる。
前記制御部は、前記算出処理において算出された推定値が第1閾値を超えているか否かを判断する、第1判断処理と、前記第1判断処理において前記推定値が前記第1閾値を超えていると判断した場合に、前記ローラ対を清掃する旨を示す信号を出力する、出力処理と、をさらに行ってよい。上記構成によれば、出力処理に応じてローラ対が清掃されることで、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を、より確実に抑制することができる。
前記制御部は、前記算出処理において、前記複数の領域のそれぞれに対応する複数の前記推定値を算出し、前記第1判断処理において、前記算出処理において算出された前記複数の推定値の少なくとも1つが前記第1閾値を超えているか否かを判断し、前記第1判断処理において前記少なくとも1つが前記第1閾値を超えていると判断した場合に、前記出力処理を行ってよい。上記構成によれば、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を、より一層確実に抑制することができる。
前記制御部は、前記算出処理において算出された推定値に基づいて、前記ローラ対の回転量を補正するための補正値を決定する、決定処理をさらに行ってよい。上記構成によれば、補正値に基づいてローラ対の回転量を補正することで、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を、より確実に抑制することができる。
前記制御部は、前記算出処理において算出された推定値が第2閾値を超えているか否かを判断する、第2判断処理をさらに行い、前記第2判断処理において前記推定値が前記第2閾値を超えていると判断した場合に、前記決定処理を行ってよい。上記構成によれば、適切なタイミングで補正値を決定することで、制御の簡素化を実現しつつ、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を抑制することができる。
前記制御部は、前記算出処理において算出された推定値が第1閾値を超えているか否かを判断する、第1判断処理と、前記第1判断処理において前記推定値が前記第1閾値を超えていると判断した場合に、前記ローラ対を清掃する旨を示す信号を出力する、出力処理と、前記第1判断処理において前記推定値が前記第1閾値を超えていないと判断した場合に、前記算出処理において算出された推定値が前記第1閾値よりも小さい第2閾値を超えているか否かを判断する、第2判断処理と、前記第2判断処理において前記推定値が前記第2閾値を超えていると判断した場合に、前記算出処理において算出された推定値に基づいて、前記ローラ対の回転量を補正するための補正値を決定する、決定処理と、をさらに行ってよい。上記構成によれば、段階的に判断及び処理を行うことで、清掃頻度を低減しつつ、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を抑制することができる。
本発明に係る液体付与装置は、前記ローラ対よりも前記第2方向の下流側に配置され、記録液を吐出するように構成された、記録液吐出部を備え、前記液体付与部は、前記記録液と反応して前記記録液中の成分を凝集又は析出させる処理液を吐出するように構成された、処理液吐出部であってよい。液体付与部が記録液吐出部である場合は、画質の悪化抑制の観点から、ローラ対として拍車ローラを採用するのが一般的である。一方、上記構成のように、液体付与部が処理液吐出部である場合は、記録媒体に対する搬送精度を確保する観点から、ローラ対としてニップローラを採用することが考えられる。ニップローラは拍車ローラに比べて記録媒体との接触面積が大きく記録媒体から液体が移り易いため、本発明は上記構成において特に有効である。
前記液体量データは、前記記録液吐出部が前記記録液を吐出するための吐出データに基づくものであってよい。上記構成によれば、制御部は、処理液吐出部が処理液を吐出するための吐出データを画像データに基づいて別途生成する必要がない。したがって、制御の簡素化を実現可能である。
本発明によれば、記録媒体における第1方向に沿って並ぶ複数の領域に対する液体付与量に基づいて、付着物の量の推定値を算出する。これにより、付着物の量を精確に把握することができる。
本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの内部を示す概略側面図である。 図1に示すプリンタに含まれる各ヘッドの部分断面図である。 図1に示すプリンタに含まれるローラ対及び移動部を示す概略側面図である。 図1に示すプリンタの電気的構成を示すブロック図である。 図1に示すプリンタの制御部が実行する制御内容を示すフロー図である。 図5に示すS4(算出処理)を示すフロー図である。 図5に示すS4(算出処理)の処理を説明するための説明図である。 図7に示す係数Cp,Chを説明するための説明図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1等を参照し、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタ1の全体構成について説明する。
プリンタ1は、図1に示すように、筐体1a、処理液吐出ヘッド10x、インク吐出ヘッド10y、プラテン5x,5y、搬送ユニット20、収容部3、受容部4、用紙センサ6、及び制御部100を含む。ヘッド10x,10y、プラテン5x,5y、搬送ユニット20、収容部3、用紙センサ6、及び制御部100は、筐体1a内に配置されている。受容部4は、筐体1aの天板上部に設けられている。
ヘッド10x,10yは、互いに同じ構成であり、それぞれ主走査方向に長尺な略直方体形状を有するラインヘッドである。各ヘッド10x,10yは、図2に示すように、流路ユニット12及びアクチュエータユニット17を含む。
流路ユニット12は、4枚のプレート12a,12b,12c,12dを積層した積層体であり、内部に流路が形成されており、下面に複数の吐出口14aが開口している。ヘッド10x,10yの吐出口14aからは、それぞれ、処理液及びブラックインク(以下、これらを「液体」と総称する場合がある。)が吐出される。処理液は、インク中の顔料色素を凝集させることにより、インクの滲みや裏抜けを防止する機能、インクの発色性や速乾性を向上させる機能等を有する液体である。処理液は、カチオン系高分子や、マグネシウム塩等の多価金属塩を含有してよい。流路ユニット12の内部に形成された流路は、1のマニホールド流路13及び複数の個別流路14を含む。個別流路14は、吐出口14a毎に設けられており、マニホールド流路13の出口から圧力室16を介して吐出口14aまで延在している。マニホールド流路13は、液体を貯留するタンク(図示略)と連通している。タンクからマニホールド流路13に供給された液体が、個別流路14を通り、吐出口14aから吐出される。
アクチュエータユニット17は、振動板17a、圧電層17b、及び、複数の個別電極17cを積層した積層体である。振動板17aは、流路ユニット12の上面に固定され、複数の圧力室16を閉鎖している。圧電層17bは、振動板17aの上面に固定され、複数の圧力室16と対向している。複数の個別電極17cは、圧電層17bの上面に固定され、複数の圧力室16のそれぞれと対向している。アクチュエータユニット17における各個別電極17cと各圧力室16とで挟まれた部分は、圧力室16毎に個別のユニモルフ型アクチュエータとして機能し、各個別電極17cへの電圧の印加に応じて、独立して変形可能である。アクチュエータが圧力室16に向かって凸となるように変形することにより、圧力室16の容積が減少し、圧力室16内の液体に圧力が付与され、吐出口14aから液体が吐出される。このように、複数の個別電極17cに対して選択的に電圧を印加することにより、各ヘッド10x,10yは、複数の吐出口14aから選択的に液体を吐出することができる。即ち、各ヘッド10x,10yは、主走査方向に関して、部分的に液体を付与可能に構成されている。
プラテン5x,5yは、図1に示すように、ヘッド10x,10yのそれぞれに対して設けられており、対応するヘッド10x,10yの下方に配置されている。プラテン5x,5yの上面と対応するヘッド10x,10yの下面との間には、記録に適した所定の間隙が形成されている。
搬送ユニット20は、用紙Pを収容部3からヘッド10x,10yとプラテン5x,5yとの間を経由して受容部4まで搬送するように構成されており、給紙ローラ21、ローラ対22〜27、及びガイド29a〜29eを含む。
給紙ローラ21は、収容部3内で最も上方にある用紙Pと接触する位置に配置されている。給紙ローラ21は、制御部100の制御によって給紙モータ21M(図4参照)が駆動されることで回転する。これにより、収容部3内で最も上方にある用紙Pが収容部3から送り出される。
各ローラ対22〜27は、互いに接触する2つのローラを含み、用紙Pを当該2つのローラで挟持しつつ搬送するように構成されている。各ローラ対22〜27を構成する2つのローラの一方は、駆動ローラであり、制御部100の制御によって搬送モータ20M(図4参照)が駆動されることで回転する。各ローラ対22〜27を構成する2つのローラの他方は、従動ローラであり、駆動ローラの回転に伴い、駆動ローラと接触しながら駆動ローラと逆の方向に回転する。ローラ対22〜27の回転により、給紙ローラ21によって収容部3から送り出された用紙Pがヘッド10x,10yの下方を経由して受容部4に向けて搬送される。
ガイド29a〜29eは、それぞれ、用紙Pの搬送経路を画定するように構成されており、互いに間隙を介して離隔配置された一対の板を含む。
収容部3は、上面が開口したトレイからなり、筐体1aに対して副走査方向に着脱可能である。収容部3及び受容部4は、複数の用紙Pをそれぞれ収容及び受容可能であると共に、複数種類のサイズの用紙Pをそれぞれ収容及び受容である。
副走査方向は、水平面に平行である。主走査方向(第1方向)は、水平面に平行で、かつ、副走査方向と直交する方向である。鉛直方向は、副走査方向及び主走査方向と直交する方向である。また、搬送ユニット20による用紙Pの搬送方向において、ヘッド10x,10y下におけるローラ対23〜25による搬送方向(第2方向)(以下、単に「搬送方向」という。)は、副走査方向に平行であり、図1において左から右に向かう方向である。
制御部100は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)100a、ROM(Read Only Memory)100b、RAM(Random Access Memory:不揮発性RAMを含む)100c、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、I/F(Interface)、I/O(Input/Output Port)等を含む。ROM100bは、CPU100aが実行するプログラム、後述の重み付けデータを含む各種固定データ等を記憶している。RAM100cは、プログラム実行時に必要なデータを一時的に記憶する。ASICは、画像データの書き換えや並び替え(例えば、信号処理や画像処理)を行う。I/Fは、外部装置(例えば、プリンタ1に接続されたPC)とのデータ送受信を行う。I/Oは、各種センサの検出信号の入力/出力を行う。
次いで、図3を参照し、ローラ対24の構成について説明する。
ローラ対24は、上述のように搬送ユニット20の一部であり、処理液吐出ヘッド10xよりも搬送方向の下流側に配置されている。処理液吐出ヘッド10xは、部分的に液体を付与可能に構成されており、本発明の液体付与部及び処理液吐出部に相当する。インク吐出ヘッド10yは、ローラ対24よりも搬送方向の下流側に配置されており、本発明の記録液吐出部に相当する。本実施形態では、ローラ対24に着目し、ローラ対24に付着した付着物の量を推定する。
ここで、ローラ対24に付着物が付着する過程、及び、付着物による弊害について、説明する。収容部3から搬送された用紙Pが、ヘッド10xとプラテン5xとの間を通過する。このとき、複数の吐出口14aのうち液体を吐出すべき吐出口14aから液体が吐出され、用紙Pに液体が付与される。当該用紙Pがさらに搬送方向下流側に搬送されると、用紙Pにおける液体が付与された部分が、ローラ対24に挟持される。すると、用紙Pにおける第2ローラ24ya〜24ydと接触する領域に付与された液体が、第2ローラ24ya〜24ydに付着する。そして、用紙Pの後端がローラ対24を抜けると、第2ローラ24ya〜24ydに付着した液体が、第1ローラ24xに移る。このように、液体が付与された用紙Pがローラ対24により搬送されることで、第1ローラ24x及び第2ローラ24ya〜24ydに液体が付着する。さらに、上記のように用紙Pに付与された液体のみならず、各ヘッド10x,10yの吐出口14aから生じるミスト、用紙Pから生じる紙粉等も、ローラ24x,24yに付着し得る。したがって、ローラ24x,24ya〜24ydの外周面において、液体と紙粉とが混ざり、これらが付着物となって、ローラ24x,24ya〜24ydの径を増加させる。ローラ24x,24ya〜24ydの径が増加すると、搬送精度が低下する。特に、駆動ローラである第1ローラ24xの径が増加すると、搬送速度が増大し、搬送精度が低下する。
ローラ対24は、図3に示すように、駆動ローラである1つの第1ローラ24x、及び、従動ローラであると共に第1ローラ24xの上方に配置された4つの第2ローラ24ya〜24ydを含む。第1ローラ24xは、主走査方向に延在し、主走査方向に沿った軸24x1を有する。第2ローラ24ya〜24ydは、主走査方向に互いに離隔して配置されており、それぞれ主走査方向に沿った軸24ya1〜24yd1を有する。軸24x1は、搬送モータ20M(図4参照)に接続されており、制御部100の制御によって搬送モータ20Mが駆動されることで回転する。これに伴い、第1ローラ24xが回転し、第1ローラ24xと接触する第2ローラ24ya〜24ydが第1ローラ24xと逆の方向に回転する。このように、ローラ対24は、第1ローラ24xと第2ローラ24ya〜24ydとが用紙Pを挟持しつつ回転することにより、用紙Pを搬送方向に搬送するように構成されている。
軸24ya1〜24yd1は、移動部30によって回転可能に支持されている。
移動部30は、4つのホルダ31a〜31d、4つのアーム32a〜32d、4つのばね30s、及び4つのソレノイド33a〜33dを含む。ホルダ31a〜31d、アーム32a〜32d、ばね30s、及びソレノイド33a〜33dは、第2ローラ24ya〜24ydのそれぞれに対して設けられている。各ホルダ31a〜31dは、対応する軸24ya1〜24yd1における第2ローラ24ya〜24ydの主走査方向両端面から突出した部分を回転可能に支持している。即ち、各ホルダ31a〜31dにおける主走査方向の各側壁に、軸24ya1〜24yd1よりも一回り大きなサイズの貫通孔が形成されており、当該貫通孔に軸24ya1〜24yd1が貫挿されている。各アーム32a〜32dは、対応するホルダ31a〜31dの上面から上方に延びている。各アーム32a〜32dは、支持板1pに形成された各貫通孔に貫挿されており、支持板1pよりも下方に配置された下部と、支持板1pよりも上方に配置された上部とを含む。支持板1pは、筐体1aに固定されている。各ばね30sは、対応するアーム32a〜32dの下部に巻回されており、対応するホルダ31a〜31dを下方に付勢している。各ソレノイド33a〜33dは、対応するアーム32a〜32dの上面に固定された突出部33tを含む。
制御部100の制御によってソレノイド33a〜33dが駆動し、突出部33tが伸縮することで、ホルダ31a〜31dが上下に移動する。これにより、第2ローラ24ya〜24ydが、第1ローラ24xと接触する接触位置と、第1ローラ24xから離隔した離隔位置とを取り得る。即ち、第2ローラ24ya〜24ydは、本発明の移動ローラに対応する。図3では、第2ローラ24ya,24ycが接触位置にあり、第2ローラ24yb,24ydが離隔位置にある。
このように移動部30によって第2ローラ24ya〜24ydを移動させることで、ローラ対24の寿命を延ばしたり、用紙Pに腰を与えて良好な搬送を実現したりすることができる。例えば、所定枚数毎に搬送に用いる第2ローラ24ya〜24ydを切り換える(例えば、第2ローラ24ya,24ycの組と第2ローラ24yb,24ydの組とを交互に用いる場合、n枚目の用紙Pに対する記録時は、上記2つの組のうちの一方を接触位置、他方を離隔位置とし、n+1枚目の用紙Pに対する記録時は、他方を離隔位置、一方を接触位置とする)ことで、ローラ対24の摩耗を抑制して寿命を延ばすことができる。また、第2ローラ24ya,24ydが用紙Pの幅方向端部よりも外側に位置するために用紙Pの搬送に寄与しない場合や、用紙Pの幅方向両端近傍を挟持しなくとも用紙Pの腰によって適切な搬送を期待できる場合、第2ローラ24ya,24ydを離隔位置とする。これにより、第2ローラ24ya,24ydの摩耗を抑制することができる。また、図3に示すように第2ローラ24ya,24ycを接触位置、第2ローラ24yb,24ydを離隔位置(又は、第2ローラ24ya,24ycを離隔位置、第2ローラ24yb,24ydを接触位置)とすることで、用紙Pに対して主走査方向に沿った波形状を付与し、用紙Pに腰を与えて、良好な搬送を実現することができる。
次いで、図5等を参照し、制御部100が実行する制御内容について説明する。制御部100は、プリンタ1の電源がONの間、図5に示すルーチンを繰り返し実行する。
制御部100は、先ず、外部装置から記録指令を受信したか否かを判断する(S1)。記録指令を受信していない場合(S1:NO)、制御部100は、S1の処理を繰り返す。記録指令を受信した場合(S1:YES)、制御部100は、1枚の用紙Pに対する記録が行われるように、各部を制御する(S2)。S2において、制御部100は、給紙モータ21M及び搬送モータ20Mを制御して、収容部3内で最も上方にある用紙Pを搬送し、さらに用紙センサ6からの信号に基づいてヘッド10x,10yを制御して、用紙P上に液体を吐出させる。これにより、当該用紙Pに対する記録が行われる。
S2の後、制御部100は、受信した記録指令を参照し、次の用紙Pに対する記録を行うか否かを判断する(S3)。次の用紙Pに対する記録を行わない場合(S3:NO)、制御部100は、当該ルーチンを終了する。次の用紙Pに対する記録を行う場合(S3:YES)、制御部100は、付着量の推定値を算出する(S4:算出処理)。ここで、付着量とは、ローラ対24に付着した付着物の量を意味する。
S4において、制御部100は、図7に示すように、用紙P上に画像Iを形成する際に4つの領域A〜Dに対して処理液吐出ヘッド10xが付与する液体の量を示す液体量データ(吐出量QA〜QD)に基づいて、付着量の推定値を算出する。4つの領域A〜Dは、用紙Pにおける第2ローラ24ya〜24ydのそれぞれと接触する領域である。換言すると、4つの領域A〜Dは、第2ローラ24ya〜24ydのそれぞれと主走査方向に重なる領域である。各領域A〜Dは、用紙Pの先端から後端まで、搬送方向に延在している。吐出量QA〜QDは、処理液吐出ヘッド10xにおいて4つの領域A〜Dのそれぞれと主走査方向に重なる領域10xA〜10xDに配置された複数の吐出口14aから、1枚の用紙Pにおける領域A〜Dのそれぞれに対して吐出される処理液の量の総量である。
本実施形態では、S4において、制御部100は、領域A〜D毎に、付着量の推定値XA〜XDを算出する。即ち、推定値XA〜XDは、領域A〜Dのそれぞれに対応する個別の値である。
S4について、具体的には、図6に示すように、制御部100は、先ず、今回(即ち、本S4の直前のS2で)記録が行われたn枚目の用紙Pによってローラ対24に付着したと推定される付着物の量を示す値YA〜YDを算出する(S4a)。YA〜YDは、用紙P毎の値である。S4aの後、制御部100は、RAM100cから推定値XA〜XD(本S4よりも前のS4で算出された推定値。即ち、1枚目からn−1枚目までの用紙Pについて算出された累積値である推定値。n=1の場合は、初期値(ゼロ))を読み出し、当該読み出した値に、S4aで算出した値YA〜YDを加算する(S4b)。S4bの後、制御部100は、S4bで加算して得られた値(1枚目からn枚目までの用紙Pについて算出された累積値である推定値)を、新たな推定値XA〜XDとしてRAM100cに記憶させる(即ち、RAM100cに記憶されている推定値XA〜XDを更新する)(S4c)。
このように、本実施形態において、各推定値XA〜XDは、用紙P毎に、吐出量QA〜QDと用紙種に関する係数Cpと湿度に関する係数Chとを乗じた値YA〜YDを算出し、さらに、用紙Pの枚数に応じて当該値YA〜YDを積算することで、算出される。ここで、係数Cp,Chは、用紙P毎の値(即ち、1枚の用紙Pにおける4つの領域A〜Dで共通の値)であるのに対し、吐出量QA〜QDは、用紙P毎かつ領域A〜D毎の値である。
係数Cpは、図8(a)に示すように、用紙種(普通紙、厚紙、光沢紙等)毎に定められている。例えば、厚みが大きいほど、また、光沢等の表面加工が施されたものほど、係数Cpの値が大きい。用紙Pの厚みが多いほど、ローラ対24により挟持された際に、用紙Pが第2ローラ24ya〜24ydに対して強く圧接され、用紙Pに付与された液体が第2ローラ24ya〜24ydに移り易い。よって、用紙Pの厚みが大きいほど、ローラ対24に付着する液体の量が多くなる傾向がある。また、光沢等の表面加工が施された用紙Pは、表面加工が施されていない用紙Pと比較して、用紙Pに付与された液体が、用紙Pの表面に留まり易く、用紙P内部に浸透し難い。このため、表面加工が施された用紙Pに付与された液体は、第2ローラ24ya〜24ydに移り易い。よって、表面加工が施された用紙Pほど、ローラ対24に付着する液体の量が多くなる傾向がある。係数Chは、図8(b)に示すように、湿度に応じて定められている。湿度が大きくなるほど、係数Chの値が小さい。係数Cp,Chの情報は、ROM100bに記憶されている。制御部100は、記録指令に含まれる用紙種を示すデータに基づいてROM100bから係数Cpの値を読み出し、また、筐体1a内に設けられた湿度センサ7(図4参照)からの信号に基づいてROM100bから係数Chの値を読み出し、これら読み出した値をS4で用いる。
吐出量QA〜QDは、領域A〜Dのそれぞれに対して、処理液吐出ヘッド10xが吐出する処理液の量を示す。本実施形態において、処理液吐出ヘッド10xが吐出する処理液の量は、インク吐出ヘッド10yがインクを吐出するための吐出データに基づくものである。具体的には、制御部100は、記録指令に含まれる画像データに基づいて、インク吐出ヘッド10yがインクを吐出するための吐出データを生成する。そして、制御部100は、処理液吐出ヘッド10xが処理液を吐出するための吐出データを画像データに基づいて別途作成することなく、インク吐出ヘッド10yがインクを吐出するための吐出データに基づいて、ヘッド10x,10yの駆動を制御する。
吐出データとは、吐出口14aから吐出されるべき液体の量を示す、吐出口14a毎且つ画素毎に設けられたデータをいう。画素は、用紙P上に形成される画像Iを構成する要素であり、用紙P上の画像形成領域に対応してマトリックス状に配置されている。本実施形態では、階調数が4であり、1画素を形成する液体の量が「ゼロ」「小」「中」「大」のそれぞれに対応する4種類の吐出データがROM100bに記憶されており、このうちの1種類の吐出データが吐出口14a毎に割り当てられる。インク吐出ヘッド10yでは、吐出データが示すとおりの量が各吐出口14aから吐出され、処理液吐出ヘッド10xでは、「ゼロ」又は「小」を示す吐出データが割り当てられた吐出口14aからは処理液が吐出されず、「中」又は「大」を示す吐出データが割り当てられた吐出口14aからは「中」に相当する量の処理液が吐出される。
推定値XA〜XDは、ローラ対24の清掃が行われると、リセットされ、初期値(ゼロ)となる。即ち、推定値XA〜XDは、プリンタ1の製造完了時点又は前回のローラ対24の清掃時点以降にローラ対24を通過した各用紙Pに対する値YA〜YDを積算した値である。推定値XA〜XDがリセットされると、記録枚数nも、リセットされ、初期値(ゼロ)となる。
また、本実施形態では、第2ローラ24ya〜24ydのいずれかが、移動部30によって上方に移動され、離隔位置を取る場合がある(図3参照)。S4では、ある用紙Pの記録時に離隔位置を取る第2ローラ24ya〜24ydがある場合、当該用紙Pに関しては、離隔位置を取る第2ローラ24ya〜24ydに対応する吐出量QA〜QDをゼロとする。即ち、離隔位置を取る第2ローラ24ya〜24ydに対応する領域A〜Dに対して付与される液体の量を無視し、接触位置を取る第2ローラ24ya〜24ydに対応する領域A〜Dに対して付与される液体の量のみを考慮して、値YA〜YDを算出し、さらに、用紙P毎に値YA〜YDを積算することで、推定値XA〜XDを算出する。
なお、第2ローラ24ya〜24ydは、移動部30によって移動されない固定ローラ(即ち、第1ローラ24xと接触する接触位置に保持されているローラ)(移動ローラ以外の第2ローラ)を含んでもよい。この場合、S4において、制御部100は、固定ローラ、及び、移動部30によって移動される第2ローラのうち接触位置を取る第2ローラに対応する領域A〜Dに対して付与される液体の量に基づいて、値YA〜YDを算出し、さらに、用紙P毎に値YA〜YDを積算することで、推定値XA〜XDを算出してよい。
また、第2ローラ24ya〜24ydは、第1ローラ24xに対する圧接力が互いに異なる場合がある。第2ローラ24ya〜24ydにおける第1ローラ24xに対する圧接力は、第2ローラ24ya〜24ydに対するばね圧、第2ローラ24ya〜24ydの径、その他任意の方法によって、調整可能である。S4において、制御部100は、ある用紙Pの記録時に圧接力が互いに異なる第2ローラ24ya〜24ydがある場合(即ち、第2ローラ24ya〜24ydが、圧接力小ローラと、圧接力小ローラよりも圧接力が大きい圧接力大ローラとを含む場合)、当該用紙Pに関しては、ROM100bから読み出された重み付けデータを考慮して、値YA〜YDを算出し、さらに、用紙P毎に値YA〜YDを積算することで、推定値XA〜XDを算出する。ROM100bは、当該重み付けデータを記憶している。当該重み付けデータは、圧接力と重み付けの値とが関連付けられたものである。当該重み付けデータにおいては、圧接力大ローラと接触する領域(第2領域)に対応する吐出量QA〜QDの重み付けが、圧接力小ローラと接触する領域(第1領域)に対応する吐出量QA〜QDの重み付けよりも、大きな値に設定されている。例えば、圧接力の差にもよるが、圧接力大ローラに対応する吐出量QA〜QDの重み付けが「1.2」、圧接力小ローラに対応する吐出量QA〜QDの重み付けが「1.0」であってよい。重み付けの値は、任意である。例えば、プリンタ1の製造過程において、実験により圧接力とローラ対24への液体の付着量との関係を求めた上で、重み付けの値を決定してよい。
また、第2ローラ24ya〜24ydは、表面粗さが互いに異なる場合がある。第2ローラ24ya〜24ydの表面粗さは、第2ローラ24ya〜24ydの材料、第2ローラ24ya〜24ydの表面加工、その他任意の方法によって、調整可能である。S4において、制御部100は、表面粗さが互いに異なる第2ローラ24ya〜24ydがある場合(即ち、第2ローラ24ya〜24ydが、表面粗さ小ローラと、表面粗さ小ローラよりも表面粗さが大きい表面粗さ大ローラとを含む場合)、ROM100bから読み出された重み付けデータを考慮して、値YA〜YDを算出し、さらに、用紙P毎に値YA〜YDを積算することで、推定値XA〜XDを算出する。ROM100bは、当該重み付けデータを記憶している。当該重み付けデータは、表面粗さと重み付けの値とが関連付けられたものである。当該重み付けデータにおいては、表面粗さ大ローラと接触する領域(第4領域)に対応する吐出量QA〜QDの重み付けが、表面粗さ小ローラと接触する領域(第3領域)に対応する吐出量QA〜QDの重み付けよりも、大きな値に設定されている。例えば、表面粗さの差にもよるが、表面粗さ大ローラに対応する吐出量QA〜QDの重み付けが「1.2」、表面粗さ小ローラに対応する吐出量QA〜QDの重み付けが「1.0」であってよい。重み付けの値は、任意である。例えば、プリンタ1の製造過程において、実験により表面粗さとローラ対24への液体の付着量との関係を求めた上で、重み付けの値を決定してよい。
なお、第2ローラ24ya〜24ydについて、圧接力や表面粗さを異ならせることで、上述した移動部30による移動の場合と同様に、ローラ対24の寿命を延ばしたり、用紙Pに腰を与えて良好な搬送を実現したりすることができる。
S4の後、制御部100は、S4で算出した推定値XA〜XDのそれぞれについて、第1閾値TA1〜TD1を超えているか否かを判断する(S5:第1判断処理)。具体的には、S5において、制御部100は、RAM100cから推定値XA〜XDを読み出し、当該読み出した推定値XA〜XDのそれぞれについて、第1閾値TA1〜TD1を超えているか否かを判断する。第1閾値TA1〜TD1は、領域A〜D毎(推定値XA〜XD毎)の値であり、互いに同じ値であってもよいし、互いに異なる値であってもよい。
本実施形態では、S5において、制御部100は、推定値XA〜XDの少なくとも1つが、対応する第1閾値TA1〜TD1を超えているか否かを判断する。
推定値XA〜XDの少なくとも1つが対応する第1閾値TA1〜TD1を超えている場合(S5:YES)、制御部100は、ローラ対24を清掃する旨を示す信号を出力する(S6:出力処理)。本実施形態では、S6において、制御部100は、プリンタ1の出力手段(ディスプレイ、スピーカ等)を介して、プリンタ1のユーザに対し、ローラ対24の清掃に関する報知を行う。S6の後、制御部100は、当該ルーチンを終了する。
ローラ対24の清掃は、例えば、ユーザが収容部3に清掃用の用紙Pを配置し、当該用紙Pを搬送ユニット20で搬送させることや、ユーザが清掃用の部材(スポンジ等)を用いてローラ対24の付着物を拭き取ること、等によって行われてよい。制御部100は、S6の後にローラ対24の清掃完了を検知すると、RAM100cに記憶されている推定値XA〜XDをリセットし、初期値(ゼロ)にする。また、制御部100は、記録枚数nをリセットし、初期値(ゼロ)にする。例えば、ユーザが、ローラ対24の清掃を行った後に、その旨を示す信号をプリンタ1に入力することで、制御部100が、ローラ対24の清掃完了を検知してよい。プリンタ1への入力は、外部装置やプリンタ1の入力手段(入力ボタン等)を介して、行われてよい。或いは、プリンタ1に、ローラ対24が清掃されたか否かを検知する検知手段(センサ等)を設け、制御部100が、当該検知手段からの信号に基づいて、ローラ対24の清掃完了を検知してもよい。例えば、プリンタ1がローラ対24を覆う開閉可能なカバーを含む場合に、プリンタ1に、カバーの開放(即ち、カバーの開放によりローラ対24が露出されたこと)を検知する検知手段を設け、制御部100が、当該検知手段からカバーの開放を示す信号を受信したときに、ローラ対24の清掃完了を検知してもよい。
推定値XA〜XDがいずれも対応する第1閾値TA1〜TD1を超えていない場合(S5:NO)、制御部100は、S4で算出した推定値XA〜XDのそれぞれについて、第2閾値TA2〜TD2を超えているか否かを判断する(S7:第2判断処理)。第2閾値TA2〜TD2は、第1閾値TA1〜TD1と同様、領域A〜D毎(推定値XA〜XD毎)の値であり、互いに同じ値であってもよいし、互いに異なる値であってもよい。また、本実施形態では、第2閾値TA2〜TD2は、それぞれ、対応する第1閾値TA1〜TD1よりも小さい。
本実施形態では、S7において、制御部100は、推定値XA〜XDの少なくとも1つが、対応する第2閾値TA2〜TD2を超えているか否かを判断する。
なお、閾値TA1〜TD1,TA2〜TD2は、ROM100bに記憶されている。例えば、プリンタ1の製造過程において、テスト記録で画像の乱れ(用紙P上における液体の着弾位置のずれ)が目視で確認されたときの値を、閾値TA1〜TD1,TA2〜TD2としてROM100bに記憶させてよい。本実施形態では、画像の乱れの大きさに応じて、乱れが比較的小さいときの値を第2閾値TA2〜TD2、乱れが比較的大きいときの値を第1閾値TA1〜TD1としてよい。
推定値XA〜XDがいずれも対応する第2閾値TA2〜TD2を超えていない場合(S7:NO)、制御部100は、処理をS2に戻す。一方、推定値XA〜XDの少なくとも1つが対応する第2閾値TA2〜TD2を超えている場合(S7:YES)、制御部100は、S4で算出した推定値XA〜XDに基づいて、ローラ対24の回転量を補正するための補正値を決定する(S8:決定処理)。ROM100bには、推定値と補正値との関連付け示すテーブルが記憶されている。S8において、制御部100は、S4で算出した推定値XA〜XDと、当該テーブルとを照らし合わせて、補正値を決定する。補正値の値は、任意である。例えば、プリンタ1の製造過程において、実験により、ローラ24x,24ya〜24ydの径と搬送速度との関係、さらにローラ対24への付着物の量と搬送速度との関係を求めた上で、補正値の値を決定してよい。そしてS8の後、制御部100は、処理をS2に戻す。S8の後に行われるS2において、制御部100は、S8で算出した補正値に基づいてローラ対24の駆動を制御しつつ、用紙Pに対する記録を行う。
以上に述べたように、本実施形態によれば、S4(算出処理)において、用紙Pにおける主走査方向に沿って並ぶ領域A〜Dに対する液体付与量を示す液体量データ(吐出量QA〜QD)に基づいて、付着物の量の推定値を算出する。これにより、付着物の量を精確に把握することができる。さらに、当該推定値に基づいて適宜の処理(ローラ対24の清掃、搬送補正等)を行うことで、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を、より確実に抑制することができる。また、推定値に基づいてローラ対24の清掃を行う場合に、推定値の精度が悪いと、清掃頻度が高過ぎることにより、ローラ対24の摩耗、ユーザの手間やコストがかかる、といった問題が生じたり、或いは、清掃頻度が低過ぎることにより、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を抑制することができない、といった問題が生じたりし得る。これに対し、本実施形態によれば、高精度の推定値を算出できるため、上記問題を軽減することができる。
領域A〜Dは、第2ローラ24ya〜24ydのそれぞれと接触すると共に前搬送方向に延在する領域である。上記構成によれば、S4(算出処理)において、第2ローラ24ya〜24ydのそれぞれと接触する領域A〜Dに対する液体付与量を示す液体量データ(吐出量QA〜QD)に基づいて、付着物の量の推定値を算出する。これにより、付着物の量を精確に把握することができる。
第2ローラ24ya〜24ydが、第1ローラ24xに対する圧接力が互いに異なるものを含む場合、制御部100は、圧接力大ローラと接触する領域(第2領域)に対応する吐出量QA〜QDの重み付けが圧接力小ローラと接触する領域(第1領域)に対応する吐出量QA〜QDの重み付けよりも大きな値に設定されている重み付けデータを考慮して、S4(算出処理)を行う。第1ローラ24xと第2ローラ24ya〜24ydとの圧接力が大きい部分ほど、用紙Pから液体が移り易い。上記構成は、この傾向に鑑みたものであり、より高精度の推定値を算出することができる。
第2ローラ24ya〜24ydが、表面粗さが互いに異なるものを含む場合、制御部100は、表面粗さ大ローラと接触する領域(第4領域)に対応する吐出量QA〜QDの重み付けが表面粗さ小ローラと接触する領域(第3領域)に対応する吐出量QA〜QDの重み付けよりも大きな値に設定されている重み付けデータを考慮して、S4(算出処理)を行う。表面粗さが大きいローラほど、用紙Pと接触したときに液体が移り易い。上記構成は、この傾向に鑑みたものであり、より高精度の推定値を算出することができる。
プリンタ1は、重み付けデータを記憶するROM100bを含む。上記構成によれば、外部装置の記憶部から重み付けデータを読み出す場合に比べ、算出処理を迅速に行うことができる。
また、本実施形態では、プリンタ1が移動部30を有しており、制御部100は、S4(算出処理)において、第2ローラ24ya〜24ydのうち、接触位置を取る第2ローラ24ya〜24ydに対応する領域A〜Dに対して付与される液体の量を示す液体量データ(吐出量QA〜QD)に基づいて、値YA〜YDを算出し、さらに、用紙P毎に値YA〜YDを積算することで、推定値XA〜XDを算出する。用紙Pの領域のうち、第2ローラ24ya〜24ydと接触する領域は、第2ローラ24ya〜24ydと接触しない領域に比べ、ローラ径の増加への影響度合いが高い。上記構成は、この傾向に鑑みたものであり、より高精度の推定値を算出することができる。
制御部100は、S5(第1判断処理)において、推定値XA〜XDが第1閾値TA1〜TD1を超えている(S5:YES)と判断した場合に、ローラ対24を清掃する旨を示す信号を出力する(S6:出力処理)。上記構成によれば、S6(出力処理)に応じてローラ対24が清掃されることで、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を、より確実に抑制することができる。
制御部100は、S4(算出処理)において、領域A〜Dのそれぞれに対応する推定値XA〜XDを算出し、S5(第1判断処理)において、推定値XA〜XDの少なくとも1つが第1閾値TA1〜TD1を超えている(S5:YES)と判断した場合に、S6(出力処理)を行う。上記構成によれば、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を、より一層確実に抑制することができる。
制御部100は、S4で算出した推定値XA〜XDに基づいて、ローラ対24の回転量を補正するための補正値を決定する、S8(決定処理)をさらに行う。上記構成によれば、補正値に基づいてローラ対24の回転量を補正することで、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を、より確実に抑制することができる。
制御部100は、S4で算出した推定値XA〜XDが第2閾値TA2〜TD2を超えているか否かを判断する、S7(第2判断処理)をさらに行い、推定値XA〜XDが第2閾値TA2〜TD2を超えている(S7:YES)と判断した場合に、S8(決定処理)を行う。上記構成によれば、適切なタイミングで補正値を決定することで、制御の簡素化を実現しつつ、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を抑制することができる。
制御部100は、推定値XA〜XDが第1閾値TA1〜TD1を超えている(S5:YES)と判断した場合は、S6(出力処理)を行う一方、推定値XA〜XDが第1閾値TA1〜TD1を超えていない(S5:NO)と判断した場合は、次に、推定値XA〜XDが第2閾値TA2〜TD2(<第1閾値TA1〜TD1)を超えているか否かを判断する、S7(第2判断処理)を行う。そして、推定値XA〜XDが第2閾値TA2〜TD2(<第1閾値TA1〜TD1)を超えている(S7:YES)と判断した場合に、S8(決定処理)を行う。上記構成によれば、段階的に判断S5,S7及び処理S6,S8を行う(即ち、付着量が比較的大きければローラ対24の清掃を行う一方、付着量が比較的小さければローラ対24の清掃を行わずに搬送補正を行う)ことで、清掃頻度を低減しつつ、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を抑制することができる。
ローラ対24よりも搬送方向の上流側に処理液吐出ヘッド10xが配置されており、ローラ対24よりも搬送方向の下流側にインク吐出ヘッド10yが配置されている。ローラ対24よりも搬送方向の上流側にインク吐出ヘッド10yが配置されている場合は、画質の悪化抑制の観点から、ローラ対24として拍車ローラを採用するのが一般的である。一方、本実施形態のように、ローラ対24よりも搬送方向の上流側に、インク吐出ヘッド10yではなく、処理液吐出ヘッド10xが配置されている場合は、用紙Pに対する搬送精度を確保する観点から、ローラ対24としてニップローラを採用することが考えられる。ニップローラは拍車ローラに比べて用紙Pとの接触面積が大きく用紙Pから液体が移り易いため、本発明は上記構成において特に有効である。
制御部100がS4(算出処理)で用いる吐出量QA〜QDは、インク吐出ヘッド10yがインクを吐出するための吐出データに基づくものである。上記構成によれば、制御部100は、処理液吐出ヘッド10xが処理液を吐出するための吐出データを画像データに基づいて別途生成する必要がない。したがって、制御の簡素化を実現可能である。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。
ローラ対について:
・ローラ対の位置は、液体付与部よりも第2方向の下流側である限り、特に限定されない。
・第1ローラが従動ローラ、第2ローラが駆動ローラであってもよい。
・第1ローラが第2ローラの上方に配置されてもよい。
・第2ローラの数は、4に限定されず、1以上の任意の数であってよい。上述の実施形態では、第1方向における搬送速度のばらつきを低減するため、ローラ対が第1方向に互いに離隔して配置された複数の第2ローラを含む構成を採用しているが、これに限定されず、ローラ対が第1方向に延在した1つの第2ローラを含む構成を採用してもよい。
・複数の第2ローラの全てではなく一部のみが移動ローラであってもよい。また、複数の第2ローラが移動ローラを含まなくてもよい。
移動部について:
・移動部は、ソレノイドを含む構成に限定されず、カムを含む構成、ギアを含む構成、ピニオン及びラックを含む構成等、任意の構成であってよい。
・移動部は、複数の第2ローラを個別に移動させることに限定されず、複数の第2ローラのうちの2以上をまとめて移動させてもよい。例えば、上述の実施形態において、第2ローラ24ya,24ycの組と、第2ローラ24yb,24ydの組とを、組毎に移動させてもよい。
・複数の第2ローラの一部が第1ローラに対して移動不能であってもよい。
・移動部を省略してもよい。
制御部による制御内容について:
・複数の領域は、複数の第2ローラのそれぞれと接触する領域に限定されない。例えば、ローラ対が第1方向に延在した1つの第2ローラを含む場合、複数の領域は、記録媒体における1の第2ローラと接触する領域を、第1方向に沿って複数に分割した領域であってよい。この場合において、複数の領域の分割の仕方は、任意である。複数の領域の第1方向の長さは、互いに同じであってもよいし、互いに異なってもよい。また、複数の領域の数は、任意である。さらに、複数の領域は、1又は複数の第2ローラの位置によらず、記録媒体の領域を、第1方向に沿って複数に分割した領域であってもよい。
・制御部は、算出処理において、記録液吐出部が記録液を吐出するための吐出データを用いることに限定されず、処理液吐出部が処理液を吐出するための吐出データを用いてもよい。
・制御部は、算出処理において、吐出量QA〜QDを用いずに、吐出量QA〜QDを係数等で変換した値を用いてもよい。
・制御部は、算出処理において、重み付けデータを考慮しなくてもよい。
・制御部は、算出処理において、係数Cp,Chに加え、温度に関する係数を用いてもよい。また、算出処理において、どのような係数を用いるかは任意であり、係数を用いなくてもよい。
・制御部は、算出処理において、複数の領域のそれぞれに対応する複数の推定値(即ち、領域毎の推定値)を算出することに限定されず、複数の領域全体についての推定値を算出してもよい。例えば、上述の実施形態では、推定値XA〜XDは、領域A〜Dのそれぞれに対応する個別の値であるが、制御部は、領域A〜D全体についての推定値Xとして、吐出量Q(=QA+QB+QC+QD)と係数Cp,Chとを乗じた値Yを算出し、さらに、用紙Pの枚数に応じて当該値Yを積算することで、推定値Xを算出してよい。
・制御部は、第1判断処理において、算出処理において算出された複数の推定値の少なくとも1つが第1閾値を超えているか否かを判断することに限定されず、算出処理において算出された複数の推定値の全てが第1閾値を超えているか否かを判断してもよい。
・第1閾値及び第2閾値は、領域毎に個別ではなく、複数の領域において共通であってもよい。また、第2閾値は、第1閾値よりも小さいことに限定されず、第1閾値以上であってもよい。
・制御部は、上述の実施形態では第1及び第2判断処理を行うが、1つの判断処理のみを行い、当該判断処理において推定値が閾値を超えていると判断した場合に、出力処理又は決定処理を行ってもよい。第1及び第2判断処理を省略してもよい。
・制御部は、算出処理の後の任意の時点で、決定処理を行ってよい。即ち、上述の実施形態では、制御部は、推定値が第1閾値を超えていない(S5:NO)と判断しかつ推定値が第2閾値を超えている(S7:YES)と判断した場合に、決定処理を行うが、これに限定されない。例えば、推定値が第1閾値を超えていない(S5:NO)と判断した後、S7(第2判断処理)を省略して、決定処理を行ってもよい。或いは、制御部は、上述のように1つの判断処理のみを行う場合において、推定値が閾値を超えていると判断した場合に、出力処理を行わず、決定処理を行ってもよい。或いは、制御部は、判断処理の有無及び結果にかかわらず、算出処理において算出された推定値に基づいて、決定処理を行ってよい。決定処理を省略してもよい。
・出力処理に応じて、ユーザがローラ対を清掃することに限定されず、液体付与装置に含まれる清掃機構がローラ対を清掃してもよい。
・出力処理を省略してもよい。例えば、制御部は、第1判断処理において推定値が第1閾値を超えていると判断した場合に、出力処理を行わず、記録動作を停止させてもよい。
液体付与部について:
・液体付与部は、液体を吐出してもよいし、液体を塗布してもよい。後者の場合、例えば、液体付与部は、ローラと、ローラの外周面に液体を供給する液体供給部とを含み、液体供給部がローラの外周面に第1方向に関して部分的に液体を供給し、ローラの外周面に保持された液体を記録媒体に塗布する、という構成であってよい。
・液体付与部は、処理液吐出部ではなく、記録液吐出部であってもよい。
その他:
・記録媒体は、用紙に限定されず、記録可能な任意の媒体であってよい。
・本発明は、ライン方式に限定されず、シリアル方式にも適用可能である。
・本発明は、プリンタに限定されず、ファクシミリやコピー機等にも適用可能である。
1 インクジェットプリンタ(液体付与装置)
10x 処理液吐出ヘッド(液体付与部,処理液吐出部)
10y インク吐出ヘッド(記録液吐出部)
24 ローラ対
24x 第1ローラ
24ya〜24yd 第2ローラ(移動ローラ)
30 移動部
100 制御部
100b ROM(記憶部)
A〜D 領域
P 用紙(記録媒体)

Claims (14)

  1. 第1方向に延在する第1ローラ、及び、前記第1ローラと接触する第2ローラを含み、前記第1ローラと前記第2ローラとが記録媒体を挟持しつつ回転することにより、記録媒体を前記第1方向と直交する第2方向に搬送するように構成された、ローラ対と、
    前記ローラ対よりも前記第2方向の上流側に配置された液体付与部であって、前記第1方向に関して部分的に液体を付与可能に構成された、液体付与部と、
    前記ローラ対の駆動及び前記液体付与部を制御する、制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記ローラ対によって搬送される記録媒体における前記第1方向に沿って並ぶ複数の領域に対して前記液体付与部が付与する液体の量を示す液体量データに基づいて、前記ローラ対に付着した付着物の量の推定値を算出する、算出処理を行うことを特徴とする、液体付与装置。
  2. 前記ローラ対は、前記第1方向に互いに離隔して配置された、複数の前記第2ローラを含み、
    前記複数の領域は、前記複数の第2ローラのそれぞれと接触すると共に前記第2方向に延在する領域であることを特徴とする、請求項1に記載の液体付与装置。
  3. 前記複数の第2ローラは、前記第1ローラに対する圧接力が互いに異なるものを含み、
    前記複数の領域は、前記複数の第2ローラの少なくともいずれかと接触する第1領域、及び、前記複数の第2ローラのうちの前記第1領域と接触する第2ローラよりも前記圧接力が大きい第2ローラと接触する第2領域を含み、
    前記制御部は、前記第2領域に対して付与される液体の量の重み付けが前記第1領域に対して付与される液体の量の重み付けよりも大きな値に設定されている重み付けデータを考慮して、前記算出処理を行うことを特徴とする、請求項2に記載の液体付与装置。
  4. 前記複数の第2ローラは、表面粗さが互いに異なるものを含み、
    前記複数の領域は、前記複数の第2ローラの少なくともいずれかと接触する第3領域、及び、前記複数の第2ローラのうちの前記第3領域と接触する第2ローラよりも前記表面粗さが大きい第2ローラと接触する第4領域を含み、
    前記制御部は、前記第4領域に対して付与される液体の量の重み付けが前記第3領域に対して付与される液体の量の重み付けよりも大きな値に設定されている重み付けデータを考慮して、前記算出処理を行うことを特徴とする、請求項2又3に記載の液体付与装置。
  5. 前記重み付けデータを記憶する、記憶部を備え、
    前記制御部は、前記記憶部から読み出された前記重み付けデータを考慮して、前記算出処理を行うことを特徴とする、請求項3又は4に記載の液体付与装置。
  6. 前記複数の第2ローラは、前記第1ローラと接触する接触位置と前記第1ローラから離隔した離隔位置とを取り得る、少なくとも1つの移動ローラを含み、
    前記制御部は、前記複数の第2ローラのうち前記移動ローラ以外の第2ローラと前記接触位置を取る前記移動ローラとに対応する前記領域に対して前記液体付与部が付与する液体の量を示す液体量データに基づいて、前記算出処理を行うことを特徴とする、請求項2〜5のいずれか一項に記載の液体付与装置。
  7. 前記制御部は、
    前記算出処理において算出された推定値が第1閾値を超えているか否かを判断する、第1判断処理と、
    前記第1判断処理において前記推定値が前記第1閾値を超えていると判断した場合に、前記ローラ対を清掃する旨を示す信号を出力する、出力処理と、
    をさらに行うことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体付与装置。
  8. 前記制御部は、
    前記算出処理において、前記複数の領域のそれぞれに対応する複数の前記推定値を算出し、
    前記第1判断処理において、前記算出処理において算出された前記複数の推定値の少なくとも1つが前記第1閾値を超えているか否かを判断し、
    前記第1判断処理において前記少なくとも1つが前記第1閾値を超えていると判断した場合に、前記出力処理を行うことを特徴とする、請求項7に記載の液体付与装置。
  9. 前記制御部は、前記算出処理において算出された推定値に基づいて、前記ローラ対の回転量を補正するための補正値を決定する、決定処理をさらに行うことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体付与装置。
  10. 前記制御部は、
    前記算出処理において算出された推定値が第2閾値を超えているか否かを判断する、第2判断処理をさらに行い、
    前記第2判断処理において前記推定値が前記第2閾値を超えていると判断した場合に、前記決定処理を行うことを特徴とする、請求項9に記載の液体付与装置。
  11. 前記制御部は、
    前記算出処理において算出された推定値が第1閾値を超えているか否かを判断する、第1判断処理と、
    前記第1判断処理において前記推定値が前記第1閾値を超えていると判断した場合に、前記ローラ対を清掃する旨を示す信号を出力する、出力処理と、
    前記第1判断処理において前記推定値が前記第1閾値を超えていないと判断した場合に、前記算出処理において算出された推定値が前記第1閾値よりも小さい第2閾値を超えているか否かを判断する、第2判断処理と、
    前記第2判断処理において前記推定値が前記第2閾値を超えていると判断した場合に、前記算出処理において算出された推定値に基づいて、前記ローラ対の回転量を補正するための補正値を決定する、決定処理と、
    をさらに行うことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の液体付与装置。
  12. 前記ローラ対よりも前記第2方向の下流側に配置され、記録液を吐出するように構成された、記録液吐出部を備え、
    前記液体付与部は、前記記録液と反応して前記記録液中の成分を凝集又は析出させる処理液を吐出するように構成された、処理液吐出部であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の液体付与装置。
  13. 前記液体量データは、前記記録液吐出部が前記記録液を吐出するための吐出データに基づくものであることを特徴とする、請求項12に記載の液体付与装置。
  14. 第1方向に延在する第1ローラ、及び、前記第1ローラと接触する第2ローラを含み、前記第1ローラと前記第2ローラとが記録媒体を挟持しつつ回転することにより、記録媒体を前記第1方向と直交する第2方向に搬送するように構成された、ローラ対と、前記ローラ対よりも前記第2方向の上流側に配置された液体付与部であって、前記第1方向に関して部分的に液体を付与可能に構成された、液体付与部と、前記ローラ対の駆動及び前記液体付与部を制御する、制御部と、を備えた液体付与装置において、前記制御部を、
    前記ローラ対によって搬送される記録媒体における前記第1方向に沿って並ぶ複数の領域に対して前記液体付与部が付与する液体の量を示す液体量データに基づいて、前記ローラ対に付着した付着物の量の推定値を算出する、算出処理手段として機能させることを特徴とする、プログラム。
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