JPH0885646A - カラー画像転写装置の用紙搬送ローラおよびその製造方法 - Google Patents

カラー画像転写装置の用紙搬送ローラおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH0885646A
JPH0885646A JP25105394A JP25105394A JPH0885646A JP H0885646 A JPH0885646 A JP H0885646A JP 25105394 A JP25105394 A JP 25105394A JP 25105394 A JP25105394 A JP 25105394A JP H0885646 A JPH0885646 A JP H0885646A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
paper
micro
pinch roller
protrusion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25105394A
Other languages
English (en)
Inventor
Hayami Sugiyama
早実 杉山
Shigeyuki Kawamura
茂之 川村
Kazuhiro Tsuji
一弘 逵
Katsu Mitsushima
且 光島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinko Electric Co Ltd
Original Assignee
Shinko Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shinko Electric Co Ltd filed Critical Shinko Electric Co Ltd
Priority to JP25105394A priority Critical patent/JPH0885646A/ja
Publication of JPH0885646A publication Critical patent/JPH0885646A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Handling Of Cut Paper (AREA)
  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)
  • Registering, Tensioning, Guiding Webs, And Rollers Therefor (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 丸棒状の素材表面の所要部分にのみマイクロ
突起を形成した用紙搬送用ローラ及びその製造方法、並
びにゴムからの染み出し物質や再転写等によるローラ痕
を発生せず、耐摩耗性に優れたピンチローラを提供する
こと。 【構成】 単体の丸棒状素材表面にマイクロ突起形成部
及びマイクロ突起非形成部を有し、マイクロ突起頂部の
ローラ外径D1より小さく、かつマイクロ突起底部外
径、すなわちD1からマイクロ突起の高さHを2倍した
値を引いた寸法よりも大きいマイクロ突起非形成部のロ
ーラ外径D2をもつ。また、ローラ表面に形成するマイ
クロ突起の高さ、頂部の直径、形成密度及び突起配置に
対し、用紙搬送時に用紙表面を傷つけず、かつ正確な用
紙搬送性を示す値が与えられている。 【効果】 マイクロ突起形成部及びマイクロ突起非形成
部の各部における用紙搬送量が一致するため、精密な用
紙搬送を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、用紙に対し三原色に
対応したインクパターンを重ねて転写することによりカ
ラー画像の転写を行うカラー画像転写装置に係わり、特
にインクパターンの転写を行う転写部に対し用紙を繰り
返し搬送するための用紙搬送ローラ及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】カラープリンタ、FAX、コピー機など
カラー画像をプリントする装置では、転写を行うカラー
画像をY(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)
の三原色に色分解し、各色に対応する画像を一枚の用紙
に重ね合わせてプリントすることにより、カラー画像を
作り出している。高品位の高精細カラー画像を得るため
には、プリント時において各色の画像にずれが生じない
よう厳密な用紙の位置合わせが要求される。したがっ
て、各色に対応した画像転送を行う転写部に、繰り返し
用紙を通過させるための搬送を行うカラー画像転写装置
の場合、精密な用紙搬送が要求される。
【0003】図18にカラー画像転写装置の一例として
熱転写カラープリンタのプリント機構を示す。4は用紙
であり、このカラー画像転写装置よってカラー画像が転
写される。1は用紙搬送ローラであり、ステンレスまた
は炭素鋼等の金属材料を用いて、1本の円柱状の母材に
エッチング処理を施すことにより、表面に図19に示す
マイクロ突起3が数千〜数十万個ほど形成されている。
これらのマイクロ突起3は通常図20に示す断面形状を
有する。また、マイクロ突起3の頂部の直径M及びマイ
クロ突起3の高さHは、共に数μm(マイクロメート
ル)〜数百μmの大きさである。
【0004】2は芯金をゴムで被覆させたピンチローラ
であり、用紙搬送ローラ1に対向して設置され、用紙搬
送ローラ1とピンチローラ2とで用紙4を挟んで搬送す
る。ピンチローラ2は、通常図21(a),(b),
(c)のいずれかの構造を有するが、いずれのピンチロ
ーラにおいても断面形状に差異はなく、全て図22に示
すような構造を有する。図22において、50は段付き
芯金であり、ステンレス等の金属材料が使用される。5
1はゴム層であり、シリコンゴムやクロロプレンゴム等
により、段付き芯金50の外周に形成される。
【0005】6はカラーリボンであり、Y、M、C各色
のインクが長手方向に順次一定の長さで塗布されてお
り、供給側インクリボンロール7に巻かれている。8は
巻取りローラであり、用紙搬送速度と同期してカラーリ
ボン6を巻き取る。9はサーマルヘッドであり、発熱素
子が配列されており、カラーリボン6に熱を加えること
により、色分解されたカラー画像を各色に対応する画像
ごとに用紙4へ転写する。10はプラテンローラであ
り、サーマルヘッド9に対向配置され、プリント時はサ
ーマルヘッド9に用紙4及びカラーリボン6を介して圧
接している。11は用紙ガイドローラであり、サーマル
ヘッド9及びプラテンローラ10の間に用紙4を導入す
る。
【0006】次に、上述したカラー画像転写装置による
カラープリント動作について説明する。まず、第1色目
(例えばイエローとする)の画像をプリントするため
に、用紙搬送ローラ1がパルスモータ(図示略)により
正転し、用紙搬送ローラ1及びピンチローラ2で用紙4
を挟み、用紙4を図18中Aの方向へ搬送する。用紙4
の搬送に伴い、巻き取りロール8がカラーリボン6の巻
き取りを開始し、これによりカラーリボン6がサーマル
ヘッド9及びプラテンローラ10の間隙を通過する際、
サーマルヘッド9の発熱素子が第1色目の画像情報に基
づいて発熱し、カラーリボン6の第1色目に相当するイ
ンクを搬送速度に同期して用紙4にプリントする。以上
の動作により、用紙4に対するY(イエロー)に色分解
された画像のプリントが完了する。
【0007】次に、第1色目の画像をプリントした用紙
4に対し、第2色目(例えばマゼンダとする)の画像を
重ねてプリントするために、以下のプリント準備動作を
行う。まず、サーマルヘッド9がプラテンローラ10か
ら離された後、用紙搬送ローラ1が反転し、図18中B
の方向へ用紙4を第1色目のプリント開始位置まで搬送
すると同時に、巻き取りロール8は第2色目の冒頭まで
インクリボン6を巻き取る。用紙4が第1色目のプリン
ト開始位置まで搬送されると、サーマルヘッド9はプラ
テンローラ10に再び圧接され第2色目のプリントの準
備が完了する。
【0008】第2色目の画像が第1色目と同様の手順で
プリントされた後、第3色目(例えばシアンとする)の
画像のプリント準備動作がなされ、第1色目及び第2色
目の画像がプリントされた用紙4に第3色目の画像を重
ねてプリントする。以上に記述した手順により1枚の用
紙に色分解した各色に対応する画像を順次重ね、複数回
に分けてプリントすることにより、カラー画像のプリン
トを行う。
【0009】次に、図23を参照して用紙搬送ローラ1
の表面に形成されたマイクロ突起の形状と機能について
詳細に説明する。図23は、図18における用紙搬送ロ
ーラ1及びピンチローラ2の一構成例を示す斜視図であ
る。この図において、ピンチローラ2は荷重Wで用紙搬
送ローラ1に押し付けられており、用紙搬送ローラ1は
荷重Wを反力Fにより両端で支えている。また、図23
に示す用紙搬送ローラ1及びピンチローラ2の構成の他
に、図21(c)に示すように各々独立した軸を持つ複
数のピンチローラを有し、各ピンチローラに個別の荷重
を掛けられるようにした構成のものもある。
【0010】図23において、用紙搬送ローラ1とピン
チローラ2は荷重Wによって用紙4を挟み、用紙搬送ロ
ーラ1の回転により用紙4を図18中A方向またはB方
向に往復運動させる。このとき、用紙4はカラーリボン
6による摩擦力、プラテンローラ10及びサーマルヘッ
ド9間の摩擦力など、いくつかの負荷力を受けるため、
用紙搬送ローラ1は、これらの負荷力を克服する挟持力
及び推進力を発生しなくてはならない。
【0011】用紙4が用紙搬送ローラ1及びピンチロー
ラ2に挟まれる際、図24に示すようにマイクロ突起3
は、用紙4及びピンチローラ2のゴム5に食い込む。こ
れにより、用紙4と用紙搬送ローラ1の間に大きな摩擦
力が発生し、用紙4は用紙搬送ローラ1の回転に対し、
滑ることなく追従して搬送される。このマイクロ突起3
は、ピンチローラ2の荷重Wが大きいと用紙4に圧痕を
残すが、例えばこの圧痕が残らなくなるまで荷重Wを軽
減しても用紙4との間には比較的高い摩擦力を維持する
ことができる。
【0012】次に用紙搬送ローラ1の表面にマイクロ突
起を形成する工程について説明する。まず、用紙搬送ロ
ーラ1の母材にレジストを塗布した後、マイクロ突起の
頂部に相当する部分を所要数マスキングしたマスクパタ
ーンを介して露光・現像を行い、レジストパターンを形
成する。次に母材全体をエッチング液に入れ、エッチン
グ処理を施す。このとき母材表面において、レジストパ
ターンが形成されていない部分がエッチングされて、目
的とするエッチング深さに到達するまでエッチングを行
う。エッチング処理完了後、レジストパターンを除去す
ることにより、表面にマイクロ突起が施された用紙搬送
ローラ1が完成する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のマイ
クロ突起は、用紙搬送ローラ1の表面全体に一様に形成
されていた。しかし、図23において用紙搬送ローラ1
表面のマイクロ突起はピンチローラ2と接触する部分に
形成されていれば機能的になんら問題なく、言い換えれ
ば、ピンチローラ2と接触しない部分にのみマイクロ突
起3が形成されていても無意味である。これは製造コス
トの面において、機能的に不要なマイクロ突起も形成す
るために、余分なコストをかけているといえる。これを
回避する方法として、従来は図25に示す方法が採用さ
れていた。ここで、図25における用紙搬送ローラ1
は、軸15、支持ローラ16及び薄平板17からなり、
まず、薄平板17の表面にエッチング処理を施すことに
より、図19に示すマイクロ突起を形成した後、支持ロ
ーラ16の表面にスパイラル状に巻き、貼り着ける。こ
のようにして作成した支持ローラ16及び薄平板17か
らなる複数個のローラを軸15に貫通させ、ビスなどに
より固定することにより1本の用紙搬送ローラとする。
【0014】しかしながら、図25に示す用紙搬送ロー
ラ1の場合、軸15、支持ローラ16、薄平板17によ
り用紙搬送ローラ1を構成するため、ローラ外径に比べ
軸径が大幅に小さくなり、これにより「たわみ」が発生
し易くなる。この「たわみ」は、用紙を搬送する際、用
紙が用紙搬送ローラ1の回転に対する滑りを生ずる直接
原因ではないが、「たわみ」がある程度の大きさを持つ
と、用紙に皺が発生し易くなり、正確な用紙搬送が困難
になる。「たわみ」を回避する方法として軸径を大きく
することが考えられるが、その場合、用紙搬送ローラ1
自体のサイズが大きくなるためカラー画像転写装置の小
型軽量化の妨げとなり、また、用紙へのプリント有効面
積が小さくなってしまうという問題が起こる。
【0015】この問題を解決するためには、単一母材に
対して必要な部分にのみマイクロ突起部分を形成した用
紙搬送ローラ1が必要となるが、この場合、マイクロ突
起非形成部分における外径寸法とマイクロ突起形成部分
頂部における外径寸法が重要になる。例えば図26に示
すように、マイクロ突起形成部分頂部とマイクロ突起非
形成部分における用紙搬送ローラ1の外径寸法を同一と
した場合、マイクロ突起非形成部分における半径はr2
となるが、マイクロ突起形成部分では、用紙がマイクロ
突起に食い込むためその半径はr1となり、r1<r2
関係となる。これにより、マイクロ突起形成部分におけ
る用紙搬送ローラ1の1回転当りの搬送量は2πr1
なり、マイクロ突起非形成部分においては2πr2とな
る。したがって、それぞれの部位における搬送量は2π
1<2πr2となるため、用紙の搬送量に差異が生じ、
皺などが発生し易くなる。
【0016】また、マイクロ突起ローラは高い摩擦力を
示す反面、用紙に圧痕が付き表面の傷として残り易い。
圧痕はピンチローラの荷重や用紙の厚さなどにより、そ
の発生のしかたが異なるが、例えば溶融タイプの熱転写
プリンタに使用する用紙等のように薄い(通常100μ
m厚)用紙の場合は圧痕が残り易く、その結果生じる表
面傷がプリント画像の画像低下の誘因となる。
【0017】さらに、従来の昇華タイプの熱転写カラー
プリンタでは、用紙のプリント面はピンチローラ2側に
なる。これは、プリント面を用紙搬送ローラ1側にする
と用紙搬送ローラ1マイクロ突起によりプリント面が損
傷を受ける恐れがあるためである。しかしピンチローラ
2をプリント面に接触させた場合、次に示す別の問題が
新たに発生する。
【0018】(1)溶融タイプの熱転写プリンタと、昇
華タイプの熱転写プリンタの共通の問題点として、ピン
チローラ2のゴム層51中の未反応部分や、軟化剤等の
充填剤がゴム表面に染み出して、これらが用紙に転写さ
れて用紙を汚してしまうという現象がある。一般に、上
述した未反応部分や充填剤が染み出す量は、プリンタが
使用される周囲温度が高いほど顕著である。これらゴム
層51からの染み出し物質は、通常ピンチローラの製造
過程で実施するエージング処理(高温炉中に一定時間保
持し、低分子成分を気化させる処理)でかなり除去され
るが、完全に取り除くことは困難である。この染み出し
物質が用紙に転写されると昇華タイプ、溶融タイプいず
れの熱転写プリンタの場合も染み出し物質が付着した部
分としない部分で、染料やワックスの転写状態が異な
り、ローラ痕として浮き上がってしまう。
【0019】(2)昇華タイプの熱転写プリンタに特有
の問題として、用紙に一旦転写された染料がピンチロー
ラに再転写され、ピンチローラが染色される。染色され
たピンチローラ中の染料は、用紙の非プリント面に接触
すると再び用紙側に写る。この用紙からピンチローラへ
の転写、続くピンチローラから用紙への転写のサイクル
が限りなく繰り返され、結果的に非プリント面に染料が
ローラ痕として残り、画質は著しく悪化する。このロー
ラ痕は、プリント後ある程度日数が経過すると次第に薄
くなり、やがて消えてしまう場合もある。再転写は、一
般に低エネルギーで転写する高感度染料ほど、また、環
境温度が高いほど起こり易い。
【0020】(3)規定サイズより小さい用紙に印刷す
る場合、用紙幅に比べてローラ長さが長いために用紙か
らはみ出したピンチローラ部分は、用紙搬送ローラに直
接接触することになる。用紙搬送ローラに微小突起があ
り、なおかつピンチローラのゴム層に例えばシリコンゴ
ム等が使用された場合、長時間圧接,回転されると摩滅
し、極端な場合はピンチローラのゴム層が細くなってし
まい用紙の挟持力が低下し、ピンチローラの用をなし得
なくなる。
【0021】この発明は、以上のような背景の下になさ
れたものであり、用紙搬送ローラの表面においてピンチ
ローラと接触する部分にのみ用紙の表面に傷を付けない
マイクロ突起を形成し、かつ、マイクロ突起が形成され
た部分と形成されない部分におけるローラ外径が理想的
な寸法を有する用紙搬送ローラ及びその製造方法、並び
に、ピンチローラからの染み出し物質またはピンチロー
ラへの染料の再転写が原因となるローラ痕を発生せず、
かつ、微小突起を有する用紙搬送ローラとの直接接触に
より摩滅することのないピンチローラを提供することを
目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
ピンチローラと用紙搬送ローラとの間に用紙を挟み、前
記用紙搬送ローラを駆動することによって前記用紙の搬
送を行うカラー画像転写装置の用紙搬送ローラにおい
て、前記ピンチローラと接触する部分に多数の微細な突
起を形成して突起形成部とし、前記ピンチローラと接触
しない部分を非突起形成部としたことを特徴とするカラ
ー画像転写装置の用紙搬送ローラである。
【0023】請求項2記載の発明は、前記非突起形成部
における前記用紙搬送ローラの外径は、前記突起形成部
の突起頂部における外径よりも小さく、かつ、前記突起
形成部分の突起底部における外径よりも大きいことを特
徴とする請求項1記載の用紙搬送ローラである。請求項
3記載の発明は、前記突起が前記用紙の表面に圧痕を残
すことなく用紙との十分な摩擦力を保持することが可能
な高さ、直径、形成密度及び突起配置を有することを特
徴とする請求項1または請求項2記載の用紙搬送ローラ
である。
【0024】請求項4記載の発明は、ピンチローラは、
中心部に位置し、ステンレス等の金属材料からなる芯金
と、前記芯金の外周に位置し、ゴム等の弾性材料からな
る中間層と、前記中間層の外周に位置し、厚さ1mm以
下のフィルム状に加工可能な被覆材料からなる外層とに
よって3層構造をなすことを特徴とするピンチローラで
ある。
【0025】請求項5記載の発明は、前記被覆材料の材
質は、フッ素樹脂またはポリイミド樹脂であることを特
徴とする請求項4記載のピンチローラである。請求項6
記載の発明は、前記被覆材料は、厚さが0.1mm以上
のフッ素樹脂熱収縮チューブまたはポリイミドテープで
あることを特徴とする請求項4及び5記載のピンチロー
ラである。
【0026】請求項7記載の発明は、ピンチローラと共
に用紙を挟み、回転しつつ用紙の搬送を行うカラー画像
転写装置の用紙搬送ローラの製造方法において、円柱状
の母材を、前記ピンチローラに当接しない部分について
所定の直径となるまで加工する第1の工程と、前記第1
の工程が終了した母材表面にレジストによってマスキン
グパターンを形成する第2の工程と、前記マスキングパ
ターンが形成された母材をエッチングして突起底部のロ
ーラ径が前記所定の直径より小となる微細な突起を形成
する第3の工程と、を有することを特徴とするカラー画
像転写装置の用紙搬送ローラの製造方法である。
【0027】請求項8記載の発明は、ピンチローラと共
に用紙を挟み、回転しつつ用紙の搬送を行うカラー画像
転写装置の用紙搬送ローラの製造方法において、円柱状
の母材を、前記ピンチローラに当接する部分について所
定の直径となるまで加工する第1の工程と、前記第1の
工程が終了した母材表面に前記加工を行った部分にのみ
レジストによってマスキングパターンを形成する第2の
工程と、前記マスキングパターンが形成された母材をエ
ッチングして微細な突起を形成する工程であって、前記
加工を行わない部分のローラ径が前記所定の直径より小
となるまでエッチングを行い前記微細な突起を形成する
第3の工程と、を有することを特徴とするカラー画像転
写装置の用紙搬送ローラの製造方法である。
【0028】
【作用】上記請求項1に係る用紙搬送ローラによれば、
ピンチローラに接触する部分にのみマイクロ突起が形成
されるので、用紙搬送ローラの製造工数を低減が可能と
なり、歩留まりの向上を図ることができる。上記請求項
2に係る用紙搬送ローラによれば、マイクロ突起形成部
分の外径寸法とマイクロ突起非形成部分の外径寸法が最
適な関係にあるため、用紙の搬送時において用紙に皺が
発生しない確実な用紙搬送が可能となる。上記請求項3
に係る用紙搬送ローラによれば、表面上に形成したマイ
クロ突起は理想的な高さ、頂部直径、突起の密度を有す
るため、剛性の弱い用紙を用いても用紙を傷つけず、し
かもずれ生じない確実な用紙搬送が可能となる。
【0029】上記請求項4記載に係るピンチローラによ
れば、ゴム等の弾性材料からなるピンチローラの中間層
をゴム以外の材料で被覆する構造となっているので、ゴ
ムから染み出る未反応部分や充填剤等が用紙に転写する
ことがない。また、被覆材料の厚さが1mm以下のた
め、ゴムの弾力特性が十分に保たれ、用紙搬送ローラに
押し付けられた時のニップ幅も十分確保することがで
き、用紙搬送特性に支障を来すことがない。
【0030】上記請求項5記載に係るピンチローラによ
れば、ピンチローラの中間層を被覆する被覆材料の材質
が、フッ素樹脂またはポリイミド樹脂なので、例えば高
感度の昇華染料を使用する場合でも染料が被覆材料自体
に染着することがない。上記請求項6記載に係るピンチ
ローラによれば、被覆材料がフッ素樹脂熱収縮チューブ
またはポリイミドテープなので、ピンチローラの中間層
を容易に覆うことができ、かつ、耐摩耗性に優れ用紙搬
送ローラのマイクロ突起と直接接触しても摩滅し難い。
【0031】上記請求項7に係る製造方法によれば、母
材に対しマイクロ突起非形成部分におけるローラの外径
を、仕上がり外径になるまで加工した後、エッチング処
理によりマイクロ突起を形成するので、マイクロ突起非
形成部分における外径寸法を正確に得ることができる。
また、エッチング液の消耗を少なくすることができるた
め製造コストの低減が可能となる。上記請求項8に係る
製造方法によれば、マイクロ突起形成部分の外径を仕上
がり外径まで加工した後、マイクロ突起非形成部分が所
要の外径となるまでエッチング処理を行いマイクロ突起
を形成するので、用紙搬送特性が優れた用紙搬送ローラ
の製造が可能となる。また、レジストの塗布面積が小さ
いため、製造コストの低減が可能となる。
【0032】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の一実施例
について説明する。図1はこの発明の一実施例による用
紙搬送ローラを示す図である。ここで、D1はマイクロ
突起形成部分頂部における用紙搬送ローラの外径であ
る。D2はマイクロ突起非形成部分における用紙搬送ロ
ーラの外径である。Tは用紙の厚さであり、Hはマイク
ロ突起の高さである。また、dはマイクロ突起形成部分
頂部とマイクロ突起非形成部分の差である。 一般にロ
ーラによる用紙搬送では、用紙をローラに巻き付けて搬
送する場合が多い。このとき、ローラ1回転当りの用紙
搬送量は、ローラの外径をD、用紙の厚さをTとする
と、次式で表すことができる。 π(D+T) (1) (1)式を踏まえて、用紙に対するマイクロ突起の食い
込み量に応じてマイクロ突起非形成部分の外径D2を次
式の条件を満たすように決定する。 π(D1+T−2d)=π(D2+T) ∴D2=D1−2d (2) ここで、dのとる範囲は、H>d>0である。dはピン
チゴムローラの押圧(荷重)で決まるが、用紙の種類
(例えば普通紙、合成紙、コート紙、プラスチックフィ
ルム、プラスチックシート、その他)によっても最適値
が変化する。
【0033】次に上述した用紙搬送ローラの製造方法に
ついて説明する。図2に第1の製造方法の各工程におけ
る母材状態を示す。D1はマイクロ突起頂部における用
紙搬送ローラの外径であり、D2はマイクロ突起非形成
部分における外径である。まず、(a)において、外径
1を有する円柱状の金属材料(ステンレス、炭素鋼な
ど)である用紙搬送ローラの母材を、ピンチゴムローラ
との非接触部分の直径がD2となるまで切削する。次
に、(b)において、切削を終えた母材に対し、その表
面に一様にレジストを塗布する。(c)において、マイ
クロ突起形成部分頂部及びマイクロ突起非形成部分をマ
スキングしたフィルムマスクを母材に巻き付け、露光・
現像し、感光したレジスト部分を除去する。次いで、
(d)においてエッチング処理を行った後、レジストを
除去して用紙搬送ローラが完成する。
【0034】次に図3に第2の製造方法の各工程におけ
る母材状態を示す。この図において図2と同様な内容を
表す符号については同一の符号を付し、その説明を省略
する。ここで、D3はエッチング処理の結果D2となるよ
う見込まれた外径である。エッチング寸法はマイクロ突
起の高さHとなるため、これによりD3はD2にマイクロ
突起の高さHの2倍を加えた値(D3=D2+2H)とな
る。まず、(a)において外径D3を有する円柱状の金
属材料(ステンレス、炭素鋼など)である用紙搬 送ロ
ーラの母材に対し、マイクロ突起形成部分の直径をD1
となるよう切削する。次に、(b)において(a)で加
工した母材の表面においてマイクロ突起形成部分にのみ
レジストを塗布する。(c)においてマイクロ突起形成
部分のみマスキングしたフィルムマスクを母材に巻き付
け、露光・現像し、感光したレジスト部分を除去する。
最後に(d)においてマイクロ突起非形成部分の外径D
2になる までエッチング処理を行い、用紙搬送ローラが
完成する。
【0035】今回、本出願を行うに当り、前述した第1
の製造方法により用紙搬送ローラを試作し、ステンレス
ローラの表面にタングステンカーバイトを溶射により付
着させたローラと用紙搬送特性を比較した。今回試作し
た用紙搬送ローラは、長さ360mm、直径18mmの
ステンレス丸棒を母材とし、D1を17.00mm、D2
を16.92mmとした。用紙搬送ローラの母材は、ス
テンレス以外にも炭素鋼などの一般的な鉄鋼材料や、エ
ッチング可能な金属材料を用いることができる。また、
軟質の金属材料、耐食性に乏しい金属材料などは、メッ
キなどの表面処理を施すことにより母材として利用可能
である。
【0036】図4に試作工程のフローチャートを示す。
まず、ステップSa1において上述したステンレス丸棒
をマイクロ突起形成部分において直径を17.00m
m、マイクロ突起非形成部分において直径を16.92
mmに加工後、表面を研磨した段付き丸棒を準備する。
次にステップSa2においてステップSa1での加工に
よる段付き丸棒をIPA(イソプロピルアルコール)な
どの有機溶剤で超音波洗浄し、表面の脱脂・洗浄を行
う。次にステップSa3においてレジストの密着性を良
好にするため塩化第二鉄溶液(Fecl3:50g、H
cl:500ml、H2O:1000ml)で2分間ソ
フトエッチングを施す。次いで、ステップSa4におい
てロールコータを用いて母材表面全体にポジタイプのレ
ジストを一様に塗布する。ここで、段付き部のレジスト
状態を考慮し、レジストは2回に分けて塗布する。次い
でプリベーキングを行い、予め作成しておいたフィルム
マスクを母材に巻き付け、水銀ランプを光源とする露光
機で露光を行う。露光後、現像液で現像し、ポストベー
キングを行う。次にステップSa5においてシュウ酸溶
液(H224・2H2O:200g、H2O:2000
ml)に母材を浸漬し電極間隔20mm、電圧5Vの条
件下でエッチング速度1μm/1.5minの電解エッ
チングを実施する。次に、ステップSa6において電解
エッチング後、レジストを剥離する。以上の手順により
試作した用紙搬送ローラのエッチング深さ及びマイクロ
突起の形状寸法を表面粗さ計と顕微鏡付きX−Yテーブ
ルにより測定した結果、高さ78μm、頂部の直径52
μmのマイクロ突起が形成されたことを確認した。
【0037】次に上述した用紙搬送ローラの表面に粒径
50μm以下のタングステンカーバイトを溶射により付
着させたステンレスローラの用紙搬送特性を測定、比較
した。図5は今回用紙搬送特性を測定するに当り使用し
たピンチローラ2と被試験ローラ1との構成を示す図で
ある。ピンチローラ2の外径は18mmで、芯金径14
mmの軸に厚さ2mmの筒状のゴムが6箇所はめ込まれ
ている。また、ピンチローラ2の荷重は、図中矢印で示
されているように7か所に分けて等分布荷重になるよう
に加え、7か所を合計した荷重を20kgとした。
【0038】以上の構成により、ギヤ(図示略)を介し
てパルスモータ(図示略)により各被試験ローラを一定
回転数駆動し、各被試験ローラの回転による用紙の搬送
量を測定した。ここで、用紙の搬送量は、搬送前の用紙
端の位置と搬送後の用紙端の位置を拡大率50倍の拡大
鏡で測定しその差から求めた。また、用紙には厚さ11
0μmの表面コート紙を使用し、気温20゜C、湿度4
0%RHの恒温・恒湿ルーム内にて各被試験ローラの用
紙搬送特性を測定した。前述で試作した用紙搬送ローラ
を試作ローラ1、ステンレスローラの表面にタングステ
ンカーバイトを付着させたローラを試作ローラ2とし
て、その測定結果を下表に示す。 表 種 類 外径寸法 用紙搬送率 用紙搬送率の比 試作ローラ1 17.0mm 0.99579 0.99758 試作ローラ2 17.1mm 0.99820 1.00000 ここで、用紙搬送率は次式により求めた。 用紙搬送率=ローラ1回転当りの実測搬送量/ローラ1回転当りの計算搬送量 =ローラ1回転当りの実測搬送量/π(D1+T) (3) この表に示すように、試作ローラ1の用紙搬送率と試作
ローラ2の用紙搬送率の比は、0.99758:1.0
0000である。この値は、例えばA3サイズの用紙搬
送量400mmを搬送する場合、両者の搬送量の差は約
1mmとなる。
【0039】次に図5の構成により、マイクロ突起頂部
及びマイクロ突起非形成部におけるローラの外径が等し
い用紙搬送ローラ(図26参照)と前述の試作ローラ1
の用紙搬送特性を測定した。その結果、両者の用紙搬送
率には差異が生じなかったが、ピンチローラ2の押圧荷
重を40kg以上に設定した場合、試作ローラ1におい
ては用紙に何等異常が認められなかったが、マイクロ突
起頂部及びマイクロ突起非形成部における外径が等しい
ローラにおいて、用紙に皺が発生し正常な搬送が困難で
あった。
【0040】次に用紙搬送ローラの表面上に形成するマ
イクロ突起の高さ、マイクロ突起頂部における直径及び
マイクロ突起形成密度について、理想的な寸法を求め
る。図6は用紙搬送ローラの表面に形成されるマイクロ
突起のパターン配置を示す図である。この図において、
AEは用紙搬送ローラの軸方向の座標軸であり、AFは
AEと直交する座標軸である。A,B,C,Dは、ロー
ラ表面上にマイクロ突起が形成されるポイントである。
PxはAE軸上におけるAB間の距離、ΔxはAE軸上
におけるBC間の距離である。また、PyはAF軸上に
おけるBC間の距離、ΔyはAF軸上におけるAB間の
距離である。
【0041】マイクロ突起が形成されるパターンは、
A,B,C,Dにより形成される四辺形が基本構成とな
る。この四辺形は三角形ABDと三角形BCDに分割さ
れるが、これら2つの三角形は正三角形であることが望
ましい。このことは、マイクロ突起の形成密度が同一で
あっても、これら2つの三角形が正三角形からズレる程
用紙に傷がつき易くなることを実験的に確認した結果に
基づいている。また、パターン配置はPx、Δx、P
y、Δyを用いて一義的に定義することが可能である。
【0042】ここで、上述したマイクロ突起の高さを
H、頂部の直径をM、突起密度(1mm2当たりのマイ
クロ突起数)をρ、形成パターン配置をPx、Δx、P
y、Δyで表すと、用紙表面に傷を付けず、なおかつ用
紙搬送の正確性を保つ各項目の最適範囲及び好適範囲
は、下表により与えられる。 表 項 目 最適範囲 好適範囲 高さ H 20〜30μm 15〜50μm 頂部直径 M 20〜50μm 10〜80μm 突起密度 ρ 5〜16個/mm2 2〜25個/mm2 Px 260〜490μm 210〜770μm Py 270〜480μm 215〜760μm Δx 60〜160μm 50〜250μm Δy 90±30μm 90±30μm
【0043】ここで、パターン配置の基本構成である三
角形ABDと三角形BCDを正三角形となるようにP
x、Py、Δx、Δyを設定することは困難ではある
が、三角形の各内角を50〜80度の範囲に設定するこ
とが可能である。また、Px/Pyの比は理想である
1.0に対して0.8〜1.2の範囲に設定することが
可能である。
【0044】また、今回の出願に際し、上述した表の各
項目における数値の妥当性を実証するために、各項目に
様々な数値を与えたマイクロ突起を実際に形成し、表面
傷発生荷重、摩擦係数、傷の状況及び用紙搬送性の測定
を行った。まず、図7〜図14を参照にして、マイクロ
突起の高さH、突起頂部の直径M及び突起密度ρに様々
な数値を与えたマイクロ突起を形成し、表面傷発生荷重
及び摩擦係数の測定結果について述べる。
【0045】図7はこの測定においてマイクロ突起を形
成するステンレス平板の寸法及び形成するマイクロ突起
の範囲を示す平面図である。21はステンレス平板であ
り、縦10mm、横70mmの寸法を有し、表面に種々
の条件を有するマイクロ突起が形成される。22はマイ
クロ突起を形成する範囲を示すものである。図8はマイ
クロ突起の高さH、突起頂部の直径M及び突起密度ρの
変化に対する表面傷発生荷重、摩擦係数を測定するため
の装置の側面を示す側面図である。21は図7で示した
ステンレス平板である。26は押し付けボルトであり、
ロードセル25、バネ24及びゴムローラ30を介して
用紙23をステンレス平板21に押し付ける。ロードセ
ル25は押し付けボルト26による押し付け荷重を測定
する。31は巻取りローラであり、図示しないトルクピ
ックアップローラを介してDCモータに接続されてい
る。
【0046】次に上述した測定装置により、押し付け荷
重及びステンレス平板21及び用紙23との摩擦係数を
測定する際の動作について説明する。まず、押し付けボ
ルト26を緩め、用紙23をゴムローラ30及びステン
レス平板21の間に置き、用紙23の一端を巻取りロー
ラ31に巻き付ける。次に押し付けボルト26を締め付
けることにより用紙23に荷重をかけ、その時の荷重を
ロードセル25により測定する。次に図示しないDCモ
ータを回転させ、巻取りローラ31により用紙23を巻
取る。この時、用紙23がステンレス平板21上を滑り
出す直前の最大静止摩擦力と、滑り出してから一定速度
で滑る時の摩擦力が、トルクとしてトルクピックアップ
ローラにより測定される。
【0047】上述した測定方法により、測定された結果
を図9〜図14に示す。ここで、図9及び図10はマイ
クロ突起頂部の直径Mを30μm、マイクロ突起形成密
度ρを6個/mm2とし、マイクロ突起の高さHを変化
させた時の傷発生荷重(kg)及び摩擦係数のグラフで
ある。図11及び図12はマイクロ突起の高さHを30
μm、マイクロ突起形成密度ρを6個/mm2とし、マ
イクロ突起頂部の直径Mを変化させた時の傷発生荷重
(kg)及び摩擦係数のグラフである。図13及び図1
4はマイクロ突起の高さHを30μm、マイクロ突起頂
部の直径Mを30μmとし、マイクロ突起形成密度ρを
変化させた時の傷発生荷重(kg)及び摩擦係数のグラ
フである。
【0048】これらの図により、マイクロ突起の高さ
H、頂部の直径M、形成密度ρについて、次のことが言
える。 (マイクロ突起の高さ)マイクロ突起を有する用紙搬送
ローラの基本特性においては、用紙に対する摩擦係数が
大きく、かつ、用紙に傷をつけないことが理想的であ
る。この理想を実現するためには、傷発生荷重によって
マイクロ突起の高さを制限する必要がある。ここで、実
用的な傷発生荷重の上限は4kgであり、したがって、
マイクロ突起の高さの上限は、図9より50μmとな
る。一方下限については、摩擦係数により制限され、実
用的な摩擦係数の下限は0.6であり、したがって、図
10よりマイクロ突起の高さの下限は15μmとなる。
しかしながら、マイクロ突起の高さの上限値及び下限値
は、マイクロ突起頂部の直径、形成密度及び配置によっ
て変動する。この変動を考慮に入れて最適範囲を求めた
ところ、20〜30μmの値が得られた。また、これら
の値は前述した表の最適範囲及び好適範囲と一致し、す
なわち前述した表における突起の高さHの範囲は妥当で
あるといえる。
【0049】(マイクロ突起頂部の直径)マイクロ突起
頂部の直径の上限は、摩擦係数により決定される。すな
わち、実用的な摩擦係数の下限は0.6であり、この時
のマイクロ突起頂部の直径は、図12により80μmと
なる。また、下限は傷発生荷重によって決定される。す
なわち、実用的な傷発生荷重の上限は4kgであり、こ
の時のマイクロ突起頂部の直径は、図11により10μ
mとなる。さらにマイクロ突起の高さ及び形成密度との
関連を考慮に入れて最適範囲を求めたところ20〜30
μmという値が得られた。これらの値は前述した表の最
適範囲及び好適範囲と一致し、すなわち前述した表にお
ける頂部の直径Mの範囲は妥当であるといえる。
【0050】(マイクロ突起形成密度)マイクロ突起形
成密度の上限も摩擦係数によって決定され、実用的な摩
擦係数の下限は0.6である。したがって、この時のマ
イクロ突起形成密度は図14により25個/mm2とな
る。また、下限は傷発生荷重によって決定され、実用的
な傷発生荷重の上限は4kgである。この時のマイクロ
突起形成密度は、図13により2個/mm2となる。さ
らにマイクロ突起の高さ及び頂部の直径との関連を考慮
に入れて最適範囲を求めたところ5〜16個/mm2
いう値が得られた。これらの値は前述した表の最適範囲
及び好適範囲と一致し、すなわち前述した表における形
成密度ρの範囲は妥当であるといえる。
【0051】次に、上述した表の形成パターン配置にお
ける数値の妥当性を実証するために、以下に示す4種類
の形成パターン配置の異なる試作ローラ3〜6を試作
し、傷の状況及び用紙搬送性について評価した。また、
試作ローラ3〜6の母材として直径18mm、長さ360
mmのステンレス丸棒を用い、図4に示すフローチャート
に従って製作した。 (以下余白) 試作ローラ3 試作ローラ4 試作ローラ5 試作ローラ6 高さ H(μm) 30 160 30 10 頂部直径 M(μm) 30 30 30 30 突起密度 ρ(個/mm2) 8.4 8.4 1 8.4 Px(μm) 360 360 990 360 Py(μm) 360 360 990 360 Δx(μm) 120 120 330 120 Δy(μm) 90 90 90 90
【0052】また、傷の状況及び用紙搬送性の評価は上
記の各試作ローラを実機の熱転写カラープリンタに搭載
し、用紙を3往復させて行った。以下にその結果を示
す。 試作ローラ3 試作ローラ4 試作ローラ5 試作ローラ6 傷の状況 良好 不良 不良 良好 用紙搬送性 良好 良好 不良 良好 この評価により得られた結果は前述した表に示したP
x、Py、Δx、Δyの最適範囲及び好適範囲の数値の
妥当性を裏付けているといえる。
【0053】ここでマイクロ突起の高さ、頂部の直径、
突起密度、形成パターン配置に関する評価はエッチング
により形成したマイクロ突起に対して行ったが、その他
の手段、例えばメッキ、溶射等によりマイクロ突起を形
成した場合でも同様の効果が認められる。また、マイク
ロ突起頂部の形状については円形を前提として説明した
が、楕円、三角形、星型、正方形、長方形もしくはこれ
らの形状の任意組み合わせなどに対しても同様の効果が
期待できる。これら円形以外の形状を有するマイクロ突
起の頂部面積効果は、以下の式によりマイクロ突起頂部
の形状が円形の頂部直径にほぼ換算することができる。
円形のマイクロ突起頂部の表面積=π・M2/4 よ
り、 D=√(4×(円形以外のマイクロ突起頂部の表面積)/π) (4) ここで、Mは円形マイクロ突起頂部の直径、Dは円形の
マイクロ突起頂部に対する等価半径である。
【0054】次にこの発明によるピンチローラの一実施
例について図面を参照して説明する。図15はこの発明
の一実施例によるピンチローラの構造を示す構造図であ
る。この図において、図22の各部と対応する部分につ
いては同一の符号を付し、その説明を省略する。この図
に示す実施例が前述した図22のピンチローラと異なる
点は、ゴム層51の外周に最外層としてPFA(4フッ
化エチレン-パー-フロロアルコキシエチレン共重合樹
脂)熱収縮チューブ52を被覆した点である。
【0055】次に図15のピンチローラの製作手順の一
例を図16に示す。まず、ステップSb1において、芯
金用として表面を研磨した直径8mm、軸方向の長さ4
0mmのステンレス丸棒を用意し、このステンレス丸棒
の両端に軸受けベアリングを挿入するため切削加工して
段付き丸棒とする。また、加工後、IPA(イソプロピ
ルアルコール)などの有機溶剤で超音波洗浄し、表面の
脱脂・洗浄を行う。
【0056】次にステップSb2において、押し出し成
形によりゴムチューブを作製し、これを図15における
ゴム層51とする。次にステップSb3で、ステップS
b2において作製したゴムチューブにステップSb1で
作製した段付き丸棒を挿入する。次いでステップSb4
で加硫を行い、ゴムチューブをエラストマー(弾性が顕
著な高分子物質)にする。
【0057】次にステップSb5において、加硫を行っ
たゴムチューブの表面をその外径が12mmになるまで
研磨し、研磨後洗浄する。次いで、ステップSb6にお
いて、内径寸法12.7mmのPFA熱収縮チューブを
ゴムチューブに被せる。この時、PFA熱収縮チューブ
の軸方向の長さは、ゴムチューブの両端より片側2mm
ずつ長くなっている。この状態で、140゜Cの高温槽
に10分間入れてPFA熱収縮チューブを収縮させる。
【0058】以上の手順により製作したピンチローラ
は、PFA熱収縮チューブの肉厚が0.37mmとなっ
た。また、PFA熱収縮チューブは、ゴムチューブの軸
方向の長さよりも片側2mmずつ長くなっているため、
ゴムチューブを包むように収縮し、用紙を搬送する際に
PFA熱収縮チューブがゴムチューブから抜け難くなっ
ている。
【0059】また、本発明によるピンチローラの製作方
法において、上述したような被覆材料にPFA熱収縮チ
ューブを用いる方法の他に、押し出し成形により被覆材
料とゴム層を一体に成形する方法、シリコンゴムのよう
に液状ゴム材料をチューブ状の被覆材料に流し込み成形
する方法、フィルムシート状の被覆材料でゴムチューブ
を包んで接着する方法、テープ状の被覆材料をスパイラ
ル状にゴムチューブに巻き付けて接着固定する方法等が
ある。
【0060】本出願に当たり、その効果を実証するため
に図15に示す構造のピンチローラを用いて様々な観点
から各種試験を行った。以下にその結果を示す。まず、
ピンチローラのゴム層を覆う外装材料の有無、及び外装
材料の材質の違いにより、染み出し物質が原因となるロ
ーラ痕がどのように発生するかを試験した。この試験に
おいて、ピンチローラは実際の熱転写カラープリンタに
搭載し、フィードローラに対する押し付け荷重を約0.
6kg/mmとした。また、本試験は40゜Cに保たれ
た恒温槽中で行った。表1に本試験の結果を示す。
【0061】
【表1】
【0062】表1より、ゴム層の表面を何らかの外装材
料で覆ったピンチローラは、用紙表面にローラ痕を発生
していない。このことから、ピンチローラのゴム層と用
紙とを直接接触させないような構造にすることにより、
染み出し物質が原因となるローラ痕の発生を防止するこ
とができる。
【0063】次に昇華タイプの熱転写プリンタ特有の、
一旦用紙に転写した染料がピンチローラへ再転写すると
いう問題に対し、本発明によるピンチローラがどの程度
効果があるのかを評価するため、ピンチローラへの染料
の再転写特性を試験した。本試験においては、ピンチロ
ーラのゴム層の色が有色(ほとんどが黒)か白色(透明
も含む)かによって試験方法を変えた。以下にそれぞれ
のゴム層の色による試験方法の違い、及びその試験結果
について述べる。
【0064】<ゴム層が有色である場合>本試験におけ
る試験方法は、試験するピンチローラを6個実際の熱転
写カラープリンタに搭載し、Y,M,Cの各色をそれぞ
れ最高濃度で重ねて印刷する(すなわち黒色を印刷す
る)ように設定して、まず20枚の用紙を連続でプリン
トする。続く21枚目の用紙を無印字でプリント動作の
みを行い、その用紙にローラ痕が付くか否かを判定する
ものである。また、21枚目の用紙にローラ痕が付いた
場合、その程度を調べるために予め作成しておいた濃度
見本に照らし合わせてOD値を決定し記録した。表2に
ピンチローラのゴム層の色が有色である場合の再転写特
性を示す。
【0065】
【表2】
【0066】表2の結果より、ゴム層を外装材料で覆っ
ていないピンチローラにおいては、ゴム層の材質を問わ
ず全てローラ痕が発生する。これに対して、ポリイミド
テープを外装材料としてゴム層を覆ったピンチローラ
は、ローラ痕が一切発生しなかった。
【0067】<ゴム層が白色または透明である場合>本
試験における再転写特性の試験は図17に示す試験装置
を用いて行った。この図において、59は用紙であり、
Y,M,Cの各単色が最高濃度で印刷されたプリント面
をピンチローラ2側にしてベースフレーム60上にセッ
トされている。55はホルダーであり、ピンチローラ2
を保持する。58は負荷ボルトであり、ロードセル5
7、スプリング56、ホルダー55を介してピンチロー
ラ2を用紙59に押し付け、また、押し付け力の調整を
行う。ロードセル57は負荷ボルト58による押し付け
力を測定する。
【0068】本試験では、40゜Cに保たれた恒温槽中
において、上述した試験装置を用い、用紙59へのピン
チローラ2の押し付け力を15kgに設定し、用紙59
上に印刷された各単色毎に10分間押し付け、また、1
回の押し付けが終了する毎にピンチローラ2を回転させ
て、用紙59との接触面をずらして再転写特性を試験し
た。また、試験終了後ピンチローラ2を試験装置から取
り外し、ピンチローラ表面の染料濃度を予め作成してお
いた濃度見本に照らし合わせてOD値を決定した。表3
にピンチローラのゴム層の色が白色または透明である場
合の再転写特性を示す。
【0069】
【表3】
【0070】表3により、外装材料でゴム層を覆ってい
ないピンチローラは、再転写が著しいことがわかる。ま
た、外装材料でゴム層を覆ったピンチローラにおいて
も、外装材料が架橋ポリエチレン熱収縮チューブの場合
は再転写が発生したが、PFA熱収縮チューブの場合は
再転写が発生しないことがわかる。本試験において、上
述したPFA熱収縮チューブの他に、TFE(4フッ化
エチレン樹脂),FEP(4フッ化エチレン−6フッ化
プロピレン共重合樹脂),PVDF(フッ化ビニリデン
樹脂)等のフッ素樹脂からなる外装材料も同様の効果が
あることを簡単な実験により確認している。また、表
2,表3の結果からピンチローラのゴム層が有色白色い
ずれの場合でも、ゴム層を外装材料で覆うことにより、
再転写特性が確実に向上することがわかる。
【0071】次にピンチローラがマイクロ突起ローラに
直接接触することを考慮し、ピンチローラの耐摩耗試験
を行った。本試験においては、ピンチローラとフィード
ローラとの間に用紙を挟まず、0.4kg/mmの力で
ピンチローラを直接フィードローラに押し付けて一定時
間連続往復回転させ、その後ピンチローラ表面の状態変
化を調べた。その結果を表4に示す。
【0072】
【表4】
【0073】表4から、ゴム層が外装材料で覆われてい
ないピンチローラは、そのゴム層が確実に摩耗してお
り、特にゴム層の材質がシリコンゴムのものは摩滅が著
しい。また、ゴム層を外装材料で覆ったピンチローラに
おいても、厚さ0.1mmのPFA熱収縮チューブの場
合、ゴム層に摩滅が生じることがわかった。この結果、
本試験においては、厚さ0.38mmのPFA熱収縮チ
ューブだけが耐摩耗性に優れていると言える。
【0074】次にピンチローラのゴム層とゴム層を覆う
外装材料との接着安定性について試験した。実際のカラ
ープリンタのプリント時においてスラスト方向の力は外
装材料をゴム層から引き抜く方向に作用する。したがっ
て、外装材料として熱収縮チューブ等を用いる場合は、
チューブの収縮力が小さい場合や、熱収縮チューブとゴ
ム層との間の接着力が弱いと、熱収縮チューブが簡単に
抜けてしまう。これを防止するには、高い収縮率を有す
る材料でできた熱収縮チューブを、少しだけ収縮させ、
かつ、熱収縮チューブの長さをゴム層の軸方向の長さよ
りも長くして、熱収縮チューブの内径をゴム層の外径よ
りも小さく収縮させることが必要である。
【0075】上述した観点から最大収縮率が25%、収
縮前の内径が12.7mm、最大収縮後の厚さが0.3
8mmとなるPFA熱収縮チューブを用い、収縮率及び
ゴム層の端部からはみ出す長さが異なる4種類のピンチ
ローラにより、それぞれの抜け耐力試験を行った結果を
示す。本実験では、各ピンチローラを実際のカラープリ
ンタに搭載し、強制的にスラスト方向の力を発生させて
PFA熱収縮チューブが抜けるか否かを試験した。表5
にその結果を示す。
【0076】
【表5】
【0077】表5から、熱収縮チューブを収縮率を小さ
くし、かつ、熱収縮チューブの長さをゴム層の軸方向の
長さより長くしたものほど、ゴム層から抜け難くなって
いることがわかる。
【0078】なお、本発明のようにピンチローラのゴム
層の外周にチューブやフィルム等で被覆させた場合、ゴ
ム層の弾性が低下することが想像されるが、実際はチュ
ーブまたはフィルムの厚さを薄くし、かつ、ゴム層の硬
度を小さくすることにより、ゴム弾性を変化させること
なく、ゴム層の弾力性の低下を防ぐことができる。実際
に硬度40度のゴム層にPFA熱収縮チューブを被覆さ
せた場合、被覆後のピンチローラの硬度は70度であっ
た。
【0079】また、上述したピンチローラは、熱転写プ
リンタのみならず、コピー機、電子写真方式のプリン
タ、インクジェットプリンタ等、プリント面と直接接触
するピンチローラ全てについて同様の効果を発揮するこ
とができる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、用紙搬送ローラの表面上に必要とする部分
にのみマイクロ突起が形成されているので、用紙搬送ロ
ーラの製造工数を低減することができ、かつ、歩留まり
の向上を図ることができる。
【0081】また、請求項2記載の発明によれば、用紙
搬送ローラ表面のマイクロ突起非形成部分における外径
寸法がマイクロ突起形成部頂部における外径寸法とマイ
クロ突起形成部底部における外径寸法の範囲内にあるた
め、マイクロ突起非形成部及びマイクロ突起形成部にお
ける用紙の搬送量に矛盾が生じないため、用紙に皺が発
生しない確実な用紙搬送が可能となる。
【0082】また、請求項3記載の発明によれば、用紙
搬送ローラの表面に形成するマイクロ突起は、用紙の表
面に圧痕を残すことなく用紙と十分な摩擦力を保持する
ことが可能な高さ、直径及び密度を有するので、剛性の
弱い用紙を用いても用紙を傷つけず、しかもずれが生じ
ない確実な用紙搬送が可能となる。
【0083】請求項4記載の発明によれば、ピンチロー
ラは、中心部に位置し、ステンレス等の金属材料からな
る芯金と、該芯金の外周に位置し、ゴム等の弾性材料か
らなる中間層と、該中間層の外周に位置し、厚さ1mm
以下のフィルム状に加工可能な被覆材料からなる外層と
によって3層構造をなすので、中間層であるゴム層から
染み出る未反応成分及び充填剤等が用紙に転写するのを
防ぐことができる。また、外層の厚さを1mm以下とし
ているので、ゴム層の弾性特性が十分保たれ、用紙搬送
ローラに押し付けられた時のニップ幅を十分確保するこ
とができる。このため、用紙搬送特性に支障を来すこと
がない。また、厚さ1mm以下のフィルム状に加工でき
るゴム以外の材料であれば、どんな材料でも被覆材料と
して使用することができる。
【0084】また、請求項5記載の発明によれば、被覆
材料の材質がフッ素樹脂またはポリイミド樹脂であるの
で、昇華タイプの熱転写プリンタにおいて昇華染料がピ
ンチローラに再転写することがなく、これに起因するロ
ーラ痕の発生を防止することができる。
【0085】さらに、請求項6記載の発明によれば、被
覆材料をフッ素樹脂熱収縮チューブまたはポリイミドテ
ープとしているので、ピンチローラのゴム層を容易に覆
うことができ、また、耐摩耗性に優れており、用紙搬送
ローラと直接接触することによるピンチローラの摩滅を
軽減することができ、ピンチローラの長寿命化を達成す
ることができる。
【0086】また、請求項7記載の発明によれば、母材
に対し非突起部分における外径を、目標とする最終仕上
がりの外径に加工した後、突起部分を形成するためのレ
ジストパターンを施しエッチング処理を行うので、非突
起部分における外径寸法を正確に得ることができ、か
つ、エッチング液の消耗を少なくすることができので、
製造コストの低減が可能となる。
【0087】また、請求項8記載の発明によれば、母材
に突起を形成する部分の外径を、目標とする最終仕上が
り外径まで加工した後、突起部分を形成するためのレジ
ストパターンを前記母材の表面に施し、非突起部分にお
ける所要の外径を得るまでエッチング処理を行うので、
突起部分頂部におけるエッチングムラと、非突起部分表
面におけるエッチングムラとの協調が取り易く、用紙搬
送特性が優れた用紙搬送ローラの製造が可能となる。ま
た、レジストは、突起形成部分にのみ塗布するため、製
造コストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例による用紙搬送ローラに
より用紙を挟持した状態を示す図である。
【図2】 同用紙搬送ローラの第一の製造方法による工
程を説明するための該用紙搬送ローラの断面図である。
【図3】 同用紙搬送ローラの第二の製造方法による工
程を説明するための該用紙搬送ローラの断面図である。
【図4】 同用紙搬送ローラの第一の製造方法による試
作工程を示すフローチャートである。
【図5】 同試作用紙搬送ローラの用紙搬送特性を測定
した際の試作用紙搬送ローラとピンチローラの構成を示
す側面図である。
【図6】 用紙搬送ローラの表面に形成されるマイクロ
突起のパターン配置の基本構成を説明するための説明図
である。
【図7】 マイクロ突起を形成するステンレス平板の寸
法及び形成するマイクロ突起の範囲を示す平面図であ
る。
【図8】 マイクロ突起の高さH、突起頂部の直径M及
び突起密度ρの変化に対する表面傷発生荷重、摩擦係数
を測定するための装置の側面を示す側面図である。
【図9】 マイクロ突起頂部の直径Mを30μm、マイ
クロ突起形成密度ρを6個/mm2とし、マイクロ突起
の高さHを変化させた時の傷発生荷重のグラフである。
【図10】 同マイクロ突起の高さHを変化させた時の
摩擦係数のグラフである。
【図11】 マイクロ突起の高さHを30μm、マイク
ロ突起形成密度ρを6個/mm2とし、マイクロ突起頂
部の直径Mを変化させた時の傷発生荷重のグラフであ
る。
【図12】 同マイクロ突起頂部の直径Mを変化させた
時の摩擦係数のグラフである。
【図13】 マイクロ突起の高さHを30μm、マイク
ロ突起頂部の直径Mを30μmとし、マイクロ突起形成
密度ρを変化させた時の傷発生荷重のグラフである。
【図14】 マイクロ突起形成密度ρを変化させた時の
摩擦係数のグラフである。
【図15】 この発明の一実施例によるピンチローラの
断面形状を示す断面図である。
【図16】 同ピンチローラの製造手順の一例を示すフ
ローチャートである。
【図17】 同ピンチローラの効果を試験するために用
いた試験装置の側面を示す側面図である。
【図18】 カラー画像転写装置の構成例を示す図であ
る。
【図19】 用紙搬送ローラの表面に形成されたマイク
ロ突起を示す斜視図である。
【図20】 同マイクロ突起の縦断面図である。
【図21】 各種ピンチローラの形状を示す斜視図であ
り、(a)は一体形ピンチローラ、(b)は分割形ピン
チローラ、(c)は分割分離形ピンチローラである。
【図22】 従来のピンチローラの断面形状を示す断面
図である。
【図23】 カラー画像転写装置における用紙搬送ロー
ラ及びピンチローラの構成を示す斜視図である。
【図24】 用紙が用紙搬送ローラ及びピンチローラに
挟まれた状態を示す断面図である。
【図25】 従来技術による用紙搬送ローラ及びピンチ
ローラの構成を示す斜視図である。
【図26】 マイクロ突起頂部の外径とマイクロ突起非
形成部分の外径が等しい用紙搬送ローラにより用紙を挟
持した状態を示す図である。
【符号の説明】
1……マイクロ突起頂部外径、D2……マイクロ突起非
形成部外径、d……マイクロ突起頂部と非突起部分の
差、T……用紙の厚さ、H……マイクロ突起の高さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 光島 且 三重県伊勢市竹ヶ鼻町100番地 神鋼電機 株式会社伊勢製作所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピンチローラと用紙搬送ローラとの間に
    用紙を挟み、前記用紙搬送ローラを駆動することによっ
    て前記用紙の搬送を行うカラー画像転写装置の用紙搬送
    ローラにおいて、 前記ピンチローラと接触する部分に多数の微細な突起を
    形成して突起形成部とし、前記ピンチローラと接触しな
    い部分を非突起形成部としたことを特徴とするカラー画
    像転写装置の用紙搬送ローラ。
  2. 【請求項2】 前記非突起形成部における前記用紙搬送
    ローラの外径は、前記突起形成部の突起頂部における外
    径よりも小さく、かつ、前記突起形成部分の突起底部に
    おける外径よりも大きいことを特徴とする請求項1記載
    の用紙搬送ローラ。
  3. 【請求項3】 前記突起は、前記用紙の表面に圧痕を残
    すことなく用紙との十分な摩擦力を保持することが可能
    な高さ、直径、形成密度及び配置を有することを特徴と
    する請求項1または請求項2記載の用紙搬送ローラ。
  4. 【請求項4】 ピンチローラは、 中心部に位置し、ステンレス等の金属材料からなる芯金
    と、 前記芯金の外周に位置し、ゴム等の弾性材料からなる中
    間層と、 前記中間層の外周に位置し、厚さ1mm以下のフィルム
    状に加工可能な被覆材料からなる外層とによって3層構
    造をなすことを特徴とするピンチローラ。
  5. 【請求項5】 前記被覆材料の材質は、フッ素樹脂また
    はポリイミド樹脂であることを特徴とする請求項4記載
    のピンチローラ。
  6. 【請求項6】 前記被覆材料は、厚さが0.1mm以上
    のフッ素樹脂熱収縮チューブまたはポリイミドテープで
    あることを特徴とする請求項4及び5記載のピンチロー
    ラ。
  7. 【請求項7】 ピンチローラと共に用紙を挟み、回転し
    つつ用紙の搬送を行うカラー画像転写装置の用紙搬送ロ
    ーラの製造方法において、 円柱状の母材を、前記ピンチローラに当接しない部分に
    ついて所定の直径となるまで加工する第1の工程と、 前記第1の工程が終了した母材表面にレジストによって
    マスキングパターンを形成する第2の工程と、 前記マスキングパターンが形成された母材をエッチング
    して突起底部のローラ径が前記所定の直径より小となる
    微細な突起を形成する第3の工程と、 を有することを特徴とするカラー画像転写装置の用紙搬
    送ローラの製造方法。
  8. 【請求項8】 ピンチローラと共に用紙を挟み、回転し
    つつ用紙の搬送を行うカラー画像転写装置の用紙搬送ロ
    ーラの製造方法において、 円柱状の母材を、前記ピンチローラに当接する部分につ
    いて所定の直径となるまで加工する第1の工程と、 前記第1の工程が終了した母材表面に前記加工を行った
    部分にのみレジストによってマスキングパターンを形成
    する第2の工程と、 前記マスキングパターンが形成された母材をエッチング
    して微細な突起を形成する工程であって、前記加工を行
    わない部分のローラ径が前記所定の直径より小となるま
    でエッチングを行い前記微細な突起を形成する第3の工
    程と、 を有することを特徴とするカラー画像転写装置の用紙搬
    送ローラの製造方法。
JP25105394A 1994-07-21 1994-10-17 カラー画像転写装置の用紙搬送ローラおよびその製造方法 Pending JPH0885646A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25105394A JPH0885646A (ja) 1994-07-21 1994-10-17 カラー画像転写装置の用紙搬送ローラおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-169854 1994-07-21
JP16985494 1994-07-21
JP25105394A JPH0885646A (ja) 1994-07-21 1994-10-17 カラー画像転写装置の用紙搬送ローラおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0885646A true JPH0885646A (ja) 1996-04-02

Family

ID=26493065

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25105394A Pending JPH0885646A (ja) 1994-07-21 1994-10-17 カラー画像転写装置の用紙搬送ローラおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0885646A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998009903A1 (en) * 1996-09-09 1998-03-12 Fargo Electronics, Inc. Sheet drive roller
EP0832835A2 (en) * 1996-09-30 1998-04-01 Kabushiki Kaisha Tsukada Nezi Seisakusho Sheet feed shaft, apparatus for manufacturing same and method for manufacturing same
EP0925946A2 (en) * 1997-12-26 1999-06-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Sheet conveying mechanism
JP2010223417A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Fuji Xerox Co Ltd 定着部材、定着装置、及び画像形成装置
CN102190170A (zh) * 2010-03-09 2011-09-21 株式会社东芝 输送辊、图像形成装置及形成了图像的纸张的输送方法
US8328704B2 (en) 2006-08-18 2012-12-11 Seiko Epson Corporation Roller, apparatus for molding roller, mold for forming roller, method for producing roller, and recording apparatus
JP2015163442A (ja) * 2014-02-28 2015-09-10 ブラザー工業株式会社 液体付与装置、及び、プログラム

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998009903A1 (en) * 1996-09-09 1998-03-12 Fargo Electronics, Inc. Sheet drive roller
EP0832835A2 (en) * 1996-09-30 1998-04-01 Kabushiki Kaisha Tsukada Nezi Seisakusho Sheet feed shaft, apparatus for manufacturing same and method for manufacturing same
EP0832835A3 (en) * 1996-09-30 1998-12-23 Kabushiki Kaisha Tsukada Nezi Seisakusho Sheet feed shaft, apparatus for manufacturing same and method for manufacturing same
EP0925946A2 (en) * 1997-12-26 1999-06-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Sheet conveying mechanism
EP0925946A3 (en) * 1997-12-26 1999-12-29 Fuji Photo Film Co., Ltd. Sheet conveying mechanism
US6287033B1 (en) 1997-12-26 2001-09-11 Fuji Photo Film Co., Ltd. Sheet conveying roller with surface projections
US8328704B2 (en) 2006-08-18 2012-12-11 Seiko Epson Corporation Roller, apparatus for molding roller, mold for forming roller, method for producing roller, and recording apparatus
JP2010223417A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Fuji Xerox Co Ltd 定着部材、定着装置、及び画像形成装置
CN102190170A (zh) * 2010-03-09 2011-09-21 株式会社东芝 输送辊、图像形成装置及形成了图像的纸张的输送方法
JP2015163442A (ja) * 2014-02-28 2015-09-10 ブラザー工業株式会社 液体付与装置、及び、プログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8621995B2 (en) Sleeves and sleeve segments for flexography
JP6214300B2 (ja) 定着用部材の製造方法及び製造装置
KR101831773B1 (ko) 탄성체 롤러
CN101180583A (zh) 氟化树脂管及其制造方法
CN101872426A (zh) 用于印刷的装置和从用于印刷的装置的表面上剥离介质的方法
CN101676817A (zh) 可延展传送带心轴
JPH0885646A (ja) カラー画像転写装置の用紙搬送ローラおよびその製造方法
JP2014112203A (ja) 定着用部材の製造方法及び製造装置
JP2005238765A (ja) 基材へのチューブの被覆方法及びそれを用いて製造した定着ベルト
JP2006281103A (ja) インク供給装置とパターン形成方法、パターン形成装置、カラーフィルタ形成方法、カラーフィルタ形成装置
JP2003122174A (ja) 剥離シート、およびそれを用いた定着装置
JP2008122907A (ja) フッ素樹脂チューブ被覆ベルトおよびその製造方法、定着装置並びに画像形成装置
JP2006084651A (ja) 定着用回転体の製造方法
JP2007145507A (ja) リブを有する無端ベルトの製造方法及びそれに用いる円筒芯体
JP5507750B1 (ja) 弾性体ローラー
WO2017047801A1 (ja) 剥離部材の製造方法および製造装置
JP2707262B2 (ja) 積層構造回転体の層間密着強度測定方法
JP6517645B2 (ja) 剥離部材の製造方法
US20060159495A1 (en) Fixing apparatus
JP5206053B2 (ja) ステップ式印刷装置及びステップ式印刷方法
JP2008221817A (ja) ローラーモールド成形体及びその製造方法
JP5290637B2 (ja) ホットスタンプ装置及びホットスタンプ方法
JPH10202156A (ja) ロールコータ
JP2001114461A (ja) ガイドロール装置および磁気テープ製造装置
JP2002148978A (ja) ベルト定着装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020219