JP6079668B2 - 液体付与装置、及び、プログラム - Google Patents

液体付与装置、及び、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、記録媒体に対して液体を付与する液体付与装置、及び、プログラムに関する。
液体付与装置の一例として、特許文献1に、インクジェット記録装置1が開示されている。装置1は、図1に示すように、搬送ローラ4及びピンチローラ5を含む搬送ローラ対と、搬送ローラ対よりも搬送方向の上流側に配置された塗布ローラ1001(液体付与部)とを含む。塗布ローラ1001は、カウンターローラ1002とで記録媒体を挟持し、塗布ローラ1001の外周面に供給された液体を記録媒体全体に付与する。
特許文献1では、液体が付与された記録媒体が搬送されることで、搬送ローラ対に液体が移り、さらに紙粉等も搬送ローラ対に付着することで、搬送ローラ対を構成するローラの径が増加して、搬送精度が悪化し、ひいては画質が悪化し得る、という問題が示されている(段落0059参照)。特許文献1では、記録媒体が搬送された回数(請求項2)、液体の使用量(請求項3)等に基づいて、搬送ローラ対に付着した付着物の量を推定している。
特開2010−143014号公報
記録媒体において、紙粉は、均一に分布しておらず、一部の領域に多く存在し得る。特許文献1は、上記のとおり、付着物として紙粉が含まれることを示しているものの、記録媒体における紙粉の分布態様を考慮していない。したがって、特許文献1で示されている推定方法では、付着物の量を精確に把握することができない。
本発明の目的は、付着物の量を精確に把握することができる、液体付与装置及びプログラムを提供することにある。
本発明に係る液体付与装置は、2つのローラを含み、前記2つのローラが記録媒体を挟持しつつ回転することにより、記録媒体を第1方向に搬送するように構成された、搬送ローラ対と、液体を付与するように構成された、液体付与部と、前記搬送ローラ対の駆動及び前記液体付与部を制御する、制御部と、を備え、前記制御部は、記録媒体における前記第1方向と交差する第2方向に沿って並ぶ複数の領域毎に定められた紙粉量に基づく重み付けを示す重み付けデータを考慮して、前記搬送ローラ対に付着した付着物の量の推定値を算出する、算出処理を行うことを特徴とする。
本発明に係るプログラムは、2つのローラを含み、前記2つのローラが記録媒体を挟持しつつ回転することにより、記録媒体を第1方向に搬送するように構成された、搬送ローラ対と、液体を付与するように構成された、液体付与部と、前記搬送ローラ対の駆動及び前記液体付与部を制御する、制御部と、を備えた液体付与装置において、前記制御部を、記録媒体における前記第1方向と交差する第2方向に沿って並ぶ複数の領域毎に定められた紙粉量に基づく重み付けを示す重み付けデータを考慮して、前記搬送ローラ対に付着した付着物の量の推定値を算出する、算出処理手段として機能させることを特徴とする。
記録媒体に付与された液体、液体付与部から生じるミスト、記録媒体から生じる紙粉等が、搬送ローラ対に付着し得る。本発明では、算出処理において、第2方向に並ぶ複数の領域毎に定められた紙粉量に基づく重み付けを示す重み付けデータを考慮して、付着物の量の推定値を算出する。これにより、付着物の量を精確に把握することができる。さらに、当該推定値に基づいて適宜の処理(搬送ローラ対の清掃、搬送補正等)を行うことで、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を、より確実に抑制することができる。また、推定値に基づいて搬送ローラ対の清掃を行う場合に、推定値の精度が悪いと、清掃頻度が高過ぎることにより、搬送ローラ対の摩耗、ユーザの手間やコストがかかる、といった問題が生じたり、或いは、清掃頻度が低過ぎることにより、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を抑制することができない、といった問題が生じたりし得る。これに対し、本発明によれば、高精度の推定値を算出できるため、上記問題を軽減することができる。
本発明に係る液体付与装置は、前記重み付けデータを記憶する、記憶部を備え、前記制御部は、前記算出処理において、前記記憶部から読み出された前記重み付けデータを考慮して、前記複数の領域毎に前記推定値を算出してよい。上記構成によれば、外部装置の記憶部から重み付けデータを読み出す場合に比べ、算出処理を迅速に行うことができる。
前記複数の領域は、記録媒体における前記第2方向の端部をそれぞれ含む2つの第1領域、及び、前記端部を含まない第2領域を含み、前記重み付けデータは、前記2つの第1領域のそれぞれの重み付けが前記第2領域の重み付けよりも大きな値に設定されてよい。記録媒体の領域のうち、第2方向の端部を含む2つの領域のそれぞれは、第2方向の端部を含まない領域に比べ、紙粉量が多い。記録媒体は、紙を裁断することによって成形される。そのため、記録媒体の端部を含む領域は、裁断によって生じる紙粉が比較的多く存在しており、端部を含まない領域に比べて紙粉量が多くなる。上記構成は、この傾向に鑑みたものであり、より高精度の推定値を算出することができる。
前記第2領域は、記録媒体における前記第2方向の中心を含み、前記重み付けデータは、前記2つの第1領域のそれぞれの重み付けが前記第2領域の重み付けよりも2倍以上の値に設定されてよい。上記構成によれば、より確実に高精度の推定値を算出することができる。
本発明に係る液体付与装置は、記録媒体を収容するように構成された、収容部と、前記収容部に収容された記録媒体を前記搬送ローラ対に向けて搬送するように構成された、給送ローラと、前記給送ローラによって複数の記録媒体が搬送されたときに前記複数の記録媒体に摩擦抵抗を付与することで前記複数の記録媒体を分離するように構成された、分離部材と、を備え、前記複数の領域は、前記分離部材と接触する第3領域、及び、前記分離部材と接触しない第4領域を含み、前記重み付けデータは、前記第3領域の重み付けが前記第4領域の重み付けよりも大きな値に設定されてよい。記録媒体の領域のうち、分離部材と接触する領域は、分離部材と接触しない領域に比べ、分離部材との摩擦の影響により、紙粉量が多い。上記構成は、この傾向に鑑みたものであり、より高精度の推定値を算出することができる。
本発明に係る液体付与装置は、前記第2方向の長さが異なる記録媒体それぞれについての複数の前記重み付けデータを記憶する、記憶部を備え、前記制御部は、前記記憶部から読み出された前記複数の重み付けデータの1つを考慮して、前記算出処理を行ってよい。上記構成によれば、より高精度の推定値を算出することができる。
前記重み付けデータは、前記第1方向の長さが長い記録媒体に対する重み付けほど大きな値に設定されてよい。第1方向の長さが長い記録媒体ほど、搬送ローラ対との接触時間が長くなるため、付着物の量が多くなり易い。上記構成は、この傾向に鑑みたものであり、より高精度の推定値を算出することができる。
前記制御部は、前記算出処理において算出された推定値が第1閾値を超えているか否かを判断する、第1判断処理と、前記第1判断処理において前記推定値が前記第1閾値を超えていると判断した場合に、前記搬送ローラ対を清掃する旨を示す信号を出力する、出力処理と、をさらに行ってよい。上記構成によれば、出力処理に応じて搬送ローラ対が清掃されることで、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を、より確実に抑制することができる。
前記制御部は、前記算出処理において、前記複数の領域のそれぞれに対応する複数の前記推定値を算出し、前記第1判断処理において、前記算出処理において算出された前記複数の推定値の少なくとも1つが前記第1閾値を超えているか否かを判断し、前記第1判断処理において前記少なくとも1つが前記第1閾値を超えていると判断した場合に、前記出力処理を行ってよい。上記構成によれば、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を、より一層確実に抑制することができる。
前記制御部は、前記算出処理において算出された推定値に基づいて、前記搬送ローラ対の回転量を補正するための補正値を決定する、決定処理をさらに行ってよい。上記構成によれば、補正値に基づいて搬送ローラ対の回転量を補正することで、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を、より確実に抑制することができる。
前記制御部は、前記算出処理において算出された推定値が第2閾値を超えているか否かを判断する、第2判断処理をさらに行い、前記第2判断処理において前記推定値が前記第2閾値を超えていると判断した場合に、前記決定処理を行ってよい。上記構成によれば、適切なタイミングで補正値を決定することで、制御の簡素化を実現しつつ、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を抑制することができる。
前記制御部は、前記算出処理において算出された推定値が第1閾値を超えているか否かを判断する、第1判断処理と、前記第1判断処理において前記推定値が前記第1閾値を超えていると判断した場合に、前記搬送ローラ対を清掃する旨を示す信号を出力する、出力処理と、前記第1判断処理において前記推定値が前記第1閾値を超えていないと判断した場合に、前記算出処理において算出された推定値が前記第1閾値よりも小さい第2閾値を超えているか否かを判断する、第2判断処理と、前記第2判断処理において前記推定値が前記第2閾値を超えていると判断した場合に、前記算出処理において算出された推定値に基づいて、前記搬送ローラ対の回転量を補正するための補正値を決定する、決定処理と、をさらに行ってよい。上記構成によれば、段階的に判断及び処理を行うことで、清掃頻度を低減しつつ、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を抑制することができる。
前記液体付与部は、前記搬送ローラ対よりも前記第1方向の下流側に配置され、記録液を吐出するように構成された、記録液吐出部を含んでよい。上記構成のように、搬送ローラ対が記録液吐出部よりも第1方向の上流側に配置されている場合は、記録媒体に対する搬送精度を確保する観点から、搬送ローラ対としてニップローラを採用することが考えられる。ニップローラは拍車ローラに比べて記録媒体との接触面積が大きく記録媒体から液体が移り易いため、本発明は上記構成において特に有効である。また、上記構成のように、搬送ローラ対が記録液吐出部よりも第1方向の上流側に配置されている場合は、記録液吐出部から生じるミスト等が、搬送ローラ対に付着し得る。本発明では、このようにして搬送ローラ対に付着した付着物の量を、算出処理において高精度に算出することができる。
前記液体付与部は、前記搬送ローラ対よりも前記第1方向の上流側に配置され、記録液と反応して前記記録液中の成分を凝集又は析出させる処理液を吐出するように構成された、処理液吐出部を含んでよい。上記構成のように、搬送ローラ対が処理液吐出部よりも第1方向の下流側に配置されている場合は、記録媒体に付与された処理液、処理液吐出部から生じるミスト等が、搬送ローラ対に付着し得る。本発明では、このようにして搬送ローラ対に付着した付着物の量を、算出処理において高精度に算出することができる。
本発明によれば、算出処理において、第2方向に並ぶ複数の領域毎に定められた紙粉量に基づく重み付けを示す重み付けデータを考慮して、付着物の量の推定値を算出する。これにより、付着物の量を精確に把握することができる。
本発明の第1実施形態に係るインクジェットプリンタの内部を示す概略側面図である。 図1に示すプリンタに含まれる各ヘッドの部分断面図である。 図1に示すプリンタに含まれるリタードローラを示す収容部の部分斜視図である。 図1に示すプリンタの電気的構成を示すブロック図である。 図1に示すプリンタの制御部が実行する制御内容を示すフロー図である。 図5に示すS4(算出処理)を示すフロー図である。 図5に示すS4(算出処理)の処理を説明するための説明図である。 図7に示す係数Cl,Cs,Cp,Chを説明するための説明図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1等を参照し、本発明の第1実施形態に係るインクジェットプリンタ1の全体構成について説明する。
プリンタ1は、図1に示すように、筐体1a、処理液吐出ヘッド10x、インク吐出ヘッド10y、プラテン5x,5y、搬送ユニット20、収容部3、受容部4、用紙センサ6、及び制御部100を含む。ヘッド10x,10y、プラテン5x,5y、搬送ユニット20、収容部3、用紙センサ6、及び制御部100は、筐体1a内に配置されている。受容部4は、筐体1aの天板上部に設けられている。
ヘッド10x,10yは、互いに同じ構成であり、それぞれ主走査方向に長尺な略直方体形状を有するラインヘッドである。各ヘッド10x,10yは、図2に示すように、流路ユニット12及びアクチュエータユニット17を含む。
流路ユニット12は、4枚のプレート12a,12b,12c,12dを積層した積層体であり、内部に流路が形成されており、下面に複数の吐出口14aが開口している。ヘッド10x,10yの吐出口14aからは、それぞれ、処理液及びブラックインク(以下、これらを「液体」と総称する場合がある。)が吐出される。処理液は、インク中の顔料色素を凝集させることにより、インクの滲みや裏抜けを防止する機能、インクの発色性や速乾性を向上させる機能等を有する液体である。処理液は、カチオン系高分子や、マグネシウム塩等の多価金属塩を含有してよい。流路ユニット12の内部に形成された流路は、1のマニホールド流路13及び複数の個別流路14を含む。個別流路14は、吐出口14a毎に設けられており、マニホールド流路13の出口から圧力室16を介して吐出口14aまで延在している。マニホールド流路13は、液体を貯留するタンク(図示略)と連通している。タンクからマニホールド流路13に供給された液体が、個別流路14を通り、吐出口14aから吐出される。
アクチュエータユニット17は、振動板17a、圧電層17b、及び、複数の個別電極17cを積層した積層体である。振動板17aは、流路ユニット12の上面に固定され、複数の圧力室16を閉鎖している。圧電層17bは、振動板17aの上面に固定され、複数の圧力室16と対向している。複数の個別電極17cは、圧電層17bの上面に固定され、複数の圧力室16のそれぞれと対向している。アクチュエータユニット17における各個別電極17cと各圧力室16とで挟まれた部分は、圧力室16毎に個別のユニモルフ型アクチュエータとして機能し、各個別電極17cへの電圧の印加に応じて、独立して変形可能である。アクチュエータが圧力室16に向かって凸となるように変形することにより、圧力室16の容積が減少し、圧力室16内の液体に圧力が付与され、吐出口14aから液体が吐出される。このように、複数の個別電極17cに対して選択的に電圧を印加することにより、各ヘッド10x,10yは、複数の吐出口14aから選択的に液体を吐出することができる。即ち、各ヘッド10x,10yは、主走査方向に関して、部分的に液体を付与可能に構成されている。
プラテン5x,5yは、図1に示すように、ヘッド10x,10yのそれぞれに対して設けられており、対応するヘッド10x,10yの下方に配置されている。プラテン5x,5yの上面と対応するヘッド10x,10yの下面との間には、記録に適した所定の間隙が形成されている。
搬送ユニット20は、用紙Pを収容部3からヘッド10x,10yとプラテン5x,5yとの間を経由して受容部4まで搬送するように構成されており、給紙ローラ21、分離ローラ対28、搬送ローラ対22〜27、及びガイド29a〜29eを含む。
給紙ローラ21は、収容部3内で最も上方にある用紙Pと接触する位置に配置されている。給紙ローラ21は、制御部100の制御によって給紙モータ21M(図4参照)が駆動されることで回転する。これにより、収容部3内で最も上方にある用紙Pが収容部3から送り出される。即ち、給紙ローラ21は、収容部3に収容された用紙Pを搬送ローラ対22〜27に向けて搬送するように構成されている。
分離ローラ対28は、給紙ローラ21によって複数の用紙Pが搬送されたときに、複数の用紙Pに摩擦抵抗を付与することで、複数の用紙Pを分離するように構成されている。分離ローラ対28は、フィードローラ28f及びリタードローラ28rを含む。リタードローラ28rは、収容部3の側壁に支持されている(図3参照)。フィードローラ28fは、制御部100の制御によってフィードモータ28fM(図4参照)が駆動されることで、図1において時計周りに回転する。リタードローラ28rは、制御部100の制御によってリタードモータ28rM(図4参照)が駆動されることで回転する。リタードローラ28rは、トルクリミッタを有し、1枚の用紙Pをフィードローラ28fとで挟持した場合はフィードローラ28fに従動して図1において反時計周りに回転する一方、複数の用紙Pをフィードローラ28fとで挟持した場合は図1において時計周りに回転する。これにより、給紙ローラ21によって複数の用紙Pが搬送されたときに、複数の用紙Pのうち最も上方にある用紙Pのみが、当該用紙P以外の用紙Pと分離され、搬送ローラ対22〜27に向けて搬送される。即ち、用紙Pの重送が防止される。
各搬送ローラ対22〜27は、互いに接触する2つのローラを含み、用紙Pを当該2つのローラで挟持しつつ搬送するように構成されている。各搬送ローラ対22〜27を構成する2つのローラの一方は、駆動ローラであり、制御部100の制御によって搬送モータ20M(図4参照)が駆動されることで回転する。各搬送ローラ対22〜27を構成する2つのローラの他方は、従動ローラであり、駆動ローラの回転に伴い、駆動ローラと接触しながら駆動ローラと逆の方向に回転する。搬送ローラ対22〜27の回転により、給紙ローラ21によって収容部3から送り出された用紙Pがヘッド10x,10yの下方を経由して受容部4に向けて搬送される。
ガイド29a〜29eは、それぞれ、用紙Pの搬送経路を画定するように構成されており、互いに間隙を介して離隔配置された一対の板を含む。
収容部3は、上面が開口したトレイからなり、筐体1aに対して副走査方向に着脱可能である。収容部3及び受容部4は、複数の用紙Pをそれぞれ収容及び受容可能であると共に、複数種類のサイズの用紙Pをそれぞれ収容及び受容である。
副走査方向は、水平面に平行である。主走査方向(第2方向)は、水平面に平行で、かつ、副走査方向と直交する方向である。鉛直方向は、副走査方向及び主走査方向と直交する方向である。また、搬送ユニット20による用紙Pの搬送方向において、ヘッド10x,10y下における搬送ローラ対23〜25による搬送方向(第1方向)(以下、単に「搬送方向」という。)は、副走査方向に平行であり、図1において左から右に向かう方向である。
制御部100は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)100a、ROM(Read Only Memory)100b、RAM(Random Access Memory:不揮発性RAMを含む)100c、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、I/F(Interface)、I/O(Input/Output Port)等を含む。ROM100bは、CPU100aが実行するプログラム、後述の重み付けデータを含む各種固定データ等を記憶している。RAM100cは、プログラム実行時に必要なデータを一時的に記憶する。ASICは、画像データの書き換えや並び替え(例えば、信号処理や画像処理)を行う。I/Fは、外部装置(例えば、プリンタ1に接続されたPC)とのデータ送受信を行う。I/Oは、各種センサの検出信号の入力/出力を行う。
本実施形態では、搬送ローラ対24に着目し、搬送ローラ対24に付着した付着物の量を推定する。搬送ローラ対24は、上述のように搬送ユニット20の一部であり、処理液吐出ヘッド10xよりも搬送方向の下流側、かつ、インク吐出ヘッド10yよりも搬送方向の上流側に配置されている。ヘッド10x,10yは、それぞれ本発明の処理液吐出部及び記録液吐出部に相当し、共に本発明の液体付与部に相当する。
ここで、搬送ローラ対24に付着物が付着する過程、及び、付着物による弊害について、説明する。収容部3から搬送された用紙Pが、ヘッド10xとプラテン5xとの間を通過する。このとき、複数の吐出口14aのうち液体を吐出すべき吐出口14aから液体が吐出され、用紙Pに液体が付与される。当該用紙Pがさらに搬送方向下流側に搬送されると、用紙Pにおける液体が付与された部分が、搬送ローラ対24に挟持される。すると、用紙Pに付与された液体が、搬送ローラ対24を構成する2つのローラ24x,24yのうち上側に配置された上ローラ24yに付着する。そして、用紙Pの後端が搬送ローラ対24を抜けると、上ローラ24yに付着した液体が、ローラ24x,24yのうち下側に配置された下ローラ24xに移る。このように、液体が付与された用紙Pが搬送ローラ対24により搬送されることで、ローラ24x,24yに液体が付着する。さらに、上記のように用紙Pに付与された液体のみならず、各ヘッド10x,10yの吐出口14aから生じるミスト、用紙Pから生じる紙粉等も、ローラ24x,24yに付着し得る。したがって、ローラ24x,24yの外周面において、液体と紙粉とが混ざり、これらが付着物となって、ローラ24x,24yの径を増加させる。ローラ24x,24yの径が増加すると、搬送精度が低下する。特に、駆動ローラである下ローラ24xの径が増加すると、搬送速度が増大し、搬送精度が低下する。
次いで、図5等を参照し、制御部100が実行する制御内容について説明する。制御部100は、プリンタ1の電源がONの間、図5に示すルーチンを繰り返し実行する。
制御部100は、先ず、外部装置から記録指令を受信したか否かを判断する(S1)。記録指令を受信していない場合(S1:NO)、制御部100は、S1の処理を繰り返す。記録指令を受信した場合(S1:YES)、制御部100は、1枚の用紙Pに対する記録が行われるように、各部を制御する(S2)。S2において、制御部100は、給紙モータ21M、フィードモータ28fM、リタードモータ28rM、及び搬送モータ20Mを制御して、収容部3内で最も上方にある用紙Pを搬送し、さらに用紙センサ6からの信号に基づいてヘッド10x,10yを制御して、用紙P上に液体を吐出させる。これにより、当該用紙Pに対する記録が行われる。
S2の後、制御部100は、受信した記録指令を参照し、次の用紙Pに対する記録を行うか否かを判断する(S3)。次の用紙Pに対する記録を行わない場合(S3:NO)、制御部100は、当該ルーチンを終了する。次の用紙Pに対する記録を行う場合(S3:YES)、制御部100は、付着量の推定値を算出する(S4:算出処理)。ここで、付着量とは、搬送ローラ対24に付着した付着物の量を意味する。
S4において、制御部100は、図7に示すように、用紙P上に画像Iを形成する際に7つの領域A〜Gに対して処理液吐出ヘッド10xが付与する液体の量(吐出量QA〜QG)及び重み付けデータ(係数Ca,Cl,Cs等)に基づいて、付着量の推定値を算出する。7つの領域A〜Gは、用紙Pにおける主走査方向に沿って並ぶ領域である。換言すると、7つの領域A〜Gは、用紙Pの幅(主走査方向の長さ)に応じて区分され、用紙Pの主走査方向一端から他端までの幅を7等分して得られる領域である。各領域A〜Gは、用紙Pの先端から後端まで、搬送方向に延在している。領域A〜Gのうち、領域A,Gは、本発明の第1領域に相当し、用紙Pにおける主走査方向の端部をそれぞれ含む。領域B〜Fは、本発明の第2領域に相当し、用紙Pにおける主走査方向の端部を含まない。領域Dは、用紙Pにおける主走査方向の中心Oを含む。吐出量QA〜QGは、処理液吐出ヘッド10xにおいて用紙Pと主走査方向に重なる領域10xaに配置された複数の吐出口14aから、1枚の用紙Pにおける領域A〜Gのそれぞれに対して吐出される処理液の量の総量である。
本実施形態では、S4において、制御部100は、領域A〜G毎に、付着量の推定値XA〜XGを算出する。即ち、推定値XA〜XGは、領域A〜Gのそれぞれに対応する個別の値である。
S4について、具体的には、図6に示すように、制御部100は、先ず、今回(即ち、本S4の直前のS2で)記録が行われたn枚目の用紙Pによって搬送ローラ対24に付着したと推定される付着物の量を示す値YA〜YGを算出する(S4a)。YA〜YGは、用紙P毎の値である。S4aの後、制御部100は、RAM100cから推定値XA〜XG(本S4よりも前のS4で算出された推定値。即ち、1枚目からn−1枚目までの用紙Pについて算出された累積値である推定値。n=1の場合は、初期値(ゼロ))を読み出し、当該読み出した値に、S4aで算出した値YA〜YGを加算する(S4b)。S4bの後、制御部100は、S4bで加算して得られた値(1枚目からn枚目までの用紙Pについて算出された累積値である推定値)を、新たな推定値XA〜XGとしてRAM100cに記憶させる(即ち、RAM100cに記憶されている推定値XA〜XGを更新する)(S4c)。
このように、本実施形態において、各推定値XA〜XGは、用紙P毎に、吐出量QA〜QGと各係数Ca,Cl,Cs,Cp,Chとを乗じた値YA〜YGを算出し、さらに、用紙Pの枚数に応じて当該値YA〜YGを積算することで、算出される。ここで、係数Cl,Cp,Chは、用紙P毎の値(即ち、1枚の用紙Pにおける7つの領域A〜Gで共通の値)であるのに対し、係数Ca,Cs及び吐出量QA〜QGは、用紙P毎かつ領域A〜G毎の値である。
係数Caは、用紙Pから生じる紙粉量に基づいて、領域A〜G毎に定められている。係数Caは、図7に示すように、用紙Pにおける主走査方向の中心Oから各端部に向かって大きな値に設定されており、領域Dが最も小さい値(Ca=1.0)であり、領域A,Gが最も大きい値(Ca=14.0)である。係数Caの値は、任意である。例えば、プリンタ1の製造過程において、実験により領域A〜Gと紙粉量との関係(紙粉の分布態様)を求めた上で、係数Caの値を決定してよい。領域Dの係数Caは、領域A,Gの係数Caよりも大きな値(例えば、2倍以上の値。さらに好ましくは5倍以上の値。さらに好ましくは10倍以上の値)に設定されてよい。ROM100bは、用紙Pのサイズ(図7では、A4サイズ及びA5サイズ)毎の(即ち、主走査方向の長さが異なる用紙Pそれぞれについての)、複数の係数Caのデータを記憶している。本例において、A5サイズ用の係数Caは、領域B,C,E,Fの値がA4サイズ用の係数Caと異なっている。制御部100は、記録指令に含まれる用紙サイズを示すデータに基づいて、ROM100bから対応するサイズ用の係数Caのデータを読み出し、読み出したデータをS4で用いる。
係数Clは、図8(a)に示すように、用紙Pのサイズ(A4サイズ、A3サイズ、A5サイズ、レター等)毎に定められており、搬送方向の長さが長い用紙Pほど大きな値に設定されている。係数Clの値は、任意である。例えば、プリンタ1の製造過程において、実験により用紙Pの搬送方向の長さと紙粉量との関係を求めた上で、係数Clの値を決定してよい。係数Clの情報は、ROM100bに記憶されている。制御部100は、記録指令に含まれる用紙サイズを示すデータに基づいてROM100bから係数Clの値を読み出し、読み出した値をS4で用いる。
係数Csは、図8(b)に示すように、領域A〜G毎に定められている。本実施形態では、分離ローラ対28が設けられており、領域A〜Gは、分離ローラ対28と接触する領域(第3領域)(例えば、領域D)と、分離ローラ対28と接触しない領域(第4領域)(例えば、領域A〜C,E〜G)とを含む。第3領域は、第4領域に比べ、分離ローラ対28との摩擦の影響により、紙粉量が多いと考えられる。そこで、本実施形態では、分離ローラ対28に関する重み付けデータとして、第3領域の重み付け(Cs=1.2)が第4領域の重み付け(Cs=1.0)よりも大きな値に設定された、係数Csを用いる。係数Csの値は、任意である。例えば、プリンタ1の製造過程において、実験により分離ローラ対28の配置と紙粉量との関係を求めた上で、係数Csの値を決定してよい。係数Csの情報は、ROM100bに記憶されている。
係数Cpは、図8(c)に示すように、用紙種(普通紙、厚紙、光沢紙等)毎に定められている。例えば、厚みが大きいほど、また、光沢等の表面加工が施されたものほど、係数Cpの値が大きい。用紙Pの厚みが多いほど、搬送ローラ対24により挟持された際に、用紙Pが上ローラ24yに対して強く圧接され、用紙Pに付与された液体が上ローラ24yに移り易い。よって、用紙Pの厚みが大きいほど、搬送ローラ対24に付着する液体の量が多くなる傾向がある。また、光沢等の表面加工が施された用紙Pは、表面加工が施されていない用紙Pと比較して、用紙Pに付与された液体が、用紙Pの表面に留まり易く、用紙P内部に浸透し難い。このため、表面加工が施された用紙Pに付与された液体は、上ローラ24yに移り易い。よって、表面加工が施された用紙Pほど、搬送ローラ対24に付着する液体の量が多くなる傾向がある。係数Chは、図8(d)に示すように、湿度に応じて定められている。湿度が大きくなるほど、係数Chの値が小さい。係数Cp,Chの情報は、ROM100bに記憶されている。制御部100は、記録指令に含まれる用紙種を示すデータに基づいてROM100bから係数Cpの値を読み出し、また、筐体1a内に設けられた湿度センサ7(図4参照)からの信号に基づいてROM100bから係数Chの値を読み出し、これら読み出した値をS4で用いる。
吐出量QA〜QGは、領域A〜Gのそれぞれに対して、処理液吐出ヘッド10xが吐出する処理液の量を示す。本実施形態において、処理液吐出ヘッド10xが吐出する処理液の量は、インク吐出ヘッド10yがインクを吐出するための吐出データに基づくものである。具体的には、制御部100は、記録指令に含まれる画像データに基づいて、インク吐出ヘッド10yがインクを吐出するための吐出データを生成する。そして、制御部100は、処理液吐出ヘッド10xが処理液を吐出するための吐出データを画像データに基づいて別途作成することなく、インク吐出ヘッド10yがインクを吐出するための吐出データに基づいて、ヘッド10x,10yの駆動を制御する。
吐出データとは、吐出口14aから吐出されるべき液体の量を示す、吐出口14a毎且つ画素毎に設けられたデータをいう。画素は、用紙P上に形成される画像Iを構成する要素であり、用紙P上の画像形成領域に対応してマトリックス状に配置されている。本実施形態では、階調数が4であり、1画素を形成する液体の量が「ゼロ」「小」「中」「大」のそれぞれに対応する4種類の吐出データがROM100bに記憶されており、このうちの1種類の吐出データが吐出口14a毎に割り当てられる。インク吐出ヘッド10yでは、吐出データが示すとおりの量が各吐出口14aから吐出され、処理液吐出ヘッド10xでは、「ゼロ」又は「小」を示す吐出データが割り当てられた吐出口14aからは処理液が吐出されず、「中」又は「大」を示す吐出データが割り当てられた吐出口14aからは「中」に相当する量の処理液が吐出される。
推定値XA〜XGは、搬送ローラ対24の清掃が行われると、リセットされ、初期値(ゼロ)となる。即ち、推定値XA〜XGは、プリンタ1の製造完了時点又は前回の搬送ローラ対24の清掃時点以降に搬送ローラ対24を通過した各用紙Pに対する値YA〜YGを積算した値である。推定値XA〜XGがリセットされると、記録枚数nも、リセットされ、初期値(ゼロ)となる。
S4の後、制御部100は、S4で算出した推定値XA〜XGのそれぞれについて、第1閾値TA1〜TG1を超えているか否かを判断する(S5:第1判断処理)。具体的には、S5において、制御部100は、RAM100cから推定値XA〜XGを読み出し、当該読み出した推定値XA〜XGのそれぞれについて、第1閾値TA1〜TG1を超えているか否かを判断する。第1閾値TA1〜TG1は、領域A〜G毎(推定値XA〜XG毎)の値であり、互いに同じ値であってもよいし、互いに異なる値であってもよい。
本実施形態では、S5において、制御部100は、推定値XA〜XGの少なくとも1つが、対応する第1閾値TA1〜TG1を超えているか否かを判断する。
推定値XA〜XGの少なくとも1つが対応する第1閾値TA1〜TG1を超えている場合(S5:YES)、制御部100は、搬送ローラ対24を清掃する旨を示す信号を出力する(S6:出力処理)。本実施形態では、S6において、制御部100は、プリンタ1の出力手段(ディスプレイ、スピーカ等)を介して、プリンタ1のユーザに対し、搬送ローラ対24の清掃に関する報知を行う。S6の後、制御部100は、当該ルーチンを終了する。
搬送ローラ対24の清掃は、例えば、ユーザが収容部3に清掃用の用紙Pを配置し、当該用紙Pを搬送ユニット20で搬送させることや、ユーザが清掃用の部材(スポンジ等)を用いて搬送ローラ対24の付着物を拭き取ること、等によって行われてよい。制御部100は、S6の後に搬送ローラ対24の清掃完了を検知すると、RAM100cに記憶されている推定値XA〜XGをリセットし、初期値(ゼロ)にする。また、制御部100は、記録枚数nをリセットし、初期値(ゼロ)にする。例えば、ユーザが、搬送ローラ対24の清掃を行った後に、その旨を示す信号をプリンタ1に入力することで、制御部100が、搬送ローラ対24の清掃完了を検知してよい。プリンタ1への入力は、外部装置やプリンタ1の入力手段(入力ボタン等)を介して、行われてよい。或いは、プリンタ1に、搬送ローラ対24が清掃されたか否かを検知する検知手段(センサ等)を設け、制御部100が、当該検知手段からの信号に基づいて、搬送ローラ対24の清掃完了を検知してもよい。例えば、プリンタ1が搬送ローラ対24を覆う開閉可能なカバーを含む場合に、プリンタ1に、カバーの開放(即ち、カバーの開放により搬送ローラ対24が露出されたこと)を検知する検知手段を設け、制御部100が、当該検知手段からカバーの開放を示す信号を受信したときに、搬送ローラ対24の清掃完了を検知してもよい。
推定値XA〜XGがいずれも対応する第1閾値TA1〜TG1を超えていない場合(S5:NO)、制御部100は、S4で算出した推定値XA〜XGのそれぞれについて、第2閾値TA2〜TG2を超えているか否かを判断する(S7:第2判断処理)。第2閾値TA2〜TG2は、第1閾値TA1〜TG1と同様、領域A〜G毎(推定値XA〜XG毎)の値であり、互いに同じ値であってもよいし、互いに異なる値であってもよい。また、本実施形態では、第2閾値TA2〜TG2は、それぞれ、対応する第1閾値TA1〜TG1よりも小さい。
本実施形態では、S7において、制御部100は、推定値XA〜XGの少なくとも1つが、対応する第2閾値TA2〜TG2を超えているか否かを判断する。
なお、閾値TA1〜TG1,TA2〜TG2は、ROM100bに記憶されている。例えば、プリンタ1の製造過程において、テスト記録で画像の乱れ(用紙P上における液体の着弾位置のずれ)が目視で確認されたときの値を、閾値TA1〜TG1,TA2〜TG2としてROM100bに記憶させてよい。本実施形態では、画像の乱れの大きさに応じて、乱れが比較的小さいときの値を第2閾値TA2〜TG2、乱れが比較的大きいときの値を第1閾値TA1〜TG1としてよい。
推定値XA〜XGがいずれも対応する第2閾値TA2〜TG2を超えていない場合(S7:NO)、制御部100は、処理をS2に戻す。一方、推定値XA〜XGの少なくとも1つが対応する第2閾値TA2〜TG2を超えている場合(S7:YES)、制御部100は、S4で算出した推定値XA〜XGに基づいて、搬送ローラ対24の回転量を補正するための補正値を決定する(S8:決定処理)。ROM100bには、推定値と補正値との関連付け示すテーブルが記憶されている。S8において、制御部100は、S4で算出した推定値XA〜XGと、当該テーブルとを照らし合わせて、補正値を決定する。補正値の値は、任意である。例えば、プリンタ1の製造過程において、実験により、ローラ24x,24yの径と搬送速度との関係、さらに搬送ローラ対24への付着物の量と搬送速度との関係を求めた上で、補正値の値を決定してよい。そしてS8の後、制御部100は、処理をS2に戻す。S8の後に行われるS2において、制御部100は、S8で算出した補正値に基づいて搬送ローラ対24の駆動を制御しつつ、用紙Pに対する記録を行う。
以上に述べたように、本実施形態によれば、S4(算出処理)において、領域A〜G毎に定められた紙粉量に基づく重み付けを示す重み付けデータ(係数Ca)を考慮して、付着物の量の推定値を算出する。これにより、付着物の量を精確に把握することができる。さらに、当該推定値に基づいて適宜の処理(搬送ローラ対24の清掃、搬送補正等)を行うことで、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を、より確実に抑制することができる。また、推定値に基づいて搬送ローラ対24の清掃を行う場合に、推定値の精度が悪いと、清掃頻度が高過ぎることにより、搬送ローラ対24の摩耗、ユーザの手間やコストがかかる、といった問題が生じたり、或いは、清掃頻度が低過ぎることにより、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を抑制することができない、といった問題が生じたりし得る。これに対し、本実施形態によれば、高精度の推定値を算出できるため、上記問題を軽減することができる。
プリンタ1は、重み付けデータ(係数Ca,Cl,Cs等)を記憶するROM100bを含む。上記構成によれば、外部装置の記憶部から重み付けデータを読み出す場合に比べ、算出処理を迅速に行うことができる。
重み付けデータ(係数Ca)は、図7に示すように、用紙Pにおける主走査方向の端部をそれぞれ含む領域A,G(第1領域)のそれぞれの重み付けが領域B〜F(第2領域)の重み付けよりも大きな値に設定されている。用紙Pの領域のうち、主走査方向の端部を含む2つの領域は、当該端部を含まない領域に比べ、紙粉量が多い。用紙Pは、紙を裁断することによって成形される。そのため、用紙Pの端部を含む領域は、裁断によって生じる紙粉が比較的多く存在しており、端部を含まない領域に比べて紙粉量が多くなる。上記構成は、この傾向に鑑みたものであり、より高精度の推定値を算出することができる。
重み付けデータ(係数Ca)は、図7に示すように、各領域A,G(第1領域)の重み付けが領域D(用紙Pにおける主走査方向の中心Oを含む領域)の重み付けよりも2倍以上の値に設定されている。上記構成によれば、より確実に高精度の推定値を算出することができる。
重み付けデータ(係数Cs)は、図8(b)に示すように、領域D(第3領域)の重み付けが領域A〜C,E〜G(第4領域)の重み付けよりも大きな値に設定されている。用紙Pの領域のうち、分離ローラ対28と接触する領域は、分離ローラ対28と接触しない領域に比べ、分離ローラ対28との摩擦の影響により、紙粉量が多い。上記構成は、この傾向に鑑みたものであり、より高精度の推定値を算出することができる。
ROM100bは、図7に示すように、主走査方向の長さが異なる用紙Pそれぞれについての、複数の係数Caのデータを記憶している。そして、制御部100は、ROM100bから読み出された係数Caのデータの1つを考慮して、S4(算出処理)を行う。上記構成によれば、より高精度の推定値を算出することができる。
重み付けデータ(係数Cl)は、図8(a)に示すように、搬送方向の長さが長い用紙Pに対する重み付けほど大きな値に設定されている。搬送方向の長さが長い用紙Pほど、搬送ローラ対24との接触時間が長くなるため、付着物の量が多くなり易い。上記構成は、この傾向に鑑みたものであり、より高精度の推定値を算出することができる。
制御部100は、S5(第1判断処理)において、推定値XA〜XGが第1閾値TA1〜TG1を超えている(S5:YES)と判断した場合に、搬送ローラ対24を清掃する旨を示す信号を出力する(S6:出力処理)。上記構成によれば、S6(出力処理)に応じて搬送ローラ対24が清掃されることで、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を、より確実に抑制することができる。
制御部100は、S4(算出処理)において、領域A〜Gのそれぞれに対応する推定値XA〜XGを算出し、S5(第1判断処理)において、推定値XA〜XGの少なくとも1つが第1閾値TA1〜TG1を超えている(S5:YES)と判断した場合に、S6(出力処理)を行う。上記構成によれば、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を、より一層確実に抑制することができる。
制御部100は、S4で算出した推定値XA〜XGに基づいて、搬送ローラ対24の回転量を補正するための補正値を決定する、S8(決定処理)をさらに行う。上記構成によれば、補正値に基づいて搬送ローラ対24の回転量を補正することで、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を、より確実に抑制することができる。
制御部100は、S4で算出した推定値XA〜XGが第2閾値TA2〜TG2を超えているか否かを判断する、S7(第2判断処理)をさらに行い、推定値XA〜XGが第2閾値TA2〜TG2を超えている(S7:YES)と判断した場合に、S8(決定処理)を行う。上記構成によれば、適切なタイミングで補正値を決定することで、制御の簡素化を実現しつつ、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を抑制することができる。
制御部100は、推定値XA〜XGが第1閾値TA1〜TG1を超えている(S5:YES)と判断した場合は、S6(出力処理)を行う一方、推定値XA〜XGが第1閾値TA1〜TG1を超えていない(S5:NO)と判断した場合は、次に、推定値XA〜XGが第2閾値TA2〜TG2(<第1閾値TA1〜TG1)を超えているか否かを判断する、S7(第2判断処理)を行う。そして、推定値XA〜XGが第2閾値TA2〜TG2(<第1閾値TA1〜TG1)を超えている(S7:YES)と判断した場合に、S8(決定処理)を行う。上記構成によれば、段階的に判断S5,S7及び処理S6,S8を行う(即ち、付着量が比較的大きければ搬送ローラ対24の清掃を行う一方、付着量が比較的小さければ搬送ローラ対24の清掃を行わずに搬送補正を行う)ことで、清掃頻度を低減しつつ、搬送精度の悪化、ひいては画質の悪化を抑制することができる。
搬送ローラ対24よりも搬送方向の下流側に、インク吐出ヘッド10yが配置されている。上記構成のように、搬送ローラ対24がインク吐出ヘッド10yよりも搬送方向の上流側に配置されている場合は、用紙Pに対する搬送精度を確保する観点から、搬送ローラ対24としてニップローラを採用することが考えられる。ニップローラは拍車ローラに比べて用紙Pとの接触面積が大きく用紙Pから液体が移り易いため、本発明は上記構成において特に有効である。また、上記構成のように、搬送ローラ対24がインク吐出ヘッド10yよりも搬送方向の上流側に配置されている場合は、インク吐出ヘッド10yから生じるミスト等が、搬送ローラ対24に付着し得る。本発明では、このようにして搬送ローラ対24に付着した付着物の量を、S4(算出処理)において高精度に算出することができる。
搬送ローラ対24よりも搬送方向の上流側に、処理液吐出ヘッド10xが配置されている。上記構成のように、搬送ローラ対24が処理液吐出ヘッド10xよりも搬送方向の下流側に配置されている場合は、用紙Pに付与された処理液、処理液ヘッド10xから生じるミスト等が、搬送ローラ対24に付着し得る。本発明では、このようにして搬送ローラ対24に付着した付着物の量を、S4(算出処理)において高精度に算出することができる。
続いて、本発明の第2実施形態に係るインクジェットプリンタについて説明する。
第2実施形態に係るプリンタは、制御部100によるS4(算出処理)の内容を除き、第1実施形態に係るプリンタ1と同様の構成を有する。第1実施形態では、搬送ローラ対24への付着物について、搬送ローラ対24よりも搬送方向の上流側に配置された処理液吐出ヘッド10xが用紙Pに付与する液体に着目しており、制御部100は、処理液吐出ヘッド10xが各領域A〜Gに付与する液体の量(吐出量QA〜QG)を用いて、S4を行う。これに対し、第2実施形態では、搬送ローラ対24への付着物について、搬送ローラ対24よりも搬送方向の下流側に配置されたインク吐出ヘッド10yから生じるミストに着目し、制御部100は、用紙P毎かつ領域A〜G毎の吐出量QA〜QGの代わりに、全ての領域A〜Gで共通の所定値である吐出量Qを用いて、S4を行う。当該吐出量Qの値は、ROM100bに記憶されている。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の構成による同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。
搬送ローラ対について:
・搬送ローラ対の位置は、液体付与部よりも第1方向の上流側及び下流側のいずれであってもよい。
・搬送ローラ対を構成する2つのローラのうち、いずれのローラが駆動ローラであってもよい。
・搬送ローラ対を構成する2つのローラの一方又は両方は、第2方向に互いに離隔して配置された複数の単位ローラを含んでもよい。
分離部材について:
・分離部材は、フィードローラ及びリタードローラを含む分離ローラ対に限定されない。分離部材は、給送ローラによって複数の記録媒体が搬送されたときに複数の記録媒体に摩擦抵抗を付与することで複数の記録媒体を分離するように構成されている限り、任意の構成であってよく、例えば、記録媒体に対して摩擦抵抗を付与可能な単一の板で構成されてもよい。
・分離部材を省略してもよい。
制御部による制御内容について:
・領域の数は、複数である限り、任意である。また、領域の第2方向の長さは、任意である。例えば、複数の領域は、第2方向の長さが互いに異なってもよい。
・制御部は、第1実施形態の算出処理において、記録液吐出部が記録液を吐出するための吐出データを用いることに限定されず、処理液吐出部が処理液を吐出するための吐出データを用いてもよい。
・制御部は、算出処理において、温度に関する係数を用いてもよい。また、算出処理において、係数Ca(領域毎に定められた紙粉量に基づく重み付けを示す重み付けデータ)以外は、どのような係数を用いるかは任意であり、係数Ca以外の係数を用いなくてもよい。
・液体付与装置が分離部材を含む場合に、重み付けデータは、第3領域の重み付けが第4領域の重み付けよりも大きな値に設定されていなくてもよい。例えば、第1実施形態において、係数Csを省略してもよい。
・記憶部に、第2方向の長さが異なる記録媒体それぞれについての複数の重み付けデータが記憶されていなくてもよい。例えば、第1実施形態において、ROM100bが、A4サイズ及びA5サイズ毎の複数の係数Caのデータを記憶せずに、全サイズ共通の係数Caのデータのみを記憶してもよい。
・第2方向の長さが異なる記録媒体それぞれについての複数の重み付けデータとして、上述の実施形態では「記録媒体のサイズ」に応じた複数の重み付けデータを記憶部に記憶させているが、これに代えて又は加えて、「記録媒体の搬送向き」に応じた複数の重み付けデータを記憶部に記憶させてもよい。具体的には、記録媒体のサイズが同じであっても、搬送向きが縦(記録媒体の長さ方向が搬送方向と一致する向き)の場合と横(記録媒体の幅方向が搬送方向と一致する向き)の場合とでは、記録媒体の第2方向の長さが異なる。そこで、同じサイズの記録媒体であっても、搬送向きに応じて異なる重み付けデータを、記憶部に記憶させてよい。例えば、A4縦の重み付けデータと、A4横の重み付けデータとを、記憶部に記憶させてよい。記録媒体の「サイズ」及び「搬送向き」の複数の組み合わせにそれぞれ対応する複数の重み付けデータを記憶部に記憶させておき、制御部が、記録媒体の「サイズ」及び「搬送向き」の両方を考慮して、記憶部から複数の重み付けデータの1つを読み出し、算出処理を行ってもよい。記録媒体の「サイズ」及び「搬送向き」の組み合わせに対応する重み付けデータは、記録媒体の第1方向の長さ及び第2方向の長さの両方に基づいて設定される値である。
・重み付けデータは、第1方向の長さが長い記録媒体に対する重み付けほど大きな値に設定されていなくてもよい。例えば、第1実施形態において、係数Clを省略してもよい。
・制御部は、算出処理において、複数の領域のそれぞれに対応する複数の推定値(即ち、領域毎の推定値)を算出することに限定されず、複数の領域全体についての推定値を算出してもよい。例えば、上述の実施形態では、推定値XA〜XGは、領域A〜Gのそれぞれに対応する個別の値であるが、制御部は、領域A〜G全体についての推定値Xとして、吐出量Q(=QA+QB・・+QG)と係数Ca,Cl,Cs,Cp,Chとを乗じた値Yを算出し、さらに、用紙Pの枚数に応じて当該値Yを積算することで、推定値Xを算出してよい。
・制御部は、第1判断処理において、算出処理において算出された複数の推定値の少なくとも1つが第1閾値を超えているか否かを判断することに限定されず、算出処理において算出された複数の推定値の全てが第1閾値を超えているか否かを判断してもよい。
・第1閾値及び第2閾値は、領域毎に個別ではなく、複数の領域において共通であってもよい。また、第2閾値は、第1閾値よりも小さいことに限定されず、第1閾値以上であってもよい。
・制御部は、上述の実施形態では第1及び第2判断処理を行うが、1つの判断処理のみを行い、当該判断処理において推定値が閾値を超えていると判断した場合に、出力処理又は決定処理を行ってもよい。第1及び第2判断処理を省略してもよい。
・制御部は、算出処理の後の任意の時点で、決定処理を行ってよい。即ち、上述の実施形態では、制御部は、推定値が第1閾値を超えていない(S5:NO)と判断しかつ推定値が第2閾値を超えている(S7:YES)と判断した場合に、決定処理を行うが、これに限定されない。例えば、推定値が第1閾値を超えていない(S5:NO)と判断した後、S7(第2判断処理)を省略して、決定処理を行ってもよい。或いは、制御部は、上述のように1つの判断処理のみを行う場合において、推定値が閾値を超えていると判断した場合に、出力処理を行わず、決定処理を行ってもよい。或いは、制御部は、判断処理の有無及び結果にかかわらず、算出処理において算出された推定値に基づいて、決定処理を行ってよい。決定処理を省略してもよい。
・出力処理に応じて、ユーザが搬送ローラ対を清掃することに限定されず、液体付与装置に含まれる清掃機構が搬送ローラ対を清掃してもよい。
・出力処理を省略してもよい。例えば、制御部は、第1判断処理において推定値が第1閾値を超えていると判断した場合に、出力処理を行わず、記録動作を停止させてもよい。
液体付与部について:
・液体付与部は、液体を吐出してもよいし、液体を塗布してもよい(例えば、ローラの外周面に保持された液体を塗布する構成であってもよい)。
・液体付与部は、処理液吐出部を含まず、記録液吐出部のみを含んでもよい。
・液体付与部の位置は、搬送ローラ対よりも第1方向の上流側及び下流側のいずれであってもよい。
その他:
・記録媒体は、用紙に限定されず、記録可能な任意の媒体であってよい。
・本発明は、ライン方式に限定されず、シリアル方式にも適用可能である。
・本発明は、プリンタに限定されず、ファクシミリやコピー機等にも適用可能である。
1 インクジェットプリンタ(液体付与装置)
10x 処理液吐出ヘッド(液体付与部,処理液吐出部)
10y インク吐出ヘッド(液体付与部,記録液吐出部)
21 給紙ローラ(給送ローラ)
24 搬送ローラ対
24x,24y ローラ
28 分離ローラ対(分離部材)
100 制御部
100b ROM(記憶部)
A〜G 領域
P 用紙(記録媒体)

Claims (15)

  1. 2つのローラを含み、前記2つのローラが記録媒体を挟持しつつ回転することにより、記録媒体を第1方向に搬送するように構成された、搬送ローラ対と、
    液体を付与するように構成された、液体付与部と、
    前記搬送ローラ対の駆動及び前記液体付与部を制御する、制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、記録媒体における前記第1方向と交差する第2方向に沿って並ぶ複数の領域毎に定められた紙粉量に基づく重み付けを示す重み付けデータを考慮して、前記搬送ローラ対に付着した付着物の量の推定値を算出する、算出処理を行うことを特徴とする、液体付与装置。
  2. 前記重み付けデータを記憶する、記憶部を備え、
    前記制御部は、前記記憶部から読み出された前記重み付けデータを考慮して、前記算出処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載の液体付与装置。
  3. 前記複数の領域は、記録媒体における前記第2方向の端部をそれぞれ含む2つの第1領域、及び、前記端部を含まない第2領域を含み、
    前記重み付けデータは、前記2つの第1領域のそれぞれの重み付けが前記第2領域の重み付けよりも大きな値に設定されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の液体付与装置。
  4. 前記第2領域は、記録媒体における前記第2方向の中心を含み、
    前記重み付けデータは、前記2つの第1領域のそれぞれの重み付けが前記第2領域の重み付けよりも2倍以上の値に設定されていることを特徴とする、請求項3に記載の液体付与装置。
  5. 記録媒体を収容するように構成された、収容部と、
    前記収容部に収容された記録媒体を前記搬送ローラ対に向けて搬送するように構成された、給送ローラと、
    前記給送ローラによって複数の記録媒体が搬送されたときに前記複数の記録媒体に摩擦抵抗を付与することで前記複数の記録媒体を分離するように構成された、分離部材と、
    を備え、
    前記複数の領域は、前記分離部材と接触する第3領域、及び、前記分離部材と接触しない第4領域を含み、
    前記重み付けデータは、前記第3領域の重み付けが前記第4領域の重み付けよりも大きな値に設定されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体付与装置。
  6. 前記第2方向の長さが異なる記録媒体それぞれについての複数の前記重み付けデータを記憶する、記憶部を備え、
    前記制御部は、前記記憶部から読み出された前記複数の重み付けデータの1つを考慮して、前記算出処理を行うことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体付与装置。
  7. 前記重み付けデータは、前記第1方向の長さが長い記録媒体に対する重み付けほど大きな値に設定されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体付与装置。
  8. 前記制御部は、
    前記算出処理において算出された推定値が第1閾値を超えているか否かを判断する、第1判断処理と、
    前記第1判断処理において前記推定値が前記第1閾値を超えていると判断した場合に、前記搬送ローラ対を清掃する旨を示す信号を出力する、出力処理と、
    をさらに行うことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の液体付与装置。
  9. 前記制御部は、
    前記算出処理において、前記複数の領域のそれぞれに対応する複数の前記推定値を算出し、
    前記第1判断処理において、前記算出処理において算出された前記複数の推定値の少なくとも1つが前記第1閾値を超えているか否かを判断し、
    前記第1判断処理において前記少なくとも1つが前記第1閾値を超えていると判断した場合に、前記出力処理を行うことを特徴とする、請求項8に記載の液体付与装置。
  10. 前記制御部は、
    前記算出処理において算出された推定値に基づいて、前記搬送ローラ対の回転量を補正するための補正値を決定する、決定処理をさらに行うことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の液体付与装置。
  11. 前記制御部は、
    前記算出処理において算出された推定値が第2閾値を超えているか否かを判断する、第2判断処理をさらに行い、
    前記第2判断処理において前記推定値が前記第2閾値を超えていると判断した場合に、前記決定処理を行うことを特徴とする、請求項10に記載の液体付与装置。
  12. 前記制御部は、
    前記算出処理において算出された推定値が第1閾値を超えているか否かを判断する、第1判断処理と、
    前記第1判断処理において前記推定値が前記第1閾値を超えていると判断した場合に、前記搬送ローラ対を清掃する旨を示す信号を出力する、出力処理と、
    前記第1判断処理において前記推定値が前記第1閾値を超えていないと判断した場合に、前記算出処理において算出された推定値が前記第1閾値よりも小さい第2閾値を超えているか否かを判断する、第2判断処理と、
    前記第2判断処理において前記推定値が前記第2閾値を超えていると判断した場合に、前記算出処理において算出された推定値に基づいて、前記搬送ローラ対の回転量を補正するための補正値を決定する、決定処理と、
    をさらに行うことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の液体付与装置。
  13. 前記液体付与部は、前記搬送ローラ対よりも前記第1方向の下流側に配置され、記録液を吐出するように構成された、記録液吐出部を含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の液体付与装置。
  14. 前記液体付与部は、前記搬送ローラ対よりも前記第1方向の上流側に配置され、記録液と反応して前記記録液中の成分を凝集又は析出させる処理液を吐出するように構成された、処理液吐出部を含むことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の液体付与装置。
  15. 2つのローラを含み、前記2つのローラが記録媒体を挟持しつつ回転することにより、記録媒体を第1方向に搬送するように構成された、搬送ローラ対と、液体を付与するように構成された、液体付与部と、前記搬送ローラ対の駆動及び前記液体付与部を制御する、制御部と、を備えた液体付与装置において、前記制御部を、
    記録媒体における前記第1方向と交差する第2方向に沿って並ぶ複数の領域毎に定められた紙粉量に基づく重み付けを示す重み付けデータを考慮して、前記搬送ローラ対に付着した付着物の量の推定値を算出する、算出処理手段として機能させることを特徴とする、プログラム。
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