JP2003195070A - 光導波路 - Google Patents

光導波路

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JP2003195070A
JP2003195070A JP2001394994A JP2001394994A JP2003195070A JP 2003195070 A JP2003195070 A JP 2003195070A JP 2001394994 A JP2001394994 A JP 2001394994A JP 2001394994 A JP2001394994 A JP 2001394994A JP 2003195070 A JP2003195070 A JP 2003195070A
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Japan
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optical waveguide
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acid
forming
composition
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JP2001394994A
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Yuuichi Eriyama
祐一 江利山
Kentaro Tamaki
研太郎 玉木
Hideaki Takase
英明 高瀬
Tomohiro Uko
友広 宇高
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光導波路であって、コア部分又はクラッド層
の圧縮弾性率(E)が2GPa以上であることを特徴とする耐
摩耗性に優れた光導波路を得る。 【解決手段】 下部クラッド層、コア部分、上部クラッ
ド層から構成され、それらのいずれか1層がシリカ系化
合物から形成されるパターン化された光導波路におい
て、下部クラッド層、コア部分および上部クラッド層の
少なくとも1つが圧縮弾性率(E)が2GPa以上であること
を特徴とする光導波路。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路に関し、
より詳細には、コア部分又はクラッド層の圧縮弾性率
(E)が2GPa以上であることを特徴とする耐摩耗性に優れ
た光導波路に関する。
【0002】
【従来の技術】マルチメディア時代を迎え、光通信シス
テムやコンピュータにおける情報処理の大容量化および
高速化の要求から、光の伝送媒体として光導波路が注目
されている。このような目的で使用される光導波路は、
伝送損失などの光学特性が良好なことに加え、その性能
が外部環境に影響せず長期に安定していること、また、
微細かつ複雑な形状の光導波路を環境汚染することな
く、低エネルギー、短時間、少ない工程で歩留まりよく
製造することが望まれている。さらに光導波路に対して
光ファイバー、フィルターなどの光学部品などを実装し
た光チップを製造する場合、取り扱い冶具との接触で損
傷があってはならず、また、光導波路を切断加工する場
合クラック、剥離などの損傷がないことが要求される。
この意味で力学的耐久性が高いことが必須要件となる。
すなわち、実用的な意味での光導波路に対しては生産
性、光学特性に加え力学的耐久性が重要な要求特性とな
っている。従来の光導波路としては、石英系導波路が代
表的であり、一般に以下の工程により製造されている。 シリコン基板上に、火炎堆積法(FHD)やCVD法
等の手法によりガラス膜よりなる下部クラッド層を形成
する。 下部クラッド層上に、これと屈折率の異なる無機質の
薄膜を形成し、この薄膜を反応性イオンエッチング法
(RIE)を利用してパターニングすることによりコア
部分を形成する。 更に、火炎堆積法によって上部クラッド層を形成す
る。 しかしながら、このような石英系導波路の製造方法で
は、光学特性、耐環境性、力学的耐久性は良好であると
されるが、製造には、特殊な装置が必要であるととも
に、多数の複雑な工程と製造時間が長くかかり、かつ歩
留まりも低いなどの生産性が低いという問題がある。こ
れらの問題に対して、光導波路の製造時間の短縮、工程
数の削減、歩留まりの向上を目的に、硬化性組成物を用
いる技術が近年幾つか提案されている。例えば、感光性
の光導波路材料を使用する技術として、例えば、特開平
10-254140号公報においては加水分解性シランの縮合
物、光酸発生剤、脱水剤からなる光硬化性組成物、特開
2000-180643においてはエポキシ基含有のシラン化合
物、有機オリゴマー、重合開始剤からなる感光性組成
物、特開2001―288364においては加水分解性シランの縮
合物、光酸発生剤、塩基性の酸拡散制御剤からなる放射
線硬化性組成物が開示されている。これら技術は液状の
光硬化性組成物を用いることで光導波路の生産性を高
め、高精度のパターン形成を可能にすることを開示して
いるが、力学的耐久性については十分な特性を有してい
るとは言えない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情を背景としてなされたものであって、実装表面硬
度が高く、圧縮弾性率光学特性に優れ、力学的耐久性に
優れた光導波路を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決する為の手段】以上述べた従来技術の課題
を解決することを目的に鋭意検討した結果、本発明に示
す光導波路を発明するにいたった。すなわち、本発明
は、下部クラッド層、コア部分、上部クラッド層から構
成され、それらのいずれか1層がシリカ系化合物から形
成されるパターン化された光導波路であって、コア部分
又はクラッド層の圧縮弾性率(E)が2GPa以上であること
を特徴とする光導波路を提供するものである。
【0005】 [発明の詳細な説明]以下に、本発明の各成分、実施形
態を図面を適時参照しながら具体的に説明する。本発明
は下部クラッド層、コア部分、上部クラッド層から構成
され、それらのいずれか1層がシリカ系化合物から形成
されるパターン化された光導波路であって、コア部分又
はクラッド層の圧縮弾性率(E)が2GPa以上、好ましくは
3GPa以上、より好ましくは4GPa以上であることを特徴
とする光導波路である。圧縮弾性率が2GPa未満では表
面が傷つき性が低く、切断時にコア/クラッド界面での
剥離が生じやすい為好ましくない。本発明において、圧
縮弾性率(E)は微少硬度計、もしくはマイクロビッカー
ス硬度計で求められる方法で定められ、コア部分、また
はクラッド層の基板面に垂直な方向で測定される圧縮弾
性率として定義される。本発明の光導波路において、下
部クラッド層と上部クラッド層は同一であっても、異な
る硬化性材料を用いてもよく、また、異なる工程、例え
ば、熱硬化、光硬化などにより製造することができる。
これら各層の屈折率は光導波路としての光学的要求か
ら、それぞれ、n1(下部クラッド層)、n2(コア部
分)、n3(上部クラッド層)とすると、光導波路を形
成する為には、n2>(n1又はn3)の関係に決めら
れる。このようにすることにより光信号を光導波路中に
効率的に導くことができる。本発明の光導波路において
用いられる基材の種類を挙げると-20℃〜80℃の範囲で
の線膨張率が100ppm/K以下、好ましくは50ppm以下であ
る材料から選ばれる。そのような材料を例示すると、シ
リコン、チタニウムなどの金属、シリコンカーバイド、
炭化硼素、炭化チタニウム、などの金属炭化物、シリコ
ンナイトライド、窒化硼素、などの金属窒化物、アルミ
ナ、溶融石英、ジルコニア、などの1種の金属の酸化
物、ムライト、コーデュライト、ソーダ石灰ガラス、硼
珪酸ガラス、パイレックス(登録商標)、などの2種以
上の金属を含有するガラス、などの無機基材、ポリイミ
ド、ポりアリレート、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、架
橋ポリアクリレート、架橋ポリメタクリレート、ポリオ
レフィン、などのガラス転移温度が200℃以上である熱
可塑性もしくは架橋有機ポリマーの中から選ぶことがで
きる。これら基材は単独もしくは多層にしたものを基材
として用いることもできる。
【0006】これらの中で好ましい基材を例示すると、
無機基材としてはシリコン、溶融石英、アルミナ、パイ
レックス、硼珪酸ガラスなど、有機基材としてはポリイ
ミド、エポキシ樹脂、ポリオレフィンなどのガラス転移
温度が200℃以上である熱可塑性もしくは架橋有機ポリ
マーを挙げることができる。光導波路形成に硬化性材料
を用いることの利点は形成された光導波路の例えば、熱
的、化学的耐久性が高いことであり、容易に想像される
ように熱可塑性樹脂を用いた場合、高温環境下では光導
波路の変形が起こりやすいことから信頼性が低い。ま
た、有機溶剤などの化学薬品に対する耐久性が低い欠点
を有する。本発明の光導波路形成に用いる硬化の形態と
しては熱硬化、光硬化を挙げることができる。熱硬化は
工程が簡便である特徴を有する為、下部もしくは上部ク
ラッド層の形成に用いることができる。一方、パターニ
ングが容易であるという利点によりコア部分の形成には
光硬化が好ましい。低温、短時間での硬化を達成できる
ことから下部もしくは上部クラッド層の形成に光硬化を
用いることも可能である。いずれの形態においても硬化
性材料を用いることで熱可塑性樹脂を用いた場合の問題
である信頼性、化学薬品に対する耐久性が向上するとい
う特徴を有する。
【0007】本発明の光導波路を形成するシリカ系化合
物は、下記一般式(1)で表される加水分解性シラン化
合物、その加水分解物およびその縮合物からなる群から
選ばれる少なくとも一つの化合物(以下、「シロキサン
(A)」または「(A)成分」ともいう)から選ばれ
る。 RmSi(X)4−m (1) (Rは炭素数1〜12の非加水分解性の有機基、Xは加水
分解性基、mは0〜3である) 一般式(1)中、R1は炭素数1〜12の非加水分解性の環
状、分岐状、直鎖状のアルキル基、アリール基、アラル
キル基から選ばれ、置換基上の水素原子の一部もしくは
総てが重水素、フッ素、塩素置換されていてもよく、m
は0〜3である。これらの加水分解性シラン化合物の1
種以上から選ばれる。具体的には、アルキル基として
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、ド
デシル、及びこれらの重水素置換体、アリール基として
はフェニル、ビフェニル、ナフチル、及びこれらの重水
素、フッ素、塩化物、アラルキル基としてはトリル、キ
シリル、メシチル、及びこれらの重水素、フッ素、塩化
物が挙げられる。好ましいアルキル基としてはメチル
基、3,3,3-トリフルオロプロピル、トリジューテリオメ
チル、好ましいアリール基としては、フェニル、ペンタ
フルオロフェニル、ペンタジューテリオフェニル、好ま
しいアラルキル基としては、トリフルオロメチルフェニ
ル、ビス(トリフルオロメチル)フェニルを挙げること
ができる。
【0008】加水分解性基Xとしては、水素原子、炭素
数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ア
ルキルカルボキシレート基が挙げられる。アルコキシ基
はRにおけるアルキル基に対応するアルコキシ基が挙げ
られ、ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、アミノ基と
しては、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ア
ルキルカルボキシレートとしてはアセトキシ、プロピオ
レート、好ましいXはアルコキシ基であり、より好まし
くは、メトキシ、エトキシである。一般式(1)で表さ
れるシラン化合物の具体例を挙げると、テトラメトキシ
シラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラ
ン、テトラ(2-メタクリロキシエトキシ)シラン、テト
ラ(2-アクリロキシエトキシ)シラン、テトラクロロシ
ラン、テトラアセトキシシラン、テトラアミノシラン、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、
メチルジクロロシラン、メチルジメトキシシラン、メチ
ルトリアセトキシシラン、トリジューテリオメチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルト
リブトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピル
トリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピ
ルトリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、フェニルシラン、フェニ
ルトリアセトキシシラン、フェニルトリアミノシラン、
フェニルトリクロロシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、ペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン、ペン
タフルオロフェニルトリクロロシラン、ペンタジューテ
リオフェニルトリメトキシシラン、ペンタジューテリオ
フェニルトリアセトキシシラン、ペンタジューテリオフ
ェニルトリクロロシラン、ペンタジューテリオフェニル
トリエトキシシシラン、キシリルトリメトキシシラン、
トリフルオロメチルフェニルトチメトキシシラン、ビフ
ェニルトリメトキシシラン、ビフェニルトリクロロシラ
ン、ビス(トリジューテリオメチル)ジメトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジクロロシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジクロロ
シラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシ
シラン、トリエチルシラン、トリエチルクロロシランな
どを挙げることができる。好ましい具体例としては、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラア
セトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、3,3,
3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、フェニ
ルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランを挙
げることができる。
【0009】シロキサンの製造原料となる加水分解性シ
ラン化合物の加水分解または縮合させる為の条件は、加
水分解性基がアルコキシ基である場合、加水分解、縮合
の工程において溶剤を添加することなく実施することが
できる。一方、加水分解性基がハロゲン基などの希釈溶
剤となる副生成物を生成せず、かつ、自己触媒となる酸
を副生する原料の場合、後述する有機溶剤を予め添加し
て希釈した後に加水分解、縮合反応を実施することが望
ましい。その場合、生成する酸は反応後も残存し、硬化
性組成物としての安定性を損なうことから、例えば、塩
基性物質による中和、水での洗浄、イオン交換樹脂の添
加などの工程を加えることにより安定な硬化性組成物に
することが好ましい。以下に加水分解性基がアルコキシ
基である場合のシラン化合物の加水分解、縮合工程を一
例として示す。すなわち、下記1)〜4)の工程によっ
て実施される。
【0010】加水分解性シラン化合物を容器に収容す
る。 2)次いで、所定量の水及び触媒を攪拌しながら滴下す
る。この工程は加水分解性シランの加水分解を開始する
工程であり、工程1)と同じ温度で乾燥雰囲気下で行わ
れる。添加する水の量をPモル、加水分解性シラン化合
物中の総加水分解性基のモル数をQとした場合、 P/Q
比が小さすぎると加水分解、縮合物の収量と分子量が低
下する結果、形成される光導波路の耐久性が低下する。
一方、 P/Q比が大きすぎる場合、分子量が適正範囲を
越えることで保存安定性が低下する。このことから、通
常、0.1<P/Q<7の範囲、好ましくは0.3<P/Q<4の
範囲で行われる。添加する水は通常イオン交換水、蒸留
水を用いる。また、反応を加速する目的で触媒を添加し
てもよく、触媒の添加量は加水分解性シラン100重量部
に対して、0.0001〜10重量部、好ましくは、0.001〜1
重量部である。触媒の添加方法は特に規定されないが好
ましくは水溶液として加える。触媒としては蟻酸、酢
酸、蓚酸、乳酸、マロン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ
酸、コハク酸、フマル酸、フタル酸、ピロメリット酸、
p―トルエンスルフォン酸、メタンスルフォン酸、トリ
フルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルフォン酸、など
の1価、2価、3価の有機酸、塩酸、リン酸、硝酸、フ
ッ酸、臭素酸、塩素酸、過塩素酸、などの無機酸、周期
律表でアルカリ金属、アルカリ土類の水酸化物、4級ア
ルキルアンモニウムの水酸化物や炭酸塩、1〜3級アミ
ン類などのアルカリ、アンモニウムクロライド、テトラ
メチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニ
ウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムスルフォネ
ートなどの酸性塩、次亜塩素酸ナトリウム、塩基性塩、
スズ、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、硼素
などのケイ素以外の金属アルコキシドおよびそれらのキ
レート錯体、などをあげることができ、この中で有機
酸、無機酸、金属アルコキシド、金属アルコキシドのキ
レート化合物など酸性触媒が好ましく、有機酸が特に好
ましい。
【0011】3)ついで、所定温度で所定時間加熱攪拌
する。この工程は加水分解性シランの加水分解、縮合を
実施する工程であり、反応温度はシラン化合物、水、及
び加水分解により副生するアルコールの沸点以下で行わ
れ、通常0℃〜150℃、好ましくは20℃〜100℃、乾燥雰
囲気下で行われる。反応時間は通常1時間〜12時間であ
る。 4)所定の溶剤を加え希釈する。この工程においては所
定の溶剤による希釈もしくは置換をおこなうが、光導波
路を形成するに適切な希釈溶剤への置換をこの段階で行
うことが好ましい。好ましい希釈溶剤としてはメチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミ
ルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、ジア
セトンアルコール、などのケトン系、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエー
テル系、トルエン、キシレンなどの炭化水素系、メタノ
ール、エタノール、ブタノール、オクタノール、フルフ
リルアルコールなどのアルコール系、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノエチルエーテルなどのエーテル含有アルコール系溶
剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸オクチ
ル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのエステル系溶剤から
単一もしくは2種以上組み合わせて選ばれる。好ましい
溶剤はケトン系、アルコール系、エーテル含有アルコー
ル系及びエステル系溶剤であり、さらに好ましくは、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトン
アルコール、ブチルアルコール、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、乳酸エチル、乳酸ブチルを挙げることができ
る。これら希釈溶剤は成分(A)100重量部に対して、10
〜1000重量部、好ましくは40〜250重量部用いられる。
溶剤置換の方法は特に制限されないが、常圧下で蒸留置
換する方法、減圧下で蒸留する方法などを挙げることが
できる。シロキサンの分子量はゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(以下GPCと略記)で求めたポリスチ
レン換算の重量平均分子量で500〜50000、好ましくは10
00〜10000の範囲とすることが好ましい。重量平均分子
量が500未満の場合、光導波路の耐久性が低下し、一方5
0000を越えると保存安定性が低下する為好ましくない。
【0012】光導波路を形成するシロキサンを含有する
硬化物を形成する場合、熱もしくは光照射により硬化物
を形成することができ、その際、硬化触媒を添加しても
よい。そのような硬化触媒は加熱により硬化を促進する
化合物、光照射により硬化を促進する化合物いずれか、
もしくは両者を添加することができる。硬化触媒として
加熱により硬化を促進する化合物の具体例を挙げると、
例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸類、蟻
酸、蓚酸、酢酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、メタ
ンスルフォン酸、パラトルエンスルフォン酸、トリフル
オロメタンスルフォン酸などの有機酸類、アンモニア、
トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルア
ミン、ピリジン、キノリン、ジアザビシクロウンデカン
などのアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属水
酸化物類、酢酸ナトリウム、蓚酸ナトリウム、メタンス
ルフォン酸ナトリウム、パラトルエンスルフォン酸ナト
リウム、パラトルエンスルフォン酸アンモニウムなどの
有機酸と塩基性物質との塩類、テトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド、テトラブチルアンモノイウムヒドロキシドなどの4
級アンモニウムヒドロキシド類、テトラブトキシスズ、
テトライソプロポキシチタニウム、テトラブトキシチタ
ニウム、テトラブトキシジルコニウム、ジイソプロポキ
シ亜鉛、トリブトキシアルミニウム、などの金属アルコ
キシド類、及びこれら金属アルコキシド類とアセチルア
セトン、アセト酢酸エチル、エチレンジアミンなどのキ
レート化合物との金属錯体類、ジブチルスズジラウレー
ト、ブチルスズトリイソプロポキシド、などの有機金属
化合物類を挙げることができる。
【0013】これら硬化触媒は成分(A)のシロキサン
100重量部に対して、0.001〜10重量部、好ましく
は、0.01〜1重量部添加して用いることができる。ま
た、硬化触媒として光照射により硬化を促進する化合物
としては、光分解により活性ラジカル種を発生させる化
合物、光分解により塩基性物質を発生させる化合物、光
分解により酸性物質を発生させる化合物を挙げることが
できる。これらの中で光学特性の良好な硬化物を形成す
る硬化触媒として光分解により酸性物質を発生させる化
合物がより好適に用いられる。光分解により活性ラジカ
ル種を発生させる化合物は化学業界において光ラジカル
開始剤として知られている化合物である。光ラジカル開
始剤の具体例を挙げると、例えばアセトフェノン、アセ
トフェノンベンジルケタール、アントラキノン、1−
(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−
メチルプロパン−1−オン、カルバゾール、キサント
ン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベ
ンゾフェノン、1,1−ジメトキシデオキシベンゾイ
ン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノ
ン、チオキサントン系化合物、2−メチル−1−[4−
(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパ
ン−2−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1
−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、
トリフェニルアミン、2,4,6−トリメチルベンゾイ
ルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジ
メトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ−メチルペン
チルフォスフィンオキサイド、ベンジルジメチルケター
ル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1
−オン、フルオレノン、フルオレン、ベンズアルデヒ
ド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエ
ーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、3−メチル
アセトフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブ
チルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(BTT
B)、およびBTTBとキサンテン、チオキサンテン、
クマリン、ケトクマリンその他の色素増感剤との組み合
わせなどを挙げることができる。これらのうち、ベンジ
ルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフ
ェニルホスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメ
チルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタ
ン−1−オンなどが特に好ましい。
【0014】上記の光ラジカル開始剤は、1種単独でま
たは2種以上組み合わせて構成することができ、添加量
は成分(A)のシロキサン100重量部に対して、通常
0.01〜10重量%であり、好ましくは0.1〜8重
量%である。光分解により塩基性物質を発生させる化合
物は化学業界において光塩基発生剤として知られてお
り、具体例としては、例えば、ベンジルカルバメイト化
合物、ベンゾインカルバメイト化合物、O-カルバモイル
ヒドロキシアミン類、O-カルバモイルオキシム、芳香族
スルホンアミド類、N-(2-アリルエテニル)アミド類、
アリールアジド類、N-アリールホルムアミド類、及びN-
置換-4-(オルトニトロフェニル)ジヒドロピリジン類
を挙げることができる。具体例としては、4-(オルトニ
トロフェニル)ジヒドロピリジン、オルトニトロベンジ
ルカルバメート、1、2、3、4―テトラヒドロナフタ
レンー1―イリデンなどを挙げることができる。これら
光分解により塩基性物質を発生させる化合物の添加量は
(A)成分のシロキサン100重量部に対して、0.01〜10重
量部、好ましくは、0.1〜5重量部、より好ましくは、0.
1〜1部である。0.01部重量部未満では光硬化性が不十
分となり、10重量部を越えると光導波路としての光学特
性が低下する。光分解により酸性物質を発生する化合物
は化学業界において光酸発生剤として知られいる。光酸
発生剤の種類としては、一般式(2)で表される構造を
有するオニウム塩(第1群の化合物)や、一般式(3)
で表される構造を有するスルホン酸誘導体(第2群の化
合物)を挙げることができる。特に有効な化合物は芳香
族オニウム塩である。例えば特開昭50−151996
号公報、特開昭50−158680号公報などに記載の
芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号公
報、特開昭52−30899号公報、特開昭56−55
420号公報、特開昭55−125105号公報などに
記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭50−158
698号公報などに記載のVA族芳香族オニウム塩、特
開昭56−8428号公報、特開昭56−149402
号公報、特開昭57−192429号公報などに記載の
オキソスルホキソニウム塩、特開昭49−17040号
公報などに記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第
4, 139, 655号明細書に記載のチオビリリウム塩
などが好ましい。また、鉄/アレン錯体、アルミニウム
錯体/光分解ケイ素化合物系開始剤なども挙げることが
できる。
【0015】 [R4 a5 b6 c7dW]+m[MZm+nーm (2) [一般式(2)中、カチオンはオニウムイオンであり、
WはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、Cl、または
−N≡Nであり、 R4、R5、R6、R7は同一または異な
る有機基であり、a、b、c、dはそれぞれ0〜3の整数で
あって、(a+b+c+d)はWの価数に等しい。また、M
はハロゲン化物錯体[MZm+n]の中心原子を構成する
金属またはメタロイドであり、例えば、B、P、As、Sb、
Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co
である。Zは例えば、F、Cl、Brなどのハロゲン原子また
はアリール基であり、mはハロゲン化物錯体イオンの正
味の電荷であり、nはMの原子価である] QS―[S(=O)2―R8t (3) [一般式(3)中、Qは1価もしくは2価の有機基、R8
は炭素数1〜12の1価の有機基、添え字sは0または
1、添え字tは1又は2である]
【0016】まず、第1群の化合物であるオニウム塩は
光を受けることにより酸性活性物質を放出することがで
きる化合物である。ここで一般式(2)における[MZ
m+n]の具体例として、テトラフルオロボレート(B
F4 )、ヘキサフルオロフォスフェート(PF6 )、ヘキ
サフルオロアンチモネート(Sb6 )、ヘキサフルオロア
ルセネート(AsF6 )、このようなオニウム塩のうち、
(B)成分としヘキサクロロアンチモネート(SbCl6 )、
テトラフェニルボレート(BPh4 )、テトラキス(トリ
フルオロメチルフェニル)ボレート[B(CF3―P
h)4 ]、ペンタキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート(B(C6F5)4 )などが挙げられる。また、一般
式(2)に使用するアニオン[MZm+n]のかわりに、
一般式(MZnOH )で表されるアニオンを使用することも
できる。さらに、価塩素酸イオン(ClO 4―)、トリフル
オロメタンスルフォン酸イオン(CF3SO3 )、フルオロ
スルフォン酸(FSO3 )、トルエンスルフォン酸イオ
ン、トリニトロベンゼンスルフォン酸イオン、トリニト
ロトルエンスルフォン酸イオン、などの他のアニオンを
有するオニウム塩を使用することもできる。
【0017】次に第2群の化合物について説明する。
一般式(3)で表されるスルフォン酸誘導体の例を示す
と、ジスルフォン酸類、ジスルフォニルジアゾメタン
類、ジスルフォニルメタン類、スルフォニルベンゾイル
メタン類、イミドスルフォネート類、ベンゾインスルフ
ォネート類、1−オキシー2―ヒドロキシ3−プロピル
アルコール、のスルフォネート類、ピロgロールトリス
ルフォネート類、ベンジルスルフォネート類を挙げるこ
とができる。また、一般式(3)で表されるスルフォン
酸誘導体の中で、より好ましくはイミドスルフォネート
類であり、さらに好ましくはトリフルオロメタンスルフ
ォネート誘導体である。光酸発生剤として好適に使用で
きる化合物の市販品としては、UVI−6950、UV
I−6970、UVI−6974、UVI−6990
(以上、ユニオンカーバイド社製)、アデカオプトマー
SP−150、SP−151、SP−170、SP−1
71、SP−172(以上、旭電化工業(株)製)、I
rgacure 261(以上、チバ・スペシャルティ
ー・ケミカルズ(株)製)、CI−2481、CI−2
624、CI−2639、CI−2064(以上、日本
曹達(株)製)、CD−1010、CD−1011、C
D−1012、KI85(以上、サートマー社製)、D
S―100、 DS―101、 DAM―101、 DAM
―102、 DAM―105、 DAM―201、DSM―
301、DTS−103、NAI−100、 NAI−1
01、 NAI−105、 NAI−106、PAI―10
1、SI―100、 SI―101、 SI―105、 SI
―106、PI―105、NDI―105、BENZOIN TOS
YLATE、MBZ―101、 MBZ―301、PYR―1
00、PYR―200、DNB―101、NB―101、
NB―201、NDS−103、NAT―103、NAT
―105、NDS―103、 NDS―105、 NDS
―155、 NDS―165、CMS―105、TPS
−102、TPS−103、TPS−105、MDS−
103、MDS−105、MDS−205、MDS−3
05、DTS−103、MPI−103、BBI―10
1、BBI―102、BBI−103、BBI―105、
BBI―106、 BBI―109、 BBI―201、D
PI―105、 DPI―109、 DPI―201、MPI
―103、 MPI―105、 MPI―106、 MPI―
109(以上、みどり化学(株)製)、PCI−061
T、PCI−062T、PCI−020T、PCI−0
22T(以上、日本化薬(株)製)、IBPF、IBCF(以上
三和ケミカル(株)製)などを挙げることができる。
【0018】これらのうち、さらに好ましい光酸発生剤
としては、波長200nm以上の吸収極大が360nm以下にある
第1群の化合物であるオニウム塩の光酸発生剤をあげる
ことができる。光酸発生剤の添加量は(A)成分のシロ
キサン100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましく
は、0.1〜5重量部、より好ましくは、0.1〜1部であ
る。0.01部重量部未満では光硬化性が不十分となり、10
重量部を越えると光導波路としての光学特性が低下す
る。
【0019】また、本発明の硬化物を光酸発生剤を硬化
触媒として用い、光硬化によりパターンを形成する際、
光酸発生剤から生じた酸性活性物質の被膜中における拡
散を制御し、非照射領域での硬化反応を抑制することを
目的に酸拡散制御剤(C)を添加することができる。ただ
し、定義上、光酸発生剤と区別するため、酸拡散制御剤
は酸発生機能を有しない化合物である。このような酸拡
散制御剤を添加することにより、光硬化性組成物を効果
的に硬化して、パターン精度を向上せしめることができ
る。 (1)種類 (C)成分の酸拡散制御剤としては、形成工程中の露光
や加熱処理によって塩基性が変化しない含窒素有機化合
物が好ましい。このような含窒素有機化合物としては、
例えば、下記一般式(4)で表される化合物(以下、「含
窒素化合物(I)」という。)が挙げられる。 NR91011 (4) [一般式(4)中、R9、R10およびR11は相互に独立
であって、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル
基、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もし
くは非置換のアラルキル基を表している。] また、別の含窒素有機化合物としては、同一分子内に窒
素原子を2個有するジアミノ化合物(以下、「含窒素化
合物(II)」という。)や、窒素原子を3個以上有する
ジアミノ重合体(以下、「含窒素化合物(III)」とい
う。)、あるいは、アミド基含有化合物、ウレア化合
物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。ここ
で、含窒素化合物(I)としては、n−ヘキシルアミ
ン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノ
ニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン
類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、
ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ
−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n
−デシルアミン等のジアルキルアミン類; トリエチル
アミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチル
アミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシ
ルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オク
チルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシ
ルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン、N−メ
チルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチル
アニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、
4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニル
アミン、1−ナフチルアミン等の芳香族アミン類;エタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン等のアルカノールアミン類等を挙げることができ
る。
【0020】また、含窒素化合物(II)としては、例え
ば、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメ
チルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス
(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エ
チレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’
−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルアミン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プ
ロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミ
ノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−
2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−
アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−
1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4
−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン等を
挙げることができる。
【0021】また、含窒素化合物(III)としては、例え
ば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ジメチル
アミノエチルアクリルアミドの重合体等を挙げることが
できる。また、アミド基含有化合物としては、例えば、
ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミ
ド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン
等を挙げることができる。
【0022】また、ウレア化合物としては、例えば、尿
素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−
ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレ
ア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルチオウレア
等を挙げることができる。また、含窒素複素環化合物と
しては、例えば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、
2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2
−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、
4−メチル−2−フェニルイミダゾール等のイミダゾー
ル類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリ
ジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−
フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル
−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコ
チン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、アクリ
ジン等のピリジン類;ピラジン、ピラゾール、ピリダジ
ン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モ
ルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4
−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.
2.2]オクタン等を挙げることができる。
【0023】これらの含窒素有機化合物のうち、含窒素
化合物(I)、含窒素複素環化合物等が好ましい。ま
た、含窒素化合物(I)の中では、トリアルキルアミン
類が特に好ましく、含窒素複素環化合物の中では、ピリ
ジン類が特に好ましい。なお、酸拡散制御剤は、一種単
独で使用することもできるし、あるいは二種以上を混合
して使用することも好ましい。
【0024】(5)添加量 また、酸拡散制御剤の添加量は、(A)成分のシロキサ
ン100重量部に対して、0.001〜15重量部の範
囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる酸
拡散制御剤の添加量が0.001重量部未満では、プロ
セス条件によっては、光導波路のパターン形状や寸法再
現性が低下する場合があるためであり、一方、かかる酸
拡散制御剤の添加量が15重量部を超えると、(A)成
分の光硬化性が低下する場合があるためである。したが
って、酸拡散制御剤の添加量を、(A)成分のシロキサ
ン100重量部に対して、0.001〜10重量部の範
囲内の値とすることがより好ましく、0.005〜5重
量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。本発明
の光導波路形成において、表面張力低下剤を添加するこ
とができる。表面張力低下剤は本発明の硬化物を形成す
る際、硬化性組成物のコーテイングする工程における塗
膜のはじき、凹凸、うねりなど、表面張力の不適合に由
来するコーテイング性能を改善する目的で添加され、微
量の添加で表面張力を低減する機能を有する化合物から
選ばれる。そのような表面張力低下剤は市販されている
界面活性剤、レベリング材、消泡剤、脱泡剤、整泡剤お
よび塗料添加剤の中から選ぶことができる。
【0025】表面張力低下剤は基本的には極性基と疎水
性基の両者を含有する化合物である。構造的にはシリコ
ーン系、有機系、フッ素系の製品が市販されており、こ
れらは極性基のイオン性から、それぞれアニオン系、ノ
ニオン性、カチオン性、両性、に類別される。表面張力
低下剤は以上述べた化合物の中から選択することができ
るが、本発明の主たる構成成分であるアミノポリシロキ
サンとの相溶性が高いことと微量で効果が得られること
から、シリコーン系もしくはフッ素系の表面張力低下剤
が好ましい。シリコーン系表面張力低下剤としてはポリ
エーテル変性シリコーン類、ポリエステルシリコーン
類、アルキル変性シリコーン類、アクリルシリコーン類
などから選ばれるが、より好ましくはこれらの中でノニ
オン系であり特にポリエーテル変性シリコーン類の表面
張力低下剤が選ばれる。また、フッ素系としてはフルオ
ロアルキルシリコーン類、フルオロアルキルカルボン酸
類、フルオロアルキルアルコール類、フルオロアルキル
エーテル類、フルオロアルキル4級アンモニウム塩など
から選ばれる。これらの中から単独もしくは2種以上混
合して配合することができる。
【0026】表面張力低下剤の添加量は光導波路形成用
組成物100重量部に対して、0.1〜0.0001部、好ましくは
0.1〜0.001部である。また、組成物中の乾燥後の固形分
100重量部に対しては、1〜0.001部、好ましくは1〜0.01
部である。表面張力低下剤の添加量が0.0001未満の場
合、本発明の光導波路の均質性、平滑性が低下する場合
があり、一方、0.1を越えて添加する場合、光導波路の
表面粗さが増加する為好ましくない。
【0027】表面張力低下剤の添加時期は本発明の硬化
物を形成する組成物製造のどの段階でもよいがが、化学
反応による表面張力低下剤の純度低下を防ぐ為、(A)
成分のポリシロキサン製造後に添加することが好まし
い。また、添加方法は表面張力低下剤が組成物中均一に
溶解するならば制限を受けないが、予め有機溶剤で希釈
した後添加する方法が均一化までの時間を短縮できる為
好ましい。市販されている製品を例示すると、東レ・ダ
ウコーニング・シリコーン(株)製のシリコン系製品で
は、シリコーン塗料添加剤として製品化されているSH20
0、DC3PA、SH7PA、DC11PA、SH21PA、SH28PA、SH29PA、S
H30PA、ST80PA、ST83PA、ST86PA、ST90PA、ST94PA、ST9
6PA、ST97PA、ST101PA、ST102PA、ST103PA、ST105PA、S
T110PA、SH550、SH710、など、また、シリコーン消泡剤
として製品化されているSH200、FS1265、SH203、SD559
1、SH7PA、化粧品用シリコーンとして製品化されている
SH3746、SH3771C、SH3772C、SH3773C、SH3775C、SH374
8、SH3749、などを挙げることができる。また、ビック
ケミー・ジャパン(株)製のシリコーン系表面調整剤とし
て製品化されているBYK-300、BYK-301、BYK-335、BYK-3
02、BYK-331、BYK-306、BYK-330、BYK-341、BYK-344、B
YK-307、BYK-332、BYK-333、BYK-310、シリコーン系レ
ベリング剤として製品化されているBYK-077、BYK-315、
BYK-320、BYK-325、BYK-322、BYK-323、など反応性シリ
コーン系表面調整剤として製品化されているBYK-370、B
YK-371、BYK-373、BYK-375など、紫外線硬化型用表面調
整剤として製品化されているBYK-UV3500、BYK-UV3510、
BYK-UV3530、また、溶剤型および無溶剤型塗料用非シリ
コーン系消泡剤として製品化されているBYK-051、BYK-0
52、BYK-053、BYK-055、BYK-057、などをあげることが
できる。また、フッ素系塗料添加剤として製品化されて
いる例をあげると共栄社油脂化学工業(株)製フローレン
AC-300、フローレンAC-900、フローレンAO-3、フローレ
ンAKS、フローノンSB-110N、フローノンSB-210、フロー
ノンSB-510、フローノンSB-551、新秋田化成(株)製EF-3
05、EF-306A、などがある。
【0028】界面活性剤として製品化されているものに
は、例えば、花王(株)製エマール0、エマールAD-25R、
エマールTD、エマールE-27C、エマールNC-35、レオドー
ルMS-50、レオドールSP-L10、レオドールAO-10、レオド
ールTW-L120、レオドールTW-O120、レオドールスーパー
TW-S120、レオドール430、ネオペレックスF-25、ネオペ
レックスNo25、エマノーン1112、エマノーン4110EMANO-
NN3299、エマゾールL-10H、エマゾールP-120、エマゾー
ルO-120、など、花王アトラス(株)製エマルゲン105、エ
マルゲン108、エマルゲン147、エマルゲン210、エマル
ゲン320P、エマルゲン404、エマルゲン430、エマルゲン
903、エマルゲン906、エマルゲン920、エマルゲン950、
エマルゲン705、エマルゲンPP-150、エマルゲンPP-23
0、エマルゲンPP-250、エマルゲンPP-290、アミート10
5、アミート308、アミート320、コータミン24P、コータ
ミンD-86P、アンヒトール24B、アンヒトール86Bなどを
挙げることができる。なお、これら界面活性剤として製
品化されているもの中では特にノニオン性のものが好ま
しい。その他、本発明の効果を損なわない範囲で下記成
分を含む組成物を用いて光導波路を形成することができ
る。
【0029】光増感剤 光増感剤は本発明においてポリシロキサンを含有する硬
化物を光硬化により形成する際に光に対する感度を高
め、その硬化の効率を高める目的で波長300nm以上に吸
収を有する縮合芳香族化合物から選ばれる化合物が添加
される。光増感剤として用いる縮合芳香族化合物はヘテ
ロ原子、例えば酸素、硫黄、窒素、リン、ハロゲン(フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素)などを有していてもよい。
【0030】波長300nm以上での吸収率は、光路長1cm
で濃度モル/リットルで測定したモル吸光係数により定
義することができ、縮合芳香族化合物のモル吸光係数は
好ましくは1000以上、より好ましくは10000以上である
と組成物の放射線硬化性をより向上させることができ
る。縮合芳香族化合物の添加量は成分(A)のシロキサ
ン100重量部に対して、0.0001〜1重量部、好ましくは、
0.001〜0.1部である。
【0031】波長300nm以上に吸収を有する縮合芳香族
化合物の具体例としては、アントラセン、シアノアント
ラセン、ブロムアントラセン、クロルアントラセン、2
−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9−ヒドロ
キシメチルアントラセン、などのアントラセン誘導体、
アントラキノン、2−ヒドロキシメチルアントキノン、
エチルアントラキノン、アントラキノン誘導体、チオキ
サントン、クロルチオキサントン、ジエチルチオキサン
トン、イソプロピルチオキサントン、3−(ジエチルチ
オキサントニルオキシ)−2―ヒドキシートリメチルア
ンモニウム、チオキサントンなどのチオキサントン誘導
体、ベンゾフェノン、オルトベンゾイル安息香酸メチ
ル、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニル
メタン、4、4‘―ビスジエチルアミノベンゾフェノ
ン、4−ベンゾイルビフェニル、1、4−ジベンゾイル
ベンゼン、などのベンゾフェノン誘導体、ベンジル、ナ
フタレン、ベンゾイルナフタレンなどのナフタレン誘導
体、10−ブチル−2−クロロアクリドン、アクリドン
などのアクリドン誘導体、ペリレン誘導体、6−メチル
クマリン、ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−
ヒドロキシ4−メチルクマリン、クマリン、などのクマ
リン誘導体、ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチル
アミノ安息香酸イソアミル、などのアミノ安息香酸エス
テル誘導体、アクリジン、1、7−ジアクリジルヘプタ
ン、9−ヒドロキシ4−メチキシアクリジンなどのアク
リジン誘導体、N―オクチルービス(α―モルフォニル
ジメチルアセチル)カルバゾール、エチルカルバゾー
ル、メチルカルバゾール、などのカルバゾール誘導体な
どを挙げることができる。これらの中で好ましい化合物
はアントラセン、チオキサントン誘導体、ベンゾフェノ
ン誘導体である。
【0032】架橋性有機化合物 成分(A)以外の架橋性の化合物から選ばれ、そのよう
な架橋性化合物としては、以下のものを例示することが
できる。第1の例として、(A)以外の酸性活性物質で重
合、架橋する加水分解性シラン化合物もしくはその縮合
物を例示すると、例えば、シランカップリング剤として
市販されている、グリシジロキシプロピルトリメトキシ
シラン、グリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、
グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、グリ
シジロキシプロピルジメチルメトキシシラン、2−トリ
メトキシシリルエチルシクロヘキセンオキシド、2−ト
リエトキシシリルエチルシクロヘキセンオキシド等のエ
ポキシ置換アルコキシシラン類、メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、アクリロキシトリメトキシシラ
ンなどのアクリル置換アルコキシシラン類、メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルメチ
ルジメトキシシランなどのメルカプト置換アルコキシシ
ラン類、アミノプロピルトリエトキシシラン、N-アミノ
エチルアミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ
置換アルコキシシラン類、及びこれらの加水分解、縮合
物からなる群から選ばれる1種以上の化合物を挙げるこ
とができる。
【0033】第2の例として、分子中に1個以上のエポ
キシ基を含有するエポキシ化合物、例えば、ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリ
シジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテ
ル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭
素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビ
スフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラ
ック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添
ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシク
ロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)
シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシク
ロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキ
サン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキ
シルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチ
ルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチ
ルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス
(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタ
ジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレ
ンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレ
ート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エ
ポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−
ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリント
リグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグ
リシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種また
は2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによ
り得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエ
ーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル
類;脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル
類;フェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたは
これらにアルキレンオキサイドを付加して得られるポリ
エーテルアルコールのモノグリシジルエーテル類;高級
脂肪酸のグリシジルエステル類;エポキシ化大豆油;エ
ポキシステアリン酸ブチル;エポキシステアリン酸オク
チル;エポキシ化アマニ油;エポキシ化ポリブタジエン
などを例示することができる。
【0034】第3の例として、分子中に1個以上のオキ
センタン基を含有するオキセタン化合物としては、例え
ば、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロロメチ
ルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキ
セタン、ビス(3−エチル−3−メチルオキシ)ブタン
などのオキセタン類を挙げることができる。第4の例と
して、分子中に1個以上のビニルエーテル基を含有する
ビニルエーテル化合物として、エチレングリコールジビ
ニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテ
ル、トリメチロールプロパントリビニルエーテルなどの
ビニルエーテル類を挙げることができる。第5の例とし
て、分子中に1個以上のエポキシ、オキセタン、ビニル
エーテル基、加水分解性シリル基からなる群から選ばれ
る一つ以上の基を含有するビニル系重合体を挙げること
ができる。これらの基は1分子中に0.1〜50重量%、好
ましくは1〜30重量%含有することができる。これらの
官能基の共重合は、これら官能基を含有する(メタ)ア
クリル酸エステル類を主構成成分のビニルモノマーとラ
ジカル共重合する方法、もしくは、カルボン酸、エポキ
シ基、ヒドロキシ基を含有するビニル系重合体にポリマ
ー反応により導入する方法などにより製造される。
【0035】例えば、加水分解性シリル基含有のビニル
系重合体の製造においては、メタクリロキシプロピルト
リメトキシシランをラジカル共重合する方法に加え、カ
ルボン酸含有ビニル系重合体とグリシジロキシプロピル
トリメトキシシランを反応させる方法、ヒドキシ含有ビ
ニル系重合体にトリメトキシシリルプロピルイソシアネ
ートを反応させる方法、エポキシ基含有ビニル系重合体
にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させる方法
などにより製造される。これら架橋性基を含有したビニ
ル系重合体のGPCによる重量平均分子量は500〜100000、
好ましくは、1000〜50000、より好ましくは、3000〜100
00である。
【0036】ビニル系重合体の主構成成分となるビニル
モノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、な
どの芳香族不飽和エチレン含有化合物、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フ
チル(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリ
レートなどのアルキル(メタ)アクリレート類、ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト類、アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリ
ル酸類、N―ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタ
ムなどのN―ビニルラクタム類、(メタ)アクリロイル
モルフォリン、N,N―ジメチル(メタ)アクリルアミド
などの不飽和アミド類などを挙げることができる。ビニ
ル系重合体の製造はビスアゾバレロニトリルなどのジア
ゾ系の熱ラジカル重合開始剤、ビニルモノマー、有機溶
剤の混合液を50℃〜150℃の範囲で1〜10時間加熱攪拌す
る公知の方法により製造される。架橋性有機化合物の添
加は通常、成分(A)と混合する方法により行われる
が、成分(A)のシロキサンの製造時に加水分解性シラ
ンと架橋性有機化合物との混合物を加水分解して配合す
ることも可能である。
【0037】無機微粒子 本発明の光導波路の強度を高めることを目的として、無
機微粒子を添加することができる。無機微粒子を構成す
る元素としては、特に限定されないが、酸化物、窒化物
が好ましく、酸化物としては例えば、酸化ケイ素、酸化
アルミニウム、酸化硼素、酸化チタニウム、酸化ジルコ
ニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、窒化物としては窒化
ケイ素、窒化硼素などを挙げることができる。これら無
機微粒子の平均粒子径は1〜100nm、好ましくは5〜50nm
であり、粒子径が1nm未満の材料は安定に存在せず、一
方、100nmを越えると光導波路の表面粗さが低下するこ
とにより光学特性が低下する。添加量は(A)成分のアミ
ノポリシロキサン100重量部に対して、1〜200重量部、
好ましくは10〜100重量部加えることができる。添加量
が1重量部未満では強度向上の効果が低く、一方200重量
部を越えると強度が低下する為好ましくない。
【0038】無機微粒子は粉体又は溶剤分散のコロイド
液として入手されるが、組成物中での分散性が良好な
為、溶剤分散のコロイド液がより好ましい。また、光導
波路における光散乱による光伝送損失を損なわない為、
無機微粒子と(A)成分のシロキサンとの屈折率差は0.03
以下、より好ましくは0.003以下にすることが好まし
い。市販されている無機微粒子の製品例のうちコロイダ
ルシリカの例を挙げると、日産化学工業(株)製のスノー
テックスO、スノーテックスN、メタノールシリカゾル、
IPA-ST、MEK-ST、NBA-ST、DMAC-ST、などを挙げること
ができる。
【0039】金属アルコキシド 本発明の光導波路の屈折率を制御する目的で添加するこ
とができる。そのような金属アルコキシドを例示する
と、Ge、Sn、B、Al、Ga、In、Sb、Ti、Zrであり、アル
コキシ基としては炭素数1〜12の直鎖状、分枝上、環
状のアルコキシ基から選ばれる。具体例を示すと、テト
ラメトキシゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウ
ム、テトラブトキシゲルマニウム、メチルトリエトキシ
ゲルマニウム、フェニルトリメトキシゲルマニウム、テ
トラブトキシスズ、テトラブトキシスズ、メチルトリブ
トキシスズ、トリメトキシボラン、トリエトキシボラ
ン、トリブトキシボラン、トリブトキシアルミニウム、
トリス(エチルアセトアセトナト)アルミニウム、ジブ
トキシ(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリイソ
プロポキシガリウム、トリブトキシガリウム、トリイソ
プロポキシインジウム、トリブトキシインジウム、トリ
イソプロポキシアンチモン、トリブトキシアンチモン、
テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、
ジアセチルアセトナト(ジブトキシ)チタン、テトラキ
ス(エチルアセトアセトナト)チタニウム、テトライソ
プロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウ
ム、テトラキス(エチルアセトアセトナト)ジルコニウ
ムなどを挙げることができる。これらの金属アルコキシ
ドの添加量は(A)成分のシロキサン100重量部に対し
て、50〜0.01部であり、(A)成分のシロキサンの製造
後もしくは製造前に添加する。製造前に添加する場合は
シロキサン製造時の加水分解性シラン化合物と同時に混
合後、加水分解、共縮合することが好ましい。
【0040】光導波路形成時の実施形態であり、光硬化
による光導波路の製造を例に取って説明する。 1.光導波路形成用光硬化性組成物の調製 光導波路を構成する下部クラッド層、コア部分および上
部クラッド層を形成するための光導波路形成用の組成
物、すなわち下層用組成物、コア用組成物および上層用
組成物は、それぞれ、前述したシロキサンや硬化触媒等
を、常法にしたがって混合撹拌することにより、調製す
ることができる。また、調製された下層用組成物、コア
用組成物および上層用組成物としては、それぞれ、最終
的に得られる各部の屈折率の関係が、光導波路に要求さ
れる条件を満足するように、互いに異なるを用いてもよ
い。したがって、(A)成分のシロキサンの原料である
加水分解性シラン化合物の種類等を適宜選択することに
より、異なる屈折率を有する硬化膜が得られる光導波路
形成用光硬化性組成物とすることができる。そして、屈
折率の差が適宜の大きさとなるような二種または三種の
光導波路形成用光硬化性組成物を用い、最も高い屈折率
の硬化膜を与える光導波路形成用光硬化性組成物をコア
用組成物とし、他の組成物を下層用組成物および上層用
組成物として用いることが好ましい。
【0041】ただし、下層用組成物と上層用組成物とは
同一の光導波路形成用組成物であってもよく、通常は同
一の組成物であることが、経済的に有利であり、製造管
理も容易となることからより好ましい。また、各光導波
路形成用組成物を調製する際に、その粘度を、100〜
10,000cps(25℃)の範囲内の値とすること
が好ましく、100〜8,000cps(25℃)の範
囲内の値とすることがより好ましく、300〜3,00
0cps(25℃)の範囲内の値とすることがさらに好
ましい。この理由は、各光導波路形成用組成物の粘度が
これらの範囲外の値となると、取り扱いが困難になった
り、均一な塗膜を形成することが困難となる場合がある
ためである。なお、光導波路形成用組成物の粘度は、反
応性希釈剤や有機溶媒の配合量によって、適宜調整する
ことができる。
【0042】2.形成方法 断面が図1の構造を有する光導波路は、図2に示すよう
な工程を経て形成される。すなわち、下部クラッド層1
3、コア部分15および上部クラッド層17(図示せ
ず。)を、いずれも、それらの層を形成するための光導
波路形成用組成物を塗工したのち、熱硬化もしくは光硬
化することにより形成することが好ましい。なお、以下
の形成例では、下部クラッド層、コア部分および上部ク
ラッド層を、それぞれ硬化後において屈折率が異なる硬
化物が得られる光導波路形成用組成物である下層用組成
物、コア用組成物、および上層用組成物から形成するこ
とを想定して、説明する。本発明の光導波路中の下部ク
ラッド層、コア部分、上部クラッド層を形成する硬化性
組成物を塗布する方法について説明する。塗布方法は硬
化膜の表面粗さ(Ra)が0.4μm以下になるような均
一塗布の方法であれば特に制限を受けなく、スピンコー
ト法、スプレー法、ロールコート法、インクジェット法
などの方法を用いることができるが、この中では半導体
業界で高精度の工業的塗布技術として採用されているス
ピンコート法が好ましい。
【0043】スピンコートの条件は0℃〜100℃の範
囲で10〜1000回転/分で1〜60秒で実施される
液状組成物を基板に均一に塗布する第1の工程と高速回
転により一定膜厚を形成する第2の工程からなる。表面
粗さを制御する為には第2の工程が支配的であり、ま
た、硬化性の液状組成物の粘度に対応した条件が選定さ
れる。硬化性の液状組成物の粘度が100〜3000cp
sの場合、好ましくは、500〜5000回転/分で30
〜100秒で実施され、粘度が3000〜10000cp
sの場合、1000〜8000回転/分で60〜300秒
で実施される。
【0044】基板の準備 まず、図2(a)に示すように、平坦な表面を有する基
板12を用意する。この基板12の種類としては、特に
制限されるものではないが、例えば、シリコン基板やガ
ラス基板等を用いることができる。 下部クラッド層の形成工程 用意した基板12の表面に、下部クラッド層13を形成
する工程である。具体的には、図2(b)に示すよう
に、基板12の表面に、下層用組成物を塗布し、乾燥ま
たはプリベークさせて下層用薄膜を形成する。そして、
この下層用薄膜を加熱もしくは、光を照射することによ
り硬化させて、下部クラッド層13を形成することがで
きる。コア部分及びクラッド層の形成に用いる加熱温度
は特に制限されないが通常50℃〜300℃の範囲で1分〜6
時間で実施される。また、光は、特に制限されるもので
は無いが、通常200〜450nmの紫外〜可視領域の光、好ま
しくは波長365nmの紫外線を含む光が用いられる。200〜
450nm での照度は1〜1000mW/cm、照射量が0.01〜5000
mJ/cm、好ましくは0.1〜1000mJ/cmなるように照射
して、露光される。
【0045】ここに、照射される光の種類としては、可
視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を用
いることができるが、光源の工業的な汎用性から特に紫
外線、好ましくは200〜400nm、特に好ましくは365nmの
紫外線を含む波長が好ましい。そして、照射装置として
は、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタル
ハライドランプ、エキシマランプなどの広い面積を同時
に照射するランプ光源、パルス、連続発光のレーザー光
源、及び、両者のいずれかの光源から、ミラー、レン
ズ、光ファイバーを用いて収束光を用いることができ
る。収束光を用いて光導波路を形成する場合、収束光も
しくは被照射体を移動させることにより光導波路の形状
に露光することができる。これらの光源の中で365nmの
紫外線強度の高い光源が好ましく、例えば、ランプ光源
としては高圧水銀ランプ、レーザー光源としてはアルゴ
ンレーザーが好ましい。なお、下部クラッド層13の形
成工程では、薄膜の全面に光を照射し、その全体を硬化
することが好ましい。また、下層用組成物のレオロジー
特性を塗布方法に適切に対応したものとするために、表
面張力低下剤以外の添加剤を必要に応じて配合すること
ができる。また、下層用組成物からなる下層用薄膜は、
塗布後、50〜200℃でプリベークすることが好まし
い。なお、下部クラッド層の形成工程における塗布方法
や、レオロジー特性の改良等については、後述するコア
部分の形成工程や、上部クラッド層の形成工程において
もあてはまる内容である。
【0046】また、露光後に、塗膜全面が十分硬化する
ように、さらに加熱処理(以下、「ポストベーク」とい
う。)を行うことが好ましい。この加熱条件は、光導波
路形成用組成物の配合組成、添加剤の種類等により変わ
るが、通常、30〜400℃、好ましくは50〜300
℃で、例えば5分間〜72時間の加熱条件とすれば良
い。なお、下部クラッド層の形成工程における光の照射
量、種類、および照射装置等については、後述するコア
部分の形成工程や、上部クラッド層の形成工程において
もあてはまる内容である。 コア部分の形成 次に、この下部クラッド層13上に、図2(c)に示す
ように、コア用組成物を塗布し、乾燥またはさらにプリ
ベークさせてコア用薄膜14を形成する。その後、図2
(d)に示すように、コア用薄膜14の上面に対して、
所定のパターンに従って、例えば所定のラインパターン
を有するフォトマスク19を介して光16の照射を行う
ことが好ましい。これにより、光が照射された箇所のみ
が硬化するので、それ以外の未硬化の部分を現像除去す
ることにより、図2(e)に示すように、下部クラッド
層13上に、パターニングされた硬化膜よりなるコア部
分15を形成することができる。また、コア部分15を
形成するためのコア用薄膜14に対する光16の照射
は、所定のパターンを有するフォトマスク19に従って
行われた後、現像液により未露光部分を現像することに
より、未硬化の不要な部分が除去され、これによってコ
ア部分15が形成される。このように所定のパターンに
従って光の照射を行う方法としては、光の透過部と非透
過部とからなるフォトマスクを用いる方法に限られず、
例えば、以下に示すa〜cの方法が挙げられる。 a.液晶表示装置と同様の原理を利用した、所定のパタ
ーンに従って光透過領域と不透過領域とよりなるマスク
像を電気光学的に形成する手段を利用する方法。 b.多数の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、
この導光部材における所定のパターンに対応する光ファ
イバーを介して光を照射する方法。 c.レーザ光、あるいはレンズ、ミラー等の集光性光学
系により得られる収束光を走査させながら組成物に照射
する方法。
【0047】なお、露光後、露光部分の硬化を促進させ
るために、加熱処理(以下、「PEB」という。)を行
うことが好ましい。その加熱条件は、光導波路形成用組
成物の配合組成、添加剤の種類等により変わるが、通
常、30〜200℃、好ましくは50〜150℃であ
る。一方、露光前に、光導波路形成用組成物からなる塗
膜を、室温条件に、1〜10時間放置するだけで、コア
部分の形状を半円形とすることができる。したがって、
半円形のコア部分を得たい場合には、このように露光前
に、室温条件に、数時間放置することが好ましい。この
ようにして所定のパターンに従ってパターン露光し、選
択的に硬化させた薄膜に対しては、硬化部分と未硬化部
分との溶解性の差異を利用して、現像処理することがで
きる。したがって、パターン露光後、未硬化部分を除去
するとともに、硬化部分を残存させることにより、結果
として、コア部分を形成することができる。ここで、現
像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウ
ム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、
ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチル
アミン、メチルジエチルアミン、エタノールアミン、N
―メチルエタノールアミン、N、N―ジメチルエタノール
アミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキ
シド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリ
ン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシ
クロ[4.3.0]−5−ノナンなどの塩基性物質と
水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブ
タノール、オクタノール、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、N−メチルピロリドン、ホルムアミド、N、N―ジメ
チルホルムアミド、 N、N―ジメチルアセトアミド、な
どの溶媒で希釈された溶液を用いることができる。ま
た、現像液中の塩基性物質の濃度を、通常0.05〜2
5重量%、好ましくは0.1〜3.0重量%の範囲内の
値とすることが好ましい。
【0048】また、現像時間は、通常30〜600秒間
であり、また現像方法は液盛り法、ディッピング法、シ
ャワー現像法などの公知の方法を採用することができ
る。現像液として有機溶媒を用いた場合はそのまま風乾
することにより、また、アルカリ水溶液を用いた場合に
は流水洗浄を、例えば30〜90秒間行い、圧縮空気や
圧縮窒素等で風乾させることによって表面上の水分を除
去することにより、パターン状被膜が形成される。次い
で、パターニング部をさらに硬化させるために、ホット
プレートやオーブンなどの加熱装置により、例えば30
〜400℃の温度で5〜600分間ポストベーク処理
し、硬化されたコア部分が形成されることになる。ま
た、酸拡散制御剤をコア、クラッドの両層に添加する場
合、酸拡散制御剤の含有量はコア部分の濃度が高いよう
に設定することが好ましいが、クラッド層をパターニン
グする必要のない場合はクラッド層に酸拡散制御剤を添
加しないで用いることができる。このように構成するこ
とにより、コア部分のパターン精度をより向上させるこ
とができる一方、下層用組成物や上層用組成物では、優
れた保存安定性が得られるとともに、比較的少ない光照
射量で、十分に硬化させることができる。
【0049】上部クラッド層の形成 次いで、コア部分15が形成された下部クラッド層13
の表面に、上層用組成物を塗布し、乾燥またはプリベー
クさせて上層用薄膜を形成する。この上層用薄膜に対
し、光を照射して硬化させることにより、図1に示した
ように上部クラッド層17を形成することができる。ま
た、光の照射によって得られる上部クラッド層は、必要
に応じて、さらに上述したポストベークすることが好ま
しい。ポストベークすることにより、硬度および耐熱性
に優れた上部クラッド層を得ることができる。
【0050】
【実施例】以下の実施例においては基材としてシリコン
ウエハーを用いた。光導波路の形成手順については前述
した手順に従い実施した。本実施例においては下部クラ
ッド層と上部クラッド層を同一組成物を用いた。表1の
実施例―1においては、クラッド層を熱硬化により形成
した。それ以外の実施例ならびに比較例では光硬化によ
りクラッド層を硬化した。コア部分はマスクを用いた露
光により直線光導波路パターンを形成した。下部クラッ
ド層の厚みは15μm、コア部分の厚みは10μm、幅
は10μm、長さ6cm、コア間のスペースは20μm、
上部クラッド層の厚みは15μmになるように実施し
た。また、シングルモード光導波路の設計としてコア部
分の屈折率がクラッド層の屈折率の1.003倍高めに
なるように組成を設計した。
【0051】評価 [圧縮弾性率の評価] 圧縮弾性率はシリコンウエハー上に形成した光導波路を
試験片とし、フィッシャーインストルメント社製 フィ
ッシャースコープH100を用い、25℃、50%の環
境で、下記運転条件で圧縮弾性率/GPaを求めた。 圧子;0.4mmΦのホ゛ール圧子 1)押し込み条件;50mN/100ステップ/0.1秒 2)クリープ;60秒 3)戻り;0.4mN/40ステップ/0.1秒 4)クリープ;60秒
【0052】[表面傷つき性の評価]光ファイバー素線と
の接触を想定した光導波路の表面傷つき性を下記手順に
より評価した。1)2次コート材の圧縮弾性率が2.1
GPaの光ファイバー素線を光導波路上にのせる。 2)厚さ1mm、幅26mm、長さ72mmのガラス板を光フ
ァイバー素線の上に載せる。 3)光ファイバー素線を1mm/秒の速度で5秒間水平に引
き抜く試験後、顕微鏡で光導波路の表面を観察し、傷が
ないものを○、傷が発生するものを×とした。 [切断性の評価]シリコンウエハーの劈開方向と直角にな
るように形成した直線光導波路を劈開面に沿って切断
し、光導波路の断面を電子顕微鏡で観察した。コア/ク
ラッドの界面で剥離が発生しないものを○、剥離が観察
されるものを×とした。 [光伝送損失の評価]シリコンウエハー上に下部クラッド
層15μm、コア部分の厚み10μm、コア部分の幅1
0μm、上部クラッド層15μmの硬化層を形成した長
さ5cmの直線光導波路を試験片とした。波長1.55μ
mでの光伝送損失を測定し、カットバック法により接続
損失を除くことで光伝送損失/(dB/cm)を評価した。
【0053】[ポリシロキサン溶液1(PS1)の製
造]撹拌機付の容器内に、フェニルトリメトキシシラン
(76.9g、0.39モル)と、メチルトリメトキシ
シラン(101.7g、0.75モル)と、電気伝導率
が8×10-5S・cm-1のイオン交換水(45.9g、
2.55モル)と、シュウ酸(0.1g、1.1×10
3モル)とを収容した後、60℃、6時間の条件で加熱
撹拌することにより、フェニルトリメトキシシランおよ
びメチルトリメトキシシランの加水分解を行った。次い
で、容器内にプロピレングリコールモノメチルエーテル
を加えた後、エバポレーターを用いて加水分解により副
生したメタノールを除去した。そして、最終的に固形分
を55重量%に調整したポリシロキサンを含有するプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル溶液を得た。これ
を「ポリシロキサン溶液1(PS1)」とする。
【0054】[ポリシロキサン溶液2(PS2)の製
造]撹拌機付の容器内に、フェニルトリメトキシシラン
(103.65g、0.52モル)と、メチルトリメト
キシシラン(136.99g、1.00モル)と、ジメ
チルジメトキシシラン(24.32g、0.20モル)
と、電気伝導率が8×10-5S・cm-1のイオン交換水
(90.0g、5.0モル)と、シュウ酸(0.15
g、1.66×103モル)とを収容した後、60℃、
6時間の条件で加熱撹拌することにより、フェニルトリ
メトキシシランおよびメチルトリメトキシシラン及びジ
メチルジメトキシシランの加水分解を行った。次いで、
容器内にプロピレングリコールモノメチルエーテルを加
えた後、エバポレーターを用いて加水分解により副生し
たメタノールを除去した。そして、最終的に固形分を5
5重量%に調整したポリシロキサンを含有するプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル溶液を得た。これを
「ポリシロキサン溶液2(PS2)」とする。
【0055】[ポリシロキサン溶液3(PS3)の製
造] (a)アクリルポリマー溶液1 撹拌機付き容器内に、メチルメタアクリレート(450
g, 4.50モル)、メタアクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン(50g, 0.20モル)、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル(600g)、そして
2,2'-アゾビス−(2.4−ジメチルバレロニトリ
ル)(35g, 0.14モル)を収容した後、系内を
窒素置換する。その後、反応容器内温度が70℃に設定
し6時間撹拌する。最終的に固形分濃度を45重量%に
調製しアクリルポリマーを含有するプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル溶液を得た。これを「アクリルポ
リマー溶液1」とする。 (b)ポリシロキサン溶液3 撹拌機付き容器内にアクリルポリマー溶液(133.3
3g)、メチルトリメトキシシラン(231.36g,
1.70モル)、フェニルトリメトキシシラン(19
3.48g, 0.97モル)、電気伝導率が8×10
-5S・cm-1のイオン交換水(108.48g、6.0
モル)、そしてシュウ酸(0.30g, 3.32×1
03モル)を収容した後、60℃、6時間の条件で加熱
撹拌することにより、フェニルトリメトキシシランおよ
びメチルトリメトキシシラン及びアクリルポリマー溶液
の加水分解を行った。次いで、容器内にプロピレングリ
コールモノメチルエーテルを加えた後、エバポレーター
を用いて加水分解により副生したメタノールを除去し
た。そして、最終的に固形分を45重量%に調整したポ
リシロキサンを含有するプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル溶液を得た。これを「ポリシロキサン溶液3
(PS3)」とする。
【0056】[ポリシロキサン溶液4(PS4)の製
造]撹拌機付の容器内に、フェニルトリメトキシシラン
(91.0g、0.46モル)と、メチルトリメトキシ
シラン(100g、0.74モル)と、ジメチルジメト
キシシラン(40.0g、0.32モル)と、電気伝導
率が8×10-5S・cm-1のイオン交換水(76.9
g、4.27モル)と、シュウ酸(0.15g、1.6
6×103モル)とを収容した後、60℃、6時間の条
件で加熱撹拌することにより、フェニルトリメトキシシ
ランおよびメチルトリメトキシシラン及びジメチルジメ
トキシシランの加水分解を行った。次いで、容器内にプ
ロピレングリコールモノメチルエーテルを加えた後、エ
バポレーターを用いて加水分解により副生したメタノー
ルを除去した。そして、最終的に固形分を55重量%に
調整したポリシロキサンを含有するプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル溶液を得た。これを「ポリシロキ
サン溶液4(PS4)」とする。
【0057】[ポリシロキサン溶液5(PS5)の製
造]撹拌機付の容器内に、フェニルトリメトキシシラン
(80.5g、0.41モル)と、メチルトリメトキシ
シラン(137g、1.00モル)と、ジメチルジメト
キシシラン(40.0g、0.33モル)と、電気伝導
率が8×10-5S・cm-1のイオン交換水(90.0
g、5.0モル)と、シュウ酸(0.15g、1.66
×103モル)とを収容した後、60℃、6時間の条件
で加熱撹拌することにより、フェニルトリメトキシシラ
ンおよびメチルトリメトキシシラン及びジメチルジメト
キシシランの加水分解を行った。次いで、容器内にプロ
ピレングリコールモノメチルエーテルを加えた後、エバ
ポレーターを用いて加水分解により副生したメタノール
を除去した。そして、最終的に固形分を55重量%に調
整したポリシロキサンを含有するプロピレングリコール
モノメチルエーテル溶液を得た。これを「ポリシロキサ
ン溶液5(PS5)」とする。
【0058】[コア形成用の光導波路形成用硬化性組成
物Aの調製]上述したポリシロキサン溶液1(PS1)の固形
分換算100重量部に対し、光酸発生剤(みどり化学
(株)社製 TPS−105)1重量部、酸拡散制御剤と
してトリオクチルアミン0.005重量部、表面張力低
下剤(東レ・ダウコーニング(株)製SH28PA)0.
01重量部を添加し、均一に混合し、0.5μmフィル
ターで濾過することにより、コア部分形成用の光導波路
形成用硬化性組成物Aを得た。
【0059】[クラッド形成用の光導波路形成用硬化性
組成物Bの調製]上述したポリシロキサン溶液2(PS2)の
固形分換算100重量部と硬化触媒としてジブチルスズ
ジラウレート 1部を添加し、均一に混合し、を0.5
μmフィルターで濾過することにより、クラッド層形成
用の光導波路形成用硬化性組成物Bを得た。
【0060】[クラッド形成用の光導波路形成用硬化性
組成物Cの調製]上述したポリシロキサン溶液2(PS2)の
固形分換算100重量部に対し、光酸発生剤(みどり化
学(株)社製 TPS−105)2重量部、光増感剤(9-
ヒドロキシメチルアントラセン)0.7重量部、表面張
力低下剤(東レ・ダウコーニング(株)製SH28PA)
0.01重量部を添加し、均一に混合し、0.5μmフ
ィルターで濾過することにより、クラッド層形成用の光
導波路形成用硬化性組成物Cを得た。
【0061】[クラッド形成用の光導波路形成用硬化性
組成物Dの調製]上述したポリシロキサン溶液3(PS3)の
固形分換算100重量部に対し、光酸発生剤(みどり化
学(株)社製 TPS−105)1重量部、光増感剤(9-
ヒドロキシメチルアントラセン)0.2重量部、表面張
力低下剤(東レ・ダウコーニング(株)製SH28PA)
0.01重量部を添加し、均一に混合し、0.5μmフ
ィルターで濾過することにより、クラッド層形成用の光
導波路形成用硬化性組成物Dを得た。
【0062】比較例の光導波路形成用硬化性組成物の調
製 [コア形成用の光導波路形成用硬化性組成物Eの調製]上
述したポリシロキサン溶液4(PS4)の固形分換算100
重量部に対し、光酸発生剤(みどり化学(株)社製 TP
S−105)1重量部、酸拡散制御剤としてトリオクチ
ルアミン0.005重量部、表面張力低下剤(東レ・ダ
ウコーニング(株)製SH28PA)0.01重量部を添
加し、均一に混合し、0.5μmフィルターで濾過する
ことにより、コア部分形成用の光導波路形成用硬化性組
成物Eを得た。 [クラッド形成用の光導波路形成用硬化性組成物Fの調
製]上述したポリシロキサン溶液5(PS5)の固形分換算1
00重量部に対し、光酸発生剤(みどり化学(株)社製
TPS−105)1重量部、光増感剤(9-ヒドロキシメ
チルアントラセン)0.2重量部、表面張力低下剤(東
レ・ダウコーニング(株)製SH28PA)0.01重量
部を添加し、均一に混合し、0.5μmフィルターで濾
過することにより、クラッド層形成用の光導波路形成用
硬化性組成物Fを得た。
【0063】[光導波路の評価結果]前述した試験方法に
基づき、実施例において調製した硬化性組成物を用い、
圧縮弾性率を変量した光導波路を評価した結果を表1に
示す。表1より、圧縮弾性率が****以上において
は、耐表面傷つき性が良好で、切断面でのコア部分/ク
ラッド層の剥離が観察されなかった。また、光学特性と
しての光伝送損失も良好な値を示した。これに対し、圧
縮弾性率が2GPa未満の比較例においては耐表面傷つき
性が不良であり、切断面でのコア部分/クラッド層での
剥離が観察された。以上の結果から本発明の光導波路は
耐表面傷つき性、切断時の剥離がなく良好な力学強度を
示し、光学特性も優れていることがが明らかになった。
【0064】
【表1】 *UV;高圧水銀灯、大気下、光量50mJ/cmで硬化
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、表面傷つき性、切断性
などの力学強度が良好で光学特性が良好な光導波路を提
供することができる。
【0066】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路の断面図である。
【図2】(a)〜(e)は、光導波路の製造方法の一部工
程図である。
【符号の説明】
12 基板 13 下部クラッド層 14 コア用薄膜 15 コア部分 16 光線 17 上部クラッド層 19 フォトマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇高 友広 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA04 PA02 PA21 QA02 QA04 QA05 TA00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部クラッド層、コア部分、上部クラッ
    ド層から構成され、それらのいずれか1層がシリカ系化
    合物から形成されるパターン化された光導波路におい
    て、下部クラッド層、コア部分および上部クラッド層の
    少なくとも1つが圧縮弾性率(E)が2GPa以上であること
    を特徴とする光導波路。
  2. 【請求項2】 シリカ系化合物が下記一般式(1)で表
    される加水分解性シラン化合物、その加水分解物および
    その縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一つの化
    合物の硬化物であることを特徴とする請求項1記載の光
    導波路。 RmSi(X)4-m (1) (Rは炭素数1〜12の非加水分解性の有機基、Xは加水
    分解性基、mは0〜3である)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7457507B2 (en) 2004-12-01 2008-11-25 Sanyo Electric Co., Ltd. Organometallic polymer material

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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