JP2012126487A - 搬送制御装置および記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録用紙を搬送する搬送機構に付着する異物を手軽に軽減させることが可能な搬送制御装置を提供する。
【解決手段】第1の記録用紙または第2の記録用紙を選択する操作を受け付けて、選択記録用紙を示す情報を出力する入力操作部34と、搬送路22と、選択記録用紙を搬送方向に搬送する搬送機構50と、制御部30と、を有し、搬送機構50は、主ローラ4と、選択記録用紙を挟んで主ローラ4を押圧し、主ローラ4と反対方向に回転する従動ローラ5と、カム形状の回転部材55と、回転部材55の回転時にカム形状に対応して変形することによって、押圧力が回転部材55の回転位置に対応して変化する弾性部材52と、を有し、制御部30は、選択記録用紙が第1の記録用紙の場合、回転部材55を第1の回転位置に回転させ、選択記録用紙が第2の記録用紙の場合、第1の回転位置に比べ押圧力が小さくなる第2の回転位置に回転部材55を回転させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、表面に特殊な液体が塗布された記録用紙を搬送する搬送制御装置、および該搬送制御装置を備えた記録装置に関する。
記録用紙に記録する記録装置には、記録用紙を搬送する搬送機構を備えたものがある。この搬送機構は、一般的に、搬送ローラと、記録用紙を挟んで搬送ローラを押圧する従動ローラと、を有する。搬送ローラの回転に伴って従動ローラが搬送ローラと反対方向に回転することによって、記録用紙が搬送方向に搬送される。
上記のような構成の記録装置では、インクに含まれた顔料成分の凝集を早める特殊な液体が表面に塗布された記録用紙が記録媒体として用いられる場合がある。この液体には溶剤が混合され、液体の粘度は水よりも高いため、液体と紙粉の混合物が記録用紙の表面に生成しやすい。この混合物は、記録用紙の搬送時に従動ローラに付着する場合がある。従動ローラに付着した混合物は、記録用紙の搬送後、従動ローラが直接搬送ローラを押圧することによって、搬送ローラに押し固められる。その結果、記録媒体が汚れ、搬送性能が悪化するなどの問題が発生するおそれがある。
そこで、上記のような問題を解決するためのクリーニング装置が特許文献1に開示されている。このクリーニング装置では、用紙搬送路に設けられた搬送ローラに、搬送ローラをクリーニングするためのクリーニングシートを通過させる。これにより、搬送ローラに付着した異物が除去される。
特開平5−238580号公報
しかし、特許文献1に開示されたクリーニング装置では、クリーニングシートを用意し、そのクリーニングシートを記録用紙に代えて装置内にセットするという煩わしい作業が発生する。
そこで本発明は、記録用紙を搬送する搬送機構に付着する異物を手軽に軽減させることが可能な搬送制御装置、および該搬送制御装置を備えた記録装置を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の搬送制御装置は、第1の記録用紙、または前記第1の記録用紙の表面に粘度が水よりも高い液体が塗布された第2の記録用紙を記録媒体として選択する操作を受け付けて、選択された選択記録用紙を示す情報を出力する入力操作部と、前記選択記録用紙が通過する搬送路と、前記搬送路に設けられ、前記選択記録用紙を搬送方向に搬送する搬送機構と、前記入力操作部および前記搬送機構にそれぞれ接続された制御部と、を有し、前記搬送機構は、主ローラと、前記選択記録用紙を挟んで前記主ローラを押圧し、前記主ローラの回転に伴って前記主ローラと反対方向に回転する従動ローラと、カム形状の回転部材と、前記回転部材の回転時に前記カム形状に対応して変形することによって、前記従動ローラを前記主ローラに押圧させる押圧力が前記回転部材の回転位置に対応して変化する弾性部材と、を有し、前記制御部は、前記情報に示された前記選択記録用紙が前記第1の記録用紙の場合、前記回転部材を第1の回転位置に回転させ、前記情報に示された前記選択記録用紙が前記第2の記録用紙の場合、前記第1の回転位置に比べ前記押圧力が小さくなる第2の回転位置に前記回転部材を回転させる。
また、上記目的を達成するため、本発明による記録装置は、上記の搬送制御装置と、前記搬送制御装置における前記搬送路の上方に配置され、前記選択記録用紙に記録する記録部と、を有する。
本発明によれば、液体が表面に塗布された第2の記録用紙が搬送機構で搬送されるときには、従動ローラが主ローラを押圧する押圧力が自動的に小さくなる。そのため、第2の記録用紙の表面に異物(液体と紙粉との混合物)が生成されていても、その異物は従動ローラおよび主ローラに付着しにくくなる。これにより、特殊なシートを搬送させなくても、搬送機構に付着した異物を軽減させることが可能になる。よって、搬送機構に付着した異物を手軽に軽減させることが可能となる。
本発明の実施形態1の記録装置の要部の構成を示す断面図である。 図1に示す記録装置の制御構成を示すブロック図である。 図1に示す記録装置に設けられた液体塗布機構の構成を示す断面図である。 図3に示す液体塗布機構に設けられた部の液体供給部材の構成を示す斜視図ある。 図1に示す記録装置に設けられた搬送機構の構成を示す斜視図ある。 図1に示す記録装置に設けられた搬送機構の構成を示す断面図ある。 図1に示す記録装置で実行される搬送制御動作の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態2の記録装置の要部の構成を示す断面図である。 図8に示す記録装置で実行されるける搬送制御動作の手順を示すフローチャートである。
(実施形態1)
図1は、本実施形態の記録装置の要部の構成を示す断面図である。図1に示す記録装置1には、給送トレイ20と、給送トレイ21が設けられている。給送トレイ20、21には、複数枚の記録用紙P(第1の記録用紙)が積層して収納されている。
給送トレイ20に収納された記録用紙Pは、円形状の給送ローラ3b(第2の給送ローラ)によって、1枚ずつ搬送路23(他の搬送路)に搬入される。給送ローラ3bは、搬送路23の後端部近傍に配置されている。搬送路23は、搬送路22よりも搬送方向Aの後方に位置し、液体塗布機構1000が配置されている。液体塗布機構1000は、搬送路23を通過する記録用紙Pの表面(記録面)に粘度が水よりも高い液体を塗布する。液体が表面に塗布された記録用紙P(第2の記録用紙)は、搬送機構50(第1の搬送機構)に送られる。搬送機構50は、搬送路23と接続する搬送路22の後端部に設けられている。搬送機構50は、表面処理された記録用紙P(第2の記録用紙)を搬送方向Aに搬送することによってこの記録用紙Pを搬送路23に搬入する。搬送路23の上方には、記録部7が配置されている。本実施形態において記録部7は、所定数のインク吐出用のノズルを配設したインクジェット記録ヘッドである。記録部7は、搬送方向Aと直交する方向に走査しながら、記録データに従ってノズルから記録用紙Pの表面(記録面)にインクを吐出する記録動作を行う。この記録動作と搬送機構50の搬送動作とを交互に繰り返しながら、記録用紙Pに画像が形成される。画像が形成された記録用紙Pは、搬送路22の先端部に配置された搬送機構60(第2の搬送機構)によって搬送路22から搬出され、排紙トレイ10に排紙される。
一方、給送トレイ21に収納された記録用紙Pは、搬送路22の後端部近傍に配置された円形状の給送ローラ3a(第1の給送ローラ)によって、1枚ずつ搬送路22に搬入され搬送機構50に送られる。これ以降の動作内容は、上述した動作内容と同様である。
なお、記録装置1は、記録用紙Pの最大幅にわたって配設されたノズルを備えた長尺なインクジェット記録ヘッドで構成された、いわゆるフルライン型のインクジェット記録装置であってもよい。
図2は、記録装置1の制御構成を示すブロック図である。記録装置1には、CPU(Central Processing Unit)31と、記憶部32とを有する制御部30が設けられている。CPU31は、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行する。記憶部32は、ROM(Read Only Memory)32aと、RAM(Random Access Memory)32bと、を有する。ROM32aは、CPU31によって実行される制御プログラムなどを格納する。RAM32bは、CPU31の処理動作中のデータや入力データなどを一時的に格納する。
制御部30には、入力操作部34、表示部35、検出部36、電源部37、記録制御部38、モータ制御部39がそれぞれ接続されている。入力操作部34は、所定の指令あるいはデータなどを入力する操作を受け付けて、操作内容が示された情報を制御部30へ出力する。表示部35は、制御部30の制御に基づいて種々の表示動作を行う。検出部36は、各部の動作状態などを検出する。電源部37は、各部を動作させるのに必要な電力を供給する。記録制御部38は、記録部7の動作を制御する。モータ制御部39は、モータ40の動作を制御する。なお、モータ40は、搬送機構50、60や液体塗布機構1000の駆動源で複数存在し、モータ制御部39は、各モータ40に個別に接続されている。
図3は、記録装置1に設けられた液体塗布機構の構成を示す断面図である。図3に示す液体塗布機構1000は、円筒状の塗布ローラ1001と、塗布ローラ1001に対向して配置され、塗布ローラ1001と一対の円筒状のカウンタローラ1002と、塗布ローラ1001に液体を供給する液体供給部材2001と、を有する。
塗布ローラ1001およびカウンタローラ1002の各々は、両端が不図示のフレームに対して回動自在に取り付けられ、互いに平行な軸によって回動自在に支持されている。液体供給部材2001は、塗布ローラ1001の長手方向のほぼ全体にわたって延在する。液体供給部材2001は、塗布ローラ1001の外周面に当接する当接位置と、該外周面から離れた離間位置との間を移動可能に上記のフレームに取り付けられている。
カウンタローラ1002は、バネ部材(不図示)によって塗布ローラ1001の外周面に付勢されている。この構成により、塗布ローラ1001が、カウンタローラ1002との間に記録用紙Pを挟んだ状態で、図3の断面図から見て時計回りに回転すると、カウンタローラ1002は反対方向に回転する。これにより、記録用紙Pが搬送方向Aに搬送される。
図4は、液体供給部材2001の構成を示す斜視図である。以下、液体供給部材2001の構成について、図3および図4を参照しながら説明する。
液体供給部材2001は、キャップ板金2002と、キャップ板金2002と一体的に構成された当接部材2007と、で構成されている。当接部材2007の中央部には、長手方向に延びた凹部2003が形成されている。当接部材2007は、塗布ローラ1001への当接時に塗布ローラ1001の周面形状に沿った当接が可能となるように、凹部2003の上縁部2010および下縁部2011が塗布ローラ1001に当接する。このように継ぎ目のない一体に形成された当接部材2007が、バネ部材2006の付勢力によって塗布ローラ1001の外周面に隙間なく連続した状態で当接する。その結果、液体供給部材2001と、塗布ローラ1001の外周面とによる実質的に閉塞した空間Sが形成され、空間Sに液体が保持される。そして、塗布ローラ1001が停止しているときは、当接部材2007と塗布ローラ1001の外周面とは密接状態を維持し、液体が空間Sの外部へと漏出するのを確実に防止することが可能となる。塗布ローラ1001が回転するときは、後述するように、液体は塗布ローラ1001の外周面と当接部材2007との間を摺り抜けて、塗布ローラの外周面に層状に付着する。ここで、塗布ローラ1001の停止状態において、その外周面と当接部材2007とが密接状態にあるとは、上記のとおり、空間Sの内部と外部との間で液体を通さないことである。但しこの場合、密接状態は、当接部材2007が塗布ローラ1001の外周面に対して直に接する状態の他、毛管力によって形成される液体の膜を介して塗布ローラ1001の外周面に当接する状態を含む。
また、当接部材2007の長手方向における左右両側部は、平面および側面のいずれの方向から見ても緩やかに湾曲する形状をなしている。このため、塗布ローラ1001に対し、比較的強い押圧力で当接部材2007を当接させても、当接部材2007の全体が略均一に弾性変形し、局所的に大きな歪みが生じることはない。このため、当接部材2007は隙間なく連続的に塗布ローラ1001の外周面に当接し、上記の実質的に閉塞した空間Sを形成することが可能となる。なお、液体供給部材2001は、塗布ローラ1001の外周部近傍に回転の中心軸を有し、塗布ローラ1001の回転の中心軸に調芯する構造である。
キャップ板金2002には、図4に示すように、液体供給口2004および液体回収口2005が設けられている。液体供給口2004および液体回収口2005は、当接部材2007の凹部2003に包囲された領域内で、それぞれキャップ板金2002を貫通する孔である。液体供給口2004および液体回収口2005は、不図示の液体供給源に接続されている。なお、本実施形態では、液体供給口2004が当接部材2007の凹部2003に包囲された領域の一端近傍に形成され、液体回収口2005が他端近傍に設けられている。
なお、本実施形態の液体塗布機構1000で用いる塗布方式は、液体を転写するための塗布ローラ1001を用いて記録用紙Pの表面全体に液体を塗布する方法であるが、本発明では記録用紙Pの表面の一部に液体の塗布を行ってもよい。また、本発明では、ローラ転写方式に限られず、液体を噴霧するノズルなどを有するヘッドを用いて記録用紙Pの表面を加工する液体塗布装置を液体塗布機構1000とする構成であってもよい。
また、本実施形態で用いる液体は、顔料を色材とするインクの凝集を早めるための処理液である。この処理液が塗布された記録用紙Pに吐出されるインクの色材である顔料を反応させて顔料の凝集を早めさせる。この不溶化によって、記録濃度の向上を図ることができる。さらに、ブリーディングの軽減または防止が可能となる。なお、本発明では、記録用紙Pの表面に塗布される液体は、上記の処理液に限定されない。例えば、記録用紙の白色度を向上させ、粘度が水よりも高い蛍光増白剤を含有する液体であってもよい。このとき、記録部7の構成は、インクジェット記録方式に対応した構成に限られず、熱転写方式、電子写真方式などの記録方式に対応した構成であってもよい。
図5は、搬送機構50の構成を示す斜視図である。また、図6は、搬送機構50の構成を示す断面図である。搬送機構50に搬送された記録用紙Pは、搬送ローラ4(主ローラ)とピンチローラ5(従動ローラ)との間に挟まれる。ピンチローラ5を保持するピンチローラホルダ51は、ピンチローラ5を回転可能に保持し、不図示のシャーシに回動自在に装着される。
また、ピンチローラ5は、捩じりコイルバネであるピンチローラバネ52(弾性部材)の弾性力により搬送ローラ4を押圧している。そして、搬送ローラ4の回転に従動してピンチローラ5が搬送ローラ4と反対方向に回転することにより、記録用紙Pの搬送力が発生する。
ピンチローラバネ52の一端には、縁部がカム形状に形成されたピンチローラカム55(回転部材)が接続されている。ピンチローラカム55は、不図示のフレームに固定されたピンチローラカムシャフト56に挿入されている。ピンチローラカムシャフト56の一端には、不図示の駆動源(モータ40)から動力が伝達されるピンチローラカムギア57が挿入されている。ピンチローラカムギア57が回転すると、ピンチローラカム55も回転する。ピンチローラカム55の回転時に、ピンチローラバネ52がピンチローラカム55のカム形状に対応して変形する。これにより、ピンチローラバネ52の弾性力、すなわちピンチローラ5が搬送ローラ4を押圧する押圧力が、ピンチローラカム55の回転位置に対応して変化する。
ピンチローラカム55は、図6(a)に示す第1の回転位置と、図6(b)に示す第2の回転位置との間を移動可能である。ピンチローラカムギア57には欠歯が設けられており、ピンチローラカム55が図6(a)に示す矢印の方向に回転することで、ピンチローラカム55は、第1の回転位置に静定(固定)する。ピンチローラカム55が図6(a)に示す矢印の方向と反対方向に所定の回転量で回転すると、ピンチローラカム55は図6(b)に示す第2の回転位置に静定する。なお、ピンチローラカム55を第2の回転位置に静定させるのに欠歯を用いてもよい。このように構成することで、一つの駆動源により、ピンチローラカム55の回転位置の切り替えを行うことが可能となる。本実施形態では、第1の回転位置よりも第2の回転位置の方が、ピンチローラバネ52の変形量が小さくなり、ピンチローラ5が搬送ローラ4を押圧する押圧力が小さくなる。
本実施形態では、第1の回転位置に対応するピンチローラバネ52の弾性力(ピンチローラ5の押圧力)は、5.635N(575gf)であり、第2の回転位置に対応するピンチローラバネ52の弾性力は3.675N(375gf)である。また、本実施形態では、4つのピンチローラバネ52が用いられているため、搬送ローラ4にかかる荷重の合計は、第1の回転位置で22.54N(2300gf)となり、第2の回転位置で14.7N(1500gf)となる。また、本実施形態では、第2の回転位置からピンチローラカム55を160度回転させると、ピンチローラカム55は第1の回転位置に移動する。
次に、記録装置1で実行される記録媒体Pの搬送制御動作について説明する。
図7は、本実施形態の記録装置で実行される搬送制御動作の手順を示すフローチャートである。
まず、入力操作部34が、記録用紙Pの表面に液体を塗布するか否か選択する操作を受け付けて、選択された選択記録用紙を示す記録情報を制御部30へ出力する。制御部30は、その記録情報に基づいて、記録用紙Pの表面に液体を塗布するか否か判別する(S100)。
記録用紙Pの表面に液体を塗布しない場合、制御部30は、給送ローラ3aを回転させる。これにより、給送トレイ21から記録用紙Pが搬送機構50まで搬送される。このとき、制御部30は、記録用紙Pの先端が搬送機構50に到達する前にピンチローラカム55を第1の回転位置に回転させる(S101)。その後、記録用紙Pは、第1の回転位置に対応するピンチローラ5の押圧力で搬送路22に搬送される。搬送路22では、記録部7が印字動作を行う(S103)。印字動作が終了すると、搬送機構60が、記録用紙Pを搬送路22から排紙トレイ10まで搬送する(S104)。搬送機構60において、記録用紙Pは、排紙ローラ8と排紙拍車9との間に挟まれ、排紙ローラ8の回転によって排紙トレイ10に排紙される。
一方、記録用紙Pの表面に液体を塗布する場合、制御部30は、給送ローラ3bを回転させる。これにより、給送トレイ20から記録用紙Pが搬送路23に搬入される。その後、搬送路23において液体塗布機構1000がその記録用紙Pの表面に液体を塗布する。液体が塗布された記録用紙Pは、搬送機構50まで搬送される。このとき制御部30は、液体が塗布された記録用紙Pの先端が搬送機構50に到達する前にピンチローラカム55を第2の回転位置に回転させる(S102)。その後、記録用紙Pは、第2の回転位置に対応するピンチローラ5の押圧力で搬送路22に搬送される。搬送路22では、記録部7が印字動作を行う(S103)。印字動作が終了すると、搬送機構60が、記録用紙Pを搬送路22から排紙トレイ10まで搬送する(S104)。
本実施形態では、上述したように、液体が表面に塗布された記録用紙Pが搬送機構50で搬送されるときには、ピンチローラ5の押圧力が自動的に小さくなる。そのため、記録用紙Pの表面に異物(液体と紙粉の混合物)が生成されていても、その異物はピンチローラ5および搬送ローラ4に付着しにくくなる。これにより、特殊なシートを搬送させなくても、搬送機構50に付着した異物を軽減させることが可能となる。よって、搬送機構50に付着した異物を手軽に軽減させることが可能となる。
なお、本実施形態では、ピンチローラバネ52およびピンチローラカム55を搬送機構50に設けた構成となっている。しかし、表面に特殊な液体が塗布された記録用紙Pの搬送による異物堆積という点では、排紙ローラ8および排紙拍車9も同様の課題を抱えている。そのため、ピンチローラバネ52およびピンチローラカム55を搬送機構60に適用してもよい。これにより、ピンチローラカム55の回動と同時に、排紙拍車9の押圧力を変更できるようになり、ピンチローラ5の動作と連動させることで搬送ローラ4および排紙ローラ8の異物堆積を抑制することが可能となる。その際、ピンチローラ5の押圧力が排紙拍車9の押圧力よりも小さくてもよい。これは、排紙ローラ8が搬送ローラ4よりも記録用紙Pの搬送方向Aの下流側に配置されているため、排紙ローラ8では、搬送ローラ4に比べ液体を塗布してからの経過時間が長い記録用紙Pが搬送されるからである。すなわち、排紙ローラ8は、搬送ローラ4に比べ異物が付着しにくいからである。
また、記録用紙Pの表面に生成された異物がピンチローラ5の表面に付着するのを抑制するために、記録用紙Pが搬送ローラ4とピンチローラ5との間に挟持されている時のみピンチローラ5の押圧力を下げてもよい。具体的には、制御部30が、液体が表面に塗布された記録用紙Pが搬送路22から搬出されるまでピンチローラカム55を第2の回転位置に固定させてもよい。
さらに、ピンチローラ5の表面に付着した紙粉と液体の混合物が搬送ローラ4に押し固められることを抑制するために、搬送ローラ4とピンチローラ5の間に記録用紙Pが挟まれていない場合にピンチローラ5の押圧力を下げてもよい。例えば、搬送ローラ4と前記ピンチローラ5とが他の機構に連動して空回転している時や、表面に液体が塗布されていない記録用紙Pが搬送路22から搬出された後にピンチローラ5の押圧力を下げてもよい。
(実施形態2)
図8は、本実施形態の記録装置の要部の構成を示す断面図である。なお、図8に示す記録装置2において、図1に示す記録装置1と同様の構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
記録装置2において、液体供給部材2001が当接位置から離間位置に移動する際、ポンプ(不図示)が液体の回収動作を行う。液体供給部材2001が離間位置から当接位置に移動する際、上記のポンプが液体の供給動作を行う。記録装置2には、塗布ローラ1001に対する液体供給部材2001の当接および離間を検知するための検知レバー2014が設けられている。検知レバー2014は、液体供給部材2001が塗布ローラ1001に当接しているときに位置検知センサ2015における光信号の伝送を遮蔽する。これにより、液体塗布部材2001が塗布ローラ1001に当接しているかもしくは離間しているかを検知することが可能になる。
液体供給部材2001が塗布ローラ1001に当接した状態で塗布ローラ1001に液体が供給される。続いて、塗布ローラ1001が、図8の断面図から見て時計回りに回転することで、塗布ローラ1001は記録用紙Pを搬送しながら液体を記録用紙Pの表面に塗布する。
一方、液体供給持部材2001が塗布ローラ1001から離間した状態で記録用紙Pが搬送路23に搬入されると、塗布ローラ1001は液体塗布を行わず、搬送ローラとして機能する。
記録装置2における、搬送路22と搬送路23との接続部分には、回動することによって記録用紙Pを搬送路24へと誘導する搬送路切替部材11が設けられている。記録部7による印字動作の終了後、記録用紙Pを排紙ローラ8と排紙拍車9によって挟持した状態で各ローラを反回転させると同時に、搬送路切替部材11を回動させることにより、記録用紙Pは、搬送路24へ誘導される。記録用紙Pの後端が搬送ローラ4を通過後、排紙ローラ8および搬送ローラ4は停止もしくは正転動作へと切り替え、少なくとも記録用紙Pの先端が再び搬送ローラ4に到達する前に正転動作を開始する。搬送路24に誘導された記録用紙Pは、搬送路23に合流し、塗布ローラ1001とカウンタローラ2001の間を通過する。この際、液体供給部材2001が塗布ローラ1001を当接位置もしくは離間位置に移動させることにより、記録用紙Pに液体塗布を行うか否か選択できる。これにより、記録用紙Pの両面で、液体塗布の有無を選択することができる。記録用紙Pは、塗布ローラ1001を通過後、再び搬送ローラ4に受け渡され、記録部7が印字動作を行う。これにより、記録装置2において、ユーザーが記録用紙Pに触れることなく裏面印字が可能となる。
記録装置2では、記録用紙Pの剛性に応じて搬送ローラ4の送り量が変化するのに対処するため、搬送ローラ4の回転量を記録用紙Pの剛性に応じて補正する。具体的には、搬送ローラ4の回転量を各記録用紙に対応付けて示した補正データをROM32に格納し、制御部30が、入力操作部34で選択された記録用紙に対応付けて補正データに示された回転量で搬送ローラ4を回転させる。
また、記録装置2では、液体供給部材2001が当接位置に移動した時点で、制御部30がピンチローラカム55を第2の回転位置(図6(b)参照)に回転させる。また、液体供給部材2001が離間位置に移動した時点で、制御部30がピンチローラカム55を第1の回転位置(図6(a)参照)に回転させる。さらに、記録装置では、記録用紙Pよりも剛性が高く、表面に液体が塗布された記録用紙(第3の記録用紙)が記録媒体として入力操作部34で選択可能である。この記録用紙が選択された場合、制御部30は、ピンチローラカム55を第3の回転位置に回転させる。第3の回転位置に対応するピンチローラ5の押圧力は、第1の回転位置に比べ小さく、かつ第2の回転位置に比べ大きい。
図9は、本実施形態の記録装置で実行される搬送制御動作の手順を示すフローチャートである。
まず、入力操作部34が、記録用紙Pの種類、液体塗布の有無、および記録面を選択する動作を受け付けて、選択内容を示す記録情報を制御部30へ出力する。制御部30は、その記録情報に基づいて、記録用紙Pの表面に液体を塗布するか否か判別する(S200)。なお、本実施形態では、記録用紙Pの種類として、普通紙、または普通紙よりも剛性の高いはがきを選択できることとする。また、記録面として、記録用紙Pの表面(片面)または両面を選択できることとする。
記録用紙Pの表面に液体を塗布する場合、制御部30は、液体塗布部材2001を当接位置に移動させ、塗布ローラ1001の外周面に液体を塗布する。一方、記録用紙Pの表面に液体を塗布しない場合には、制御部30は、液体の回収動作を行わせるとともに、液体塗布部材2001を離間位置に移動させる。そして、制御部30は、検知レバー2014の検知結果に応じてピンチローラカム55の回転位置を決定する。
位置検知センサ2015の検知結果が、離間位置であった場合、制御部30は、記録用紙Pが搬送機構50に到達する前にピンチローラカム55を第1の回転位置に回転させる(S201)。位置検知センサ2015の検知結果が、当接位置であった場合、制御部30は、上述した記録情報に基づいて、記録用紙Pがはがきであるか否か判別する(S203)。
記録用紙Pがはがきである場合、制御部30は、記録用紙Pが搬送機構50に到達する前にピンチローラカム55を第3の回転位置に回転させる(S204)。一方、記録用紙Pがはがきでなく普通紙の場合、制御部30は、記録用紙Pが搬送機構50に到達する前にピンチローラカム55を第2の回転位置に回転させる(S206)。
本実施形態では、第1の回転位置に対応するピンチローラバネ52の弾性力(ピンチローラ5の押圧力)は、5.635N(575gf)である。第2の回転位置に対応するピンチローラバネ52の弾性力は、3.675N(375gf)である。第3の回転位置に対応するピンチローラ52の弾性力は、4.655N(475gf)である。
S201、S204、S206の動作でピンチローラカム55の回転位置が決定された後、制御部30は、上述した補正データに基づいた搬送ローラ4の回転量で記録用紙Pを搬送路22に搬入する。具体的には、記録用紙Pの表面に液体を塗布しない場合、制御部30は、補正データに示された第1の回転量で搬送ローラ4を回転させる(S202)。記録用紙Pの表面に液体を塗布し、記録用紙Pがはがきの場合、制御部30は、補正データに示された第2の回転量で搬送ローラ4を回転させる(S205)。記録用紙Pの表面に液体を塗布し、記録用紙Pが普通紙の場合、制御部30は、補正データに示された第3の回転量で搬送ローラ4を回転させる(S207)。このようにして搬送ローラ4が回転した後、記録部7が記録用紙Pの表面に印字動作を行う(S208)。
記録用紙Pの表面への印字動作が終了した後、制御部30は、上述した記録情報に基づいて、片面印字か否か判別する(S209)。片面印字の場合、制御部30は、排紙ローラ8に記録用紙Pを排紙トレイ10に排出させる(S219)。一方、片面印字でなく両面印字の場合、制御部30は、上述した記録情報から記録用紙Pの裏面に液体を塗布するか否か判別する(S210)。この判別結果に応じて、制御部30は、液体供給部材2001を当接位置または離間位置に移動させる。このとき、記録用紙Pの両面に液体を塗布する場合、もしくは記録用紙Pの両面のいずれにも液体を塗布しない場合、液体供給部材2001は移動しない。
位置検知センサ2015の検知結果が、離間位置であった場合、制御部30は、記録用紙Pが搬送路24、23を経由して搬送機構50に到達する前にピンチローラカム55を第1の回転位置に回転させる(S211)。位置検知センサ2015の検知結果が、当接位置であった場合、制御部30は、上述した記録情報に基づいて、記録用紙Pがはがきであるか否か判別する(S213)。
記録用紙Pがはがきである場合、制御部30は、記録用紙Pが搬送路24、23を経由して搬送機構50に到達する前にピンチローラカム55を第3の回転位置に回転させる(S214)。一方、記録用紙Pが普通紙の場合、制御部30は、記録用紙Pが搬送路24、23を経由して搬送機構50に到達する前にピンチローラカム55を第2の回転位置に回転させる(S216)。
S211、S214、S216の動作でピンチローラカム55の回転位置が決定された後、制御部30は、上述した補正データに基づいた搬送ローラ4の回転量で記録用紙Pを搬送路22に搬入する。具体的には、記録用紙Pの裏面に液体を塗布しない場合、制御部30は、補正データに示された第1の回転量で搬送ローラ4を回転させる(S212)。記録用紙Pの裏面に液体を塗布し、記録用紙Pがはがきの場合、制御部30は、補正データに示された第2の回転量で搬送ローラ4を回転させる(S215)。記録用紙Pの裏面に液体を塗布し、記録用紙Pが普通紙の場合、制御部30は、補正データに示された第3の回転量で搬送ローラ4を回転させる(S217)。このようにして搬送ローラ4が回転した後、記録部7が記録用紙Pの裏面に印字動作を行う(S218)。
記録用紙Pの裏面への印字動作が終了した後、排紙ローラ8に記録用紙Pを排紙トレイ10に排出させる(S219)。
本実施形態の記録装置2も、実施形態1で説明した記録装置1と同様に、液体が表面に塗布された記録用紙Pが搬送機構50で搬送されるときには、ピンチローラ5の押圧力が自動的に小さくなる。そのため、記録用紙Pの表面に異物(液体と紙粉の混合物)が生成されていても、その異物はピンチローラ5および搬送ローラ4に付着しにくくなる。これにより、特殊なシートを搬送させなくても、搬送機構50に付着した異物を軽減させることが可能となる。よって、搬送機構50に付着した異物を手軽に軽減させることが可能となる。
さらに、本実施形態の記録装置2では、制御部30が、ピンチローラカム55の回転位置と、搬送ローラ4の搬送量とを選択的に変更している。従って、ピンチローラカム55の各回転位置に応じて選択的に搬送ローラ4の回転量を補正することが可能となる。
なお、本実施形態では、記録用紙Pが搬送路24から搬送路23を経由することなく搬送機構50に到達できる別の搬送路を設けていてもよい。この場合、記録用紙Pの裏面に液体を塗布しないときに、記録用紙Pが別の搬送路を通過する(搬送路23を通過しない)ことによって、誤って液体が塗布されることを確実に防ぐことが可能となる。
1、2 記録装置
4 搬送ローラ
5 ピンチローラ
52 ピンチローラバネ
55 ピンチローラカム
22 搬送路
30 制御部
34 入力操作部
50 搬送機構

Claims (12)

  1. 第1の記録用紙、または前記第1の記録用紙の表面に粘度が水よりも高い液体が塗布された第2の記録用紙を記録媒体として選択する操作を受け付けて、選択された選択記録用紙を示す情報を出力する入力操作部と、前記選択記録用紙が通過する搬送路と、前記搬送路に設けられ、前記選択記録用紙を搬送方向に搬送する搬送機構と、前記入力操作部および前記搬送機構にそれぞれ接続された制御部と、を有し、
    前記搬送機構は、主ローラと、前記選択記録用紙を挟んで前記主ローラを押圧し、前記主ローラの回転に伴って前記主ローラと反対方向に回転する従動ローラと、カム形状の回転部材と、前記回転部材の回転時に前記カム形状に対応して変形することによって、前記従動ローラを前記主ローラに押圧させる押圧力が前記回転部材の回転位置に対応して変化する弾性部材と、を有し、
    前記制御部は、前記情報に示された前記選択記録用紙が前記第1の記録用紙の場合、前記回転部材を第1の回転位置に回転させ、前記情報に示された前記選択記録用紙が前記第2の記録用紙の場合、前記第1の回転位置に比べ前記押圧力が小さくなる第2の回転位置に前記回転部材を回転させる、搬送制御装置。
  2. 前記搬送機構が、前記搬送路の前記搬送方向における後端部または先端部のいずれか一方に設けられている、請求項1に記載の搬送制御装置。
  3. 前記搬送機構が、前記搬送路の前記搬送方向における後端部に設けられた第1の搬送機構と、前記搬送路の前記搬送方向における先端部に設けられた第2の搬送機構と、を有し、
    前記第1の搬送機構における前記第2の回転位置に対応する前記押圧力が、前記第2の搬送機構における前記第2の回転位置に対応する前記押圧力よりも小さい、請求項1に記載の搬送制御装置。
  4. 前記制御部は、前記選択記録用紙が前記第2の記録用紙の場合、該第2の記録用紙が前記搬送路から搬出されるまで前記回転部材を前記第2の回転位置に固定させる、請求項1から3までのいずれか1項に記載の搬送制御装置。
  5. 前記制御部は、前記選択記録用紙が前記第1の記録用紙の場合、該第1の記録用紙が前記搬送路から搬出された後、前記回転部材を前記第1の回転位置から前記第2の回転位置まで回転させる、請求項1から4までのいずれか1項に記載の搬送制御装置。
  6. 前記搬送機構よりも前記搬送方向の後方に配置され、前記入力操作部で前記第2の記録用紙が選択されたときに前記第1の記録用紙の表面に前記液体を塗布する液体塗布機構をさらに有する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の搬送制御装置。
  7. 前記搬送路の前記搬送方向における後端部近傍に配置され、回転することにより前記第1の記録用紙を前記搬送路に搬入する第1の給送ローラと、前記搬送路の前記後端部に接続され、前記液体塗布機構が配置された他の搬送路と、前記他の搬送路の前記搬送方向における後端部近傍に配置され、回転することによって前記第1の記録用紙を前記他の搬送路に搬入する第2の給送ローラと、をさらに有し、
    前記制御部は、前記選択記録用紙が前記第1の記録用紙の場合、前記第1の給送ローラを回転させ、前記選択記録用紙が前記第2の記録用紙の場合、前記第2の給送ローラを回転させる、請求項6に記載の搬送制御装置。
  8. 前記塗布機構が、前記選択記録用紙を挟んだ状態で互いに反対方向に回転することによって前記選択記録用紙を前記搬送路まで搬送する一対のローラと、前記一対のローラの一方の外周面に当接した当接位置と、前記外周面から離れた離間位置との間を移動し、前記当接位置に位置しているときに前記外周面に前記液体を塗布する液体供給部材と、を有し、
    前記制御部は、前記選択記録用紙が前記第1の記録用紙の場合、前記液体供給部材を前記離間位置に移動させ、前記選択記録用紙が前記第2の記録用紙の場合、前記液体供給部材を前記当接位置に移動させる、請求項6に記載の搬送制御装置。
  9. 前記入力操作部が、前記第1の記録用紙、前記第2の記録用紙、または前記第1の記録用紙よりも剛性が高く、表面に前記液体が塗布された第3の記録用紙を前記記録媒体として選択する操作を受け付け、
    前記制御部は、前記選択記録用紙が前記第3の記録用紙の場合、前記第1の回転位置に比べ前記押圧力が小さく、かつ前記第2の回転位置に比べ前記押圧力が大きな第3の回転位置に前記回転部材を回転させる、請求項1から8までのいずれか1項に記載の搬送制御装置。
  10. 前記主ローラの回転量を各記録用紙に対応付けて示した補正データを格納した記憶部をさらに備え、
    前記制御部は、前記選択記録用紙として選択された記録用紙に対応付けて前記補正データに示された回転量で前記主ローラを回転させる、請求項1から9までのいずれか1項に記載の搬送制御装置。
  11. 請求項1から10までのいずれか1項に記載の搬送制御装置と、
    前記搬送制御装置における前記搬送路の上方に配置され、前記選択記録用紙に記録する記録部と、を有する記録装置。
  12. 前記記録部が、前記選択記録用紙にインクを吐出するインクジェット記録ヘッドである、請求項11に記載の記録装置。
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