JPH09234852A - 液体の供給及び回収装置 - Google Patents

液体の供給及び回収装置

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JPH09234852A
JPH09234852A JP4190196A JP4190196A JPH09234852A JP H09234852 A JPH09234852 A JP H09234852A JP 4190196 A JP4190196 A JP 4190196A JP 4190196 A JP4190196 A JP 4190196A JP H09234852 A JPH09234852 A JP H09234852A
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ink
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陽一 梅谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷インキの回収時間を短縮する。 【解決する手段】 密閉圧力容器2と、該密閉圧力容器
2に接続された加圧、減圧装置5と、密閉圧力容器2内
に交換可能に収容される液体タンク3と、密閉圧力容器
2を気密に貫通して一端が液体タンク3内に侵入して液
体タンク3の底まで延び、他端が大気に開放された管路
6とによって構成され、加圧装置4及び減圧装置5は、
共通のコンプレッサ42を使用し、液体供給時は、コンプ
レッサ42からの高速空気流を密閉圧力容器2に供給し
て、密閉圧力容器2内部及び液体タンク3内部を外気圧
力よりも高めてインキタンク3内のインキをノズル64か
ら流出させ、インキ回収時は、コンプレッサ42からの高
速空気によってオリフィス効果を生じせしめて、密閉圧
力容器2内の空気を吸引し、密閉圧力容器2内部及び液
体タンク3内部を負圧にして液体をノズル64から液体タ
ンク3内に吸引回収することを特徴とする液体供給及び
回収装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は段ボールシートの印刷機
に於ける、インキの供給及び回収に実施して便なる液体
の供給及び回収装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】段ボー
ルシートの印刷機として、近時、速乾性インキ(フレキ
ソインキ)を使用するフレキソ印刷機と遅乾性インキを
使用するプリスロ印刷機の中間のタイプの印刷機が実施
されている。該印刷機は、図9に示す如く、版胴(12)に
対し接触離間可能に配備され、表面に微細な凹凸を形成
した主ロール(1)と、該主ロール(1)に対向して接触配
備した補助ロール(11)と、インキの供給及び回収装置(1
00)とによって構成される。インキは、フレキソインキ
よりも少し粘度が高く、ロール上に付着しているときは
乾燥し難く、段ボールシートSに付着した際には速やか
に乾燥する特性のインキ(例えば、理合社製ザーンカッ
プ#4で10〜13秒)で、約10秒で乾燥するものを
使用する。
【0003】ロール間のインキ溜まりに供給されたイン
キは、主ロール(1)表面の微細な凹部に溜まって版胴(1
2)に受け渡される。又、補助ロール(11)によって余分の
インキが掻き取られて、補助ロール(11)との接触点を通
過した主ロール(1)の表面には全長に亘って略均一にイ
ンキが付着する。従って、該主ロール(1)からインキが
受け渡される版胴の凸部には均一にインキが付着し、印
刷の際のインキ斑、色振れ、ゴースト等の問題は生じな
い。又、従来のフレキソインキによる印刷に比べて、少
し粘度の高いインキを使用して、印刷面に艶のある美し
い印刷が実現できる。又、フレキソインキの場合の様
に、インキの固化を防止するためにインキを循環管路に
て循環させる必要はないため、インキの供給及び回収の
ための装置は簡素化出来、例えば、図9、図10、図1
1に示すチューブポンプ(101)を使用してインキの供給
と回収を同じ装置(100)で行なうことができる。
【0004】上記インキの供給及び回収装置(100)は、
ロール(1)(11)の上方にロールの軸方向と平行にスライ
ド可能に支持台(9)を配備し、該支持台(9)をスライド
駆動装置(95)に連繋する。支持台(9)上には、チューブ
ポンプ(101)、エアーシリンダ(71)に連繋されて昇降す
るノズル支持台(72)、該ノズル支持台(72)に載置され先
端がロール(1)(11)間に向けて下向きに屈曲したノズル
(64)、インキタンク(3)、チューブポンプ(101)を経由
してインキタンク(3)とノズル(64)とを繋ぐ可撓性チュ
ーブ(103)が配備されている。チューブポンプ(101)は、
公知の如く、ロータ(101b)によって断続的にチューブを
押出し、インキを送給するもので、モータ(102)の正、
逆回転の切換えによって、送給方向を反対に切換えでき
る。支持台(9)をロール(1)(11)の軸方向と平行に移動
させつつ、チューブポンプ(101)のロータ(101b)を正方
向に回転させて、ロール間にインキを供給する。
【0005】インキの回収は、エアーシリンダ(71)によ
ってノズル支持台(72)を下降させ、ノズル(64)の下端を
ロール間のインキ溜まりの底に近接させ、この状態で支
持台(9)をロールの軸方向と平行にスライドさせなが
ら、チューブポンプ(101)のロータ(101b)を逆転させ
て、インキをインキタンク(3)に回収する。インキ替え
の際は、チューブポンプ(101)から可撓性チューブ(103)
を外し、インキタンク(3)、可撓性チューブ(103)及び
ノズル(64)を1セットとして一緒に交換する。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】上記チューブポンプ
式のインキ供給及び回収装置は、可撓性チューブ(103)
をチューブポンプ(101)にセットするために手間がかか
る。チューブポンプ(101)への可撓性チューブのセット
は、チューブポンプ(101)の上蓋(101a)を外して、可撓
性チューブ(103)をロータ(101b)をかわす様にU字状に
屈曲した状態で嵌め込むのであるが、チューブポンプ(1
01)は印刷機の構造上、1.7m程度の高さ位置に取り付
けられており、チューブポンプ(101)を見上げながらの
作業となり、作業性が悪い。
【0007】又、ロータ(101b)で可撓性チューブ(103)
を押し出すため、可撓性チューブ(103)は柔らかい材料
で形成されている。図11に示す如く、インキ回収の際
にノズル支持台(72)を下降させたとき、チューブポンプ
(101)とノズル(64)の基端(64b)との間で、可撓性チュー
ブ(103)がV字状に屈曲(103a)し、インキの通過が邪魔
され、吸引能力が大幅に低下する。従って、インキ回収
のために、ノズル(64)をローラの軸方向に何度も往復さ
せなければならず、回収に時間がかかる。屈曲(103a)が
完全に折れ曲った状態となれば、吸引能力は殆どなくな
る。この可撓性チューブ(103)のV字状の屈曲現象は、
可撓性チューブ(103)をロータ(101b)にセットする際に
も、よく起こることであり、可撓性チューブ(103)のセ
ットは慎重に行なわねばならない。
【0008】インキタンク(3)とチューブポンプ(101)
との間で、チューブがV字状に屈曲した場合、インキ供
給の能力が極端に低下する。インキ回収又は供給の完了
が遅いことから、作業者がチューブの曲りに気付いて、
装置を停止しないまま装置の上方から手を伸して、チュ
ーブの曲りを矯正しようとして、事故を起こしたことも
ある。又、チューブポンプの特性として、可撓性チュー
ブ(103)に空気が混じると、送給能力が低下する。ノズ
ルの下端をローラ間のインキ溜まりの底まで下降させて
も、インキ量が減ると、必ずノズルの先端から空気が混
入してチューブポンプ(101)の能力低下は避けられな
い。
【0009】更に、チューブポンプ(101)を使用する
と、少なくともロータ(101b)を経由させるためにチュー
ブを曲げる分だけ、チューブが長くなることは避けられ
ない。従って、チューブ内に付着して無駄になるインキ
量も多くなり、チューブの洗浄も手間がかかる。更に、
チューブが長くなると、チューブポンプ(101)が作動し
てから、実際にインキがロール間に供給される迄の立上
り時間、或いはインキの吸上げ回収が開始されるまでの
立上り時間が長くかかり、能率が悪い。本発明は、上記
チューブポンプの問題点を解消し、インキの回収時間を
短縮でき、インキ替えが簡単で、インキの無駄を可及的
に少なくでき、インキ以外の液体の供給及び回収に実施
できる液体供給及び回収装置を明らかにするものであ
る。
【0010】
【課題を解決する手段】本発明に係る液体供給及び回収
装置は、密閉圧力容器(2)と、該密閉圧力容器(2)に接
続された加圧、減圧装置(5)と、密閉圧力容器(2)内に
交換可能に収容される液体タンク(3)と、密閉圧力容器
(2)を気密に貫通して一端が液体タンク(3)内に侵入し
て液体タンク(3)の底まで延び、他端が大気に開放され
た管路(6)とによって構成され、加圧装置(4)及び減圧
装置(5)は、コンプレッサを使用し、液体供給時は、コ
ンプレッサからの高速空気流を密閉圧力容器(2)に供給
して、密閉圧力容器(2)内部及び液体タンク(3)内部を
外気圧力よりも高めて液体タンク(3)内の液体をノズル
(64)から流出させ、液体回収時は、コンプレッサからの
高速空気をエゼクター(406)を通過させて該エゼクター
(406)によって生じる吸引作用で密閉圧力容器(2)内の
空気を吸引し、密閉圧力容器(2)内部及び液体タンク
(3)内部を負圧にして液体をノズル(64)から液体タンク
(3)内に吸引回収する。
【0011】
【作用及び効果】本発明では、従来の様にチューブポン
プを使用しないため、インキ替え毎に可撓性チューブを
ポンプにセットする煩わしさはない。又、チューブポン
プを使用しないため、インキタンク(3)とノズル(64)を
繋ぐ管路(6)の長さを短くでき、管路(6)内に付着して
無駄となるインキ量を少なくでき、又、管路(6)の洗浄
も素速くできる。又、高速の空気流により密閉圧力容器
(2)内部及びインキタンク(3)内部を加圧或いは減圧し
てインキの供給と回収を行なうため、従来のチューブポ
ンプ(101)を用いたものに比べて、インキ供給或いは回
収の立上り時間及び単位時間当たりのインキ送給量を大
にして、インキ供給、回収の時間を短縮できる。
【0012】又、インキタンク(3)とノズル(64)との間
の管路(6)に可撓性ホース(62)を使用しても、該ホース
は、ノズル(64)が上下動する程度ではV字状に屈曲する
ことのない硬質のものが使用でき、チューブポンプを使
用する場合の様に、軟質のチューブがV字状に屈曲し
て、ポンプの送給能力を大幅に低下させることはない。
密閉圧力容器(2)に対する加圧力、吸引力の調整によっ
て、インキの供給、回収能力を自由に調整できる。又、
ノズル(64)先端から空気が入っても、空気と一緒にイン
キを一挙に吸上げ、インキの吸上げ力が大幅に低下する
ことはなく、チューブポンプを使用した場合の様に、チ
ューブに空気が入り込んで吸上げ能力が低下し、回収時
間が長くかかることはない。加圧、減圧装置(5)は、1
台のコンプレッサ(42)によって、加圧と減圧を行なうこ
ともでき、この場合構成の簡素とコストの低減を画るこ
とができる。
【0013】
【発明の実施の形態1】図1に示す如く、主ロール(1)
と補助ロール(11)の上方に、ロールの軸方向と平行にス
ライド可能に台板(93)が配備される。図9に示す従来と
同様にして主ロール(1)は、版胴(12)に対し接触離間可
能に配備され、表面に微細な凹凸を形成している。補助
ロール(11)は、表面がゴム製であって、該主ロール(1)
に対向して接触離間可能且つ加圧可能に配備されてい
る。台板(93)は、複数のガイドローラ(94)をガイドフレ
ーム(300)に転動可能に係合し、該ガイドフルームに沿
って配備された周回チェン(96)に繋がっている。周回チ
ェン(96)は駆動スプロケット(図示せず)に連繋され、台
板(93)のスライド駆動装置(95)を構成している。インキ
タンク(3)を収容する密閉圧力容器(2)を上記台板(93)
に吊して支持する。
【0014】図2では、説明を解り易くするために、イ
ンキタンク(3)に対して密閉圧力容器(2)は十分に余裕
の有る大きさであるが、実際は、インキタンク(3)が出
し入れできる範囲で、密閉圧力容器(2)は可及的に小さ
いほど、密閉圧力容器(2)内を高圧或いは負圧にする時
間が短縮でき望ましい。密閉圧力容器(2)は、図3に示
す如く、一側面が開口した容器本体(21)と、該開口面を
塞ぐ様にに取付けられた蓋体(22)とからなる2つ割り構
造である。容器本体(21)と蓋体(22)の当接面の何れか一
方、或いは両面に、矩形枠状のシール材(29)が接着等に
よって剥がれない様に装着されている。蓋体(22)は、蝶
番(23)によって容器本体(21)に開閉可能に取付けられ、
蓋体(22)は、係止手段(26)によって容器本体(21)に密閉
状態に閉じられる。
【0015】図3に基づいて係止手段(26)の一例を説明
する。蓋体(22)の自由端と容器本体(21)とには、蓋体(2
2)を閉じた際に密閉圧力容器(2)の外側で対向する位置
にL型金具(500)(500)が突設されている。各L型金具(5
00)(500)は、互いに一方の板部(501)の面が相手L型金
具(500)の一方の板部(501)の面に対向する。対向する板
部(501)(501)の先端外側は斜めにカットして傾斜案内面
(501a)(501a)が形成されている。
【0016】容器本体(21)又は蓋体(22)の何れか一方
に、L型金具(500)の下方にレバー(502)が垂直面内で回
動可能に枢支(502a)され、該レバー(502)には、容器本
体(21)と蓋体(22)のL型金具(500)(500)の互いに対向す
る板部(501)(501)を挟む挟み部材(503)が固定されてい
る。挟み部材(503)には、L型金具(500)側に挟み溝(50
4)が開設され、挟み溝(504)の開口縁は斜めにカットさ
れて傾斜案内面(504a)(504a)が形成されている。挟み溝
(504)は、L型金具(500)(500)の対向する板部(501)(50
1)が緊密に嵌まる様に溝幅が決められている。実施例で
は、一端を枢支したレバー(502)に挟み部材(503)を取り
付けているが、板部(501)(501)に対して外側から係脱で
きる様に、挟み部材(503)を移動させることができれ
ば、挟み部材(503)の移動手段の構成は問わない。
【0017】蓋体(22)を閉じると、容器本体(21)と蓋体
(22)との間で、シール材(29)が押圧される。L型金具(5
00)(500)の板部(501)(501)が対向した状態で、レバー(5
02)を押し上げ、挟み部材(503)の挟み溝(504)に板部(50
1)(501)を侵入させる。板部(501)(501)の傾斜案内面(50
1a)(501a)と、挟み部材(503)の傾斜案内面(504a)(504a)
によって、挟み部材(503)と板部(501)(501)の係合に大
きな力は要しない。シール材(29)の弾性復帰力により、
容器本体(21)と蓋体(22)の気密は確実に保障される。
尚、挟み部材(503)を含むレバー(502)を蓋体(22)に取付
けてよいのは勿論である。容器本体(21)と蓋体(22)の天
板に跨がって円形の孔(20)が開設されており、該孔(20)
の中心は容器本体(21)と蓋体(22)の境目に位置し、容器
本体(21)と蓋体(22)には、半円状切欠き(20a)(20a)が開
設されることになる。上記孔(20)は、インキタンク(3)
と前記ノズル(64)を繋ぐ管路(6)を通すための管路挿通
孔である。
【0018】容器本体(21)の側面には、透明板で気密に
覆った透明覗き窓(27)が設けられている。該透明覗き窓
(27)は、密閉圧力容器(2)内のインキタンク(3)のイン
キの残量を目視して知るためのものである。容器本体(2
1)の天井面には、半円状切欠き(20a)の位置に対応し
て、管路支え台(86)が設けられている。支え台(86)は、
基端に下向きに短く取付け脚部(88)を有し、図5A、B
に示す様に、先端側に開口するU字状切欠き(87)を有し
ている。U字状切欠き(87)の幅は、後記管路(6)の真鍮
パイプ(61)の直径よりも僅か大である。支え台(86)に
は、U字状切欠き(87)に嵌まった真鍮パイプ(61)を軟係
止する軟係止具(8)が配備される。
【0019】軟係止具(8)は、支え台(86)の外側面から
U字状切欠き(87)に貫通して筒状ネジケース(81)を螺合
してナット(85)で固定し、該ケースの内端に係止片(82)
を出没可能に配備し、ケース外端に止めネジ(84)を螺合
し、止めネジ(84)と係止片(82)との間に圧縮バネ(83)を
配備したものである。係止片(82)は、真鍮パイプ(61)が
U字状切欠き(87)の奥端に達したときに、ケースから先
端部分が突出して真鍮パイプ(61)の側面に当たって、真
鍮パイプ(61)の姿勢を保持する。真鍮パイプ(61)をU字
状切欠き(87)の開口側へ引っ張ると、係止片(82)がバネ
(83)に抗して、ケース(81)内に引っ込み、真鍮パイプ(6
1)を支え台(86)からが脱出させることができる。真鍮パ
イプ(61)をU字状切欠き(87)の奥に嵌める際も、同様に
して係止片(82)が引込み、支障はない。
【0020】支え台(86)は、U字状切欠き(87)の開口が
蓋体(22)側に向き、U字状切欠き(87)の奥端が、容器本
体(21)の半円状切欠き(20a)の円弧縁の真上より、僅か
蓋体(22)寄りに位置する様に、容器本体(21)に取付けら
れる。U字状切欠き(87)を僅か蓋体(22)側寄りにした理
由は、真鍮パイプ(61)の後記するシール材(66)の厚みを
考慮し、真鍮パイプ(61)を垂直に支持するためである。
密閉圧力容器(2)の容器本体(21)の側面に、支持台(91)
を配備し、該支持台上に昇降可能にノズル支持台(72)を
設け、該ノズル支持台(72)に昇降装置(7)を連繋してい
る。昇降装置(7)は、エアーシリンダ(71)である。
【0021】ノズル支持台(72)は垂直面内でL字状に屈
曲した壁面を有し、横長の壁面と該壁面の一端から下向
きに延びる縦長の壁面を有し、両壁面にノズル支え片(7
3)(74)を突設している。上方の支え片(73)には横長の溝
(75)が突設され、下方の支え片(74)には切欠状の溝(76)
が開設されている。各支え片(73)(74)には、各支え片(7
3)に跨がってノズル(64)を載せた時、ノズル(64)を軟係
止する軟係止具(図示せず)が設けられている。軟係止具
の構造は、密閉圧力容器(2)の説明にあった軟係止具
(8)と同じ構造である。
【0022】ノズル(64)は、真鍮パイプを垂直面内でL
字状に屈曲して形成されている。ノズル(64)の水平部(6
4a)を前記上方の支え片(73)の溝(75)に嵌め、ノズル(6
4)の垂直部(64b)を下方の支え片(74)の溝(74)に嵌め、
軟係止具によって取り外し可能に支持している。実施例
では、ノズル(64)の先端に合成樹脂パイプを短く切断し
て形成したノズル先部(65)を取付けている。ノズル先部
(65)は、先端に逆V字状の切欠(65a)が施され、該切欠
(65a)少し上方に貫通孔(65b)を開設している。逆V字状
の切欠(65a)は、ノズル(64)がロール(1)(11)間のイン
キ溜まりの底まで下降したときに、ノズル先部(65)がロ
ール(1)(11)の曲面に沿って変形し易くするためであ
る。貫通孔(65b)は、インキ回収時に、吸引力が強過ぎ
てノズル先部(65)が扁平に潰れてインキ吸引が極端に低
下することを防止する役割を成す。
【0023】上記ノズル(64)とインキタンク(3)が管路
(6)にて接続される。図2の如く、実施例ではインキタ
ンク(3)は、インキメーカがインキを容れて販売するタ
ンクを想定しており、上面の一端側に開口(32)、他端側
に取っ手(33)が設けられている。実施例の管路(6)は、
インキタンク(3)に差込む真鍮パイプ(61)に可撓性ホー
ス(62)を接続して形成され、該パイプ(61)は、縦長真直
部(61a)の上端は、ノズル(64)側に、下端はインキタン
ク(3)の開口(32)から遠ざかる方向に互いに略直角に屈
曲している。
【0024】真鍮パイプ(61)をインキタンク(3)の開口
(32)に余裕のある状態にタンクの底面まで挿入し、可撓
性ホース(62)とノズル(64)とを、流体用脱着継手(67)を
介して着脱可能に接続する。流体用脱着継手(67)は、図
1の如く、可撓性ホース(62)の先端に取付けたソケット
(67a)と、ノズル(64)の基端に取付けたプラグ(67b)とに
よって構成され、ソケット(67a)には自動開閉バルブ(図
示せず)を内蔵しており、ソケット(67a)にプラグ(67b)
を嵌合すると該バルブが自動的に開き、プラグ(67b)を
外すとバルブが自動的に閉じる。可撓性ホース(62)は、
ノズル(64)がエアーシリンダ(71)によって昇降する程度
では、V字状に屈曲することのない硬さのものを選択す
る。又、真鍮パイプ(61)の縦長真直部(61a)には、前記
密閉圧力容器(2)の管路挿入孔(20)との気密を画るため
のシール材(66)が装着されている。実施例のシール材(6
6)は、合成樹脂製の弾性パイプを短く切って真鍮パイプ
(61)に嵌めたものである。
【0025】前記容器本体(21)の天井に接続口(28)を設
け、図2に示す如く、該接続口(28)に本発明の特徴とす
る加圧、減圧装置(5)を連繋する。実施例の加圧、減圧
装置(5)は、1つのコンプレッサ(42)によって、密閉圧
力容器(2)内部を加圧・減圧できる。コンプレッサ(42)
から第1、第2流路(400a)(400b)を分岐して形成する。
第1流路(400a)は密閉圧力容器(2)に分岐して繋がり、
エゼクター(真空発生器)(406)を介して第2流路(400b)
に合流している。エゼクター(406)は、第2流路(400b)
から該エゼクターへ圧縮空気を送入することにより、第
1流路(400a)側を吸引して真空を発生させる公知のもの
である。上記エゼクター(406)から、第2流路(400b)の
延長上に第3流路(400c)が延び、サイレンサー(407)を
介して大気に開放されている。
【0026】第1流路(400a)には、密閉圧力容器(2)へ
の分岐部(400d)とコンプレッサ(42)との間にて、上流側
から順に切換弁(401)、減圧弁(402)、切換弁(403)及び
エゼクター(406)側に切換弁(408)を設けている。上流側
と下流側切換弁(401)(408)は、開、閉に切換できる電磁
弁であり、中間の切換弁(403)は、開、閉及び大気開放
に切換えできる電磁弁である。第2流路(400b)には、上
流側に開、閉の切換弁(404)、下流側に減圧弁(405)を設
けている。
【0027】密閉圧力容器(2)に対する加圧時は、第1
流路(400a)の下流側の切換弁(408)と第2流路(400b)の
切換弁(404)を閉じ、第1流路(400a)の上流側及び中間
の切換弁(401)(403)を開く。コンプレッサ(42)からの高
速空気流が、矢印Aで示す如く、減圧弁(402)を通って
密閉圧力容器(2)に流れ、密閉圧力容器(2)内を加圧す
る。減圧時は、第1流路(400a)の下流側の切換弁(408)
と第2流路(400b)の切換弁(404)を開き、第1流路(400
a)の上流側及び中間の切換弁(401)(403)を閉じる。コン
プレッサ(42)からの高速空気は、矢印Bで示す如く、第
2流路(400b)から第3流路(400c)へ流れ、矢印Cで示す
様に、密閉圧力容器(2)側から第3流路(400c)への空気
の流れが生じ、密閉圧力容器(2)内は負圧となる。第3
通路(400c)から高速空気流が大気に放出される際、サイ
レンサー(407)を通過するため、空気放出音は低くなり
騒音を発しない。
【0028】インキ供給は、主ロール(1)と補助ロール
(11)との間のインキ溜まりに、液面検出器を設けて、イ
ンキの量が下限設定値以下になれば、自動的にインキ供
給信号を発して、上記加圧、減圧装置(5)を加圧側に切
換えてインキ供給がなされる。インキが上限設定値に達
すれば、コンプレッサー(42)が停止してインキ供給は停
止する。インキの回収は、手動ボタン(図示せず)の操作
或いは所定量の印刷が終了すれば、制御装置(図示せず)
からの信号によって自動的に行なわれる。
【0029】然して、密閉圧力容器(2)の蓋体(22)を開
き、容器本体(21)にインキタンク(3)を挿入する。イン
キタンク(3)には、予め管路(6)を取付けておく。即
ち、インキタンク(3)の開口(32)に真鍮パイプ(61)を挿
入しておく。インキタンク(3)を容器本体(21)に挿入す
る際、真鍮パイプ(61)の上部を支え台(86)のU字状切欠
き(87)の奥まで押込み、シール材(66)を容器本体(21)の
半円状切欠き(20a)に嵌める。前記の如く、支え台(86)
により、真鍮パイプ(61)は、垂直姿勢に自動的に支持さ
れる。蓋体(22)を閉じて、係止手段(26)で止める。予め
密閉圧力容器(2)上のノズル支持台(72)にセットされた
ノズル(64)のプラグ(67b)に可撓性ホース(62)のソケッ
ト(67a)を嵌め込む。
【0030】インキ供給時は、前記の如く、加圧、減圧
装置(5)を加圧側に切換えて運転する。コンプレッサ(4
2)からの高速空気流が、密閉圧力容器(2)内部を短時間
で高圧に満たし、インキタンク(3)内のインキをノズル
(64)から流出させる。同時に支持台(9)をロールの軸方
向と平行に移動させて、ロール(1)(11)間のインキ溜ま
りに沿ってインキを供給する。減圧バルブ(402)の調整
によって、ノズル(64)からのインキの流出量を自由に設
定できる。
【0031】インキ回収時は、ノズル(64)をロール間の
インキ溜まりの底に近接するまで下降させ、切換弁(45)
を吸引ポンプ(52)側に切換える。加圧、減圧装置(5)を
吸引側に切換えて運転する。該ノズル(64)をロールの軸
方向と平行に移動させる。エゼクター(406)を通過する
高速空気流による吸引作用によって、密閉圧力容器(2)
内も短時間で負圧となり、インキ溜まりのインキをノズ
ル(64)からインキタンク(3)内に吸引回収する。
【0032】インキ替えの際は、ノズル(64)のプラグ(6
7b)と可撓性ホース(62)のソケット(67a)の係合を外す。
ソケット(67a)には、自動開閉バルブが内蔵されてお
り、プラグ(67b)を外すと自動的に開口が閉じるため、
可撓性ホース(62)内のインキが垂れ落ちて周囲を汚すこ
とはない。密閉圧力容器(2)の蓋体(22)を開いて、管路
(6)ごとインキタンク(3)を取り出し、前記した手順
で、密閉圧力容器(2)に新たなインキタンクを収容し、
又、該インキタンクと一緒に管路をセットすればよい。
【0033】本発明では、従来の様にチューブポンプを
使用しないため、インキ替え毎に可撓性チューブをポン
プにセットする煩わしさはない。又、インキタンク(3)
とノズル(64)との間の管路(6)に可撓性ホース(62)を使
用しても、該ホースは、ノズル(64)が上下動する程度で
はV字状に屈曲することのない硬質のものが使用でき、
チューブポンプを使用した場合の様に、ノズル(64)の下
降によって、チューブがV字状に屈曲して、ポンプの送
給能力を大幅に低下させることはない。
【0034】実施例の様に、インキタンク(3)に差込ん
だ真鍮パイプ(61)の下端をインキタンク(3)の開口(32)
から遠ざかる様に屈曲しておけば、インキ回収の際に、
空気を巻き込んで、インキタンク(3)内が泡立っても、
泡立つ位置が開口(32)から遠いため、インキが吹き零れ
ることはない。
【0035】密閉圧力容器(2)に対する加圧力、吸引力
の調整によって、インキの供給、回収能力を自由に調整
できる。又、ノズル(64)先端から空気が入っても、イン
キの吸上げ力が大幅に低下することはなく、チューブポ
ンプを使用した場合の様に、チューブに空気が入り込ん
で吸上げ能力が低下し、回収時間が長くかかることはな
い。
【0036】尚、インキ供給の際、インキが設定上限位
置に達したとき、コンプレッサー(42)を停止し、切換弁
(403)閉じるだけでは、密閉圧力容器(2)内に高圧が残
っており、ノズル(64)からある程度のインキ流出は避け
られないが、切換弁(403)により、第1流路(400a)を大
気に連通することにより、密閉圧力容器(2)内は瞬時に
大気圧となり、ノズル(64)からのインキの流出は止る。
【0037】
【実施例】減圧バルブ(43)を0.3kgf/cm2にセット
し、800ccのインキを供給するのに、立上り時間は、
約3秒であった。立上りから供給完了まで約60秒であ
った。800ccのインキ回収に要した時間は、約60秒
であった。この時の真空度は、450mmHgであった。立
上り時間は、約3秒であった。従来のチューブポンプで
は、800ccのインキを供給するのに、立上り時間は、
約5秒であった。立上りから供給完了まで約65秒で
あった。800ccのインキ回収に要した時間は、約10
0秒であった。立上り時間は5秒であった。但し、これ
は、チューブポンプのチューブがV字状に屈曲しない場
合であって、チューブポンプ(101)とインキタンク(3)
の間がV字状に屈曲すれば、インキ供給の能力は殆どな
くなる。チューブポンプ(101)とノズル(64)との間でチ
ューブがV字状に屈曲すれば、インキ回収能力は殆どな
くなる。上記データは、当社印刷機での比較である。
【0038】図7、図8は、密閉圧力容器(2)の容器本
体(21)と蓋体(22)の係止手段(26)の変形である。容器本
体(21)側のL型金具(500)を省略し、蓋体(22)側のL型
金具(500)の板部(501)を、容器本体(21)に枢支(502a)し
たレバー(502)上のロック部材(508)に引っ掻けて、蓋体
(22)をロックするものである。ロック部材(508)と板部
(501)には、係合を容易にするための傾斜案内面(504a)
(501a)が形成されている。L型金具(500)が1つで済む
ため、構成が簡単になる。 L型金具(500)を容器本体
(21)側に。レバー(502)及びロック部材(508)を蓋体
(22)側に設けても、上記同様の作用及び効果を奏する。
【0039】本発明は、インキ以外の液体の供給、回収
装置に実施できるのは勿論である。又、ノズル(64)の先
端を液体供給用のタンクに浸かる様にして、液体の供給
と回収を行なう様にすれば、必ずしもノズル(64)の昇降
運動は必要でない。又、管路(6)の先端を直接にタンク
に浸ければ、ノズル(64)自体も省略できる。更に、加
圧、減圧装置(5)に、加圧時用と、吸引用の2台のコン
プレッサーを設け、加圧時と減圧時は別個のコンプレッ
サーを作動させる様にすることができるのは勿論であ
る。本発明は、上記実施例の構成に限定されることな
く、特許請求の範囲に記載の範囲で種々の変形が可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】段ボール印刷機に於けるインキ供給及び回収装
置の斜面図である。
【図2】同上の一部断面した正面図である。
【図3】密閉圧力容器の斜面図である。
【図4】蓋体を閉じた状態の係止手段の要部断面図であ
る。
【図5】A図は、支え台の平面図、B図は、支え台にパ
イプが嵌まった状態の平面図である。
【図6】加圧、減圧装置の説明図である。
【図7】他の実施例の係止手段を具えた密閉圧力容器の
斜面図である。
【図8】同上の蓋体を閉じた状態の係止手段の要部断面
図である。
【図9】従来のフレキソ印刷機用とプリスロ印刷機用の
中間タイプのインキを用いる印刷機の正面図である。
【図10】従来のチューブポンプを用いたインキ供給及
び回収装置の斜面図である。
【図11】同上のチューブポンプのチューブがV字状に
屈曲した状態の斜面図である。
【符号の説明】
(1) 主ロール (11) 補助ロール (2) 密閉圧力容器 (3) インキタンク (5) 加圧、減圧装置 (7) 昇降装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉圧力容器(2)と、該密閉圧力容器
    (2)に接続された加圧、減圧装置(5)と、密閉圧力容器
    (2)内に交換可能に収容される液体タンク(3)と、密閉
    圧力容器(2)を気密に貫通して一端が液体タンク(3)内
    に侵入して液体タンク(3)の底まで延び、他端が大気に
    開放された管路(6)とによって構成され、密閉圧力容器
    (2)は、容器本体(21)と該容器本体(21)の開口面を気密
    に閉じる蓋体(22)とによって形成され、前記管路(6)を
    気密に挿通する管路挿通孔(20)が容器本体(21)と蓋体(2
    2)に跨がり、孔中心が容器本体(21)と蓋体(22)の境界に
    位置する様に開設されており、加圧、減圧装置(5)は、
    コンプレッサを使用し、液体供給時は、コンプレッサか
    らの高速空気流を密閉圧力容器(2)に供給して、密閉圧
    力容器(2)内部及び液体タンク(3)内部を外気圧力より
    も高めて液体タンク(3)内の液体をノズル(64)から流出
    させ、液体回収時は、コンプレッサからの高速空気をエ
    ゼクター(406)を通過させて該エゼクター(406)によって
    生じる吸引作用で密閉圧力容器(2)内の空気を吸引し、
    密閉圧力容器(2)内部及び液体タンク(3)内部を負圧に
    して液体をノズル(64)から液体タンク(3)内に吸引回収
    することを特徴とする液体供給及び回収装置。
  2. 【請求項2】 密閉圧力容器(2)と、該密閉圧力容器
    (2)に接続された加圧、減圧装置(5)と、密閉圧力容器
    (2)内に交換可能に収容される液体タンク(3)と、密閉
    圧力容器(2)を気密に貫通して一端が液体タンク(3)内
    に侵入して液体タンク(3)の底まで延び、他端が大気に
    開放された管路(6)とによって構成され、加圧装置(4)
    及び減圧装置(5)は、コンプレッサを使用し、液体供給
    時は、コンプレッサからの高速空気流を密閉圧力容器
    (2)に供給して、密閉圧力容器(2)内部及び液体タンク
    (3)内部を外気圧力よりも高めて液体タンク(3)内の液
    体をノズル(64)から流出させ、液体回収時は、コンプレ
    ッサからの高速空気をエゼクター(406)を通過させて該
    エゼクター(406)によって生じる吸引作用で密閉圧力容
    器(2)内の空気を吸引し、密閉圧力容器(2)内部及び液
    体タンク(3)内部を負圧にして液体をノズル(64)から液
    体タンク(3)内に吸引回収することを特徴とする液体供
    給及び回収装置。
  3. 【請求項3】 加圧、減圧装置(5)は1台のコンプレッ
    サー(42)で、加圧、減圧を行なう請求項1又は2に記載
    の液体供給及び回収装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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