JP2007044646A - 液体塗布装置およびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 切換弁3006を切換えて、チューブ3011と大気連通口3013とを連通する(ステップS31)。次いで、ポンプ3007を任意の負圧シーケンスで駆動させ、液体保持空間Sおよび各流路3001、3002が大気圧に対して所定の大きさの負圧になるまで、ポンプ3007を駆動させる(ステップ32S)。少なくとも液体保持空間Sが所定の負圧になったら、切換弁3006を切換えて、チューブ3011とチューブ3012とを連通させる。このとき、液体保持空間Sは負圧であるので、該負圧による吸引力によって塗布液は液体保持空間Sに充填される。
【選択図】 図15
Description
また、塗布時間短縮のためには、塗布液の貯蔵タンクから液体保持空間への、塗布液の充填時間を短くする必要がある。この充填時間を短くするには、塗布液を充填するために用いられるポンプの仕事率(W)を大きくすればよい。ポンプの仕事率(W)を大きくすれば、塗布液の充填速度が大きくなるので、上述した充填時間が短くなる。しかしながら、ポンプの仕事率を大きくするには高性能のポンプを用いることが必要になり、コストアップに繋がってしまう。低コストのポンプを使用しつつも、塗布液の充填速度を向上することが望ましい。以上のように、ポンプの仕事率を増加させずに低コストのポンプを用いて塗布液の充填速度を向上させ、これにより充填時間を短縮する方法が望ましいが、この具体的方法について特許文献4には開示がない。 本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、液体保持部材に対する液体の充填性や充填速度を向上させることが可能な液体塗布装置およびインクジェット記録装置を提供することにある。
前記液体保持空間を大気圧に対して所定の負圧にする負圧発生手段とを備え、前記負圧発生手段によって前記液体保持空間を前記所定の負圧にした後に、前記貯蔵手段から前記経路を介して前記液体保持空間へ前記液体を供給し、前記液体保持空間を前記液体で充填することを特徴とする。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の液体塗布装置100に係る実施形態の全体構成を示す斜視図である。ここに示す液体塗布装置100は、概略、塗布媒体に対し所定の塗布液を塗布する液体塗布手段と、この液体塗布手段に塗布液を供給する液体供給手段を有して構成されている。
硝酸カルシウム・4水和物 10%
グリセリン 42%
界面活性剤 1%
水 残量
また、前記塗布液の粘度は25℃で5〜6cP(センチポアズ)である。
なお、本発明の適用において塗布液は、上記のものに限られないことは勿論である。例えば、別の塗布液として、染料を不溶化あるいは凝集させる成分を含有する液体を用いることも可能である。また、別の塗布液として、塗布媒体のカール(媒体が湾曲形状となる現象)を抑制する成分を含有する液体を用いることも可能である。
上述の塗布する液体の成分の一例では、グリセリン及び界面活性剤が水の表面張力を下げる成分である。
図2は、塗布ローラ1001、カウンターローラ1002および液体保持部材2001などの配置の一例を示す縦断側面図である。
カウンターローラ1002は、不図示の付勢手段によって塗布ローラ1001の周面に向けて付勢されている。塗布ローラ1001を図中、時計方向に回転させることにより、両ローラの間に塗布液を塗布すべき塗布媒体Pを挟持し得ると共に、塗布媒体Pを図中の矢印方向に搬送し得るようになっている。
また、液体保持部材2001は、バネ部材(押圧手段)2006の付勢力によって塗布ローラ1001の周面に対して付勢されて当接するとき、塗布ローラ1001による液体塗布領域全体に亘って延在する長尺な液体保持空間Sを形成するようになっている。この液体保持空間S内には、後述の液体供給経路3000から液体保持部材2001を介して塗布液が供給される。このとき、液体保持部材2001が以下のように構成されているため、塗布ローラ1001の停止状態において、液体保持空間Sから外方へ不用意に塗布液が漏出するのを防止することができる。
図3に示すように、液体保持部材2001は、空間形成基材2002と、この空間形成基材2002の一方の面に設けられた環状の当接部材2009とを有して構成されている。空間形成基材2002には、その中央部分における長手方向に沿って、底部の断面形が円弧状をなす凹部2003が形成される。そして、当接部材2009は、その直線部分がこの凹部2003の上縁部に沿って固着され、また、円周部分が上記上縁部から底部を経て反対側の上縁部に至るように固着される。これにより、液体保持部材2001の当接部材2009が塗布ローラ1001に当接したとき、塗布ローラの周面形状に沿った当接が可能となり、均一な圧力の当接を実現することができる。
図11は、前記塗布液供給手段の液体保持部材2001に連結される液体流路3000の概略構成を示す説明図である。
この液体流路3000は、液体保持部材2001を構成する空間形成基材2002の液体供給口2004と塗布液を貯蔵する貯蔵タンク3003とを連結する第1流路3001を有する。また、液体流路3000は、空間形成基材2002の液体回収口2005と前記貯蔵タンク3003とを連結する第2流路3002を有する。この貯蔵タンク3003には、大気連通口3004が設けられており、また、この大気連通口には、大気との連通、遮断を切換える大気連通弁3005が設けられる。なお、大気連通口3004は、蒸発を軽減するために迷路構造であることが望ましい。また、第1流路3001内には切換弁3006が設けられており、この切換弁3006によって第1流路3001と大気との連通、遮断が切換え可能となっている。さらに第2流路3002内には、本液体流路3000内で塗布液および空気を所望の方向へと強制的に流動させるためのポンプ3007が連結されている。ここでは、液体保持空間Sを介して第1流路3001から第2流路3002へ向かう方向の液体の流れを発生させる。
図12は、本実施形態の液体塗布装置における制御系の概略構成を示すブロック図である。
図において、制御部4000は液体塗布装置全体を制御する制御手段としての制御部である。この制御部4000は、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行するCPU4001と、このCPU4001によって実行される、図13、15、16、18、27にて後述される処理などの制御プログラムなどを格納するROM4002を有する。また、制御部4000は、CPU4001の処理動作中のデータや入力データなどを一時的に格納するRAM4003などを有する。
図13は、本実施形態の液体塗布装置の液体塗布に係わる処理手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照して、液体塗布にかかる各工程を説明する。
ステップS1では、図15に示す処理手順に従って、前記塗布空間Sに対する塗布液の充填工程を実行する。図15は、本実施形態に係る、充填工程の処理手順を示すフローチャートである。
本実施形態では、塗布液の充填の前に、液体保持空間S及び各流路3001、3002の圧力を大気圧に対して負圧にし、塗布液を液体保持空間Sに充填する。
ここで、図13に戻る。塗布開始指令が入力されると(ステップS2)、再びポンプ3007が作動を開始すると共に、大気連通弁3005を大気に開放し、(ステップS3)、塗布ローラ1001が図1の矢印に示すように、時計周りに回転を開始する(ステップS4)。この塗布ローラ1001の回転により、液体保持空間Sに充填された塗布液Lは、塗布ローラ1001に対する液体保持部材2001の当接部材2009の押圧力に抗して、塗布ローラ1001と当接部材2009の下縁部2011との間を摺り抜ける。この擦り抜けた塗布液Lは、塗布ローラ1001の外周に層状態となって付着する。塗布ローラ1001に付着した塗布液Lは、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002との当接部に送られる。
上記のようにして、塗布媒体への塗布動作が実行されると、次に塗布工程を終了して良いか否かの判断を行い(ステップS6)、塗布工程を終了しない場合は、ステップS5に戻り、塗布媒体の塗布が必要な部分全体に塗布工程を終了するまで塗布動作を繰り返す。塗布工程を終了すると、塗布ローラ1001を停止させ(ステップS7)、さらに、ポンプ3007の駆動を停止させる(ステップS8)。この後、ステップS2へ移行し、所定期間の経過前に塗布開始指令が入力されていれば、前述のステップS2〜S8の動作を繰り返す。一方、所定期間の経過後であっても塗布開始指令が入力されていなければ、液体保持空間Sおよび液体流路内の塗布液を回収する回収動作などの後処理を行い(ステップS9)、塗布にかかる処理を終了する。
なお、ステップS8にて、ポンプ3007を停止しなくても良い。その場合は、ステップS7にて塗布ローラ1001を停止した後は、ステップS2に進む。
本実施形態は、第1の実施形態と同様に、液体保持空間Sおよび各流路3001、3002を所定の負圧にした後に、塗布液を液体保持空間Sへと充填する。第1の実施形態との違いは、塗布液の充填時にポンプを駆動し続ける点にある。 図16は、本実施形態に係る、充填工程の処理手順を示すフローチャートである。
同図において、ステップS41およびS43の処理は、図15に示した、ステップS31およびS33の処理と同様である。
本実施形態は、第1の実施形態および第2の実施形態に係る液体塗布装置の構成に対して、使用している弁の形態が異なっている。図17に、本実施形態に係る液体塗布装置の液体流路の概略構成を示す。
同図において、ステップS52の処理は、図15に示した、ステップS32の処理と同様である。
図20は、上述の液体塗布装置とほぼ同様の構成を有した塗布機構を備えたインクジェット記録装置1の概略構成を示す図である。
2002 空間形成基材
2004 液体供給口
2005 液体回収口
3001 第1流路
3002 第2流路
3003 貯蔵タンク
3004、3013 大気連通口
3005 大気連通弁
3006 切換弁
3007 ポンプ
3011 貯蔵タンク側チューブ
3012 液体塗布部材側チューブ
Claims (9)
- 液体塗布装置であって、
媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
前記液体を貯蔵する貯蔵手段と、
前記貯蔵手段と前記保持部材の液体保持空間とを連通する経路と、
前記液体保持空間を大気圧に対して所定の負圧にする負圧発生手段とを備え、
前記負圧発生手段によって前記液体保持空間を前記所定の負圧にした後に、前記貯蔵手段から前記経路を介して前記液体保持空間へ前記液体を供給し、前記液体保持空間を前記液体で充填することを特徴とする液体塗布装置。 - 液体塗布装置であって、
媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
前記液体を貯蔵する貯蔵手段と、
前記貯蔵手段に貯蔵される液体を前記保持部材の液体保持空間へ供給するための第1の経路と、
前記液体保持空間に保持される液体を前記貯蔵手段に回収するための第2の経路と、
前記第1の経路において、前記貯蔵手段と前記液体保持空間との連通を遮断する遮断手段と、
前記遮断手段によって前記第1の経路が遮断されている際に、少なくとも前記液体保持空間を大気圧に対して所定の負圧にする負圧発生手段とを備え、
前記液体保持空間を前記所定の負圧にした後に、前記貯蔵手段から前記第1の経路を介して前記液体保持空間へ前記液体を供給し、前記液体保持空間を前記液体で充填することを特徴とする液体塗布装置。 - 前記負圧発生手段は、前記第1の経路、前記液体保持空間、前記第2の経路を含む液体経路において液体および空気の流れを発生させるための移動手段であり、
前記移動手段は、前記充填中に、前記液体の流れを発生させていることを特徴とする請求項2記載の液体塗布装置。 - 前記負圧発生手段は、前記第1の経路、前記液体保持空間、前記第2の経路を含む液体経路において液体および空気の流れを発生させるための移動手段であり、
前記移動手段は、前記第1および第2の流路、および前記液体保持空間から空気を排出することにより、少なくとも前記液体保持空間を前記所定の負圧にすることを特徴とする請求項2または3記載の液体塗布装置。 - 液体塗布装置であって、
媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
前記液体を貯蔵する貯蔵手段と、
前記貯蔵手段に貯蔵される液体を前記保持部材の液体保持空間へ供給するための第1の経路と、
前記液体保持空間に保持される液体を前記貯蔵手段に回収するための第2の経路と、
前記第1の経路について、前記貯蔵手段と前記液体保持空間、大気と前記液体保持空間、のそれぞれについて連通・遮断を切換える切換手段と、
前記切換手段により前記第1の経路が遮断されている際に、少なくとも前記液体保持空間を大気圧に対して所定の負圧にする負圧発生手段とを備え、
前記液体保持空間を前記所定の負圧にした後に、少なくとも、遮断されている前記第1の経路について前記切換手段により前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通させ、前記液体保持空間に前記液体を充填することを特徴とする液体塗布装置。 - 液体塗布装置であって、
媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
前記液体を貯蔵する貯蔵手段と、
前記貯蔵手段に貯蔵される液体を前記保持部材の液体保持空間へ供給するための第1の経路と、
前記液体保持空間に保持される液体を前記貯蔵手段に回収するための第2の経路と、
前記第1の経路について、前記貯蔵手段と前記液体保持空間、大気と前記液体保持空間、のそれぞれについて連通・遮断を切換える切換手段と、
前記第1の経路、前記液体保持空間、前記第2の経路を含む液体経路において液体の流れを発生させるための液体移動手段とを備え、
前記第1の経路について、前記切換手段により前記貯蔵手段と前記液体保持空間とを遮断し、前記液体移動手段により、前記第1および第2の流路、および前記液体保持空間から空気を排出することにより、少なくとも前記液体保持空間を前記所定の負圧にした後に、少なくとも、前記第1の経路について前記切換手段により前記貯蔵手段と前記液体保持空間とを連通させ前記液体保持空間に液体を充填することを特徴とする液体塗布装置。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載の液体塗布装置と、
前記液体塗布装置により前記液体が塗布された媒体に対して、記録ヘッドからインクを吐出して前記媒体に画像を記録する記録手段と
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の液体塗布装置と、
前記液体塗布装置により前記液体が塗布された媒体に対して、記録剤を付与して前記媒体に画像を記録する記録手段と
を備えることを特徴とする記録装置。 - 液体塗布装置の制御方法であって、
媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材と、前記保持部材に供給するための液体を貯蔵する貯蔵手段とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布装置を用意する工程と、
前記液体保持空間を大気圧に対して所定の負圧にする工程と、
前記液体保持空間を前記所定の負圧にした後に、前記貯蔵手段から前記液体保持空間へ前記液体を供給し、前記液体保持空間を前記液体で充填する工程と
を有することを特徴とする制御方法。
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