JPH05338196A - インク注入方法およびその装置 - Google Patents

インク注入方法およびその装置

Info

Publication number
JPH05338196A
JPH05338196A JP4147299A JP14729992A JPH05338196A JP H05338196 A JPH05338196 A JP H05338196A JP 4147299 A JP4147299 A JP 4147299A JP 14729992 A JP14729992 A JP 14729992A JP H05338196 A JPH05338196 A JP H05338196A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
tank
recording head
recording
head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4147299A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Sasaki
敏明 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP4147299A priority Critical patent/JPH05338196A/ja
Publication of JPH05338196A publication Critical patent/JPH05338196A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクタンク一体型記録ヘッドカートリッジ
に対してのインク注入時間を減少させるとともに、空気
の残留なくカートリッジ内にインクを充填する。 【構成】 インクタンクAと記録ヘッドBとを一体に結
合させた後に、吐出口を所定の部材27により閉塞し、
三方切換弁12を切換えてインクタンクAと真空ポンプ
16とを接続させ、カートリッジ内を真空状態とする。
その後、三方切換弁12を切換えてインクタンクAと注
入すべきインクを収容したタンク20とを接続させ、真
空吸引によりインク注入を行う。これにより注入時間が
短縮するとともに、タンクAへのインク注入後にヘッド
Bを結合する際に生じる当該結合部等の空気残留も生じ
ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録ヘ
ッドと該ヘッドに対するインク供給源をなすインクタン
クとを一体に結合させてなるインクタンク一体型記録ヘ
ッドカートリッジ(以下ヘッドカートリッジと称す)
に、記録剤であるインクを注入するインク注入方法およ
びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のヘッドカートリッジにおいて、イ
ンクタンク部内にポリエーテル型ポリウレタンフォーム
等のインク吸収部材である発泡体を収納し、これをイン
ク貯留用に使用したものがある。つまり、ヘッドカート
リッジの一部であるインクタンク内に発泡体を配置し、
該発泡体にインクを含浸させることにより、インクをイ
ンクタンク内に貯えることができる。記録ヘッドは、通
常、液路形成部材、吐出口、インク吐出に利用されるエ
ネルギを発生するための発熱素子等のエネルギ発生素
子、これらに関連した駆動素子等を備えており、さらに
所謂シリアルプリンタ形態のインクジェットプリンタの
キャリッジ(キャリア)に着脱可能とされているものも
ある。そして、プリンタ本体等に設けたマイクロプロセ
ッサ等の制御手段による制御の下、駆動素子を駆動して
エネルギ発生素子を作動させると、発泡体中からヘッド
に供給されているインクは吐出口からインク滴として吐
出され、シリアルプリンタにあっては上述のキャリッジ
を往復移動させながらインク滴を紙、フィルム等の記録
媒体(以下記録紙、または単に紙ともいう)に付着させ
ることにより、一連の印字(記録)がなされるものであ
る。
【0003】従来、上述したインクタンク内にインクを
供給してこれを発泡体に含浸させるために用いられるイ
ンク注入装置は、予めインクを収容するインク収容タン
ク、吸入口が該インク収容タンクに接続された液体ポン
プおよび該液体ポンプの吐出口に接続され、ヘッドに結
合すべきインクタンクに接続可能な注入器等から構成さ
れていた。そして、インク注入の際には、注入器をイン
クタンクに接続した後、液体ポンプを起動することによ
り、インク収容タンク内のインクを強制的にインクタン
ク内に圧入して導き、該インクを発泡体に吸収させた後
に記録ヘッドとインクタンクとを組立て、記録ヘッドの
吐出口より吸引動作を行うことにより記録ヘッド内にも
インクを導入する方式をとっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のインク
注入装置は、液体ポンプ(インクポンプ)により直接イ
ンクをインクタンク内に圧注するものなので、インク注
入工程に多大な時間を要し、量産性に劣るという問題点
がある。また、インク注入工程の際、空気が気泡として
発泡体中に存在したり、また、記録ヘッドとインクタン
クとを組みつける際に吸収部材である発泡体と記録ヘッ
ドとの間に空気溜りが生じ、記録ヘッド内のエネルギ発
生素子の近傍に空気の混入が生じると、吐出口からイン
ク滴が適正に吐出されず、すなわちインクの吐出不良が
発生することになる。このような場合、例えばプリンタ
本体に設けた回復装置を用いて吐出口からインク等を記
録ヘッド外へ強制的に排出するという回復動作を行う必
要があり、該回復動作の回数の増加に伴って記録に供さ
れないインク量が増加し、すなわちインクの浪費が著し
くなり、その分本来可能であるはずの記録媒体の記録枚
数が減少するという問題点もある。
【0005】本発明は、インク注入工程に要する時間を
著しく短縮して量産性に優れるとともに、また回復動作
の頻度が少なくしてインクの浪費も少なくし、結果的に
記録媒体の記録可能数枚を増加できるインク注入方法お
よびその装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のインク注入方法は、インクを吐出するため
の吐出口を有した記録ヘッドと該記録ヘッドに供給すべ
きインクを収納するためのインクタンクとを結合し、こ
れらの内部を真空状態とした後に、インクを注入するこ
とを特徴とする。
【0007】なお、本発明にいう真空状態とは後に問題
となる空気残留が生じない程度の真空状態であれば足
り、適切な減圧状態を含むものとする。
【0008】他方、上記インク注入方法に直接使用する
発明のインク注入装置は、記録ヘッドとインクタンクと
のインクを吐出するための吐出口を有した記録ヘッドと
該記録ヘッドに供給すべきインクを収納するためのイン
クタンクとの結合体に対してインクを注入する装置であ
って、前記結合体に対し注入すべきインクを収容したイ
ンク収容部材と、前記結合体の内部を排気して真空状態
とするために用いられる真空ポンプと、前記真空ポンプ
に接続された第1接続部材と、前記インク収容部材に接
続された第2接続部材と、前記インクタンクに接続され
るタンク接続部材と、該タンク接続部材と前記第1接続
部材または前記第2接続部材との切換え接続を行わせる
切換え手段と、前記記録ヘッドの前記吐出口周辺を覆
い、その内部にスペースを形成する部材とを具えたこと
を特徴とする。
【0009】
【作用】本発明方法においては、記録ヘッドおよびイン
クタンク内の空気を吸引してそれらの内部を真空状態と
したのち、真空吸引により記録ヘッドおよびインクタン
ク内にインクを供給すると、インクがインクタンク内に
充填(タンク内に吸収部材を有するときはその吸収部材
に吸収)されると同時に、記録ヘッドの吐出口先端まで
インクが供給される。
【0010】また、本発明の装置においては、インクタ
ンクにタンク接続部材を接続し、同時にスペース形成部
材によって吐出口付近を押さえてから、三方切換弁等の
切換手段によってタンク接続部材と第1接続部材を連通
させるとともにタンク接続部材と第2の接続部材とを遮
断させる。こののち、真空ホンプを起動することにより
インクカートリッジ内の空気等がタンク接続部材、三方
切換弁および第1接続部材を介して外部へ排出されてイ
ンクタンク内、記録ヘッドおよび上記スペース内の圧力
が減少する。そして、例えばその圧力が所定の値に達し
た後、すなわちインクカートリッジ内が真空状態になっ
た後、三方切換弁を切換えてタンク接続部材と第1接続
部材を遮断させて真空ポンプへの吸引経路を遮断させる
とともにタンク接続部材と第2接続部材とを連通させ
る。すると、インクタンク等の内部圧力とインク収容部
材内の圧力との差に起因する真空吸引によりインク収容
部材内のインクが第2接続部材、三方切換弁およびタン
ク接続部材を介してインクタンク内に供給(タンク内に
吸収部材を有しているときは該部材に発泡体に吸収)さ
れる。また、記録ヘッドの吐出口を通り上記スペースに
までインクが注入されることになる。
【0011】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0012】図1は本発明のインク注入方法の実施に直
接使用するインク注入装置の一例の構成図を示す。
【0013】図1において、記録ヘッドと結合し、ヘッ
ドカートリッジの一部をなすインクタンクAの容器内体
積(容量)よりも大きな体積を有する撥水性の発泡体
(図示せず)は、インクタンクA内に収容されており、
記録ヘッドBは従来のものと同様に液路形成部材、吐出
口、素子等のエネルギ発生素子、およびこれらに関連し
た駆動素子等を備えている。
【0014】このインクタンクAの上方には、液位計2
2および内部にインク中継トレイ(インク受け)21を
有し、かつインクCを予め収容するインク収容タンク2
0が配設されている。そして、インクタンクAと、イン
ク中継トレイ21が設けられたインク収容タンク20の
部位とは、ノズル口12aが形成されたインク供給ノズ
ル26(図2(a)参照)を有する電磁式三方切換弁1
2および第2の配管である配管2を介して接続されてい
る。
【0015】この配管2は、図2(a)に示すように、
2つの接続口、すなわち第1の接続口12bおよび第2
の接続口12cを有するダイアフラム式三方切換弁12
の第2の接続口12cに接続されている。上述のダイア
フラム式三方切換弁12のノズル口12aはインクタン
クAに接続可能である。またダイアフラム式三方切換弁
12は、2つの電磁ソレノイド25a,25bを有し、
ハウジング12f内にダイアフラム弁12d,12eが
設けられている。また、供給ノズル26はハウジング1
2fに螺着されている。ソレノイド25aに通電を行う
とダイアフラム12eが図2(a)中左方向に移動し
て、第2の接続口12cとノズル口12aとが連通す
る。また、いずれのソレノイド25a,25bにも通電
を行わないと全閉の状態になる。
【0016】インク収容タンク20の設置位置は、イン
クタンクAのインク供給口A1とインク収容タンク20
のインク取出し口20aの高低差がhで、インク取出し
口20aの位置がインク供給口A1のそれよりも高い方
が好ましく、通常このhは、注入時間の短縮および装置
の大型化の防止という理由で100mm〜1000mm
の範囲が好ましい。なお、配管2とダイアフラム式三方
切換弁12の圧力損失は50〜950mmH2 Oになる
ようにそれぞれのサイズが設定されている。ノズル口1
2aの内径は1〜5mmφに設計され、インクタンクA
との接触部分であるノズル口12aの外面の一部位をゴ
ム等のシール材でライニングするとよい。本実施例で
は、硬度60°〜90°のNBR12gがライニングさ
れており、気密性および耐久性において好適であった。
【0017】一方、液位計14を有する中空円柱形のク
ッションタンク13は、配管3を介してダイアフラム式
三方切換弁12の第1の接続口12bに接続されてお
り、さらに配管4、窒素冷却器15、配管5、二方切換
弁17および配管6を介して真空ポンプ16の吸入口1
6aに接続されている。またヘッドBの吐出口に接続さ
れる予備注入スペース形成部材27には圧力センサ27
aが設けられており、圧力センサ27aによりインクタ
ンクA内の圧力を検出かつ表示でき、インクタンクAの
ひび割れ等の損傷によるリークを検知できる。なお、配
管3,4,5,6により第1の配管系が構成され、真空
ポンプ16の排出口16bは配管7を介して外気に通じ
ている。
【0018】一方、第1および第2の保持タイマを有す
る制御部23は、予め所定の真空圧力値(ここでは10
Torr)が設定されており、圧力センサ27aで検出
されるインクタンクA内の圧力が設定された前記真空圧
力値に達すると、第1の保持タイマに設定された設定時
間(ここでは5秒)後、ソレノイド25bに通電してノ
ズル口12aと第2の接続口12cとを連通させるとと
もに、ノズル口12aと第1の接続口12bとを遮断さ
せる。ついで、制御部23は、第2の保持タイマに設定
された設定時間後、ソレノイド25bに通電してダイア
フラム式三方切換弁12を切換え、ノズル口12aと第
1の接続口12bとを連通させるとともに、ノズル口1
2aと第2の接続口12cとを遮断させる。この制御部
23にはブザー24等の報知手段が接続されており、制
御部23は、第1の保持タイマに設定された設定時間中
に圧力センサ19aで検出される圧力が所定の値を越え
るとブザー24を作動させることによりリークを検知で
きる。
【0019】なお、制御部は図3につき後述する処理手
順を実行するCPU、その処理手順に対応したプログラ
ムその他の固定データを格納するROM、および作業用
のRAM等を有し、ソレノイド25a,25b、ブザー
24の駆動を制御するほか、窒素冷却器15、ポンプ1
6,18および三方切換弁19等の駆動を制御する。
【0020】上述の窒素冷却器15は、真空ポンプ16
内の圧力が10Torr以上になると液体窒素が流れ、
配管4を通過後のインク蒸気を熱交換により液化し、液
化されたインクはクッションタンク13内に保持され
る。窒素冷却器15によるインク蒸気の捕採すなわち液
化は、インクの再利用の他、真空ポンプ16の保護およ
び安定化の機能も兼ねている。一方、クッションタンク
13の下部は、配管8、三方切換弁19および配管9を
介してインク収容タンク20の下部に接続されており、
この三方切換弁19はさらに配管10、液体ポンプであ
るインクポンプ18および配管11を介してインク収容
タンク20の上部に接続されている。このことにより、
インク収容タンク20内のインクCを配管9、三方切換
弁19、配管10、インクポンプ18および配管11を
介してインク中継トレイ21内に導くことができる。配
管11のインクポンプ18側とは反対側の端がインク中
継トレイ21に対向している。上述のインクポンプ18
は、後述するインク注入工程の際、常時作動され、イン
ク中継トレイ21内のインクのレベルが一定に保たれ
る。
【0021】図3を用いて、本実施例の動作について説
明する。
【0022】まず、インク充填に係るヘッドカートリッ
ジ(これは新たに製造されたものでもリサイクルされる
ものでもよい)が取付けられると(ステップS1)、ダ
イアフラム式三方切換弁12のノズル口12aを記録ヘ
ッドのインクカートリッジAに接続し吐出口押え26を
記録ヘッドBに接続する。インクタンクA内の圧力は大
気圧と等しくなっており、制御部23はソレノイド25
aに通電し、ノズル口12aと第1の接続口12bとが
連通した状態とする(ステップS3)。なお、このとき
ソレノイド25bは前回の充填処理終了時に通電が断た
れており、ノズル口12aと第2の接続口12cとは遮
断されている。
【0023】この後、真空ポンプ16およびインクポン
プ18を起動すると(ステップS5)、真空ポンプ16
によりインクタンクA内に存在しうる残留インク、吐出
口押え26に配設されている予備注入スペース形成部材
27内の前回の充填処理によって残留しているインクお
よび空気からなるインク蒸気がダイアフラム式三方切換
弁12および配管3を介してクッションタンク13内に
導かれ、インクタンクA内の圧力が減少する。このと
き、予備注入スペース形成部材27内に残っているイン
クが記録ヘッドBとインクタンクAとの接触部分にある
インク吸収体である発泡体に吸収され、次にインクタン
クAおよび記録ヘッドB内にインクを注入する動作が円
滑に行われる。この間、液体のインクがクッションタン
ク13内に保持され、クッションタンク13内のインク
蒸気は、配管4を介して窒素冷却器15を通過する際、
液体窒素との熱交換により液化され、液体のインクがク
ッションタンク13内に回収され、空気のみが配管5、
二方切換弁17、配管6、真空ポンプ16および配管7
を介して外気へ導かれる。さらに、クッションタンク1
3内のインクは、インクポンプ18により配管8、三方
切換弁19、配管10、インクポンプ18および配管1
1を介してインク中継トレイ21内に導かれ、過剰のイ
ンクは落下してインク収容タンク20内に保持される。
【0024】圧力センサ27aにて検出されるインクタ
ンクA内の圧力が制御部23に予め設定されている真空
圧力値に達したことが制御部23にて検出されると(ス
テップS7)、すなわちインクカートリッジA内が所定
の真空状態になったことを確認すると、ソレノイド25
aの通電を断ち、ノズル口12aと第1の接続口12b
とを閉鎖するとともに、ポンプ16の駆動を停止する
(ステップS9)。また制御部23は第1の保持タイマ
をスタートさせ(ステップS11)、その設定時間後
(ステップS13)に、ソレノイド25bに通電してダ
イアフラム式三方切換弁12を切換えてノズル口12a
と第2の接続口12cとを通電させるとともに(ステッ
プS17)、第2の保持タイマをスタートさせる(ステ
ップS19)。すると、インクタンクA内の圧力とイン
ク収容タンク20内の圧力(常圧)との差による真空吸
引によりインク中継トレイ21内のインクは配管2およ
び三方切換弁12を介してインクタンクA内に供給さ
れ、発泡体中に吸収されるとともに、記録ヘッドB内に
インクが充填され、さらには予備注入スペース形成部材
27にもインクが至る。
【0025】なお、第1の保持タイマに設定された設定
時間中、万が一圧力センサ27aで検出される圧力が所
定の値を越えると(ステップS15)、すなわち真空も
れ(リーク)があると、制御部23はブザー24を作動
させるので(ステップS29)、ブザー24からアラー
ムが発生し、インクタンクAおよび記録ヘッドBとの結
合部等からのリークを検知できる。こののち、第2の保
持タイマに設定された設定時間後(ステップS21)、
制御部23はソレノイド25bの通電を断ってダイアフ
ラム式三方切換弁12を切換え、ノズル口12aと第2
の接続口12cとを遮断させる。インクタンクA内に注
入されるインク量は、制御部23に設定された設定圧力
すなわち真空圧力値と第2の保持タイマの設定時間との
双方により調節することができる。この後、インクポン
プ18を停止させ(ステップS25)、またダイアフラ
ム式三方切換弁12のノズル口12aをヘッドカートリ
ッジAから取外す(ステップS27)。
【0026】本実施例のインク注入装置によりインクが
注入されたヘッドカートリッジは、発泡体中および記録
ヘッド内部に気泡が存在しないので、そのヘッドカート
リッジを使用するとインク不吐出の発生が著しく減少
し、回復動作の回数も減ることになる。
【0027】上記実施例においては、ダイアフラム式弁
とソレノイドの組合せを用い、自動によるシステムを示
したがこれに限らず、手動の三方切換弁を用い、また制
御部およびブザーを設けずに、手動によるシステムを採
用してもよい。
【0028】また、リークが甚しく、所定の真空圧力に
至らないことを考慮して、ステップS7の処理に関連し
てタイマを設け、所定時間経過しても所定の真空圧が得
られない場合にはステップS29に移行するようにして
もよい。
【0029】また、上記実施例においては、1個のヘッ
ドカートリッジにインクを注入する装置を示したが、こ
れに限られない。すなわち、大きい能力を有する真空ポ
ンプ使用し、配管2,3、三方切換弁12の個数を複数
のヘッドカートリッジの個数に応じて増加させ、前記複
数のヘッドカートリッジにインクを同時に注入するもの
でもよい。このとき、各ヘッドカートリッジに対応する
各配管のコンダクタンスにばらつきがないようにすると
よい。
【0030】クッションタンク13の容量は、インクタ
ンクAの容量の5〜50倍の範囲が好ましく、内径対高
さの比は、配管4,5へのインク水分の流出防止という
理由により1:2〜1:5の範囲が好ましい。
【0031】真空ポンプ16は、回転式、往復式および
遠心式のいずれの形式のものでもよい。
【0032】予備注入スペースの容量は記録ヘッド内の
壁面に空気泡が残らないようにインクで洗い流すためプ
リントヘッド内体積の0.5〜3倍位の範囲が好まし
い。
【0033】さらに、上記実施例において、制御部23
に設定された真空圧力値は10Torrであったが、こ
れに限らず、0.1〜50Torrの範囲であればよ
い。
【0034】本実施例において、発泡体として2種のも
のを用いた場合のそれぞれの実施データが表1および表
2に示されており、数時間であった従来の注入時間と比
較して、本実施例では注入工程に要した時間が9秒ある
いは15秒と著しく短くなっており、量産性に優れてい
る。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】また記録ヘッドに予備注入スペースを取付
けて注入したものは従来の注入方法と比較して空気溜り
による回復のインターバルが3日以内から7日以上に延
びた。
【0038】またインクタンクAに注入可能なインク重
量の99%以上の重量レベルのインクを注入できて注入
量が増加し、同一の印字枚数に対してインクカートリッ
ジAを小型にすることができる。なお、表1における注
入工程に要した時間は、インクカートリッジAの真空工
程に要した時間とインクカートリッジAのインク充填工
程に要した時間とを加算したものである。
【0039】図4は記録ヘッドと上記インクタンクとを
一体に構成した本発明が適用可能な記録ヘッドカートリ
ッジの一構成例を示す。本例に係るカートリッジは、イ
ンクタンクユニットIT(インクタンクA)とヘッドユ
ニットIJU(記録ヘッドB)とを一体に有しており、
またこれらは互いに着脱できるようになっている。ヘッ
ドユニットのインク吐出部101を駆動するための信号
等を受容するとともにインク残量検知信号の出力を行う
ための配線コネクタ102は、ヘッドユニットIJUお
よびインクタンクユニットITに並ぶ位置に設けてあ
る。従って、このカートリッジを後述のキャリッジに装
填した際にとる姿勢において、その高さHを低くするこ
とができるとともに、カートリッジの厚みを薄形化する
ことができる。これにより図6につき後述するようにカ
ートリッジを並べて配置するときにキャリッジを小さく
構成することが可能である。ヘッドカートリッジのキャ
リッジへの装着にあたっては、吐出部101を下側にし
た状態でインクタンクユニットITに設けたつまみ20
1を把持してキャリッジ上に配置することができる。こ
のつまみ201は、カートリッジの装着動作を行うため
の後述のキャリッジに設けたレバーに係合する。そし
て、その装着時にはキャリッジ側に設けたピンがヘッド
ユニットIJUのピン係合部103に係合し、ヘッドユ
ニットIJUの位置決めがなされる。
【0040】本例に係るヘッドカートリッジには、イン
ク吐出部101の表面をワイピングしてこれを清掃する
インクジェット記録装置本体側の部材をクリーニングす
るための吸収体104が、インク吐出部101に並置さ
れている。また、インク消費に伴って空気を導入する大
気連通口203が、インクタンクユニットITのほぼ中
央に設けられている。
【0041】図5は図4に示したヘッドカートリッジの
分解斜視図である。本例に係るヘッドカートリッジは、
ヘッドユニットIJUとインクタンクユニットITとか
ら成っており、これらユニットの詳細な構成について、
本図等を用いて説明する。
【0042】ヘッドユニットIJUの構成部品の実装の
基準となるのは、Al等で形成したベースプレート11
1であり、その上にインク吐出に利用されるエネルギを
発生するための素子群を形成した基板112と、素子に
電力を供給するための配線等を有したプリント回路基板
(PCB)115とが実装されており、これらはワイヤ
ボンディング等によって接続されている。基板112に
は、前記素子として、通電に応じてインクに膜沸騰を生
じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換素子が設けら
れている。そして以下ではこの基板112をヒータボー
ドと称する。
【0043】上述した配線コネクタ102はPCB11
5の一部をなすものであり、不図示の制御回路からの駆
動信号は配線コネクタ102に受容され、PCB115
を介してヒータボード112に供給される。PCB11
5は、本例では両面配線基板であって、さらにヘッド固
有の情報、例えば電気熱変換素子の適切な駆動条件,I
D番号,インク色情報,駆動条件補正用データ(ヘッド
シェーディング(HS)データ),PWM制御条件等を
記憶したROM形態のIC128およびコンデンサ12
9が配設されている。
【0044】図示のように、IC128およびコンデン
サ129は、PCB115のベースプレート111との
接合面側に、かつベースプレート111の切欠き部11
1Aに対応した位置に配置されている。これによって、
IC等の装着時の高さがベースプレート111の厚み以
下であれば、PCB115とベースプレート111との
接合時にIC等が表面より突出することがない。従っ
て、製造工程においてそれらの突出に対応した収納態様
を考慮する必要がなくなる。
【0045】ヒータボード112上には、インクタンク
ユニットIT側より供給されるインクを一時貯留する共
通液室、および該液室と吐出口とを連通する液路群を形
成するための凹部を有する天板113が配置される。ま
た、この天板113には、インク吐出口を形成した吐出
口形成部材(オリフィスプレート)113Aが一体に形
成されている。114は天板113とヒータボード11
2とを密着させることによって吐出部101を構成する
ための押えばねである。
【0046】116はヘッドユニットカバーであり、イ
ンクタンクユニットIT内に進入するインク供給管部1
16A,これと天板側インク導入管部とのインク連通を
行うためのインク流路116B,ベースプレート111
への3点位置決めないし固定用の3本のピン116C,
ピン係合部103,吸収体104の取付け部およびその
他必要な部分を一体にモールド成型してなる部材であ
る。インク流路116Bに対しては、流路蓋117が配
置される。また、インク供給管116Aの先端には、気
泡,塵埃除去用のフィルタ118が配設されるととも
に、結合部からのインク漏洩防止用のOリングが配設さ
れている。
【0047】以上のヘッドユニットを組立てるにあたっ
ては、ベースプレートに突設したピン111PがPCB
115に設けた貫通孔115Pに挿通されるようにして
位置決めし、接着等により両者を固定する。この両者の
固定にあたっては精度はそれ程要求されない。ベースプ
レート111に対して精度高く装着されるべきヒータボ
ード112はPCB115とは別体に固定されるからで
ある。
【0048】次に、ヒータボード112をベースプレー
ト111上に精度よく配置・固定し、PCB115との
間で必要な電気的接続を行う。そして天板113および
ばね114の配設を行い、必要に応じて接着・封止を行
った後、カバーに突設した3本のピン116Cをベース
プレート111の孔111Cに挿通して位置決めを行
う。その後、これら3本のピン116Cを熱融着するこ
とにより、ヘッドユニットが完成する。
【0049】図5において、211はインクタンクユニ
ットの本体をなすインク容器、215はインクを含浸さ
せるためのインク吸収体、216はインクタンク蓋、2
12はインク残量検知用の電極ピン、213および21
4はピン212に関する接点部材である。
【0050】インク容器211は、概ね、ピン212,
接点部材213,214の取付けおよび上述したヘッド
ユニットIJUの装着を行うための部分220、インク
供給管部116Aの進入を受容する供給口231、並び
につまみ201を一体に有するとともに、図4中底面側
よりそのほぼ中央に立設した中空の筒状部233を有し
ている。かかるインク容器は、樹脂の一体成型により形
成することができる。
【0051】筒状部233の底面側は、インク充填工程
を考慮して開放されており、ヘッドユニットIJUとイ
ンクタンクITとの結合後の前記注入装置によるインク
充填後には、図5に示すキャップ217が取付けられて
大気に対し閉塞される。一方、図5中その上端面には、
渦状もしくは蛇行形状とした溝235が設けられ(図示
の例では渦状)、その溝の一端235A(図示の例では
渦状溝の中心)において筒状部233の内部空間に通じ
る開孔が設けられている。また、その溝の他端235B
は、タンク蓋216に設けられた大気連通口203の部
位に位置している。
【0052】筒状部233の側面には、等角度をもって
複数本(図示の例では4本)の溝237が設けられてお
り、筒状部233の内部空間と連通している。これによ
り、インクタンクユニット内部と大気との連通は、大気
連通口203,渦状溝233,筒状部233の内部空
間,溝237を介してのものとなる。そして、筒状部2
33の内部空間は、振動や揺動によるインク漏洩を防止
するためのバッファ部として機能する。また、大気連通
口203に至る経路を長くする渦状溝233が存在する
ため、インク漏洩は一層有効に防止されることになる。
【0053】また、本例のようにインクタンクのほぼ中
央に位置する筒状部233の側面に、等角度をもって複
数の溝237を設けたことによって、その周囲に位置す
る吸収体215に対し、均一化された大気とのバランス
状態を確保し、吸収体内のインクの局部集中を防止でき
る。これは、後述する吸収体圧縮域(供給口231の周
辺)に対して円滑なインクの供給性をも確保できるもの
である。
【0054】なお、この溝237は、容器の厚みの中心
よりも下方にまで延在し、かつ供給口231の存在する
範囲Aを完全に包含する範囲にわたって設けられる。ま
た、残量検知用ピン212の位置をも考慮した範囲に形
成されており、これによりピンの存在部位周囲に均等な
インク存在状態もしくは大気連通状態を確保し、残量検
知の精度を向上することができる。
【0055】本例に係るインク含浸用吸収体215に
は、筒状部233の挿通を受容する穴215Aが設けら
れている。この穴215Aに筒状部233を位置するよ
うにしたことによって、吸収体215は筒状部233に
圧縮されることなく、負圧の高いその圧縮部分にインク
残留が生じることもない。一方、本例に係る吸収体21
5は、インクタンク蓋216とインク容器211とによ
り形成される空間の形状(図5中一点鎖線で示す)に対
し、供給口231に位置する部位がやや膨らんだ形状と
なっている。これにより、吸収体215をインクタンク
ユニット内に収納したときに、その膨らんだ部分が圧縮
された状態となるので、吸収体215はその部分におい
て負圧が高くなり、従って、インクを円滑に供給口23
1側へ導入できることになる。
【0056】図6は上記記録ヘッドカートリッジを用い
たインクジェット記録装置の概略斜視図を示す。この装
置は上述のように交換可能なインクタンク一体型の記録
ヘッドカートリッジを黒(Bk) ,シアン(C),マゼ
ンタ(M),イエロー(Y)4色のインクに対応して備
えたフルカラーシリアルタイプのプリンタである。本プ
リンタに使用したヘッドは、解像度400dpi,駆動
周波数4KHzで、128個の吐出口を有している。
【0057】図5において、IJCはY,M,C,Bk
の各インクに対応した4個の記録ヘッドカートリッジで
あり、記録ヘッドとこれにインクを供給するインクを貯
留したインクタンクとが一体に形成されている。各記録
ヘッドカートリッジIJCはキャリッジに対して不図示
の構成によって着脱自在に装着される。キャリッジ82
は、ガイド軸811に沿って摺動可能に係合し、また、
不図示の主走査モータによって移動する駆動ベルト85
2の一部と接続する。これにより、記録ヘッドカートリ
ッジIJCはガイド軸811に沿った走査のための移動
が可能となる。815,816および817,818は
記録ヘッドカートリッジIJCの走査による記録領域の
図中奥側および手前側においてガイド軸811とほぼ平
行に延在する搬送ローラである。搬送ローラ815,8
16および817,818は不図示の副走査モータによ
って駆動され記録媒体Pを搬送する。この搬送される記
録媒体Pは記録ヘッドカートリッジIJCの吐出口面が
配設された面に対向し記録面を構成する。
【0058】記録ヘッドカートリッジIJCによる記録
領域に隣接するカートリッジIJCの移動可能な領域に
臨んで回復系ユニットが設けられる。回復系ユニットに
おいて、8300は記録ヘッドを有する複数のカートリ
ッジIJCにそれぞれ対応して設けたキャップユニット
であり、キャリッジ82の移動に伴なって図中左右方向
にスライド可能であるとともに、上下方向に昇降可能で
ある。そしてキャリッジ82がホームポジションにある
ときには、記録ヘッド部と接合してこれをキャッピング
する。また、回復系ユニットにおいて、8401は、ワ
イピング部材としてのブレードである。
【0059】さらに、8500はキャップユニット83
00を介して記録ヘッドの吐出口およびその近傍からイ
ンク等を吸収するためのポンプユニットである。
【0060】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0061】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0062】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0063】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0064】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッドカートリッ
ジ、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との
電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能にな
る交換自在のチップタイプの記録ヘッドカートリッジを
用いた場合にも本発明は有効である。
【0065】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0066】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0067】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。この場合には図1のような注
入装置にさらに加熱手段等を設けたり、注入装置自体を
高温雰囲気下におく加熱室に収容すればよい。また、か
かるインクは、特開昭54−56847号公報あるいは
特開昭60−71260号公報に記載されるような、多
孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として保
持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような
形態としてもよい。本発明においては、上述した各イン
クに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実
行するものである。
【0068】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0069】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおり構成され
ているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0070】真空吸引により発泡体中の気泡を予め除去
したのち、インクカートリッジ内にインクを供給して発
泡体にインクを吸収させることにより、インク注入工程
に要する時間が著しく短くなって量産性に優れる。また
回復動作の頻度が少なくなってインクの浪費も少なくな
り、さらには発泡体中および記録ヘッド内や記録ヘッド
とインクタンクとの結合部等、従来インクタンクにイン
クを注入した後に記録ヘッド結合させることによって発
生していた気泡が存在しないので、その分インクをヘッ
ドカートリッジに多量に注入でき、この結果、同容量の
ヘッドカートリッジに対して記録可能量が増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明インク注入装置の一実施例の構成図であ
る。
【図2】(a)および(b)はそれぞれ図1の実施例に
おいて用いたダイアフラム式三方切換弁の縦断面図およ
び横断面図である。
【図3】図1の装置によるインク注入処理手順の一例を
示すフローチャートである。
【図4】上記実施例の注入システムによってインクが注
入されるインクタンクを具えた記録ヘッドカートリッジ
の斜視図である。
【図5】上記記録ヘッドカートリッジの分解斜視図であ
る。
【図6】上記記録ヘッドカートリッジを装着したインク
ジェット記録装置の斜視図である。
【符号の説明】
A インクタンク A1 インク供給口 B 記録ヘッド C インク 2,3,4,5,6,7,8,9,10,11 配管 12 ダイアフラム式三方切換弁 12a ノズル口 12b,12c 接続口 12d,12e ダイアフラム 12f ハウジング 12g NBR 13 クッションタンク 14,22 液位計 15 窒素冷却器 16 真空ポンプ 16a 吸入口 16b 排出口 17 二方切換弁 18 インクポンプ 19 三方切換弁 19a 圧力センサ 20 インク収容タンク 20a インク取出し口 21 インク中継トレイ 23 制御部 24 ブザー 25a,25b ソレノイド 26 吐出口押え 27 予備注入スペース 28 圧力ゲージ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するための吐出口を有した
    記録ヘッドと該記録ヘッドに供給すべきインクを収納す
    るためのインクタンクとを結合し、これらの内部を真空
    状態とした後に、インクを注入することを特徴とするイ
    ンク注入方法。
  2. 【請求項2】 前記インクタンクは内部にインクを含浸
    するための吸収部材を有するものであることを特徴とす
    る請求項1記載のインク注入方法。
  3. 【請求項3】 前記記録ヘッドと前記インクタンクとは
    一体に結合されてインクジェット記録装置に搭載される
    カートリッジの形態を有するものであることを特徴とす
    る請求項1または2記載のインク注入方法。
  4. 【請求項4】 前記記録ヘッドは、インクを吐出するた
    めに利用されるエネルギとしてインクに膜沸騰を生じさ
    せる熱エネルギ発生する素子を有するものであることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のインク
    注入方法。
  5. 【請求項5】 インクを吐出するための吐出口を有した
    記録ヘッドと該記録ヘッドに供給すべきインクを収納す
    るためのインクタンクとの結合体に対してインクを注入
    する装置であって、 前記結合体に対し注入すべきインクを収容したインク収
    容部材と、 前記結合体の内部を排気して真空状態とするために用い
    られる真空ポンプと、 前記真空ポンプに接続された第1接続部材と、 前記インク収容部材に接続された第2接続部材と、 前記インクタンクに接続されるタンク接続部材と、 該タンク接続部材と前記第1接続部材または前記第2接
    続部材との切換え接続を行わせる切換え手段と、 前記記録ヘッドの前記吐出口周辺を覆い、その内部にス
    ペースを形成する部材とを具えたことを特徴とするイン
    ク注入装置。
  6. 【請求項6】 前記切換え手段は三方切換弁の形態を有
    することを特徴とする請求項5記載のインク注入装置。
  7. 【請求項7】 前記第1接続部材と前記真空ポンプとの
    間に設けられてインクを貯留するための貯留手段と、当
    該貯留されたインクを前記インク収容部材に移送するた
    めの移送手段とをさらに具えたことを特徴とする請求項
    5または6記載のインク注入装置。
  8. 【請求項8】 前記貯留手段は前記真空ポンプによって
    吸引されてくるインク蒸気を液化する手段を有すること
    を特徴とする請求項7記載のインク注入装置。
  9. 【請求項9】前記記録ヘッドと前記インクタンクとは一
    体に結合されてインクジェット記録装置に搭載されるカ
    ートリッジの形態を有するものであることを特徴とする
    請求項5ないし8のいずれかに記載のインク注入装置。
  10. 【請求項10】 前記記録ヘッドは、インクを吐出する
    ために利用されるエネルギとしてインクに膜沸騰を生じ
    させる熱エネルギ発生する素子を有するものであること
    を特徴とする請求項5ないし9のいずれかに記載のイン
    ク注入装置。
JP4147299A 1992-06-08 1992-06-08 インク注入方法およびその装置 Pending JPH05338196A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4147299A JPH05338196A (ja) 1992-06-08 1992-06-08 インク注入方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4147299A JPH05338196A (ja) 1992-06-08 1992-06-08 インク注入方法およびその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05338196A true JPH05338196A (ja) 1993-12-21

Family

ID=15427064

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4147299A Pending JPH05338196A (ja) 1992-06-08 1992-06-08 インク注入方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05338196A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998040216A1 (fr) * 1997-03-12 1998-09-17 Copyer Co., Ltd. Appareil d'alimentation d'encre et procede de remplissage d'encre
EP0906830A2 (en) * 1997-07-30 1999-04-07 Canon Kabushiki Kaisha Method for filling liquid into liquid container with liquid chamber, and liquid filling apparatus
US6302516B1 (en) * 1997-01-14 2001-10-16 Markem Corporation Ink supply system for ink jet printhead
JP2007044646A (ja) * 2005-08-11 2007-02-22 Canon Inc 液体塗布装置およびインクジェット記録装置
JP2010214968A (ja) * 2010-07-06 2010-09-30 Seiko Epson Corp 液体噴射装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6302516B1 (en) * 1997-01-14 2001-10-16 Markem Corporation Ink supply system for ink jet printhead
WO1998040216A1 (fr) * 1997-03-12 1998-09-17 Copyer Co., Ltd. Appareil d'alimentation d'encre et procede de remplissage d'encre
US6409322B1 (en) 1997-03-12 2002-06-25 Copyer Co., Ltd. Ink supply apparatus and ink filling method
US6460983B2 (en) 1997-03-12 2002-10-08 Copyer Co., Ltd. Ink supply device and ink filling method
US6471344B2 (en) 1997-03-12 2002-10-29 Copyer Co., Ltd. Ink supply device and ink filling method
EP0906830A2 (en) * 1997-07-30 1999-04-07 Canon Kabushiki Kaisha Method for filling liquid into liquid container with liquid chamber, and liquid filling apparatus
EP0906830A3 (en) * 1997-07-30 1999-06-23 Canon Kabushiki Kaisha Method for filling liquid into liquid container with liquid chamber, and liquid filling apparatus
US6058984A (en) * 1997-07-30 2000-05-09 Canon Kabushiki Kaisha Method for filling liquid into liquid container with liquid chamber, and liquid filling apparatus
JP2007044646A (ja) * 2005-08-11 2007-02-22 Canon Inc 液体塗布装置およびインクジェット記録装置
JP4508978B2 (ja) * 2005-08-11 2010-07-21 キヤノン株式会社 液体塗布装置およびインクジェット記録装置
JP2010214968A (ja) * 2010-07-06 2010-09-30 Seiko Epson Corp 液体噴射装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1404524B1 (en) Ink jet printer
JP3658373B2 (ja) 液体貯蔵容器、インクジェットカートリッジ、および、インクジェット記録装置
KR100486804B1 (ko) 잉크 제트 인쇄 장치 및 잉크 공급 방법
GB2273684A (en) Replenishing ink-jet cartridges with ink.
JP2000334976A (ja) インクジェット記録装置、インク供給装置、およびインク供給方法
JP3713960B2 (ja) インクジェット記録装置
JPH11320901A (ja) インクジェット記録装置
JPH05338196A (ja) インク注入方法およびその装置
JP2000301732A (ja) インクジェット記録装置
JP2000158666A (ja) インクジェット式記録装置
JPH04235058A (ja) インクジェット記録装置
JP4164319B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3164592B2 (ja) 液体注入システム、液体注入方法および記録用液体タンク
JPH10128999A (ja) インクジェット装置
JP3199466B2 (ja) インクジェット記録装置
JPH11348302A (ja) インクジェット記録装置
JP2003182109A (ja) 液体給排機構および画像形成装置
JPH0725021A (ja) 記録ヘッドカートリッジ
US6209982B1 (en) Ink jet recording device capable of reliably discharging air bubble during purging operations
JP3248544B2 (ja) インクジェット記録装置
JPH06963A (ja) インクジェット記録装置
JP2006103056A (ja) 記録装置とインク供給方法
JP2004255638A (ja) インクジェット記録装置
JP3006958B2 (ja) インクジェット記録装置および記録ヘッド
JPH04344258A (ja) インクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees