JP4915391B2 - 乗客コンベヤの踏段チェーンの伸び量測定装置 - Google Patents
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Description
図9は全体構成を示し、階間にはトラス52が跨設され、傾斜路頂部の機械室には駆動機53が収納されている。この駆動機53は上部スプロケット54uを駆動し、上部スプロケット54uと下部スプロケット54dには無端状の踏段チェーン18が巻き掛けられ、下部スプロケット54dに装着された緊張具56によって常時緊張状態になっている。
更に、踏段11の両側には、狭隙を隔ててスカートガード19が立設され、その上部には傾斜路に沿って所定の高さで内側板20が立設されている。この内側板20には手摺57が取り付けられて上下の乗降口で下方に反転して循環する。機械室にはエスカレータの運転を制御する制御盤58が設置されている。
また、踏段チェーン18の外側にはガイドレール16が敷設されていて前輪14は踏段チェーン18の移動に伴ってガイドレール16に沿って転動し、後輪15はガイドレール17に沿って転動する。
また、この状態では図10に示した隣接する踏段11の踏板11aとライザ11bは噛み合っていて隙間Sgは発生していない。
ところで、踏段チェーン18の伸びは、全周に亙って一律ではなく、局部的であったり、左右の踏段チェーン18で差が生じることもある。
このため、最終的に全体を取り替える前に、ある程度磨耗が認められた時点で局部的な伸びはないか、また、踏段チェーン18が左右でアンバランスに伸びていないか等をチェックする。
その結果によって踏段チェーン18のリンクを局部的に組み替えたり、左右の踏段チェーン18を掛け代えたりする対策が実施されてきた。
(1)全踏段11を取り外す。
(2)踏段軸13間のピッチを測定するための大形ノギスを用意する。
(3)作業者がトラス52内に入り、又は踏段軸13に跨って、ノギスで踏段軸13間のピッチを、左右の踏段チェーン18の全周に亙って1ヶ所ずつ測定する。
(4)上記測定結果に基き、左右の踏段チェーン18の掛け代えの要否や、又はリンクの組み替えを検討し、要すればその検討結果に基いて処置をする。
上記はエスカレータの場合であるが、移動歩道についても同様である。
作業者が踏段軸13の全箇所に亙って手作業で軸間ピッチを測定しなければならず、面倒で作業性が悪い。このため、集中力も途切れ勝ちで、測定誤差が生じ易い、という問題があった。
また、踏段11を取り外さなければならず時間がかかり、長時間利用者に不便を強いる、という問題もあった。
即ち、図12に示したとおり、踏段チェーン18が伸びてチェーンピッチがPrからPr′に増大すると、踏段チェーン18と上部スプロケット54uとの噛合いが浅くなる。
一方、上部スプロケット54uの回転数は略一定であるから、踏段チェーン18の速度がV0からV0′に上昇することになる。
また、踏段チェーン18の伸びは、その構成部品である、ピン、ローラ及びプレート全体の磨耗によるものであるから、パルス幅を検出しても、単にローラの幅を検出したに過ぎず、踏段チェーン18の伸びを測定したことにはならない、と思料される。
仮に速度に誤差が有ったとしてもセンサの離隔距離と所定部位間距離の距離差が速度誤差の影響を受けるに過ぎず、離隔距離を基準値に近い値にすることによって、所定部位間距離を正確に測定することができる、という効果を奏する。
また、所定部位間距離を特定するようにしたので、踏段チェーンが伸びてリンクを組み替える必要が生じた場合、対象となる踏段チェーンを容易に特定することができ、測定後の措置を迅速に実施できる、という効果も奏する。
図1から図8は実施の形態1を示し、一対のセンサの離隔距離X1が知得されている場合の乗客コンベヤの踏段チェーンの伸び量測定装置に係るものである。
なお、ここでは踏段軸13を所定部位として軸間距離を所定部位間距離Xsnとし、センサの離隔距離X1は踏段軸13の軸間距離Xsnよりも小さく、かつ、軸間距離Xsnに近い距離とする。
第1センサ34及び第2センサ35は、それぞれビーム34a及び35aを照射し、踏段軸13からの反射ビームによって作動する。
なお、センサ組立30をガイドレール17に係止するには、図4に示したとおり、スカートガード19をブラケット22から外し、要すれば更に踏段11を3〜4個取り外した隙間からセンサ組立30を内部に挿入し、クリップ33で係止する。
図5はマーカセンサ36がマーカ37を検出した状態を示す。即ち、踏段チェーン18が上昇方向へ移動してマーカセンサ36がマーカ37に対向すると、図7の時刻t01でマーカセンサ36がマーカ37からの反射ビーム36aで立ち上がり、マーカ37がビーム36aから外れると立ち下がる。
手順S11でエスカレータ制御盤58からの始動信号が発せられると、手順S12でマーカセンサ36が作動するのを待つ。図5に示したとおり、マーカセンサ36が作動すると手順S13で演算度数nを「1」にセットする。即ち、以下の手順でマーカ37が付された踏段軸13と隣接する後続の踏段軸13との軸間距離Xs1が測定されることを示す。
以下同様に、第n番目の軸間距離Xsnと、その軸間距離Xsnにおける踏段チェーン18の伸び量δnの演算がなされる。
続いて反対側の踏段チェーン18についても同様にして測定する。
左右の踏段チェーン18について測定が終了すると、測定結果に基いて検討がなされ、踏段チェーン18のリンクの組替えや、左右の踏段チェーン18を入れ替える等の措置がなされる。
更に、測定後の原状復帰も容易であるため、利用客に与える不便さも軽減できる。
更にまた、踏段11を付けた状態で測定するので、略稼動状態で測定することができる。
また、踏段軸13の軸間距離を所定部位間距離Xsnとしたが、これに限られるものではなく、踏段チェーン18のチェーンピッチであってもよい。
Claims (4)
- 踏段の両側に端部を突出させた踏段軸を踏段チェーンに取り付け、この踏段チェーンをスプロケットに巻き掛けて上記踏段を循環させる乗客コンベヤの上記踏段チェーンの伸び量を測定する装置において、上記踏段軸の両端に取り付けられた前輪が案内されて転動するガイドレールに着脱自在に係止されたセンサ組立基板と、上記踏段チェーンの進行方向に向けて予め知得された離隔距離を隔てて上記センサ組立基板の両側端部に取り付けられて上記踏段チェーン又は上記踏段チェーンに付随して移動する踏段軸の所定部位を検出する一対の第1センサ及び第2センサと、上記第1センサが一の踏段軸の上記所定部位を検出してから上記第2センサが隣接する後続の他の踏段軸の上記所定部位を検出するまでの動作時間差から求められる距離差を上記第1センサ及び第2センサの上記離隔距離に加減算して上記所定部位間距離を演算する部位間距離演算手段と、所定部位間を特定するために上記一の踏段軸に目印として取り付けられたマーカと、上記センサ組立基板の中央部で上記第1センサ及び第2センサの中間に位置するように取り付けられて上記マーカを検出するマーカセンサと、上記マーカセンサの上記検出によって始動して上記所定部位間距離が演算される毎に演算度数を計数し、この演算度数で上記所定部位間距離を特定する部位間距離特定手段と、上記所定部位間に対して予め設定された基準値と上記部位間距離演算手段によって演算された上記所定部位間距離との差値から上記踏段チェーンの上記所定部位間の伸び量を演算する伸び量演算手段とを備えた乗客コンベヤの踏段チェーンの伸び量測定装置。
- 踏段チェーンの速度を、この踏段チェーンが巻き掛けられたスプロケットのピッチ円と回転数とから演算したことを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベヤの踏段チェーンの伸び量測定装置。
- 第1センサ及び第2センサは、隣接する上記踏段軸との軸間距離よりも小さい離隔距離で取り付けられるものとし、部位間距離演算手段は、踏段チェーンの進行方向前方の上記第1センサが一の上記踏段軸を検出してから進行方向後方の上記第2センサが隣接する他の上記踏段軸を検出するまでの動作時間差から求められる距離差を上記第1センサ及び第2センサの上記離隔距離に加算して上記所定部位間距離を演算するものとした請求項1に記載の乗客コンベヤの踏段チェーンの伸び量測定装置。
- 第1センサ及び第2センサは、隣接する上記踏段軸との軸間距離よりも大きい離隔距離で取り付けられるものとし、部位間距離演算手段を、踏段チェーンの進行方向後方の上記第2センサが一の上記踏段軸を検出してから進行方向前方の上記第1センサが他の上記踏段軸を検出するまでの動作時間差から求められた距離差を上記第1センサ及び第2センサの上記離隔距離から減算して上記所定部位間距離を演算するものとした請求項1に記載の乗客コンベヤの踏段チェーンの伸び量測定装置。
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