JP2014117908A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送用のローラから印刷用紙へのインクの付着による印刷品質の低下を、ローラの変更や印刷用紙の乾燥時間の調整を伴わずに抑制すること。
【解決手段】印字率が相対的に高くローラ汚れしきい値以上となる印刷画像を印刷する印刷ジョブを、インクの温度を標準温度からローラ汚れ対策温度に追加熱して実行する。インクの温度を上げることで、インクの粘度が下がり記録紙PAに対するインクの浸透度が上がる。よって、印刷後の記録紙PAが搬送部Cの搬送ローラC1や排紙部Dの排紙ローラD2、反転部Eの反転ローラE1でニップされて搬送される際に、それらのローラの周面にインクが付着しにくくなる。これにより、次に、印刷後の記録紙PAがそれらのローラにニップされて搬送される際に、ローラからインクが転写されて印刷画像の品質が低下するのを抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ローラにより搬送される搬送経路上の印刷用紙に画像を形成するインクジェット記録装置に関する。
ローラにより印刷用紙を搬送するインクジェット記録装置では、印刷済の印刷用紙がインクの乾かないうちにローラと接触すると、次に搬送する印刷用紙にローラのインクが転写されて印刷品質を低下させてしまう。そこで、ローラを、印刷用紙との接触面積が少ない構造とすることが提案されている(例えば、特許文献1)。これにより、印刷用紙からローラにインクが付着しにくくし、かつ、ローラに付着したインクが印刷用紙に転写されにくいようにすることができる。
また、これとは別に、両面印刷における片面の印刷終了後に印刷用紙を反転させる搬送時に、片面の印刷に使用したインク量に応じて適切な乾燥時間をおいてから印刷用紙を搬送することも提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2007−137561号公報 特開2009−113329号公報
しかしながら、インクが付着しにくいローラは、印刷用紙との接触面積が減る分だけ印刷用紙のニップ力が減るので、印刷用紙の滑り等を起こしやすい。しかも、ローラの構造が複雑になる分だけ、コストが増大する。また、インク使用量に応じて適切な乾燥時間をおくようにすると、インクの使用量が多い印刷を複数枚行う場合に、延長する乾燥時間が印刷枚数分だけ積み重なるので、全体の印刷処理時間が大きく増大し処理能力が著しく低下することになる。
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、画像を印刷した印刷用紙の搬送用のローラから印刷用紙にインクが転写されて印刷品質が低下するのを、ローラの変更や印刷用紙の乾燥時間の調整を伴わずに抑制することができるインクジェット記録装置を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1に記載した本発明のインクジェット記録装置は、
印刷ジョブの画像を印刷した印刷用紙をローラによりニップして搬送するインクジェット記録装置において、
前記印刷ジョブから検出した前記画像の印字率が所定のしきい値以上である場合に、該画像の印刷に用いるインクの温度の標準温度からの追加熱を要すると判別する判別手段と、
前記判別手段の判別結果に基づいて、前記追加熱された温度にインクの温度を調整する温度調整手段と、
前記温度調整手段により調整されたインクで前記画像が印刷されるように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
なお、前記判別手段は、前記印刷ジョブの印刷枚数を加味して、前記追加熱の要否を判別するようにしてもよい。
また、請求項2に記載した本発明のインクジェット記録装置は、請求項1に記載した本発明のインクジェット記録装置において、前記判別手段が、カラーの前記画像の印刷に用いる複数色のインクのうち特定色のインクで形成する色別画像の前記印字率に基づいて、少なくとも前記特定色のインクの追加熱の要否を判別し、前記制御手段が、少なくとも前記特定色の色別画像が前記判別手段の判別結果に応じた温度のインクで印刷されるように制御することを特徴とする。
さらに、請求項3に記載した本発明のインクジェット記録装置は、請求項1又は2に記載した本発明のインクジェット記録装置において、前記制御手段が、前記印刷ジョブが複数存在する場合に、前記判別手段がインクの追加熱を要しないと判別した印刷ジョブの前記画像の印刷後に、前記温度調整手段によりインクの温度が追加熱された温度に調整されて、前記判別手段がインクの追加熱を要すると判別した印刷ジョブの前記画像が印刷されるように制御することを特徴とする。
本発明によれば、印字率が所定のしきい値以上である印刷ジョブの画像を印刷する場合に、標準温度から追加熱して粘度を下げたインクを印刷に用い、印刷用紙に対するインクの浸透度合いを高めて、印刷後の印刷用紙からローラへのインクの付着を抑える。これにより、次に搬送する印刷用紙にローラからインクが転写されて印刷品質が低下するのを、ローラの変更や印刷用紙の乾燥時間の調整を伴わずに抑制することができる。
即ち、請求項1に記載した本発明のインクジェット記録装置によれば、画像の印字率が所定のしきい値以上である場合は、印刷後の印刷用紙から搬送用のローラにインクが付着しやすいものとして、標準温度から追加熱して粘度を下げたインクを用いて印刷が行われる。粘度を下げたインクを印刷に用いると、印刷用紙に対するインクの浸透度合いが高まり、印刷後の印刷用紙からローラへのインクの付着が抑えられる。したがって、次に搬送する印刷用紙にローラからインクが付着して印刷品質が低下するのを、ローラの変更や印刷用紙の乾燥時間の調整を伴わずに抑制することができる。
また、請求項2に記載した本発明のインクジェット記録装置によれば、請求項1に記載した本発明のインクジェット記録装置において、カラーの画像を印刷する場合に用いる複数色のインクの中には、視覚上目立ちにくい薄い色のインクも存在する。そのような色のインクがローラに付着して次の印刷用紙にローラから転写されても、印刷画像の品質を低下させる程度は低い。反対に、視覚上目立ちやすい濃い色のインクがローラに付着して次の印刷用紙にローラから転写されると、印刷画像の品質を低下させる程度は大きくなる。
したがって、視覚上目立ちやすい濃い色を特定色とし、特定色のインクで形成する色別画像の印字率が所定のしきい値以上である場合に、少なくともその特定色の色別画像を追加熱されて粘度が低下したインクで印刷させることで、特定色のインクがローラから印刷用紙に転写されて印刷画像の品質を低下させるのを、抑制することができる。
なお、特定色は一色でも複数色でもよく、特定色が複数色ある場合は、各色画像の印字率を色別の所定のしきい値と比較してインクの追加熱の要否を判別するようにしてもよい。また、特定色以外の色別画像は、標準温度のインクで印刷してもよく、追加熱されたインクで印刷してもよい。
さらに、請求項3に記載した本発明のインクジェット記録装置によれば、請求項1又は2に記載した本発明のインクジェット記録装置において、インクが標準温度であるときに、追加熱されたインクを印刷に用いる先行の印刷ジョブと標準温度のインクを印刷に用いる後続の印刷ジョブとが未処理状態で存在する場合は、インクを標準温度としたまま、後続の印刷ジョブを先行の印刷ジョブよりも先に処理することになる。
一方、上述した未処理状態の2つの印刷ジョブを順番通りに処理すると、まず、標準温度のインクが追加熱されるまで待って先行する印刷ジョブを処理し、その後、インクの温度が標準温度に下がるまで待って後続の印刷ジョブを処理することになる。即ち、後続の印刷ジョブの処理は、標準温度のインクが追加熱され、その後、追加熱されたインクが標準温度に下がるまで、待機させられることになる。
したがって、印刷に用いるインクの温度が互いに異なる印刷ジョブが未処理状態で存在する場合に、標準温度のインクを印刷に用いる印刷ジョブを、インクの温度を標準温度から追加熱する前にまとめて先に処理することで、標準温度のインクを印刷に用いる印刷ジョブの待機時間を少なくし、インクの追加熱により印刷ジョブの処理が全体的に大きく遅延するのを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成を示す説明図である。 図1の各インク循環式印刷ユニットの全体構成を示す説明図である。 (a)は図1の先行する記録紙に対する印刷画像の印刷と記録紙の搬送に関与する各ローラ対の状態変化との関係を示す説明図、(b)は図1の後続の記録紙に対する印刷画像の印刷と記録紙の搬送に関与する各ローラ対の状態変化との関係を示す説明図である。 図1のインクジェットプリンタの電気的構成を示すブロック図である。 (a),(b)は図4の外部記憶装置に格納された各インク循環式印刷ユニットの温度調整器による各色のインクの追加熱の要否を定義したテーブルを示す説明図である。 図5(a),(b)のテーブルの印字率を求める記録紙上の対象領域を示す説明図である。 図4の制御ユニットのCPUがROMに格納されたプログラムに従い実行する印刷画像の印刷に使用するインクの温度判別に関する処理の手順を示すフローチャートである。 図2の温度調整器によりインクの温度を標準温度及びローラ汚れ対策温度に調整する場合のインク温度の経時変化を示すグラフである。 図1のプリンタ部で印刷処理する印刷ジョブの順番を入れ替える場合を示す説明図である。 図4の制御ユニットのCPUがROMに格納されたプログラムに従い実行する印刷ジョブの順番を入れ替える処理の手順を示すフローチャートである。 図4の制御ユニットのCPUがROMに格納されたプログラムに従い実行する印刷ジョブの順番を入れ替える処理の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成を示す説明図である。図1に示すように、本実施形態のインクジェットプリンタ1(請求項中のインクジェット記録装置に相当)は、給紙部Aと、プリンタ部Bと、搬送部Cと、排紙部Dと、反転部Eとを備えている。
給紙部Aは、記録紙PA(請求項中の印刷用紙に相当)を給紙するものである。給紙部Aは、図1の太線で示す搬送経路の最も上流側に配置されている。給紙部Aは、複数の給紙台A1と、複数対の給紙ローラA2とを備えている。給紙ローラA2は、何れかの給紙台A1からこれに続く給紙経路RSにより記録紙PAを搬送してプリンタ部Bへと給紙する。
プリンタ部Bは、記録紙PAを搬送しつつ、記録紙PAに画像を印刷する。プリンタ部Bは、給紙部Aの下流側に配置されている。プリンタ部Bは、レジストローラB1と、ベルト搬送部B2と、C(シアン)、K(ブラック)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各色に対応した4個のインク循環式印刷ユニットB3(B3a〜B3d)とを備えている。各インク循環式印刷ユニットB3(B3a〜B3d)は、そのインク循環経路中に、後述するインクジェットヘッド5(図2参照)をそれぞれ有している。
レジストローラB1は、給紙部Aまたは反転部Eから搬送される記録紙PAをベルト搬送部B2へと搬送する。ベルト搬送部B2は、レジストローラB1から搬送された記録紙PAを吸引しつつ、搬送部Cへと搬送する。
搬送部Cは、記録紙PAの搬送経路のうち図1の実線で示す通常経路RCの一部を構成しており、印刷済みの記録紙PAを搬送する。搬送部Cは、プリンタ部Bの下流側に配置されている。搬送部Cは、3対の搬送ローラC1を備えている。搬送ローラC1は、プリンタ部Bと排紙部D又は反転部Eの間で記録紙PAを搬送する。
排紙部Dは、印刷済みの記録紙PAを排紙して、積層する。排紙部Dは、搬送部Cの下流側に配置されている。排紙部Dは、通常経路RCの最も下流側に配置されている。排紙部Dは、切替機構D1と、2対の排紙ローラD2と、排紙台D3とを備えている。
切替機構D1は、通常経路RCと、図1の一点鎖線で示す両面印刷用の反転経路RRとの間で記録紙PAの搬送経路を切り替えるものである。排紙ローラD2は、記録紙PAを排紙台D3へと排紙するものである。
反転部Eは、片面が印刷された記録紙PAを反転させてプリンタ部Bへと搬送するものである。反転部Eは、複数対の反転ローラE1と、フリッパE2と、スイッチバック部E3とを備えている。
反転ローラE1は、切替機構D1を介して、搬送部Cから搬送される片面印刷済みの記録紙PAをスイッチバック部E3へと一度搬送する。また、反転ローラE1は、スイッチバック部E3から戻る記録紙PAを、フリッパE2を介して、プリンタ部Bへと搬送する。
図2は図1の各インク循環式印刷ユニットの全体構成を示す説明図である。図2に示す各インク循環式印刷ユニットB3a〜B3dは、それぞれ、C(シアン)、K(ブラック)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各色のインクを用いて記録紙PAに画像を印刷するものである。
図2の各インク循環式印刷ユニットB3a〜B3dは、インク循環経路15を有している。インク循環経路15は、上タンク3からインクジェットヘッド5を経て下タンク7に至るインク流路9と、下タンク7から循環ポンプ11を経て上タンク3に至るインク流路13とにより構成される。
上タンク3は、大気開放弁31を介して大気と連通する空気層33を内部に有している。この空気層33は、循環ポンプ11の作動によりインク循環経路15を循環するインクの圧力に生じる脈動に対する緩衝や、インクジェットヘッド5に設けられるノズル5a,5a,…のインクメニスカスの圧力を安定させるためのバッファとして設けられる。また、上タンク3には、内部のインク液面の上限値とその上の限界値とをそれぞれ検出する2つの液面センサ35,37が設けられている。
インク流路9の途中には、インク流路9を通過するインクの温度を検出する温度センサ91が設けられている。
インクジェットヘッド5は、多数のノズル5a,5a,…を形成したブロックを複数有しており、上タンク3よりも下方に配置されている。インクジェットヘッド5の各ノズル5aには、上タンク3のインク液面とノズルのインクメニスカスとの水頭差に応じた圧力で、インク流路9を介して上タンク3からインクが供給される。
前記下タンク7は、インクジェットヘッド5の下方に配置されており、ノズル5aからの吐出後に残った余剰のインクがインクジェットヘッド5から自重により回収される。この下タンク7は、大気開放弁71を介して大気と連通する空気層73を内部に有している。この空気層73は、インク循環経路15におけるインクの循環停止中に、大気圧によりノズル5aのインクメニスカスの圧力を安定させるために設けられている。
また、下タンク7には、内部のインク液面の下限値を検出する液面センサ77が設けられている。さらに、下タンク7には補給用インク流路19と開閉弁21とを介してインクカートリッジ23が接続されている。
各インク循環式印刷ユニットB3a〜B3dのインクカートリッジ23には、プロセスカラーであるC(シアン)、K(ブラック)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のインクがそれぞれ充填されている。
液面センサ77により下タンク7のインク液面が下限値まで減ったことが検出されると、開閉弁21が適宜開放され、インクカートリッジ23内のインクが、補給用インク流路19を介して下タンク7に適量供給される。
循環ポンプ11は、下タンク7のインクをインク流路13を介して上タンク3に還流させる。このインク流路13の途中には温度調整器25(請求項中の温度調整手段に相当)が設けられている。この温度調整器25は、循環ポンプ11により下タンク7から上タンク3に還流されるインクの温度を、インクジェットヘッド5においてインクが適切な吐出速度でノズル5aから吐出される適温に調節するものである。そのために温度調整器25は、加熱用のヒータ251と冷却用のファン253及びヒートシンクを有している。
インクを適温に調整する理由は、インクの温度がインクの粘度に変化をもたらすからである。具体的には、インクの温度が高いとインクの粘度が下がり、インクの温度が低いとインクの粘度が上がる。そして、インクの吐出速度はインクの粘度によって変わる。そのため、温度調整器25は、インクが適切な速度で吐出される粘度となるように、インクの温度を適温に調整する。
なお、インクの適温はC(シアン)、K(ブラック)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各色毎に異なり、それぞれ下限温度以上上限温度以下の許容温度幅を有している。そのため、各色のインクは通常、それぞれの許容温度幅内に設定された適温としての標準温度となるように温度調整される。
図3(a)は先行する記録紙PAに対する画像の印刷と記録紙PAの搬送に関与する各ローラ対の状態変化との関係を示す説明図である。図3(b)は後続の記録紙PAに対する画像の印刷と記録紙PAの搬送に関与する各ローラ対の状態変化との関係を示す説明図である。
図3(a)に示すように、記録紙PAは、搬送ローラ(1)によりニップされてプリンタ部Bに搬送され、印刷画像Pが印刷された後、搬送ローラ(2)や搬送ローラ(3)によりニップされて搬送され、排紙台D3に排紙(出力)される。
ここで、搬送ローラ(1)には、給紙部Aの給紙ローラA2やプリンタ部BのレジストローラB1が該当する。また、搬送ローラ(2)には、搬送部Cの搬送ローラC1や反転部Eの反転ローラE1が、搬送ローラ(3)には、排紙部Dの排紙ローラD2がそれぞれ該当する。そして、請求項中のローラは、搬送ローラ(2)や搬送ローラ(3)に相当している。
記録紙PAにプリンタ部Bで印刷画像Pが印刷されると、搬送ローラ(2)や搬送ローラ(3)の周面が記録紙PAと接触し、印刷画像Pのインクが付着する。したがって、この状態で、次の記録紙PAを搬送ローラ(1)〜(3)で搬送しながら印刷画像を印刷し排紙すると、搬送ローラ(2)や搬送ローラ(3)の周面に付着したインクが次の記録紙PAに転写される。これにより、図3(b)に示すように、排紙台D3に排紙される次の記録紙PAの印刷画像Pの品質が、ローラから転写されたインクによる帯状の汚れNによって損なわれる。
記録紙PAから搬送ローラ(2)や搬送ローラ(3)の周面に付着するインクの量は、記録紙PAの印刷画像Pの印刷に使用されたインクの量によって変化する。印刷に使用されたインクの量は、印刷画像Pの印字率が高いと多く、印字率が低いと少ない。なお、印字率とは、例えば、記録紙PAの印字可能な領域に対する実際に印字された領域の面積比によって表される割合である。
また、印字率の高低とは別に、1つの印刷ジョブで印刷する記録紙PAの枚数が多いと、記録紙PA1枚当たりの付着量は少なくても、各記録紙PAから搬送ローラ(2)や搬送ローラ(3)に付着するインクの合計量は、結構な多さになる。
そのため、印刷画像Pの印字率や印刷ジョブの印刷枚数の多少に応じて、記録紙PAから搬送ローラ(2)や搬送ローラ(3)の周面にインクが付着することに対策を施すかどうかを決めることが考えられる。
ところで、インクの温度により変化するインクの粘度は、記録紙PAに対するインクの浸透度合いに影響する。具体的には、粘度の低いインクは記録紙PAへの浸透度が高く、粘度の高いインクは記録紙PAへの浸透度が低い。そして、搬送ローラ(2)や搬送ローラ(3)が記録紙PAに接触したときには、記録紙PAへの浸透度が低いインクほどローラの周面にインクが付着しやすく、記録紙PAへの浸透度が高いインクほどローラの周面にインクが付着しにくい。
そこで、記録紙PAに印刷する印刷画像Pの印字率が高いときや、1つの印刷ジョブで印刷画像Pを印刷する記録紙PAの枚数が多いときに、インクの粘度を低くするために、インク循環式印刷ユニットB3a〜B3dの温度調整器25により印刷に用いるインクを、標準温度からローラ汚れ対策温度(請求項中の追加熱された温度に相当)に追加熱する制御を行うことが考えられる。以下、そのような制御を行うための構成について説明する。
図4は図1のインクジェットプリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。本実施形態のインクジェットプリンタ1は、全体制御用の制御ユニット29を有している。この制御ユニット29は、ROM29cに格納されたプログラムをCPU29aがRAM29bの作業領域を使用しながら実行することで、各種の制御処理を実行する。
制御ユニット29には、インク循環式印刷ユニットB3a〜B3dのインク流路9に設けた温度センサ91、上タンク3及び下タンク7の各液面センサ35,37,77が接続されている。
また、制御ユニット29には、上タンク3及び下タンク7の各大気開放弁31,71、循環ポンプ11、温度調整器25のヒータ251及びファン253、開閉弁21、並びに、各種情報表示用にインクジェットプリンタ1に設けられたディスプレイ101が接続されている。
さらに、制御ユニット29には、各インク循環式印刷ユニットB3a〜B3dのインクジェットヘッド5のドライバ103や、ハードディスク等の外部記憶装置105が接続されている。
インクジェットヘッド5がシェアモード型である場合、各ノズル5aに連通するインク室同士の隔壁(図示せず)を、隔壁を構成する圧電部材(図示せず)への電圧印加に伴いせん断変形させると、ノズル5aからインクが吐出される。したがって、ドライバ103は、圧電部材の電極に駆動電圧を印加することにより、隔壁を変形させてインク室の容積およびインク室内の圧力を変化させ、ノズル5aからインクを吐出させる。
外部記憶装置105は、インクジェットヘッド5を駆動させる電圧の波形データを格納する。また、外部記憶装置105は、各インク循環式印刷ユニットB3a〜B3dの温度調整器25による各色のインクの追加熱の要否を定義したテーブルを格納している。
図5(a)は図4の外部記憶装置105に格納されたテーブルを示す説明図である。このテーブルでは、印刷ジョブにより記録紙PAに印刷する印刷画像Pの印字率を、「小」、「中」、「大」の3つの範囲に分けている。
また、印刷ジョブにより印刷画像Pを印刷する記録紙PAの枚数を、「1〜N1枚」、「N1+1〜N2枚」、「N2+1枚〜」の3つに分けている。そして、その組み合わせ毎に、印刷に用いるインクの温度を追加熱するか否かを定義している。
テーブル中の「制御なし」はインクを追加熱しないことを意味し、「制御あり」は、標準温度からローラ汚れ対策温度にインクを追加熱することを意味している。そして、印刷枚数が「1〜N1枚」である場合は、印字率が「小」及び「中」の印刷画像Pの印刷ではインクの追加熱を行わず、印字率が「大」の印刷画像Pの印刷ではインクの追加熱を行う。したがって、印刷枚数が「1〜N1枚」である場合は、印字率「中」と「大」の両範囲の境界を定める「しきい値(高)」が、請求項中の所定のしきい値に相当することになる。
また、印刷枚数が「N1+1〜N2枚」である場合は、印字率が「小」の印刷画像Pの印刷ではインクの追加熱を行わず、印字率が「中」及び「大」の印刷画像Pの印刷ではインクの追加熱を行う。したがって、印刷枚数が「N1+1〜N2枚」である場合は、印字率「小」と「中」の両範囲の境界を定める「しきい値(低)」が、請求項中の所定のしきい値に相当することになる。
さらに、印刷枚数が「N2+1枚〜」である場合は、印字率に関係なくインクの追加熱を行う。したがって、印刷枚数が「N2+1枚〜」である場合は、印字率=「0」が請求項中の所定のしきい値に相当すると考えることもできる。あるいは、印刷枚数が「N2+1枚〜」である場合は、印字率が所定のしきい値以上でなくても、例外的にインクの追加熱を行うと定義したものと考えることもできる。
なお、印刷画像Pがカラー画像である場合は、図5(a)のテーブル中の印字率に、カラー画像としての印字率を当てはめて、インクの追加熱の要否を決定することができる。また、図5(a)のテーブル中の印字率に、カラー画像を構成するC(シアン)、K(ブラック)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各色画像(請求項中の色別画像に相当)の印字率をそれぞれ当てはめて、各色毎にインクの追加熱の要否を決定することもできる。
さらに、図5(a)のようなテーブルをインク色別に個別の内容で定義し、C(シアン)、K(ブラック)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各色画像の印字率を対応するテーブルの印字率に当てはめて、各色毎にインクの追加熱の要否を決定することもできる。
この場合、例えばY(イエロー)のように目立ちにくい色のインクは、記録紙PAにローラから転写しても汚れN(図3(b)参照)が目立たず、印刷画像Pの品質が低下する度合いが低い。そこで、Y(イエロー)については、印字率が高くてもインクの追加熱を行わないようにしてもよい。
その場合は、図5(b)のテーブルのように、印字率が高くても相対的にインクの追加熱が行われない定義内容に変えてもよく、インクの追加熱の要否を決定するテーブルそのものを定義しないようにしてもよい。そして、C(シアン)、K(ブラック)、M(マゼンタ)の各色画像についてのみ、印字率に基づいたインクの追加熱の要否を決定するようにしてもよい。この場合、C(シアン)、K(ブラック)、M(マゼンタ)の各色が、請求項中の特定色に相当することになる。
また、図5(a),(b)のテーブルでは、印刷枚数の区分毎に、印字率に応じて、印刷に用いるインクの温度を追加熱するか否かを定義するものとした。しかし、印刷枚数に関係なく一律に、印字率のみに応じて、印刷に用いるインクの温度を追加熱するか否かを定義したテーブルを用いるようにしてもよい。
ちなみに、ローラ汚れ対策温度は、下限温度以上上限温度以下の許容温度幅内の温度に設定することが望ましい。
図6は図5(a),(b)のテーブルの印字率を求める記録紙上の対象領域を示す説明図である。印字率に基づいたインクの追加熱の要否の判別は、記録紙PAの搬送の際に記録紙PAからローラに付着したインクが、次の記録紙PAの搬送の際にローラから転写されて印刷品質を低下させるのを防ぐために行われるものである。そこで、図6の斜線部、つまり、記録紙PAの搬送ローラ(2)や搬送ローラ(3)(図3(a),(b)参照)が接触しない部分を、印字率を求める領域から除外してもよい。
図7は制御ユニット29のCPU29aがROM29cに格納されたプログラムに従い実行する、印刷画像Pの印刷に使用するインクの温度判別に関する処理の手順を示すフローチャートである。
CPU29aは、不図示のクライアント端末等から入力された印刷ジョブから検出した印刷画像Pの印刷枚数が、「1〜N1枚」、「N1+1〜N2枚」、「N2+1枚〜」のいずれであるかを確認する(ステップS1)。印刷枚数が「1〜N1枚」である場合は、印刷ジョブから検出した印刷画像Pの印刷率が、「1〜N1枚」に対応するローラ汚れ閾値(「しきい値(高)」)以上であるか否かを確認する(ステップS3)。
同様に、CPU29aは、印刷枚数が「N1+1〜N2枚」である場合は、印刷ジョブから検出した印刷画像Pの印刷率が、「N1+1〜N2枚」に対応するローラ汚れ閾値(「しきい値(低)」)以上であるか否かを確認する(ステップS5)。また、CPU29aは、印刷枚数が「N2+1枚〜」である場合は、印刷ジョブから検出した印刷画像Pの印刷率が、「N2+1枚〜」に対応するローラ汚れ閾値以上であるか否かを確認する(ステップS7)。
ステップS3〜7のいずれの場合も、ローラ汚れ閾値以上であれば(YES)、CPU29aは、インクの温度を標準温度からローラ汚れ対策温度に追加熱させて(インク温度変更、ステップS9)、印刷画像Pの印刷をプリンタ部Bに実行させた後(ステップS11)、一連の処理を終了する。一方、ステップS3〜7のいずれの場合も、ローラ汚れ閾値以上でなければ(NO)、CPU29aは、インクの温度を標準温度のまま変えずに、印刷画像Pの印刷をプリンタ部Bに実行させた後(ステップS11)、一連の処理を終了する。
なお、記録紙PAに対する印刷画像Pの印刷に際して、CPU29aは、印刷画像Pに応じた駆動信号をドライバ103からインクジェットヘッド5に出力させる。この駆動信号によりインクジェットヘッド5のインク室の隔壁をせん断変形させてノズル5aからインクを吐出させることで、プリンタ部Bで印刷画像Pを記録紙PAに印刷させる。
また、CPU29aは、プリンタ部Bで印刷画像Pを印刷した記録紙PAを、片面印刷や両面印刷の両面印刷後の場合は搬送部C及び排紙部Dにより排紙台D3に排紙させる。また、両面印刷の片面印刷後の場合は、搬送部C及び反転部Eにより記録紙PAをプリンタ部Bに給紙させる。
このとき、印刷枚数が多い印刷ジョブの印刷画像Pを印刷する際や、印字率が高い印刷画像Pを印刷する際には、インクの温度を標準温度からローラ汚れ対策温度に追加熱させて、粘度を低下させたインクを用いて印刷画像Pを印刷させる。これにより、インクの記録紙PAへの浸透度合いが高まるので、印刷画像Pを印刷した後の記録紙PAを搬送するときに、搬送ローラ(2)や搬送ローラ(3)に印刷画像Pのインクが付着しにくくなる。
したがって、搬送ローラ(2)や搬送ローラ(3)の材質を変更したり、例えば搬送部C及び反転部Eを通過する時間を長くする等して記録紙PAの乾燥時間を調整することなく、次に搬送する記録紙PAに搬送ローラ(2)や搬送ローラ(3)からインクが転写して印刷品質が低下するのを抑制することができる。
ところで、インクの温度を温度調整器25により標準温度からローラ汚れ対策温度に追加熱するには、それに応じた時間が必要となる。
図8は温度調整器25(のヒータ251)によりインクの温度を標準温度及びローラ汚れ対策温度にそれぞれ調整する場合のインク温度の経時変化を示すグラフである。図8に示す例のように、インクを低い温度から標準温度に調整するよりもローラ汚れ対策温度に調整する方が所要時間が長い。当然、標準温度のインクをローラ汚れ対策温度に追加熱するのにも相応の時間を要することになる。
したがって、インクが標準温度であるときに、ローラ汚れ対策温度に追加熱したインクを印刷画像Pの印刷に用いる印刷ジョブが発生すると、標準温度のインクが温度調整器25のヒータ251により追加熱されるまで、印刷ジョブの実行を待つことになる。
そして、ローラ汚れ対策温度に追加熱したインクを印刷画像Pの印刷に用いる先行の印刷ジョブと、標準温度のインクを印刷画像Pの印刷に用いる後続の印刷ジョブとが未処理状態で存在する場合には、まず、上述のように標準温度のインクが追加熱されるまで待ってから、先行する印刷ジョブを処理する。さらに、その後、インクの温度が温度調整器25のファン253及びヒートシンクにより標準温度に下げられるまで待ってから、後続の印刷ジョブを処理することになる。
このように、インクが標準温度であるときに発生した、標準温度のインクを用いる後続の印刷ジョブが、インクをローラ汚れ対策温度に追加熱して再び標準温度にするまで、温度調整に必要な時間を二重に待機させられた挙げ句にようやく処理できるというのでは、時間を大きくロスすることになる。
そこで、ローラ汚れ対策温度に追加熱したインクを用いる印刷ジョブの発生に伴い、標準温度のインクをローラ汚れ対策温度に追加熱するときに、標準温度のインクを用いる印刷ジョブが存在する場合、ジョブ発生順が後であってもインクが標準温度であるうちにその印刷ジョブを先に処理するようにしてもよい。
図9はプリンタ部Bで印刷処理する印刷ジョブの順番を入れ替える場合を示す説明図である。この例では、3つの印刷ジョブが存在し、そのうち1番目と3番目の印刷ジョブが、印字率が相対的に高い、搬送ローラ(2)や搬送ローラ(3)の搬送時にインクが付着しやすい印刷画像Pを印刷するジョブである。また、2番目の印刷ジョブは、印字率が相対的に低い、搬送ローラ(2)や搬送ローラ(3)の搬送時にインクが付着しにくい印刷画像Pを印刷するジョブである。
この例の場合、印刷ジョブを発生順に処理すると、インクを標準温度からローラ汚れ対策温度に追加熱してから1番目の印刷ジョブを処理し、次に、インクをローラ汚れ対策温度から標準温度に下げてから2番目の印刷ジョブを処理することになる。さらに、3番目の印刷ジョブは、インクを標準温度からローラ汚れ対策温度に再び追加熱してから処理することになる。したがって、各印刷ジョブを処理する毎に、インクの温度を調整する時間を挟まなければならなくなり、全体の処理時間が大幅に増えることになる。
そこで、1番目の印刷ジョブを処理するために、インクを標準温度からローラ汚れ対策温度に追加熱する前に、制御ユニット29の制御により、インクが標準温度であるうちに2番目の印刷ジョブを先に処理し、その後に、インクを標準温度からローラ汚れ対策温度に追加熱して、1番目と3番目の印刷ジョブを処理するようにする。これにより、ローラ汚れ対策温度に追加熱されたインクを標準温度に下げる待ち時間を挟まずに、3つの印刷ジョブを処理することができ、全体の処理時間を抑制することができる。
図10は制御ユニット29のCPU29aがROM29cに格納されたプログラムに従い実行する、印刷ジョブの順番を入れ替える処理の手順を示すフローチャートである。
上述したように印刷ジョブの処理順を入れ替えるために、CPU29aは、まず、インクが標準温度であるか否かを確認する(ステップS11)。インクが標準温度である場合は(ステップS11でYES)、CPU29aは、不図示のクライアント端末等から入力された先頭の印刷ジョブが、インクをローラ汚れ対策温度に追加熱して実行する印刷ジョブか否かを確認する(ステップS13)。
先頭の印刷ジョブが、インクをローラ汚れ対策温度に追加熱して実行する印刷ジョブでない場合は(ステップS13でNO)、CPU29aは、先頭の印刷ジョブを処理した後(ステップS15)、ステップS13にリターンする。
一方、先頭の印刷ジョブが、インクをローラ汚れ対策温度に追加熱して実行する印刷ジョブである場合は(ステップS13でYES)、CPU29aは、先頭以降の印刷ジョブ中に、標準温度のインクを用いて実行する印刷ジョブが存在するか否かを確認する(ステップS17)。
存在する場合は(ステップS17でYES)、CPU29aは、標準温度のインクを用いて実行する印刷ジョブを全て先に処理した後(ステップS19)、インクをローラ汚れ対策温度に追加熱する(ステップS21)。そして、CPU29aは、ローラ汚れ対策温度のインクを用いて実行する印刷ジョブを全て処理した後(ステップS23)、一連の処理を終了する。
なお、インクが追加熱されたローラ汚れ対策温度であるときに、先頭の印刷ジョブが、印字率が相対的に低い、搬送ローラ(2)や搬送ローラ(3)の搬送時にインクが付着しにくい印刷画像Pを印刷するジョブである場合にも、同様の順番の入れ替えを行うことが有効である。
即ち、2番目以降に、印字率が相対的に高い、搬送ローラ(2)や搬送ローラ(3)の搬送時にインクが付着しやすい印刷画像Pを印刷するジョブが存在する場合に、インクをローラ汚れ対策温度から標準温度に下げる前に、1番目の印刷ジョブよりも先行して2番目以降の印刷ジョブを処理することで、全体の処理時間を抑制することができる。
図11は制御ユニット29のCPU29aがROM29cに格納されたプログラムに従い実行する、印刷ジョブの順番を入れ替える処理の手順を示すフローチャートである。
上述したように印刷ジョブの処理順を入れ替えるために、CPU29aは、まず、インクが追加熱されたローラ汚れ対策温度であるか否かを確認する(ステップS31)。インクがローラ汚れ対策温度である場合は(ステップS31でYES)、CPU29aは、不図示のクライアント端末等から入力された先頭の印刷ジョブが、インクを標準温度に下げて実行する印刷ジョブか否かを確認する(ステップS33)。
先頭の印刷ジョブが、インクを標準温度に下げて実行する印刷ジョブでない場合は(ステップS33でNO)、CPU29aは、先頭の印刷ジョブを処理した後(ステップS35)、ステップS33にリターンする。
一方、先頭の印刷ジョブが、インクを標準温度に下げて実行する印刷ジョブである場合は(ステップS33でYES)、CPU29aは、先頭以降の印刷ジョブ中に、ローラ汚れ対策温度に追加熱したインクを用いて実行する印刷ジョブが存在するか否かを確認する(ステップS37)。
存在する場合は(ステップS37でYES)、CPU29aは、ローラ汚れ対策温度のインクを用いて実行する印刷ジョブを全て先に処理した後(ステップS39)、インクを標準温度に下げる(ステップS41)。そして、CPU29aは、標準温度のインクを用いて実行する印刷ジョブを全て処理した後(ステップS43)、一連の処理を終了する。
なお、図10や図11を参照して上述した印刷ジョブの処理順の入れ替えは、印字率でなく印刷枚数によって現在のインク温度と異なるインク温度で実行する印刷ジョブが先頭に存在する場合にも、同様に行うことができる。
以上の説明からも明らかなように、本実施形態では、請求項中の判別手段と制御手段が、制御ユニット29のCPU29aが行う処理によって実現されている。
また、本実施形態では、フルカラー印刷対応のインクジェットプリンタ1を例に取り、4色(CKMY)のインクに対応して4色分のインクジェットヘッド5を設置した例で説明した。しかし、例えばフルカラーでないカラー印刷対応機や単色印刷対応機の場合にも、印刷画像Pの印字率や印刷枚数に応じて、印刷に使用するインクの温度を変更するようにして、本発明を実施することは当然可能である。
1 インクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)
3 上タンク
5 インクジェットヘッド
5a ノズル
7 下タンク
9 インク流路
11 循環ポンプ
13 インク流路
15 インク循環経路
19 補給用インク流路
21 開閉弁
23 インクカートリッジ
25 温度調整器(温度調整手段)
29 制御ユニット(判別手段、制御手段)
29a CPU
29b RAM
29c ROM
31,71 大気開放弁
33,73 空気層
35,37,77 液面センサ
91 温度センサ
101 ディスプレイ
103 ドライバ
105 外部記憶装置
251 ヒータ
253 ファン
A 給紙部
A1 給紙台
A2 給紙ローラ
B プリンタ部
B1 レジストローラ
B2 ベルト搬送部
B3 インク循環式印刷ユニット
B3a〜B3d インク循環式印刷ユニット
C 搬送部
C1 搬送ローラ(ローラ)
D 排紙部
D1 切替機構
D2 排紙ローラ(ローラ)
D3 排紙台
E 反転部
E1 反転ローラ(ローラ)
E2 フリッパ
E3 スイッチバック部
P 印刷画像
PA 記録紙(印刷用紙)
RC 通常経路
RR 反転経路
RS 給紙経路

Claims (3)

  1. 印刷ジョブの画像を印刷した印刷用紙をローラによりニップして搬送するインクジェット記録装置において、
    前記印刷ジョブから検出した前記画像の印字率が所定のしきい値以上である場合に、該画像の印刷に用いるインクの温度の標準温度からの追加熱を要すると判別する判別手段と、
    前記判別手段の判別結果に基づいて、前記追加熱された温度にインクの温度を調整する温度調整手段と、
    前記温度調整手段により調整されたインクで前記画像が印刷されるように制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記判別手段は、カラーの前記画像の印刷に用いる複数色のインクのうち特定色のインクで形成する色別画像の前記印字率に基づいて、少なくとも前記特定色のインクの追加熱の要否を判別し、前記制御手段は、少なくとも前記特定色の色別画像が前記判別手段の判別結果に応じた温度のインクで印刷されるように制御することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記制御手段は、前記印刷ジョブが複数存在する場合に、前記判別手段がインクの追加熱を要しないと判別した印刷ジョブの前記画像の印刷後に、前記温度調整手段によりインクの温度が追加熱された温度に調整されて、前記判別手段がインクの追加熱を要すると判別した印刷ジョブの前記画像が印刷されるように制御することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016022683A (ja) * 2014-07-22 2016-02-08 株式会社リコー 画像形成装置、画像形成システム、及び印刷物を生産する方法
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