JPH0872227A

JPH0872227A - 画像形成装置

Info

Publication number: JPH0872227A
Application number: JP21024694A
Authority: JP
Inventors: Koichiro Kawaguchi; 川口　　浩一郎; Makoto Kashimura; 誠鹿志村
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1994-09-02
Filing date: 1994-09-02
Publication date: 1996-03-19

Abstract

(57)【要約】【目的】インク中の染料を不溶化させる透明な液体を容
易に補充することができ、かつその残量を容易にチェッ
クすることが可能で、常に上記液体の液切れを防止し、
かつ高品位で安定した画像結果を確保することが可能と
な画像形成装置を提供することを目的とする。【構成】本発明にもとづく画像形成装置は、インク中
の染料を不溶化させる透明な液体を塗布する塗布手段を
有志、該手段は、被プリント材に当接して上記液体を被
プリント材に塗布する塗布部材と、該塗布部材へ被プリ
ント材に上記液体を補充するための補充タンクとからな
り、さらに補充タンクは、被プリント材の印字面側で搬
送経路と筐体部との間に位置することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、画像形成装置、特にイ
ンクジェット記録方式で画像を形成する複写機等の画像
形成装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、インクジェット方式の画像形成装
置、例えば、複写機、ファクシミリ、プリンタ等が数多
く商品化されている。なぜなら、インクジェット方式は
インクと吐出して被プリント材（紙や布、不織布、ＯＨ
Ｐ用紙等）に直接付着させる低騒音なノンインパクト方
式の一つで、このよな方式のインクジェット記録ヘッド
を用いた画像形成装置は、高密度かつ高速な記録動作が
可能である。

【０００３】しかし、従来のインクジェット記録に用い
られるインクの組成は、一般に、主成分である水と、乾
燥防止、目詰まり防止等の効果を示すグリコール等の水
溶性高沸点溶剤とからなる。そのため、このようなイン
クを用いて普通紙に記録を行った場合、インクの定着性
が不十分であったり、普通紙表面の填料やサイズ剤の不
均一な分布によると思われる不均一な画像が発生する。
また、カラー記録対応の画像形成装置は、減色混合法を
利用しているため、以下のような問題が生ずる。すなわ
ち、多色画像を記録する場合、複数の色のインクが記録
紙に定着する以前に次々と重ねられてしまい、異色の画
像の境界部分では色が滲んだり、不均一に混ざり合って
満足すべき画像が得られない。

【０００４】そこで、上述問題点を改善するために、記
録用インクの噴射に先だって、インクに含まれる染料を
不溶化させる無色の液体を前処理液として塗布すること
によって、滲み等の発生を防ぎ、良好な画像を得るため
の方法が開示されている。

【０００５】たとえば、特開平５−２０２３２８号は、
少なくとも１つのカルボキシル基を有する少なくとも１
つの化学染料剤を含むインク組成物と、多価金属塩溶液
とを使用し、記録媒体に、多価金属塩溶液を適用した後
に、インク組成物を適用して良好な画像を得る方法が開
示されている。また、良好な画像を得るための画像の形
成方法及びこれに用いる前処理液、インク組成物が提案
されている。

【０００６】さらに、前処理液を塗布する方法は、前述
の特開平５−２０２３２８号の実施例中に開示されてい
る。すなわち、インクジェット記録ヘッドによる記録に
先立ち前処理液を、前処理液供給部から導管を介して紙
製の基板に隣接かつ接触したローラー機構に供給し、そ
れによって被プリント材上に前処理液を塗布する方法が
示されている。また、上記ローラー機構は、インクの供
給部を備えている従来のカートリッジの下に設置され、
前処理液を貯蔵するタンクからポンプ駆動によって前処
理液の供給を受ける。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前処理液の使
用量がたいへん多いため、装置本体の耐用枚数に合わせ
るためには膨大な量の前処理液を貯える必要がある。ま
た、上記前処理液は無色の液体のため、その液が切れて
しまった際には画像の乱れたサンプルを印字するまで気
がつかないという欠点もある。このことは、装置の小型
化、安価な維持費、操作の簡易化、安定かつ良好な画像
形成等というユーザーのニーズに反するもので、ユーザ
ーにとって非常に不親切なものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明にもとづく画像形成装置は、被プリント材に
インクを吐出して画像を形成するための記録手段と、上
記被プリント材を所定の搬送経路に沿って搬送するため
の搬送手段と、上記被プリント材に上記インク中の染料
を不溶化させる透明な液体を塗布する塗布手段と、筐体
部とを有する画像形成装置において、上記塗布手段は、
上記被プリント材に当接して上記液体を上記被プリント
材に塗布する塗布部材と、該塗布部材へ上記被プリント
材に上記インク中の染料を不溶化させる透明な液体を補
充するための補充タンクとからなり、さらに上記補充タ
ンクは、上記被プリント材の印字面側で上記搬送経路と
上記筐体部との間に位置することを特徴とする。

【０００９】好ましくは、上記補充タンクは、上記上記
被プリント材に上記インク中の染料を不溶化させる透明
な液体の残量を上記筐体部外側から確認するための残量
表示窓部を有する。

【００１０】好ましくは、上記被プリント材は、本体に
着脱可能な給紙カセットによって供給されるもので、ま
た好ましくは上記塗布手段は少なくとも上記補充タンク
を上記給紙カセット内に有する。

【００１１】好ましくは、上記塗布部材は、少なくとも
周面部が多孔質材からなるローラーである。

【００１２】好ましくは、上記インク中の染料を不溶化
させる透明な液体の表面張力が、上記インクの表面張力
よりも低い。

【００１３】好ましくは、上記インク中の染料を不溶化
させる透明な液体は、低分子成分と高分子成分とからな
るカチオン性物質を含むもので、上記インクに含まれる
上記染料はアニオン性物質からなる。

【００１４】好ましくは、上記インク中の染料を不溶化
させる透明な液体は、低分子成分と高分子成分とからな
るカチオン性物質を含むもので、上記インクに含まれる
上記染料はアニオン性化合物と顔料とが含有されてい
る。

【００１５】好ましくは、上記記録手段は、カラー記録
対応の記録手段からなり、好ましくはイエロー、マゼン
タ、シアン、およびブラックに対応した記録ヘッドから
なる。

【００１６】好ましくは、上記記録手段は、上記インク
に膜沸騰を生じさせる発熱抵抗素子を上記吐出のための
エネルギー発生手段とするインクジェット記録ヘッドで
ある。

【００１７】

【作用】被プリント材の印字面側で該被プリント材の搬
送経路と筐体部との間に補充タンクが位置するので、筐
体部外側から容易に補充タンクへ、インク中の染料を不
溶化させる透明な液体を補充することができる。

【００１８】残量表示窓部によって、補充タンク内の液
量を点検することができる。そのため、前処理液の液切
れを防止し、常に高品位で安定した画像結果を確保する
ことが可能となる。

【００１９】画像形成装置本体に着脱可能な給紙カセッ
ト内に補充タンクを設けることにより、記録紙を補給す
る際に前処理液の残量確認及び必要ならば補給を同時に
でき、効率的で容易なユーザーメンテナンスが可能とな
る。

【００２０】塗布ローラーを多孔質部材で構成すること
により、主搬送ローラーに与えるバックテンションを軽
減でき、より高精度な紙送りが実現できる。

【００２１】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。

【００２２】＜実施例１＞図１は、本発明にもとづく画
像形成装置の一例を示すものである。

【００２３】この画像形成装置は、シリアル型のインク
ジェット記録方式を採用するもので、記録ヘッド１と、
被プリント材（以下、記録紙ともいう）１９を給紙する
ための給紙トレイ１７とインク中の染料を不溶化させる
透明な液体（以下、前処理液ともいう）を塗布するため
の手段とが一体形成された給紙カセット１６と、記録紙
の搬送方向と直交する方向へ記録ヘッドを往復移動させ
るための駆動手段と、これらの構成要素の駆動を制御す
る制御手段とを有する。

【００２４】記録ヘッド１は、インク吐出口が形成され
た面をプラテン１１側に配向するようにしてキャリッジ
２に搭載されている。図示しないが、記録ヘッド１は、
上記インク吐出口と、インク液を加熱するための複数の
電気熱片歓体（例えば発熱抵抗素子）と、これを支持す
る基板からなる。尚、記録ヘッド１はその上部のキャリ
ッジ内にインクカートリッジを搭載している。

【００２５】キャリッジ２は、記録ヘッド１を搭載し、
かつ記録紙１９の幅方向に沿って平行に延びる２本のガ
イド軸９に沿って往復移動することができる。また、記
録ヘッド１は、このキャリッジの往復移動と同期して駆
動し、インク液滴を記録紙１９に吐出して画像を形成す
る。

【００２６】給紙カセット１６は、画像形成装置本体か
ら着脱することができる。記録紙１９は、この給紙カセ
ット１６内の給紙トレイ１７上に積載収納される。給紙
時において、給紙トレイ１７を上方向に押圧するスプリ
ング１８により最上位のシートが給紙ローラー１０に圧
接される。この給紙ローラー１０は断面形状が概略半月
形のローラーであり、図示しないモータによって駆動回
転し、不図示の分離爪により最上位のシート（記録紙１
９）のみを給紙する。

【００２７】分離給紙された記録紙１９は、大径の中間
ローラー１２と、それに圧接している多孔質部材から成
る小径の塗布ローラー６とによって、給紙カセット１６
の搬送面１６A とペーパーガイド２７の搬送面２７A と
に沿って搬送される。これらの搬送面は、中間ローラー
１２と同心的な円弧を描くようにして湾曲した面からな
る。したがって、記録紙１９は、これらの搬送面１６
ａ，２７a を通過することによって、その搬送方向を逆
転する。すなわち、記録紙１９の印字がなされる面は、
給紙トレイ１７から搬送されて中間ローラー１２に達す
るまでは、下方向を向いているが、記録ヘッド１に対向
する時点では、上方向（記録ヘッド側）を向く。したが
って、記録紙の印字面は、つねに画像形成装置外側方向
に向いている。

【００２８】前処理液塗布手段は、給紙カセット１６内
に設けられ、かつ前処理液１４を供給するための補充タ
ンク２２と、該タンク２２に周面の一部を浸した状態で
回転自在に支持された中間ローラ１２と、該中間ローラ
ーと平行となるようにして配置され、かつ中間ローラー
１２と接触し、同一方向へ回転する塗布ローラー６とか
らなる。また、塗布ローラー６は、記録紙１９を搬送す
るための中間ローラー１２と周面が接触、かつ平行とな
るようにして配置している。したがって、記録紙１９が
搬送される際、中間ローラー１２の回転にともなって中
間ローラー１２および塗布ローラー１３が回転する。そ
の結果、供給ローラー１３によって塗布ローラー６の周
面に前処理液１５が供給され、さらに塗布ローラー６と
中間ローラー１２とによって挟持された記録紙１９の印
字面に満遍なく前処理液が供給ローラー６によって塗布
される。この実施例では、補充タンク２２は、搬送され
る記録紙の印字面側に位置している。

【００２９】さらに、本実施例の画像形成装置では、補
充タンク２２内にフロート１４が設けられている。この
フロート１４は、前処理液１５より比重の軽い物質であ
り、前処理液の液面に浮かぶことにより透明部材である
残量表示窓２１をとおして外から前処理液の残量を目視
で確認できる。

【００３０】図２は残量表示部を正面から見た図であ
る。残量表示部は、残量表示窓２１の長手方向に沿っ
て、残量の程度を表す表示が設けられている。図中、
「Full」と表示された位置に前処理液の液面またはフロ
ート１４が達している場合が満杯の状態である。一方、
「Add 」と表示された位置に前処理液の液面またはフロ
ート１４がある場合、前処理液が残り少ないことを示し
ている。したがって、前処理液１５が徐々に減り、フロ
ート１４がＡｄｄラインまで下がった時に前処理液を補
充すればよいことが一目瞭然でわかる。

【００３１】前処理液の補充方法としては、図３に示す
ように、給紙カセット１６を画像形成装置本体から引き
出した状態で、注入機具２３の先端を切れ目の入ったゴ
ム部材で構成される注入口２０に差し込むことにより補
充タンク２２内に前処理液を注入するものである。

【００３２】このように、前処理液を塗布された記録紙
は、その後主搬送ローラー７とそれに圧接しているピン
チローラー８により所定量送られて記録部へと搬送され
る。以上の構成において給紙、印字された記録シート１
９は、排紙ローラー３とこれに圧接する拍車４とによっ
て排出搬送され、排紙トレイ５上にスタックされる。

【００３３】なお、インク染料を不溶化する上記前処理
液は、以下の処方によって調製される無色の液体であ
る。

【００３４】すなわち、下記の成分を混合溶解した後、
さらにポアサイズが０．２２μｍのメンブレンフィルタ
（商品名：フロロポアフィルタ、住友電工製）にて加圧
濾過した後、ＮａＯＨでｐＨを４．８に調整し、無色の
液体Ａｌを得ることができる。

【００３５】［Ａｌの成分］カチオン性化合物の低分子成分ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド２．０部（商品名；エレクトロストッパＱＥ、花王製）カチオン性化合物の高分子成分ポリアミンスルホン（平均分子量；５０００）３．０部（商品名；ＰＡＳ−９２、日東紡績製）チオジグリコール１０部水残部また、上記無色の液体と混合し不溶化するインクの好適
な例として以下のものを挙げることができる。

【００３６】すなわち、下記の成分を混合し、さらにポ
アサイズが０．２２μｍのメンブレンフィルタ（商品
名：クロロポアフィルタ、住友電工製）にて加圧濾過し
てイエロー，マゼンタ，シアン，ブラックのインクＹ
１，Ｍ１，Ｃ１，Ｋ１を得ることができる。

【００３７】Ｙ１Ｃ．Ｉ．ダイレクトイエロー１４２２部チオジグリコール１０部アセチレノールＥＨ（川研ファインケミカル）０．０５部水残部Ｍ１染料をＣ．Ｉ．アシッドレッド−２８９；２．５部に代えた以外はＹ１と同じ組成Ｃ１染料をＣ．Ｉ．アシッドブルー９；２．５部に代えた以外はＹ１と同じ組成Ｋ１染料をＣ．Ｉ．フードブラック２；３部に代えた以外はＹ１と同じ組成以上示したそれぞれ無色の液体とインクとの混合におい
て、本発明では、上述した無色の液体とインクが被プリ
ント材上あるいは被プリント材紙に浸透した位置で混合
する結果、反応の第１段階として無色の液体中に含まれ
ているカチオン性物質の内、低分子量の成分とインクに
使用しているアニオン性基を有する水溶性染料とがイオ
ン的相互作用により会合を起こし、瞬間的に溶液相から
分離を起こす。

【００３８】次に、反応の第２段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質との会合体が無色の液体中に
含まれる高分子成分により吸着されるために、会合で生
じた染料の凝集体のサイズがさらに大きくなり、被プリ
ント材の繊維間の隙間に入り込みにくくなり、その結果
として固液分離した液体部分のみが記録紙中にしみこむ
ことにより、プリント品位と定着性との両立が達成され
る。同時に上述したようなメカニズムにより生成したカ
チオン物質の低分子成分とアニオン性染料とカチオン性
物質とで形成される凝集体は粘性が大きくなり、液媒体
の動きとともに移動することがないので、フルカラーの
画像形成時のように隣接したインクドットが異色のイン
クで形成されていたとしても互いに混じり合うようなこ
とはなく、ブリーデイングも起こらない。また、上記凝
集体は本質的に水不溶性であり形成された画像の耐水性
は完全なものとなる。また、ポリマーの遮蔽効果により
形成された画像の耐光堅牢性も向上するという効果も有
する。

【００３９】また、本発明の実施にあたっては、従来技
術のように分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価
の金属塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必
要があっても本発明の効果をさらに向上させるために補
助的に使用するだけで良いので、その使用量を最小限に
抑えることができる。その結果として、従来のカチオン
性高分子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得よ
うとした場合の問題点であった染料の発色性の低下がな
くなるということを本発明の別の効果として挙げること
ができる。

【００４０】なお、本発明を実施するにあたって使用す
る被プリント材については特に制限されるものではな
く、従来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等の
いわゆる普通紙を好適に用いることができる。もちろん
インクジェットプリント用に特別に作製したコート紙や
ＯＨＰ用透明フィルムも好適に使用でき、また、一般の
上質紙や光沢紙も好適に使用可能である。

【００４１】＜実施例２＞実施例１と同一構成からなる
画像形成装置において、上記塗布ローラー６を多孔質部
材とする。すなわち、このように構成することにより、
小さな付勢力で充分なニップを形成できるため、搬送力
を損なうことなく主搬送ローラー７に与えるバックテン
ションを軽減でき、より高精度な紙送りが実現できる。

【００４２】＜実施例３＞図４は本発明にもとづく画像
形成装置の第３の実施例を示す側面断面図である。上記
実施例１および２の画像形成装置では、前処理液を記録
紙へ塗布するための供給ローラーおよび補充タンクは給
紙カセット側に設けられていたが、この実施例では、そ
れらは画像形成装置本体側に設けられている。

【００４３】本図において、給紙トレイ１７上から分離
給紙された記録紙１９の最上位のシートは、中間ローラ
ー１２とそれに圧接している中間コロ２５とにより、給
紙カセット１６の搬送面１６a およびペーパーガイド２
７の搬送面２７a に沿って搬送方向を逆転させられる。

【００４４】その後、塗布ローラー６により記録紙の印
字面に満遍なく前処理液は塗布されるが、本実施例にお
いては補充タンク２２は塗布ローラー６の上部で、筐体
部の内側に形成されている。

【００４５】ここで、前処理液１５は、弁を有する吐出
口２４から塗布ローラー６の表面に均一に塗布される。

【００４６】又、実施例１と同様に補充タンク２２には
残量表示部及び注入口が設けられている。

【００４７】（その他）なお、本発明を実施するにあた
って、使用するインクは特に染料インクに限るものでは
なく、顔料を分散させた顔料インクを用いることもでき
るし、使用する処理液はその顔料を凝集させるものを用
いることができる。前記した無色液体Ａ１と混合して凝
集を引き起こす顔料インクの一例として以下のものを挙
げることができる。すなわち、下記に述べるようにし
て、それぞれ顔料とアニオン性化合物とを含むイエロ
ー，マゼンタ，シアン，ブラックの各色インク、Ｙ２，
Ｍ２，Ｃ２およびＫ２を得ることができる。

【００４８】ブラックインクＫ２アニオン系高分子Ｐ−１（スチレン−メタクリル酸−エ
チルアクリレート、酸価４００、重量平均分子量６，０
００、固形分２０％の水溶液、中和剤：水酸化カリウ
ム）を分散剤として用い、以下に示す材料をバッチ式縦
型サンドミル（アイメックス製）に仕込み、１ｍｍ径の
ガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ３時
間分散処理を行った。分散後の粘度は９ｃｐｓ、ｐＨは
１０．０であった。この分散液を遠心分離機にかけ粗大
粒子を除去し、重量平均粒径１００ｎｍのカーボンブラ
ック分散体を作製した。

【００４９】（カーボンブラック分散体の組成）・Ｐ−１水溶液（固形分２０％）４０部・カーボンブラックＭｏｇｕｌＬ（キャブラック製）２４部・グリセリン１５部・エチレングリコールモノブチルエーテル０．５部・イソプロピルアルコール３部・水１３５部次に、上記で得られた分散体を充分に拡散して顔料が含
有されたインクジェット用のブラックインクＫ２を得
た。最終調製物の固形分は、約１０％であった。

【００５０】イエローインクＹ２アニオン系高分子Ｐ−２（スチレン−アクリル酸−メチ
ルメタアクリレート、酸価２８０、重量平均分子量１
１，０００、固形分２０％の水溶液、中和剤：ジエタノ
ールアミン）を分散剤として用い、以下に示す材料を用
いて、ブラックインクＫ２の作製の場合と同様に分散処
理を行い、重量平均粒径１０３ｎｍのイエロー色分散体
を作製した。

【００５１】（イエロー分散体の組成）・Ｐ−２水溶液（固形分２０％）３５部・Ｃ．Ｉ．ピグメントイエロー１８０２４部（ノバパームイエローＰＨ−Ｇ、ヘキスト製）・トリエチレングリコール１０部・ジエチレングリコール１０部・エチレングリコールモノブチルエーテル１．０部・イソプロピルアルコール０．５部・水１３５部上記で得られたイエロー分散体を充分に拡散して、顔料
が含有されたインクジェット用のイエローインクＹ２を
得た。最終調製物の固形分は、約１０％であった。

【００５２】シアンインクＣ２ブラックインクＫ２の作製の際に使用したアニオン系高
分子Ｐ−１を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径１２０ｎｍのシアン色分散
体を作製した。

【００５３】（シアン色分散体の組成）・Ｐ−１水溶液（固形分２０％）３０部・Ｃ．Ｉ．ビグメントブルー１５：３２４部（ファストゲンブル−ＦＧＦ、大日本インキ化学）・グリセリン１５部・ジエチレングリコールモノブチルエーテル０．５部・イソプロピルアルコール３部・水１３５部上記で得られたシアン色分散体を充分に攪拌して、顔料
が含有されたインクジェット用のシアンインクＣ２を得
た。最終調製物の固形分は、約９．６％であった。

【００５４】マゼンタインクＭ２ブラックインクＫ２の作製の際に使用したアニオン系高
分子Ｐ−１を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径１１５ｎｍのマゼンタ色分
散体を作製した。

【００５５】（マゼンタ色分散体の組成）・Ｐ−１水溶液（固形分２０％）２０部・Ｃ．Ｉ．ピグメントレッド１２２（大日本インキ化学）２４部・グリセリン１５部・イソプロピルアルコール３部・水１３５部上記で得られたマゼンタ色分散体を充分に拡散して、顔
料が含有されたインクジェット用のマゼンタインクＭ２
を得た。最終調製物の固形分は、約９．２％であった。

【００５６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明にもとづく
画像形成装置は、被プリント材の印字面側で該被プリン
ト材の搬送経路と筐体部との間に補充タンクが位置する
ので、筐体部外側から容易に補充タンクへ、インク中の
染料を不溶化させる透明な液体を補充することができ
る。また、残量表示窓部によって、補充タンク内の液量
を点検することができる。そのため、上記液体の液切れ
を防止し、常に高品位で安定した画像結果を確保するこ
とが可能となる。さらに、画像形成装置本体に着脱可能
な給紙カセット内に補充タンクを設けることにより、記
録紙を補給する際に前処理液の残量確認及び必要ならば
補給を同時にでき、効率的で容易なユーザーメンテナン
スが可能となる。さらにまた、塗布ローラーを多孔質部
材で構成することにより、主搬送ローラーに与えるバッ
クテンションを軽減でき、より高精度な紙送りが実現で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にもとづく画像形成装置の一実施例を説
明するための側断面図である。

【図２】本発明にもとづく画像形成装置に設けられた前
処理液残量表示部の正面図である。

【図３】本発明にもとづく画像形成装置の前処理液補充
状態を示す側断面図である。

【図４】本発明にもとづく画像形成装置の別の実施例を
説明するための側断面図である。

【符号の説明】

１記録ヘッド２キャリッジ３排紙ローラー４拍車５排紙トレイ６塗布ローラー７主搬送ローラー８ピンチローラー９キャリッジガイド軸１０給紙ローラー１１プラテン１２中間ローラー１３供給ローラー１４フロート１５前処理液１６給紙カセット１７給紙トレイ１８バネ１９記録紙２０注入口２１残量表示窓２２補充タンク２３注入機具２４吐出口２５中間コロ２７ペーパーガイド

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】被プリント材にインクを吐出して画像を
形成するための記録手段と、前記被プリント材を所定の
搬送経路に沿って搬送するための搬送手段と、前記被プ
リント材に前記インク中の染料を不溶化させる透明な液
体を塗布する塗布手段と、筐体部とを有する画像形成装
置において、前記塗布手段は、前記被プリント材に当接して前記液体
を前記被プリント材に塗布する塗布部材と、該塗布部材
へ前記被プリント材に前記インク中の染料を不溶化させ
る透明な液体を補充するための補充タンクとからなり、
さらに前記補充タンクは、前記被プリント材の印字面側
で前記搬送経路と前記筐体部との間に位置することを特
徴とする画像形成装置。
【請求項２】請求項１記載の画像形成装置において、前記補充タンクは、前記被プリント材に前記インク中の
染料を不溶化させる透明な液体の残量を前記筐体部外側
から確認するための残量表示窓部を有することを特徴と
する画像形成装置。
【請求項３】請求項１または２記載の画像形成装置に
おいて、前記被プリント材は、本体に着脱可能な給紙カセットに
よって供給されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項４】請求項３記載の画像形成装置において、前記塗布手段は、少なくとも前記補充タンクを前記給紙
カセット内に有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項５】請求項１ないし４のいずれか一項記載の
画像形成装置において、前記塗布部材は、少なくとも周面部が多孔質材からなる
ローラーであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項６】請求項１ないし５のいずれか一項記載の
画像形成装置において、前記インク中の染料を不溶化させる透明な液体の表面張
力が、前記インクの表面張力よりも低いことを特徴とす
る画像形成装置。
【請求項７】請求項１ないし６のいずれか一項記載の
画像形成装置において、前記インク中の染料を不溶化させる透明な液体は、低分
子成分と高分子成分とからなるカチオン性物質を含むも
ので、前記インクに含まれる前記染料はアニオン性物質
からなることを特徴とする請求項１ないし６のいずれか
一項記載の画像形成装置。
【請求項８】請求項１ないし７のいずれか一項記載の
画像形成装置において、前記インク中の染料を不溶化させる透明な液体は、低分
子成分と高分子成分とからなるカチオン性物質を含むも
ので、前記インクに含まれる前記染料はアニオン性化合
物と顔料とが含有されていることを特徴とする画像形成
装置。
【請求項９】請求項１ないし８のいずれか一項記載の
画像形成装置において、前記記録手段は、カラー記録対応の記録手段からなり、
好ましくはイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラッ
クに対応した記録ヘッドからなることを特徴とする画像
形成装置。
【請求項１０】請求項１ないし９のいずれか一項記載
の画像形成装置において、前記記録手段は、前記インクに膜沸騰を生じさせる発熱
抵抗素子を前記吐出のためのエネルギー発生手段とする
インクジェット記録ヘッドであることを特徴とする画像
形成装置。