JP2007044646A - 液体塗布装置およびインクジェット記録装置 - Google Patents

液体塗布装置およびインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 液体保持部材に対して液体を充填する速度をより速くすることが可能な液体塗布装置およびインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】 切換弁3006を切換えて、チューブ3011と大気連通口3013とを連通する(ステップS31)。次いで、ポンプ3007を任意の負圧シーケンスで駆動させ、液体保持空間Sおよび各流路3001、3002が大気圧に対して所定の大きさの負圧になるまで、ポンプ3007を駆動させる(ステップ32S)。少なくとも液体保持空間Sが所定の負圧になったら、切換弁3006を切換えて、チューブ3011とチューブ3012とを連通させる。このとき、液体保持空間Sは負圧であるので、該負圧による吸引力によって塗布液は液体保持空間Sに充填される。
【選択図】 図15

Description

本発明は、液体塗布装置およびインクジェット記録装置に関し、詳しくは、顔料を色材とするインクで記録した際に顔料の凝集の開始を早めるなど所定の目的で媒体に液体を塗布する液体塗布装置に関するものである。また、同様に、インクジェット記録で用いられる記録媒体に対して、顔料を色材とするインクで記録した際に顔料の凝集の開始を早めるなどの目的で液体を塗布する機構を備えたインクジェット記録装置に関するものである。
広く媒体に液体もしくは液状の材料を塗布する方式として、スピンコータ、ロールコータ、バーコータ、ダイコータが知られている。これらの塗布方式は、比較的長い塗布媒体に塗布を連続的に行うことを前提としたものである。このため、例えば、比較的小さなサイズの塗布媒体が断続的に搬送されてこれらに塗布を行う場合には、塗布媒体ごとに、その塗布開始や終了の位置で塗料ビードが乱れるなどして均一な塗膜が得られなくなるなどの問題を生じることがある。
このような問題を解消可能な一構成として、特許文献1に記載されたものが知られている。この構成は、ダイコータ方式において、回転するロッドバーを用い、このロッドバーに対して吐出用スリットから塗料を吐出し、ロッドバー上に塗膜を形成する。そして、形成された塗膜はロッドバーの回転に伴い塗布媒体に接触して転写されるものである。ここで、ロッドバーに形成された塗膜を塗布媒体に転写、塗布しないときは、塗料はロッドバーの回転によりヘッド内に戻り回収用スリットを介して回収される。すなわち、非塗布時でもロッドバーは回転し続け、その際、塗料はロッドバーに塗膜を形成した状態にある。これにより、塗布媒体が断続的に供給されそれらに断続的に塗布を行う場合でも、均一な塗膜を得ることを可能としている。
インクジェット記録装置の分野においても液体塗布機構を用いたものが知られている。特許文献2には、ローラと接するドクターブレードを用い、このブレードとローラとの間にコーティング液を溜めるようにし、ローラの回転に伴ってこのローラにコーティング液が付与されることが記載されている。そして、このローラの回転に伴い、これと他のローラとの間を搬送される支持体に対し付与されているコーティング液が転写、塗布される。特許文献3にも、同様に、インクジェット記録装置において、染料を不溶化する処理液を記録の前に予め塗布する機構が示されている。この文献の実施例1には、補充タンクに在る処理液が、回転するローラに付着することによって汲み出され同時にその汲み出した処理液が記録紙に塗布されることが記載されている。
しかしながら、以上の特許文献1ないし3に記載の構成は、いずれも、ロッドバーないしローラが回転しつつそのバーないしローラの表面に塗布液が付与もしくは供給されるが、その付与もしくは供給する部分が大気に開放されあるいは連通した部分である。このため、塗布液の蒸発などが問題となる他、装置の姿勢が変わったときに、それによって塗布液が漏れるなどの問題を生じるおそれがある。
特に、プリンタなどのインクジェット記録装置では、運搬時の姿勢変化による液体の漏れなどを考慮すると、小型化された装置には上記各文献に記載の塗布機構を適用し難い。
これに対し、塗布液としてのインクをローラに付与ないし供給する部分をシールする構成が、特許文献4に開示されている。同文献に記載の塗布機構は、グラビア印刷装置において印刷版のパターンが表面に形成されたローラにインクを塗布する機構である。ここでは、ローラの周面に沿った上下2ヶ所に対応した位置で、ローラの長手方向に延在するドクターブレードと、この2つのドクターブレードの両側部にそれぞれ設けられた弾性部材と、を有したインクチャンバーを用いたものである。このチャンバー(液体保持部材)をローラの周面に当接させることにより、ローラとの間で液室(液体保持空間)を形成する。そして、ローラが回転することにより、この液室の塗布液がローラに付与ないし供給されるものである。
特開2001−70858号公報 特表2002−517341号公報 特開平08−72227号公報 特開平08−58069号公報 特開2002−96452号公報
さて、液体保持部材への塗布液の充填性や充填速度を向上させることは、特許文献4に記載された塗布装置での塗布ムラ低減や塗布時間短縮を実現する上で重要な項目であるが、特許文献4にはこのことに関する記載が一切ない。
すなわち、塗布ムラを生じさせないためには、液体保持空間中に塗布液がきちんと充填されている状態で、塗布動作が行われることが必要となる。例えば、図30に示したように、液体保持空間内に空気(泡)が残存した状態で塗布動作が行われると、塗布液が媒体に対して均一に塗布されず、これが塗布ムラとなる。このように塗布ムラ低減のためには、液体保持部材への塗布液の充填性を向上させる必要があるが、この具体的な方法について特許文献4には開示がない。
また、塗布時間短縮のためには、塗布液の貯蔵タンクから液体保持空間への、塗布液の充填時間を短くする必要がある。この充填時間を短くするには、塗布液を充填するために用いられるポンプの仕事率(W)を大きくすればよい。ポンプの仕事率(W)を大きくすれば、塗布液の充填速度が大きくなるので、上述した充填時間が短くなる。しかしながら、ポンプの仕事率を大きくするには高性能のポンプを用いることが必要になり、コストアップに繋がってしまう。低コストのポンプを使用しつつも、塗布液の充填速度を向上することが望ましい。以上のように、ポンプの仕事率を増加させずに低コストのポンプを用いて塗布液の充填速度を向上させ、これにより充填時間を短縮する方法が望ましいが、この具体的方法について特許文献4には開示がない。 本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、液体保持部材に対する液体の充填性や充填速度を向上させることが可能な液体塗布装置およびインクジェット記録装置を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、液体塗布装置であって、媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、前記液体を貯蔵する貯蔵手段と、前記貯蔵手段と前記保持部材の液体保持空間とを連通する経路と、
前記液体保持空間を大気圧に対して所定の負圧にする負圧発生手段とを備え、前記負圧発生手段によって前記液体保持空間を前記所定の負圧にした後に、前記貯蔵手段から前記経路を介して前記液体保持空間へ前記液体を供給し、前記液体保持空間を前記液体で充填することを特徴とする。
また、本発明は、液体塗布装置であって、媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、前記液体を貯蔵する貯蔵手段と、前記貯蔵手段に貯蔵される液体を前記保持部材の液体保持空間へ供給するための第1の経路と、前記液体保持空間に保持される液体を前記貯蔵手段に回収するための第2の経路と、前記第1の経路において、前記貯蔵手段と前記液体保持空間との連通を遮断する遮断手段と、前記遮断手段によって前記第1の経路が遮断されている際に、少なくとも前記液体保持空間を大気圧に対して所定の負圧にする負圧発生手段とを備え、前記液体保持空間を前記所定の負圧にした後に、前記貯蔵手段から前記第1の経路を介して前記液体保持空間へ前記液体を供給し、前記液体保持空間を前記液体で充填することを特徴とする。
また、本発明は、液体塗布装置であって、媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、前記液体を貯蔵する貯蔵手段と、前記貯蔵手段に貯蔵される液体を前記保持部材の液体保持空間へ供給するための第1の経路と、前記液体保持空間に保持される液体を前記貯蔵手段に回収するための第2の経路と、前記第1の経路について、前記貯蔵手段と前記液体保持空間、大気と前記液体保持空間、のそれぞれについて連通・遮断を切換える切換手段と、前記切換手段により前記第1の経路が遮断されている際に、少なくとも前記液体保持空間を大気圧に対して所定の負圧にする負圧発生手段とを備え、前記液体保持空間を前記所定の負圧にした後に、少なくとも、遮断されている前記第1の経路について前記切換手段により前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通させ、前記液体保持空間に前記液体を充填することを特徴とする。
また、本発明は、液体塗布装置であって、媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、前記液体を貯蔵する貯蔵手段と、前記貯蔵手段に貯蔵される液体を前記保持部材の液体保持空間へ供給するための第1の経路と、前記液体保持空間に保持される液体を前記貯蔵手段に回収するための第2の経路と、前記第1の経路について、前記貯蔵手段と前記液体保持空間、大気と前記液体保持空間、のそれぞれについて連通・遮断を切換える切換手段と、前記第1の経路、前記液体保持空間、前記第2の経路を含む液体経路において液体の流れを発生させるための液体移動手段とを備え、前記第1の経路について、前記切換手段により前記貯蔵手段と前記液体保持空間とを遮断し、前記液体移動手段により、前記第1および第2の流路、および前記液体保持空間から空気を排出することにより、少なくとも前記液体保持空間を前記所定の負圧にした後に、少なくとも、前記第1の経路について前記切換手段により前記貯蔵手段と前記液体保持空間とを連通させ前記液体保持空間に液体を充填することを特徴とする。
また、本発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の液体塗布装置と、前記液体塗布装置により前記液体が塗布された媒体に対して、記録ヘッドからインクを吐出して前記媒体に画像を記録する記録手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の液体塗布装置と、前記液体塗布装置により前記液体が塗布された媒体に対して、記録剤を付与して前記媒体に画像を記録する記録手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、液体塗布装置の制御方法であって、媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材と、前記保持部材に供給するための液体を貯蔵する貯蔵手段とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布装置を用意する工程と、前記液体保持空間を大気圧に対して所定の負圧にする工程と、前記液体保持空間を前記所定の負圧にした後に、前記貯蔵手段から前記液体保持空間へ前記液体を供給し、前記液体保持空間を前記液体で充填する工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、液体保持空間を大気圧に対して負圧にした後に液体保持空間に液体を充填するので、液体保持部材に対する充填性を高める事が出来る。また、ポンプ能力の低い部品を使用しても充填速度をより速くすることが可能となる。又、流速が早くなることで、経路や液体保持空間内にある固着物を取り除く効果が高くなる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の液体塗布装置100に係る実施形態の全体構成を示す斜視図である。ここに示す液体塗布装置100は、概略、塗布媒体に対し所定の塗布液を塗布する液体塗布手段と、この液体塗布手段に塗布液を供給する液体供給手段を有して構成されている。
液体塗布手段は、円筒状の塗布ローラ1001、この塗布ローラ1001に対向して配置された円筒状のカウンターローラ(媒体支持部材)1002、および塗布ローラ1001を駆動するローラ駆動機構1003などを有する。このローラ駆動機構1003は、ローラ駆動モータ1004と、このローラ駆動モータ1004の駆動力を塗布ローラ1001に伝達するギアトレインなどを有する動力伝達機構1005とによって構成されている。
また、液体供給手段は、塗布ローラ1001の周面との間で塗布液を保持する液体保持部材2001、およびこの液体保持部材2001に液体を供給する後述の液体流路3000(図1では不図示)などを有して構成される。塗布ローラ1001およびカウンターローラ1002は、それぞれ、それらの両端が不図示のフレームに対して回動自在に取り付けられた、互いに平行な軸によって回動自在に支持されている。また、液体保持部材2001は、塗布ローラ1001の長手方向のほぼ全体にわたって延在するものであり、塗布ローラ1001の周面に対して接離動作を可能とする機構を介して上記のフレームに移動可能に取り付けられている。
本実施形態の液体塗布装置は、さらに、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002とのニップ部に塗布媒体を搬送するための、ピックアップローラなどからなる塗布媒体供給機構1006を備える。また、この塗布媒体の搬送路において、塗布ローラ1001およびカウンターローラ1002の後流側には、塗布液が塗布された塗布媒体を排紙部(不図示)へ向けて搬送する、排紙ローラなどからなる排紙機構1007が設けられる。これらの給紙機構や排紙機構も、塗布ローラなどと同様、動力伝達機構1005を介して伝えられる駆動モータ1004の駆動力によって動作する。
なお、本実施形態で使用する塗布液は、顔料を色材とするインクで記録した際に顔料の色材の凝集を早めることを目的とした液体である。
塗布する液体の成分の一例を以下に記述する。
硝酸カルシウム・4水和物 10%
グリセリン 42%
界面活性剤 1%
水 残量
また、前記塗布液の粘度は25℃で5〜6cP(センチポアズ)である。
なお、本発明の適用において塗布液は、上記のものに限られないことは勿論である。例えば、別の塗布液として、染料を不溶化あるいは凝集させる成分を含有する液体を用いることも可能である。また、別の塗布液として、塗布媒体のカール(媒体が湾曲形状となる現象)を抑制する成分を含有する液体を用いることも可能である。
塗布する液体に水を用いる場合、本発明の塗布ローラとの液体保持部材の当接部分での周動性は、表面張力を下げる成分を前記液体に含ませることで良好なものとなる。
上述の塗布する液体の成分の一例では、グリセリン及び界面活性剤が水の表面張力を下げる成分である。
次に、以上概略を説明した液体塗布装置を構成する各部の要素についてより詳細に説明する。
図2は、塗布ローラ1001、カウンターローラ1002および液体保持部材2001などの配置の一例を示す縦断側面図である。
カウンターローラ1002は、不図示の付勢手段によって塗布ローラ1001の周面に向けて付勢されている。塗布ローラ1001を図中、時計方向に回転させることにより、両ローラの間に塗布液を塗布すべき塗布媒体Pを挟持し得ると共に、塗布媒体Pを図中の矢印方向に搬送し得るようになっている。
また、液体保持部材2001は、バネ部材(押圧手段)2006の付勢力によって塗布ローラ1001の周面に対して付勢されて当接するとき、塗布ローラ1001による液体塗布領域全体に亘って延在する長尺な液体保持空間Sを形成するようになっている。この液体保持空間S内には、後述の液体供給経路3000から液体保持部材2001を介して塗布液が供給される。このとき、液体保持部材2001が以下のように構成されているため、塗布ローラ1001の停止状態において、液体保持空間Sから外方へ不用意に塗布液が漏出するのを防止することができる。
この液体保持部材2100の構成を、図3ないし図8に示す。
図3に示すように、液体保持部材2001は、空間形成基材2002と、この空間形成基材2002の一方の面に設けられた環状の当接部材2009とを有して構成されている。空間形成基材2002には、その中央部分における長手方向に沿って、底部の断面形が円弧状をなす凹部2003が形成される。そして、当接部材2009は、その直線部分がこの凹部2003の上縁部に沿って固着され、また、円周部分が上記上縁部から底部を経て反対側の上縁部に至るように固着される。これにより、液体保持部材2001の当接部材2009が塗布ローラ1001に当接したとき、塗布ローラの周面形状に沿った当接が可能となり、均一な圧力の当接を実現することができる。
上記のようにこの実施形態における液体保持部材は、継ぎ目のない一体に形成された当接部材2009が、バネ部材2006の付勢力によって塗布ローラ1001の外周面に隙間なく連続した状態で当接する。その結果、液体保持空間Sは、この当接部材2009と、空間形成基材の一面と、塗布ローラ1001の外周面とによる実質的に閉塞した空間となり、この空間に塗布液が保持される。そして、塗布ローラ1001の回転が停止した状態では、当接部材2009と塗布ローラ1001の外周面とは液密状態を維持し、液体が外部へと漏出するのを確実に防止することができる。一方、塗布ローラ1001が回転するときは、後述されるように、塗布液は塗布ローラ1001の外周面と当接部材2009との間をすり抜けるように通ることができる。ここで、塗布ローラ1001の停止状態において、その外周面と当接部材2009とが密接状態にあるとは、上記のとおり、上記液体保持空間Sの内と外との間で液体を通さないことである。この場合、当接部材2009の当接状態としては、それが塗布ローラ1001の外周面に対し、直に接する状態の他、毛管力によって形成される液体の膜を解して上記外周面に当接する状態を含むものである。
また、当接部材2009の長手方向における左右両側部は、図3ないし図8に示すように、正面(図3)、平面(図6)および側面(図7、図8)のいずれの方向から見ても緩やかに湾曲する形状をなしている。このため、塗布ローラ1001に対し、比較的強い押圧力で当接部材2120を当接させても、当接部材2009の全体が略均一に弾性変形し、局所的に大きな歪みが生じることはない。このため、当接部材2009は図6ないし図8に示すように、隙間なく連続的に塗布ローラ1001の外周面に当接し、上記の実質的に閉塞した空間を形成することができる。
一方、空間形成基材2002には、図3ないし図5に示すように、当接部材2009に囲繞された領域内に、それぞれ空間形成基材2002を貫通する孔を有して構成される液体供給口2004および液体回収口2005が設けられている。これらは空間形成基材の背面側に突設された円筒状の連結部20041,20051にそれぞれ連通している。また、この連結部20041,20051は、後述の液体供給流路3000に連結されている。なお、この実施形態では、液体供給口2004が当接部材2009に囲繞された領域の一端部(図3では左端部)近傍に形成され、液体回収口2005が同領域の他端部(図3では右端部)近傍に設けられる。この液体供給口2004は、液体流路3000から供給される塗布液を前述の液体保持空間Sに供給し、液体回収口2005は液体保持空間S内の液体を液体流路3000へと流出させるためのものである。この液体の供給、流出を行うことにより、液体保持空間S内において、塗布液は上記の左端部から右端部へと流動する。
(塗布液流路)
図11は、前記塗布液供給手段の液体保持部材2001に連結される液体流路3000の概略構成を示す説明図である。
この液体流路3000は、液体保持部材2001を構成する空間形成基材2002の液体供給口2004と塗布液を貯蔵する貯蔵タンク3003とを連結する第1流路3001を有する。また、液体流路3000は、空間形成基材2002の液体回収口2005と前記貯蔵タンク3003とを連結する第2流路3002を有する。この貯蔵タンク3003には、大気連通口3004が設けられており、また、この大気連通口には、大気との連通、遮断を切換える大気連通弁3005が設けられる。なお、大気連通口3004は、蒸発を軽減するために迷路構造であることが望ましい。また、第1流路3001内には切換弁3006が設けられており、この切換弁3006によって第1流路3001と大気との連通、遮断が切換え可能となっている。さらに第2流路3002内には、本液体流路3000内で塗布液および空気を所望の方向へと強制的に流動させるためのポンプ3007が連結されている。ここでは、液体保持空間Sを介して第1流路3001から第2流路3002へ向かう方向の液体の流れを発生させる。
この実施形態において、第1流路3001および第2の流路3002は円管状のチューブによって形成されており、各チューブの端部に形成される開口部は、貯蔵タンク3003の底部もしくは底部に近い位置に配置されている。このような構成により、貯蔵タンク3003内の塗布液を完全に消費し得るようになっている。
また、この実施形態におけるポンプ3007は、図19に示すようなチューブポンプによって構成されている。このチューブポンプ3007は、ポンプ駆動モータ(ここでは図示せず)によって回転する回転体30071と、この回転体30071の外側に沿って弧状に配設された可撓性を有するポンプ構成チューブ30072とを有する。さらに、ポンプ3007は、前記回転体30071に回動自在に支持された2個のコロ30073,30074とを有する。このチューブポンプでは、回転体30071が回転することにより、少なくとも一つのコロ30073,30074がポンプ構成チューブ30072を押し潰しながら転動する。そして、ポンプ構成チューブ30072内の塗布液または空気を下流側へと(図19では、貯蔵タンク側チューブ30022へと)送り出すと同時に、液体保持部材側チューブ30021から塗布液または空気を吸引する。また、このチューブポンプ3007は、駆動停止状態で必ずポンプ構成チューブを押し潰した状態で停止するため、チューブ30021とチューブ30022との連通は遮断される。
また、この実施形態における切換弁3006は、第1流路3001と大気との連通、遮断を切換え得るものであれば、種々のものが適用可能であるが、ここでは図11に示すような三方弁を使用している。この三方弁3006は、互いに連通する3つのポートを有する。このポートのうち2つのポートは、第1流路3001における貯蔵タンク側チューブ3011と、液体保持部材側チューブ3012と、大気連通口3013の中のいずれか二つに選択的に連通することができる。そして、この三方弁3006の切換えにより、以下の3つの状態を選択的に切換えることができる。1つ目の状態は、図22に示すようなチューブ3011とチューブ3012とを連通させる連通状態である。2つ目の状態は、図23に示すようなチューブ3012と大気連通口3013とを連通させる連通状態である。3つ目の状態は、図14に示すようなチューブ3011と大気連通口3013とを連通させる連通状態である。
この切換により、液体保持部材2001と塗布ローラ1001とによって形成される液体保持空間Sに対し、貯蔵タンク3003内の塗布液あるいは大気連通口3013から取り込まれる空気の何れかを選択して供給することが可能となる。また、上記切換により、液体保持部材2001と塗布ローラ1001とが密閉された状態を作ることが可能となる。詳しくは、図22に示されるようにチューブ3011とチューブ3012とが連通している状態にあっては、貯蔵タンク3003内の塗布液が液体保持空間Sに供給される。一方、図23に示されるようにチューブ3012と大気連通口3013とが連通している状態にあっては、大気連通口3013から取り込まれる空気が液体保持空間Sに供給される。また、図14に示される状態では、チューブ3012から液体保持部材2001と塗布ローラ1001とによって形成される液体保持空間S、供給路3002は完全に大気、貯蔵タンクの両方と遮断されている。なお、三方弁3006の切換えは、後述の制御部4000からの制御信号によって行われ、塗布液の充填、供給などが行われる。
(制御系)
図12は、本実施形態の液体塗布装置における制御系の概略構成を示すブロック図である。
図において、制御部4000は液体塗布装置全体を制御する制御手段としての制御部である。この制御部4000は、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行するCPU4001と、このCPU4001によって実行される、図13、15、16、18、27にて後述される処理などの制御プログラムなどを格納するROM4002を有する。また、制御部4000は、CPU4001の処理動作中のデータや入力データなどを一時的に格納するRAM4003などを有する。
この制御部4000には、所定の指令あるいはデータなどを入力するキーボードあるいは各種スイッチなどを含む入力操作部4004、液体塗布装置の入力・設定状態などをはじめとする種々の表示を行う表示部4005が接続されている。また、制御部4000には、塗布媒体の位置や各部の動作状態などを検出するセンサなどを含む検出部4006が接続されている。さらに、制御部4000には、前記ローラ駆動モータ1004、ポンプ駆動モータ4009、大気連通弁3005および切換弁3006などがそれぞれ駆動回路4007,4008,4010,4011を介して接続されている。
(液体塗布動作シーケンス)
図13は、本実施形態の液体塗布装置の液体塗布に係わる処理手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照して、液体塗布にかかる各工程を説明する。
すなわち、液体塗布装置に電源が投入されると、制御部4000は、図13に示すフローチャートに従って以下の塗布動作シーケンスを実行する。
充填工程
ステップS1では、図15に示す処理手順に従って、前記塗布空間Sに対する塗布液の充填工程を実行する。図15は、本実施形態に係る、充填工程の処理手順を示すフローチャートである。
本実施形態では、塗布液の充填の前に、液体保持空間S及び各流路3001、3002の圧力を大気圧に対して負圧にし、塗布液を液体保持空間Sに充填する。
ステップS31では、切換弁3006を図14のように切換えて、大気連通口3013とチューブ3011とを連通する。このような連通状態では、貯蔵タンク3003と液体保持部材の供給口2004とは遮断されている(連通していない)。またこのとき、ポンプ3007は停止しているので、図19に示されるように、コロ30073、30074により、貯蔵タンク3003と液体保持部材2001の回収口2005とは遮断されている。よって、液体保持空間Sおよび各流路3001、3002は、大気と遮断された状態となる。
ステップS32では、ポンプ3007を図11の矢印方向に任意の負圧シーケンスで駆動し、液体保持空間Sおよび各流路3001、3002中の空気を排出し、液体保持空間Sおよび各流路3001、3002を大気圧よりも減圧した状態にする。このポンプ3007は、液体保持空間Sが所定の負圧になるまで駆動させ、上記所定の負圧になったら停止する。
ステップS33では、少なくとも液体保持空間Sが所定の負圧になった状態で、切換弁3006を切換えて、チューブ3011とチューブ3012とを連通する。このとき、貯蔵タンク3003の圧力よりも、液体保持空間Sおよび各流路3001、3002の圧力の方が小さい。よって、貯蔵タンク3003に貯蔵された塗布液は、液体保持空間Sおよび各流路3001、3002へと移動し、液体保持空間Sおよび各流路3001、3002に塗布液がきちんと充填される。この初期動作によって、塗布ローラ1001に対し塗布液が供給された状態となり、塗布媒体への塗布が可能となる。
ところで、液体塗布空間S内を負圧にせずに塗布液の充填を行う充填方法もある。以下、これを「比較の充填工程」と呼ぶ。すなわち、比較の充填工程は、まず、貯蔵タンク3003の大気連通弁3005を大気に開放させると共に、チューブ3011とチューブ3012とを連通する。その上で、ポンプ3007を一定時間駆動する。これにより、液体塗布空間Sおよび各流路3001、3002の内部の空気がポンプによって貯留タンクへと送られて大気へと排出されると共に、液体塗布空間Sおよび各流路3001、3002に塗布液が充填される。
しかし、この比較の充填工程では、図30に示したように、液体塗布空間S内に塗布液がきちんと充填されていない状態で、供給口2004と回収口2005との間に塗布液の流れが出来てしまい、充填が完了してしまう場合がある。この場合、液体塗布空間S内に泡が残存した状態で塗布動作が行われるため、塗布ムラが生じやすい。一方、本実施形態によれば、液体塗布空間Sを負圧にしてから充填しているので、充填性が向上する。すなわち、液体塗布空間S内に泡が残存せずに充填されるため、上述の比較の充填方法に比べて塗布ムラが軽減される。
さて、ここで、液体塗布装置全体を所定の仕事率(W)で駆動させて、充填が終了するまでに要した仕事について、本実施形態に係る充填工程と、比較の充填工程とを比較してみる。すると、本実施形態に係る充填工程の方が、比較の充填工程よりも、塗布液の充填に要する仕事を小さくすることができる。よって、本実施形態に係る充填工程の方が、比較の充填工程よりも充填に要する時間を短くすることができる。すなわち、塗布液供給時に、液体保持空間Sまでの空間および各流路3001、3002をあらかじめ負圧にしておいた後で、貯蔵タンク3003と液体保持空間Sとを連通させるようにしたので、塗布液を迅速に充填させることができる。
さらに、上述のように、本実施形態に係る充填工程に要する仕事は、比較の充填工程に要する仕事よりも小さいので、充填に要する時間を同じに設定すると、本実施形態に係る充填工程に要する仕事率を小さくすることができる。よって、本実施形態では、例えば、ポンプ3007の仕事率を小さく設定できる。つまり、小さい仕事率を実現する低コストのポンプを用いることができるので、ポンプの低コスト化を図ることができる。
さらに、本実施形態に係る液体塗布装置は、液体保持部材2001及び各流路3001、3002に、蒸発によって増粘してしまった塗布液が固着してしまうことがある。本実施形態は、このような増粘物に対する問題に対しても効果がある。というのも、本実施形態においては、塗布液の液体保持空間Sへの充填時に、塗布液が充填されるスピードが速くなる、すなわち各流路を流れる塗布液の流速を上げることが出来る。これにより、流路内や液体保持部材2001に固着している増粘物を押し流す力が強くなる。このため、上記流速の増加に伴い、このような増粘物を押し流すことができる。
なお、本実施形態では、液体保持空間Sの負圧を利用して、液体の充填を行っている。すなわち、負圧の大きさによって充填に要する時間が決まる。よって、上記負圧の大きさを、比較の充填工程における充填に要する時間よりも、本実施形態に係る充填工程における充填に要する時間の方が短くなるような大きさに設定する。
また、上記負圧を達成するための負圧シーケンスは、ポンプ3007の駆動時間や、駆動速度等を規定するが、負圧シーケンスを行う時間も、本実施形態に係る充填工程に要する仕事に関する時間に含まれている。よって、負圧シーケンスを行う時間は、該負圧シーケンスを行う時間を含めても、本実施形態に係る充填工程に要する時間の方が、比較の充填工程に要する時間よりも短くなるように設定されている。
塗布工程
ここで、図13に戻る。塗布開始指令が入力されると(ステップS2)、再びポンプ3007が作動を開始すると共に、大気連通弁3005を大気に開放し、(ステップS3)、塗布ローラ1001が図1の矢印に示すように、時計周りに回転を開始する(ステップS4)。この塗布ローラ1001の回転により、液体保持空間Sに充填された塗布液Lは、塗布ローラ1001に対する液体保持部材2001の当接部材2009の押圧力に抗して、塗布ローラ1001と当接部材2009の下縁部2011との間を摺り抜ける。この擦り抜けた塗布液Lは、塗布ローラ1001の外周に層状態となって付着する。塗布ローラ1001に付着した塗布液Lは、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002との当接部に送られる。
次いで、塗布媒体送給機構1006によって塗布ローラ1001とカウンターローラ1002との間に塗布媒体が搬送され、これらのローラの間に塗布媒体が挿入される。これと共に、上記塗布媒体は、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002の回転に伴い排紙部へ向けて搬送される(ステップS5)。この搬送の間に、塗布ローラの周面に塗布された塗布液が、図9に示すように塗布ローラ1001から塗布媒体Pに転写される。なお、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002との間に塗布媒体を供給する手段としては、上記の送給機構に限られないことはもちろんである。上記手段として、例えば、所定のガイド部材を補助的に用いる手差しによる手段を併せて用いてもよく、また、手差し手段を単独で用いる構成などどのような手段を用いてもよい。
図9において、交差する斜線で表現した部分が塗布液Lを示している。なお、ここでは、塗布ローラ1001及び塗布媒体Pにおける塗布液の層の厚みは、塗布時における塗布液Lの様子を明確に図示する上で、実際の厚みよりもかなり過大に表している。
上記のようにして、塗布媒体Pの塗布された部分は塗布ローラ1001の搬送力により矢印方向に搬送されると共に、塗布媒体Pと塗布ローラ1001の接触部に塗布媒体Pの未塗布部分が搬送される。この動作を連続もしくは間欠的に行うことで塗布媒体全体に塗布液を塗布していく。
ところで、図9においては、当接部材2009から摺り抜けて塗布ローラ1001に付着した塗布液Lの全てが塗布媒体Pに転写された理想的な塗布状態を示している。しかしながら、実際には、塗布ローラ1001に付着した塗布液Lの全てが塗布媒体Pに転写されるとは限らない。つまり、搬送される塗布媒体Pが塗布ローラ1001から離間する際、塗布液Lは、塗布ローラ1001にも付着し、塗布ローラ1001に塗布液Lが残留することが多い。この塗布ローラ1001における塗布液Lの残留量は、塗布媒体Pの材質及び表面の微小な凹凸の状態によっても異なるが、塗布媒体Pが普通紙の場合、塗布動作後も塗布ローラ1001の周面には塗布液Lが残留する。
図24,図25、図26は、媒体Pが普通紙である場合における媒体の表面と塗布面での塗布過程を説明する説明図である。本図では液体を黒く塗りつぶしてある。
図24は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部より上流側での状態を示している。同図において塗布ローラ1001の塗布面には液体が塗布面の表面の微細な凹凸をわずかに被うように液体が付着している。
図25は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部での、媒体Pである普通紙の表面と塗布ローラ1001の塗布面の状態を示している。同図において媒体Pである普通紙の表面の凸部は塗布ローラ1001の塗布面と接触し、接触した部分より液体が瞬時に媒体Pである普通紙の表面の繊維に浸透ないし吸着する。また塗布ローラ1001の塗布面には普通紙の表面の凸部と接触しない部分に付着した液体が残留される。
図26は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部より下流側での状態を示している。同図は媒体と塗布ローラ1001の塗布面が完全に離脱した状態である。塗布ローラ1001の塗布面には普通紙の表面の凸部と接触しない部分に残留した液体と接触部における液体も極微量ながら塗布面に残留する。
この塗布ローラ1001に残留した塗布液は、塗布ローラ1001に対する液体保持部材2001の当接部材2009の押圧力に抗して、塗布ローラ1001と当接部材2009の上縁部2010との間を摺り抜けて液体保持空間S内に戻る。液体保持空間S内に戻った塗布液は、同空間S内に充填されている塗布液と混合される。
また、この塗布液の戻し動作は、図10に示すように塗布媒体が存在しない状態で塗布ローラ1001を回転させた場合にも同様に行われる。すなわち、塗布ローラ1001を回転することで塗布ローラ1001の外周に付着した塗布液は、カウンターローラ1002との当接部の間をすり抜ける。すり抜けた後は塗布ローラ1001側とカウンターローラ1002側とに塗布液が分離し、塗布ローラ1001に塗布液が残留する。そして、塗布ローラ1001側に付着した塗布液Lは当接部材2009の上縁部2010と塗布ローラ1001との間をすり抜けて液体保持空間S内に侵入し、同空間S内に充填されている塗布液に混合する。
なお、塗布工程を行う際に、ポンプ3007を駆動することによって、塗布液は貯蔵タンク3003と液体保持部材2001との間を循環している。このように塗布液を循環することによって、塗布媒体への塗布を終えた塗布ローラ1001の領域が、液体保持空間Sに戻る際、泡と共に、塗布されずに塗布ローラ1001に残った塗布液も液体保持空間S中の塗布液に混入してしまう問題は解消される。また、液密状態な液体保持空間S内でも生じてしまう蒸発による塗布液の濃度上昇の問題についても解消される。
終了工程
上記のようにして、塗布媒体への塗布動作が実行されると、次に塗布工程を終了して良いか否かの判断を行い(ステップS6)、塗布工程を終了しない場合は、ステップS5に戻り、塗布媒体の塗布が必要な部分全体に塗布工程を終了するまで塗布動作を繰り返す。塗布工程を終了すると、塗布ローラ1001を停止させ(ステップS7)、さらに、ポンプ3007の駆動を停止させる(ステップS8)。この後、ステップS2へ移行し、所定期間の経過前に塗布開始指令が入力されていれば、前述のステップS2〜S8の動作を繰り返す。一方、所定期間の経過後であっても塗布開始指令が入力されていなければ、液体保持空間Sおよび液体流路内の塗布液を回収する回収動作などの後処理を行い(ステップS9)、塗布にかかる処理を終了する。
なお、ステップS8にて、ポンプ3007を停止しなくても良い。その場合は、ステップS7にて塗布ローラ1001を停止した後は、ステップS2に進む。
本実施形態では、上述のステップS9にて、液体保持部材2001に保持されている塗布液を回収する処理を行っている。以下、図27を参照し、ステップS9で行う回収処理について詳細に説明する。
図27は、本実施形態の液体塗布装置の液体回収に係わる処理手順を示すフローチャートである。
図13のステップS2にて、塗布開始命令が入力されていないと判断すると、液体保持部材2001に保持されている塗布液回収動作を開始する。
塗布液回収動作を開始すると、図27のステップS21にて、ポンプ3007を駆動して、ポンプ3007から貯蔵タンク3003へと流れを発生させる。なお、ステップS8にてポンプ3007を停止していなければ、本ステップを行わず、塗布液回収動作が開始すると、ステップS22へと進む。
ステップS22では、切換弁(三方弁)3006を切換えて図23の状態にし、大気連通口3013とチューブ3012とを連通させる。すなわち、貯蔵タンク3003から液体保持部材2001への供給路を遮断することにより、液体保持部材2001への塗布液の供給を断つ。このとき、ポンプ3007により図11に示す矢印方向への流れを作っているので、液体保持部材2001を含む液体保持部材側チューブ3012から第2流路3002に至る各流路にある塗布液は貯蔵タンク3003へと回収される。また、またそれらへは、大気連通口3013から空気が充満される。
ステップS23では、ポンプ3003の駆動を停止する。これで貯蔵タンク側チューブ30022は液体保持部材側チューブ30021から遮断される。また、チューブ3011も、切換弁3006によってチューブ3012から遮断されている。なお、ポンプ3007の停止は、ステップS22にて切換弁3006を切換えてから所定の時間経過してから行っても良い。また、ポンプ3007を停止させるタイミングを検知する手段、例えば、液体保持部材2001内に塗布液が残存しているかを検知するための手段としてのセンサを液体保持部材2001内に設けて、その検知情報を元にポンプ3003を停止するようにしても良い。
ステップS24では、大気連通口3004を閉じる。この状態で、貯蔵タンク3003は、外気と遮断される。
このように、塗布動作を行わない場合、液体保持部材2001から塗布液を回収することによって、塗布液が液体保持部材2001に長時間放置されることはなくなり、それによる蒸発を軽減できる。また、回収動作を終了したときに、貯蔵タンク3003は、外気と遮断され、各流路も遮断されているので、貯蔵タンク3003から塗布液が流出して液体保持部材2001に至ることを軽減することができる。よって、運搬時や保管時に装置が傾くなどして姿勢を変えても、液体保持部材2001からの液漏れを軽減することができる。
また、本実施形態では、図11において、第1流路3001上で、ポンプ3007を切換弁3006と液体保持部材2001との間に配置しても良い。ただし、この場合、第2流路3002上に、塗布液の逆流を防ぐための手段、例えば、逆止弁(不図示)を設けなければならない。逆止弁によって、貯蔵タンク3003に回収された塗布液が液体保持部材2001へ至るのを防ぐことができる。
このときは、ステップS31において、切換弁3006の切換は、図14に示すように大気連通口3013とチューブ3011とを連通するような切換ではなく、図23に示すように、大気連通口3013とチューブ3012とを連通するような切換を行う。さらに、ステップS32におけるポンプ3007の駆動は、図11の矢印とは反対方向に流れが生じるように行う。こうすることで、負圧シーケンスによって、液体保持空間Sおよび各流路3001、3002中の空気が大気連通口3013を介して外へと排出される。
さらに、本実施形態で使用したポンプ3007は駆動を行わない状態で流路を遮断する機能を持っているが、遮断する機能を持たないポンプの場合には、ポンプ3007が配置されている流路上に、逆止弁を設ければよい。この逆止弁は、ポンプに対して貯蔵タンク3003側または液体保持部材2001側のいずれ側に設けても良く、好ましくは、貯蔵タンク3003側に設ける。
以上説明したように、本実施形態によれば、塗布動作を行わない場合に、大気連通口を有する切換弁を切換えポンプの駆動によって、液体保持部材を含む各流路から貯蔵タンクへと塗布液を回収できる。この回収のために、液体保持部材において、塗布液の長時間放置による蒸発を軽減することができる。
本実施形態では、塗布液を回収終了の際に、流路に配置された切換弁およびポンプまたは開閉弁によってそれぞれの塗布液流路を遮断するようにし、また貯蔵タンクに設けられた大気連通口も外気に対して遮断する。よって、貯蔵タンクから塗布液が流出して液体保持部材へ至るのを軽減することができる。従って、運搬時や保管時に装置を傾けても、液体保持部材には塗布液が存在しないので、当然その中で水頭差が生じることはなく、液体保持部材からの液漏れを軽減ないしは無くすことができる。
また、回収終了時に液体保持部材を塗布ローラから離間する、または液体保持部材の塗布ローラへの当接圧力を緩める形態であっても、液体保持部材には塗布液が存在しないので、液体保持部材から塗布液が垂れ流れることもない。
(第2の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態と同様に、液体保持空間Sおよび各流路3001、3002を所定の負圧にした後に、塗布液を液体保持空間Sへと充填する。第1の実施形態との違いは、塗布液の充填時にポンプを駆動し続ける点にある。 図16は、本実施形態に係る、充填工程の処理手順を示すフローチャートである。
同図において、ステップS41およびS43の処理は、図15に示した、ステップS31およびS33の処理と同様である。
本実施形態では、切換弁3006を図14のように切換えて、大気連通口3013とチューブ3011とを連通し(ステップS41)、ステップS32と同様にポンプ3007を図11の矢印方向に任意の負圧シーケンスで駆動する(ステップS42)。ただし、本実施形態では、ステップS42にて、上記負圧シーケンスが終了してもポンプ3007の駆動は停止せず、そのまま駆動させる。
ステップS43では、少なくとも液体保持空間Sが所定の負圧になった状態で、切換弁3006を切換えて、チューブ3011とチューブ3012とを連通する。このとき、第1の実施形態と同様に、液体保持空間Sおよび各流路3001、3002は大気圧に対して負圧となる。これにより、貯蔵タンク3003に貯蔵された塗布液は、液体保持空間Sおよび各流路3001、3002へと移動し、液体保持空間Sおよび各流路3001、3002に塗布液が充填される。さらに、本実施形態では、ポンプ3007を駆動し続けているので、このポンプ3007の駆動によっても塗布液は液体保持空間Sへと充填される。
ステップS43にて切換弁3006を切換えてから所定の時間経過した後、ポンプ3007の駆動を停止する(ステップS44)。この初期動作によって、塗布ローラ1001に対し塗布液が供給された状態となり、塗布媒体への塗布が可能となる。
(第3の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態および第2の実施形態に係る液体塗布装置の構成に対して、使用している弁の形態が異なっている。図17に、本実施形態に係る液体塗布装置の液体流路の概略構成を示す。
図17において、本実施形態に係る液体塗布装置は、第1の実施形態および第2の実施形態に係る切換弁(三方弁)3006の代わりに、第1の開閉弁6001、第2の開閉弁6002、大気連通口6003を備えている。よって、充填工程以外の動作に関しては、第1の実施形態と同じであるため、ここでは省略する。
図18は、本実施形態に係る、充填工程の処理手順を示すフローチャートである。
同図において、ステップS52の処理は、図15に示した、ステップS32の処理と同様である。
本実施形態では、ステップS51にて、第2の開閉弁6002が閉じられているか否かの判断を行う。なお、本工程は充填工程であるので、前提として第1の開閉弁6001は閉じられている。第2の開閉弁6002が閉じられていると判断すると、ステップS52に進む。一方、第2の開閉弁6002が開いていると判断すると、ステップS54にて、第2の開閉弁6002を閉じ、液体保持空間Sおよび各流路3001、3002を大気から遮断する、すなわち、密閉する。
ステップS52では、大気連通弁3005を大気に開放すると共に、ポンプ3007を任意の負圧シーケンスで駆動し、液体保持空間Sおよび各流路3001、3002を大気圧に対して負圧にする。ポンプ3007は、液体保持空間Sが所定の負圧になるまで駆動させ、上記所定の負圧になったら停止する。
液体保持空間Sおよび各流路3001、3002が所定の負圧となり、ポンプ3007を停止したら、第1の開閉弁6001を開け、貯蔵タンク3003と液体保持部材とを連通させる。このとき、第1の実施形態と同様に、液体保持空間Sおよび各流路3001、3002は大気圧に対して負圧となる。これにより、貯蔵タンク3003に貯蔵された塗布液は、液体保持空間Sおよび各流路3001、3002へと移動し、液体保持空間Sおよび各流路3001、3002に塗布液が充填される。この初期動作によって、塗布ローラ1001に対し塗布液が供給された状態となり、塗布媒体への塗布が可能となる。
なお、本実施形態における後処理動作の際には、基本的には、図27に示す処理手順に従って後処理を行えば良い。ただし、本実施形態では、ステップS22を以下のようにして行う。すなわち、ステップS22において、第1の開閉弁6001を閉じるのと同時に第2の開閉弁6002を開くことにより、大気連通口6003とチューブ3012とを連通させる。このとき、ポンプ3003により図17に示す矢印方向への流れを作っているので、液体保持部材2001を含む各流路にある塗布液は貯蔵タンク3003へと回収される。また上記回収動作に伴って、液体保持部材2001および各流路へは、大気連通口6003から空気が流入し、充満する。なお、第1のおよび第2の開閉弁の開閉については、第1の開閉弁6001を閉じてから第2の開閉弁6002を開くようにしても良い。
(他の実施形態)
図20は、上述の液体塗布装置とほぼ同様の構成を有した塗布機構を備えたインクジェット記録装置1の概略構成を示す図である。
このインクジェット記録装置1には、複数枚の記録媒体Pを積載する給送トレイ2が設けられており、半月形状の分離ローラ3が、給送トレイに積載された記録媒体Pを1枚づつ分離して搬送経路に給送する。搬送経路中には、上記液体塗布機構の液体塗布手段を構成する塗布ローラ1001およびカウンターローラ1002が配置されており、給送トレイ2から給送された記録媒体Pは、両ローラ1001,1002の間に送られる。塗布ローラ1001はローラ駆動モータの回転によって図20において時計周り方向に回転し、記録媒体Pを搬送しながら塗布液を記録媒体Pの記録面に塗布する。塗布液が塗布された記録媒体Pは、搬送ローラ4とピンチローラ5との間に送られ、搬送ローラ4が、図中、反時計周り方向へと回転することによって、記録媒体Pはプラテン6の上を搬送され、記録手段を構成する記録ヘッド7に対向する位置へと移動する。記録ヘッド7は所定数のインク吐出用のノズルを配設したインクジェット記録ヘッドであり、この記録ヘッド7が図の紙面と垂直方向に走査する間に、記録データに従ってノズルから記録媒体Pの記録面に対してインク滴を吐出して記録を行う。この記録動作と搬送ローラ4による所定量の搬送動作とを交互に繰り返しながら、記録媒体に画像を形成してゆく。この画像形成動作とともに、記録媒体の搬送路において記録ヘッドの走査領域の後流側に設けられた、排紙ローラ8と排紙拍車9によって記録媒体Pが挟持され、排紙ローラ8の回転によって排紙トレイ10上に排紙される。
なお、このインクジェット記録装置としては、インクを吐出するノズルを記録媒体の最大幅に亘って配設した長尺な記録ヘッドを用いて記録動作を行ういわゆるフルライン型のインクジェット記録装置を構成することも可能である。
また、本実施形態で用いる塗布液は、顔料を色材とするインクで記録した際に顔料の凝集を促進させる処理液である。
本実施形態では、塗布液として処理液を用いることにより、この処理液とこの処理液が塗布された記録媒体に吐出されるインクの色材である顔料を反応させて顔料の凝集を促進させる。そして、顔料の凝集を促進させることにより、記録濃度の向上を図ることができる。さらに、ブリーディングの軽減または防止することも可能となる。なお、インクジェット記録装置において用いる塗布液としては、上記の例に限られないことはもちろんである。
図21は、上述したインクジェット記録装置の要部を示す斜視図である。同図に示すように、給送トレイ2の一端の上方に塗布機構100が設けられ、この塗布機構より上部で、給送トレイ2の中央部上方に記録ヘッド7などを備えた記録機構が設けられる。
図28は、上述したインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。同図において、液体塗布機構の要素であるローラ駆動モータ1004、ポンプ駆動モータ4009、および大気連通弁のアクチュエータ3005は、前述した液体塗布装置とで説明したものと同様の要素である。
CPU5001は、図29にて後述する処理手順のプログラムに従い、塗布機構の各要素の駆動を制御する。これと共に、CPU5001は、記録機構にかかるLFモータ5013、CRモータ5015、および記録ヘッド7の駆動を、それぞれの駆動回路5012、5014、ヘッドドライバ5016を介して制御する。すなわち、LFモータ5013の駆動によって搬送ローラ4などを回転させ、また、CRモータの駆動によって記録ヘッド7を搭載したキャリッジを移動させる。さらに、記録ヘッドのノズルからインクを吐出させる制御を行う。
図29は、本実施形態のインクジェット記録装置における液体塗布およびそれに伴う記録動作の手順を示すフローチャートである。同図において、ステップS101、S103〜S105の処理、およびステップS108〜S110の処理は、図13に示した、それぞれ、ステップS1、S3〜S5、S7〜S9の処理と同様である。
図29に示すように、本実施形態では、上記第1〜第3の実施形態で説明したような充填工程を行う。次いで、記録開始の指令があると(ステップS102)、ポンプ作動などの一連の液体塗布動作を行う(ステップS103〜S105)。この塗布工程の後、必要な部分に塗布液が塗布された記録媒体に対して、記録動作を行う(ステップS106)。すなわち、搬送ローラ4によって所定量ずつ搬送される記録媒体Pに対して記録ヘッド7を走査させ、この走査の間に記録データに応じてノズルからインクを吐出することにより記録媒体にインクを付着させてドットを形成する。この付着するインクは塗布液と反応するため、濃度向上や滲みの防止が可能となる。以上の記録媒体の搬送と記録ヘッドの走査を繰り返すことにより、記録媒体Pに対して記録がなされ、記録を終了した記録媒体は排紙トレイ10上に排紙される。
なお、本実施形態では、記録媒体に対する液体塗布に伴い、その塗布が終了した部分に対して順次記録を行うものである。すなわち、塗布ローラから記録ヘッドへ至る搬送路の長さが記録媒体の長さよりも短く、記録媒体上の液体の塗布がなされた部分が記録ヘッドによる走査領域に至るときに、記録媒体の他の部分に塗布機構によって塗布が行われる形態である。このような形態において、記録媒体の所定量の搬送ごとに、記録媒体の異なる部分で、順次、液体塗布と記録がなされていく。しかし、本発明の適用する上で、別の形態として、特許文献5に記載されるように、1つの記録媒体に対する塗布が完了してから記録を行うものであってもよい。
ステップS107で記録が終了したと判断すると、ステップS108以降の処理を行い、本処理を終了する。
また、上述した実施形態では、インクジェット記録方式の記録装置において液体を塗布する例について説明したが、本発明は他の方式の記録装置に適用することもできる。例えば、塗布液として、蛍光増白剤を含有する液体を用いることにより、媒体の白色度を向上させることが可能である。また、別の塗布液として、塗布媒体のカール(媒体が湾曲形状となる現象)を抑制する成分を含有する液体を用いることも可能である。前記液体塗布後の記録手段は、インクジェット記録方式に限られず、熱転写方式、電子写真方式などの記録方式でも効果を得ることができる。また、銀塩写真方式の記録装置において、塗布液として、記録前に感光剤を塗布してもよい。
本発明の液体塗布装置に係る実施形態の全体構成を示す斜視図である。 図1に示した塗布ローラ、カウンターローラおよび液体保持部材などの配置の一例を示す縦断側面図である。 図1および図2に示した液体保持部材の正面図である。 図3に示した液体保持部材をIV−IV線にて切断した端面を示す端面図である。 図3に示した液体保持部材をV−V線にて切断した端面を示す端面図である。 図3に示した液体保持部材の平面図である。 図3に示した液体塗布部材の当接部を液体塗布ローラに当接させた状態を示す左側面図である。 図3に示した液体塗布部材の当接部を液体塗布ローラに当接させた状態を示す右側面図である。 本発明の実施形態において、液体保持部材と塗布ローラとによって形成される液体保持空間に塗布液が充填され、塗布ローラの回転により塗布媒体に液体が塗布されている状態を示す縦断断面図である。 本発明の実施形態において、液体保持部材と塗布ローラとによって形成される液体保持空間に塗布液が充填され、塗布媒体が存在しない状態で塗布ローラを回転させた状態を示す縦断断面図である。 本発明の実施形態における液体塗布装置の液体流路の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態における制御系の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態における液体塗布動作シーケンスを示すフローチャートである。 本発明の実施形態における三方弁を説明する図である。 本発明の第1の実施形態におけるシーケンスを示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態におけるシーケンスを示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態における液体塗布装置の液体流路の概略構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態におけるシーケンスを示すフローチャートである。 本発明の実施形態におけるポンプの動作を説明する図である。 本発明の実施形態におけるインクジェット記録装置の概略構成を示す縦断側面図である。 図20の実施形態におけるインクジェット記録装置をシリアルプリンタ型インクジェット記録装置として構成した場合の記録部と液体塗布装置との配置状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態における三方弁を説明する図である。 本発明の実施形態における三方弁を説明する図である。 媒体Pが普通紙である場合における媒体の表面と塗布面での塗布過程を説明する説明図である。 媒体Pが普通紙である場合における媒体の表面と塗布面での塗布過程を説明する説明図である。 媒体Pが普通紙である場合における媒体の表面と塗布面での塗布過程を説明する説明図である。 図13に示したフローチャートの後処理の手順を示すフローチャートである。 図21に示したインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。 本発明の他の実施形態における塗布動作および記録動作のシーケンスを示すフローチャートである。 液体保持空間内に空気(泡)が残存した状態を示す図である。
符号の説明
2001 液体保持部材
2002 空間形成基材
2004 液体供給口
2005 液体回収口
3001 第1流路
3002 第2流路
3003 貯蔵タンク
3004、3013 大気連通口
3005 大気連通弁
3006 切換弁
3007 ポンプ
3011 貯蔵タンク側チューブ
3012 液体塗布部材側チューブ

Claims (9)

  1. 液体塗布装置であって、
    媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
    前記液体を貯蔵する貯蔵手段と、
    前記貯蔵手段と前記保持部材の液体保持空間とを連通する経路と、
    前記液体保持空間を大気圧に対して所定の負圧にする負圧発生手段とを備え、
    前記負圧発生手段によって前記液体保持空間を前記所定の負圧にした後に、前記貯蔵手段から前記経路を介して前記液体保持空間へ前記液体を供給し、前記液体保持空間を前記液体で充填することを特徴とする液体塗布装置。
  2. 液体塗布装置であって、
    媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
    前記液体を貯蔵する貯蔵手段と、
    前記貯蔵手段に貯蔵される液体を前記保持部材の液体保持空間へ供給するための第1の経路と、
    前記液体保持空間に保持される液体を前記貯蔵手段に回収するための第2の経路と、
    前記第1の経路において、前記貯蔵手段と前記液体保持空間との連通を遮断する遮断手段と、
    前記遮断手段によって前記第1の経路が遮断されている際に、少なくとも前記液体保持空間を大気圧に対して所定の負圧にする負圧発生手段とを備え、
    前記液体保持空間を前記所定の負圧にした後に、前記貯蔵手段から前記第1の経路を介して前記液体保持空間へ前記液体を供給し、前記液体保持空間を前記液体で充填することを特徴とする液体塗布装置。
  3. 前記負圧発生手段は、前記第1の経路、前記液体保持空間、前記第2の経路を含む液体経路において液体および空気の流れを発生させるための移動手段であり、
    前記移動手段は、前記充填中に、前記液体の流れを発生させていることを特徴とする請求項2記載の液体塗布装置。
  4. 前記負圧発生手段は、前記第1の経路、前記液体保持空間、前記第2の経路を含む液体経路において液体および空気の流れを発生させるための移動手段であり、
    前記移動手段は、前記第1および第2の流路、および前記液体保持空間から空気を排出することにより、少なくとも前記液体保持空間を前記所定の負圧にすることを特徴とする請求項2または3記載の液体塗布装置。
  5. 液体塗布装置であって、
    媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
    前記液体を貯蔵する貯蔵手段と、
    前記貯蔵手段に貯蔵される液体を前記保持部材の液体保持空間へ供給するための第1の経路と、
    前記液体保持空間に保持される液体を前記貯蔵手段に回収するための第2の経路と、
    前記第1の経路について、前記貯蔵手段と前記液体保持空間、大気と前記液体保持空間、のそれぞれについて連通・遮断を切換える切換手段と、
    前記切換手段により前記第1の経路が遮断されている際に、少なくとも前記液体保持空間を大気圧に対して所定の負圧にする負圧発生手段とを備え、
    前記液体保持空間を前記所定の負圧にした後に、少なくとも、遮断されている前記第1の経路について前記切換手段により前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通させ、前記液体保持空間に前記液体を充填することを特徴とする液体塗布装置。
  6. 液体塗布装置であって、
    媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
    前記液体を貯蔵する貯蔵手段と、
    前記貯蔵手段に貯蔵される液体を前記保持部材の液体保持空間へ供給するための第1の経路と、
    前記液体保持空間に保持される液体を前記貯蔵手段に回収するための第2の経路と、
    前記第1の経路について、前記貯蔵手段と前記液体保持空間、大気と前記液体保持空間、のそれぞれについて連通・遮断を切換える切換手段と、
    前記第1の経路、前記液体保持空間、前記第2の経路を含む液体経路において液体の流れを発生させるための液体移動手段とを備え、
    前記第1の経路について、前記切換手段により前記貯蔵手段と前記液体保持空間とを遮断し、前記液体移動手段により、前記第1および第2の流路、および前記液体保持空間から空気を排出することにより、少なくとも前記液体保持空間を前記所定の負圧にした後に、少なくとも、前記第1の経路について前記切換手段により前記貯蔵手段と前記液体保持空間とを連通させ前記液体保持空間に液体を充填することを特徴とする液体塗布装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の液体塗布装置と、
    前記液体塗布装置により前記液体が塗布された媒体に対して、記録ヘッドからインクを吐出して前記媒体に画像を記録する記録手段と
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 請求項1乃至5のいずれかに記載の液体塗布装置と、
    前記液体塗布装置により前記液体が塗布された媒体に対して、記録剤を付与して前記媒体に画像を記録する記録手段と
    を備えることを特徴とする記録装置。
  9. 液体塗布装置の制御方法であって、
    媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材と、前記保持部材に供給するための液体を貯蔵する貯蔵手段とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布装置を用意する工程と、
    前記液体保持空間を大気圧に対して所定の負圧にする工程と、
    前記液体保持空間を前記所定の負圧にした後に、前記貯蔵手段から前記液体保持空間へ前記液体を供給し、前記液体保持空間を前記液体で充填する工程と
    を有することを特徴とする制御方法。
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