JP2007000778A - 液体塗布装置および記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の一実施形態に係る液体塗布装置は、媒体に液体を塗布する塗布ローラ1001と、塗布ローラ1001に当接して形成される液体保持空間Sに塗布液を保持するための液体保持部材2001とを備える。上記液体塗布装置は、塗布ローラ1001を回転させることにより、液体保持空間Sに保持される塗布液を塗布ローラ1001を介して媒体に塗布する。液体塗布装置は、上記回転の前に、塗布ローラ1001と液体保持部材2001とが接する領域の少なくとも一部分に、塗布液を介在させる。
【選択図】 図16
Description
(第1の実施形態)
図1は、本発明の液体塗布装置100に係る実施形態の全体構成を示す斜視図である。ここに示す液体塗布装置100は、概略、塗布媒体に対し所定の塗布液を塗布する液体塗布手段と、この液体塗布手段に塗布液を供給する液体供給手段を有して構成されている。
グリセリン 50%
界面活性剤 1%
水 残量
また、前記塗布液の粘度は25℃で5〜6cP(センチポアズ)である。
なお、本発明の適用において塗布液は、上記のものに限られないことは勿論である。例えば、別の塗布液として、染料を不溶化あるいは凝集させる成分を含有する液体を用いることも可能である。また、別の塗布液として、塗布媒体のカール(媒体が湾曲形状となる現象)を抑制する成分を含有する液体を用いることも可能である。
上述の塗布する液体の成分の一例では、グリセリン及び界面活性剤が水の表面張力を下げる成分である。
カウンターローラ1002は、不図示の付勢手段によって塗布ローラ1001の周面に向けて付勢されている。塗布ローラ1001を図中、時計方向に回転させることにより、両ローラの間に塗布液を塗布すべき塗布媒体Pを挟持し得ると共に、塗布媒体Pを図中の矢印方向に搬送し得るようになっている。
また、液体保持部材2001は、バネ部材(押圧手段)2006の付勢力によって塗布ローラ1001の周面に対して付勢されて当接するとき、塗布ローラ1001による液体塗布領域全体に亘って延在する長尺な液体保持空間Sを形成するようになっている。この液体保持空間S内には、後述の液体供給経路3000から液体保持部材2001を介して塗布液が供給される。このとき、液体保持部材2001が以下のように構成されているため、塗布ローラ1001の停止状態において、液体保持空間Sから外方へ不用意に塗布液が漏出するのを防止することができる。
図3に示すように、液体保持部材2001は、空間形成基材2002と、この空間形成基材2002の一方の面に設けられた環状の当接部材2009とを有して構成されている。空間形成基材2002には、その中央部分における長手方向に沿って、底部の断面形が円弧状をなす凹部2003が形成される。そして、当接部材2009は、その直線部分がこの凹部2003の上縁部に沿って固着され、また、円周部分が上記上縁部から底部を経て反対側の上縁部に至るように固着される。これにより、液体保持部材2001の当接部材2009が塗布ローラ1001に当接したとき、塗布ローラの周面形状に沿った当接が可能となり、均一な圧力の当接を実現することができる。
図11は、前記塗布液供給手段の液体保持部材2001に連結される液体流路3000の概略構成を示す説明図である。
この液体流路3000は、液体保持部材2001を構成する空間形成基材2002の液体供給口2004と塗布液を貯蔵する貯蔵タンク3003とを連結する第1流路(供給流路)3001と、空間形成基材2002の液体回収口2005と前記貯蔵タンク3003とを連結する第2流路(回収流路)3002とを有する。この貯蔵タンク3003には、大気連通口3004が設けられている。この大気連通口には、大気との連通、遮断を切換える大気連通弁3005が設けられている。また、第1流路3001内には切換弁3006が設けられている。この切換弁3006によって第1流路3001と大気との連通、遮断が切換え可能となっている。さらに第2流路3002内には、本液体流路3000内で塗布液および空気を所望の方向へと強制的に流動させるためのポンプ3007が連結されている。
図12は、本実施形態の液体塗布装置における制御系の概略構成を示すブロック図である。
図において、4000は液体塗布装置全体を制御する制御手段としての制御部である。この制御部4000は、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行するCPU4001と、このCPU4001によって実行される、図13にて後述される処理などの制御プログラムなどを格納するROM4002と、CPU4001の処理動作中のデータや入力データなどを一時的に格納するRAM4003などを有する。
図13は、本実施形態の液体塗布装置の液体塗布に係わる処理手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照して、液体塗布にかかる各工程を説明する。すなわち、液体塗布装置に電源が投入されると、制御部4000は、図13に示すフローチャートに従って以下の塗布動作シーケンスを実行する。
ステップS1では、前記塗布空間Sに対する塗布液の充填工程を実行する。この充填工程では、まず、貯蔵タンク3003の大気連通弁3005を大気に開放させると共に、ポンプ3007を一定時間駆動する。これにより、液体塗布空間Sおよび各流路3001,3002内に塗布液が充填されていない場合には、ポンプによって内部の空気が貯留部へと送られて大気へと排出されると共に各部に塗布液が充填される。また、既に各部に塗布液が充填されている場合には、各部の塗布液が流動して適正な濃度および粘度の塗布液が供給される。この初期動作によって、塗布ローラ1001に対し塗布液が供給された状態となり、塗布媒体への塗布が可能となる。
開始すると共に(ステップS3)、後述する回転準備動作を行う(ステップS4)。
以下に塗布工程における回転準備動作を説明する。
再び図13のフローについて説明する。
回転準備動作終了後に塗布ローラ1001が図2の矢印に示すように、時計周りに回転を開始する(ステップS5)。この塗布ローラ1001の回転により、液体保持空間Sに充填された塗布液Lは、塗布ローラ1001に対する液体保持部材2001の当接部材2009の押圧力に抗して、塗布ローラ1001と当接部材2009の下縁部2011との間をすり抜け、塗布ローラ1001の外周に層状態となって付着する。塗布ローラ1001に付着した塗布液Lは、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002との当接部に送られる。
図23は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部より上流側での状態を示している。同図において塗布ローラ1001の塗布面には液体が塗布面の表面の微細な凹凸をわずかに被うように液体が付着している。
図24は塗布ローラ1001とカウンタローラ1002とのニップ部での、媒体Pである普通紙の表面と塗布ローラ1001の塗布面の状態を示している。同図において媒体Pである普通紙の表面の凸部は塗布ローラ1001の塗布面と接触し、接触した部分より液体が瞬時に媒体Pである普通紙の表面の繊維に浸透ないし吸着する。また塗布ローラ1001の塗布面には普通紙の表面の凸部と接触しない部分に付着した液体が残留される。
上記のようにして、塗布媒体への塗布動作が実行されると、次に塗布工程を終了して良いか否かの判断を行い(ステップS7)、塗布工程を終了しない場合は、ステップS6に戻り、塗布媒体の塗布が必要な部分全体に塗布工程を終了するまで塗布動作を繰り返す。塗布工程を終了すると、塗布ローラ1001を停止させ(ステップS8)、さらに、ポンプ3007の駆動を停止させる(ステップS9)。この後、ステップS2へ移行し、塗布開始指令が入力されていれば、前述のステップS2〜S9の動作を繰り返し、塗布開始指令が入力されていなければ、塗布空間Sおよび液体流路内の塗布液を回収する回収動作などの後処理を行い(ステップ10)、塗布にかかる処理を終了する。
本実施形態は、回転準備動作において、当接領域にかかる当接圧を解除、または減少させることにより、塗布ローラと、当接部材の塗布ローラと当接する部分との間に、液体を介在させる。すなわち、第1の実施形態では、塗布ローラの微小回転により塗布ローラと当接部材の当接領域に液体を介在させたが、本実施形態では、当接部材の当接圧をさげる、または解除することにより当接部に液体を介在させる形態について説明する。
なお、図17〜19では、塗布液Lを交差する斜線で示している。
本実施形態は、空間形成基材2002に形成された、液体供給口2004における圧力を、液体回収口2005での圧力よりも相対的に高くすることによる、液体保持空間Sへの加圧により、当接部材の塗布ローラと当接する部分との間に、液体を介在させる。すなわち、本実施形態では、ポンプ3007によって塗布液が充填された液体保持空間S内を加圧し、塗布ローラ1001と当接部材2009の当接領域に塗布液を介在させる形態について説明する。
なお、図20〜22では、塗布液Lを交差する斜線で示している。
1402、1702、1802a、1802b 液膜
2001 液体保持部材
2002 空間形成基材
2004 液体供給口
2005 液体回収口
2030 当接圧解除部材
2031 円筒形の円周部
2032 凸部
2033 軸
3001 第1流路
3002 第2流路
3003 貯蔵タンク
3004、3013 大気連通口
3005 大気連通弁
3006 切換弁
3007 ポンプ
3011 貯蔵タンク側チューブ
3012 液体塗布部材側チューブ
Claims (11)
- 液体塗布装置であって、
媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
前記回転の前に、前記塗布部材と前記保持部材とが接する領域の少なくとも一部分に、前記液体を介在させる液体介在手段と
を備えることを特徴とする液体塗布装置。 - 前記塗布部材の前記保持部材と当接する第1の領域および前記保持部材の前記塗布部材と当接する第2の領域の少なくとも一方は弾性体であり、
前記液体介在手段は、前記弾性体の一部を歪ませることにより、前記領域の少なくとも一部分に前記液体を介在させることを特徴とする請求項1記載の液体塗布装置。 - 前記塗布部材の前記保持部材と当接する第1の領域および前記保持部材の前記塗布部材と当接する第2の領域の少なくとも一方は弾性体であり、
前記液体介在手段は、前記液体保持空間に保持される液体が、前記塗布部材と前記保持部材とが接する領域を介して前記液体保持空間から外へと擦り抜けないように前記塗布部材を所定量だけ回転させることにより、前記領域の少なくとも一部分に前記液体を介在させることを特徴とする請求項1記載の液体塗布装置。 - 前記所定量の回転方向は、前記回転の方向と同一の方向であることを特徴とする請求項3記載の液体塗布装置。
- 前記所定量の回転方向は、前記回転の方向と逆の方向であることを特徴とする請求項3記載の液体塗布装置。
- 前記液体介在手段は、前記保持部材の前記塗布部材と当接する領域の少なくとも一部分における、前記保持部材の前記塗布部材への当接圧を減少させることにより、前記領域の少なくとも一部分に前記液体を介在させることを特徴とする請求項1記載の液体塗布装置。
- 前記液体介在手段は、前記保持部材に接続され、前記液体保持空間を正圧に加圧する加圧手段を備え、
前記加圧手段によって、前記液体保持空間を正圧に加圧することにより、前記領域の少なくとも一部分に前記液体を介在させることを特徴とする請求項1記載の液体塗布装置。 - 液体塗布装置であって、
媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
前記回転の前に、前記塗布部材と前記保持部材とが接する領域の少なくとも一部分に、前記液体の液膜を形成する液膜形成手段と
を備えることを特徴とする液体塗布装置。 - 液体塗布装置であって、
媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布手段と、
前記回転の前に、前記塗布部材と前記保持部材とが接する領域の少なくとも一部分に空間を形成し、該空間に前記液体保持空間に保持された液体を移動させる手段と
を備えることを特徴とする液体塗布装置。 - 請求項1乃至9のいずれかに記載の液体塗布装置と、
前記液体塗布装置により前記液体が塗布された媒体に対して、記録剤を付与して前記媒体に画像を記録する記録手段と
を備えることを特徴とする記録装置。 - 液体塗布装置の制御方法であって、
媒体に液体を塗布する塗布部材と、前記塗布部材に当接して形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材を回転させることにより、前記液体保持空間に保持される液体を前記塗布部材を介して前記媒体に塗布する液体塗布装置を用意する工程と、
前記回転の前に、前記塗布部材と前記保持部材とが接する領域の少なくとも一部分に、前記液体を介在させる工程と
を有することを特徴とする制御方法。
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