JP4912146B2 - 有機金属ポリマー材料 - Google Patents

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Description

本発明は、電気配線用基板、機械部品用材料、反射防止膜及び表面保護膜等の各種コーティング材料、光送受信モジュール、光スイッチ、光変調器等の光通信デバイス、光導波路、光ファイバー、レンズアレイ等の光伝搬路構造及びそれらを含む光ビームスプリッタ等の光デバイス、インテグレータレンズ、マイクロレンズアレイ、反射板、導光板、投射用スクリーン等の表示デバイス(ディスプレイまたは液晶プロジェクタ等)関連光学素子、眼鏡、CCD用光学系、レンズ、複合型非球面レンズ、2P(Photoreplication Process)レンズ、光学フィルタ、回折格子、干渉計、光結合器、光合分波器、光センサー、ホログラム光学素子、その他光学部品用材料、光起電力素子、コンタクトレンズ、医療用人工組織、発光ダイオード(LED)のモールド材等に用いることができる有機金属ポリマー材料に関するものである。
金属やセラミックス等の無機系材料は、耐熱性、機械的強度、電気的特性、光学的特性、化学的安定性等に優れ、それらの機能を活かし、工業的に幅広く使用されている。しかしながら、一般的に脆性や硬度が高く、所望の形状に加工するためには、高温での成形や機械的加工等が必要となり、その用途が限定される場合がある。
一方、有機重合体は成形性に優れ、柔軟性も有することから、加工性が良好である。しかしながら、耐熱性や化学的安定性においては、無機系材料に比べて劣る場合が多い。そこで、近年、金属アルコキシドを出発材料とした有機重合体が、有機無機ハイブリッド材料または有機無機ナノコンポジットなどと称されて盛んに開発されている。
特許文献1及び特許文献2等においては、このような有機無機ハイブリッド材料を光導波路に応用することが試みられている。
しかしながら、いずれの場合においても、金属アルコキシドを出発材料とし、いわゆるゾルゲル法と称されるプロセスで材料として必要に応じて水を添加し、加水分解反応を行うため、材料中には水分(H2O)やシラノール基(Si−OH)が多く残留する。特にシラノール基は、加熱等によって取り除くことが困難であるので、主に赤外領域での光損失の大きな要因となり、特に光通信波長帯である1500nm付近では大きな影響を与える。
特開2000−356722号公報 特表2001−506372号公報 特開平6−322136号公報 特開2003−195070号公報 特開2000−336281号公報 特開2000−34413号公報
本発明の目的は、透光性に優れ、硬化後の硬度が高く、かつ高温・高湿下での信頼性に優れた有機金属ポリマー材料及びそれを用いた光学部品を提供することにある。
本発明の有機金属ポリマー材料は、−M−O−M−結合(Mは金属原子)を有する有機金属重合体と、加水分解可能な基を1つだけ有する金属アルコキシド及び/またはその加水分解物と、ウレタン結合及びメタクリロキシ基またはアクリロキシ基を有する有機重合体とを含むことを特徴としている。
本発明の有機金属ポリマー材料は、上記有機金属重合体と、上記金属アルコキシド及び/またはその加水分解物と、上記有機重合体を含んでいる。上記有機重合体は、ウレタン結合及びメタクリロキシ基またはアクリロキシ基を有する有機重合体であり、例えば、ポリオールの末端に、ジイソシアネートなどのポリイソシアネートを用いて、水酸基とメタクリロキシ基またはアクリロキシ基を有する化合物を反応させて得られる有機重合体が挙げられる。
具体的な構造としては、メタクリロキシ基またはアクリロキシ基を有する部分(アクリレート部分またはメタクリレート部分)をAC、ウレタン結合を有する部分(イソシアネート部分)をIS、ポリオール部分をPOとすると、
AC−IS−PO−IS−AC
の構造を有するものが挙げられ、一般にアクリレート系樹脂と呼ばれている。
吸水性を低くする観点からは、疎水性が高いフェニル基やビスフェノールA構造を有するアクリレート系樹脂が好ましく用いられる。
上記構造において、AC−IS間及びIS−PO間のうちの少なくとも一方がウレタン結合によって結合している。このウレタン結合の存在が本発明においては重要であり、このウレタン結合に由来する水素結合の凝集力により、本発明の有機金属ポリマー材料の硬化物において柔軟性及び強靭性が付与され、さらには高温・高湿下におけるクラックの発生等を防止することができる。
上記のAC部分は、重合可能な基(炭素の二重結合)を有しており、光や熱などのエネルギーにより、有機重合体自身が重合したり、上記有機金属重合体と結合を形成したりして有機金属ポリマー材料を硬化させる働きを有する。
また、上記有機金属重合体中に重合可能な基を導入しておくことにより、有機重合体中のAC成分との重合が可能になり、より強固な結合を形成することができる。
上記のPO部は、有機重合体の柔軟性等の特性を与える部分であり、例えば、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリカプロラクトン系ポリオール、シリコーン系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオールなどから構成される。
また、有機重合体としては、その骨格中にポリブタジエン構造及びアリール基を含むものが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
また、有機重合体のポリオール部分、イソシアネート部分、及び(メタ)アクリレート部分の少なくとも一部にアリール基を導入し、さらに上記有機金属重合体中にもアリール基を導入していることが好ましい。これは、互いのアリール基を構成するπ電子雲の重なりによる結合力が発生することにより、より強固な結合を形成するとともに、有機金属重合体と有機重合体の分離を抑制し、高い透明性が得られるからである。
また、必要に応じて、熱や光等のエネルギー照射で硬化させる前の液の粘度や、硬化物の硬度等の機械的特性の調整を目的として、多官能(メタ)アクリレートや単官能(メタ)アクリレートを添加してもよい。特に分子中にアリール基を含む多官能(メタ)アクリレートや単官能(メタ)アクリレートは、分子屈折が高いため、屈折率の調整が容易になる。さらに、有機金属重合体または有機重合体に導入されたアリール基とπ電子雲の重なりによる結合力が発生し、より強固な結合を形成することができる。
多官能(メタ)アクリレートの例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−プロピオネートのジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、2,2′−ジ(ヒドロキシプロポキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリレート、2,2′−ジ(ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールのジ(メタ)アクリレート、2,2′−ジ(グリシジルオキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリル酸付加物等の2官能(メタ)アクリレート、さらに、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメリット酸のトリ(メタ)アクリレート、トリアリルトリメリット酸、トリアリルイソシアヌレートトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートの例としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンチル(メタ)アクリレート、α−ナフチル(メタ)アクリレート、β−ナフチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートボロニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
上記構造の有機重合体は、一般にウレタンアクリレート系樹脂などと呼ばれており、従来においては、ガラス母材の上に透明樹脂層を形成し、複合型非球面レンズなどの光学部品を製造する際の透明樹脂層の形成用材料等として用いられている。このようなポリウレタンアクリレート系樹脂を単独で用いた光学部品においては、高温・高湿下における信頼性が不十分であるという問題があった。すなわち、高温・高湿下において、クラック等が発生し易いという問題があった。また、硬度が低く、キズなどが付き易いという問題や、耐熱性が不十分であるという問題もあった。
本発明に従い、このようなウレタンアクリレート系樹脂と、上記有機金属重合体及び金属アルコキシド及び/またはその加水分解物とを併用することにより、上記従来の問題が解消されることがわかった。すなわち、高温・高湿下における信頼性、例えば高温高湿試験(85℃、85%、500時間)における屈折率の安定性などを高めることができ、かつ硬度及び耐熱性を高めることができることがわかった。本発明は、このような本発明者の知見に基づくものである。
本発明において、アクリロキシ基はアクリロイル基、メタクリロキシ基はメタクリロイル基と同じ意味で用いている。また、(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートの総称であり、(メタ)アクリロイルは、アクリロイルとメタクリロイルの総称である。
本発明においては、上記金属アルコキシド及び/またはその加水分解物を含んでいる。上記金属アルコキシド及び/またはその加水分解物は、有機金属重合体に結合していない状態で含有されていてもよいし、結合した状態で含有されていてもよい。また、金属アルコキシドの加水分解物は、加水分解物の重縮合物であってもよい。
本発明においては、加水分解可能な基を1つだけ有する金属アルコキシド及び/またはその加水分解物が含有されていることにより、有機金属重合体の分子の末端に発生した−OH基に、金属アルコキシド及び/またはその加水分解物が反応し、−OH基を消滅させることができる。このため、1450〜1550nmの波長範囲において生じる光伝播損失を低減させることができる。
例えば、金属原子MがSiの場合、有機金属重合体の分子の末端には、−Si−O−Rで表されるアルコキシ基が存在する場合がある。このアルコキシ基は、水分を吸収して、加水分解し、以下のようにしてシラノール基を発生する。
−Si−O−R+H2O → −Si−OH+ROH↑
上記の反応で発生したROHは、揮発する。上記のシラノール基が存在すると、透過率が低下する。
本発明に従い、加水分解可能な基を1つだけ有する金属アルコキシド及び/またはその加水分解物が含有されていると、上記のようにして発生したシラノール基を消滅することができる。例えば、以下の式で示されるアルコキシ基を1つだけ有するアルコキシシランは、水分を吸収して以下のようにして加水分解する。
R′3Si−O−R″+H2O → R′3Si−OH+R″OH↑
なお、上記の反応において、R″OHは揮発する。上記のようにして生成した加水分解物は、有機金属重合体の末端のシラノール基と以下のようにして反応する。
−Si−OH+R′3Si−OH → −Si−O−SiR′3+H2
上記の反応により、有機金属重合体の分子の末端におけるシラノール基が消滅する。このため、本発明によれば、高い透過率を長期間維持することができる。
上記のように、金属アルコキシドは加水分解され、加水分解物として作用するので、金属アルコキシドの形態で含まれていてもよいし、加水分解物の形態で含まれていてもよい。また、有機金属アルコキシドまたはその加水分解物が、有機金属重合体に結合しない状態で含有されている場合、有機金属重合体において新たに水分を吸収してその末端にシラノール基等が発生した場合、このシラノール基等に、結合していない状態の金属アルコキシドまたはその加水分解物が作用し、上記のようにしてシラノール基等を消滅させることができる。
本発明において、上記金属アルコキシドまたはその加水分解物は、フッ素原子を含有するものであってもよい。すなわち、炭化水素部分における水素をフッ素原子に置換したような金属アルコキシド及びその加水分解物であってもよい。
本発明において、有機金属重合体の−M−O−M−結合におけるMは、好ましくは、Si、Ti、NbまたはZrもしくはこれらの金属の組み合わせであり、特に好ましくはSiである。Siである場合、有機金属重合体は、例えばシリコーン樹脂から形成することができる。
本発明における加水分解可能な基を1つだけ有する金属アルコキシドとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、ベンジルジメチルメトキシシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、ジフェニルメトキシメチルシラン、ジフェニルエトキシメチルシラン、アセチルトリフェニルシラン、エトキシトリフェニルシランが挙げられる。
本発明の有機金属ポリマー材料においては、無水有機酸及び/または有機酸がさらに含有されていることが好ましい。
無水有機酸は、水分を吸収し加水分解するので、無水有機酸が含まれていることにより、有機金属重合体中の水分を減少させることができる。これにより水分が原因となる吸収が減少し、無水有機酸のみを添加することによっても、透過率を高めることができる。また、有機金属重合体中に含有された有機酸は、シラノール基等の反応を促進する。このため、シラノール基等が消滅するのを促進することができる。例えば、有機金属重合体の分子の末端のシラノール基同士の反応も促進することができる。
無水有機酸及び/または有機酸は、以下の理由により、本発明における有機金属ポリマー材料中にも含有されていることが好ましい。すなわち、加水分解可能な基を1つだけ有する金属アルコキシド及び/またはその加水分解物とともに、無水有機酸及び/または有機酸が含有されていることで、無水有機酸による水分の除去に加え、加水分解可能な基を1つだけ有する金属アルコキシドの加水分解物が有機金属重合体の分子の末端に発生した−OH基と反応し、−OH基を消滅させる反応が促進される。
特許文献3及び特許文献4においては、加水分解性シラン化合物の加水分解反応を促進する目的で、触媒としてトリフルオロ酢酸を用いている。これは水を添加して反応を進めるゾルゲルプロセスの途中で反応溶液を酸性にするために添加されているものであり、無水トリフルオロ酢酸ではない。なぜならば、無水トリフルオロ酢酸は水と激しく反応し、直ちにトリフルオロ酢酸に変化するためである。また、本発明のように、最終生成物(硬化物)中に添加することや、酸無水物による光損失低減の効果については、何ら開示されていない。
また、無水トリフルオロ酢酸またはトリフルオロ酢酸を添加する場合、その添加量は、赤外吸収分光分析で検出可能なレベルであることが好ましい。具体的には、トリフルオロ酢酸の吸収ピーク高さ(1780cm-1付近)/SiOに起因する吸収ピーク高さ(1100cm-1付近)の比が0.05以上であることが好ましい。
上記金属アルコキシドまたはその加水分解物がアルコキシシランまたはその加水分解物である場合、以下の一般式で表されるものが一例として挙げられる。
Figure 0004912146
(ここで、R1、R2及びR3は、炭素数1〜15の有機基であり、好ましくはアルキル基である。また、R4は、炭素数1〜4のアルキル基である。)
具体例としては、トリメチルアルコキシシラン、トリエチルアルコキシシランなどのトリアルキルアルコキシシランが挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基及びエトキシ基等が挙げられる。
上記無水有機酸の具体例としては、無水トリフルオロ酢酸、無水酢酸、無水プロピオン酸などが挙げられる。特に好ましくは無水トリフルオロ酢酸が用いられる。上記有機酸の具体例としては、トリフルオロ酢酸、酢酸、プロピオン酸などが挙げられる。特に好ましくはトリフルオロ酢酸が用いられる。
本発明において、有機金属重合体は、例えば、少なくとも2つの加水分解可能な基を有する有機金属化合物の加水分解及び重縮合反応により合成することができる。このような有機金属化合物として、例えば、有機基を含有するトリアルコキシシランまたはジアルコキシシランが挙げられる。有機基としては、アルキル基、アリール基、アリール含有基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基が好ましい。さらに好ましいものとしては、フェニルトリアルコキシシラン、ジフェニルジアルコキシシランが挙げられ、より好ましくは、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランである。
また、上記有機金属化合物として、加熱及び/またはエネルギー線照射により架橋する官能基を有する有機金属化合物が含有されていることが好ましい。エネルギー線としては、紫外線、電子線などを挙げることができる。このような架橋する官能基としては、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、スチリル基、エポキシ基、及びビニル基が挙げられる。従って、これらの官能基を有するトリアルコキシシランが好ましく用いられる。
アクリロキシ基、メタクリロキシ基、スチリル基、及びビニル基などのラジカル重合性官能基を含有する場合には、ラジカル系の重合開始剤が含まれていることが好ましい。ラジカル系重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−〔2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ〕−エチル−エステル、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−〔2−ヒドロキシ−エトキシ〕−エチル−エステル、及びこれらの混合物を挙げることができる。
また、エポキシ基を有する有機金属化合物が含まれている場合には、硬化剤が含有されていることが好ましい。このような硬化剤としては、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、リン系硬化剤、酸無水物系硬化剤などが挙げられる。具体的には、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラエチレンペンタミンなどが挙げられる。
官能基を有する有機金属化合物と、官能基を有しない有機金属化合物を混合して用いる場合、混合割合は重量比(官能基を有する有機金属化合物:官能基を有しない有機金属化合物)で、5〜95:95〜5であることが好ましい。
本発明の有機金属ポリマー材料において、上記有機重合体の含有量は、5〜95重量%であることが好ましく、さらに好ましくは40〜95重量%である。上記有機重合体の含有量が少な過ぎると、高温・高湿下においてクラックが発生しやすくなり、光の吸収や散乱の大きな原因となる。また逆に上記有機重合体の含有量が多過ぎると、耐熱性が低下し、高温環境での劣化が進行することで、光学的特性、特に透光性が低下する。
上記のように、上記有機重合体の含有量を5〜95重量%の範囲内とすることにより、本発明の有機金属ポリマー材料をより透明な材料にすることができ、例えば波長630nmにおいて、厚さ3mmのサンプルの透過率として80%以上が得られる。また、上記有機重合体の含有量40〜95%の範囲内とすることにより、透過率は90%以上となる。
本発明の有機金属ポリマー材料において、上記金属アルコキシドまたはその加水分解物の含有量は、有機金属重合体100重量部に対し、0.1〜15重量部であることが好ましく、さらに好ましくは、0.2〜2.0重量部である。上記金属アルコキシドまたはその加水分解物の含有量が少な過ぎると、OH基が残留することで、1450〜1550nmの波長範囲における吸収が増加したり、吸水率が高くなり、劣化しやすくなる。逆に、上記金属アルコキシドまたはその加水分解物の含有量が多過ぎると、高温環境において、過剰な上記金属アルコキシドまたはその加水分解物が材料中から脱離することでクラック発生の要因となる。
また、無水有機酸または有機酸の含有量は、有機金属重合体100重量部に対し、0.1〜10重量部であることが好ましく、さらに好ましくは1〜5重量部である。無水有機酸または有機酸の含有量は少な過ぎると、加水分解可能な基を1つだけ有する金属アルコキシドによるOH基の除去が不完全となり、逆に無水有機酸または有機酸の含有量が多過ぎると、高温環境において、過剰な無水有機酸または有機酸自体が材料中から脱離することで、クラック発生の要因となる。
また、本発明の有機金属ポリマー材料において、上記有機金属重合体の硬化物の屈折率と、上記有機重合体の硬化物の屈折率との差は、0.01以下であることが好ましい。このように屈折率の差を0.01以下とすることにより、材料中の有機金属合体の領域と有機重合体の領域の界面での屈折率差に起因する光の散乱が抑制され、90%以上の透過率が得られる。
また、本発明の有機金属ポリマー材料において、上記有機金属重合体を硬化させる前の液体状態での屈折率と、上記有機重合体を硬化させる前の屈折率との差は0.02以下であることが好ましい。このように互いの硬化前の液体状態での屈折率の差を0.02以下にすることにより、硬化後の材料の透過率を90%以上にすることができる。
本発明の有機金属ポリマー材料は、IR測定チャートにおいて、上記金属アルコキシドに起因する850cm-1付近の吸収ピークを有することが好ましい。このような吸収ピークを有することにより、材料中に加水分解可能な基を1つだけ有する金属アルコキシドとしてのトリメチルシリル基が十分含まれていることとなり、材料中のOH基が効率良く除去されていることになる。
また、本発明の有機金属ポリマー材料においては、金属、金属酸化物、及び金属窒化物のうちの少なくとも1種からなる微小粒子が含有されていることが好ましい。また、微小粒子のサイズは100nm以下であることが好ましい。
金属粒子としては、金、銀、鉄などが挙げられる。
金属酸化物粒子としては、酸化ケイ素、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化ランタンなどが挙げられる。これらの中でも、特に酸化ケイ素、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム及び酸化チタニウムが好ましく用いられる。
金属窒化物粒子としては、窒化アルミニウム、窒化ジルコニウム、窒化チタニウムなどが挙げられる。
上記微小粒子として屈折率の低いものを添加することにより、有機金属ポリマー材料の屈折率を低くなるように制御することができる。また、上記微小粒子として屈折率の高い微小粒子を含有させることにより有機金属ポリマーの屈折率を高くなるように制御することができる。屈折率を高めることができる金属酸化物粒子としては、酸化ニオブ(Nb25)粒子、酸化ジルコニウム(ZrO2)粒子、酸化チタニウム(TiO2)粒子が挙げられる。また、屈折率を低くすることができる微小粒子としては、酸化ケイ素(SiO2)粒子が挙げられる。
本発明の製造方法は、少なくとも2つの加水分解可能な基を有する有機金属化合物の加水分解及び重縮合反応により有機金属重合体が合成されており、有機金属ポリマー材料中に無水有機酸及び/または有機酸が含有されている有機金属ポリマー材料を製造する方法であり、有機溶媒中で有機金属化合物を加水分解し、重縮合反応させて有機金属重合体を合成する工程と、有機溶媒を除去した後、無水有機酸及び/または有機酸を添加する工程と、無水有機酸及び/または有機酸の過剰分を除去した後、金属アルコキシド及び/またはその加水分解物を添加する工程と、金属アルコキシド及び/またはその添加物の過剰分を除去した後、有機重合体を添加する工程とを備えることを特徴としている。
本発明の製造方法においては、好ましくは、金属アルコキシド及び/またはその加水分解物の過剰分を除去した後、有機重合体を添加する前に、水洗によって親水性成分を除去する工程をさらに備えている。
この水洗工程により、材料中に過剰に残留している親水性の成分(有機酸、有機金属化合物の加水分解物、その他の低分子化合物)を除去することができ、結果として得られる有機金属ポリマー材料の吸水率を低減させることができる。
本発明の光学部品は、上記本発明の有機金属ポリマー材料を用いて光透過領域を形成したことを特徴としている。
本発明の光学部品の具体例としては、例えば、透光性のガラス、セラミック、またはプラチックなどの母材の上に、本発明の有機金属ポリマー材料を用いて光透過領域を形成したものが挙げられる。厚みの薄い光学部品を作製する場合には、母材として、高屈折率ガラスや高屈折率透光性セラミックなどを用いることが好ましい。
本発明の光学部品としては、複合型非球面レンズを挙げることができる。複合型非球面レンズは、ガラスなどからなる球面レンズの上に、透光性樹脂層からなる光透過領域を形成し、非球面レンズとしたものである。本発明の有機金属ポリマー材料は、上述のように、有機金属重合体や金属アルコキシド及び/またはその加水分解物を含むものであるため、ガラスなどに対して良好な接着性を有しており、ガラス母材の上に本発明の有機金属ポリマー材料からなる光透過領域を形成すると、密着性のよい光透過領域を設けることができる。本発明の光学部品は、本発明の有機金属ポリマー材料から形成されるものであるので、上述のように高温・高湿下における信頼性が高く、かつ硬度及び耐熱性に優れている。
本発明のカメラモジュールは、上記本発明の光学部品を備えることを特徴としている。本発明のカメラモジュールを用いるものとしては、携帯電話や車載用バックモニターが挙げられる。
本発明の携帯電話は、上記本発明のカメラモジュールを備えることを特徴としている。
本発明のプロジェクターは、上記本発明の光学部品を備えることを特徴としており、具体的には液晶プロジェクターなどが挙げられる。
本発明の光導波路は、上記本発明の有機金属ポリマー材料を用いて、コア層及び/またはクラッド層が形成されていることを特徴としている。
本発明の光導波路としては、電力用配線をさらに備えたものを挙げることができる。
本発明の有機金属ポリマー材料は、上記有機金属重合体と、上記金属アルコキシド及び/またはその加水分解物と、上記有機重合体とを含むものであるので、透光性に優れ、硬化後の硬度が高く、かつ高温・高湿下での信頼性に優れている。
本発明の有機金属ポリマー材料及びそれを用いた光学部品は、高温・高湿下での信頼性に優れ、硬度及び耐熱性が高いものであるので、電気配線用基板、機械部品用材料、反射防止膜、表面保護膜等の各種コーティング材料、光送受信モジュールや光スイッチ、光変調器等の光通信デバイス、光導波路、光ファイバー、レンズアレイ等の光伝搬路構造及びそれらを含む光ビームスプリッタ等の光デバイス、インテグレータレンズ、マイクロレンズアレイ、反射板、導光板、投射用スクリーン等の表示デバイス(ディスプレイまたは液晶プロジェクター等)関連光学素子、眼鏡、CCD用光学系、レンズ、複合型非球面レンズ、2P(Photoreplication Process)レンズ、光学フィルタ、回折格子、干渉計、光結合器、光合分波器、光センサー、ホログラム光学素子、その他光学部品用材料、光起電力素子、コンタクトレンズ、医療用人工組織、発光ダイオード(LED)のモールド材等に有用な材料である。
図1は、本発明の複合型非球面レンズを製造する工程の一例を示す模式的断面図である。 図2は、複合型非球面レンズの球面収差を観測するための装置を示す模式図である。 図3は、ガラス球面レンズ及び複合型非球面レンズを用いて観察した際のメッシュパターン像を示す図である。 図4は、IRチャートにおけるピーク比A/Bの測定方法を説明するための図である。 図5は、実施例1の有機金属ポリマー材料の硬化物のIRチャートを示す図である。 図6は、比較例1の有機金属ポリマー材料の硬化物のIRチャートを示す図である。 図7は、実施例8の有機金属ポリマー材料の硬化物のIRチャートを示す図である。 図8は、本発明の有機金属ポリマー材料において含有させるSiO2粒子のサイズと透過率との関係を示す図である。 図9は、高温高湿試験後の反射率を示す図である。 図10は、有機金属化合物A及びBの混合割合を変化させたときの有機金属ポリマー材料の吸水率を示す図である。 図11は、本発明に従う一実施例のカメラ用モジュールを示す断面図である。 図12は、従来のカメラモジュールを配置した携帯電話を示す模式的断面図である。 図13は、本発明に従う一実施例のカメラモジュールを配置した本発明の携帯電話の一実施例を示す模式的断面図である。 図14は、本発明に従う一実施例の光導波路を示す断面図である。 図15は、本発明に従う他の実施例の光導波路を示す断面図である。 図16は、本発明に従うさらに他の実施例の光導波路を示す断面図である。 図17は、液晶プロジェクターの一例を示す模式的断面図である。 図18は、本発明に従う液晶プロジェクターの一実施例を示す模式的断面図である。 図19は、本発明に従う液晶プロジェクターの他の実施例を示す模式的断面図である。
符号の説明
10…ガラス球面レンズ
11…粘性液体
12…金型
13…樹脂層
14…紫外線
15…複合型非球面レンズ
16…CCDカメラ
17…レンズ
18…メッシュパターン付きスクリーン
19…メッシュパターン
20…カメラモジュール
21,22,23,24…非球面レンズ
25…撮像素子
30…携帯電話
31…TVチューナー
32…ハードディスクドライブ
33…ディスプレイ
34…キーボード
35…電池
40…光導波路
41…コア層
42…クラッド層
43…基板
44…ポリイミドフィルム
45…ポリイミドモールド層
46…電力用配線
50…液晶プロジェクター
51…投影光学系
52…照明光学系
53…光源
54,55…ハーフミラー
56,57,58…ミラー
59…クロスプリズム
60,61,62…レンズ
63,64,65…液晶パネル
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
以下のようにして、実施例1〜8及び比較例1〜3の有機金属ポリマー材料を合成した。
(実施例1及び6〜8)
有機金属ポリマー材料を、以下の工程Sにより合成した。
<工程S>
(1)
表1に示す有機金属化合物A:10ml
表1に示す有機金属化合物B:4.1ml
反応触媒としての塩酸を含む水溶液(濃度2Nの塩酸:1.65ml)
エタノール:20.5ml
を混合した後、24時間放置することにより有機金属化合物A及び有機金属化合物Bを加水分解し、重縮合させた。
(2)
得られた重縮合物の液4mlをシャーレにとり、重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンを10mg溶解した後、100℃で加熱することにより、エタノールを蒸発除去し、約1gの粘性液体Aを得た。
粘性液体A1gに
表1に示す金属アルコキシドX:3ml
表1に示す有機酸Y:0.8ml
を混合し、24時間放置した後、100℃に加熱乾燥することにより、過剰の金属アルコキシドX及び有機酸Yを蒸発除去し、粘性液体Bを得た。
(3)
粘性液体B0.55gに対し、表1に示す有機重合体ZZを0.45g(45重量%)添加した後攪拌して、粘性液体Cを得た。
この粘性液体Cに紫外線を照射して硬化させ、硬化させたサンプルについて上記実施例と同様にして評価し、結果を表1に示した。
なお、有機重合体ZZとしては、各実施例において以下のものを用いている。
実施例1:ウレタンアクリレート系光硬化樹脂
実施例6:ポリエステルアクリレート系光硬化樹脂
実施例7:エポキシアクリレート系光硬化樹脂
実施例8:シリコーンアクリレート系光硬化樹脂
なお、上記各光硬化樹脂は、以下の通りである。
ウレタン系アクリレート系光硬化樹脂は、AC部がメタクリロイル基からなり、IS−PO部がウレタンプレポリマーからなる。
ポリエステルアクリレート系光硬化樹脂は、AC部がアクリロイル基からなり、IS−PO部がアルコールからなる。
エポキシアクリレート系光硬化樹脂は、AC部がメタクリロイル基からなり、IS−PO部がグリシジルエーテルからなる。
シリコン系アクリレート系光硬化樹脂は、AC部がメタクリロイル基からなり、IS−PO部がシリコーン(Si−O)結合含有プレポリマーからなる。
(実施例2)
有機金属化合物Aとして、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用い、有機金属化合物Bとしてペンタエトキシニオブを用いる以外は、実施例1と同様にした。
(実施例3)
有機金属化合物Aとして、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用い、有機金属Bとしてジルコニウムイソプロポキシドを用いる以外は、実施例1と同様にした。
(実施例4及び5)
有機金属ポリマー材料を、以下の工程Rにより合成した。
<工程R>
表1に示す有機金属化合物A及びB、金属アルコキシドX、有機酸Y並びに有機重合体ZZを用いて、工程Sと同様にして粘性液体Cを合成した。また、表1に示す粒子Zが溶媒Sに10重量%分散した粒子分散液を作製し、この粒子分散液を粘性液体Cに添加攪拌した後、100℃で加熱乾燥することにより、溶媒Sを蒸発除去し粘性液体Dを得た。ここで、この粒子分散液と粘性液体Cの混合割合は粘性液体Dを硬化させた後の屈折率に影響するため、所望の屈折率が得られるように調整すればよい。
この粘性液体Dに紫外線を照射して硬化させ、硬化させたサンプルについて上記実施例と同様にして評価し、評価結果を表1に示した。
なお、表1に示した粒子Zとの平均粒子サイズは以下の通りである。
SiO2粒子(実施例4:約20nm)
Nb25粒子(実施例5:約10nm)
(比較例1)
ウレタンアクリレート系光硬化樹脂のみを使用した。
(比較例2)
金属アルコキシドX及び有機酸Yを用いない以外は、実施例1と同様にした。
(比較例3)
金属アルコキシドXを用いないこと以外は、実施例1と同様にした。
〔透過率の測定〕
上記粘性液体CまたはDを、1mmの厚みの石英ガラス基板の上に滴下し、紫外線(波長365nm)を照射し、硬化させてサンプルとした。有機金属ポリマー材料の塗膜の厚みは140μmであった。
このサンプルを用いて、分光光度計により、400〜700nm及び1550nmにおける透過率(%)を測定した。測定結果を表1に示す。
〔赤外吸収分光分析〕
上記各サンプルを用い、赤外吸収分光(IR)分析を行った。
図5は、実施例1の有機金属ポリマー材料の硬化物のIRチャートを示す図である。図5に示すように、700cm-1付近及び1650cm-1付近にメタクリロキシ基に基づく吸収ピークがあり、900cm-1及び1550cm-1付近にウレタン結合に基づく吸収ピークがある。また、1000〜1200cm-1の領域にSi−O結合に基づく吸収ピークがある。また、850cm-1付近にトリメチルシリル基に基づく吸収ピークがある。
図6は、比較例1の硬化塗膜のIRチャートを示している。図6に示すように、メタクリロキシ基、ウレタン結合に基づく吸収ピークが認められるが、トリメチルシリル基に基づく吸収ピークは認められない。
図7は、実施例8の有機金属ポリマー材料の硬化塗膜のIRチャートを示している。図7に示すように、700cm-1及び1650cm-1付近にメタクリロキシ基に基づく吸収ピークが認められ、900cm-1及び1550cm-1付近にウレタン結合に基づく吸収ピークが認められる。また、1000〜1200cm-1付近の領域にSi−O結合に基づく吸収ピークが認められる。また、850cm-1付近にトリメチルシリル基に基づく吸収ピークが認められる。図5及び図7に示すように、本発明においては、金属アルコキシドに起因する850cm-1付近の吸収ピークを有することが好ましい。表1に各実施例及び比較例のIRチャートにおける850cm-1付近のピークの有無を示している。
本発明の有機金属ポリマー材料の硬化物は、金属原子MがSiである場合、上述のように、IRスペクトルにおいて、(3400cm-1付近のSi−OH結合の吸収ピークの高さ)/(2900cm-1付近のC−H結合の吸収ピークの高さ)の比が0.2以下となるように、シラノール基(Si−OH)が含まれていることが好ましい。このピーク比を0.2以下とすることにより、高い透過率を得ることができる。実施例1及び実施例4並びに比較例2における上記IRスペクトルのピーク比を以下に示す。
実施例1:0.1
実施例4:0.2
比較例2:0.4
なお、上記ピーク比は、図4に示すようにして求められるピーク比A/Bから算出されるものである。
〔屈折率変化量の測定〕
上記各サンプルについて、高温・高湿の条件下での屈折率の変化量を求めた。具体的には、85℃、85%RHの条件下に上記各サンプルを500時間放置し、放置後の屈折率の変化量を求めることにより算出した。評価結果を表1に示す。
〔吸水率の測定〕
JIS K 7209に準拠した円板状のサンプルを作製し、吸水率の測定を行った。
〔硬度の測定〕
上記各サンプルの塗膜の鉛筆硬度を(JIS K 5400)に準拠して測定した。測定結果を表1に示す。
〔アルコキシド加水分解物の残存量の測定〕
上記の硬化させた有機金属ポリマー材料の塗膜中におけるトリメチルシラノール基の量を測定した。具体的には、塗膜中のトリメチルシラノールを溶媒で抽出し、その抽出液をガスクロマトグラフィーで測定した。測定結果を表1に示す。
〔透過率の維持率の測定〕
上記サンプルを用い、1550nmにおける透過率の経時変化を評価した。具体的には、室温で1000時間放置した時の放置前と放置後の透過率を測定し、(放置後の透過率)/(放置前の透過率)×100を、透過率の維持率として表1に示した。
Figure 0004912146
表1に示すように、本発明に従う実施例1〜8は、比較例1〜3に比べ、高温・高湿下での屈折率変化量が小さいことがわかる。従って、高温・高湿下における信頼性に優れていることがわかる。また、塗膜硬度も同等以上であることがわかる。また、比較例2に比べ、室温で長時間放置した後も透過率が良好に維持されていることがわかる。
実施例1の有機金属ポリマー材料の硬化物の屈折率は1.52であるのに対し、実施例4の屈折率は、工程Rでの粒子分散液と粘性液体Cの混合割合を制御することで1.51に設定することができ、また、実施例5の屈折率も工程Rでの粒子分散液と粘性液体Cの混合割合を制御することで1.59に設定することができた。なお、屈折率は波長630nmで測定した。
このような結果から、微小粒子を添加することにより屈折率を制御できることがわかる。Nb25粒子を添加した場合には屈折率を高めることができ、SiO2粒子を添加した場合には屈折率を低くすることができる。
(実施例9)
実施例1の粘性液体Cを用いて、複合型非球面レンズを作製した。複合型非球面レンズとは、ガラスや樹脂製の球面レンズまたは平板を母材として用い、この母材の光学面上に非球面の樹脂層等を形成することにより、作製した非球面レンズである。
図1(a)に示すように、直径5mm、最大厚み1mmのガラス球面レンズ10(母材ガラス)の上に、粘性液体11を滴下した。粘性液体11は、実施例1の粘性液体Cである。次に、図1(b)に示すように、内面に非球面形状を有するニッケル製金型12をガラス球面レンズ10上の粘性液体11に押し当て、次に図1(c)に示すようにガラス球面レンズ10側から紫外線14を照射して、粘性液体11を硬化させて有機金属ポリマー材料からなる樹脂層13を形成した。
次に、図1(d)に示すように、金型12を取り外し、図1(e)に示すように、ガラス球面レンズ10と樹脂層13からなる複合型非球面レンズ15を得た。
次に、得られた複合型非球面レンズと、樹脂層を形成していない球面レンズについて、図2に示す装置を用いて球面収差を観察した。メッシュパターンが形成されたスクリーン18と、CCDカメラ16の間に、レンズ17を配置し、CCDカメラ16により、スクリーン18上のメッシュパターンを拡大して観察した。スクリーン18上のメッシュパターンは、図2に示すような間隔0.5nmのメッシュパターン19である。
レンズ17として、ガラス球面レンズ10を用いた場合には、球面レンズ特有の球面収差により、図3(b)に示すような歪んだメッシュパターンの画像が観察された。これに対して、上記のように作製した複合型非球面レンズ15をレンズ17として用いた場合には、図3(a)に示すような、メッシュパターンが忠実に拡大された画像が得られた。
実施例1以外の他の実施例で得られた粘性液体を用いて、上記と同様にして複合型非球面レンズを作製した場合も上記と同様の結果が得られた。
(実施例10)
<SiO2粒子サイズと透過率との関係の検討>
以下のようにしてサイズの異なるSiO2粒子を作製した。
テトラエトキシシランをエタノール溶媒で希釈し、アンモニア水を添加し、加水分解重縮合を行うことにより、SiO2粒子を作製した。このときの、pH値及びアルコキシシランの濃度を変化させて、得られるSiO2粒子のサイズを制御した。具体的には、10nm、30nm、50nm、80nm、100nm、200nm、400nm、及び1000nmの8種類の異なる粒子サイズのSiO2粒子を作製した。このようなSiO2粒子の作製は、例えば、APPLIED OPTICS Vol.25,No.9 pp1481(1986)に開示されている。
以上のようにして得られたサイズの異なるSiO2粒子を、実施例1の有機金属ポリマー材料に10重量%となるように添加し、実施例1と同様にして紫外線を照射してサンプルを作製した。得られた各サンプルの透過率を図8に示す。
図8に示すように、SiO2粒子のサイズが小さくなるにつれて透過率が高くなっていることがわかる。特に100nm以下になると透過率が高くなることがわかる。
(実施例11)
<有機金属重合体と有機重合体の屈折率差と透過率との関係の検討>
実施例1において、粘性液体Bのみを紫外線硬化させて得られる有機金属重合体の硬化物を作製し、有機重合体ZZのみを紫外線硬化させて得られる硬化物(屈折率1.52)との屈折率差を求め、屈折率差と透過率との関係を検討した。
粘性液体Bの硬化物の屈折率は、実施例1において有機金属化合物Aと有機金属化合物Bの混合比を変化させることにより調整した。
なお、サンプルにおける塗膜の厚みは140μmとし、透過率は波長630nmで測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 0004912146
表2に示す結果から明らかなように、有機金属重合体の硬化物の屈折率と、有機重合体の屈折率との差が0.01以下になることにより、透過率が高くなることがわかる。
(実施例12)
<反射防止膜についての検討>
本発明の有機金属ポリマー材料は、上述のように、無機系化合物と有機系化合物を含むものであるので、無機表面及び有機表面のどちらに対しても良好な密着性を示すものである。反射防止膜には、無機系反射防止膜と有機系反射防止膜が知られている。無機系反射防止膜は、スパッタリング法や真空蒸着法などのドライプロセスで形成される。また、有機系反射防止膜は、塗布等のウエットプロセスで形成される。本発明の有機金属ポリマー材料は、上述のように、無機に対しても有機に対しても良好な密着性を示すものであるので、無機系反射防止膜及び有機系反射防止膜のいずれに対しても良好な密着性を示す。
従って、本発明の有機金属ポリマー材料により光透過領域を形成した後、この上に無機系反射防止膜または有機系反射防止膜を密着性良く形成することができる。反射防止膜としては、SiO2/酸化チタン系のものが特に好ましく用いられる。酸化チタン系材料としては、TiO2やTi23が挙げられる。
実施例9で作製した複合型非球面レンズの上に、SiO2/酸化チタン系の反射防止膜を形成した。先ず、有機金属ポリマー材料の硬化塗膜と相性がよいSiO2層を下地層として約0.1μmの膜厚で形成した後、酸化チタン層(Ti23層)/SiO2層の4層の積層構造からなる反射防止膜を形成した。
以上のようにして反射防止膜を作製した複合型非球面レンズの信頼性を以下の(1)〜(4)の方法で評価した。
(1)高温高湿試験:85℃、85%RH環境中に500時間放置
(2)温度サイクル試験:−45℃と85℃を100サイクル繰り返し
(3)低温試験:−45℃の環境中に500時間放置
(4)高温試験:85℃の環境中に500時間放置
以上の試験の結果、全ての試験において、樹脂層の白濁や反射防止膜の剥離、クラック等は観察されず、良好な信頼性を有することがわかった。
図9は、上記(1)の高温高湿試験後の反射率を示す図である。図9に示すように、高温高湿試験後も、良好な反射率が得られている。
比較として樹脂層形成材料として比較例1の材料を用いた場合、反射防止膜の剥離が発生し、また比較例2の材料を用いた場合には、樹脂層の白濁が発生した。
(実施例13)
<高屈折率透過性セラミックの母材としての使用>
母材として、高屈折率透過性セラミック(屈折率約2.1)を用いる以外は、実施例9と同様にして、複合型非球面レンズを作製した。
得られた複合型非球面レンズについて評価したところ、実施例9と同様にメッシュパターンが忠実に拡大された画像が得られた。
(実施例14〜17及び比較例4)
有機金属ポリマー材料を、以下の工程Tにより合成した。
<工程T>
(1)表3に示す有機金属化合物A:15.3ml、及び表3に示す有機金属化合物B:6.34mlを、エタノール31.6gに加え、これに反応触媒として2規定の塩酸を3.8ml添加した。これを十分に撹拌した後、室温で78時間放置して、加水分解させ、重縮合反応させた。
(2)得られた重縮合物の溶液5mlをシャーレにとり、重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンを10mg溶解し、その後100℃で加熱することにより約1gの粘性溶液Eを得た。
(3)粘性溶液Eに、表3に示す有機酸Yを1ml添加し、23時間室温に放置した後、105℃に加熱することにより、過剰の有機酸Yを蒸発除去し、粘性溶液Fを得た。
(4)粘性溶液Fに、表3に示す金属アルコキシドXを3.75ml添加し、室温で72時間放置した後、110℃に加熱することにより、金属アルコキシドXの過剰分を蒸発除去し、粘性溶液Gを得た。
(5)表3に示す実施例14、16及び17については、粘性溶液Fに、表3に示す溶剤Sを3ml溶解した後、純水2mlを添加し、撹拌して2層に分離した。その後上の層のみをシャーレにとり、110℃に加熱することにより、溶剤Sを除去し、粘性溶液Hを得た。
(6)粘性溶液H0.55gに対し、表3に示す有機重合体ZZを0.45g添加した後撹拌して、粘性溶液Iを得た。
(7)この粘性溶液Iを、厚さ140μmのギャップ材を介して2枚のガラス板の間に挟み、紫外線硬化させ、硬化させたサンプル(厚さ約140μm)について評価し、結果を表3に示した。
吸水率は、上記と同様にして測定した。
反射防止膜の形成については、上記と同様に有機金属ポリマー材料の硬化塗膜の上に、SiO2/酸化チタン系の反射防止膜を形成し、反射防止膜の形成が可能か否かについて判断した。「可」は、反射防止膜の形成が可能であることを示している。
反射防止膜の形成後、60℃、相対湿度90%、500時間放置した後の表面状態、及び85℃、相対湿度85%、500時間放置後の表面状態についてそれぞれ肉眼で観察し、評価した。
なお、表3には、実施例1、比較例1及び比較例2の有機金属ポリマー材料の評価結果についても示している。
Figure 0004912146
表3に示すように、本発明に従う実施例1及び14〜17は、反射防止膜形成後の60℃での放置試験及び85℃での放置試験のいずれにおいても表面状態に変化はない。これに対し、ウレタンアクリレート系光硬化樹脂のみを用いた比較例1においては、反射防止膜形成後の85℃の放置試験において反射防止膜の剥離が発生した。また、金属アルコキシドX及び有機酸Yを添加していない比較例2及び比較例4においては、反射防止膜形成後の60℃での放置試験及び85℃での放置試験のいずれにおいても白濁が発生した。
また、水洗を行った実施例14、16及び17は、水洗を行っていない実施例1及び実施例15に比べ、吸水率が低くなっていることがわかる。従って、水洗を行うことにより、吸水率を低減できることがわかる。
(実施例18)
上記の工程Tにおいて、有機重合体ZZとしてNOLAND社のアクリレート系樹脂(商品名「NOA65」)を用いて、実施例14の粘性溶液H(有機重合体ZZを添加する前の溶液)の屈折率と、有機重合体ZZの屈折率との関係を検討した。
有機重合体ZZを添加する前の粘性溶液H及び有機重合体ZZ(すなわちNOA65)のそれぞれについて、硬化前の液体の屈折率と、硬化後の固体の屈折率をそれぞれ測定した。屈折率はアッベの屈折率計を用い、測定波長は589nmとした。屈折率(nD)の測定結果を表4に示す。
Figure 0004912146
表5に示すように、有機金属化合物Aと、有機金属化合物Bの混合比を変化させ、硬化させる前の液体と有機重合体ZZとの屈折率差と、有機重合体ZZ添加後の溶液(すなわち粘性溶液I)の硬化物の透過率との関係を検討した。
なお、サンプル塗膜の厚みは140μmとし、透過率は波長630nmで測定した。測定結果を表5に示す。
Figure 0004912146
表5に示す結果から明らかなように、硬化前の液体状態での屈折率と有機重合体ZZの屈折率の差を、0.02以下とすることにより、硬化後の材料の透過率が高くなることがわかる。
なお、上記の粘性溶液Iの各硬化物について、吸水率、屈折率変化量、及び硬度を上記と同様にして測定した。吸水率はいずれも1%以下であった。屈折率変化量はいずれも0.0005以下であった。硬度はいずれも鉛筆硬度でHであった。
また、上記と同様にして各硬化物の上に反射防止膜を形成し、上記と同様にして複合型非球面レンズの信頼性を評価したところ、高温高湿試験(1)、温度サイクル試験(2)、低温試験(3)及び高温試験(4)のいずれの試験においても、樹脂層の白濁や反射防止膜の剥離、クラック等は観察されず、良好な信頼性を有することがわかった。
また、上記と同様にして、薄膜形成後の放置試験を行ったところ、いずれのものにおいても表面状態に変化は認められなかった。しかしながら、NOA65のみを用いた比較の硬化物においては、85℃での放置試験において、反射防止膜の剥離が観察された。
また、硬化前後における体積硬化収縮率を測定したところ、いずれも6〜7%であった。NOA65のみを用いた比較の硬化物においては7〜10%であった。
(実施例19)
以下の工程Uにより、有機金属ポリマー材料を合成した。
<工程U>
上記工程Tにおいて、有機金属化合物A及びBの種類を以下の通り変更した。
有機金属化合物A:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)
有機金属化合物B:フェニルトリメトキシシラン(PhTMS)
MPTMSとPhTMSの混合量を変化させ、有機重合体ZZとして上記のNOA65を用い、最終的な硬化物における吸水率を変化させた。
測定結果を図10に示す。図10において、●は、粘性溶液Iの硬化物の吸水率データであり、△は、工程Tにおいて(3)〜(6)の工程を行わずに、粘性溶液Eを硬化させたものの吸水率データである。
なお、MPTMSとPhTMSの混合割合は、PhTMSの含有率で、15.7重量%、39.0重量%、50.4重量%と変化させた。
図10から明らかなように、有機金属化合物A及びBの混合比を変化させて屈折率の値を変化させた場合においても、本発明に従い、有機酸Yと金属アルコキシドXを添加することにより、有機金属ポリマー材料の吸水率を低減できることがわかる。
得られた有機重合ポリマー材料について、上記と同様にして、吸水率、屈折率変化量、及び硬度を測定した。吸水率はいずれも1%以下であり、屈折率変化量はいずれも0.0005以下であった。また、硬度は、鉛筆硬度でHであった。
また、上記と同様にして反射防止膜を形成して評価したところ、同様の結果が得られた。
また、上記と同様にして、硬化前後の体積硬化収縮率を測定した結果、6〜7%であった。
<耐熱性の評価>
実施例1、実施例14、及び比較例1の各材料の耐熱性(熱変形温度)の評価を行った。測定は島津製作所社製熱機械分析装置
TMA−50を用い、サンプル表面に針状の圧子で荷重50gfを加えながら昇温し、材料が軟化し針がサンプルに侵入したときの温度を熱変形温度とした。実施例1及び実施例14では熱変形温度は約130℃であったが、比較例1では約50〜60℃であった。従って、実施例1及び実施例14では耐熱性が改善されていることがわかる。
<実施例20〜22>
実施例1において、ウレタンアクリレート系光硬化樹脂に代えて、以下の樹脂を有機重合体ZZとして用いる以外は、実施例1と同様にして粘性液体Cを調製した。
(実施例20)
(A)ポリブタジエングリコールとトリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートからなるウレタンアクリレート(日本曹達株式会社製、商品名「TEA−1000」)56重量%に、(B)多官能アクリレートとしてのペンタエリスリトールトリアクリレート25重量%、(C)単官能メタクリレートとしてのベンジルメタクリレート17重量%、及び(D)光重合開始剤としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2重量%を添加したものを有機重合体ZZとして用いた。
(実施例21)
(A)ポリブタジエングリコールとトリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートからなるウレタンメタクリレート(日本曹達株式会社製、商品名「TE−2000」)56重量%に、(B)多官能アクリレートとしてのペンタエリスリトールトリアクリレート25重量%、(C)単官能メタクリレートとしてのベンジルメタクリレート17重量%、及び(D)光重合開始剤としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2重量%を添加したものを有機重合体ZZとして用いた。
(実施例22)
(A)不飽和二重結合に水素を添加したポリブタジエングリコールとトリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートからなるウレタンアクリレート(日本曹達株式会社製、商品名「TEAI−1000」)56重量%に、(B)多官能アクリレートとしてのペンタエリスリトールトリアクリレート25重量%、(C)単官能メタクリレートとしてのベンジルメタクリレート17重量%、及び(D)光重合開始剤としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2重量%を添加したものを有機重合体ZZとして用いた。
「TEA−1000」及び「TE−2000」は、以下の構造を有するウレタンアクリレートポリマー及びウレタンメタクリレートポリマーであり、「TEA−1000」は、RがHであり、「TE−2000」はRがCHである。
Figure 0004912146
「TEAI−1000」は、以下に示す構造を有している。
Figure 0004912146
(実施例23)
実施例9において、実施例1の粘性液体Cに代えて、実施例20の粘性液体Cを用いる以外は、実施例9と同様にして複合型非球面レンズを作製した。
(実施例24)
実施例12において、実施例9で作製した複合型非球面レンズに代えて、実施例23で作製した複合型非球面レンズの上に反射防止膜を形成し、反射防止膜を形成した複合型非球面レンズについて実施例12と同様にして(1)〜(4)の方法でこれを評価した。その結果、全ての試験において、樹脂層の白濁や反射防止膜の剥離、クラック等は観測されず、良好な信頼性を有することが確認された。
(実施例25)
母材として、高屈折率ガラス(株式会社オハラ社製、商品名「S−LAH79」、屈折率約2.0)を用いる以外は、実施例23と同様にして、複合型非球面レンズを作製した。
得られた複合型非球面レンズについて評価したところ、実施例9と同様にメッシュパターンが忠実に拡大された画像が得られた。
なお、高屈折率ガラスとして、株式会社オハラ社製の商品名「S−NPH1」(屈折率約1.81)、「S−NPH2」(屈折率約1.92)、「S−TIH53」(屈折率約1.85)、「S−TIH6」(屈折率約1.80)、「S−LAL7」(屈折率約1.65)を用いた場合でも同様の結果が得られた。
(実施例26)
図11は、本発明のカメラモジュールの一実施例を示す断面図である。図11に示すように、撮像素子25の上には、4枚の非球面レンズ21、22、23及び24が設けられており、これらの非球面レンズは、オートフォーカス機構26により保持されている。カメラモジュール20は、このように4枚の非球面レンズ22〜24を有するものであり、携帯電話用の2〜5メガピクセルのカメラモジュールとして用いることができるものである。
本実施例では、非球面レンズ21〜24に、実施例25の非球面レンズを用いている。実施例25の非球面レンズは、上述のように、屈折率約2.0の高屈折率母材を用いているため、焦点距離を短くすることができる。このため、本実施例のカメラモジュールの高さは、約8mmとすることができる。
従来の携帯電話用カメラモジュールにおいては、ガラスを高温に熱し、金型で成形したガラスモールドの非球面レンズが、低膨張性及び信頼性の観点から用いられている。しかしながら、ガラスモールドの非球面レンズは、モールド加工可能なガラス材料が限定され、その屈折率は、1.8程度までである。このため、従来のカメラモジュールでは、その高さが約10mm程度となってしまう。
図12は、高さ10mmの従来のカメラモジュールを配置した2つ折りタイプの携帯電話を示す断面図である。
図12(a)及び(b)に示す2つ折り状態における高さHは25mmである。図12(a)に示す携帯電話においては、上方部の高さh及び下方部の高さhは、それぞれ12.5mmであり、同じ高さになっている。上方部には、カメラモジュール20が備えられており、TVチューナー31、ハードディスクドライブ32、及びディスプレイ33などが内蔵されている。図12(a)では、上方部の高さhが12.5mmと低いので、カメラモジュール20の存在が邪魔になり、小さなディスプレイ33が備えられている。下方部には、キーボード34及び電池35などが内蔵されている。
図12(b)に示す携帯電話では、上方部の高さhが14.5mmであり、下方部の高さhが10.5mmである。上方部の高さhが高くなるように設計されているので、大きなディスプレイ33を配置することができる。一方、下方部の高さhが10.5mmであるので、電池35の容積が小さくなり、電池容量が小さくなるという問題がある。
図13は、本発明に従う一実施例の携帯電話を示す断面図である。図13(a)及び(b)に示す携帯電話においては、本発明のカメラモジュール20が内蔵されている。本発明のカメラモジュール20は、その高さを例えば8mm程度に低くすることができるので、図13(a)に示すように、大きなディスプレイ33を配置しても、上方部の高さhを高くする必要がなく、下方部の高さhを上方部の高さhと同じ12.5mmにすることができる。このため、大きな容量の電池35を内蔵することができる。
また、図13(b)に示すように、上方部及び下方部にそれぞれカメラモジュール20を配置することが可能になる。このため、立体視画像の撮影が可能となり、また自分の顔も高画質で撮影することが可能となる。さらには、複数のカメラを用いたパノラマ撮影や、複数のカメラの出力信号を電気的に合成して実質的に感度を上げる等の応用も可能になる。
(実施例27)
また、図11に示すカメラモジュールは車載用バックモニターのカメラモジュールとしても用いることができるものである。車載用のカメラモジュールにおいては、高度な耐熱性が必要とされ、実施例25の非球面レンズを用いることができる。また、実施例25の非球面レンズは、高い屈折率を有しているので、視野角を広くすることができる。
(実施例28)
本発明の有機金属ポリマー材料は、実施例12において示すように、高い信頼性を有する材料であるので、各種電子機器の基板内配線や基板間配線に使用することができ、また光導波路素子に応用することもできる。
図14は、本発明の光導波路の一実施例を示す断面図である。図14に示すように、ガラス基板43の上にクラッド層42が設けられ、クラッド層42の中にコア層41が形成されている。コア層41の高さは約70μmであり、コア層41間の距離は約500μmである。コア層41の上方には約100μmの厚みのクラッド層42が存在し、コア層41の下方にも約100μmの厚みのクラッド層42が存在している。
本実施例においては、実施例20の有機金属ポリマー材料を用い、MPTESとDPhDMSの比率及びベンジルメタクリレートの添加量を調整して、光硬化後の固体の屈折率が約1.53となるように調整したものを用いてコア層41を形成している。また、同様にして、屈折率が約1.51となるように調整したものを用いてクラッド層42を形成している。コア層41の断面は約70μm角である。また、ガラス基板43としては、厚さ1mmのテンパックスガラス基板を用いている。
光導波路の一方の端面から波長650nm、830nm、及び850nmの光を入射したところ、他方の端面からそれぞれの光の出射が確認された、カットバック法により光伝搬損失の測定を行った結果、0.5dB/cm以下であった。
また、実施例12に示す信頼性試験を行ったところ、光伝搬損失の低下は、1dB以下であった。
比較として、市販のウレタンアクリレート系樹脂でコア層41及びクラッド層42を形成した光導波路を作製し、上記と同様にして信頼性試験を行ったところ、光伝搬損失の低下は3dB以上であった。
図15(a)は、図14に示すコア層41及びクラッド層42の両側を、フレキシブルな基板である厚さ70μmのポリイミドフィルム44で挟んだ構造の光導波路を示す図である。
また、図15(b)は、クラッド層42の周囲を厚さ70μmとなるようにポリイミドでモールドしてモールド層45を形成した光導波路を示す断面図である。
図15(a)及び(b)のようにフレキシブルな基板を用いた場合、例えば曲率半径10mm程度に曲げることができた。
図16は、本発明に従う光導波路の他の実施例を示す断面図である。
図16(a)においては、コア層41の側方に直径150mmの電力用銅配線46が設けられている。クラッド層42の両側は、フレキシブルな基板である厚さ70μmのポリイミドフィルム44で挟まれている。
図16(b)の実施例においては、上方のポリイミドフィルム44中に電力用銅配線46が配置されている。
図16に示すように、本発明の光導波路には、電力用配線が設けられていてもよい。このように電力用配線を設けることにより、情報信号と電力の供給を1つの素子で行うことが可能になる。
電力用銅配線46は、矩形の断面形状を有していてもよい。
(実施例29)
図17は、液晶プロジェクターを示す模式的断面図である。光源53の上には、照明光学系52が設けられており、照明光学系52は、レンズ52a及び52bから構成されている。光源53から出射された光は、ハーフミラー54に当り、ハーフミラー54を透過した光はミラー58で反射され、レンズ60及び液晶パネル63を通りクロスプリズム59に入射する。
一方、ハーフミラー54で反射された光は、ハーフミラー55に照射され、ハーフミラー55で反射された光は、レンズ61及び液晶パネル64を通りクロスプリズム59に入射する。
ハーフミラー55を透過した光は、ミラー56で反射され、さらにミラー57で反射されて、レンズ62及び液晶パネル64を通り、クロスプリズム59に入射する。
液晶パネル65は赤(R)用の液晶パネルであり、液晶パネル64は緑(G)用の液晶パネルであり、液晶パネル63は青(B)用の液晶パネルである。これらの液晶パネルを通過した光は、クロスプリズム59で合成され、投影光学系51を通り、外部に出射される。投影光学系51は、レンズ51a、51b、及び51cから構成されている。
光源53は、例えばメタルハライドランプ、水銀ランプ、LED等から構成される。
光源53は、発熱源であるため、従来は投影光学系51のレンズ51a〜51cを、光源53からある程度の距離だけ離す必要があった。
しかしながら、本発明の光学部品は、上述のように良好な耐熱性を有する有機金属ポリマー材料から形成されているので、光源53の近くに配置することができる。
図18は、本発明に従う液晶プロジェクターの一実施例を示す模式的断面図である。
図18に示す実施例においては、投影光学系51のレンズ51a〜51cに実施例25のレンズを用いている。このため、図18に示すように光源53の位置を投影光学系51に近づけるように配置することができる。このため、液晶プロジェクター50を小型化することができる。
図18に示す液晶プロジェクターにおいて、光源53から出射された光は、照明光学系52を通り、ハーフミラー54に照射され、ハーフミラー54で反射された光は、レンズ60及び液晶パネル63を通りクロスプリズム59に入射される。ハーフミラー54を透過した光はミラー58で反射され、ハーフミラー55に向う。ハーフミラー55で反射された光はレンズ61及び液晶パネル64を通り、クロスプリズム59に入射される。ハーフミラー55を透過した光はミラー56で反射され、さらにミラー57で反射され、レンズ62及び液晶パネル65を通りクロスプリズム59に入射される。液晶パネル63、64及び65を透過した光はクロスプリズム59で合成され、投影光学系51を通り外部に出射される。
図17及び図18に示す液晶プロジェクターは、RGBを独立した液晶パネルで表示する3板式透過型プロジェクターであるが、RGBを合成した液晶パネルを1枚使用した単板式の透過型プロジェクターでも同様の効果を得ることができる。
図19に示す液晶プロジェクターにおいては、さらに小型化を図るため、光源53として白色LEDを用いている。図19に示すように、光源53から出射された光は照明光学系52を通り、レンズ60、液晶パネル63を通り、さらに投影光学系51を通り外部に出射される。
図19に示すように、光源53から投影光学系51までを直線上に配置することができる。このような場合、投影光学系51のレンズ51a、51b及び51cに実施例25のレンズを用いることにより、焦点距離を短くすることができるので、液晶プロジェクター全体の長さを短くすることができる。

Claims (17)

  1. −M−O−M−結合(MはSi、Ti、NbまたはZrもしくはこれらの金属の組み合わせ)を有する有機金属重合体と、トリアルキルアルコキシシランと、ウレタン結合及びメタクリロキシ基またはアクリロキシ基を有する有機重合体とを含むことを特徴とする有機金属ポリマー材料。
  2. 無水有機酸及び/または有機酸がさらに含有されていることを特徴とする請求項1に記載の有機金属ポリマー材料。
  3. 前記有機金属重合体が、少なくとも2つの加水分解可能な基を有する有機金属化合物の加水分解及び重縮合反応により合成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の有機金属ポリマー材料。
  4. 前記有機金属化合物のうちの少なくとも1種が、加熱及び/またはエネルギー線の照射により架橋する官能基を有することを特徴とする請求項3に記載の有機金属ポリマー材料。
  5. 前記有機重合体が、その骨格中にポリブタジエン構造及びアリール基を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機金属ポリマー材料。
  6. 前記有機金属重合体の金属原子Mが、Siであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機金属ポリマー材料。
  7. 赤外吸収分光分析において、前記トリアルキルアルコキシシランに起因する850cm-1付近の吸収ピークを有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の有機金属ポリマー材料。
  8. 金属、金属酸化物、及び金属窒化物のうちの少なくとも1種からなる微小粒子を含有し、その微小粒子のサイズが100nm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の有機金属ポリマー材料。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の有機金属ポリマー材料を用いて光透過領域を形成したことを特徴とする光学部品。
  10. 透光性の母材の上に、前記光透過領域を形成したことを特徴とする請求項に記載の光学部品。
  11. 前記母材が、高屈折率ガラスまたは高屈折率透光性セラミックであることを特徴とする請求項10に記載の光学部品。
  12. 複合型非球面レンズであることを特徴とする請求項11のいずれか1項に記載の光学部品。
  13. 請求項12のいずれか1項に記載の光学部品を備えることを特徴とするカメラモジュール。
  14. 請求項12のいずれか1項に記載の光学部品を備えることを特徴とするプロジェクター。
  15. 請求項1〜のいずれか1項に記載の有機金属ポリマー材料を用いてコア層及び/またはクラッド層が形成されていることを特徴とする光導波路。
  16. 請求項3に記載の有機金属ポリマー材料を製造する方法であって、
    有機溶媒中で前記有機金属化合物を加水分解し、重縮合反応させて前記有機金属重合体を合成する工程と、
    前記有機溶媒を除去した後、前記無水有機酸及び/または前記有機酸を添加する工程と、
    前記無水有機酸及び/または前記有機酸の過剰分を除去した後、前記トリアルキルアルコキシシランを添加する工程と、
    前記トリアルキルアルコキシシランの過剰分を除去した後、前記有機重合体を添加する工程とを備えることを特徴とする有機金属ポリマー材料の製造方法。
  17. 前記トリアルキルアルコキシシランの過剰分を除去した後、前記有機重合体を添加する前に、水洗によって親水性成分を除去する工程をさらに備えることを特徴とする請求項16に記載の有機金属ポリマー材料の製造方法。
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