JP2006348162A - プライマー用組成物及びプライマー層の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコン基板とポリシロキサン樹脂層との接着性を高めるためのプライマー用組成物を提供する。
【解決手段】プライマー用組成物は、シリコン基板1と、一般式:(R(RSi(X)4−p−q[式中、Rはフッ素原子を含有する炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基、Rは炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基(ただし、フッ素原子を含有するものを除く。)、Xは加水分解性基、pは1又は2、qは0又は1である。]で表される加水分解性シラン化合物の加水分解物及び/又は該加水分解物の縮合物を含有する組成物を硬化させてなるポリシロキサン樹脂層6とを接着させるためのプライマー層2の材料であり、ジルコニウム化合物及び溶剤を含有する。ジルコニウム化合物としては、アセチルアセトネート基等の加水分解性基を有するものが用いられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン基板と特定のポリシロキサン樹脂層を接着するためのプライマー用組成物に関する。
従来より、基板と樹脂被覆層を接着するためのプライマー用組成物が知られている。
例えば、光導波路や光合波器等の光学装置を作製する際に、基板と、フッ素を含むポリイミド系樹脂被膜との接着性を向上させるために、トリブトキシアセチルアセトネートジルコニウム等の有機ジルコニウム化合物の被膜を中間層として介在させる技術が知られている(特許文献1)。
一方、基板上にジルコニア膜を形成させる技術として、例えば、アセチルアセトネートジルコニウムを基板に塗布した後、200℃以上に加熱して、加水分解、脱水縮合させることによりジルコニア膜を形成させる方法が、知られている(特許文献2)。
特開平7−174930号公報 特開昭63−76881号公報
シリコン基板の異方性エッチングは、70〜90℃程度の高温のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液中で行われる。しかし、シリコン基板上にエッチングマスクとしてポリシロキサン樹脂層を形成させた場合、エッチング中にポリシロキサン樹脂層が剥がれてしまい、エッチングの精度が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、シリコン基板とポリシロキサン樹脂層との接着性を高めるためのプライマー用組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、シリコン基板と特定のポリシロキサン樹脂層の間に、ジルコニウム化合物及び溶剤を含有するプライマー用組成物を特定の温度で硬化させてなるプライマー層を介在させれば、シリコン基板と特定のポリシロキサン樹脂層との接着性が高まり、シリコン基板の異方性エッチングを高精度で行うことができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]を提供するものである。
[1] シリコン基板と、下記一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解物及び/又は該加水分解物の縮合物を含有する組成物を硬化させてなるポリシロキサン樹脂層とを接着させるための、ジルコニウム化合物及び溶剤を含有するプライマー用組成物。
(R(RSi(X)4−p−q (1)
[一般式(1)中、Rはフッ素原子を含有する炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基、Rは炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基(ただし、フッ素原子を含有するものを除く。)、Xは加水分解性基、pは1又は2、qは0又は1である。]
[2] 上記ジルコニウム化合物が、加水分解性基を有するジルコニウム化合物である上記[1]のプライマー用組成物。
[3] 上記ジルコニウム化合物の上記加水分解性基が、アセチルアセトネート基(CH−CO−CH=C(CH)−O−)である上記[2]のプライマー用組成物。
[4] (A)上記[1]〜[3]のいずれかのプライマー用組成物をシリコン基板に塗布する工程と、(B)塗布後の上記プライマー用組成物を320℃以上に加熱してプライマー層を形成させる工程を含むことを特徴とするプライマー層の形成方法。
[5] (A)上記[1]〜[3]のいずれかのプライマー用組成物をシリコン基板に塗布する工程と、(B)塗布後の上記プライマー用組成物を320℃以上に加熱してプライマー層を形成させる工程と、(C)上記プライマー層に、上記一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解物及び/又は該加水分解物の縮合物を含有する組成物を塗布して硬化させ、ポリシロキサン樹脂層を形成させる工程を含むことを特徴とするポリシロキサン樹脂層の形成方法。
本発明のプライマー用組成物を用いて、シリコン基板と特定のポリシロキサン樹脂層の間に中間層(プライマー層)を形成させることによって、シリコン基板と特定のポリシロキサン樹脂層の接着性を高めることができる。
特に、本発明のプライマー用組成物によれば、シリコン基板の異方性エッチングを行う際に、シリコン基板からポリシロキサン樹脂層が剥離せず、高い精度で異方性エッチングを行うことができる。
本発明のプライマー用組成物は、シリコン基板と、一般式(1):
(R(RSi(X)4−p−q (1)
[一般式(1)中、Rはフッ素原子を含有する炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基、Rは炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基(ただし、フッ素原子を含有するものを除く。)、Xは加水分解性基、pは1又は2、qは0又は1である。]
で表される加水分解性シラン化合物の加水分解物及び/又は該加水分解物の縮合物を含有する組成物を硬化させてなるポリシロキサン樹脂層を接着させるためのものであって、ジルコニウム化合物及び溶剤を含有するものである。
[1.シリコン基板]
本発明で用いられるシリコン基板の例としては、表面に被膜を形成させていないシリコンウェハや、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化タンタル等の被膜を表面に形成させてなるシリコンウェハ等が挙げられる。
[2.ポリシロキサン樹脂層]
本発明において、ポリシロキサン樹脂層用の組成物の好ましい例として、(a)上述の一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解物及び/又は該加水分解物の縮合物、及び(b)光酸発生剤、を含む感光性組成物が挙げられる。該感光性組成物は、パターニング性、生産効率等に優れており、シングルモードの光導波路等の材料として好適に用いられる。
以下、該感光性組成物の成分(a)、(b)及び必要に応じて配合される他の成分について詳しく説明する。
[成分(a)]
成分(a)は、一般式(1):
(R(RSi(X)4−p−q (1)
[一般式(1)中、Rはフッ素原子を含有する炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基、Rは炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基(ただし、フッ素原子を含有するものを除く。)、Xは加水分解性基、pは1又は2、qは0又は1である。]
で表される加水分解性シラン化合物の加水分解物及び/又は該加水分解物の縮合物である。
ここで、加水分解性シラン化合物の加水分解物とは、例えば加水分解反応によりアルコキシ基がシラノール基に変化した生成物を意味するばかりでなく、一部のシラノール基同士、あるいはシラノール基とアルコキシ基が縮合した部分縮合物をも意味するものである。
一般式(1)におけるRは、フッ素原子を含有する炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基である。ここで、非加水分解性とは、加水分解性基Xが加水分解される条件において、そのまま安定に存在する性質であることを意味する。このような非加水分解性の有機基の例として、フッ素化アルキル基やフッ素化アリール基等が挙げられる。
フッ素化アルキル基の例としては、トリフルオロメチル基、トリフルオロプロピル基、ヘプタデカフルオロデシル基、トリデカフルオロオクチル基、ノナフルオロヘキシル基等が挙げられる。
フッ素化アリール基の例としては、ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。
中でも、C2n+12m−[mは0〜5の整数、nは1〜12の整数であり、m+nは1〜12である。]で表されるフッ素化アルキル基が好ましく、ヘプタデカフルオロデシル基、トリデカフルオロオクチル基、ノナフルオロヘキシル基等のフッ素含有量が大きく、かつ長鎖のものが特に好ましい。
一般式(1)中のpは、1又は2であり、好ましくは1である。
一般式(1)におけるRは、炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基(ただし、フッ素原子を含有するものを除く。)である。Rは、非重合性の有機基、または重合性の有機基である。
ここで、非重合性の有機基の例としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらを重水素化若しくはハロゲン化したもの等が挙げられる。これらは、直鎖状、分岐状、環状あるいはこれらの組み合わせであってもよい。
アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等が挙げられる。
アリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基、重水素化アリール基、ハロゲン化アリール基等が挙げられる。
アラルキル基の例としては、ベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
ハロゲン化するためのハロゲン原子の例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
重合性の有機基は、分子中にラジカル重合性の官能基およびカチオン重合性の官能基の両方あるいはいずれか一方を有する有機基であることが好ましい。このような官能基を導入することにより、ラジカル重合やカチオン重合を生じさせて、組成物をより効果的に硬化させることができる。
また、重合性の有機基におけるラジカル重合性の官能基、及びカチオン重合性の官能基のうち、より好ましいものは、カチオン重合性の官能基である。光酸発生剤により、シラノール基における硬化反応のみならず、カチオン重合性の官能基における硬化反応を同時に生じさせることができるからである。
一般式(1)中のqは、0又は1であり、好ましくは0である。
一般式(1)におけるXは、加水分解性基である。ここで、加水分解性基とは、通常、1気圧でかつ触媒および過剰の水の存在下において、0〜150℃の温度範囲内で1〜10時間加熱することにより、加水分解されてシラノール基を生成することができる基、もしくはシロキサン縮合物を形成することができる基である。
ここで触媒としては、酸触媒、又はアルカリ触媒が挙げられる。
酸触媒としては、例えば1価もしくは多価の有機酸や無機酸、ルイス酸等が挙げられる。有機酸の例としては、蟻酸、酢酸、シュウ酸等が挙げられる。ルイス酸の例としては、金属化合物、Ti、Zr、Al、B等の無機塩、アルコキシド、カルボキシレート等が挙げられる。
アルカリ触媒の例としては、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物や、アミン類、酸性塩、塩基性塩等が挙げられる。
加水分解に必要な触媒の添加量は、全シラン化合物に対して、好ましくは0.001〜5質量%、より好ましくは0.002〜1質量%である。
加水分解性基Xの例としては、水素原子、炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アシルオキシ基等が挙げられる。
ここで、炭素数1〜12のアルコキシ基の好ましい例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシベンジロキシ基、メトキシエトキシ基、アセトキシエトキシ基、2−(メタ)アクリロキシエトキシ基、3−(メタ)アクリロキシプロポキシ基、4−(メタ)アクリロキシブトキシ基などの他、グリシジロキシ基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エトキシ基等のエポキシ基含有アルコキシ基や、メチルオキセタニルメトキシ基、エチルオキセタニルメトキシ基等のオキセタニル基含有アルコキシ基や、オキサシクロヘキシロキシ等の6員環エーテル基を有するアルコキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子の好ましい例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物の例としては、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジクロロシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルメチルジクロロシラン、3−ヘプタフルオロイソプロポキシプロピルトリエトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。
中でも、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシランや3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン等が好ましい。
本発明においては、前記一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物以外の加水分解性シラン化合物も併用することができる。
このような他の加水分解性シラン化合物の例としては、テトラクロロシラン、テトラアミノシラン、テトラアセトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラベンジロキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン等の4個の加水分解性基を有するシラン化合物;メチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、重水素化メチルトリメトキシシラン等の3個の加水分解性基を有するシラン化合物;あるいはジメチルジクロロシラン、ジメチルジアミノシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン等の2個の加水分解性基を有するシラン化合物等が挙げられる。
他の加水分解性シラン化合物の含有量は、前記一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物との合計量中、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜30質量%である。
加水分解性シラン化合物を加熱して成分(a)を得る方法の例としては、以下に示す1)〜3)の工程からなる方法が挙げられる。ただし、一般式(1)で示される加水分解性シラン化合物の加水分解物において、一部未加水分解の加水分解性基が残っていてもよく、その場合は、加水分解性シラン化合物と加水分解物との混合物となる。
1)一般式(1)に示す加水分解性シラン化合物と酸触媒とを、撹拌機付の容器内に収容する。
2)次いで、得られた溶液の粘度を調節しながら、有機溶媒を容器内に収容し、混合溶液とする。
3)得られた混合溶液を、空気雰囲気中において、有機溶媒もしくは加水分解性シラン化合物の沸点以下の温度で撹拌しながら、水を滴下した後、0〜150℃で、1〜24時間の間加熱撹拌する。なお、加熱撹拌中、必要に応じて蒸留によって混合溶液を濃縮したり、あるいは有機溶媒を置換することも好ましい。
成分(a)は、下記の一般式(2)及び(3)からなる群のうち少なくとも一種以上の構造を有することが好ましい。
Figure 2006348162
[一般式(2)及び(3)中、Rはフッ素原子を含有する炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基、Rはフッ素原子を含んでいてもよい炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基であって、Rと同じでもよい。]
成分(a)が上記構造を有していると、ポリシロキサン樹脂層の耐クラック性等の物性を向上させることができる。さらに、一般式(1)のRは、CF(CF(CH[mは0〜5の整数、nは1〜11の整数であり、m+nは1〜11である。]であることが好ましい。Rがこのような構造を有すると、フォトリソグラフィー法によりポリシロキサン樹脂層からなるエッチングマスクを形成する際のパターニング性や、エッチングマスクの耐クラック性を向上させることができる。
が上記構造を有する場合において、成分(a)はさらに、下記一般式(4)及び(5)からなる群のうち少なくとも一種以上の構造を有することが好ましい。
Figure 2006348162
[一般式(4)及び(5)中、Rはフェニル基又はフッ素化フェニル基、Rはフッ素原子を含んでいてもよい炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基であってRと同じでもよい。]
これらの一般式(4)又は(5)の構造を有する加水分解性化合物の例としては、上述の一般式(1)、または一般式(1)以外の加水分解性シラン化合物の例のうち、フェニル基またはフッ素化フェニル基を有する化合物が挙げられる。中でも、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン等が特に好ましい。
成分(a)が上記構造を有していると、ポリシロキサン樹脂層の耐熱性やパターニング性を向上させることができる。
[成分(b)]
成分(b)は、光酸発生剤である。放射線を照射することにより、成分(b)が分解し、成分(a)を光硬化させる酸性活性物質を放出することができる。
ここで、放射線としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、電子線、α線、γ線等が挙げられる。中でも、紫外線は、一定のエネルギーレベルを有し、硬化速度が大であり、しかも照射装置が比較的安価でかつ小型であることから、好ましく用いられる。
成分(b)としては、例えば、下記一般式(6)で表される構造を有するオニウム塩や、下記一般式(7)で表される構造を有するスルフォン酸誘導体等が挙げられる。
[R 10 W]+m[MZm+n−m (6)
[一般式(6)中、カチオンはオニウムイオンであり、WはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、Cl又は−N≡Nであり、R、R、R及びR10は同一又は異なる有機基であり、a、b、c及びdはそれぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はWの価数に等しい。また、Mはハロゲン化物錯体[MZm+n]の中心原子を構成する金属又はメタロイドであり、例えばB、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Coである。Zは、例えばF、Cl、Br等のハロゲン原子又はアリール基であり、mはハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、nはMの原子価である。]
−〔S(=O)−R11 (7)
[一般式(7)中、Qは1価もしくは2価の有機基、R11は炭素数1〜12の1価の有機基、sは0又は1、tは1又は2である。]
一般式(6)におけるアニオン[MZm+n]の例としては、テトラフルオロボレート(BF )、ヘキサフルオロホスフェート(PF )、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF )、ヘキサフルオロアルセネート(AsF )、ヘキサクロルアンチモネート(SbCl )、テトラフェニルボレート、テトラキス(トリフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロメチルフェニル)ボレート等が挙げられる。
また、一般式(6)におけるアニオン[MZm+n]の代わりに、一般式[MZOH]で表されるアニオンを使用することも好ましい。
さらに、過塩素酸イオン(ClO )、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン(CFSO )、フルオロスルフォン酸イオン(FSO )、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸アニオン、トリニトロトルエンスルフォン酸アニオン等の他のアニオンを有するオニウム塩を使用することもできる。
また、オニウム塩としては芳香族オニウム塩が好ましく、特に好ましくはトリアリールスルホニウム塩、下記一般式(8)で表される化合物、下記一般式(9)で表されるジアリールヨードニウム塩あるいはトリアリールヨードニウム塩である。
Figure 2006348162
[一般式(8)中、R12及びR13は、それぞれ独立して水素原子又はアルキル基、R14は水酸基又は−OR15(但し、R15は1価の有機基である。)を示し、aは4〜7の整数、bは1〜7の整数である。ナフタレン環への各置換基の結合位置は特に限定されない。]
[R16−Ph−I−Ph−R17][Y] (9)
[一般式(9)中、R16及びR17は、それぞれ1価の有機基であり、同一でも異なっていてもよく、R16及びR17の少なくとも一方は、炭素数が4以上のアルキル基を有しており、Ph及びPhはそれぞれ芳香族基であり、同一でも異なっていてもよく、Yは1価の陰イオンであり、周期律表3族、5族のフッ化物陰イオンもしくは、ClO 、CFSO から選ばれる陰イオンである。]
一般式(8)で表される化合物の例としては、4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4,7−ジヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4,7−ジ−t−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。
一般式(9)で表されるジアリールヨードニウム塩の例としては、(4−n−デシロキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムトリフルオロスルホネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメチルスルフォネート等の1種または2種以上の組み合わせが挙げられる。
前記一般式(7)で表されるスルフォン酸誘導体の例としては、ジスルホン類、ジスルホニルジアゾメタン類、ジスルホニルメタン類、スルホニルベンゾイルメタン類、イミドスルホネート類、ベンゾインスルホネート類、1−オキシ−2−ヒドロキシ−3−プロピルアルコールのスルホネート類、ピロガロールトリスルホネート類、ベンジルスルホネート類等が挙げられる。
これらの中で好ましくはイミドスルホネート類であり、さらに好ましくはトリフルオロメチルスルホネート誘導体である。
成分(b)(光酸発生剤)の添加量は特に制限されるものではないが、成分(a)100重量部に対して、通常0.01〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
該添加量が0.1重量部未満では、光硬化性が低下し、十分な硬化速度が得られない傾向がある。一方、該添加量が15重量部を超えると、得られる硬化物の耐候性や耐熱性が低下する傾向がある。該添加量が0.1〜10重量部であると、光硬化性と得られる硬化物の耐候性等とのバランスをより良好にすることができる。
ポリシロキサン樹脂層用の組成物は、成分(a)及び成分(b)に加えて、有機溶媒を含むことができる。有機溶媒を含むことによって組成物の保存安定性を向上させ、かつ適当な粘度を付与することができ、均一な厚さを有するポリシロキサン樹脂層を形成することができる。
有機溶媒としては、エーテル系有機溶媒、エステル系有機溶媒、ケトン系有機溶媒、炭化水素系有機溶媒、アルコール系有機溶媒等が挙げられる。通常、大気圧下での沸点が50〜200℃の範囲内の値を有し、各成分を均一に溶解させることのできる有機溶媒を用いることが、好ましい。
このような有機溶媒の例としては、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、モノアルコール系溶媒、多価アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、含窒素系溶媒、含硫黄系溶媒等が挙げられる。
中でも、組成物の保存安定性の向上の観点から、アルコール類及びケトン類が好ましい。アルコール類及びケトン類の好ましい例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、トルエン、キシレン、メタノール等が挙げられる。
有機溶媒の添加量は、成分(a)100重量部に対して、1〜300重量部、好ましくは2〜200重量部である。1〜300重量部の範囲内であれば、組成物の保存安定性を向上させ、かつ適当な粘度を付与することができ、均一な厚さを有するポリシロキサン樹脂層を形成することができる。
[3.プライマー用組成物]
本発明のプライマー用組成物は、上述のシリコン基板とポリシロキサン樹脂層の間に介在する中間層(プライマー層)を形成するための材料であり、ジルコニウム化合物及び溶剤を含有するものである。
ジルコニウム化合物の例としては、加水分解性基を有するジルコニウム化合物等が挙げられる。
加水分解性基を有するジルコニウム化合物の例としては、テトラブトキシジルコニウム、ジブトキシ(ビス−2,4−ペンタネジオナート)ジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム等のアルコキシ基を有するジルコニウム化合物や、ジルコニウムビス(アセチルアセトネート)ビス(エチルアセトアセテート)、テトラキス(アセチルアセトネート)ジルコニウム、モノブトキシトリス(アセチルアセトネート)ジルコニウム、ジブトキシビス(アセチルアセトネート)ジルコニウム等のアセチルアセトネート基を有するジルコニウム化合物等が挙げられる。
なお、アセチルアセトネート基は、CH−CO−CH=C(CH)−O−の構造を有する基である。
本発明において、アセチルアセトネート基を有するジルコニウム化合物は、貯蔵安定性の観点から好ましく用いられる。
溶剤としては、ジルコニウム化合物を溶解するものであればよく、例えば、各種の有機溶媒が用いられる。
有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、ベンゼン、トルエン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、乳酸エチル等が挙げられる。
中でも、基材への塗布性の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。
プライマー用組成物中のジルコニウム化合物の含有量は、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜15重量%、特に好ましくは1〜10重量%である。
該含有量が0.1重量%未満では、シリコン基板とポリシロキサン樹脂層との接着性を十分に高めることができない。該含有量が20重量%を超えると、プライマー層の塗膜にクラックが生じる。
[4.シリコン基板とポリシロキサン樹脂層の接着方法]
シリコン基板とポリシロキサン樹脂層の接着方法は、(A)プライマー用組成物をシリコン基板に塗布する工程と、(B)塗布後のプライマー用組成物を320℃以上に加熱してプライマー層を形成させる工程と、(C)プライマー層に、前記一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解物及び/又は該加水分解物の縮合物を含有する組成物(ポリシロキサン樹脂層用の組成物)を塗布して硬化させ、ポリシロキサン樹脂層を形成させる工程を含むものである。
[工程(A)]
プライマー用組成物をシリコン基板に塗布する工程である。
プライマー用組成物の塗布方法としては、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法等が挙げられる。中でも、スピンコート法は、均一な厚さを有するプライマー層を形成させることが容易であるため、好ましい。
[工程(B)]
塗布後のプライマー用組成物を320℃以上に加熱してプライマー層を形成させる工程である。
加熱温度は、320℃以上、好ましくは350℃以上である。該温度が320℃未満では、シリコン基板とポリシロキサン樹脂層との接着性を十分に高めることができない。
加熱温度の上限値は、好ましくは600℃以下、より好ましくは500℃以下である。
加熱時間は、加熱温度によっても異なるが、通常、1〜120分間、好ましくは30〜90分間である。
加熱によって、プライマー用組成物中のジルコニウム化合物が加水分解及び脱水縮合して、ジルコニアからなるプライマー層が形成される。
プライマー層の厚さは、好ましくは300nm以下(3,000Å以下)、より好ましくは1〜100nm、特に好ましくは3〜50nmである。
該厚さが300nmを超えると、クラック等の膜荒れを引き起こすことがある。
[工程(C)]
プライマー層に、前記一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解物及び/又は該加水分解物の縮合物を含有する組成物(ポリシロキサン樹脂層用の組成物)を塗布して硬化させ、ポリシロキサン樹脂層を形成させる工程である。
ポリシロキサン樹脂層用の組成物の塗布方法としては、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法等が挙げられる。中でも、スピンコート法は、均一な厚さを有する樹脂層を形成させることが容易であるため、好ましい。
塗布したポリシロキサン樹脂層用の組成物の硬化方法としては、例えば、紫外線等の光を用いて光硬化させる方法が挙げられる。
[5.異方性エッチング]
本発明のプライマー用組成物を用いてシリコン基板を異方性エッチングする方法を、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明のプライマー用組成物を用いてシリコン基板を異方性エッチングする方法の一例を概念的に示すフロー図である。
まず、シリコン基板1を用意する(図1の(a))。スピンコート法を用いて、プライマー用組成物をシリコン基板1に塗布した後、プライマー用組成物を320℃以上に加熱して、プライマー層2を形成させる(図1の(b))。
次に、スピンコート法を用いて、ポリシロキサン樹脂層形成用の組成物3をプライマー層2に塗布する(図1の(c))。次いで、所定のラインパターンを有するフォトマスク4を介して、紫外線等の光5の照射を行う(図1の(d))。
波長200〜450nmの光5を用いる場合、光5の照射は、照度が1〜1000mW/cm、照射量が0.01〜5000mJ/cm、好ましくは0.1〜1000mJ/cmとなるように行なわれる。
光5の照射装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ等の広い面積を同時に照射するランプ光源と、パルス、連続発光等のレーザー光源のいずれか一方又は両方の光源から、ミラー、レンズ、光ファイバーを用いて収束光を生じさせるものを用いることができる
光5の照射によって、組成物3のうち、光が照射された部分のみが硬化する。なお、光が照射された部分の硬化を促進させるために、30〜200℃で加熱することが好ましい。
その後、未硬化の部分を、現像液によって処理し、パターニングされた硬化膜(ポリシロキサン樹脂層)からなるエッチングマスク6を形成させる(図1の(e))。
現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、シャワー現像法等が挙げられる。
現像液としては、アルカリ水溶液、有機溶媒等が挙げられる。
アルカリ水溶液の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エタノールアミン、N―メチルエタノールアミン、N,N―ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノナン等の塩基性物質を含む水溶液が挙げられる。
なお、アルカリ水溶液中の塩基性物質の濃度は、通常、0.05〜25重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブタノール、オクタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、N−メチルピロリドン、ホルムアミド、N,N―ジメチルホルムアミド、N,N―ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
現像時間は、通常、0.5〜10分間程度である。
現像液として有機溶媒を用いた場合には、そのまま風乾することにより、また、アルカリ水溶液を用いた場合には流水洗浄を例えば30〜90秒間行なった後、圧縮空気や圧縮窒素等で風乾させて表面上の水分を除去することにより、パターニングされたエッチングマスクを形成させることができる。
エッチングマスク6をさらに硬化させるために、ホットプレートやオーブン等の加熱装置を用いて、例えば30〜400℃の温度で5分間〜72時間ポストベーク処理してもよい。
エッチングマスク6を形成させた後、フッ化水素水溶液、フッ化アンモニウム含有フッ化水素等の酸性水溶液等を用いて、シリコン基板1を洗浄する。洗浄後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の塩基性化合物を含む強アルカリ水溶液を用いて、シリコン基板1に異方性エッチングを行い、溝7を形成させる(図1の(f))。
なお、塩基性化合物の例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの他、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、エチレンジアミン・ピロカテコール水溶液、ヒドラジン水溶液、コリン水溶液、アンモニア水溶液等が挙げられる。
強アルカリ水溶液中の塩基性化合物の濃度は、通常、0.1〜40重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
異方性エッチングの温度は、好ましくは60〜100℃である。該温度が60℃未満では、エッチング速度が極端に遅くなる欠点がある。該温度が100℃を超えると、低濃度の塩基性エッチャントを用いた時、Si面の表面荒れの欠点がある。
異方性エッチングの終了後、シリコン基板1を純水で十分に水洗し、エア乾燥させる。
本発明を実施例によって説明する。
[1.プライマー組成物の調製]
(1)プライマー用組成物A
ジルコニウム化合物であるジルコニウムビス(アセチルアセトネート)ビス(エチルアセトアセテート)0.6gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル20gに溶解して、プライマー用組成物Aを調製した。
(2)プライマー用組成物B
チタン化合物であるポリ(ジブチルチタネート)0.6gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル20gに溶解して、プライマー用組成物Bを調製した。
(3)プライマー用組成物C
アルミニウム化合物であるアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)0.6gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル20gに溶解して、プライマー用組成物Cを調製した。
[2.ポリシロキサン樹脂層用の組成物の調製]
撹拌機、還流管付のフラスコに、フェニルトリメトキシシラン(30.79g)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン(22.64g)、テトラエトキシシラン(4.62g)、1−メトキシ−2−プロパノール(29.93g)、およびシュウ酸(0.04g)を添加、攪拌した後、溶液の温度を60℃に加熱した。次いで、蒸留水(11.98g)を滴下し、滴下終了後、溶液を120℃にて6時間攪拌した。そして、最終的に固形分を70重量%に調整し、シロキサンオリゴマー溶液を得た。この溶液92.56gに対し、光酸発生剤として1−(4,7−ジ−t−ブトキシ)−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート0.32g、トリ−n−オクチルアミン0.03g、1−メトキシ−2−プロパノール7.09gを添加し、均一に混合することにより、固形分濃度を60重量%に調整した「ポリシロキサン樹脂」を得た。
[3.異方性エッチング及び評価]
(1)実施例1
スピンコート法(2,000rpm/20秒)を用いて、シリコンウェハにプライマー用組成物Aを塗布した後、350℃で1時間加熱し、10nmの厚さのプライマー層を形成させた。
次いで、スピンコート法(1,250rpm/60秒)を用いて、プライマー層に前記のポリシロキサン樹脂層用の組成物を塗布した後、フォトリソグラフィー法によって、L/S=50/50μmのパターン(厚さ:7.5μm)を有するエッチングマスク(ポリシロキサン樹脂層)を形成させた。
なお、フォトリソグラフィー法は、具体的には、紫外線をフォトマスクを介してポリシロキサン樹脂層用の組成物に照射した後、5重量%のTMAH水溶液で現像することにより行った。
現像後、エッチングマスクの硬化を促進させるために、200℃で1時間加熱した。こうしてエッチング用シリコン基板を完成させた。
次に、0.5重量%のフッ化水素水溶液中にエッチング用シリコン基板を30秒間浸漬した。その後、引き上げたエッチング用シリコン基板を70℃に加熱した5重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中に3時間浸漬することによって、異方性エッチングを行い、溝を有するシリコン基板を得た。溝を有するシリコン基板を、純水で十分に水洗し、エア乾燥した。
乾燥後、溝を有するシリコン基板を光学顕微鏡で観察し、シリコン基板とエッチングマスクとの接着性を評価した。エッチングマスクが剥離していたものを「×」、剥離していなかったものを「○」とした。
結果を表1に示す。
(2)実施例2、比較例1〜5
プライマー用組成物の種類及び塗布後の加熱温度を表1に示すものに変えた以外は実施例1と同様にして実験した。結果を表1に示す。
Figure 2006348162
本発明のプライマー用組成物を用いてシリコン基板を異方性エッチングする方法の一例を概念的に示すフロー図である。
符号の説明
1 シリコン基板
2 プライマー層
3 ポリシロキサン樹脂層形成用の組成物
4 フォトマスク
5 光(紫外線)
6 エッチングマスク(ポリシロキサン樹脂層)
7 異方性エッチングによる溝

Claims (5)

  1. シリコン基板と、下記一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解物及び/又は該加水分解物の縮合物を含有する組成物を硬化させてなるポリシロキサン樹脂層とを接着させるための、ジルコニウム化合物及び溶剤を含有するプライマー用組成物。
    (R(RSi(X)4−p−q (1)
    [一般式(1)中、Rはフッ素原子を含有する炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基、Rは炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基(ただし、フッ素原子を含有するものを除く。)、Xは加水分解性基、pは1又は2、qは0又は1である。]
  2. 上記ジルコニウム化合物が、加水分解性基を有するジルコニウム化合物である請求項1記載のプライマー用組成物。
  3. 上記ジルコニウム化合物の上記加水分解性基が、アセチルアセトネート基である請求項2記載のプライマー用組成物。
  4. (A)請求項1〜3のいずれか1項に記載のプライマー用組成物をシリコン基板に塗布する工程と、(B)塗布後の上記プライマー用組成物を320℃以上に加熱してプライマー層を形成させる工程を含むことを特徴とするプライマー層の形成方法。
  5. (A)請求項1〜3のいずれか1項に記載のプライマー用組成物をシリコン基板に塗布する工程と、(B)塗布後の上記プライマー用組成物を320℃以上に加熱してプライマー層を形成させる工程と、(C)上記プライマー層に、上記一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解物及び/又は該加水分解物の縮合物を含有する組成物を塗布して硬化させ、ポリシロキサン樹脂層を形成させる工程を含むことを特徴とするポリシロキサン樹脂層の形成方法。
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