JP5648376B2 - 液体吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、第1液滴を吐出するに先だって、第1液体中の成分を凝集又は析出させる第2液体を記録媒体に吐出する液体吐出装置に関する。
用紙に形成されるドットのにじみを低減するために、ドットが形成される箇所に、インク滴に先だって、インク中の色素成分を凝集又は析出させる前処理液を吐出するインクジェットプリンタがある。このようなインクジェットプリンタにおいては、用紙のドットが形成される個所に前処理液を吐出した後に、吐出された前処理液を加圧ローラで押し広げる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−37942号公報
上述した技術においては、搬送された用紙の先端が加圧ローラに衝突したとき、当該用紙が撓んで加圧ローラ上で滑ることによって、想定されたインクジェットヘッドへの用紙搬送時間に遅延が生じることがある。用紙搬送時間に遅延が生じると、用紙がインクジェットヘッドに到達する時間がこの遅延した時間だけ遅れるので、当初設定したままのタイミングでインク滴を吐出するとインク滴が着弾すべき用紙上の位置と異なる位置にインク滴が着弾することになり、印刷品質が低下する。これを防止するために、加圧ローラとインクジェットヘッドとの間において、用紙位置をセンサで検知し、この検知結果に基づいて、吐出タイミングのずれ(この遅延した時間の差)を補正することが考えられる。しかしながら、センサを追加することによってインクジェットプリンタが大型化したり、コストが高くなったりする。
本発明の目的は、センサを追加することなく、第1液体の吐出タイミングを正確に補正することができる液体吐出装置を提供することにある。
本発明の液体吐出装置は、記録媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、記録媒体に画像を形成するための第1液体を吐出する第1液体吐出ヘッドと、前記第1液体吐出ヘッドよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記第1液体と反応して前記第1液体中の成分を凝集又は析出させる第2液体を吐出する第2液体吐出ヘッドと、前記第2液体吐出ヘッドよりも前記搬送方向の上流側に配置され、記録媒体の所定位置が通過したことを検知する検知手段と、前記搬送方向に関して前記第1液体吐出ヘッドと前記第2液体吐出ヘッドとの間に配置され、前記搬送方向に搬送される記録媒体に係る前記第2液体が着弾し得る側の面に当接するように設けられた回転ローラと、前記第2液体吐出ヘッドから吐出された前記第2液体が記録媒体を介して前記回転ローラに付着される量である付着量を、前記第2ヘッドから吐出される前記第2液体の量に基づいて決定する付着量決定手段と、前記回転ローラに前記第2液体が付着していない状態のときに、所定の搬送速度で搬送された記録媒体の前記所定位置が通過したことを前記検知手段が検知してから、当該記録媒体が前記第1液体吐出ヘッドに到達するまでに要する時間を示す標準到達時間を記憶する到達時間記憶手段と、前記付着量と、前記所定の搬送速度で搬送された記録媒体が前記回転ローラを通過したときに発生する遅延時間との関係を記憶する遅延時間記憶手段と、前記付着量が0を超える場合に、前記遅延時間記憶手段の記憶内容に基づいて、前記付着量決定手段により決定された前記付着量に対応する前記遅延時間を決定する遅延時間決定手段と、前記第1及び第2液体吐出ヘッドを制御する制御手段とを備えている。前記制御手段は、前記到達時間記憶手段に記憶された前記標準到達時間に前記遅延時間決定手段が決定した前記遅延時間を加えた合計時間に基づいて、前記第1液体吐出ヘッドから前記第1液体を吐出させるタイミングを決定する。
本発明によると、予め記憶された付着量−遅延時間の関係から、記録媒体が回転ローラに衝突したときの当該記録媒体の撓みに起因する搬送時間の遅れを予測するため、センサを追加することなく、第1液体の吐出タイミングを正確に補正することができる。
本発明においては、前記遅延時間記憶手段には、付着量が多くなるに従い前記遅延時間が小さくなる関係が記憶されている。これによると、付着量が多くなるに連れて回転ローラの摩擦力が大きくなって記録媒体が回転ローラに衝突したときの当該記録媒体の撓みが小さくなることを勘案して遅延時間が決定されるため、第1液体の吐出タイミングをより正確に補正することができる。
また、本発明においては、前記付着量決定手段が、前記第2液体が吐出された記録媒体に最後に前記回転ローラが当接した時からの経過時間が長くなるに連れて、小さくなるように前記付着量を決定することが好ましい。これによると、経過時間が長くなるに連れて、付着した第2液体が乾燥することで実質的な付着量が少なくなることを勘案して遅延時間が決定されるため、第1液体の吐出タイミングをより正確に補正することができる。
さらに、本発明においては、前記付着量決定手段は、前記第2液体が吐出されていない記録媒体に前記回転ローラが当接した時、前記付着量を0にすることが好ましい。これによると、第2液体が吐出されていない記録媒体に回転ローラが当接した時、回転ローラに付着した第2液体が記録媒体に転写されて、回転ローラ表面の第2液体の付着量がほぼ無くなることを勘案して、付着量を正確に決定することができる。
加えて、本発明においては、前記回転ローラの外周面における回転位置毎に、前記第2液体が付着している量である部分付着量を記憶する部分付着量記憶手段と、記録媒体の前記搬送方向に関する先端が衝突する前記回転位置を決定する衝突位置決定手段とをさらに備えており、前記付着量決定手段は、前記衝突位置決定手段が決定した前記回転位置を含む所定範囲において、当該回転位置からの離隔距離が大きくなるに連れて、重み付けが小さくなるように、前記部分付着量記憶手段に記憶された各部分付着量に重み付けを行うと共に、重み付けされた前記部分付着量を合計することによって前記付着量を決定することが好ましい。これによると、遅延時間を正確に決定することができる。
または、本発明においては、前記回転ローラの外周面を区画するマトリックス状に配置された複数の部分領域のそれぞれについて、前記第2液体が付着している量である部分付着量を記憶する部分付着量記憶手段と、記録媒体の前記搬送方向に関する先端が衝突する一又は複数の前記部分領域を決定する領域決定手段とをさらに備えており、前記付着量決定手段は、前記領域決定手段が決定した前記一又は複数の部分領域に係る前記部分付着量の最大値を前記付着量に決定することが好ましい。これによると、遅延時間を正確に決定することができる。
また、本発明においては、前記搬送機構に搬送される記録媒体の厚みを記憶する厚み記憶手段をさらに備えており、前記到達時間記憶手段には、前記厚みが大きくなるに連れて、前記標準到達時間が大きくなる関係が記憶されており、前記制御手段は、前記到達時間記憶手段に記憶された前記厚みに対応する前記標準到達時間に前記遅延時間を加えた合計時間に基づいて、前記第1液体吐出ヘッドから前記第1液体を吐出させるタイミングを決定することが好ましい。これによると、記録媒体の厚みが大きくなると、記録媒体が回転ローラに衝突したときの当該記録媒体の撓みが大きくなって標準到達時間が長くなり、且つ、記録媒体が厚くなることにより、記録媒体と回転ローラ間の接触面圧が大きくなった分の遅延時間に及ぼす影響を勘案して、第1液体の吐出タイミングをより正確に補正することができる。
加えて、本発明においては、前記搬送機構に搬送される記録媒体の材質を記憶する材質記憶手段をさらに備えており、前記到達時間記憶手段には、前記材質の各種類に対応する前記標準到達時間が記憶されており、前記遅延時間記憶手段には、前記材質の各種類に対応する前記遅延時間が記憶されており、前記遅延時間決定手段は、前記遅延時間記憶手段の記憶内容に基づいて、前記付着量決定手段により決定された前記付着量と前記材質記憶手段に記憶された前記材質とに対応する前記遅延時間を決定し、前記制御手段は、前記材質記憶手段に記憶された前記材質に対応する前記標準到達時間に前記遅延時間を加えた合計時間に基づいて、前記第1液体吐出ヘッドから前記第1液体を吐出させるタイミングを決定することが好ましい。これによると、材質の摩擦特性に応じて標準到達時間及び遅延時間を決定することで、第1液体の吐出タイミングをより正確に補正することができる。
さらに、本発明においては、前記到達時間記憶手段には、前記搬送速度に対応する前記標準到達時間が記憶されており、前記遅延時間記憶手段には、前記搬送速度に対応する前記遅延時間が記憶されており、前記遅延時間決定手段は、前記遅延時間記憶手段の記憶内容に基づいて、前記付着量決定手段により決定された前記付着量と前記搬送速度とに対応する前記遅延時間を決定し、前記制御手段は、前記到達時間記憶手段に記憶された前記搬送速度に対応する前記標準到達時間に前記遅延時間を加えた合計時間に基づいて、前記第1液体吐出ヘッドから前記第1液体を吐出させるタイミングを決定することが好ましい。これによると、搬送速度によって標準到達時間及び遅延時間を決定することで、第1液体の吐出タイミングをより正確に補正することができる。
または、本発明においては、前記回転ローラ近傍の湿度を検出する湿度検出手段をさらに備えており、前記到達時間記憶手段には、前記湿度が高くなるに連れて、前記標準到達時間が小さくなる関係が記憶されており、前記遅延時間記憶手段には、前記湿度が高くなるに連れて、前記遅延時間が小さくなる関係が記憶されており、前記遅延時間決定手段は、前記遅延時間記憶手段の記憶内容に基づいて、前記付着量決定手段により決定された前記付着量と前記湿度検出手段が検出した前記湿度とに対応する前記遅延時間を決定し、前記制御手段は、前記到達時間記憶手段に記憶された前記湿度検出手段が検出した前記湿度に対応する前記標準到達時間に前記遅延時間を加えた合計時間に基づいて、前記第1液体吐出ヘッドから前記第1液体を吐出させるタイミングを決定することが好ましい。これによると、湿度が高くなるに連れて、記録媒体が回転ローラに衝突したときの当該記録媒体の撓みが小さくなること勘案して、標準到達時間及び遅延時間を決定するため、第1液体の吐出タイミングをより正確に補正することができる。
本発明によると、予め記憶された付着量−遅延時間の関係から、記録媒体が回転ローラに衝突したときの当該記録媒体の撓みに起因する搬送時間の遅れを予測するため、センサを追加することなく、第1液体の吐出タイミングを正確に補正することができる。
本発明の一実施形態によるインクジェットプリンタの概略側面図である。 図1に示す制御装置の機能ブロック図である。 図1に搬送機構により搬送された用紙の状態を示す図である。 図3に示すならしローラに用紙が衝突したときの状態を示す図である。 図2に示すプレコート液付着量決定部の機能を説明するための図である。 図3に示すならしローラの表面にプレコート液が付着してからの経過時間と、遅延時間との関係を示したグラフである。 図3に示すならしローラの表面に付着したプレコート液の付着量と、遅延時間との関係を示したグラフである。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
インクジェットプリンタ101は、図1に示すように、用紙Pを搬送する搬送ユニット20と、搬送ユニット20によって搬送された用紙Pに、ブラック(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)のインク滴をそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッド1と、各インクの色素成分を凝集又は析出させるプレコート液(Pre)の液滴を吐出するプレコートヘッド2と、用紙センサ11と、インクジェットプリンタ101全体を制御する制御装置16とを有している。なお、本実施形態において、副走査方向とは搬送ユニット20で用紙Pを搬送するときの搬送方向と平行な方向であり、主走査方向とは副走査方向に直交する方向であって水平面に沿った方向である。また、顔料インクに対しては顔料色素を凝集させるプレコート液が使用され、染料インクに対しては染料色素を析出させるプレコート液が使用される。プレコート液の材料は、カチオン系高分子やマグネシウム塩等の多価金属塩を含有する液体等、適宜に選択可能である。かかるプレコート液があらかじめ塗布された用紙Pの領域にインクが着弾すると、多価金属塩等がインクの着色剤である染料又は顔料に作用して、不溶性又は難溶性の金属複合体等が凝集又は析出により形成される。その結果、付着したインクの用紙P内への浸透度が低下し、インクを用紙P上に定着しやすくなる。
4つのインクジェットヘッド1及びプレコートヘッド2は、同一構造を有しており、それぞれ主走査方向に沿って延在し、副走査方向には互いに平行に配置されている。プレコートヘッド2は、4つのインクジェットヘッド1の搬送方向に関する上流側に配置されている。各インクジェットヘッド1及びプレコートヘッド2の下面は吐出面となっている。すなわち、インクジェットプリンタ101は、ライン式のカラーインクジェットプリンタである。
搬送ユニット20は、図1中右方から左方に向かう搬送方向に沿って用紙Pを搬送する搬送機構であり、プラテン10a、10b、一対の給紙ローラ6、ならしローラ9、支持ローラ8、一対の排紙ローラ7、剥離プレート13、及び、排紙トレイ14を有している。プラテン10aは、用紙Pの搬送経路を介してプレコートヘッド2に対向配置されており、プラテン10bは、搬送経路を介して4つのインクジェットヘッド1に対向配置されている。プラテン10a、10bは、搬送された用紙Pを下方から支持する。このとき、プラテン10a、10bの上面と4つのインクジェットヘッド1及びプレコートヘッド2の吐出面との間には、画像形成に適した所定の間隙が形成される。
一対の給紙ローラ6は、プレコートヘッド2の搬送方向に関する上流側に配置されている。一対の給紙ローラ6は、図示しない用紙給紙ユニットから供給された用紙Pを挟持しつつ、互いに異なる方向(図中矢印参照)に回転することで、当該用紙Pを搬送方向に搬送する。
ならしローラ9は、搬送方向に関して4つのインクジェットヘッド1とプレコートヘッド2との間に配置されており、用紙Pに係るプレコート液の液滴が着弾し得る側の面(印刷面:図1中上側の面)に当接するように配置されている。支持ローラ8は、搬送経路を介してならしローラ9と対向するように配置されている。ならしローラ9及び支持ローラ8は、図示しない付勢機構によって互いに近接する方向に付勢されており(図3参照)、一対の給紙ローラ6によって搬送されてきた用紙Pを挟持しつつ、互いに異なる方向(図中矢印参照)に回転することで、当該用紙Pを搬送方向にさらに搬送する。このとき、ならしローラ9の外周面は、用紙Pの印刷面に当接する。これにより、当該用紙Pの表面に吐出されたプレコート液の液滴が、ならしローラ9によって厚みが均一になるように押し広げられる。ならしローラ9の近傍には、ならしローラ9の周囲の湿度を検知する湿度センサ12が設置されている。
一対の排紙ローラ7は、4つのインクジェットヘッド1の搬送方向に関する下流側に配置されている。一対の排紙ローラ7は、ならしローラ9及び支持ローラ8によって搬送されつつ、4つのインクジェットヘッド1からインク滴が吐出された用紙Pを挟持しつつ、互いに異なる方向(図中矢印参照)に回転することで、当該用紙Pを搬送方向にさらに搬送する。
剥離プレート13は、一対の排紙ローラ7の搬送方向に関する下流側に配置されており、排紙ローラ7の外周面から用紙Pを剥離する。排紙トレイ14は、剥離プレート13によって排紙ローラ7の外周面から剥離された用紙Pを受け取る。
このように、搬送ユニット20によって、搬送方向に搬送された用紙Pは、プレコートヘッド2及び4つのインクジェットヘッド1の下方を順に通過した後に、排紙トレイ14に排出される。プレコートヘッド2のすぐ下方を通過する際に、用紙Pの上面における画像が形成される領域にプレコート液が塗布されるように、プレコートヘッド2からプレコート液滴が吐出される。その後、ならしローラ9によって用紙P上に塗布されたプレコート液が押し広げられる。さらに、当該用紙Pが、4つのインクジェットヘッド1のすぐ下方を通過する際に、用紙Pの上面におけるプレコート液が塗布された領域に、各インクジェットヘッド1から各色のインク滴が順に吐出される。これにより、用紙P上に所望のカラー画像が形成される。このとき、用紙P上に塗布されたプレコート液上にインク滴が着弾すると、プレコート液がインク滴の色素成分を凝集又は析出させるため、用紙Pにおけるインクにじみが防止される。
用紙センサ11は、搬送方向に関する一対の給紙ローラ6とプレコートヘッド2との間に配置されており、一対の給紙ローラ6によって搬送された用紙Pの搬送方向に関する先端又は後端が、用紙センサ11の下方を通過したことを検知する。
次に、図2を参照しつつ、制御装置16について説明する。制御装置16は、CPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行するプログラム及びこれらプログラムに使用されるデータを書き替え可能に記憶するEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)とを含んでいる。制御装置16を構成する各機能部は、これらハードウェアとEEPROM内のソフトウェアとが協働して構築されている。図2に示すように、制御装置16は、インクジェットプリンタ101全体を制御するものであり、画像データ記憶部41と、搬送制御部43と、到達時間記憶部44と、プレコート液付着量決定部45と、遅延時間記憶部46と、用紙種類記憶部48と、遅延時間決定部47と、ヘッド制御部42とを有している。
画像データ記憶部41は、用紙Pに印刷される画像に関する画像データを記憶する。画像データは、用紙P上を搬送方向及び主走査方向に沿って区画する画像の解像度に対応する複数の画素のそれぞれについて、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各インク及びプレコート液に係る濃度値を有している。濃度値は、吐出無し、小滴、中滴及び大滴に対応する4値に量子化されている。
搬送制御部43は、用紙Pが搬送方向に沿って所望の搬送速度で搬送されるように搬送ユニット20を制御する。
図3及び図4に示すように、ならしローラ9と支持ローラ8とが互いに近接する方向に付勢されているため、給紙ローラ6に搬送された用紙Pの先端が、用紙センサ11の下方を通過した後に、ならしローラ9の外周面に衝突する。このとき、用紙Pの先端が撓んだ後に、用紙Pがならしローラ9に対してスリップしつつ、ならしローラ9と支持ローラ8との間に巻き込まれる。これにより、搬送ユニット20に搬送された用紙の搬送方向に関する先端が、用紙センサ11に検知された時から、搬送方向に関する最も上流側に位置するブラックのインクジェットヘッド1と対向する位置に到達するまでの到達時間tが遅延する。
したがって、用紙Pのスリップ量が大きくなると到達時間tの遅延が大きくなる。このスリップ量は、用紙Pの搬送速度、用紙Pの厚み、及び、用紙Pとならしローラ9との間の摩擦力によって決定される。用紙Pの搬送速度が高くなったり、用紙Pの厚みが大きくなったり、用紙Pとならしローラ9との摩擦力が小さくなったりするに連れて、スリップ量が大きくなる。そして、用紙Pとならしローラ9との摩擦力は、ならしローラ9の押圧力、用紙Pの材質、ならしローラ9の周囲の湿度、ならしローラ9の外周面に係るプレコート液の付着量によって決定される。例えば、ならしローラ9の周囲の湿度やプレコート液の付着量が大きくなれば、ならしローラ9の外周面の摩擦力が大きくなる(スリップ量が小さくなる)。なお、本実施形態において、ならしローラ9の押圧力は、インクジェットプリンタ101の固有値となっているが、ならしローラ9の押圧力は、調整可能であってもよい。
到達時間tは、標準時間xと遅延時間Δxとの合計値である。標準時間xは、ならしローラ9の外周面にブレコート液が付着していない場合の到達時間tである。遅延時間Δxは、ならしローラ9の外周面にプレコート液が付着することによって発生する遅延時間である。
到達時間記憶部44は、用紙Pの搬送速度、用紙Pの厚み、用紙Pの材質及びならしローラ9の周囲の湿度に係る各閾値の組み合わせのそれぞれと標準時間xとの関係を記憶している。具体的には、到達時間記憶部44は、用紙Pの搬送速度が高くなるに連れて標準時間xが短くなるように、用紙Pの厚みが大きくなるに連れて標準時間xが長くなるように、用紙Pの材質に起因する摩擦力が小さくなるに連れて標準時間xが長くなるように、ならしローラ9の周囲の湿度が高くなるに連れて標準時間xが短くなるように、各閾値の組み合わせと標準時間xとの関係が記憶されている。この関係は、テーブルで記憶されていてもよいし、算出式によって記憶されていてもよい。
プレコート液付着量決定部45は、プレコートヘッド2から吐出されるプレコート液が用紙Pを介してならしローラ9の外周面に付着される量である付着量を決定する。プレコート液付着量決定部45は、部分付着量決定部45a、衝突位置決定部45b及び付着量算出部45cを有している。
部分付着量決定部45aは、図5に示すように、ならしローラ9の外周面における中心角がθとなる回転位置間に対応する部分領域毎に、プレコート液が付着する量である部分付着量を、画像データに基づいて算出して記憶する。
衝突位置決定部45bは、到達時間記憶部44から、印刷を行う用紙Pの搬送速度、厚み、材質及び湿度センサ12の検知結果であるならしローラ9の周囲の湿度の各閾値の組み合わせに対応する標準時間xを決定し、決定した標準時間xとならしローラ9の回転位置を検知するエンコーダ(図示せず)の検知結果とから、当該用紙Pの搬送方向に関する先端が衝突するならしローラ9の回転位置を算出する。
付着量算出部45cは、衝突位置決定部45bが決定した回転位置からの離隔距離が大きくなるに連れて、重み付けが小さくなるように、部分付着量決定部45aに記憶された部分領域の部分付着量に重み付けを行うと共に、重み付けされた部分付着量を合計することによって付着量を決定する。さらに、図6に示すように、付着量算出部45cは、プレコート液が吐出された用紙Pにならしローラ9が当接した最後の時からの経過時間が長くなるに連れて、付着量が小さくなるように、決定した付着量を補正する。また、付着量算出部45cは、プレコート液が吐出されていない用紙Pがならしローラ9と当接したとき、付着量を0に決定する。プレコート液付着量決定部45は、付着量算出部45cが算出した付着量に対応する閾値を、ならしローラ9の外周面に付着した付着量として決定する。
図2に戻って、遅延時間記憶部46は、用紙Pの搬送速度、用紙Pの材質、ならしローラ9の周囲の湿度、及び、ならしローラ9の外周面に係るプレコート液の付着量に係る各閾値の組み合わせのそれぞれと遅延時間Δxとの関係を記憶している。具体的には、遅延時間記憶部46には、用紙Pの搬送速度が高くなるに連れて遅延時間Δxが大きくなるように、用紙Pの材質に起因する摩擦力が小さくなるに連れて遅延時間Δxが大きくなるように、ならしローラ9の周囲の湿度が高くなるに連れて遅延時間Δxが小さくなるように、ならしローラ9の外周面に係るプレコート液の付着量が多くなるに連れて遅延時間Δxが小さくなるように、各閾値の組み合わせと遅延時間Δxとの関係が記憶されている。なお、図7に示すように、付着量と遅延時間Δxとの関係については、付着量が大きくなるに連れて遅延時間Δxの値が所定の最小値に近づくようになっている。これらの関係は、テーブルで記憶されていてもよいし、算出式によって記憶されていてもよい。
図2に戻って、用紙種類記憶部48は、次に搬送ユニット20に搬送される用紙Pの種類(例えば、上質紙、フォト用紙など)を記憶する。用紙Pの種類は、ユーザによって入力される。
遅延時間決定部47は、付着量算出部45cが算出した付着量が0を超えるときに、用紙種類記憶部48に記憶された用紙Pの種類から、当該用紙Pの材質を決定する。さらに、遅延時間決定部47は、湿度センサ12の検知結果に対応するならしローラ9の周囲の湿度の閾値を決定する。そして、遅延時間決定部47は、遅延時間記憶部46の記憶内容を参照し、用紙Pの搬送速度、用紙Pの材質、ならしローラ9の周囲の湿度、及び、プレコート液付着量決定部45が決定した付着量に係る各閾値の組み合わせに対応する遅延時間Δxを決定する。また、遅延時間決定部47は、付着量算出部45cが算出した付着量が0であるときは、遅延時間Δxを0に決定する。
ヘッド制御部42は、画像データ記憶部41に記憶された画像データに基づいて、搬送ユニット20に搬送された用紙Pに対して、所定の体積を有するプレコート液滴が所定のタイミングで吐出されるようにプレコートヘッド2を制御する。
また、ヘッド制御部42は、用紙種類記憶部48に記憶された用紙Pの種類から、当該用紙Pの厚み及び材質を決定する。さらに、ヘッド制御部42は、湿度センサ12の検知結果に対応するならしローラ9の周囲の湿度の閾値を決定する。そして、ヘッド制御部42は、到達時間記憶部44の記憶内容を参照し、用紙Pの搬送速度、用紙Pの厚み、材質及びならしローラ9の周囲の湿度に係る各閾値の組み合わせに対応する標準時間xを決定する。さらに、ヘッド制御部42は、決定した標準時間xと遅延時間決定部47が決定した遅延時間Δxとを合計して到達時間tを算出する。ヘッド制御部42は、搬送ユニット20に搬送された用紙Pの先端が通過したことを用紙センサ11が検知した時から算出した到達時間tが経過した時に、当該用紙Pの先端がブラックのインクジェットヘッド1に到達するタイミングを基準として、所定の体積を有するインク滴が所定のタイミングで吐出されるように各インクジェットヘッド1を制御する。
以上のように、本実施形態のインクジェットプリンタ101によると、到達時間記憶部44及び遅延時間記憶部46に予め記憶された記憶内容から用紙Pの搬送方向に関する先端がならしローラ9に衝突したときの当該用紙Pの撓みに起因する搬送時間の遅れを予測するため、ならしローラ9の搬送方向に関する下流側にさらにセンサを追加することなく、インクジェットヘッド1からのインク滴の吐出タイミングを正確に補正することができる。
また、遅延時間記憶部46には、ならしローラ9に係るプレコート液の付着量が多くなるに連れて、遅延時間Δxが小さくなる関係が記憶されているため、付着量が多くなるに連れて用紙Pの先端がならしローラ9に衝突したときの当該用紙Pの撓みが小さくなることを勘案して遅延時間Δxが決定される。これにより、インクジェットヘッド1からのインク滴の吐出タイミングをより正確に補正することができる。
さらに、付着量算出部45cは、プレコート液が吐出された用紙Pが最後にならしローラ9が当接した時からの経過時間が長くなるに連れて、付着量が小さくなるように、決定した付着量を補正するため、プレコート液が乾燥することで実質的な付着量が少なくなることを勘案して遅延時間Δxが決定される。これにより、遅延時間Δxを正確に決定することができる。
加えて、付着量算出部45cは、プレコート液が吐出されていない用紙Pがならしローラ9と当接したとき、付着量を0に決定するため、プレコート液が吐出されていない用紙Pを回転ローラが当接した時、回転ローラに付着した第2液体が記録媒体に転写されることを勘案して、付着量を正確に決定することができる。
また、プレコート液付着量決定部45は、ならしローラ9の外周面における中心角がθとなる回転位置間に対応する部分領域毎に部分付着量を記憶し、算出した用紙Pの搬送方向に関する先端が衝突するならしローラ9の回転位置からの離隔距離が大きくなるに連れて、重み付けが小さくなるように、各部分付着量に重み付けを行うと共に、重み付けされた部分付着量を合計することによって付着量を決定する。このように、遅延時間Δxに影響を与えるプレコート液の付着量が算出されるため、遅延時間を正確に決定することができる。
さらに、ヘッド制御部42が、用紙Pの厚みが大きくなるに連れて標準時間xを長くして、インクジェットヘッド1からインク滴を吐出させるタイミングを決定するため、用紙Pの厚みが大きくなると用紙Pがならしローラ9に衝突したときの当該用紙Pの撓みが大きくなることを勘案して、標準時間xを正確に決定することができる。
加えて、本発明においては、用紙Pの材質によって、標準時間x及び遅延時間Δxが変化するため、用紙Pの材質の摩擦特性に応じて標準時間x及び遅延時間Δxを正確に決定することができる。
さらに、本発明においては、搬送速度が高くなるに連れて標準時間x及び遅延時間Δxが長くなるため、標準時間x及び遅延時間Δxをより正確に決定することができる。
または、本発明においては、ならしローラ9の周囲の湿度が高くなるに連れて標準時間x及び遅延時間Δxが短くなるため、ならしローラ9の粘着度が高くなって用紙Pの撓みが小さくなることを勘案して、標準時間x及び遅延時間Δxをより正確に決定することができる。
<変形例>
本実施形態においては、ならしローラ9の外周面における中心角がθとなる回転位置間に対応する部分領域毎に部分付着量が記憶されており、用紙Pの搬送方向に関する先端が衝突するならしローラ9の回転位置からの離隔距離が大きくなるに連れて、重み付けが小さくなるように、各部分付着量に重み付けがなされると共に、重み付けされた部分付着量が合計されることによって付着量が決定される構成であるが、付着量を決定する構成はこれに限られるものではない。例えば、部分付着量決定部が、ならしローラ9の外周面をマトリックス状に区画する部分領域のそれぞれについて部分付着量を算出及び記憶し、衝突位置決定部が、用紙Pの先端が衝突する一又は複数の部分領域を決定し、付着量算出部が、衝突位置決定部が決定した一又は複数の部分領域に係る部分付着量の最大値、又は、合計値を付着量に決定してもよい。これによると、遅延時間Δxを正確に決定することができる。または、ならしローラ9の外周面を部分領域に区画することなく、外周面全域に付着したプレコート液の付着量を決定してもよい。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。上述の実施形態では、付着量算出部45cが、プレコート液が吐出された用紙Pが最後にならしローラ9が当接した時からの経過時間が長くなるに連れて、付着量が小さくなるように、決定した付着量を補正する構成であるが、経過時間により付着量を補正しない構成であってもよい。
さらに、上述の実施形態においては、付着量算出部45cが、プレコート液が吐出されていない用紙Pがならしローラ9と当接したとき、付着量を0に決定する構成であるが、プレコート液が吐出されていない用紙Pがならしローラ9と当接したときに、付着量を0にならない範囲で減少させる構成であってもよいし、付着量を減少させない構成であってもよい。
また、上述の実施形態において、ならしローラ9の外周面に係るプレコート液の付着量が多くなるに連れて遅延時間Δxが小さくなる構成であるが、ならしローラ9の素材の違いなどにより、プレコート液の付着量によって遅延時間Δxが大きくなる構成であってもよい。プレコート液の付着量と遅延時間Δxの関係については、あらかじめ実験的に求められ、遅延時間記憶部46に記憶される。
また、上述の実施形態においては、ヘッド制御部42が、用紙Pの厚みが大きくなるに連れて標準時間xを長くする構成であるが、用紙Pの厚みを考慮することなく標準時間xを決定する構成であってもよい。
加えて、上述の実施形態においては、用紙Pの材質によって、標準時間x及び遅延時間Δxを変化させる構成であるが、用紙Pの材質によって、標準時間x及び遅延時間Δxのいずれかのみが変化する構成であってもよいし、標準時間x及び遅延時間Δxの両方が変化しない構成であってもよい。
さらに、上述の実施形態においては、搬送速度によって標準時間x及び遅延時間Δxを変化させる構成であるが、搬送速度で標準時間x及び遅延時間Δxの少なくともいずれかを変化させない構成であってもよい。
上述の実施形態においては、搬送速度によって標準時間x及び遅延時間Δxを変化させる構成であり、速度の大きさによって用紙Pの撓みは大きくなるものの、用紙の到達時間が短くなる為、用紙Pの搬送速度が高くなるに連れて標準時間x及び遅延時間Δxが小さくなる構成であるが、逆に用紙Pの搬送速度が高くなるに連れて標準時間x及び遅延時間Δxが大きくなる構成であってもよい。搬送速度と標準時間x及び遅延時間Δxの関係については、あらかじめ実験的に求められ、到達時間記憶部44や遅延時間記憶部46に記憶される。
または、上述の実施形態においては、ならしローラ9の周囲の湿度が高くなるに連れて標準時間x及び遅延時間Δxが小さくなる構成であるが、ならしローラ9の周囲の湿度で標準時間x及び遅延時間Δxの少なくともいずれかを変化させない構成であってもよい。
本発明は、インク以外の液体を吐出する液体吐出装置にも適用可能である。さらに、プリンタに限定されず、ファクシミリやコピー機などにも適用可能である。また、ヘッド制御部がプレコートヘッドのアクチュエータユニットや各インクジェットヘッドのアクチュエータユニットを駆動するのではなく、プレコートヘッドヘッド及び各インクジェットヘッドの発熱素子を駆動することでヘッドからプレコート液やインクを吐出することとしてもよい。また、インクへのプレコート液の作用としては、インクとプレコート液が混ざることで化学反応して、インク中の成分(顔料や染料)を凝集又は析出することも含まれる。また、化学反応することなしインク中の成分(顔料や染料)を凝集又は析出することも含まれる。また、一般的に顔料インクに対しては顔料色素を凝集させるプレコート液が使用され、染料インクに対しては染料色素を析出させるプレコート液が使用されるのは上述の通りであるが、凝集および析出の両方の作用を有してもよい。
1 インクジェットヘッド
2 プレコートヘッド
6 給紙ローラ
7 排紙ローラ
8 支持ローラ
9 ならしローラ
10a、10b プラテン
11 用紙センサ
12 湿度センサ
13 剥離プレート
14 排紙トレイ
16 制御装置
20 搬送ユニット
41 画像データ記憶部
42 ヘッド制御部
43 搬送制御部
44 到達時間記憶部
45 プレコート液付着量決定部
45c 付着量算出部
45b 衝突位置決定部
45a 部分付着量決定部
46 遅延時間記憶部
47 遅延時間決定部
48 用紙種類記憶部
101 インクジェットプリンタ

Claims (9)

  1. 記録媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、
    記録媒体に画像を形成するための第1液体を吐出する第1液体吐出ヘッドと、
    前記第1液体吐出ヘッドよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記第1液体と反応して前記第1液体中の成分を凝集又は析出させる第2液体を吐出する第2液体吐出ヘッドと、
    前記第2液体吐出ヘッドよりも前記搬送方向の上流側に配置され、記録媒体の所定位置が通過したことを検知する検知手段と、
    前記搬送方向に関して前記第1液体吐出ヘッドと前記第2液体吐出ヘッドとの間に配置され、前記搬送方向に搬送される記録媒体に係る前記第2液体が着弾し得る側の面に当接するように設けられた回転ローラと、
    前記第2液体吐出ヘッドから吐出された前記第2液体が記録媒体を介して前記回転ローラに付着される量である付着量を、前記第2ヘッドから吐出される前記第2液体の量に基づいて決定する付着量決定手段と、
    前記回転ローラに前記第2液体が付着していない状態のときに、所定の搬送速度で搬送された記録媒体の前記所定位置が通過したことを前記検知手段が検知してから、当該記録媒体が前記第1液体吐出ヘッドに到達するまでに要する時間を示す標準到達時間を記憶する到達時間記憶手段と、
    前記付着量と、前記所定の搬送速度で搬送された記録媒体が前記回転ローラを通過したときに発生する遅延時間との関係を記憶する遅延時間記憶手段と、
    前記付着量が0を超える場合に、前記遅延時間記憶手段の記憶内容に基づいて、前記付着量決定手段により決定された前記付着量に対応する前記遅延時間を決定する遅延時間決定手段と、
    前記第1及び第2液体吐出ヘッドを制御する制御手段とを備えており、
    前記遅延時間記憶手段には、付着量が多くなるに従い前記遅延時間が小さくなる関係が記憶されており、
    前記制御手段は、前記到達時間記憶手段に記憶された前記標準到達時間に前記遅延時間決定手段が決定した前記遅延時間を加えた合計時間に基づいて、前記第1液体吐出ヘッドから前記第1液体を吐出させるタイミングを決定することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記付着量決定手段は、前記第2液体が吐出された記録媒体に最後に前記回転ローラが当接した時からの経過時間が長くなるに連れて、小さくなるように前記付着量を決定することを特徴とする請求項に記載の液体吐出装置。
  3. 前記付着量決定手段は、前記第2液体が吐出されていない記録媒体に前記回転ローラが当接した時、前記付着量を0にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記回転ローラの外周面における回転位置毎に、前記第2液体が付着している量である部分付着量を記憶する部分付着量記憶手段と、
    記録媒体の前記搬送方向に関する先端が衝突する前記回転位置を決定する衝突位置決定手段とをさらに備えており、
    前記付着量決定手段は、前記衝突位置決定手段が決定した前記回転位置を含む所定範囲において、当該回転位置からの離隔距離が大きくなるに連れて、重み付けが小さくなるように、前記部分付着量記憶手段に記憶された各部分付着量に重み付けを行うと共に、重み付けされた前記部分付着量を合計することによって前記付着量を決定することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記回転ローラの外周面を区画するマトリックス状に配置された複数の部分領域のそれぞれについて、前記第2液体が付着している量である部分付着量を記憶する部分付着量記憶手段と、
    記録媒体の前記搬送方向に関する先端が衝突する一又は複数の前記部分領域を決定する領域決定手段とをさらに備えており、
    前記付着量決定手段は、前記領域決定手段が決定した前記一又は複数の部分領域に係る前記部分付着量の最大値を前記付着量に決定することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記搬送機構に搬送される記録媒体の厚みを記憶する厚み記憶手段をさらに備えており、
    前記到達時間記憶手段には、前記厚みが大きくなるに連れて、前記標準到達時間が大きくなる関係が記憶されており、
    前記制御手段は、前記到達時間記憶手段に記憶された前記厚みに対応する前記標準到達時間に前記遅延時間を加えた合計時間に基づいて、前記第1液体吐出ヘッドから前記第1液体を吐出させるタイミングを決定することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記搬送機構に搬送される記録媒体の材質を記憶する材質記憶手段をさらに備えており、
    前記到達時間記憶手段には、前記材質の各種類に対応する前記標準到達時間が記憶されており、
    前記遅延時間記憶手段には、前記材質の各種類に対応する前記遅延時間が記憶されており、
    前記遅延時間決定手段は、前記遅延時間記憶手段の記憶内容に基づいて、前記付着量決定手段により決定された前記付着量と前記材質記憶手段に記憶された前記材質とに対応する前記遅延時間を決定し、
    前記制御手段は、前記材質記憶手段に記憶された前記材質に対応する前記標準到達時間に前記遅延時間を加えた合計時間に基づいて、前記第1液体吐出ヘッドから前記第1液体を吐出させるタイミングを決定することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  8. 前記到達時間記憶手段には、前記搬送速度に対応する前記標準到達時間が記憶されており、
    前記遅延時間記憶手段には、前記搬送速度に対応する前記遅延時間が記憶されており、
    前記遅延時間決定手段は、前記遅延時間記憶手段の記憶内容に基づいて、前記付着量決定手段により決定された前記付着量と前記搬送速度とに対応する前記遅延時間を決定し、
    前記制御手段は、前記到達時間記憶手段に記憶された前記搬送速度に対応する前記標準到達時間に前記遅延時間を加えた合計時間に基づいて、前記第1液体吐出ヘッドから前記第1液体を吐出させるタイミングを決定することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  9. 前記回転ローラ近傍の湿度を検出する湿度検出手段をさらに備えており、
    前記到達時間記憶手段には、前記湿度が高くなるに連れて、前記標準到達時間が小さくなる関係が記憶されており、
    前記遅延時間記憶手段には、前記湿度が高くなるに連れて、前記遅延時間が小さくなる関係が記憶されており、
    前記遅延時間決定手段は、前記遅延時間記憶手段の記憶内容に基づいて、前記付着量決定手段により決定された前記付着量と前記湿度検出手段が検出した前記湿度とに対応する前記遅延時間を決定し、
    前記制御手段は、前記到達時間記憶手段に記憶された前記湿度検出手段が検出した前記湿度に対応する前記標準到達時間に前記遅延時間を加えた合計時間に基づいて、前記第1液体吐出ヘッドから前記第1液体を吐出させるタイミングを決定することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
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