JP4384086B2 - 液体塗布装置およびインクジェット記録装置 - Google Patents

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本発明は、液体塗布装置およびインクジェット記録装置に関し、詳しくは、顔料を色材とするインクで記録した際に顔料の凝集を早めるなど所定の目的で媒体に液体を塗布する液体塗布装置およびインクジェット記録装置に関するものである。
広く媒体に液体もしくは液状の材料を塗布する方式として、スピンコータ、ロールコータ、バーコータ、ダイコータが知られている。これらの塗布方式は、比較的長い塗布媒体に塗布を連続的に行うことを前提としたものである。このため、例えば、比較的小さなサイズの塗布媒体が断続的に搬送されてこれらに塗布を行う場合には、塗布媒体ごとに、その塗布開始や終了の位置で塗料ビードが乱れるなどして均一な塗膜が得られなくなるなどの問題を生じることがある。
このような問題を解消可能な一構成として、特許文献1に記載されたものが知られている。この構成は、ダイコータ方式において、回転するロッドバーを用い、このロッドバーに対して吐出用スリットから塗料を吐出し、ロッドバー上に塗膜を形成する。そして、形成された塗膜はロッドバーの回転に伴い塗布媒体に接触して転写されるものである。ここで、ロッドバーに形成された塗膜を塗布媒体に転写、塗布しないときは、塗料はロッドバーの回転によりヘッド内に戻り回収用スリットを介して回収される。すなわち、非塗布時でもロッドバーは回転し続け、その際、塗料はロッドバーに塗膜を形成した状態にある。これにより、塗布媒体が断続的に供給されそれらに断続的に塗布を行う場合でも、均一な塗膜を得ることを可能としている。
インクジェット記録装置の分野においても液体塗布機構を用いたものが知られている。特許文献2には、ローラと接するドクターブレードを用い、このブレードとローラとの間にコーティング液を溜めるようにし、ローラの回転に伴ってこのローラにコーティング液が付与されることが記載されている。そして、このローラの回転に伴い、これと他のローラとの間を搬送される支持体に対し付与されているコーティング液が転写、塗布される。特許文献3にも、同様に、インクジェット記録装置において、染料を不溶化する処理液を記録の前に予め塗布する機構が示されている。この文献の実施例1には、補充タンクに在る処理液が、回転するローラに付着することによって汲み出され同時にその汲み出した処理液が記録紙に塗布されることが記載されている。
しかしながら、以上の特許文献1ないし3に記載の構成は、いずれも、ロッドバーないしローラが回転しつつそのバーないしローラの表面に塗布液が付与もしくは供給されるが、その付与もしくは供給する部分が大気に開放されあるいは連通した部分である。このため、塗布液の蒸発などが問題となる。また、装置の姿勢が変わったときに、それによって塗布液が漏れるなどの問題を生じるおそれがある。
特に、プリンタなどのインクジェット記録装置では、運搬時の姿勢変化による液体の漏れなどを考慮すると、小型化された装置には上記各文献に記載の塗布機構を適用し難い。
これに対し、塗布液としてのインクをローラに付与ないし供給する部分をシールする構成が、特許文献4に開示されている。同文献に記載の塗布機構は、グラビア印刷装置において印刷版のパターンが表面に形成されたローラにインクを塗布する機構である。ここでは、ローラの周面に沿った上下2ヶ所に対応した位置で、ローラの長手方向に延在するドクターブレードと、この2つのドクターブレードの両側部にそれぞれ設けられた弾性部材と、を有したインクチャンバーを用いたものである。このチャンバーをローラの周面に当接させることにより、ローラとの間で液室を形成する。そして、ローラが回転することにより、この液室の塗布液がローラに付与ないし供給されるものである。
特開2001−70858号公報 特表2002−517341号公報 特開平08−72227号公報 特開平08−58069号公報
このように、特許文献4では、液室を形成するためにチャンバーをローラの周面に当接しているが、この当接圧に応じて、上記チャンバーとローラとの当接領域に摩擦力が発生する。液室のシール性を向上させるためには、上記当接圧を大きくすることが好ましいが、当接圧の増加に伴い、上記摩擦力も大きくなる。このように、上記ローラの回転起動時に摩擦力が大きくなると、該摩擦力の分だけ、ローラを回転する際に必要なエネルギーが増大してしまう。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ローラの回転起動時に生じる弾性部材とローラとの間の摩擦を軽減することが可能な液体塗布装置および記録装置を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、液体塗布装置であって、媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記塗布部材と前記保持部材との当接によって形成される液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、前記液体塗布手段により行われる前記塗布部材の回転の前に、前記塗布部材と前記保持部材とが接する領域の少なくとも一部分に、前記液体を介在させる液体介在手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、塗布動作を実行するための塗布部材の回転起動前に、塗布部材と保持部材との接する領域の少なくとも一部分に液体を潤滑材として介在させることができるため、回転起動時に塗布部材の塗布面と保持部材との間に生じる摩擦力を軽減することができ、小電力で回転起動を行うことができる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の液体塗布装置100に係る実施形態の全体構成を示す斜視図である。ここに示す液体塗布装置100は、概略、塗布媒体に対し所定の塗布液を塗布する液体塗布手段と、この液体塗布手段に塗布液を供給する液体供給手段を有して構成されている。
液体塗布手段は、円筒状の塗布ローラ1001、この塗布ローラ1001に対向して配置された円筒状のカウンターローラ(媒体支持部材)1002、および塗布ローラ1001を駆動するローラ駆動機構1003などを有する。このローラ駆動機構1003は、ローラ駆動モータ1004と、このローラ駆動モータ1004の駆動力を塗布ローラ1001に伝達するギアトレインなどを有する動力伝達機構1005とによって構成されている。
また、液体供給手段は、塗布ローラ1001の周面との間で塗布液を保持する液体保持部材2001、およびこの液体保持部材2001に液体を供給する後述の液体流路3000(図1では不図示)などを有して構成される。塗布ローラ1001およびカウンターローラ1002は、それぞれ、それらの両端が不図示のフレームに対して回動自在に取り付けられた、互いに平行な軸によって回動自在に支持されている。また、液体保持部材2001は、塗布ローラ1001の長手方向のほぼ全体にわたって延在するものであり、塗布ローラ1001の周面に対して接離動作を可能とする機構を介して上記のフレームに移動可能に取り付けられている。
本実施形態の液体塗布装置は、さらに、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002とのニップ部に塗布媒体を搬送するための、ピックアップローラなどからなる塗布媒体供給機構1006を備える。また、この塗布媒体の搬送路において、塗布ローラ1001およびカウンターローラ1002の後流側には、塗布液が塗布された塗布媒体を排紙部(不図示)へ向けて搬送する、排紙ローラなどからなる排紙機構1007が設けられる。これらの給紙機構や排紙機構も、塗布ローラなどと同様、動力伝達機構1005を介して伝えられる駆動モータ1004の駆動力によって動作する。
なお、本実施形態で使用する塗布液の成分の一例を以下に記述する。
グリセリン 50%
界面活性剤 1%
水 残量
また、前記塗布液の粘度は25℃で5〜6cP(センチポアズ)である。
なお、本発明の適用において塗布液は、上記のものに限られないことは勿論である。例えば、別の塗布液として、染料を不溶化あるいは凝集させる成分を含有する液体を用いることも可能である。また、別の塗布液として、塗布媒体のカール(媒体が湾曲形状となる現象)を抑制する成分を含有する液体を用いることも可能である。
塗布する液体に水を用いる場合、本発明の塗布ローラとの液体保持部材の当接部分での周動性は、表面張力を下げる成分を前記液体に含ませることで良好なものとなる。
上述の塗布する液体の成分の一例では、グリセリン及び界面活性剤が水の表面張力を下げる成分である。
次に、以上概略を説明した液体塗布装置を構成する各部の要素についてより詳細に説明する。
図2は、塗布ローラ1001、カウンターローラ1002および液体保持部材2001などの配置の一例を示す縦断側面図である。
カウンターローラ1002は、不図示の付勢手段によって塗布ローラ1001の周面に向けて付勢されている。塗布ローラ1001を図中、時計方向に回転させることにより、両ローラの間に塗布液を塗布すべき塗布媒体Pを挟持し得ると共に、塗布媒体Pを図中の矢印方向に搬送し得るようになっている。
また、液体保持部材2001は、バネ部材(押圧手段)2006の付勢力によって塗布ローラ1001の周面に対して付勢されて当接するとき、塗布ローラ1001による液体塗布領域全体に亘って延在する長尺な液体保持空間Sを形成するようになっている。この液体保持空間S内には、後述の液体供給経路3000から液体保持部材2001を介して塗布液が供給される。このとき、液体保持部材2001が以下のように構成されているため、塗布ローラ1001の停止状態において、液体保持空間Sから外方へ不用意に塗布液が漏出するのを防止することができる。
この液体保持部材2100の構成を、図3ないし図8に示す。
図3に示すように、液体保持部材2001は、空間形成基材2002と、この空間形成基材2002の一方の面に設けられた環状の当接部材2009とを有して構成されている。空間形成基材2002には、その中央部分における長手方向に沿って、底部の断面形が円弧状をなす凹部2003が形成される。そして、当接部材2009は、その直線部分がこの凹部2003の上縁部に沿って固着され、また、円周部分が上記上縁部から底部を経て反対側の上縁部に至るように固着される。これにより、液体保持部材2001の当接部材2009が塗布ローラ1001に当接したとき、塗布ローラの周面形状に沿った当接が可能となり、均一な圧力の当接を実現することができる。
なお、本実施形態では、当接部材2009の材質はNBR(二トリルブタジエンラバー)とし、その硬度は70度とする。また、当接部材2009の直径は3.5mmとする。
上記のようにこの実施形態における液体保持部材は、継ぎ目のない一体に形成された当接部材2009が、バネ部材2006の付勢力によって塗布ローラ1001の外周面に隙間なく連続した状態で当接する。その結果、液体保持空間Sは、この当接部材2009と、空間形成基材の一面と、塗布ローラ1001の外周面とによる実質的に閉塞した空間となり、この空間に塗布液が保持される。そして、塗布ローラ1001の回転が停止した状態では、当接部材2009と塗布ローラ1001の外周面とは液密状態を維持し、液体が外部へと漏出するのを確実に防止することができる。一方、塗布ローラ1001が回転するときは、後述されるように、塗布液は塗布ローラ1001の外周面と当接部材2009との間をすり抜けて、塗布ローラの外周面に層状に付着する。ここで、塗布ローラ1001の停止状態において、その外周面と当接部材2009とが密接状態にあるとは、上記のとおり、上記液体保持空間Sの内と外との間で液体を通さないことである。この場合、当接部材2009の当接状態としては、それが塗布ローラ1001の外周面に対し、直に接する状態の他、毛管力によって形成される液体の膜を解して上記外周面に当接する状態を含むものである。
また、当接部材2009の長手方向における左右両側部は、図3ないし図8に示すように、正面(図3)、平面(図6)および側面(図7、図8)のいずれの方向から見ても緩やかに湾曲する形状をなしている。このため、塗布ローラ1001に対し、比較的強い押圧力で当接部材2120を当接させても、当接部材2009の全体が略均一に弾性変形し、局所的に大きな歪みが生じることはない。このため、当接部材2009は図6ないし図8に示すように、隙間なく連続的に塗布ローラ1001の外周面に当接し、上記の実質的に閉塞した空間を形成することができる。
一方、空間形成基材2002には、図3ないし図5に示すように、当接部材2009に囲繞された領域内に、それぞれ空間形成基材2002を貫通する孔を有して構成される液体供給口2004および液体回収口2005が設けられている。これらは空間形成基材の背面側に突設された円筒状の連結部20041,20051にそれぞれ連通している。また、この連結部20041,20051は、後述の液体供給流路3000に連結されている。なお、この実施形態では、液体供給口2004が当接部材2009に囲繞された領域の一端部(図3では左端部)近傍に形成され、液体回収口2005が同領域の他端部(図3では右端部)近傍に設けられる。この液体供給口2004は、液体流路3000から供給される塗布液を前述の液体保持空間Sに供給し、液体回収口2005は液体保持空間S内の液体を液体流路3000へと流出させるためのものである。この液体の供給、流出を行うことにより、液体保持空間S内において、塗布液は上記の左端部から右端部へと流動する。
(塗布液流路)
図11は、前記塗布液供給手段の液体保持部材2001に連結される液体流路3000の概略構成を示す説明図である。
この液体流路3000は、液体保持部材2001を構成する空間形成基材2002の液体供給口2004と塗布液を貯蔵する貯蔵タンク3003とを連結する第1流路(供給流路)3001と、空間形成基材2002の液体回収口2005と前記貯蔵タンク3003とを連結する第2流路(回収流路)3002とを有する。この貯蔵タンク3003には、大気連通口3004が設けられている。この大気連通口には、大気との連通、遮断を切換える大気連通弁3005が設けられている。また、第1流路3001内には切換弁3006が設けられている。この切換弁3006によって第1流路3001と大気との連通、遮断が切換え可能となっている。さらに第2流路3002内には、本液体流路3000内で塗布液および空気を所望の方向へと強制的に流動させるためのポンプ3007が連結されている。
この実施形態において、第1流路3001および第2の流路3002は円管状のチューブによって形成されている。各チューブの端部に形成される開口部は、貯蔵タンク3003の底部もしくは底部に近い位置に配置され、貯蔵タンク3003内の塗布液を完全に消費し得るようになっている。
また、この実施形態における切換弁3006は、第1流路3001と大気との連通、遮断を切換え得るものであれば、種々のものが適用可能であるが、ここでは図11に示すような三方弁を使用している。この三方弁3006は、互いに連通する3つのポートを有し、このポートのうち2つのポートを、第1流路3001における貯蔵タンク側チューブ3011と、液体保持部材側チューブ3012と、大気連通口3013の中のいずれか二つに選択的に連通させ得るものとなっている。そして、この三方弁3006の切換えにより、チューブ3011とチューブ3012とを連通させる連結状態と、チューブ3012と大気連通口3013とを連通させる連結状態とが選択的に切り換えられ、これにより、液体保持部材2001と塗布ローラ1001とによって形成される液体保持空間Sに対し、貯蔵タンク3003内の塗布液あるいは大気連通口3013から取り込まれる空気の何れかを選択して供給することが可能となる。なお、三方弁3006の切換えは、後述の制御部4000からの制御信号によって行われ、塗布液の充填、供給などが行われる。
(制御系)
図12は、本実施形態の液体塗布装置における制御系の概略構成を示すブロック図である。
図において、4000は液体塗布装置全体を制御する制御手段としての制御部である。この制御部4000は、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行するCPU4001と、このCPU4001によって実行される、図13にて後述される処理などの制御プログラムなどを格納するROM4002と、CPU4001の処理動作中のデータや入力データなどを一時的に格納するRAM4003などを有する。
この制御部4000には、所定の指令あるいはデータなどを入力するキーボードあるいは各種スイッチなどを含む入力操作部4004、液体塗布装置の入力・設定状態などをはじめとする種々の表示を行う表示部4005、塗布媒体の位置や各部の動作状態などを検出するセンサなどを含む検出部4006、前記ローラ駆動モータ1004、ポンプ駆動モータ4009、大気連通弁3005および切換弁3006などがそれぞれ駆動回路4007,4008,4010,4011を介して接続されている。
(液体塗布動作シーケンス)
図13は、本実施形態の液体塗布装置の液体塗布に係わる処理手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照して、液体塗布にかかる各工程を説明する。すなわち、液体塗布装置に電源が投入されると、制御部4000は、図13に示すフローチャートに従って以下の塗布動作シーケンスを実行する。
充填工程
ステップS1では、前記塗布空間Sに対する塗布液の充填工程を実行する。この充填工程では、まず、貯蔵タンク3003の大気連通弁3005を大気に開放させると共に、ポンプ3007を一定時間駆動する。これにより、液体塗布空間Sおよび各流路3001,3002内に塗布液が充填されていない場合には、ポンプによって内部の空気が貯留部へと送られて大気へと排出されると共に各部に塗布液が充填される。また、既に各部に塗布液が充填されている場合には、各部の塗布液が流動して適正な濃度および粘度の塗布液が供給される。この初期動作によって、塗布ローラ1001に対し塗布液が供給された状態となり、塗布媒体への塗布が可能となる。
ここで、塗布開始指令が入力されると(ステップS2)、再びポンプ3007が作動を
開始すると共に(ステップS3)、後述する回転準備動作を行う(ステップS4)。
回転準備動作
以下に塗布工程における回転準備動作を説明する。
図14、図15、図16は、本実施形態に係る回転準備動作における、塗布ローラ1001の外周面(塗布面)と、当接部材2009の上縁部2010との間の領域である当接領域1401を表す概略図である。図14〜16では、塗布液Lを黒く塗りつぶしてある。
図14は、回転準備動作前の塗布ローラ1001と当接部材2009における上縁部2010の当接状態を示している。同図において、液体保持空間Sには塗布液が保持されているが、塗布ローラ1001と上縁部2010の当接領域1401には液体は介在しない。
図15は、回転準備動作として図15中の矢印方向Pに微小回転を行ったときの塗布ローラ1001と上縁部2010の当接状態を示している。回転準備動作において、ローラ駆動モータ1004が駆動することにより、矢印方向Pに塗布ローラ1001を微小回転させる。この塗布ローラ1001の微小回転を行ったことにより弾性部材で構成されている上縁部2010は歪み、塗布ローラ1001と上縁部2010との当接領域1401に微小な隙間が形成される。液体保持空間Sに保持されている塗布液は、毛管現象によりこの微小な隙間に充填される。
なお、本明細書において、「(塗布ローラ)を微小回転する」とは、液体保持空間Sに保持されている塗布液が、塗布ローラの回転により当接領域1401から液体保持空間Sの外へと擦り抜けない程度に、塗布ローラを回転することを指す。
また、本明細書において、「当接領域」とは、回転準備動作前において、塗布ローラの外周面と、当接部材とが接する領域を指す。よって、例えば図14においては、塗布ローラ1001と接する当接部材2009の部分は、上縁部2010および下縁部2011であるので、当接領域は、塗布ローラ1001と上縁部2010とが接する領域、および塗布ローラ1001と下縁部2011とが接する領域となる。
図16は、回転準備動作終了後の塗布ローラ1001と上縁部2010との当接状態を示している。上記塗布ローラ1001の回転を止めて微小回転を終了することにより、回転準備動作を終了する。この回転準備動作終了後は、上縁部2010の弾性力により塗布ローラ1001は、図15の矢印方向Pとは逆に回転し、上縁部2010の歪みは解消される。このとき、塗布ローラ1001と当接部材2009の上縁部2010の当接領域1401には塗布液が液膜1402として残存している。
若しくは、上縁部2010の弾性力による塗布ローラ1001の回転ではなく、上縁部2010が弾性力により塗布ローラ1001上を摺動し、歪みが解消され図16の状態になることもある。このときも、当接領域1401には、液膜1402が残存している。
以上のような回転準備動作により、塗布工程における塗布ローラ1001の回転動作において、当接領域1401に介在する塗布液により、当接領域に塗布液が介在しない場合より塗布ローラ1001の外周面と上縁部2010との摩擦力を小さくすることができる。よって、塗布ローラ1001を滑らかに回転させることができるので、小回転力で回転動作を行うことができる。
図14ないしは図15において、当接部材2009の上縁部2010について説明したが、当接部材2009の下縁部2011についても同様に当接領域に塗布液が液膜1402として残存する。また、本実施形態と逆回転の微小回転でも同様に当接領域1401に塗布液を液膜1402として残存する。
本実施形態では、微小回転による歪みを利用して、当接領域に隙間を形成することが目的である。塗布ローラまたは上縁部2010のいずれか一方が弾性体であれば、上記隙間は形成される。
なお、本明細書において、「回転準備動作」とは、塗布工程における塗布ローラ1001の回転の前に行う動作であって、塗布ローラ1001の回転起動時に、塗布ローラ1001と当接部材との間の当接領域に生じる摩擦力を小さくするための動作である。具体的には、回転準備動作前には液体が介在していなかった上記当接領域に液体を介在させる動作である。
本発明の一実施形態では、上記当接領域の全面に液体を介在させることが望ましいが、上記当接領域の少なくとも一部に液体を介在させても良い。すなわち、上記当接領域の少なくとも一部に液体を介在させさえすれば、その介在している液体が潤滑材として機能し、その介在している液体の分だけ、塗布ローラの外周面と、当接部材との間に生じる摩擦力を小さくすることができる。
塗布工程
再び図13のフローについて説明する。
回転準備動作終了後に塗布ローラ1001が図2の矢印に示すように、時計周りに回転を開始する(ステップS5)。この塗布ローラ1001の回転により、液体保持空間Sに充填された塗布液Lは、塗布ローラ1001に対する液体保持部材2001の当接部材2009の押圧力に抗して、塗布ローラ1001と当接部材2009の下縁部2011との間をすり抜け、塗布ローラ1001の外周に層状態となって付着する。塗布ローラ1001に付着した塗布液Lは、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002との当接部に送られる。
次いで、塗布媒体送給機構1006によって塗布ローラ1001とカウンターローラ1002との間に塗布媒体が搬送され、これらのローラの間に塗布媒体が挿入されるとともに、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002の回転に伴い排紙部へ向けて搬送される(ステップS6)。この搬送の間に、塗布ローラ1001の外周面に塗布された塗布液が、図9に示すように塗布ローラ1001から塗布媒体Pに転写される。なお、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002との間に塗布媒体を供給する手段としては、上記の送給機構に限られないことは勿論であり、例えば、所定のガイド部材を補助的に用いる手差しによる手段を併せて用いてもよく、また、手差し手段を単独で用いる構成など、どのような手段を用いてもよい。
図9において、交差する斜線で表現した部分が塗布液Lを示している。なお、ここでは、塗布ローラ1001および塗布媒体Pにおける塗布液の層の厚みは、塗布時における塗布液Lの様子を明確に図示する上で、実際の厚みよりもかなり過大に表している。
上記のようにして、塗布媒体Pの塗布された部分は塗布ローラ1001の搬送力により矢印方向に搬送されると共に、塗布媒体Pと塗布ローラ1001の接触部に塗布媒体Pの未塗布部分が搬送され、この動作を連続もしくは間欠的に行うことで塗布媒体全体に塗布液を塗布して行く。
ところで、図9においては、当接部材2009からすり抜けて塗布ローラ2001に付着した塗布液Lの全てが塗布媒体Pに転写された理想的な塗布状態を示しているが、実際には、塗布ローラ1001に付着した塗布液Lの全てが塗布媒体Pに転写されるとは限らない。つまり、搬送される塗布媒体Pが塗布ローラ1001から離間する際、塗布液Lは、塗布ローラ1001にも付着し、塗布ローラ1001に塗布液Lが残留することが多い。この塗布ローラ1001における塗布液Lの残留量は、塗布媒体Pの材質及び表面の微小な凹凸の状態によっても異なるが、塗布媒体Pが普通紙の場合、塗布動作後も塗布ローラ1001の周面には塗布液Lが残留する。
図23,図24,図25は、媒体Pが普通紙である場合における媒体の表面と塗布面での塗布過程を説明する説明図である。本図では液体を黒く塗りつぶしてある。
図23は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部より上流側での状態を示している。同図において塗布ローラ1001の塗布面には液体が塗布面の表面の微細な凹凸をわずかに被うように液体が付着している。
図24は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部での、媒体Pである普通紙の表面と塗布ローラ1001の塗布面の状態を示している。同図において媒体Pである普通紙の表面の凸部は塗布ローラ1001の塗布面と接触し、接触した部分より液体が瞬時に媒体Pである普通紙の表面の繊維に浸透ないし吸着する。また塗布ローラ1001の塗布面には普通紙の表面の凸部と接触しない部分に付着した液体が残留される。
図25は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部より下流側での状態を示している。同図は媒体と塗布ローラ1001の塗布面が完全に離脱した状態である。塗布ローラ1001の塗布面には普通紙の表面の凸部と接触しない部分に残留した液体と接触部における液体も極微量ながら塗布面に残留する。
この塗布ローラ1001に残留した塗布液は、塗布ローラ1001に対する液体保持部材2001の当接部材2009の押圧力に抗して、塗布ローラ1001と当接部材2009の上縁部2010との間をすり抜けて液体保持空間S内に戻り、同空間S内に充填されている塗布液と混合される。
また、この塗布液の戻し動作は、図10に示すように塗布媒体が存在しない状態で塗布ローラ1001を回転させた場合にも同様に行われる。すなわち、塗布ローラ1001を回転することで塗布ローラ1001の外周に付着した塗布液は、カウンターローラ1002と当接する部分(ニップ部)の間をすり抜ける。すり抜けた後は塗布ローラ1001側とカウンターローラ1002側とに塗布液が分離し、塗布ローラ1001に塗布液が残留する。そして、塗布ローラ1001側に付着した塗布液Lは当接部材2009の上縁部2010と塗布ローラ1001との間をすり抜けて液体保持空間S内に侵入し、同空間S内に充填されている塗布液に混合する。
終了工程
上記のようにして、塗布媒体への塗布動作が実行されると、次に塗布工程を終了して良いか否かの判断を行い(ステップS7)、塗布工程を終了しない場合は、ステップS6に戻り、塗布媒体の塗布が必要な部分全体に塗布工程を終了するまで塗布動作を繰り返す。塗布工程を終了すると、塗布ローラ1001を停止させ(ステップS8)、さらに、ポンプ3007の駆動を停止させる(ステップS9)。この後、ステップS2へ移行し、塗布開始指令が入力されていれば、前述のステップS2〜S9の動作を繰り返し、塗布開始指令が入力されていなければ、塗布空間Sおよび液体流路内の塗布液を回収する回収動作などの後処理を行い(ステップ10)、塗布にかかる処理を終了する。
なお、上記回収動作は、前記大気連通弁3005および切換弁3006を開放し、ポンプ3007を駆動することによって塗布液を塗布液保持空間Sおよび第2流路3002内の塗布液を液体貯留タンク3003へと流入させることによって行う。この回収動作を行うことにより、液体保持空間Sからの塗布液の蒸発を完全に防止ないし緩和することができる。また、回収動作後は大気連通弁3005を閉じ、切換弁3006を切換えて第1流路3001および大気連通口3013との連通を遮断することにより、貯蔵タンク3003を大気から遮断する。これにより、液体貯蔵タンク3003からの塗布液の蒸発を防止ないし緩和することができると共に、移動、運搬などにおいて装置の姿勢が傾いた場合にも塗布液が外部へ流出するのを完全に防止ないし緩和することができる。
以上のように、本実施形態における液体塗布装置では、液体保持空間Sに充填された塗布液は、液体保持空間Sから、塗布ローラ1001と上縁部2010(下縁部2011)との当接領域に層状に供給される。この塗布液の層の厚さ、すなわち当接領域への塗布液の供給量は、塗布液の粘度、塗布ローラ1001の外周面と塗布媒体との相対速度、および塗布ローラ1001の外周面に対する当接部材2009の押圧力などに依存する。本実施形態では、上記供給により、塗布液が層状に形成されなくても、当接領域の一部分に塗布液を介在させていても良い。
(第2の実施形態)
本実施形態は、回転準備動作において、当接領域にかかる当接圧を解除、または減少させることにより、塗布ローラと、当接部材の塗布ローラと当接する部分との間に、液体を介在させる。すなわち、第1の実施形態では、塗布ローラの微小回転により塗布ローラと当接部材の当接領域に液体を介在させたが、本実施形態では、当接部材の当接圧をさげる、または解除することにより当接部に液体を介在させる形態について説明する。
以下で、本実施形態に係る回転準備動作を説明する。
なお、図17〜19では、塗布液Lを交差する斜線で示している。
本実施形態では、空間形成基材2002の重力方向上方に当接圧解除部材2030が設置されている。当接圧解除部材2030は、円筒形の円周部2031に凸部2032が設けられている。また軸2033を中心に回転可能である。当接圧解除部材2030が矢印方向Qに回転すると、凸部2032が空間形成基材2002を当接方向逆側に付勢することになる。この付勢により、当接部材2009の上縁部2010の当接圧を解除、または減少させることができる。この凸部2032の材料は、空間形成基材2002を当接方向と逆方向に付勢できればよいので、剛体であっても弾性体であっても良い。
図17は、回転準備動作前の、塗布ローラ1001と当接部材2009との当接状態を示している。符号1701は、塗布ローラ1001の外周面(塗布面)と、当接部材2009の上縁部2010との間の当接領域を示す。同図において、液体保持空間Sの中に塗布液が保持されているが、塗布ローラ1001と当接部材2009の上縁部2010及び下縁部2011の当接領域には塗布液Lは介在しない。
図18は、回転準備動作として図中の矢印方向Qに当接圧解除部材2030が回転を行い、当接圧解除部材2030が空間形成部材2002を付勢している状態を示している。回転準備動作において、制御部4000に駆動回路を介して接続された当接圧解除部材駆動モータ(不図示)が駆動することにより、当接圧解除部材2030は、矢印方向Qに回転する。この回転により、凸部2032は、空間形成基材2002に当接し、空間形成基材2002に対して、バネ部材2006による塗布ローラ1001への当接方向とは逆方向に付勢する。このとき塗布ローラ1001と当接部材2009の上縁部2010との間(当接領域1701)に隙間が生じ、塗布液Lは毛管現象により隙間に充填される。
図19は、回転準備動作終了後の塗布ローラ1001と当接部材2009の当接状態を示している。同図において、当接圧解除部材2030は、図18よりさらに回転し、空間形成部材2002への付勢は解除される。そのため、当接部材2009の上縁部2010は、再び塗布ローラ1001に当接し、液体を保持する。しかしながら、回転準備動作後の塗布ローラ1001と当接部材2009の上縁部2010との当接領域1701には、塗布液Lが液膜1702として介在している。
以上のような回転準備動作により、塗布工程における塗布ローラ1001の回転動作において、当接領域1701に介在する塗布液により、当接領域に塗布液が介在しない場合より塗布ローラ1001の外周面と上縁部2010との摩擦力を小さくすることができる。よって、塗布ローラ1001を滑らかに回転させることができるので、小回転力で回転動作を行うことができる。
なお、本実施形態では、図17、図18、図19において、当接部材2009の上縁部2010の当接圧を解除、または減少させるべく当接圧解除部材2030を上縁部2010近傍に設置する場合について説明したが、これに限定されない。すなわち、下縁部2011の当接圧を解除、または減少させるべく当接圧解除部材2030を下縁部2011近傍に設置してもよく、また上縁部2010、下縁部2011両方の近傍に設置してもよい。
当接圧解除部材2030を、上縁部2010、下縁部2011の両方に対して設置する場合は、それぞれの当接圧解除部材2030の回転開始のタイミングは、同時であってもよいし、異なっていても良い。
なお、本実施形態では、当接部材の塗布ローラへの当接圧の解除、または減少させることにより、当接領域の少なくとも一部に塗布液を介在させることが目的である。よって、当接圧解除部材2030の矢印方向Qへの回転により、当接領域に所定の空間が形成されたときに上記回転を止め、所定の時間待って矢印方向Qとは反対方向に当接圧解除部材2030を回転させても良い。
また、当接圧解除部材を用いずに、バネ部材の弾性を制御するなどして、液体保持部材自体を塗布ローラから離間させるようにして、当接部材の塗布ローラへの当接圧の解除、または減少を行っても良い。
(第3の実施形態)
本実施形態は、空間形成基材2002に形成された、液体供給口2004における圧力を、液体回収口2005での圧力よりも相対的に高くすることによる、液体保持空間Sへの加圧により、当接部材の塗布ローラと当接する部分との間に、液体を介在させる。すなわち、本実施形態では、ポンプ3007によって塗布液が充填された液体保持空間S内を加圧し、塗布ローラ1001と当接部材2009の当接領域に塗布液を介在させる形態について説明する。
以下で、本実施形態に係る回転準備動作を説明する。
なお、図20〜22では、塗布液Lを交差する斜線で示している。
本実施形態では、図11に示すように、液体保持部材2001の回収側にポンプを設けているので、塗布液の循環の際には、液体回収口2005での圧力は液体供給口2004での圧力よりも相対的に低くなり、減圧方式の循環が達成される。本実施形態における減圧方式とは、液体回収口2005での圧力を液体供給口2004での圧力よりも相対的に低くするものであって、大気圧や所定の値を判断基準にするものではない。
また、本実施形態における加圧とは、上述のように、液体回収口2005での圧力を、液体供給口2004での圧力よりも相対的に高くすることである。以下で、ポンプ3007による液体保持空間S内の加圧動作について図11を用いて説明する。
液体保持空間S内への塗布液の充填工程後、大気連通弁3005は開放状態、かつ三方弁3006は貯蔵タンク側チューブ3011と液体保持部材側チューブ3012が連通した状態となっている。この状態において、ポンプ3007を図中の矢印と逆方向に液体を送ることにより、液体回収口2005での圧力が液体供給口2004での圧力よりも高くなり、液体保持部材2001内は加圧状態となる。もしくは、三方弁3006は貯蔵タンク側チューブ3011と大気連通口3013とを連通させた状態でもよい。
図20は、回転準備動作前の、塗布ローラ1001と当接部材2009の当接状態を示している。符号1801aは、塗布ローラ1001の外周面(塗布面)と、当接部材2009の上縁部2010との間の当接領域を示す。同様に、符号1801bは、塗布ローラ1001の外周面(塗布面)と、当接部材2009の下縁部2011との間の当接領域を示す。同図において、液体保持空間Sの中に塗布液Lが保持されているが、塗布ローラ1001と当接部材2009の上縁部2010及び下縁部2011の当接領域1801aおよび1801bには塗布液Lは介在していない。
図21は、回転準備動作として、充填工程に用いたポンプ3007により液体保持空間S内を加圧状態にした時の塗布ローラ1001と当接部材2009の当接状態を示している。回転準備動作において、ポンプ3007が、図11の矢印とは逆方向に液体を送出するように駆動することにより、塗布液Lは、液体回収口2005に供給されて、液体保持空間S内の塗布液Lが加圧される。この加圧により、液体保持部材2001は、バネ部材2006による塗布ローラ1001への当接方向と逆方向に押し戻され、当接領域1801aおよび1801bに隙間が形成される。これら隙間から塗布液Lは滲みでる。
図22は、回転準備動作終了後の塗布ローラ1001と当接部材2009の当接状態を示している。同図において、ポンプ3007の駆動を停止することにより、液体保持空間Sに対する加圧状態は解除される。このとき、当接圧は、回転準備動作前の状態に復帰し、液体保持空間Sは、塗布液Lを保持する。しかしながら、回転準備動作後の塗布ローラ2001と、当接部材2009の上縁部2010および下縁部2011との当接領域1801a、1801bには、塗布液Lがそれぞれ液膜1802aおよび1802bとして介在している。
以上のような回転準備動作により、塗布工程における塗布ローラ1001の回転動作において、当接領域1801aおよび1801bに介在する塗布液により、当接領域に塗布液が介在しない場合より塗布ローラ1001の外周面と上縁部2010および下縁部2011との摩擦力を小さくすることができる。よって、塗布ローラ1001を滑らかに回転させることができるので、小回転力で回転動作を行うことができる。
なお、第1〜第3の実施形態に係る液体塗布装置を、インクジェット記録装置などの記録装置に適用する場合は、液体塗布装置により塗布液が塗布された媒体に対して、記録剤を付与して媒体に画像を記録すれば良い。
例えば、図13におけるステップS6にて、記録媒体に塗布液が塗布された後、必要な部分に塗布液が塗布された記録媒体に対して、記録動作を行えばよい。この記録動作は、例えば、記録装置がインクジェット記録装置である場合、記録ヘッドによってインクを、塗布液が塗布された記録媒体に付与することによって行われる。
本発明の液体塗布装置に係る実施形態の全体構成を示す斜視図である。 図1に示した塗布ローラ、カウンターローラおよび液体保持部材などの配置の一例を示す縦断側面図である。 図1および図2に示した液体保持部材の正面図である。 図3に示した液体保持部材をIV−IV線にて切断した端面を示す端面図である。 図3に示した液体保持部材をV−V線にて切断した端面を示す端面図である。 図3に示した液体保持部材の平面図である。 図3に示した液体塗布部材の当接部を液体塗布ローラに当接させた状態を示す左側面図である。 図3に示した液体塗布部材の当接部を液体塗布ローラに当接させた状態を示す右側面図である。 本発明の実施形態において、液体保持部材と塗布ローラとによって形成される液体保持空間に塗布液が充填され、塗布ローラの回転により塗布媒体に液体が塗布されている状態を示す縦断断面図である。 本発明の実施形態において、液体保持部材と塗布ローラとによって形成される液体保持空間に塗布液が充填され、塗布媒体が存在しない状態で塗布ローラを回転させた状態を示す縦断断面図である。 本発明の実施形態における液体塗布装置の液体流路の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態における制御系の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態における液体塗布動作シーケンスを示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における回転準備動作前の当接部を示す図である。 本発明の第1の実施形態における回転準備動作中の当接部を示す図である。 本発明の第1の実施形態における回転準備動作後の当接部を示す図である。 本発明の第2の実施形態における回転準備動作前の当接部を示す図である。 本発明の第2の実施形態における回転準備動作中の当接部を示す図である。 本発明の第2の実施形態における回転準備動作後の当接部を示す図である。 本発明の第3の実施形態における回転準備動作前の当接部を示す図である。 本発明の第3の実施形態における回転準備動作中の当接部を示す図である。 本発明の第3の実施形態における回転準備動作後の当接部を示す図である。 本発明の実施形態において、媒体が普通紙である場合にその媒体の表面と塗布面での塗布過程を説明する説明図であり、塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部より上流側での状態を示している。 本発明の実施形態において、媒体が普通紙である場合にその媒体の表面と塗布面での塗布過程を説明する説明図であり、塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部での、媒体Pである普通紙の表面と塗布ローラ1001の塗布面の状態を示している。 本発明の実施形態において、媒体が普通紙である場合にその媒体の表面と塗布面での塗布過程を説明する説明図であり、塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部より下流側での状態を示している。
符号の説明
1401、1701、1801a、1801b 当接領域
1402、1702、1802a、1802b 液膜
2001 液体保持部材
2002 空間形成基材
2004 液体供給口
2005 液体回収口
2030 当接圧解除部材
2031 円筒形の円周部
2032 凸部
2033 軸
3001 第1流路
3002 第2流路
3003 貯蔵タンク
3004、3013 大気連通口
3005 大気連通弁
3006 切換弁
3007 ポンプ
3011 貯蔵タンク側チューブ
3012 液体塗布部材側チューブ

Claims (11)

  1. 液体塗布装置であって、
    媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記塗布部材と前記保持部材との当接によって形成される液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
    前記液体塗布手段により行われる前記塗布部材の回転の前に、前記塗布部材と前記保持部材とが接する領域の少なくとも一部分に、前記液体を介在させる液体介在手段と
    を備えることを特徴とする液体塗布装置。
  2. 前記塗布部材の前記保持部材と当接する第1の領域および前記保持部材の前記塗布部材と当接する第2の領域の少なくとも一方は弾性体であり、
    前記液体介在手段は、前記弾性体の一部を歪ませることにより、前記第1の領域および第2の領域の少なくとも一部分に前記液体を介在させることを特徴とする請求項1記載の液体塗布装置。
  3. 前記塗布部材の前記保持部材と当接する第1の領域および前記保持部材の前記塗布部材と当接する第2の領域の少なくとも一方は弾性体であり、
    前記液体介在手段は、前記液体保持空間に保持される液体が、前記液体保持空間から外へと擦り抜けないように前記塗布部材を所定量だけ回転させることにより、前記第1の領域および第2の領域の少なくとも一部分に前記液体を介在させることを特徴とする請求項1記載の液体塗布装置。
  4. 前記液体介在手段により行われる前記塗布部材の回転の方向は、前記液体塗布手段により行われる前記塗布部材の回転の方向と同一の方向であることを特徴とする請求項3記載の液体塗布装置。
  5. 前記液体介在手段により行われる前記塗布部材の回転の方向は、前記液体塗布手段により行われる前記塗布部材の回転の方向と逆の方向であることを特徴とする請求項3記載の液体塗布装置。
  6. 前記液体介在手段は、前記保持部材の前記塗布部材と当接する領域の少なくとも一部分における、前記保持部材の前記塗布部材への当接圧を減少させることにより、前記領域の少なくとも一部分に前記液体を介在させることを特徴とする請求項1記載の液体塗布装置。
  7. 前記液体介在手段は、前記保持部材に接続され、前記液体保持空間を正圧に加圧する加圧手段を備え、
    前記加圧手段によって、前記液体保持空間を正圧に加圧することにより、前記領域の少なくとも一部分に前記液体を介在させることを特徴とする請求項1記載の液体塗布装置。
  8. 液体塗布装置であって、
    媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記塗布部材と前記保持部材との当接によって形成される液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
    前記液体塗布手段により行われる前記塗布部材の回転の前に、前記塗布部材と前記保持部材とが接する領域の少なくとも一部分に、前記液体の液膜を形成する液膜形成手段と
    を備えることを特徴とする液体塗布装置。
  9. 液体塗布装置であって、
    媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記塗布部材と前記保持部材との当接によって形成される液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
    前記液体塗布手段により行われる前記塗布部材の回転の前に、前記塗布部材と前記保持部材とが接する領域の少なくとも一部分に空間を形成し、該空間に前記液体保持空間に保持された液体を移動させる手段と
    を備えることを特徴とする液体塗布装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の液体塗布装置と、
    前記液体塗布装置により前記液体が塗布された媒体に対して、インクを付与して前記媒体に画像を記録する記録手段と
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. 液体塗布装置の制御方法であって、
    媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記塗布部材と前記保持部材との当接によって形成される液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布するための液体塗布装置を用意する工程と、
    前記液体の塗布のために行われる前記塗布部材の回転の前に、前記塗布部材と前記保持部材とが接する領域の少なくとも一部分に、前記液体を介在させる工程と
    を有することを特徴とする制御方法。
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