JP4915441B2 - ミシン - Google Patents

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Description

本発明は、ミシンベッドに設けられた針穴を撮像する機能を有する撮像手段を備えたミシンに関する。
従来、カメラ等の撮像手段を備えたミシンが知られている。例えば、特許文献1及び特許文献2に記載のミシンは、針落ち位置近傍を撮像手段によって撮像し、撮像された画像を画像表示手段に表示させる。ユーザは、必要に応じて撮像手段によって撮像される画像を拡大縮小させることができる。ユーザは、画像表示手段に表示された画像を見ることで、針落ち位置近傍に顔を近づけることなく、針落ち位置及び縫製状態を容易に確認することができる。
特開平8−24464号公報 特開平8−71287号公報
しかしながら、従来のミシンは、撮像手段はミシンに固定されているため、撮像手段を所望の位置に移動させることができなかった。このためユーザは、撮像手段の位置又は撮像方向を変更して撮像した画像を容易に得ることができなかった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、撮像手段を容易に移動させることができるミシンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のミシンは、複数の針棒を収容する針棒ケースと、ミシンベッドに設けられた針板の針穴を撮像する撮像手段とを備えた多針ミシンであって、前記撮像手段を前記針棒ケースに対して移動させる移動手段と、前記撮像手段を前記針棒ケースに対して移動させる指示を取得する指示取得手段と、前記指示取得手段によって取得された前記指示に応じて、前記移動手段を制御して前記撮像手段を前記収容部に対して移動させる移動制御手段とを備え、前記移動手段は、ミシン本体に対して前記針棒ケースを水平方向に移動させる針棒ケース移動機構と、前記針棒ケースと前記撮像手段とを連結し、前記針棒ケースの移動に連動して前記撮像手段を前記針棒ケースに対して移動させる連結部材とを備え、前記指示は、前記針棒ケースに対する前記撮像手段の撮像方向を変更する方向変更指示と、前記針棒ケースに対する前記撮像手段の鉛直方向の位置を変更する位置変更指示と、の両方を含み、前記移動制御手段は、前記指示取得手段が前記方向変更指示を取得した場合に、前記針棒ケース移動機構を制御して前記針棒ケースに対する前記撮像手段の撮像方向を変更させ、前記指示取得手段が前記位置変更指示を取得した場合に、前記針棒ケース移動機構を制御して前記針棒ケースに対する前記撮像手段の鉛直方向の位置を変更させる。


また、請求項に係る発明のミシンは、請求項に記載の発明の構成に加え、前記連結部材は、前記針棒ケースにスライド可能に支持されるとともに、前記撮像手段の撮像方向を変更可能なように前記撮像手段を支持する第1支持部材と、前記第1支持部材と協働して前記撮像手段の撮像方向を定める第1ガイド部を有し、前記針棒ケースに固定された第1ガイド部材とを備え、前記移動制御手段は、前記針棒ケース移動機構を制御して、前記指示取得手段によって取得された前記指示に応じて、前記針棒ケースを、第1位置を含む第2位置から第3位置までの間のいずれかの位置に移動させ、前記針棒ケースが、前記第1位置から前記第2位置までの間を移動する場合には、前記第1支持部材は前記針棒ケースと一体に移動されて前記撮像手段の撮像方向が所定の方向に保持され、前記針棒ケースが、前記第1位置から前記第3位置までの間を移動する場合には、前記第1支持部材は前記ミシン本体と接触して当該針棒ケースに対してスライドし、前記第1ガイド部と協働して前記撮像手段の撮像方向が変更される。
また、請求項に係る発明のミシンは、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記連結部材は、前記針棒ケースにスライド可能に支持されるとともに、前記撮像手段を鉛直方向に移動可能なように前記撮像手段を支持する第2支持部材と、前記第2支持部材と協働して前記撮像手段の鉛直方向の位置を定める第2ガイド部を有し、前記針棒ケースに固定された第2ガイド部材とを備え、前記移動制御手段は、前記針棒ケース移動機構を制御して、前記指示取得手段によって取得された前記指示に応じて、前記針棒ケースを、第4位置を含む第5位置から第6位置までの間のいずれかの位置に移動させ、前記針棒ケースが、前記第4位置から前記第5位置までの間を移動する場合には、前記第2支持部材は前記針棒ケースと一体に移動されて前記撮像手段の鉛直方向の位置が所定の位置に保持され、前記針棒ケースが、前記第4位置から前記第6位置までの間を移動する場合には、前記第2支持部材は前記ミシン本体と接触して当該針棒ケースに対してスライドし、前記第2ガイド部と協働して前記撮像手段の鉛直方向の位置が変更される。
請求項1に係るミシンでは、指示取得手段によって取得された指示に応じて、自動的に撮像手段を収容部に対して移動させることができる。このため、ユーザは指示を入力することにより、撮像手段の取り付け状態を変更させることができ、ミシンは撮像手段の移動前後で視野が異なる画像を容易に取得することができる。
示取得手段によって取得された方向変更指示に従って、収容部に対する撮像手段の撮像方向を自動的に変更させることができる。このため、ユーザは方向変更指示を入力することにより、撮像手段の方向を変更させることができ、ミシンは、撮像手段の移動前後で視野、特に撮像方向が異なる画像を取得することができる。
示取得手段によって取得された位置変更指示に従って、収容部に対する撮像手段の鉛直方向の位置を自動的に変更させることができる。このため、ユーザは位置変更指示を入力することにより、撮像手段の鉛直方向の位置を変更させることができ、ミシンは、撮像手段の移動前後で視野、特に拡大縮小率が異なる画像を取得することが可能である。
針ミシンにおいて、針棒ケースの移動と連動させて、撮像手段を針棒ケースに対して移動させることができる。このため、請求項に係るミシンは、撮像手段を移動させるための専用の駆動源を必要としない。すなわち、請求項に係るミシンは、撮像手段を移動させるための移動手段を針棒ケース移動機構とは別に設ける場合に比べ、移動手段の構成が簡単にすることができる。
請求項に係るミシンは、指示取得手段が取得した指示に応じて、針棒ケースを第2位置から第3位置までの間のいずれかの位置に移動させる。針棒ケースが移動されると、針棒ケースの移動に連動して動作する連結部材によって、撮像手段の撮像方向は変更される。請求項に記載の発明の効果に加え、ミシンは、連結部材としては、第1支持部材と、第1ガイド部材とを備えるのみでよく、比較的簡単な構成により、針棒ケースの移動を利用して、撮像手段の方向を変更させることができる。
請求項に係るミシンは、指示取得手段が取得した指示に応じて、針棒ケースを第5位置から第6位置までの間のいずれかの位置に移動させる。針棒ケースが移動されると、針棒ケースの移動に連動して動作する連結部材によって、撮像手段の鉛直方向は変更される。請求項に係るミシンは、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、連結部材としては、第2支持部材と、第2ガイド部材とを備えるのみでよく、比較的簡単な構成により、針棒ケースの移動を利用して、撮像手段の鉛直方向の位置を変更させることができる。
多針ミシン1の斜視図である。 針棒ケース21の透視正面図である。 針棒ケース21の透視右側面図である。 最も左側の係合コロ42と螺旋カム48の位置決め部481とが係合している場合の針棒ケース移動機構40の平面図である。 イメージセンサ保持機構51の右側面図である。 イメージセンサ保持機構51の分解斜視図である。 イメージセンサ保持機構51の背面図である。 多針ミシン1の電気的構成を示すブロック図である。 撮像処理のフローチャートである。 右から2番目の係合コロ42と螺旋カム48の位置決め部481とが係合している場合の針棒ケース移動機構40の平面図である。 針棒ケース21が図10の位置にある場合のイメージセンサ保持機構51の正面図である。 最も右側の係合コロ42と螺旋カム48の位置決め部481とが係合している場合の針棒ケース移動機構40の平面図である。 針棒ケース21が図12の位置にある場合のイメージセンサ保持機構51の正面図である。 通常位置に配置されたイメージセンサ52によって撮像された画像の説明図である。 ズーム位置に配置されたイメージセンサ52によって撮像された画像の説明図である。 撮像方向を下向きに設定されたイメージセンサ保持機構251の正面図である。 イメージセンサ保持機構251の分解斜視図である。 撮像方向を下向きに設定されたイメージセンサ保持機構251の右側面図である。 第2の実施形態の撮像処理のフローチャートである。 撮像方向を前向きに設定されたイメージセンサ保持機構251の正面図である。 撮像方向を前向きに設定されたイメージセンサ保持機構251の右側面図である。 右から3番目の係合コロ42と螺旋カム48の位置決め部481とが係合している場合の第3の実施形態の針棒ケース移動機構340の平面図である。 通常位置に配置されたイメージセンサ保持機構351の正面図である。 イメージセンサ保持機構351の分解斜視図である。 通常位置に配置されたイメージセンサ保持機構351の右側面図である。 第3の実施形態の撮像処理のフローチャートである。 ズーム位置に配置されたイメージセンサ保持機構351の正面図である。 ズーム位置に配置されたイメージセンサ保持機構351の右側面図である。 撮像方向を前向きに設定されたイメージセンサ保持機構351の正面図である。 撮像方向を前向きに設定されたイメージセンサ保持機構351の右側面図である。 ミシン500の斜視図である。 縫針507の近傍をミシン500の左側からみた図である。 ミシン500の電気的構成を示すブロック図である。 通常位置に配置されたイメージセンサ駆動機構551の正面図である。 イメージセンサ駆動機構551の分解斜視図である。 通常位置に配置されたイメージセンサ駆動機構551の右側面図である。 ズーム位置に配置されたイメージセンサ駆動機構551の正面図である。 ズーム位置に配置されたイメージセンサ駆動機構551の右側面図である。 撮像方向を前向きに設定されたイメージセンサ駆動機構551の正面図である。 撮像方向を前向きに設定されたイメージセンサ駆動機構551の右側面図である。
以下、本発明を具現化した第1から第4の実施形態のミシンについて、図面を参照して順に説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用し得る技術的特徴を説明するために用いるものであり、記載している装置の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。また、図7と、図11と、図13と、図16と、図23と、図27と、図29とにおいて、フレーム24の内側に配置された針棒31等の部材の図示を省略している。また、図6と、図17と、図24と、図35とを除く図面では、コネクタ部153の図示を省略している。
図1から図3を参照して、第1の実施形態の多針ミシン1(以下、単に「ミシン1」と言う。)の物理的構成について説明する。以下の説明では、図1の左斜め下側をミシン1の前方とし、図1の右斜め上側をミシン1の後方とする。図1の左斜め上側をミシン1の左側とし、図1の右斜め下側をミシン1の右側とする。
図1及び図2に示すように、ミシン1は6本の針棒31を備える多針ミシンである。ミシン1のミシン本体20は、支持部2と、脚柱部3と、アーム部4とを備えている。支持部2は、平面視逆U字形に形成され、ミシン1全体を支持する。脚柱部3は、支持部2の後端部から上方へ立設する。アーム部4は、脚柱部3の上端部から正面側に延びる。アーム部4の先端には、ミシン本体20に対して左右方向(水平方向)に移動可能に針棒ケース21が装着されている。針棒ケース21の詳細については後述する。
アーム部4の前後方向中央部の右側には、操作部6が設けられている。操作部6は、上下方向に伸びる軸(図示せず)を回転軸として、アーム部4に回転可能に取り付けられている。操作部6は、液晶ディスプレイ7(以下、「LCD7」と言う。)と、タッチパネル9と、コネクタ8とを備える。LCD7には、例えば、ユーザが指示を入力するための操作画像が表示される。タッチパネル9は、ユーザからの指示を受け付けるために用いられる。LCD7に表示された入力キー等の位置に対応したタッチパネル9の箇所を、指や専用のタッチペンを用いて押圧操作すること(以下、この操作を「パネル操作」と言う。)によって、ユーザは縫製模様や縫製条件等を選択できる。コネクタ8は、メモリカード160(図8参照)と接続可能である。
アーム部4の下方には、脚柱部3の下端部から前方へ延びる筒状のシリンダベッド10が設けられている。シリンダベッド10の先端部の内部には、下糸(図示せず)が巻回されたボビン(図示せず)を収納する釜(図示せず)が設けられている。また、シリンダベッド10は、釜を回転駆動する釜駆動機構(図示せず)を内部に備えている。シリンダベッド10の上面の先端側には、針板16がある。針板16には、縫針35が通る針穴38が設けられている。針穴38の鉛直上方には、針落ち位置(図示せず)がある。針落ち位置は、刺繍枠39に装着された加工布(図示せず)に縫針35が刺さる位置である
アーム部4の下方には、刺繍枠39を前後左右に移動させる刺繍枠移動機構11が設けられている。刺繍模様が縫製される時には、加工布(図示せず)が装着された刺繍枠39が、刺繍枠移動機構11のキャリッジ(図示せず)にセットされる。ミシン1は、刺繍枠移動機構11のX軸モータ132(図8参照)及びY軸モータ134(図8参照)によって刺繍枠39を前後左右に移動させながら、刺繍模様を縫製する。
アーム部4の上面の背面側には、左右一対の糸駒台12が設けられている。各糸駒台12には、3本の糸立棒14が設けられている。糸立棒14は、糸駒13を軸支する。一対の糸駒台12は、針棒31の数と同じ6個の糸駒13を載置することができる。上糸15は、糸駒台12に軸支された糸駒13から供給される。上糸15は、糸案内17と、糸調子器18と、天秤19とを経由して、針棒31の下端に装着された各縫針35の目孔(図示せず)に供給される。
アーム部4の内部には、主軸モータ(図8参照)によって回転する主軸(図示せず)が前後方向に伸びている。主軸の先端側には、6本の針棒31の1つを上下動させるための針棒駆動機構(図示せず)が設けられている。針棒駆動機構は、主軸の回転運動をクランクレバー(図示せず)のクランク運動に変換し、可動体(図示せず)を上下方向に往復移動させる。可動体は、ミシン1の左右方向中心に位置する針棒31の係合ピン(図示せず)に係合し、針棒31を上下動させる。また、シリンダベッド10の内部の釜駆動機構(図示せず)は、主軸の回転に伴って駆動する。主軸が回転すると、針棒31と、天秤19と、釜(図示せず)とが同期しつつ駆動され、加工布(図示せず)に縫目が形成される。
次に、図2及び図3を参照して、針棒ケース21について説明する。以下の説明では、図2の紙面手前側をミシン1の前方、紙面奥側をミシン1の後方、紙面左側をミシン1の左方、紙面右側をミシン1の右方とする。図3の紙面左側をミシン1の前方、紙面右側をミシン1の後方、紙面奥側をミシン1の左方、紙面手前側をミシン1の右方とする。
図2及び図3に示すように、針棒ケース21は、針棒ケース21のカバー22の内部にフレーム24を備える。フレーム24は、正面視矩形状、右側面視L字状の形状を有する。図2に示すように、アーム部4(図1参照)の前端部には、左右方向に伸びるスライドレール25が固定されている。フレーム24は、自身の上下方向中央よりもやや上側に、スライドレール25に沿ってスライドするガイドブロック(図示せず)を備えている。また、図3に示すように、フレーム24の下部の背面側には、フレーム24の前後方向の移動を規制するための規制部材27が固定されている。アーム部4の先端部の下部には、フレーム24の規制部材27に係合する爪部28と、規制部材27に背面側から当接するローラ29とが設けられている。以上の構成により、フレーム24は、スライドレール25に案内されつつ、ミシン本体20(図1参照)に対して左右方向にスムーズに移動する。
図2に示すように、フレーム24の内側には、6本の針棒31が、左右方向に設けられている。6本の針棒31のそれぞれには、右から順に1番から6番までの針棒番号が付与されている。6本の針棒31の中心軸線101は、それぞれ鉛直方向に伸び、且つ同一平面上にある。すなわち、図4に示すように、平面視にて6本の針棒31の中心軸線101は同一の直線103上にある。針棒31の中心軸線101の間隔Xは、全て等しい。針棒31は、コイルバネ(図示せず)が外装されており、コイルバネによって上方へ付勢されている。針棒31は、上下方向中央に針棒抱き32を備え、上下方向中央よりやや下側に押え抱き33を備える。さらに、針棒31の下端には、針抱き36が固定されている。針抱き36は、縫針35を固定する。針抱き36に固定された縫針35の中心軸線は、針棒31の中心軸線101と一致する。したがって、縫針35の中心軸線の間隔は、針棒31の中心軸線101の間隔Xと等しい。押え抱き33の下方には押え足37が設けられている。押え足37の下端は、縫針35の下端部(先端部)よりも僅かに下方にあり。押え足37は、針棒31の上下動と連動して、断続的に加工布(図示せず)を下方へ押圧する。
図2及び図3に示すように、フレーム24の右側面下部には、イメージセンサ保持機構51(以下、単に「保持機構51」と言う。)がある。保持機構51は、カバー23によって正面と、右側面と、平面とが覆われている。保持機構51は、フレーム24に対する相対的な位置を変更可能にイメージセンサ52を保持する。保持機構51の詳細については後述する。
図2に示すように、6本の針棒31のうちの最も右側の針棒31である針棒番号1番針棒31の中心軸線101と、イメージセンサ52の光軸102との間の距離は、針棒31の間隔Xの整数倍である2Xとなっている。また、図4に示すように、イメージセンサ52の光軸102は、平面視にて6本の針棒31の中心軸線101を通る直線103上にある。針棒ケース21が左右方向に移動されることで、6本の針棒31及びイメージセンサ52がミシン本体20に対して左右方向に移動する。
次に、図3及び図4を参照して、針棒ケース21を移動させる針棒ケース移動機構40について説明する。図4の下側をミシン1の前方とし、紙面上側をミシン1の後方とし、紙面左側をミシン1の左方とし、紙面右側をミシン1の右方とする。
図4に示すように、針棒ケース移動機構40は、係合コロ部401と、針棒ケース駆動部402とを備える。係合コロ部401は、フレーム24に取り付けられている。係合コロ部401は、コロ取り付け板41と、係合コロ42と、ナット43と、段付螺子44とを備える。コロ取り付け板41は、左右方向に長い板状形状を有し、図3に示すようにフレーム24の上部後端に取り付けられている。図4に示すように、コロ取り付け板41の背面には、9つの係合コロ42がそれぞれ段付螺子44によって取り付けられている。係合コロ42は、詳しくは図示しないが円筒形状を有し、段付螺子44によって回転可能、且つ係合コロ42の軸方向には移動不能に支持されている。段付螺子44は、コロ取り付け板41の螺子孔(図示せず)に螺合して固定される。また、係合コロ42の回転によって段付螺子44が緩まないように、段付螺子44の先端(雄螺子部分の先端)はナット43によって固定されている。係合コロ42の間隔(係合コロ42の中心軸線104の間隔)はすべて、針棒31の間隔と同じXである。9つの係合コロ42の取り付け高さは全て同一である。
針棒ケース駆動部402は、アーム部4(図1参照)の内部であって、コロ取り付け板41の後方となる位置にある。針棒ケース駆動部402は、針棒ケース用モータ45と、ギヤ部46と、回転軸47と、螺旋カム48とを備える。針棒ケース用モータ45は、パルスモータである。針棒ケース用モータ45は、出力軸(図示せず)の軸方向が左右方向となる向きに固定されている。針棒ケース用モータ45は、ギヤ部46を介して動力を回転軸47に伝達し、螺旋カム48を所定量回転させる。回転軸47は、針棒ケース用モータ45の出力軸と平行に軸支されている。螺旋カム48は、回転軸47の外周に固定されており、9つの係合コロ42のいずれか1つと常に係合する。螺旋カム48は、位置決め部481を備える。回転軸47の回転が停止されている場合には、9つの係合コロ42のいずれか1つが螺旋カム48の位置決め部481と係合する。9つの係合コロ42のいずれかが位置決め部481と係合している状態では、回転軸47が所定角度回転された場合にも、螺旋カム48に係合された係合コロ42の左右方向の位置は、回転前と同じである。
図4に示すように最も左側に配置された係合コロ42と、螺旋カム48の位置決め部481とが係合している場合、針棒番号6番の針棒31が針穴38(図1参照)の鉛直上方に配置される。また、左から2番目にある係合コロ42が螺旋カム48の位置決め部481と係合している場合、針棒番号5番の針棒31が針穴38の鉛直上方に配置される。以下同様である。詳しくは後述するが、右から1番目と、2番目とのいずれかの係合コロ42が螺旋カム48の位置決め部481と係合している場合、イメージセンサ52が、針穴38の鉛直上方に配置される。以下の説明において、左から1番目から6番目までのいずれかに配置された係合コロ42と螺旋カム48の位置決め部481とが係合している場合を、針棒ケース21が縫製位置にあると言う。また、右から1番目と2番目とのいずれかの係合コロ42と螺旋カム48の位置決め部481とが係合している場合を針棒ケース21が撮像位置にあると言う。
次に、図4を参照して、針棒ケース21の移動動作について説明する。針棒ケース21は、針棒ケース移動機構40によって、ミシン本体20に対して左右方向(水平方向)に移動される。針棒ケース移動機構40は、螺旋カム48を1回転させる毎に、針棒ケース21を距離Xだけ左右方向に移動させることができる。針棒ケース21の移動方向は、螺旋カム48の回転方向に応じて決まる。螺旋カム48が右側面視反時計回りに回転された場合には、針棒ケース21は左方に移動する。螺旋カム48が右側面視時計回りに回転された場合には、針棒ケース21は右方に移動する。
より詳細には、図4に示す状態で、螺旋カム48が右側面視反時計回りに回転されると、最も左側の係合コロ42が螺旋カム48に対して左側にスライドし、フレーム24がミシン本体20(図1参照)に対して左方への移動を開始する。次に、最も左側の係合コロ42と螺旋カム48との係合が解除され、左から2番目の係合コロ42が螺旋カム48と係合する。図4に示す状態で螺旋カム48が右側面視反時計回りに1回転すると、左から2番目の針棒31(針棒番号5番の針棒31)が、針穴38の鉛直上方に正確に配置される。すなわち、フレーム24は、図4に示す位置から距離Xだけ左方に移動する。一方、螺旋カム48が右側面視時計回りに1回転されると、フレーム24はミシン本体20に対して右方に距離Xだけ移動する。このように、針棒ケース移動機構40は、螺旋カム48を1回転させる毎に、螺旋カム48の回転方向に応じて左方又は右方にフレーム24を距離Xだけ移動させることができる。針棒ケース21の移動可能範囲は、スライドレール25及び係合コロ42によって規定される。
次に、図2から図7を参照して、保持機構51について説明する。以下の説明では、図6の紙面左下側をミシン1の前方とし、紙面右上側をミシン1の後方とし、紙面左上側をミシン1の左方とし、紙面右下側をミシン1の右方とする。図7の紙面左側をミシン1の右方とし、紙面右側をミシン1の左方とし、紙面手前側をミシン1の後方とし、紙面奥行き側をミシン1の前方とする。
図2から図5に示すように、保持機構51は、フレーム24の右側面下部に取り付けられている。保持機構51は、針棒ケース21に対して左右方向(水平方向)に移動可能にイメージセンサ52を支持する。図5及び図6に示すように、保持機構51は、イメージセンサ52と、センサホルダ55と、中継基板60と、センサ土台70と、カムプレート80と、ガイド板90とを備える。以下、保持機構51が備える各部材を詳述する。
イメージセンサ52は、周知のCMOSイメージセンサである。イメージセンサ52は、フィルム状のコネクタ部153を備える。コネクタ部153は、後述する中継基板60のコネクタ62と接続される。イメージセンサ52は、針棒ケース21が撮像位置に移動された場合に、針穴38の鉛直上方に配置される。図6に示すように、センサホルダ55は、センサ支持部56と、樹脂製のセンサ押え57とを備える。センサ支持部56の左部には、箱状の凹部65がある。凹部65の底面には、円状の開口66がある。センサ支持部56の右部には、螺子113が差し込まれる螺子孔58がある。センサ押え57は、平面視矩形の形状を有する板状の部材であり、下面に凸部54を備える。センサ押え57の右部には、螺子113が差し込まれる螺子孔59がある。イメージセンサ52は、レンズ(図示せず)が開口66側を向くように、センサ支持部56の凹部65に挿入され、センサ支持部56と、センサ押え57とによって挟持される。センサ押え57に設けられた凸部54は、樹脂のバネ性により、イメージセンサ52を上方から軽く押えて固定する。
中継基板60は、正面視L字の形状を有する基板であり、イメージセンサ52と、ミシン1の制御部140(図8参照)とを電気的に接続する。中継基板60は、イメージセンサ52のコネクタ部153と電気的に接続されるコネクタ62と、ミシン1の制御部に電気的に接続されるコネクタ61とを備える。中継基板60の右部には、上下方向に2つの螺子孔63が設けられている。
センサ土台70は、中継基板60と、センサホルダ55とを支持する。センサ土台70は、針棒ケース21に対して左右方向に移動可能にガイド板90に支持される。センサ土台70は、基板接続部71と、センサ接続部75と、ガイド板接続部76とを備える。基板接続部71は、正面視矩形の形状を有する。基板接続部71には、上下方向に2つの螺子孔72が設けられている。中継基板60の螺子孔63と、基板接続部71の螺子孔72とに差し込まれる螺子111によって、中継基板60が基板接続部71に固定される。センサ接続部75は、所定の厚みを有する矩形の板を直角に折り曲げた形状を有し、正面視L字状の形状を有する。センサ接続部75は、基板接続部71の右端部から後方へ垂直に形成された面73と、面73の下端から右方へ垂直に形成された面74とを備える。センサ接続部75の上下方向の長さは、基板接続部71の上下方向の長さより長く、両者の上端の位置は一致している。面74の右部には、螺子孔77がある。センサホルダ55の螺子孔58及び螺子孔59と、センサ接続部75の螺子孔77とに差し込まれる螺子113によって、センサホルダ55はセンサ土台70の下面に固定される。なお、面73には、図示しない取付部によってカバー23が固定されている。ガイド板接続部76は、センサ接続部75の面73の後端中央部から右方へ垂直に形成されている。ガイド板接続部76の背面には、上下方向に2つのピン78が設けられている。ピン78は、円柱状の形状を有し、後述するカムプレート80のガイド孔84と、ガイド板90のガイド孔94とに差し込まれ、止め輪99(図7参照)によって背面側を固定される。
カムプレート80は、矩形の板を直角に折り曲げた形状を有し、前後方向に伸びる面81と、面81の後端から垂直に右方に伸びる面83とを備える。面81には、上下方向に2つの孔82がある。孔82に差し込まれた螺子112によって、カムプレート80は、フレーム24の右側面に固定される。面83には、針棒ケース21の移動方向(水平方向)に対して傾斜した2つのガイド孔84がある。2つのガイド孔84は、上下方向に平行に設けられている。ガイド孔84には、センサ土台70のピン78が差し込まれる。
ガイド板90は、正面視L字状の形状を有し、左右方向に長い板状のスライド部91と、上下方向に長い板状の支持部93とを備える。スライド部91には、左右方向に2つのガイド孔92が設けられている。ガイド孔92は、左右方向に細長い形状の孔である。ガイド孔92の左右方向の長さは、ガイド板90がフレーム24に対してスライドする範囲に応じて定められる。図7に示すように、ガイド孔92には、フレーム24に圧入された位置決めピン95が差し込まれている。ガイド孔92に挿入された位置決めピン95は、背面側を止め輪96で固定されている。ガイド板90は、位置決めピン95によって、フレーム24に対して左右方向(水平方向)にスライド可能にフレーム24に支持される。スライド部91の左端部にはバネ97の一方端が取り付けられている。バネ97の他端はフレーム24に固定されており、ガイド板90は、バネ97によってミシン1の左方に付勢されている。支持部93には、上下方向に長いガイド孔94がある。ガイド孔94には、センサ土台70のピン78が差し込まれ、ピン78の先端部は止め輪99によって固定される。支持部93の背面下部には、アーム部4側に突出する凸部98がある。右から2番目の係合コロ42と、螺旋カム48の位置決め部481とが係合する位置(第1位置、第4位置)に針棒ケース21が移動された場合に、凸部98はアーム部4の内部に設けられた凸部49(図5参照)と接触する。
次に、ミシン1の制御全般を司る電気的構成について図8を参照して説明する。図8に示すように、ミシン1は、縫針駆動部120と、縫製対象駆動部130と、操作部6と、イメージセンサ52と、制御部140とを備える。以下、ミシン1を構成する縫針駆動部120と、縫製対象駆動部130と、操作部6と、制御部140とのそれぞれを詳述する。
縫針駆動部120は、主軸モータ122と、駆動回路121と、針棒ケース用モータ45と、駆動回路123と、切断機構126と、駆動回路125とを備える。主軸モータ122は、針棒31を上下方向に往復移動させる。駆動回路121は、制御部140からの制御信号に従って主軸モータ122を駆動する。針棒ケース用モータ45は、針棒ケース21をミシン本体20に対して左右方向に移動させる。駆動回路123は、制御部140からの制御信号に従って針棒ケース用モータ45を駆動する。切断機構126は、縫針35(図2及び図3参照)に供給されている上糸(図1参照)を切断する。駆動回路125は、制御部140からの制御信号に従って切断機構126を駆動する。
縫製対象駆動部130は、X軸モータ132と、駆動回路131と、Y軸モータ134と、駆動回路133とを備える。X軸モータ132は、刺繍枠39(図1参照)を左右方向に移動させる。駆動回路131は、制御部140からの制御信号に従ってX軸モータ132を駆動する。Y軸モータ134は、刺繍枠39を前後方向に移動させる。駆動回路133は、制御部140からの制御信号に従ってY軸モータ134を駆動する。
操作部6は、タッチパネル9と、コネクタ8と、駆動回路135と、LCD7とを備えている。駆動回路135は、制御部140からの制御信号に従ってLCD7を駆動する。コネクタ8は、メモリカード160と接続可能である。
制御部140は、CPU141と、ROM142と、RAM143と、EEPROM144と、入出力インターフェイス(I/O)146とを備え、これらはバス145により相互に接続されている。I/O146には、縫針駆動部120と、縫製対象駆動部130と、操作部6と、イメージセンサ52とがそれぞれ接続されている。以下、制御部140を構成するCPU141と、ROM142と、RAM143と、EEPROM144とについて詳述する。
CPU141は、ミシン1の主制御を司り、ROM142のプログラム記憶エリア(図示せず)に記憶された各種プログラムに従って、縫製に関わる各種演算及び処理を実行する。なお、プログラムはフレキシブルディスク等の外部記憶装置に記憶されていてもよい。
ROM142は、図示しないが、プログラム記憶エリアを含む複数の記憶エリアを備える。プログラム記憶エリアには、刺繍プログラムと、撮像プログラムとを含む、ミシン1を動作させるための各種プログラムが記憶されている。刺繍プログラムは、刺繍データに従って、刺繍枠39に装着された加工布(図示せず)に刺繍模様を縫製するためのプログラムである。撮像プログラムは、イメージセンサ52を用いて撮像するためのプログラムである。RAM143は、任意に読み書き可能な記憶素子であり、CPU141が演算処理した演算結果等を収容する記憶エリアが必要に応じて設けられている。EEPROM144には、読み書き可能な記憶素子であり、ミシン1が各種処理を実行するための各種パラメータが記憶されている。
次に、図9から図15を参照して、第1の実施形態の撮像処理を説明する。第1の実施形態のミシン1は、撮像処理において、イメージセンサ52によって生成された画像をLCD7に表示させる。図9に示す撮像処理は、撮像処理を開始する開始指示が入力された場合に開始される。開始指示は、例えば、パネル操作によって入力される。図9に示す撮像処理は、ROM142に記憶された撮像プログラムに従って、図8に示すCPU141が実行する。なお、説明を簡単にするため、第1から第3の実施形態の撮像処理では、撮像処理開始時には、針棒ケース21は縫製位置にあるとする。
まず、第1の実施形態の撮像処理の概要を説明する。第1の実施形態のミシン1は、針棒ケース21の左右方向の位置を変更させることによって、撮像位置を、通常位置と、ズーム位置とのいずれかに切り替える機能を有する。通常位置は、図11に示す位置である。ズーム位置は、イメージセンサ52の鉛直方向の位置が通常位置よりも下方にある。第1の実施形態のミシン1は、通常位置と、ズーム位置とにおいて、イメージセンサ52の水平方向の位置を、イメージセンサ52が針穴38(図1参照)の鉛直上方に配置される位置とする。ミシン1は、撮像位置を通常位置に設定する場合には、図10に示すように、右から2番目の係合コロ42が、螺旋カム48の位置決め部481と係合する位置(以下、単に「図10の位置」と言う。)に針棒ケース21を移動させる。ミシン1は、撮像位置をズーム位置に設定する場合には、図12に示すように、最も右側の係合コロ42が、螺旋カム48の位置決め部481と係合する位置(以下、単に「図12の位置」と言う。)に針棒ケース21を移動させる。撮像位置は、ユーザによって選択され、移動指示の一部としてパネル操作によって入力される。移動指示は、イメージセンサ52を撮像位置に移動させる指示である。
次に、図9の撮像処理を説明する。図9に示すように、撮像処理ではまず、移動指示が取得されたか否かが判断される(S10)。移動指示が取得されたか否かは、例えば、ユーザがパネル操作によって移動指示を入力したか否かによって判断される。移動指示が取得されていない場合(S10:No)は、移動指示が取得されるまで待機される。移動指示が取得された場合には(S10:Yes)、S10で取得された移動指示が、位置変更指示であるか否かが判断される(S20)。S10で取得された移動指示の撮像位置が、ズーム位置であった場合に、S10で取得された移動指示は、位置変更指示であると判断される(S20:Yes)。
S10で取得された移動指示が位置変更指示ではなかった場合(S20:No)、針棒ケース21が図10の位置に移動される(S40)。より具体的には、フレーム24の位置が図10の位置となるように、駆動回路123に制御信号が出力され、針棒ケース用モータ45が駆動される。針棒ケース21が図10の位置にある場合、ガイド板90の凸部98と、ミシン本体20の凸部49(図5参照)とが接触する。針棒ケース21が図10の位置にある場合、センサ土台70のピン78は、図11に示すように、カムプレート80のガイド孔84の左端にある。2つのピン78のうち、上側のピン78は、ガイド孔94の上端にある。針棒ケース21が図10の位置にある場合、イメージセンサ52の鉛直方向の位置は、ズーム位置である。
一方、S10で取得された移動指示が位置変更指示であった場合には(S20:Yes)、針棒ケース21が図12の位置へ移動される(S30)。より具体的には、フレーム24の位置が図12の位置となるように、駆動回路123(図8参照)に制御信号が出力され、針棒ケース用モータ45が駆動される。針棒ケース21が図12の位置にある場合、図13に示すように、センサ土台70のピン78はガイド孔84の右端にある。2つのピン78のうち、下側のピン78はガイド孔94の下端にある。針棒ケース21が図12の位置にある場合、イメージセンサ52の鉛直方向の位置は、ズーム位置である。
S30における保持機構51の動作について説明する。針棒ケース21が図10の位置にある場合、ガイド板90の凸部98は、アーム部4の内部に設けられた凸部49(図5参照)と接触する。針棒ケース21が、図10の位置よりも左方に移動される際に、ガイド板90は針棒ケース21の移動方向への動きが凸部98により規制されて、針棒ケース21に対して相対的に右方向(水平方向)にスライドする。これに対し、カムプレート80は、フレーム24の右側面に固定されているため、針棒ケース21とガイド板90との相対位置が変更される際にも、針棒ケース21とともに移動する。ガイド板90が針棒ケース21に対してスライドすると、センサ土台70のピン78は、カムプレート80のガイド孔84に案内されて、ミシン本体20に対しての水平方向の位置は一定のまま、下方に移動される。以上のように、保持機構51は、針棒ケース21の移動と連動させて、イメージセンサ52を針棒ケース21に対して鉛直方向に移動させる。なお、針棒ケース21が図12の位置から、図10の位置に移動される場合の保持機構51の動作は、針棒ケース21が図10の位置から、図12の位置に移動される場合と逆の動作となる。
S30又はS40に続いて、所定のタイミングでイメージセンサ52によって、針落ち位置近傍が撮像され、生成された画像データはRAM143に記憶される(S50)。所定のタイミングとしては、例えば、パネル操作で指示が入力されたタイミングが挙げられる。次に、S50で撮像された画像がLCD7に表示される(S60)。S40において、針棒ケース21が通常位置に対応する位置に移動された場合、例えば、イメージセンサ52によって図14に示す画像が撮像され、LCD7に表示される。S30において、針棒ケース21がズーム位置に対応する位置に移動された場合、例えば、イメージセンサ52によって図15に示す画像が撮像され、LCD7に表示される。図14と、図15とを比較すると、図15の方が針穴38が拡大されている。S60の次に撮像処理は終了する。
以上のように、第1の実施形態の撮像処理が実行される。図1のシリンダベッド10は、本発明のミシンベッドに相当する。イメージセンサ52は、本発明の撮像手段に相当する。センサ土台70とガイド板90とは、本発明の第2支持部材に相当する。ガイド孔84は、本発明の第2ガイド部に相当する。カムプレート80は、本発明の第2ガイド部材に相当する。センサ土台70と、カムプレート80と、ガイド板90とは、本発明の連結部材に相当する。センサ土台70と、カムプレート80と、ガイド板90と、針棒ケース移動機構40とは、本発明の移動手段に相当する。図9のS10で移動指示を取得するCPU140は、本発明の指示取得手段として機能する。S10で取得された移動指示に応じて、針棒ケース21を移動させるように針棒ケース移動機構40を制御する(S30又はS40)CPU140は、本発明の移動制御手段として機能する。図10に示す通常位置に対応する位置は、本発明の第4位置に相当する。図4に例示する縫製位置は、本発明の第5位置に相当する。図12に示すズーム位置に対応する位置は、本発明の第6位置に相当する。
以上説明した第1の実施形態のミシン1では、図9のS10によって取得された移動指示に応じて、イメージセンサ52を針棒ケース21に対して移動させることができる。このため、ユーザは移動指示を入力することにより、イメージセンサ52の鉛直方向の位置を変更させることができ、移動前後で視野、特に拡大縮小率が異なる画像を取得することが可能である。ミシン1は、針棒ケース21の移動と連動させて、イメージセンサ52を針棒ケース21に対して移動させることができる。このため、ミシン1は、イメージセンサ52を移動させるための専用の駆動源を必要としない。すなわち、ミシン1は、イメージセンサ52を移動させるための移動手段を針棒ケース移動機構40とは別に設ける場合に比べ、移動手段の構成を簡単にすることができる。ミシン1は、針棒ケース21を図10に示す位置及び図12に示す位置のいずれかの位置に移動させることにより、センサ土台70と、カムプレート80と、ガイド板90とによってイメージセンサ52の鉛直方向の位置を変更させることができる。ミシン1は、比較的簡単な構成により、針棒ケース21の移動を利用して、イメージセンサ52の鉛直方向の位置を変更させることができる。
また、第1の実施形態では、イメージセンサ52が針穴38の鉛直上方に配置される位置を撮像位置としている。したがって、針落ち位置の斜め上方から撮像された画像に比べて、S50で撮像された画像は歪みが少ない。したがって、ユーザは、S60でLCD7に表示される画像に基づき、針落ち位置を容易に認識することができる。さらに、S50で撮像された画像は、歪みが少ないため、画像内の座標の歪みも少ない。したがって、例えば、ミシンは、画像中の針落ち位置等の所定の位置を決定する場合等に、所定の位置(座標)を精度よく算出することができる。
次に、第2の実施形態のミシン1について説明する。第2の実施形態のミシン1は、針棒ケース21の移動に連動して、イメージセンサ52の撮像方向を変更する。第2の実施形態のミシン1の物理的構成は、カバー23と、保持機構51とにおいて第1の実施形態と異なり、他の構成は第1の実施形態と同様である。第2の実施形態のミシン1の電気的構成は、第1の実施形態のミシン1と同様である。このため、第1の実施形態のミシン1と同様の構成については説明を省略し、以下、第1の実施形態のミシン1と異なる構成について説明する。なお以下の図面において、第1の実施形態のミシン1と同様の構成については、同じ符号を付与している。
第2の実施形態のミシン1では、後述する撮像処理において、イメージセンサ52の撮像方向を、「下向き」と、「前向き」とのいずれかに設定することができる。「下向き」は、撮像対象物がイメージセンサ52のレンズ(図示せず)の下方にある場合を言う。「前向き」は、撮像対象物がイメージセンサ52のレンズ(図示せず)の前方にある場合を言う。イメージセンサ52の撮像方向が前向きに設定された場合に、イメージセンサ52がカバー23の外側を撮像できるように、第2の実施形態のミシン1のカバー23は、前面の一部が透明樹脂製となっている。
次に、第2の実施形態のイメージセンサ保持機構251(以下、単に「保持機構251」と言う。)を図16及び図17を参照して説明する。以下の説明では、図16の紙面右側をミシン1の右方とし、紙面左側をミシン1の左方とし、紙面手前側をミシン1の前方とし、紙面奥行き側をミシン1の後方とする。また、図17の紙面左下側をミシン1の前方とし、紙面右上側をミシン1の後方とし、紙面左上側をミシン1の左方とし、紙面右下側をミシン1の右方とする。
図16に示すように、保持機構251は、フレーム24の右側面下部に取り付けられている。保持機構251は、針棒ケース21に対して左右方向(水平方向)に移動可能にイメージセンサ52を支持する。図16及び図17に示すように、保持機構251は、イメージセンサ52と、センサホルダ255と、中継基板260と、センサリンク部材270と、作動リンク部材240と、従動リンク部材230と、カムプレート280と、ガイド板290とを備える。センサリンク部材270と、作動リンク部材240と、従動リンク部材230と、ガイド板290とは、4節平行リンクを構成する。以下、保持機構251が備える構成を詳述する。なお、第1の実施形態のミシン1と同様の部材については、説明を簡略化する。
イメージセンサ52は、第1の実施形態と同様である。図17に示すように、センサホルダ255は、センサ支持部256と、第1の実施形態と同様のセンサ押え57とを備える。センサ支持部256の左部には、箱状の凹部265がある。凹部265の底面には、円状の開口266がある。センサ支持部256の右部には、螺子213が差し込まれる螺子孔258がある。イメージセンサ52は、レンズ(図示せず)が開口266側を向くように、センサ支持部256の凹部265に挿入され、センサ支持部256と、センサ押え57とによって挟持される。
中継基板260は、正面視矩形形状を有する基板であり、イメージセンサ52と、ミシン1の制御部140(図8参照)とを電気的に接続する。中継基板260は、イメージセンサ52のコネクタ部153と電気的に接続されるコネクタ262と、ミシン1の制御部140(図8参照)に電気的に接続されるコネクタ261とを備える。中継基板260の左下部には、上下方向に2つの螺子孔263がある。
センサリンク部材270は、平面視矩形の形状を有し、下方に開口を有する箱状の形状を有する。センサリンク部材270は、イメージセンサ52のレンズ(図示)を開口側に向けてセンサホルダ255を格納する。センサリンク部材270の右側面には、螺子214が差し込まれる螺子孔275がある。センサリンク部材270の左側面には、ピン273がある。ピン273は、円柱状の形状を有し、後述するガイド板290の孔300に差し込まれる。センサリンク部材270の背面下部には、位置決め部材276がある。位置決め部材276は、上下方向に長い板部材である。位置決め部材276は、イメージセンサ52の撮像方向が下向きである場合に、後述するガイド板290に対するセンサリンク部材270の位置を規定する。センサリンク部材270の左側面下部には、後述する作動リンク部材240のピン241が差し込まれる孔272がある。センサリンク部材270の正面の右部には、螺子孔274がある。センサホルダ255の螺子孔258及び螺子孔59と、センサリンク部材270の螺子孔274とを通る螺子213によって、センサホルダ255がセンサリンク部材270に固定される。
作動リンク部材240は、リンク部244と、ピン支持部245とを備える。リンク部244は、上下方向に長い板部材である。リンク部244の上下方向中央部には、後述する従動リンク部材230のピン231が差し込まれる孔242がある。リンク部244の左側面下部には、左方に突出する円柱状のピン241がある。ピン241は、センサリンク部材270の孔272に差し込まれる。ピン支持部245は、正面視矩形の形状を有し、リンク部244の上端から垂直に右方に伸びている。ピン支持部245の背面には、後方に突出する円柱状のピン243がある。
従動リンク部材230は、右側面視概略矩形の形状を有する。従動リンク部材230の左側面には、左方に突出する円柱状のピン231と、ピン232とがある。あるピン231は、作動リンク部材240の孔242に差し込まれる。ピン232は、後述するガイド板290の孔302に差し込まれる。
カムプレート280は、矩形の板を直角に折り曲げた形状を有し、前後方向に伸びる面281と、面281の前端から右方に伸びる面283とを備える。面281には、上下方向に2つの孔282がある。孔282に差し込まれた螺子212によって、カムプレート280は、フレーム24の右側面に固定される。面283には、針棒ケース21の移動方向(水平方向)に対して傾斜したガイド孔284がある。ガイド孔284には、作動リンク部材240のピン243が差し込まれる。
ガイド板290は、正面視L字状の形状を有し、スライド部291と、支持部293とを備える。スライド部291は、左右方向に長い板状の形状を有し、左右方向に2つのガイド孔292を備える。ガイド孔292は、左右方向に長い。図16に示すように、ガイド孔292には、フレーム24に圧入された位置決めピン295が差し込まれている。ガイド孔92に挿入された位置決めピン295は、背面側を止め輪296で固定されている。ガイド板290は、位置決めピン295によって、フレーム24に対して左右方向(水平方向)にスライド可能に支持される。図16に示すように、スライド部291の左端部にはバネ297の一方端が取り付けられている。バネ297の他端はフレーム24に固定されており、ガイド板290は、バネ297によってミシン1の左方に付勢されている。
ガイド板290の支持部293は、スライド部291の右端から上方に伸びる。支持部293は、4節平行リンクの固定リンクとして機能する。支持部293の上部には、上下方向に2つの螺子孔294がある。中継基板260の螺子孔263と、ガイド板290の螺子孔294とを通る螺子211によって、中継基板260は、ガイド板290の正面に固定される。支持部293の中央部には、前方に突出する板状の支持部301がある。支持部301には、孔302がある。孔302には、従動リンク部材230のピン232が差し込まれる。支持部293の右下端には、前方に突出する板状の支持部303がある。支持部303の先端側には、螺子214が差し込まれる孔299がある。支持部293の左下端には、前方に突出する板状の支持部304がある。支持部304の先端側には、センサリンク部材270のピン273が差し込まれる孔300がある。センサリンク部材270は、螺子214と、ピン273とによって、回転可能に支持される。螺子214には、ねじりバネ215が取り付けられている。螺子214と、ピン273とによって支持されたセンサリンク部材270は、ねじりバネ215によって、右側面視反時計回りに付勢される。支持部293の背面には後方に突出する凸部298がある。凸部298は、針棒ケース21が第1の実施形態と同様の図10の位置まで移動された場合に、アーム部4の内部に設けられた凸部49(図18参照)と接触する。
次に、図19を参照して、第2の実施形態の撮像処理を説明する。第2の実施形態のミシン1は、撮像処理において、イメージセンサ52によって撮像された画像をLCD7に表示させる。図19に示す撮像処理は、第1の実施形態と同様に、撮像処理を開始する開始指示が入力された場合に開始される。図19に示す撮像処理は、ROM142に記憶された撮像プログラムに従って、図8に示すCPU141が実行する。なお、図19において、図9に示す第1の実施形態の撮像処理と同様の処理を実行する場合には、同じステップ番号を付与している。図9に示す第1の実施形態の撮像処理と同様な処理については、説明を省略又は簡略化する。
まず、第2の実施形態の撮像処理の概要を説明する。第2の実施形態のミシン1は、撮像方向を、前述の「下向き」と、「前向き」とのいずれかに切り替える機能を有する。撮像方向が下向きの場合と、前向きの場合とでは、イメージセンサ52の水平方向の位置は同じである。第2の実施形態のミシン1は、水平方向の位置を、イメージセンサ52が針穴38(図1参照)の鉛直上方に配置される位置に設定する。ミシン1は、イメージセンサ52の撮像方向を下向きに設定する場合には、第1の実施形態のミシン1と同様の図10の位置に針棒ケース21を移動させる。ミシン1は、イメージセンサ52の撮像方向を前向きに設定する場合には、第1の実施形態のミシン1と同様の図12の位置に針棒ケース21を移動させる。撮像方向は、ユーザによって選択され、移動指示の一部としてパネル操作によって入力される。
次に、図19の撮像処理を説明する。図19に示すように、第2の実施形態の撮像処理では、S10で取得された移動指示が(S10:Yes)、方向変更指示であるか否かが判断される(S22)。S10で取得された移動指示に含まれる撮像方向が前向きである場合に、S10で取得された移動指示は、方向変更指示であると判断される(S22:Yes)。
S10で取得された移動指示が、方向変更指示ではなかった場合(S22:No)、針棒ケース21が「下向き」に対応する位置に移動される(S42)。より具体的には、フレーム24の位置が図10に示す位置となるように、駆動回路123に制御信号が出力され、針棒ケース用モータ45が駆動される。針棒ケース21が図10の位置にある場合、図16に示すように、作動リンク部材240のピン243は、カムプレート280のガイド孔284の左端にある。また、図18に示すようにイメージセンサ52の撮像方向201は下向きである。一方、S10で取得された移動指示が方向変更指示であった場合には(S22:Yes)、針棒ケース21が図12の位置に移動される(S32)。より具体的には、フレーム24の位置が図12に示す位置となるように、駆動回路123(図8参照)に制御信号が出力され、針棒ケース用モータ45が駆動される。針棒ケース21が図12の位置にある場合、図20のように、作動リンク部材240のピン243は、カムプレート280のガイド孔284の右端にある。また、図21のように、イメージセンサ52の撮像方向202は前向きである。
S32での、保持機構251の動作について説明する。第1の実施形態のミシン1と同様に、針棒ケース21が図10の位置にある場合、ガイド板290の凸部298は、アーム部4の内部に設けられた凸部49(図18参照)と接触する。針棒ケース21が、図10の位置よりも左方に移動される際に、ガイド板290は凸部49によって針棒ケース21の移動方向への動きが規制されて、針棒ケース21に対して相対的に右方向(水平方向)にスライドする。これに対し、カムプレート280は、フレーム24の右側面に固定されているため、針棒ケース21が図10の位置よりも左方に移動される際にも、針棒ケース21とともに移動する。ガイド板290が針棒ケース21に対してスライドすると、作動リンク部材240のピン243は、カムプレート280のガイド孔284に案内されて、ミシン本体20に対しての水平方向の位置は一定のまま、上方に移動される。作動リンク部材240が上方に移動されるのに連動して、作動リンク部材240に連結されたセンサリンク部材270は、螺子214と、ピン273とを回転軸として、右側面視時計回りに90度回転される。イメージセンサ52(センサリンク部材270)の回転角度は、4節平行リンクのリンク比と、ガイド板290に対するピン243の移動量とに応じて定まる。ガイド板290に対するピン243の移動量は、ガイド板290が針棒ケース21に対してスライドした長さと、ガイド孔284の傾きとに応じて定まる。以上のように、保持機構251は、針棒ケース21の移動と連動させて、イメージセンサ52の撮像方向を変更させる。なお、針棒ケース21が図12の位置から図10の位置に移動される場合は、針棒ケース21が図10の位置から図12の位置に移動される場合とは逆に、イメージセンサ52(センサリンク部材270)は、右側面視反時計回りに90度回転される。センサリンク部材270は、ねじりバネ215によって右側面視反時計回りに付勢されており、撮像方向が下向きの場合は位置決め部材276がガイド板290に押し当てられる。
S32又はS42に続いて、所定のタイミングで、イメージセンサ52によって針落ち位置が撮像される(S50)。次に、S50で撮像された画像がLCD7に表示される(S60)。S42において、針棒ケース21が図10の位置に移動された場合、例えば、イメージセンサ52によって図14に示す画像が生成され、LCD7に表示される。S32において、針棒ケース21が図12の位置に移動された場合、例えば、イメージセンサ52によって、ミシン1のユーザの顔の画像が撮像され、LCD7に表示される。S60の次に撮像処理は終了する。
以上のように、第2の実施形態の撮像処理が実行される。センサリンク部材270と、作動リンク部材240と、従動リンク部材230と、ガイド板290とは、本発明の第1支持部に相当する。ガイド孔284は、本発明の第1ガイド部に相当する。カムプレート280は、本発明の第1ガイド部材に相当する。センサリンク部材270と、作動リンク部材240と、従動リンク部材230と、カムプレート280と、ガイド板290とは、本発明の連結部材に相当する。撮像方向が「下向き」に対応する図10の位置は、本発明の第1位置に相当する。撮像方向が「前向き」に対応する図12の位置は、本発明の第3位置に相当する。図4に例示する縫製位置は、本発明の第2位置に相当する。
以上説明した第2の実施形態のミシン1では、図19のS10で取得された移動指示に応じて、イメージセンサ52を針棒ケース21に対して移動させることができる(S32,S42)。ユーザは移動指示を入力することにより、イメージセンサ52の撮像方向を変更させることができ、移動前後で視野、特に撮像方向が異なる画像を取得することができる。ミシン1は、針棒ケース21の移動と連動させて、イメージセンサ52を針棒ケース21に対して移動させ、イメージセンサ52の撮像方向を変更させることができる。このため、ミシン1は、イメージセンサ52の撮像方向を変更させるための専用の駆動源を必要としない。すなわち、ミシン1は、イメージセンサ52の撮像方向を変更させるための移動手段を針棒ケース移動機構40とは別に設ける場合に比べ、移動手段の構成を簡単にすることができる。ミシン1は、連結部材として、センサリンク部材270と、作動リンク部材240と、従動リンク部材230と、カムプレート280と、ガイド板290とを備える。ミシン1は、比較的簡単な構成を有する連結部材を用いて、イメージセンサ52の撮像方向を変更させることができる。
次に、第3の実施形態のミシン1について説明する。第3の実施形態のミシン1は、針棒ケース21の移動に連動して、イメージセンサ52の鉛直方向の位置又は撮像方向を変更する。具体的には、第3の実施形態のミシン1は、撮像方向と、撮像位置とを組み合わせた撮像条件として、以下の3つの条件のいずれかを設定する機能を備える。第1条件は、撮像方向を下向きとし、鉛直方向の位置を通常位置とする。第2条件は、撮像方向を下向きとし、鉛直方向の位置をズーム位置とする。第3条件は、撮像方向を前向きとし、鉛直方向の位置をズーム位置とする。第1条件から第3条件は、ミシン本体20に対する水平方向の位置は同じである。
第3の実施形態のミシン1の物理的構成は、カバー23と、スライドレール25と、針棒ケース移動機構40と、保持機構51とにおいて第1の実施形態と異なり、他の構成は第1の実施形態と同様である。また、カバー23は第2の実施形態と同様である。第3の実施形態のミシン1の電気的構成は、第1の実施形態のミシン1と同様である。このため、第1の実施形態又は第2の実施形態のミシン1と同様の構成については説明を省略し、以下、第1の実施形態又は第2の実施形態のミシン1と異なる構成について説明する。なお、以下に参照する図面において、第1の実施形態又は第2の実施形態のミシン1と同様の構成については、同じ符号を付与している。
まず図22を参照して、第3の実施形態の針棒ケース移動機構340について説明する。図22の下側をミシン1の前方とし、紙面上側をミシン1の後方とし、紙面左側をミシン1の左方とし、紙面右側をミシン1の右方とする。
図22に示すように、第3の実施形態の針棒ケース移動機構340は、係合コロ部405と、針棒ケース駆動部402とを備える。係合コロ部405は、コロ取り付け板341と、係合コロ42と、ナット43と、段付螺子44とを備える。コロ取り付け板341は、第1の実施形態のミシン1のコロ取り付け板41に比べ、右方に距離X伸張している。係合コロ42と、ナット43と、段付螺子44とは、第1の実施形態のミシン1と同様である。ただし、第3の実施形態のミシン1は、係合コロ42と、ナット43と、段付螺子44とをそれぞれ10個備える。第1の実施形態のミシン1と異なる10個目の係合コロ42は、最も右側に取り付けられている。10個目の係合コロ42と、隣接する係合コロ42との間の距離は、距離Xである。針棒ケース駆動部402は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
第3の実施形態のスライドレール325は、第1の実施形態のミシン1のスライドレール25に比べ、距離X左方に伸張されている。最も右側に配置された係合コロ42が、螺旋カム48の位置決め部481と係合している場合、フレーム24はスライドレール325の左端にある。
次に、第3の実施形態のイメージセンサ保持機構351(以下、単に「保持機構351」と言う。)を図23及び図24を参照して説明する。以下の説明では、図23の紙面右側をミシン1の右方とし、紙面左側をミシン1の左方とし、紙面手前側をミシン1の前方とし、紙面奥行き側をミシン1の後方とする。また、図24の紙面左下側をミシン1の前方とし、紙面右上側をミシン1の後方とし、紙面左上側をミシン1の左方とし、紙面右下側をミシン1の右方とする。
図23に示すように、保持機構351は、フレーム24の右側面下部に取り付けられている。図23及び図24に示すように、保持機構351は、イメージセンサ52と、センサホルダ255と、センサリンク部材270と、作動リンク部材240と、従動リンク部材230と、カムプレート380と、中継基板360と、取付部材410と、ガイド板390とを備える。センサリンク部材270と、作動リンク部材240と、従動リンク部材230と、取付部材410とは、4節平行リンクを構成する。以下、保持機構351が備える構成を詳述する。
イメージセンサ52は、第1の実施形態と同様である。センサホルダ255と、センサリンク部材270と、作動リンク部材240と、従動リンク部材230とは、第2の実施形態と同様である。
カムプレート380は、矩形の板の両端を直角に折り曲げた形状を有し、面381と、面383と、面385とを備える。面381は、右側面視矩形の形状を有する。面381は、上下方向に2つの孔382を備える。カムプレート380は、孔382に差し込まれた螺子313によって、フレーム24の右側面下部に固定されている。面383は、面381の前端から垂直に右方に伸びる。面383には、針棒ケース21の移動方向(水平方向)に対して傾斜したガイド孔384がある。ガイド孔384は、正面視V字状の形状を有する。ガイド孔384には、作動リンク部材240のピン243が差し込まれる。面385は、面381の後端から垂直に右方に伸びる。面385には、針棒ケース21の移動方向(水平方向)に対して傾斜した部分を有するガイド孔386がある。
中継基板360は、正面視矩形形状を有する基板であり、イメージセンサ52と、ミシン1の制御部140(図8参照)とを電気的に接続する。図示しないが、中継基板360は、イメージセンサ52に電気的に接続されるコネクタと、ミシン1の制御部140に電気的に接続されるコネクタとを備える。中継基板360の中央部には、上下方向に螺子孔363と、孔364とが設けられている。
取付部材410は、正面視矩形の形状を有する板状の部材である。取付部材410は、後述する4節平行リンクの固定リンクとしての機能を備える。取付部材410中央部には、上下方向に配置された螺子孔411と、前方に突出するピン412とがある。中継基板360の螺子孔363と、取付部材410の螺子孔411とを通る螺子311によって、中継基板360は、取付部材410の正面に固定される。中継基板360の孔364に、ピン412が差し込まれることにより、中継基板360が螺子311を軸として回転することが規制される。ピン412の左方には、前方に突出するピン413がある。ピン413は、カムプレート380のガイド孔386に差し込まれる。取付部材410の左部には、前方に突出する板状の支持部415がある。支持部415の先端側には、右側面視円形の孔416がある。孔416には、従動リンク部材230のピン232が差し込まれる。取付部材410の右下端には、前方に突出する板状の支持部419がある。支持部419の先端側には、右側面視円形の孔420がある。孔420と、センサリンク部材270の螺子孔275とには、螺子314が差し込まれる。取付部材410の左下端には、前方に突出する板状の支持部417がある。支持部417の先端側には、右側面視円形の孔418がある。孔418には、センサリンク部材270のピン273が差し込まれる。第2の実施形態と同様に、螺子314には、ねじりバネ315が取り付けられている。センサリンク部材270は、ねじりバネ315によって、右側面視反時計回りに付勢されている。センサリンク部材270は、螺子314と、ピン273とによって、取付部材410に回転可能に支持される。取付部材410の背面の左部には、上下方向に2つのピン414が設けられている。
ガイド板390は、基本的に、第1の実施形態のガイド板90と同様な構成を有する。ガイド板390は、正面視L字状の形状を有し、スライド部391と、支持部393とを備える。スライド部391には、2つのガイド孔392が左右方向に設けられている。ガイド孔392は、左右方向に細長い形状の孔である。図23に示すように、ガイド孔392には、フレーム24に圧入された位置決めピン395が差し込まれている。ガイド孔392に挿入された位置決めピン395は、背面側を止め輪396で固定されている。スライド部391の左端部にはバネ397の一方端が取り付けられている。バネ397の他端はフレーム24に固定されている。ガイド板390は、バネ397によってミシン1の左方に付勢されている。支持部393には、上下方向に長いガイド孔394がある。ガイド孔394には、取付部材410のピン414が差し込まれる。ピン414の先端部は、止め輪(図示せず)によって固定される。支持部393の背面下部には、アーム部4側に突出する凸部398がある。凸部398は、右から3番目の係合コロ42が螺旋カム48の位置決め部481と係合する位置に針棒ケース21が移動された場合に、アーム部4の内部に設けられた凸部49(図25参照)と接触する。
次に、図26を参照して、第3の実施形態の撮像処理を説明する。第3の実施形態のミシン1は、撮像処理において、イメージセンサ52によって撮像された画像をLCD7に表示させる。図26に示す撮像処理は、第1の実施形態の撮像処理と同様に、撮像処理を開始する開始指示が入力された場合に開始される。図26に示す撮像処理は、ROM142に記憶された撮像プログラムに従って、図8に示すCPU141が実行する。なお、図26において、図9の第1の実施形態の撮像処理又は図19の第2の実施形態の撮像処理と同様の処理を実行する場合には、同じステップ番号を付与している。第1又は第2の実施形態の撮像処理と同様な処理については、説明を省略又は簡略化する。
まず、第3の実施形態の撮像処理の概要を説明する。ミシン1は、撮像条件を第1条件とする場合には、図22に示すように、右から3番目の係合コロ42が、螺旋カム48の位置決め部481と係合する位置(以下、単に「第1条件対応位置」と言う。)に針棒ケース21を移動させる。ミシン1は、撮像条件を第2条件とする場合には、右から2番目の係合コロ42が、螺旋カム48の位置決め部481と係合する位置(以下、単に「第2条件対応位置」と言う。)に針棒ケース21を移動させる。ミシン1は、撮像条件を第3条件とする場合には、最も右側の係合コロ42が、螺旋カム48の位置決め部481と係合する位置(以下、単に「第3条件対応位置」と言う。)に針棒ケース21を移動させる。撮像条件は、ユーザによって選択され、移動指示の一部としてパネル操作によって入力される。
次に、図26の撮像処理について説明する。図26に示すように、第3の実施形態の撮像処理では、S10で取得された移動指示が(S10:Yes)、位置変更指示であるか否かが判断される(S20)。S10で取得された移動指示に含まれる撮像条件が第2条件である場合に、S10で取得された移動指示は、位置変更指示であると判断される(S20:Yes)。S10で取得された移動指示が位置変更指示ではない場合(S20:No)、S10で取得された移動指示が、方向変更指示であるか否かが判断される(S22)。S10で取得された移動指示に含まれる撮像条件が第3条件である場合に、S10で取得された移動指示は、方向変更指示であると判断される(S22:Yes)。
S10で取得された移動指示が方向変更指示ではない場合(S22:No)、針棒ケース21が第1条件対応位置に移動される(S46)。より具体的には、第1条件対応位置に針棒ケース21が移動するように、駆動回路123に制御信号が出力され、針棒ケース用モータ45が駆動される。針棒ケース21が第1条件対応位置にある場合、保持機構351の各部材は以下の位置にある。図23のように、作動リンク部材240のピン243はカムプレート380のガイド孔384の左端にある。取付部材410のピン413はカムプレート380のガイド孔386の左端にある。取付部材410の2つのピン414のうち、上側のピン414はガイド板390のガイド孔394の上端にある。図25のように、イメージセンサ52の撮像方向320は下向きであり、イメージセンサ52の鉛直方向の位置は通常位置である。
S10で取得された移動指示が位置変更指示であった場合には(S20:Yes)、針棒ケース21が第2条件対応位置に移動される(S34)。より具体的には、第2条件対応位置に針棒ケース21が移動されるように、駆動回路123(図8参照)に制御信号が出力され、針棒ケース用モータ45が駆動される。針棒ケース21が第2条件対応位置にある場合、保持機構351の各部材は以下の位置にある。図27のように、作動リンク部材240のピン243は、カムプレート380のガイド孔384の左右方向中央にある。取付部材410のピン413は、カムプレート380のガイド孔386の左右方向中央にある。取付部材410の2つのピン414のうち、下側のピン414はガイド板390のガイド孔394の下端にある。図27及び図28のように、イメージセンサ52の撮像方向321は下向きであり、鉛直方向の位置はズーム位置である。
S34での、保持機構351の動作について説明する。第1の実施形態のミシン1と同様に、針棒ケース21が図22の位置まで移動された場合、ガイド板390の凸部398は、アーム部4の内部に設けられた凸部49(図25参照)と接触する。針棒ケース21が、図22の位置よりも左方に移動される際に、ガイド板390は凸部49によって針棒ケース21の移動方向への動きが規制されて、針棒ケース21に対して相対的に右方向(水平方向)にスライドする。
一方、カムプレート380は、フレーム24の右側面に固定されているため、針棒ケース21とガイド板390との相対位置が変更される際にも、針棒ケース21とともに移動する。ガイド板390が針棒ケース21に対してスライドすると、作動リンク部材240のピン243は、カムプレート380のガイド孔384に案内されて、ミシン本体20に対しての水平方向の位置は一定のまま、針棒ケース21に対して下方に移動される。また、取付部材410のピン413は、カムプレート380のガイド孔386に案内されて、ミシン本体20に対しての水平方向の位置は一定のまま、下方に移動される。針棒ケース21が第2条件対応位置にある場合には、針棒ケース21が第1条件対応位置にある場合に比べ、イメージセンサ52の鉛直方向の位置は下方である。ここで、ガイド孔384と、ガイド孔386とでは、針棒ケース21が第1条件対応位置から第2条件対応位置までの移動に対応する部分の傾斜角度が同じである。したがって、第1条件対応位置から第2条件対応位置に針棒ケース21が移動された場合にも、取付部材410に対する作動リンク部材240のピン243の相対位置は一定に保たれる。
S10で取得された移動指示が方向変更指示であった場合には(S20:No,S22:Yes)、針棒ケース21が第3条件対応位置に移動される(S44)。より具体的には、第3条件対応位置に針棒ケース21が移動されるように、駆動回路123(図8参照)に制御信号が出力され、針棒ケース用モータ45が駆動される。針棒ケース21が第3条件対応位置にある場合、保持機構351の各部材は以下の位置にある。図29のように、作動リンク部材240のピン243は、カムプレート380のガイド孔384の右端にある。取付部材410のピン413は、カムプレート380のガイド孔386の右端にある。取付部材410の2つのピン414のうち、下側のピン414はガイド板390のガイド孔394の下端にある。図30のように、イメージセンサ52の撮像方向322は前向きであり、鉛直方向の位置はズーム位置である。
S44での、保持機構351の動作について説明する。針棒ケース21が第2条件対応位置から第3条件対応位置まで移動されると、ガイド板390が針棒ケース21に対してさらにスライドする。作動リンク部材240のピン243は、カムプレート380のガイド孔384に案内されて、ミシン本体20に対しての水平方向の位置は一定のまま、針棒ケース21に対して上方に移動される。また、取付部材410のピン413は、カムプレート380のガイド孔386に案内されて、ミシン本体20に対しての水平方向及び鉛直方向の位置は一定のまま、針棒ケース21に対して相対的に右方向に移動される。ガイド孔384と、ガイド孔386とでは、針棒ケース21の第2条件対応位置から第3条件対応位置までの移動に対応する部分の傾斜角度が異なる。したがって、針棒ケース21が第2条件対応位置から第3条件対応位置に移動された場合には、取付部材410に対する作動リンク部材240のピン243の相対位置が変化する。より具体的には、針棒ケース21が第3条件対応位置にある場合には、針棒ケース21が第2条件対応位置にある場合に比べ、取付部材410に対するピン243の相対位置は上方となっている。取付部材410に対するピン243の相対位置が変更されることにより、第2の実施形態の場合と同様に、イメージセンサ52(センサリンク部材270)は時計回りに90度回転される。
S34と、S44と、S46とのいずれかの次に、所定のタイミングで、イメージセンサ52によって撮像され(S50)、S50で撮像された画像がLCD7に表示される(S60)。
以上のように、第3の実施形態の撮像処理が実行される。ガイド板390と、取付部材410と、センサリンク部材270とは、本発明の第2支持部材に相当する。ガイド孔384及びガイド孔386は、本発明の第1ガイド部材及び第2ガイド部に相当する。カムプレート380は、本発明の第1ガイド部材及び第2ガイド部材に相当する。センサリンク部材270と、作動リンク部材240と、従動リンク部材230と、取付部材410と、ガイド板390とは、本発明の第1支持部に相当する。センサホルダ255と、センサリンク部材270と、取付部材410と、作動リンク部材240と、従動リンク部材230と、カムプレート380と、取付部材410と、ガイド板390とは、本発明の連結部材に相当する。図22の第1条件対応位置は、本発明の第1位置及び第4位置に相当する。第3条件対応位置は、本発明の第3位置及び第6位置に相当する。縫製位置は、本発明の第2位置及び第5位置に相当する。
以上説明した第3の実施形態のミシン1では、図26のS10で取得された移動指示に応じて、イメージセンサ52を針棒ケース21に対して移動させることができる(S34,S44,S46)。ユーザは移動指示を入力することにより、イメージセンサ52の撮像方向又は撮像位置を変更させて、変更前後で視野、特に撮像方向又は鉛直方向の位置が異なる画像を取得することができる。ミシン1は、針棒ケース21の移動と連動させて、イメージセンサ52を針棒ケース21に対して移動させ、イメージセンサ52の撮像方向又は鉛直方向の位置を変更させることができる。ミシン1は、イメージセンサ52の撮像条件を変更させるための専用の駆動源を必要としない。すなわち、ミシン1は、イメージセンサ52の撮像方向を変更させるための移動手段と、イメージセンサ52の鉛直方向の位置を変更させるための移動手段とを針棒ケース移動機構40とは別に設ける場合に比べ、移動手段の構成を簡単にすることができる。ミシン1は、イメージセンサ52を移動させる機構として、上記連結部材を備える。ミシン1は、比較的簡単な構成を有する連結部材を用いて、移動指示に応じてイメージセンサ52の撮像方向及び撮像位置のいずれかを変更させることができる。
次に、第4の実施形態のミシン500について説明する。第4の実施形態のミシン500は、家庭用の刺繍ミシンである。まず、図31から図34を参照して、第4の実施形態のミシン500の物理的構成及び電気的構成について説明する。図31において、紙面右上を右方向、その反対方向を左方向、紙面右下を前方向、その反対方向を後方向と言う。図31に示すように、ミシン500のミシン本体540は、ミシンベッド502と、脚柱部503と、アーム部504とを備えている。ミシンベッド502は、左右方向に長く伸びている。脚柱部503は、ミシンベッド502の右端部から上方へ立設されている。アーム部504は、脚柱部503の上端から左方へ延びている。アーム部504の左先端部には、頭部505がある。脚柱部503の正面には、表面にタッチパネル516を備えたLCD510が設けられている。LCD510には、縫製模様や縫製条件の入力キー等が表示される。ユーザはパネル操作によって縫製模様や縫製条件等を選択できる。
ミシンベッド502の内部には、送り歯前後動機構(図示せず)と、送り歯上下動機構(図示せず)と、送り量調整用パルスモータ578(図33参照)と、釜(図示せず)とが収納されている。送り歯前後動機構及び送り歯上下動機構は、送り歯(図示せず)を駆動させる。送り量調整用パルスモータ578は、送り歯による加工布(図示せず)の送り量を調整する。釜は下糸(図示せず)が巻回されたボビン(図示せず)を収納する。ミシンベッド502の左端には、刺繍装置530が装着されている。刺繍模様が縫製される時には、加工布534が装着された刺繍枠532が、キャリッジカバー533内のキャリッジ(図示せず)にセットされる。ミシン501は、刺繍装置530のX軸モータ581(図33参照)及びY軸モータ582(図33参照)によって刺繍枠532を前後左右に移動させながら、刺繍模様を縫製する。刺繍装置530を使用しない場合には、ミシンベッド502の左端に補助テーブル(図示せず)が装着される。刺繍装置530がミシンベッド502の左端に装着されると、刺繍装置530は、ミシン500に電気的に接続された状態となる。ミシンベッドの上面には、板状の針板580がある。針板580には、縫針507の鉛直下部となる位置に針穴542が設けられている。
脚柱部503とアーム部504との内部には、ミシンモータ579(図33参照)と、主軸(図示せず)と、針棒506(図32参照)と、針棒上下動機構(図示せず)と、針振り機構(図示せず)とが収納されている。図32に示すように、針棒506の下端部には、縫針507が装着される。針棒上下動機構は、ミシンモータ579を駆動源として針棒506を上下動させる。針振り機構は、針振り用パルスモータ577(図33参照)を駆動源として針棒506を左右方向に揺動させる。図32に示すように、針棒506の後ろ側には、上下方向に伸びる押え棒545がある。押え棒545の下端部には、押えホルダ546が固定されている。押えホルダ546には、加工布(図示せず)を押える押え足547が装着されている。
図31のように、アーム部504には、開閉カバー521が取り付けられている。開閉カバー521は、アーム部504の長手方向に設けられ、アーム部504の上後端部に左右方向向きの軸回りに開閉可能に軸支されている。開閉カバー521を開けた状態の、アーム部504の上部中央近傍には、糸収容部523が設けられている。糸収容部523は、糸駒520を収容するための凹部である。糸収容部523の脚柱部503側の内壁面には、頭部505に向かって突出する糸立棒522が設けられている。糸駒520は、糸駒520が備える挿入孔(図示せず)が糸立棒522に挿入されて糸収容部523に装着される。図示しないが、糸駒520の糸は、上糸として、頭部505に設けられた複数の糸掛部(図示せず)を経由して、針棒506に装着された縫針507(図32参照)に供給される。ミシン500は、糸掛部として、例えば、糸調子器(図示せず)と、糸取バネ(図示せず)と、天秤(図示せず)とを備える。糸調子器及び糸取バネは、糸張力を調整する。天秤は、上下に往復駆動して上糸を引き上げる。
ミシン500の右側面には、プーリ(図示せず)が設けられている。プーリは、手動で主軸(図示せず)を回転させ、針棒506を上下動させる。頭部505及びアーム部504の正面には、正面カバー559が設けられている。正面カバー559には、縫製開始・停止スイッチ541と、速度調整摘み543と、その他の操作スイッチとが設けられている。縫製開始・停止スイッチ541は、縫製の開始及び停止を指示するスイッチである。ミシン500の停止中に縫製開始・停止スイッチ541が押圧されるとミシン500の運転が開始され、ミシン500の運転中に縫製開始・停止スイッチ541が押圧されるとミシン500の運転が停止される。速度調整摘み543は、主軸の回転速度を調整する。図32に示すように、正面カバー559の内部には、イメージセンサ52が設置されている。イメージセンサ52は、第1の実施形態と同様なCMOSイメージセンサである。イメージセンサ52は、イメージセンサ駆動機構551(以下、単に「駆動機構551」と言う。)によって支持されている。
図32と、図34から図36とを参照して、イメージセンサ52及び駆動機構551について説明する。図34に示すように、駆動機構551は、ミシン機枠(図示せず)に取り付けられた取付部550に取り付けられている。駆動機構551は、図34から図36に示すように、駆動機構551は、イメージセンサ52と、センサホルダ255と、センサリンク部材270と、作動リンク部材240と、従動リンク部材230と、駆動ユニット600と、センサユニット680と、中継基板660とを備える。センサリンク部材270と、作動リンク部材240と、従動リンク部材230と、センサユニット680とは、4節平行リンクを構成する。以下、駆動機構551が備える構成を詳述する。
イメージセンサ52は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。図32のように、イメージセンサ52は、針板580(図31参照)に対向する位置に設けられ、針穴542を撮像する機能を有する。センサホルダ255と、センサリンク部材270と、作動リンク部材240と、従動リンク部材230とは、第2の実施形態と同様であるので説明を省略する。
駆動ユニット600は、パルスモータ595を駆動源として、センサユニット680を上下方向に移動させる。駆動ユニット600は、パルスモータ595と、土台610と、ギヤ617から619とを備える。なお、図35において、パルスモータ595は図示していない。パルスモータ595は、駆動機構551の駆動源である。パルスモータは、後述するセンサユニット680を鉛直方向に移動させる。土台610には、パルスモータ595と、ギヤ617から619とが取り付けられる。土台610は、取付部611と、支持部612と、軸貫通部613と、軸貫通部614とを備える。取付部611は、右側面視矩形の板状の形状を有する。取付部611は、上下方向に2つの孔615を備える。孔615には、螺子626が差し込まれる。駆動ユニット600は、孔615に差し込まれた螺子626によって、ミシン機枠(図示せず)に設けられた取付部550に固定される。取付部611は、上下方向に伸びるスリット616を備える。
支持部612は、取付部611の前端から直角に右方に伸び、正面視概略矩形の板の左下部を切り欠いた形状を有する。支持部612は、ギヤ617から619と、パルスモータ595とを支持する。支持部612の背面の中央部には、後方に突出するギヤ軸620がある。ギヤ軸620には、ギヤ618と、ギヤ618と一体的に回転するギヤ619(図34参照)とが取り付けられる。ギヤ618は、ギヤ619の前方に設けられている。支持部612の右上部には、支持部612の右上から左下に伸びる方向に2つの螺子孔624がある。パルスモータ595は、螺子孔624に差し込まれた螺子601(図34参照)によって、支持部612に固定される。支持部612のギヤ軸620の上部となる位置には、孔621がある。孔621には、パルスモータ595の回転軸625(図34参照)が差し込まれる。回転軸625には、ギヤ617が取り付けられる。ギヤ617と、ギヤ618とは噛み合う。パルスモータ595が駆動すると、ギヤ617が回転する。ギヤ617が回転すると、ギヤ617と噛み合うギヤ618も回転する。ギヤ618が回転すると、ギヤ619も回転する。
軸貫通部613は、支持部612の上端中央部から直角に後方に伸び、平面視矩形の形状を有する。軸貫通部613には、平面視円形の孔622がある。軸貫通部614は、支持部612の下端中央部から直角に後方に伸び、平面視矩形の形状を有する。軸貫通部614には、平面視円形の孔623がある。
センサユニット680は、センサリンク部材270を回転可能に支持する。センサユニット680は、中継基板660を支持する。センサユニット680は、土台630と、ラック部材650と、軸670とを備える。土台630は、支持部631と、軸貫通部632と、軸貫通部633と、規制部634と、支持部635と、支持部637と、支持部639とを備える。支持部631は、正面視概略矩形の形状を有する。支持部631は、ラック部材650と、中継基板660とを支持する。支持部631の左右方向中央部には、上下方向に2つの螺子孔641が設けられている。支持部631の右下部には、上下方向に2つの螺子孔645が設けられている。
軸貫通部632は、支持部631の上端中央部から直角に前方に伸び、平面視矩形の形状を有する。軸貫通部632には、平面視円形の孔642がある。軸貫通部633は、支持部631の下方中央部から直角に前方に伸び、平面視矩形の形状を有する。軸貫通部633には、平面視円形の孔643がある。規制部634は、平面視L字状の形状を有する。規制部634は、支持部637の左端から前方に伸びている。規制部634は、センサユニット680に駆動ユニット600が組み付けられる場合に、駆動ユニット600のスリット616に差し込まれる。規制部634は、スリット616に差し込まれることによって、センサユニット680が、駆動ユニット600に対して回転することを規制する。
支持部635は、支持部631の左下部から前方に突出している。支持部635の先端部には、右側面視円形の孔636がある。孔636には、従動リンク部材230のピン232が差し込まれる。支持部631の右下端には、前方に突出する板状の支持部639がある。支持部639の先端側には、右側面視円形の孔640がある。孔640と、センサリンク部材270の螺子孔275とには、螺子673が差し込まれる。支持部631の左下端には、前方に突出する板状の支持部637がある。支持部637の先端側には、右側面視円形の孔638がある。孔638には、センサリンク部材270のピン273が差し込まれる。センサリンク部材270は、土台630に差し込まれた螺子673と、ピン273とによって、回転可能に支持される。第2及び第3の実施形態と同様に、螺子673には、ねじりバネ675が取り付けられている。センサリンク部材270は、ねじりバネ675によって、右側面視反時計回りに付勢されている。
ラック部材650は、基部652と、歯部651とを備える。基部652は、上下方向に長く伸びる。基部652は、上下方向に2つの螺子孔653を有する。螺子孔653には螺子654が差し込まれ、ラック部材650は螺子654によって土台630の正面に固定される。歯部651は、基部652の右側面に取り付けられている。歯部651は、駆動ユニット600のギヤ619と噛み合う。
軸670は、上下方向に伸びる棒であり、駆動ユニット600の孔623及び孔622と、センサユニット680の孔642及び孔643とに差し込まれる。軸670は、駆動ユニット600に対するセンサユニット680の左右方向及び前後方向の位置を規定する。軸670の上端及び下端は、止め輪671と止め輪672とによって固定されている。
中継基板660は、正面視矩形形状を有する基板であり、イメージセンサ52と、ミシン500の制御部560(図33参照)とを電気的に接続する。中継基板660は、イメージセンサ52に電気的に接続されるコネクタ661と、ミシン500の制御部560に電気的に接続されるコネクタ(図示せず)とを備える。中継基板660の右下部には、上下方向に2つの螺子孔663がある。螺子孔663と、センサユニット680の螺子孔645とに差し込まれた螺子665によって、中継基板660は、センサユニット680に固定される。
次に、図33を参照して、ミシン500の主な電気的構成について説明する。図33に示すように、ミシン500の制御部560は、CPU561と、ROM562と、RAM563と、EEPROM564と、外部アクセスRAM565と、入出力インターフェイス(I/O)566とを備え、これらはバス567によって相互に接続されている。
CPU561は、ミシン500の主制御を司り、ROM562等に記憶されたプログラムに従って、各種演算及び処理を実行する。ROM562は、プログラム記憶エリアを含む複数の記憶エリアを備える。プログラム記憶エリアには、縫製プログラムと、撮像プログラムとを含む複数のプログラムが記憶されている。なお、プログラムはフレキシブルディスク等の外部記憶装置に記憶されていてもよい。RAM563は、任意に読み書き可能な記憶素子である。EEPROM564は、読み書き可能な記憶素子であり、プログラム記憶エリアに記憶されている各種プログラムが実行される際に使用される各種パラメータが記憶されている。外部アクセスRAM565には、カードスロット517が接続されている。カードスロット517は、メモリカード518と接続可能である。カードスロット517とメモリカード518とを接続すれば、メモリカード518の情報の読み取りや書き込みを行うことができる。
I/O566には、縫製開始・停止スイッチ541と、速度調整摘み543と、駆動回路570から576と、タッチパネル516と、イメージセンサ52とが接続されている。駆動回路570は、制御部560からの制御信号に従って針振り用パルスモータ577を駆動させる。針振り用パルスモータ577は、針振り機構(図示せず)の駆動源である。駆動回路571は、制御部560からの制御信号に従って送り量調整用パルスモータ578を駆動させる。駆動回路572は、ミシンモータ579を駆動させる。ミシンモータ579は、主軸(図示せず)の駆動源である。駆動回路573は、制御部560からの制御信号に従ってX軸モータ581を駆動させる。駆動回路574は、制御部560からの制御信号に従ってY軸モータ582を駆動させる。駆動回路575は、制御部560からの制御信号に従ってパルスモータ595を駆動させる。駆動回路576は、制御部560からの制御信号に従ってLCD510を駆動させる。I/O566には、図示しない他の構成要素が適宜接続される。
次に、第4の実施形態のミシン500の撮像処理について説明する。第4の実施形態の撮像処理は、図26の第3の実施形態の撮像処理と同様の手順で処理が実行される。第4の実施形態の撮像処理は、図26に示す撮像処理は、ROM562に記憶された撮像プログラムに従って、図33に示すCPU561が実行する。
まず、第4の実施形態の撮像処理の概要を説明する。第4の実施形態の撮像処理では、撮像処理開始時には、イメージセンサ52は第1条件の位置にあるとする。第4の実施形態のミシン500は、第3の実施形態のミシン1と同様に、撮像方向と、撮像位置とを組み合わせた撮像条件として、第1条件から第3条件までのいずれかを設定する機能を備える。第4の実施形態では、イメージセンサ52の通常位置を、図34の位置とする。第4の実施形態のミシン1は、撮像条件に応じてセンサユニット680の鉛直方向の位置を設定する。各撮像条件とセンサユニット680の鉛直方向の位置との対応については、後述する。撮像条件は、ユーザによって選択され、移動指示の一部としてパネル操作によって入力される。
次に、図26を参照して、第4の実施形態の撮像処理について説明する。図26に示すように、第4の実施形態の撮像処理では、S10で取得された移動指示が、位置変更指示でも、方向変更指示でもない場合(S20:No,S22:No)、撮像条件が第1条件に設定される(S46)。S46において、センサユニット680は既に第1条件の位置にあるので移動されない。撮像条件が第1条件に設定された場合には、駆動機構551の各部材は以下の位置にある。図34及び図36のように、作動リンク部材240のピン243は軸貫通部614よりも上方にある。イメージセンサ52の撮像方向701は下向きであり、鉛直方向の位置は通常位置である。
S10で取得された移動指示が位置変更指示であった場合には(S20:Yes)、センサユニット680が鉛直下方に移動される(S34)。より具体的には、センサユニット680が図37の位置(接触位置)に移動するように、駆動回路575(図33参照)に制御信号が出力され、パルスモータ595が駆動される。S34において、パルスモータ595が駆動すると、ギヤ617が正面視時計回りに回転され、ギヤ617と噛み合うラック部材650が下方に移動する。ラック部材650が移動すると、ラック部材650を固定する土台630は軸670に案内されて下方に移動する。センサユニット680が図37の位置にある場合、駆動機構551の部材は次の位置にある。図37及び図38のように、作動リンク部材240のピン243は、軸貫通部614と接触する。作動リンク部材240と、土台630との相対位置は、S46の位置と同じである。イメージセンサ52の鉛直方向の位置は、ズーム位置である。ズーム位置は、図34の位置の鉛直下方である。イメージセンサ52の撮像方向702は下向きである。
S10で取得された移動指示が方向変更指示であった場合には(S20:No,S22:Yes)、センサユニット680が図37の位置の鉛直下方に移動される(S44)。より具体的には、センサユニット680が図39の位置に移動するように、駆動回路575に制御信号が出力され、パルスモータ595が駆動される。S34の場合と同様に、パルスモータ595が駆動すると、ラック部材650を固定する土台630は軸670に案内されて下方に移動する。センサユニット680が図39の位置にある場合、駆動機構551の部材は次の位置にある。図39及び図40のように、作動リンク部材240のピン243は、軸貫通部614と接触している。図39の位置では、イメージセンサ52の撮像方向703は前向きである。作動リンク部材240と、土台630との相対位置は、図37の位置と異なる。
S44での、駆動機構551の動作について説明する。センサユニット680が図37の位置(接触位置)よりも下方に移動されると、作動リンク部材240のピン243は、軸貫通部614によって下方への移動が規制され、ピン243の絶対位置は一定に保持される。ピン243の絶対位置が一定に保持された状態で、センサユニット680が下方に移動されると、従動リンク部材230のピン231は、センサユニット680に対して相対的に上方に移動される。したがって、センサユニット680が図37の位置(接触位置)から、図39の位置(方向変更位置)に移動された場合、第2の実施形態の場合と同様に、イメージセンサ52(センサリンク部材270)が右側面視時計回りに90度回転される。イメージセンサ52の回転角度は、4節平行リンクのリンク比と、センサユニット680に対するピン243の移動量とに応じて定まる。センサユニット680が、図39の位置から図37の位置に移動される場合の駆動機構551の動作は、センサユニット680が図37の位置から図39の位置に移動される場合の逆となる。
S34と、S44と、S46とのいずれかの次に、所定のタイミングで、イメージセンサ52によって撮像され(S50)、S50で撮像された画像がLCD7に表示される(S60)。
以上のように、第4の実施形態の撮像処理が実行される。1本の針棒506(図32参照)を収容するアーム部504は、本発明の収容部に相当する。パルスモータ595は、本発明の第1アクチュエータ及び第2アクチュエータに相当する。パルスモータ595を駆動源として、アーム部504に対してイメージセンサ52の撮像方向を変更させる、作動リンク部材240と、従動リンク部材230と、センサリンク部材270と、駆動ユニット600と、センサユニット680とは、本発明の第1移動機構に相当する。パルスモータ595を駆動源として、アーム部504に対してイメージセンサ52の鉛直方向の位置を変更させる、駆動ユニット600と、センサユニット680とは、本発明の第2移動機構に相当する。図26のS10の処理を実行するCPU561は、本発明の指示取得手段として機能する。S34,S44,S46で、S10で取得した移動指示に応じて、アーム部504に対して移動させてイメージセンサ52の鉛直方向の位置又は撮像方向を変更させるCPU561は、本発明の移動制御手段として機能する。
ミシン500は、パルスモータ595を駆動源として、アーム部504に対するイメージセンサ52の撮像方向又は鉛直方向の位置を変更させることができる。より具体的には、ミシン500は、パルスモータ595を駆動源として、センサユニット680を上下方向に移動させる。ミシン500は、センサユニット680の上下方向の移動によって、イメージセンサ52の鉛直方向の位置の変更と、撮像方向の変更とのいずれかを実行させることができる。このため、ユーザは指示を入力することにより、移動前後で視野、特に撮像方向又は拡大縮小率が異なる画像を取得することができる。ミシン500は、イメージセンサ52の鉛直方向の位置を変更させるための駆動源と、撮像方向を変更させるための駆動源として、パルスモータ595を用いている。このため、ミシン500は、両駆動源を別に設ける場合に比べ、ミシン500の構成を簡単にすることができる。
なお、本発明のミシンは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。例えば、以下の(A)から(F)までの変形を適宜加えてもよい。
(A)イメージセンサ52の種類は適宜変更してもよい。例えば、イメージセンサ52は、CCDカメラ等、CMOSイメージセンサ以外の撮像素子であってもよい。
(B)イメージセンサ52の配置位置は適宜変更してもよい。例えば、以下の(B−1)から(B−4)のいずれかのようにイメージセンサ52が配置されてもよい。
(B−1)例えば、イメージセンサ52は、針棒ケース21の右側でなく、左側に配置されてもよい。また例えば、イメージセンサ52は、複数の針棒31に挟まれる位置に配置されてもよい。より具体的には、図2に示す針棒ケース21のフレーム24内で、右から3番目の3番針棒と、右から4番目の4番針棒との間にイメージセンサ52が配置されてもよい。この場合、イメージセンサ52と、イメージセンサから最も離れた位置にある針棒31(最も外側の針棒31)との間の距離を短くすることができる。したがって、この場合、イメージセンサ52を撮像位置に移動させる際の、針棒ケース21の移動距離を短縮することができる。
(B−2)上記実施形態では、イメージセンサ52と、イメージセンサ52に隣接する針棒31との距離を、針棒31同士の間隔Xの整数倍としていた。しかし、イメージセンサ52と、隣接する針棒31との距離は、間隔Xの整数倍でなくてもよい。また上記第1から第3の実施形態では、針棒ケース21は、螺旋カム48の位置決め部481と係合する係合コロ42に応じて、9つの位置のいずれかの位置で停止するとしていたが、これに限定されない。例えば、ミシンは、針棒ケース21を針棒ケース21の移動可能範囲内の任意の位置で停止させる機能を備えてもよい。
(B−3)上記実施形態では、複数の針棒31及びイメージセンサ52の中心軸線を平面視同一直線上に配置させていた。これにより、ミシン1はイメージセンサ52を針落ち位置の鉛直上方に容易に移動させることができる。しかし、例えば針棒ケースの移動経路が平面視にて円弧状となる多針ミシンであれば、針棒とともにイメージセンサも円弧状の移動経路を移動するように、針棒及びイメージセンサが円弧状に配置されればよい。
(B−4)上記実施形態では、イメージセンサ52の撮像方向を下向き又は前向きとしていたが、撮像方向は適宜変更可能である。
(C)上記実施形態のミシン1において実行された撮像処理は適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、説明を簡単にするために、撮像処理開始時のイメージセンサ52の位置は縫製位置とされていたが、任意の位置が撮像処理開始時のイメージセンサ52の位置は縫製位置として設定されてもよい。また例えば、ミシンは、ユーザがミシンに入力した指示に従って、イメージセンサ52の撮像条件を随時切り替えてもよい。具体的には、例えば、図9に示す第1の実施形態の撮像処理において、ミシンは、ユーザがミシンに入力した指示に従って、イメージセンサ52の撮像位置を、通常位置からズーム位置に、又は、ズーム位置から通常位置に切り替えてもよい。また例えば、S10の指示の取得方法は適宜変更可能である。より具体的には、ミシンが備える専用のボタンによって指示が入力されてもよい。また例えば、上記実施形態では、図9に示す撮像処理のS60において、イメージセンサ52によって撮像された画像がLCD7に表示されていた。しかし、S50においてイメージセンサ52によって撮像された画像は、他の処理に利用されてもよい。
(D)上記実施形態のミシン1は、第1ガイド部として、ガイド孔284又はガイド孔384を備えていたが、これに限定されない。例えば、第1ガイド部は、ピン243と係合するレールであってもよい。同様に、ミシン1は第2ガイド部として、ガイド孔84又はガイド孔386を備えていたが、これに限定されない。例えば、第2ガイド部は、ピン78に係合するレールであってもよい。第1ガイド部と、第2ガイド部とは、長さと、形状と、針棒ケース21の移動方向に対する傾斜角度とのそれぞれは適宜変更可能である。
(E)上記実施形態のミシン1が備える連結部材の構成、及び連結部材を構成する各部材の形状は適宜変更可能である。例えば、第2から第4の実施形態において、4節平行リンクの構成条件及び作動条件を変更することにより、イメージセンサ52を90度以上回転させてもよい。構成条件としては、例えば、リンク比が挙げられる。作動条件としては、例えば、4節平行リンクの作動リンク部材240のピン243の移動量が挙げられる。
(F)ミシン1又はミシン500の構成は適宜変更可能である。ミシン1の針棒の数は複数であればよい。また例えば、針棒ケース移動機構40は、ユーザによって手動で駆動されてもよい。また例えば、ミシン本体20と針棒ケース21との接触位置(第1位置又は第4位置)は、ミシン1の構成に応じて適宜変更可能である。また例えば、第4の実施形態の駆動機構551をミシン1に適用してもよい。また例えば、第4の実施形態において、イメージセンサ52の鉛直方向の位置及び撮像方向のいずれかを変更可能としてもよい。また例えば、第4の実施形態のミシン500は、駆動ユニット600の駆動源となるアクチュエータとしてパルスモータを備えていたが、他のアクチュエータを備えてもよい。
1 多針ミシン
7 液晶ディスプレイ
10 シリンダベッド
16,580 針板
20 ミシン本体
31,506 針棒
38,542 針穴
40 針棒ケース移動機構
49 凸部
51,251,351 イメージセンサ保持機構
52 イメージセンサ
70 センサ土台
80,280,380 カムプレート
84,284,384,386 ガイド孔
90,290,390 ガイド板
98,298,398 凸部
141,561 CPU
230 従動リンク部材
240 作動リンク部材
270 センサリンク部材
410 取付部材
500 ミシン
504 アーム部
551 イメージセンサ駆動機構
595 パルスモータ
600 駆動ユニット
680 センサユニット

Claims (3)

  1. 複数の針棒を収容する針棒ケースと、ミシンベッドに設けられた針板の針穴を撮像する撮像手段とを備えた多針ミシンであって、
    前記撮像手段を前記針棒ケースに対して移動させる移動手段と、
    前記撮像手段を前記針棒ケースに対して移動させる指示を取得する指示取得手段と、
    前記指示取得手段によって取得された前記指示に応じて、前記移動手段を制御して前記撮像手段を前記収容部に対して移動させる移動制御手段とを備え、
    前記移動手段は、ミシン本体に対して前記針棒ケースを水平方向に移動させる針棒ケース移動機構と、前記針棒ケースと前記撮像手段とを連結し、前記針棒ケースの移動に連動して前記撮像手段を前記針棒ケースに対して移動させる連結部材とを備え、
    前記指示は、前記針棒ケースに対する前記撮像手段の撮像方向を変更する方向変更指示と、前記針棒ケースに対する前記撮像手段の鉛直方向の位置を変更する位置変更指示と、の両方を含み、
    前記移動制御手段は、前記指示取得手段が前記方向変更指示を取得した場合に、前記針棒ケース移動機構を制御して前記針棒ケースに対する前記撮像手段の撮像方向を変更させ、前記指示取得手段が前記位置変更指示を取得した場合に、前記針棒ケース移動機構を制御して前記針棒ケースに対する前記撮像手段の鉛直方向の位置を変更させることを特徴とするミシン。
  2. 前記連結部材は、
    前記針棒ケースにスライド可能に支持されるとともに、前記撮像手段の撮像方向を変更可能なように前記撮像手段を支持する第1支持部材と、
    前記第1支持部材と協働して前記撮像手段の撮像方向を定める第1ガイド部を有し、前記針棒ケースに固定された第1ガイド部材と
    を備え、
    前記移動制御手段は、前記針棒ケース移動機構を制御して、前記指示取得手段によって取得された前記指示に応じて、前記針棒ケースを、第1位置を含む第2位置から第3位置までの間のいずれかの位置に移動させ、
    前記針棒ケースが、前記第1位置から前記第2位置までの間を移動する場合には、前記第1支持部材は前記針棒ケースと一体に移動されて前記撮像手段の撮像方向が所定の方向に保持され、
    前記針棒ケースが、前記第1位置から前記第3位置までの間を移動する場合には、前記第1支持部材は前記ミシン本体と接触して当該針棒ケースに対してスライドし、前記第1ガイド部と協働して前記撮像手段の撮像方向が変更されることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記連結部材は、
    前記針棒ケースにスライド可能に支持されるとともに、前記撮像手段を鉛直方向に移動可能なように前記撮像手段を支持する第2支持部材と、
    前記第2支持部材と協働して前記撮像手段の鉛直方向の位置を定める第2ガイド部を有し、前記針棒ケースに固定された第2ガイド部材と
    を備え、
    前記移動制御手段は、前記針棒ケース移動機構を制御して、前記指示取得手段によって取得された前記指示に応じて、前記針棒ケースを、第4位置を含む第5位置から第6位置までの間のいずれかの位置に移動させ、
    前記針棒ケースが、前記第4位置から前記第5位置までの間を移動する場合には、前記第2支持部材は前記針棒ケースと一体に移動されて前記撮像手段の鉛直方向の位置が所定の位置に保持され、
    前記針棒ケースが、前記第4位置から前記第6位置までの間を移動する場合には、前記第2支持部材は前記ミシン本体と接触して当該針棒ケースに対してスライドし、前記第2ガイド部と協働して前記撮像手段の鉛直方向の位置が変更されることを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン。
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