JP2003215792A - 放射線硬化性組成物およびそれを用いた光導波路ならびに光導波路の製造方法 - Google Patents

放射線硬化性組成物およびそれを用いた光導波路ならびに光導波路の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れたパターン精度を有する放射線硬化性組成
物、およびこのような放射線硬化性組成物を用いた光導
波路ならびに光導波路の製造方法を提供する。 【解決手段】下部クラッド層と、コア部分と、上部クラ
ッド層とを含む光導波路において、下部クラッド層、コ
ア部分および上部クラッド層の少なくとも一つが、下記
(A)〜(C)成分を含有してなる放射線硬化性組成物
の硬化物である。(A)一般式(1)で表される加水分
解性ゲルマン化合物、その加水分解物およびその縮合物
からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物 (R1)pGe(X)4-p (1) [一般式(1)中、R1は、炭素数が1〜12である非
加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0
〜3の整数である。] (B)光酸発生剤 (C)有機溶剤

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線硬化性組成
物およびそれを用いた光導波路ならびに光導波路の製造
方法に関する。より詳細には、パターン精度、感度等に
優れた硬化物が得られる放射線硬化性組成物およびそれ
を用いた光導波路ならびに光導波路の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】マルチメディア時代を迎え、光通信シス
テムやコンピュータにおける情報処理の大容量化および
高速化の要求から、光の伝送媒体として光導波路が注目
されている。このような光導波路としては、石英系導波
路が代表的であり、一般に以下の工程により製造されて
いる。 シリコン基板上に、火炎堆積法(FHD)やCVD法
等の手法によりガラス膜よりなる下部クラッド層を形成
する。 下部クラッド層上に、これと屈折率の異なる無機質の
薄膜を形成し、この薄膜を反応性イオンエッチング法
(RIE)を利用してパターニングすることによりコア
部分を形成する。 更に、火炎堆積法によって上部クラッド層を形成す
る。 しかしながら、このような石英系導波路の製造方法で
は、特殊な製造装置が必要であるとともに、製造時間が
長くかかるなどの問題が見られた。
【0003】これに対して、特開平10−254140
号公報にて開示されているように、加水分解性シラン化
合物と、光酸発生剤と、脱水剤とからなる放射線硬化性
組成物に、所定量の光を照射し、所定場所を放射線硬化
させるととともに、未露光部を現像することによりコア
部分等を形成して、光導波路を製造する方法が提案され
ている。このような放射線硬化性組成物を用いた光導波
路の製造方法によれば、従来の石英系導波路の製造方法
と比較して、所定量の光を照射した後に現像するだけ
で、短時間、かつ低コストで光導波路を製造できるとい
う利点を得ることができる。
【0004】また、特開2001−288364号公報
においては、下記(A)〜(C)成分を含有することを
特徴とする放射線硬化性組成物が提案されている。 (A)一般式(1)で表される加水分解性シラン化合
物、その加水分解物およびその縮合物からなる群から選
ばれる少なくとも1つの化合物 (R1)pSi(X)4-p (1) [一般式(1)中、R1は、炭素数が1〜12である非
加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0
〜3の整数である。] (B)光酸発生剤 (C)酸拡散制御剤
【0005】このように放射線硬化性組成物を構成する
ことにより、放射線照射によって生成した酸により、シ
ラン化合物を硬化する一方で、酸の拡散を酸拡散制御剤
で防止することで、パターン精度を高めることができる
としている。しかしながら、酸拡散制御剤の添加は酸を
中和することから硬化性が低下する問題を有していた。
しかしながら、かかる光導波路の製造方法であっても、
露光時間もしくは照度が低い場合、パターン精度が低下
し、微細幅を有する光導波路を形成することが困難な場
合が見られた。これらの原因の一つは組成物の感度が充
分ではないという点であり、より高感度の材料が求めら
れていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情を背景としてなされたものであって、放射線に対
する感度に優れ、優れたパターン精度を有する硬化物が
得られる放射線硬化性組成物、およびそれを用いた光導
波路ならびにこのような光導波路を効率的に製造するこ
とができる方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記
(A)〜(C)成分を含有することを特徴とする放射線
硬化性組成物が提供され、上述した問題を解決すること
ができる。 (A)一般式(1)で表される加水分解性ゲルマン化合
物、その加水分解物およびその縮合物からなる群から選
ばれる少なくとも1つの化合物 (R1)pGe(X)4-p (1) [一般式(1)中、R1は、炭素数が1〜12である非
加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0
〜3の整数である。] (B)光酸発生剤 (C)有機溶剤 このように放射線硬化性組成物を構成することにより、
放射線照射によって生成した酸により、ゲルマン化合物
を硬化することができる。したがって、パターン露光す
ることにより、優れたパターン精度を有する硬化物を得
ることができる。
【0008】本発明にかかる他の放射線硬化性組成物
は、下記(A)’〜(C)成分を含有している。 (A)’一般式(1)で表される加水分解性ゲルマン化
合物および一般式(2)で表される化合物、これらの加
水分解物およびこれらの縮合物からなる群から選ばれる
少なくとも1つの化合物 (R1)pGe(X)4-p (1) [一般式(1)中、R1は、炭素数が1〜12である非
加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0
〜3の整数である。] (R1)pSi(X)4-p (2) [一般式(2)中、R1は、炭素数が1〜12である非
加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0
〜3の整数である。] (B)光酸発生剤 (C)有機溶剤 このように放射線硬化性組成物を構成することによって
も、放射線照射によって生成した酸により、ゲルマン化
合物を硬化することができる。したがって、パターン露
光することにより、優れたパターン精度を有する硬化物
を得ることができる。
【0009】本発明の別の態様によれば、下部クラッド
層と、コア部分と、上部クラッド層とを含む光導波路に
おいて、下部クラッド層、コア部分および上部クラッド
層の少なくとも一つが、上述した(A)〜(C)成分又
は(A)’〜(C)成分を含有してなる放射線硬化性組
成物の硬化物からなる光導波路が提供され、上述した課
題を解決することができる。すなわち、このように光導
波路を構成することにより、優れたパターン精度や、低
導波路損失を有する光導波路を迅速に得ることができ
る。
【0010】また、本発明の別の態様によれば、下部ク
ラッド層と、コア部分と、上部クラッド層とを含む光導
波路の製造方法において、下部クラッド層を形成する工
程と、コア部分を形成する工程と、上部クラッド層を形
成する工程とを含むとともに、これらの少なくとも一つ
の工程が、上述した(A)〜(C)成分又は(A)’〜
(C)成分を含有してなる放射線硬化性組成物を放射線
硬化させて形成する工程である光導波路の製造方法が提
供される。このように実施することにより、優れたパタ
ーン精度を有する光導波路を短時間、かつ簡単なプロセ
スで製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を適宜参照しながら、
本発明の光導波路および光導波路の製造方法に関する実
施形態をそれぞれ具体的に説明する。
【0012】[第1の実施形態]第1の実施形態は、下
記(A)〜(C)成分、必要に応じてさらに(D)〜
(H)成分から選ばれる成分を含んでなる放射線硬化性
組成物に関する実施形態であり、一例として、光導波路
に適用した場合を想定して説明する。(A)一般式
(1)で表される加水分解性ゲルマン化合物、その加水
分解物およびその縮合物からなる群から選ばれる少なく
とも1つの化合物 (R1)pGe(X)4-p (1) [一般式(1)中、R1は、炭素数が1〜12である非
加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0
〜3の整数である。] (B)光酸発生剤 (C)有機溶剤 (D)脱水剤 (E)反応性希釈剤 (F)無機粒子 (G)酸拡散制御剤 (H)表面張力低下剤
【0013】1.適用例 基本的構成 図1は、放射線硬化性組成物を適用して構成した光導波
路の基本的構成を示す断面図である。この図1に示すよ
うに、光導波路10は、紙面に直角方向(奥行き方向)
に伸びる基板12と、この基板12の表面上に形成され
た下部クラッド層13と、この下部クラッド層13上に
形成された、特定の幅を有するコア部分15と、このコ
ア部分15を含む下部クラッド層13上に積層して形成
された上部クラッド層17と、を含んで構成されてい
る。そして、コア部分15は、導波路損失が少なくなる
ように、その側部を含めて、下部クラッド層13および
上部クラッド層17により被覆してあり、全体として埋
設された状態である。また、図2は、図1に示す光導波
路の変形例であり、コア部分15の断面が半円形であっ
て、リッジ18が設けてある点に特徴があるが、基本的
な構成は図1に示す光導波路と同様である。また、図3
は、図1に示す光導波路の変形例であり、複数の光導波
路が交差して、光スイッチを構成してある点に特徴があ
るが、基本的な構成は図1に示す光導波路と同様であ
る。
【0014】厚さおよび幅 以上のような構成の光導波路において、下部クラッド
層、上部クラッド層、およびコア部分の厚さはそれぞれ
特に制限されるものではないが、例えば、下部クラッド
層の厚さを1〜100μm、コア部分の厚さを3〜10
0μm、上部クラッド層の厚さを1〜100μmの範囲
内の値とすることが好ましい。また、コア部分の幅につ
いても特に限定されるものではないが、例えば、1〜1
00μmの範囲内の値とすることが好ましい。
【0015】屈折率 また、コア部分の屈折率を、下部および上部クラッド層
のいずれの屈折率よりも大きくすることが必要である。
したがって、波長1,300〜1,600nmの光に対
して、コア部分の屈折率を1.420〜1.650の範
囲内の値とするとともに、下部クラッド層および上部ク
ラッド層の屈折率をそれぞれ1.400〜1.900の
範囲内の値とすることが好ましい。また、コア部分の屈
折率を、下部および上部クラッド層の屈折率よりも少な
くとも0.05%大きい値とすることが好ましく、より
好ましくは0.1〜36%大きい値である。例えば、シ
ングルモード用光導波路の設計ではコア径8μmで屈折
率差0.3%、マルチモード設計ではコア径8μm未満
で屈折率差0.3%以上のように用いられる。
【0016】2.構成成分1 放射線硬化性組成物の構成成分のうち、(A)成分は、
光硬化成分であって、一般式(1)で表される加水分解
性ゲルマン化合物、その加水分解物およびその縮合物か
らなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である。
【0017】(1)構造 (A)成分の構造を表す一般式(1)中、Xで表される
加水分解性基は、通常、無触媒、過剰の水の共存下、室
温(25℃)〜100℃の温度範囲内で加熱することに
より、加水分解されてゲルマノキサン縮合物を形成する
ことができる基等を指す。また、一般式(1)中の添え
字pは、0〜3の整数であるが、より好ましくは0〜2
の整数であり、特に好ましくは1である。ただし、一般
式(1)で表される(A)成分において、一部のXが加
水分解されていてもよく、その場合は、加水分解性ゲル
マン化合物と加水分解物との混合物となる。
【0018】(2)有機基R1 一般式(1)における有機基R1は、非加水分解性であ
る一価の有機基の中から選ぶことができる。このような
非加水分解性の有機基として、非重合性の有機基および
重合性の有機基あるいはいずれか一方の有機基を選ぶこ
とができる。なお、有機基R1における非加水分解性と
は、加水分解性基Xが加水分解される条件において、そ
のまま安定に存在する性質であることを意味する。
【0019】ここで、非重合性の有機基R1としては、
アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ
る。これらは、直鎖状、分岐状、環状あるいはこれらの
組み合わせであってもよい。また、R1中の水素原子
は、重水素、ハロゲン原子によって置換されていてもよ
い。さらに、非重合性の有機基R1は、ヘテロ原子を含
む構造単位とすることも好ましい。そのような構造単位
としては、エーテル、エステル、スルフィド等を例示す
ることができる。また、ヘテロ原子を含む場合、非塩基
性であることが好ましい。また、重合性の有機基R
1は、分子中にラジカル重合性の官能基およびカチオン
重合性の官能基あるいはいずれか一方の官能基を有する
有機基であることが好ましい。このような官能基を導入
することにより、ラジカル重合やカチオン重合を併用し
て、放射線硬化性組成物をより有効に硬化させることが
できる。
【0020】(3)加水分解性基X 一般式(1)における加水分解性基Xとしては、水素原
子、炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子、ア
ミノ基およびアシルオキシ基等が挙げられる。
【0021】(4)加水分解性ゲルマン化合物の具体例 次に、一般式(1)で表される加水分解性ゲルマン化合
物(単に、「ゲルマン化合物」と称する場合がある。)
の具体例を説明する。
【0022】まず、非重合性の有機基R1を有するゲル
マン化合物としては、テトラクロロゲルマン、テトラア
ミノゲルマン、テトラアセトキシゲルマン、テトラメト
キシゲルマン、テトラエトキシゲルマン、テトラブトキ
シゲルマン、テトラフェノキシゲルマン、テトラベンジ
ロキシゲルマン、トリメトキシゲルマン、トリエトキシ
ゲルマン等の4個の加水分解性基で置換されたゲルマン
化合物が挙げられる。また、同様に、メチルトリクロロ
ゲルマン、メチルトリメトキシゲルマン、メチルトリエ
トキシゲルマン、メチルトリブトキシゲルマン、エチル
トリメトキシゲルマン、エチルトリイソプロポキシゲル
マン、エチルトリブトキシゲルマン、ブチルトリメトキ
シゲルマン、ペンタフルオロフェニルトリメトキシゲル
マン、フェニルトリメトキシゲルマン、d3−メチルト
リメトキシゲルマン、ノナフルオロブチルエチルトリメ
トキシゲルマン、トリフルオロメチルトリメトキシゲル
マン等の3個の加水分解性基で置換されたゲルマン化合
物が挙げられる。また、同様に、ジメチルジクロロゲル
マン、ジメチルジアミノゲルマン、ジメチルジアセトキ
シゲルマン、ジメチルジメトキシゲルマン、ジフェニル
ジメトキシゲルマン、ジブチルジメトキシゲルマン等の
2個の加水分解性基で置換されたゲルマン化合物、及び
トリメチルクロロゲルマン、トリメチルゲルマン、トリ
ブチルゲルマン、トリメチルメトキシゲルマン、トリブ
チルエトキシゲルマン等の1個の加水分解性基で置換さ
れたゲルマン化合物を挙げることができる。
【0023】また、重合性の有機基R1を有するゲルマ
ン化合物としては、Xにおける非加水分解性の有機基に
重合性の有機基R1を含むゲルマン化合物、Xにおける
加水分解性の有機基に重合性の有機基R1を有するゲル
マン化合物のいずれかを用いることができる。
【0024】また、上述したゲルマン化合物を加水分解
または縮合させるための条件は、特に制限されるもので
はないが、一例として、以下に示す1)〜3)の工程に
よって実施するのが好ましい。 1)一般式(1)に示す加水分解性ゲルマン化合物と、
所定量の水とを、撹拌機付の容器内に収容する。 2)次いで、溶液の粘度を調節しながら、有機溶媒を容
器内にさらに収容し、混合溶液とする。 3)得られた混合溶液を、空気雰囲気中、0℃から有機
溶媒もしくは加水分解性ゲルマン化合物の沸点以下の温
度で、1〜24時間の間加熱撹拌する。なお、加熱撹拌
中、必要に応じて蒸留によって混合溶液を濃縮したり、
あるいは溶剤を置換することも好ましい。
【0025】また、上述したゲルマン化合物を加水分
解、縮合させる際には、触媒を使用することも好まし
い。このような触媒の種類としては、金属キレート化合
物、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基等を挙げるこ
とができる。
【0026】なお、これら触媒のうち、金属キレート化
合物、有機酸、無機酸が好ましく、より好ましくは、チ
タンキレート化合物、有機酸を挙げることができる。こ
れらは1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
また、上述した触媒の使用量は、A成分であるゲルマン
化合物100重量部に対して、通常、0.001〜10
重量部の範囲であり、好ましくは0.01〜10重量部
の範囲である。
【0027】(5)加水分解物の重量平均分子量 次に、(A)成分としての加水分解性ゲルマン化合物
は、加水分解性基を一部または全部が加水分解した加水
分解物であることも好ましく、その場合、加水分解物の
重量平均分子量を、500〜10,000の範囲内の値
とするのが好ましい。この理由は、加水分解物における
重量平均分子量の値が500未満の場合、塗膜の成膜性
が低下する場合があるためであり、一方、10,000
を越えると光硬化性が低下する場合があるためである。
したがって、加水分解物における重量平均分子量を、
1,000〜5,000の範囲内の値とすることがより
好ましい。なお、加水分解物における重量平均分子量
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、
「GPC」と略記する。)を用い、ポリスチレン換算の
重量平均分子量として測定することができる。本発明に
おいては、加水分解性ゲルマン化合物と加水分解性シラ
ン化合物(一般式2の化合物)を併用することができ
る。加水分解性シラン化合物としては、トリメトキシシ
ラン、トリエトキシシラン、トリ−n−プロポキシシラ
ン、トリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−
n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキ
シシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジ
エチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジエトキシシラン、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシ
ラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n
−ブトキシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テ
トラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシシ
ランなどを挙げることができる。加水分解性ゲルマン化
合物と加水分解性シラン化合物との使用割合は、通常
1:99〜99:1(仕込モル比)である。加水分解性
シラン化合物は加水分解性ゲルマン化合物とは別に加水
分解、縮合したものを加水分解性ゲルマン化合物の加水
分解縮合物に添加することもできるが、本発明において
は、加水分解性シラン化合物は加水分解性ゲルマン化合
物と共縮合することが好ましい。好ましい加水分解性シ
ラン化合物と加水分解性ゲルマン化合物の組み合わせと
しては、3官能性ゲルマン化合物と3官能性シラン化合
物、2官能性ゲルマン化合物と3官能性シラン化合物、
4官能性ゲルマン化合物と2官能性シラン化合物などを
挙げることができる。
【0028】3.構成成分2 (B)成分は、光酸発生剤であり、紫外線等の放射線を
照射することにより、(A)成分である加水分解性ゲル
マン化合物を光硬化(架橋)可能な酸性活性物質を放出
することができる化合物と定義される。
【0029】(1)種類 光酸発生剤の種類としては、一般式(2)で表される構
造を有するオニウム塩(第1群の化合物)や、一般式
(3)で表される構造を有するスルホン酸誘導体(第2
群の化合物)を挙げることができる。
【0030】 [R2 a3 b4 c5 dW]+m[MZm+n]-m (2) [一般式(2)中、カチオンはオニウムイオンであり、
WはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、
Br、Clまたは−N≡Nであり、R2、R3、R 4およ
びR5は同一または異なる有機基であり、a、b、cお
よびdはそれぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c
+d)はWの価数に等しい。また、Mはハロゲン化物錯
体[MZm+n]の中心原子を構成する金属またはメタロイ
ドであり、例えばB、P、As、Sb、Fe、Sn、B
i、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、
Mn、Coである。Zは、例えばF、Cl、Br等のハ
ロゲン原子またはアリール基であり、mはハロゲン化物
錯体イオンの正味の電荷であり、nはMの原子価であ
る。]
【0031】Qs−〔S(=O)2−R6t (3) [一般式(3)中、Qは1価もしくは2価の有機基、R
6は炭素数1〜12の一価の有機基、添え字sは0又は
1、添え字tは1又は2である。]
【0032】まず、第1群の化合物であるオニウム塩
は、光を受けることにより酸性活性物質を放出すること
ができる化合物である。ここで、一般式(2)における
アニオン[MZm+n]の具体例としては、テトラフルオロ
ボレート(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェート(P
6 -)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6 -)、
ヘキサフルオロアルセネート(AsF6 -)、ヘキサクロ
ルアンチモネート(SbCl6 -)、テトラフェニルボレ
ート、テトラキス(トリフルオロメチルフェニル)ボレ
ート、テトラキス(ペンタフルオロメチルフェニル)ボ
レート等が挙げられる。
【0033】また、一般式(2)におけるアニオン[M
m+n]の代わりに、一般式[MZnOH-]で表されるアニ
オンを使用することも好ましい。さらに、過塩素酸イオ
ン(ClO4 -)、トリフルオロメタンスルホン酸イオン
(CF3SO3 -)、フルオロスルホン酸イオン(FSO3
-)、トルエンスルホン酸イオン、トリニトロベンゼン
スルホン酸アニオン、トリニトロトルエンスルホン酸ア
ニオン等の他のアニオンを有するオニウム塩を使用する
こともできる。
【0034】次に、第2群の化合物について説明する。
一般式(3)で表されるスルホン酸誘導体の例を示す
と、ジスルホン類、ジスルホニルジアゾメタン類、ジス
ルホニルメタン類、スルホニルベンゾイルメタン類、イ
ミドスルホネート類、ベンゾインスルホネート類、1−
オキシ−2−ヒドロキシ−3−プロピルアルコールのス
ルホネート類、ピロガロールトリスルホネート類、ベン
ジルスルホネート類を挙げることができる。また、一般
式(3)で表されるスルホン酸誘導体の中で、より好ま
しくはイミドスルホネート類であり、さらに好ましくは
イミドスルホネートのうち、トリフルオロメチルスルホ
ネート誘導体である。
【0035】(2)添加量 次に、(B)成分としての光酸発生剤の添加量(含有割
合)について説明する。かかる光酸発生剤の添加量は特
に制限されるものではないが、(A)成分100重量部
に対して、通常0.1〜15重量部の範囲内の値とする
のが好ましい。なお、ここで(A)成分の量は、一般式
(1)で表される化合物が完全に加水分解し、かつ完全
に縮合した縮合物の重量に換算したものとする。この理
由は、光酸発生剤の添加量が0.1重量部未満となる
と、光硬化性が低下し、十分な硬化速度が得られない場
合があるためであり、一方、光酸発生剤の添加量が15
重量部を超えると、得られる硬化物の耐候性や耐熱性が
低下する場合があるためである。したがって、光硬化性
と得られる硬化物の耐候性等とのバランスがより良好と
なることから、(B)成分としての光酸発生剤の添加量
を、(A)成分100重量部に対して、1〜10重量部
の範囲内の値とすることがより好ましい。
【0036】また、放射線硬化性組成物において、上述
した光酸発生剤と併用して光増感剤を配合することも好
ましい。この理由は、光増感剤を併用することにより、
光等のエネルギー線をより効果的に吸収することがで
き、光酸発生剤の感度を向上させることができるためで
ある。
【0037】このような光増感剤としては、アントラセ
ン、シアノアントラセン、ブロムアントラセン、クロル
アントラセン、2-エチルー9、10―ジメトキシアントラ
セン、9−ヒドロキシメチルアントラセン、などのアン
トラセン誘導体、アントラキノン、2−ヒドロキシメチ
ルアントキノン、エチルアントラキノン、アントラキノ
ン誘導体、チオキサントン、クロルチオキサントン、ジ
エチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、
3−(ジエチルチオキサントニルオキシ)ー2―ヒドキ
シートリメチルアンモニウム、チオキサントンなどのチ
オキサントン誘導体、ベンゾフェノン、オルトベンゾイ
ル安息香酸メチル、[4−(メチルフェニルチオ)フェ
ニル]フェニルメタン、4、4‘―ビスジエチルアミノ
ベンゾフェノン、4−ベンゾイルビフェニル、1、4−
ジベンゾイルベンゼン、などのベンゾフェノン誘導体、
ベンジル、ナフタレン、ベンゾイルナフタレン、などの
ナフタレン誘導体、10―ブチルー2―クロロアクリド
ン、アクリドンなどのアクリドン誘導体、ペリレン誘導
体、6−メチルクマリン、ジエチルアミノ−4−メチル
クマリン、7−ヒドロキシ4−メチルクマリン、クマリ
ン、などのクマリン誘導体、ジメチルアミノ安息香酸エ
チル、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、などのアミ
ノ安息香酸エステル誘導体、アクリジン、1、7−ジア
クリジルヘプタン、9−ヒドロキシ4−メチキシアクリ
ジン、などのアクリジン誘導体、N―オクチルービス
(α―モルフォニルジメチルアセチル)カルバゾール、
エチルカルバゾール、メチルカルバゾール、などのカル
バゾール誘導体などを挙げることができる。これらの中
で好ましい化合物はアントラセン、チオキサントン誘導
体、ベンゾフェノン誘導体を挙げることができる。ま
た、これらの光増感剤中で、より好ましい化合物は、ジ
エチルチオキサントンおよびブプロムアントラセンであ
る。
【0038】4.構成成分3 (C)成分は、有機溶媒である。有機溶媒を添加するこ
とにより、放射線硬化性組成物の保存安定性が向上する
とともに、適当な粘度を得ることができるため、均一な
厚さを有する光導波路を形成することができる。
【0039】(1)種類 有機溶媒の種類としては、本発明の目的、効果を損なわ
ない範囲で選ぶことができるが、通常、大気圧下での沸
点が50〜200℃の範囲内の値を有する有機化合物で
あって、各構成成分を均一に溶解させる有機化合物であ
ることが好ましい。したがって、エーテル系有機溶媒、
エステル系有機溶媒、ケトン系有機溶媒、芳香族炭化水
素系有機溶媒、アルコール系有機溶媒からなる群から選
択される少なくとも一つの化合物を挙げることができ、
さらに好ましくは、アルコール類およびケトン類が挙げ
られる。この理由は、これらの有機溶媒を使用すること
により、放射線硬化性組成物の保存安定性をより向上さ
せることができるためである。また、より好ましい有機
溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピ
レングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリ
コールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチル
エーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル
等のアルコール類、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロ
ピル、乳酸ブチル、乳酸アミル、乳酸オクチルなどのα
-ヒドロキシエステル類、4−ヒドロキシー4−メチル
ー2−ペンタノン、4−ヒドロキシー2−ペンタノン、
5−ヒドロキシー5−メチルー3−ヘプタノンなどのケ
トン類からなる群から選択される少なくとも一つの化合
物が挙げられる。
【0040】(2)添加量 また、有機溶媒の添加量を、放射線硬化性組成物の全体
量を100重量%としたときに、10〜99重量%の範
囲内の値とすることが好ましい。かかる有機溶媒の添加
量が10重量%未満となると、放射線硬化性組成物の粘
度調整が困難となる場合があるためであり、一方、有機
溶媒の添加量が99重量%を超えると、十分な厚さを有
する光導波路等を形成することが困難となる場合がある
ためである。有機溶媒である。有機溶媒を添加すること
により、放射線硬化性組成物の保存安定性が向上すると
ともに、適当な粘度を得ることができるため、均一な厚
さを有する光導波路を形成することができる。例えば、
エーテル系有機溶媒、エステル系有機溶媒、ケトン系有
機溶媒、芳香族炭化水素系有機溶媒、アルコール系有機
溶媒からなる群から選択される少なくとも一つの化合物
を挙げることができ、さらに好ましくは、アルコール類
およびケトン類が挙げられる。また、有機溶媒の添加量
を、放射線硬化性組成物の全体量を100重量%とした
ときに、10〜99重量%の範囲内の値とすることが好
ましい。
【0041】5.構成成分4 (D)成分は、脱水剤である。この脱水剤は、化学反応
により水以外の物質に変換する化合物、物理吸着または
包接により、放射線硬化性および保存安定性に悪影響を
与えなくする化合物と定義される。すなわち、このよう
な脱水剤を含有することにより、放射線硬化性組成物の
耐候性や耐熱性を損なうことなく、保存安定性や放射線
硬化性という相反する特性を向上させることができる。
この理由としては、外部から侵入してくる水を、脱水剤
が有効に吸収するために放射線硬化性組成物の保存安定
性が向上し、一方、放射線硬化反応である縮合反応にお
いては、生成した水を順次に脱水剤が有効に吸収するた
めに放射線硬化性組成物の放射線硬化性が向上するもの
と考えられる。
【0042】6.構成成分5 (E)成分は、反応性希釈剤である。反応性希釈剤を添
加することにより、得られる光導波路の硬化収縮を低減
したり、機械的強度を制御することができる。また、ラ
ジカル重合性の反応性希釈剤を用いた場合には、さらに
ラジカル発生剤を添加することにより、光反応性を調節
することができる。さらに、カチオン重合性の反応性希
釈剤を用いた場合には、光反応性や機械的特性について
も調節することもできる。
【0043】7.構成成分6 (F)成分は、無機粒子である。無機粒子を添加(配
合)することにより、光導波路を形成する際の硬化収縮
を低減したり、あるいは、形成された光導波路の機械的
特性や耐熱性を向上させることができる。使用する無機
粒子としては、平均粒径が50nm以下のシリカ、アル
カリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、およびTi、Z
r、Al、B、Sn、P等の酸化物を挙げることがで
き、好ましくは有機溶剤に分散したコロイド状の分散液
を用いることができる。(F)成分である無機粒子の添
加量は、特に制限されるものではないが、例えば(A)
成分100重量部に対して10〜250重量部の範囲内
の値とすることが好ましい。
【0044】8.構成成分7 (G)成分は、酸拡散制御剤であり、露光により(B)
成分の酸発生剤から生じた酸のレジスト被膜中における
拡散現象を制御し、非露光領域での硬化反応を抑制する
作用を有する化合物と定義される。ただし、定義上、
(B)成分の酸発生剤と区別するため、(G)成分の酸
拡散制御剤は酸発生機能を有しない化合物である。この
ような酸拡散制御剤を添加することにより、放射線硬化
性組成物を効果的に硬化して、優れたパターン精度を得
ることができる。具体例としては、例えば、n−ヘキシ
ルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、
n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキル
アミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルア
ミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミ
ン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、
ジ−n−デシルアミン等のジアルキルアミン類;トリエ
チルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブ
チルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘ
キシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−
オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−
デシルアミン等のトリアルキルアミン類;テトラメチル
アンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモ
ニウムハイドロオキサイド、テトラプロピルアンモニウ
ムハイドロオキサイド等のテトラアルキルアミン塩類;
アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニ
リン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−
メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミ
ン、トリフェニルアミン、1−ナフチルアミン等の芳香
族アミン類;エタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類等を挙
げることができる。また、酸拡散制御剤の添加量を、
(A)成分100重量部に対して、0.001〜15重
量部の範囲内とすることが好ましい。この理由は、かか
る酸拡散制御剤の添加量が0.001重量部未満では、
プロセス条件によっては、光導波路のパターン形状や寸
法再現性が低下する場合があるためであり、一方、かか
る酸拡散制御剤の添加量が15重量部を超えると、
(A)成分の光硬化性が低下する場合があるためであ
る。したがって、酸拡散制御剤の添加量を、(A)成分
100重量部に対して、0.001〜10重量部の範囲
内の値とすることがより好ましく、0.005〜5重量
部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。(H)表面
張力低下剤は本発明の放射線硬化性組成物のコーテイン
グする工程における塗膜のはじき、凹凸、うねりなど、
表面張力の不適合に由来するコーテイング性能を改善す
る目的で添加され、微量の添加で表面張力を低減する機
能を有する化合物から選ばれる。そのような表面張力低
下剤は市販されている界面活性剤、レベリング材、消泡
剤、脱泡剤、整泡剤及び塗料添加剤の中から選ぶことが
できる。表面張力低下剤は基本的には極性基と疎水性基
の両者を含有する化合物である。構造的にはシリコーン
系、有機系、フッ素系の製品が市販されており、これら
は極性基のイオン性から、それぞれアニオン系、ノニオ
ン性、カチオン性、両性、に類別される。表面張力低下
剤は以上述べた化合物の中から選択することができる
が、本発明の主たる構成成分であるアミノポリシロキサ
ンとの相溶性が高いことと微量で効果が得られることか
ら、シリコーン系もしくはフッ素系の表面張力低下剤が
好ましい。シリコーン系表面張力低下剤としてはポリエ
ーテル変性シリコーン類、ポリエステルシリコーン類、
アルキル変性シリコーン類、アクリルシリコーン類など
から選ばれるが、より好ましくはこれらの中でノニオン
系であり特にポリエーテル変性シリコーン類の表面張力
低下剤が選ばれる。また、フッ素系としてはフルオロア
ルキルシリコーン類、フルオロアルキルカルボン酸類、
フルオロアルキルアルコール類、フルオロアルキルエー
テル類、フルオロアルキル4級アンモニウム塩などから
選ばれる。これらの中から単独もしくは2種以上混合し
て配合することができる。表面張力低下剤の添加量は放
射線硬化性組成物100重量部に対して、0.1〜0.0001部、
好ましくは0.1〜0.001部である。また、組成物中の乾燥
後の固形分100重量部に対しては、1〜0.001部、好まし
くは1〜0.01部である。表面張力低下剤の添加量が0.000
1未満の場合、本発明の光導波路の均質性、平滑性が低
下する場合があり、一方、0.1を越えて添加する場合、
光導波路の耐久性が低下する。 9.添加剤 放射線硬化性組成物には、本発明の目的や効果を損なわ
ない範囲において、上述した構成成分以外に添加剤とし
て、高分子樹脂、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリクロロプレン樹
脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−
ブタジエンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹
脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、フッ素系ポリマー、
シリコーン系ポリマーを添加することが好ましい。
【0045】[第2の実施形態]第2の実施形態は、放
射線硬化性組成物の硬化方法に関する実施形態であり、
光導波路の製造を例に取って説明する。なお、光導波路
を製造するにあたり、下部クラッド層、コア部分および
上部クラッド層の各層を形成する工程を含むとともに、
少なくとも一つの工程が、第1の実施形態で説明した
(A)〜(G)成分を含有してなる放射線硬化性組成物
を塗工した後、放射線により硬化させる工程である。
【0046】1.放射線硬化性組成物の調製 光導波路を構成する下部クラッド層、コア部分および上
部クラッド層を形成するための放射線硬化性組成物、す
なわち下層用組成物、コア用組成物および上層用組成物
は、それぞれ、第1の実施形態で説明した加水分解性ゲ
ルマン化合物や光酸発生剤等を、常法にしたがって混合
撹拌することにより、調製することができる。
【0047】また、調製された下層用組成物、コア用組
成物および上層用組成物としては、それぞれ、最終的に
得られる各部の屈折率の関係が、光導波路に要求される
条件を満足するように、互いに異なる放射線硬化性組成
物を用いることが好ましい。したがって、(A)成分の
加水分解性ゲルマン化合物の種類等を適宜選択すること
により、異なる屈折率を有する硬化膜が得られる放射線
硬化性組成物とすることができる。そして、屈折率の差
が適宜の大きさとなるような二種または三種の放射線硬
化性組成物を用い、最も高い屈折率の硬化膜を与える放
射線硬化性組成物をコア用組成物とし、他の放射線硬化
性組成物を下層用組成物および上層用組成物として用い
ることが好ましい。ただし、下層用組成物と上層用組成
物とは同一の放射線硬化性組成物であってもよく、通常
は同一の組成物であることが、経済的に有利であり、製
造管理も容易となることからより好ましい。
【0048】また、各放射線硬化性組成物を調製する際
に、その粘度を、1〜10,000cps(25℃)の
範囲内の値とすることが好ましく、5〜8,000cp
s(25℃)の範囲内の値とすることがより好ましく、
10〜2,000cps(25℃)の範囲内の値とする
ことがさらに好ましい。この理由は、各放射線硬化性組
成物の粘度がこれらの範囲外の値となると、取り扱いが
困難になったり、均一な塗膜を形成することが困難とな
る場合があるためである。なお、放射線硬化性組成物の
粘度は、反応性希釈剤や有機溶媒の配合量によって、適
宜調整することができる。
【0049】2.形成方法 第2の実施形態の好適な態様によれば、光導波路10
は、図4に示すような工程を経て形成される。すなわ
ち、下部クラッド層13、コア部分15および上部クラ
ッド層(図示せず。)を、いずれも、それらの層を形成
するための放射線硬化性組成物を塗工したのち、放射線
硬化することにより形成することが好ましい。なお、以
下の形成例では、下部クラッド層、コア部分および上部
クラッド層を、それぞれ硬化後において屈折率が異なる
硬化物が得られる放射線硬化性組成物である下層用組成
物、コア用組成物、および上層用組成物から形成するこ
とを想定して、説明する。
【0050】基板の準備 まず、図4(a)に示すように、平坦な表面を有する基
板12を用意する。この基板12の種類としては、特に
制限されるものではないが、例えば、シリコン基板やガ
ラス基板等を用いることができる。
【0051】下部クラッド層の形成工程 用意した基板12の表面に、下部クラッド層13を形成
する工程である。具体的には、図4(b)に示すよう
に、基板12の表面に、下層用組成物を塗布し、乾燥ま
たはプリベークさせて下層用薄膜を形成する。そして、
この下層用薄膜に、放射線を照射することにより硬化さ
せて、下部クラッド層13を形成することができる。な
お、下部クラッド層13の形成工程では、薄膜の全面に
放射線を照射し、その全体を硬化することが好ましい。
【0052】ここで、下層用組成物を塗布方法として
は、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法、バ
ーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グラ
ビア印刷法、シルクスクリーン法、またはインクジェッ
ト法等の方法を用いることができる。このうち、特に均
一な厚さの下層用薄膜が得られることから、スピンコー
ト法を採用することがより好ましい。また、下層用組成
物のレオロジー特性を塗布方法に適切に対応したものと
するために、各種レベリング剤、チクソ付与剤、フィラ
ー、有機溶媒、界面活性剤等を必要に応じて配合するこ
とが好ましい。また、下層用組成物からなる下層用薄膜
は、塗布後、50〜200℃でプリベークすることが好
ましい。なお、下部クラッド層の形成工程における塗布
方法や、レオロジー特性の改良等については、後述する
コア部分の形成工程や、上部クラッド層の形成工程にお
いてもあてはまる内容である。
【0053】また、下部クラッド層を形成する際の放射
線の照射量についても、特に制限されるものでは無い
が、波長150〜390nm、照度1〜500mW/c
2の放射線を、照射量が1〜5,000mJ/cm2
なるように照射して、露光することが好ましい。ここ
に、照射される放射線の種類としては、可視光、紫外
線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を用いることが
できるが、特に紫外線が好ましい。そして、放射線(紫
外線)の照射装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、
低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマラン
プ等を用いることが好ましい。また、露光後に、塗膜全
面が十分硬化するように、さらに加熱処理(以下、「ポ
ストベーク」という。)を行うことが好ましい。この加
熱条件は、放射線硬化性樹脂組成物の配合組成、添加剤
の種類等により変わるが、通常、30〜400℃、好ま
しくは50〜300℃で、例えば5分間〜72時間の加
熱条件とすれば良い。なお、下部クラッド層の形成工程
における放射線の照射量、種類、および放射線(紫外
線)の照射装置等については、後述するコア部分の形成
工程や、上部クラッド層の形成工程においてもあてはま
る内容である。
【0054】コア部分の形成 次に、この下部クラッド層13上に、図4(c)に示す
ように、コア用組成物を塗布し、乾燥またはさらにプリ
ベークさせてコア用薄膜14を形成する。その後、図4
(d)に示すように、コア用薄膜14の上面に対して、
所定のパターンに従って、例えば所定のラインパターン
を有するフォトマスク19を介して放射線16の照射を
行うことが好ましい。これにより、放射線が照射された
箇所のみが硬化するので、それ以外の未硬化の部分を現
像除去することにより、図4(e)に示すように、下部
クラッド層13上に、パターニングされた硬化膜よりな
るコア部分15を形成することができる。
【0055】また、コア部分15を形成するためのコア
用薄膜14に対する放射線16の照射は、所定のパター
ンを有するフォトマスク19に従って行われた後、現像
液により未露光部分を現像することにより、未硬化の不
要な部分が除去され、これによってコア部分15が形成
される。このように所定のパターンに従って放射線の照
射を行う方法としては、放射線の透過部と非透過部とか
らなるフォトマスクを用いる方法に限られず、例えば、
以下に示すa〜cの方法が挙げられる。 a.液晶表示装置と同様の原理を利用した、所定のパタ
ーンに従って放射線透過領域と放射線不透過領域とより
なるマスク像を電気光学的に形成する手段を利用する方
法。 b.多数の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、
この導光部材における所定のパターンに対応する光ファ
イバーを介して放射線を照射する方法。 c.レーザ光、あるいはレンズ、ミラー等の集光性光学
系により得られる収束性放射線を走査させながら放射線
硬化性組成物に照射する方法。なお、露光後、露光部分
の硬化を促進させるために、加熱処理(以下、「PE
B」という。)を行うことが好ましい。その加熱条件
は、放射線硬化性組成物の配合組成、添加剤の種類等に
より変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50
〜150℃である。一方、露光前に、放射線硬化性組成
物からなる塗膜を、室温条件に、1〜10時間放置する
だけで、コア部分の形状を半円形とすることができる。
したがって、半円形のコア部分を得たい場合には、この
ように露光前に、室温条件に、数時間放置することが好
ましい。
【0056】このようにして所定のパターンに従ってパ
ターン露光し、選択的に硬化させた薄膜に対しては、硬
化部分と未硬化部分との溶解性の差異を利用して、現像
処理することができる。したがって、パターン露光後、
未硬化部分を除去するとともに、硬化部分を残存させる
ことにより、結果として、コア部分を形成することがで
きる。
【0057】ここで、現像液としては、有機溶媒、ある
いは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモ
ニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルア
ミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メ
チルジエチルアミン、N−メチルピロリドン、ジメチル
エタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチ
ルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウ
ムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,
8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、
1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノナンな
どのアルカリ類からなるアルカリ水溶液等を用いること
ができる。また、アルカリ水溶性を使用する場合、その
濃度を、通常0.05〜25重量%、好ましくは0.1
〜3.0重量%の範囲内の値とすることが好ましい。な
お、このようなアルカリ水溶液に、メタノール、エタノ
ールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤などを適当量添
加して、現像液として使用することも好ましい。
【0058】また、現像時間は、通常30〜600秒間
であり、また現像方法は液盛り法、ディッピング法、シ
ャワー現像法などの公知の方法を採用することができ
る。現像液として有機溶媒を用いた場合はそのまま風乾
することにより、また、アルカリ水溶液を用いた場合に
は流水洗浄を、例えば30〜90秒間行い、圧縮空気や
圧縮窒素等で風乾させることによって表面上の水分を除
去することにより、パターン状被膜が形成される。次い
で、パターニング部をさらに硬化させるために、ホット
プレートやオーブンなどの加熱装置により、例えば30
〜400℃の温度で5〜600分間ポストベーク処理
し、硬化されたコア部分が形成されることになる。
【0059】なお、酸拡散制御剤を添加する場合、コア
用組成物には、下層用組成物や上層用組成物よりも、酸
拡散制御剤を比較的多く添加することが好ましい。例え
ば、下層用組成物や上層用組成物には酸拡散制御剤を添
加せず、コア用組成物のみに酸拡散制御剤を添加してお
くことも好ましい。このように構成することにより、コ
ア部分のパターン精度をより向上させることができる一
方、下層用組成物や上層用組成物では、優れた保存安定
性が得られるとともに、比較的少ない放射線照射量で、
十分に硬化させることができる。
【0060】上部クラッド層の形成 次いで、コア部分15が形成された下部クラッド層13
の表面に、上層用組成物を塗布し、乾燥またはプリベー
クさせて上層用薄膜を形成する。この上層用薄膜に対
し、放射線を照射して硬化させることにより、図1に示
したように上部クラッド層17を形成することができ
る。
【0061】また、放射線の照射によって得られる上部
クラッド層は、必要に応じて、さらに上述したポストベ
ークすることが好ましい。ポストベークすることによ
り、硬度および耐熱性に優れた上部クラッド層を得るこ
とができる。
【0062】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0063】[比較例にかかる組成物の製造例] (1)ポリシロキサン溶液1 攪拌機付き容器内に、フェニルトリメトキシシラン(2
3.3g、0.12モル)とメチルトリメトキシシラン
(61.6g、0.43モル)と電気伝導率が8×10
-5S・cm-1のイオン交換水(15.7g、0.87モル)
とを収容した後、温度60℃、6時間の条件で加熱攪拌
することにより、フェニルトリメトキシシランとメチル
トリメトキシシランとの共加水分解をおこなった。次い
で、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下P
GMEと略記)を滴下しながら、加水分解により副生し
たエタノールを除去した。そして、最終的に固形分を4
0重量%に調製したポリシロキサンを含有するPGME
溶液を得た。これを「ポリシロキサン溶液1」とする。
【0064】(2)ポリシロキサン溶液2 攪拌機付きの容器内にメチルトリメトキシシラン(8
0.0g、0.558モル)と電気伝導率が8×10-5
S・cm-1のイオン交換水(16.0g、0.889モル)
とを収容した後、温度60℃、6時間の条件で加熱攪拌
することにより、メチルトリメトキシシランの加水分解
を行った。PGMEを滴下しながら、加水分解により副
生したメタノールを蒸留除去した。そして、最終的に固
形分を40重量%に調製したポリシロキサンを含有する
PGME溶液を得た。これを「ポリシロキサン溶液2」
とする。
【0065】[本発明にかかる組成物の製造例] (1)ポリゲルマノキサン溶液1 攪拌機付きの容器内に、メチルトリエトキシゲルマン
(122.5g、0.55モル)と電気伝導率が8×1
-5S・cm-1のイオン交換水(15.7g、0.87モ
ル)とを収容した後、温度60℃、6時間の条件で加熱
攪拌することにより、メチルトリエトキシゲルマンの加
水分解を行った。次いで、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル(以下PGMEと略記)を滴下しながら、
加水分解により副生したエタノールを除去した。そし
て、そして、最終的に固形分を40重量%に調製したポ
リゲルマノキサンを含有するPGME溶液を得た。これ
を「ポリゲルマノキサン溶液1」とする。
【0066】(2)ポリゲルマノキサン溶液2 攪拌機付きの容器内に、メチルトリエトキシゲルマン
(26.7g、0.12モル)と、メチルトリメトキシ
シラン(61.6g、0.43モル)及び、電気伝導率
が8×10-5S・cm-1のイオン交換水(15.7g、0.
87モル)とを収容した後、温度60℃、6時間の条件
で加熱攪拌することにより、メチルトリエトキシゲルマ
ンとメチルトリメトキシシランとの共加水分解を行っ
た。次いで、プロピレングリコールモノメチルエーテル
(以下PGMEと略記)を滴下しながら、加水分解によ
り副生したエタノールとメタノールを除去した。そし
て、そして、最終的に固形分を40重量%に調製したポ
リゲルマノキサンを含有するPGME溶液を得た。これ
を「ポリゲルマノキサン溶液2」とする。
【0067】(3)放射線硬化性組成物A(コア用組成
物) ポリゲルマノキサン溶液1(固形分および溶剤)100
重量部に対し、光酸発生剤(サートマー社製、CD10
12)を1.0重量部を均一に混合することにより、放
射線硬化性組成物Aを得た。
【0068】(4)放射線硬化性組成物B(下層用組成
物及び上層用組成物又はクラッド用組成物) ポリゲルマノキサン溶液2(固形分および溶剤)100
重量部に対し、光酸発生剤(サートマー社製、CD10
12)を1.0重量部を均一に混合することにより、放
射線硬化性組成物Bを得た。
【0069】(5)放射線硬化性組成物C(コア部形成
用組成物) ポリシロキサン溶液1(固形分および溶剤)100重量
部に対し、光酸発生剤(サートマー社製、CD101
2)を1.0重量部を均一に混合することにより、放射
線硬化性組成物Cを得た。
【0070】(6)放射線硬化性組成物D(下層用組成
物及び上層用組成物又はクラッド用組成物) ポリシロキサン溶液2(固形分および溶剤)100重量
部に対し、光酸発生剤(サートマー社製、CD101
2)を1.0重量部を均一に混合することにより、放射
線硬化性組成物Dを得た。
【0071】[実施例] (1)光導波路の形成 下部グラッド層の形成 放射線硬化性組成物Bをシリコン基板の表面上にスピン
コータで塗布し、70℃で10分間乾燥させた後、波長
365nm、照度200mW/cmの紫外線を5秒間照射す
ることにより、厚み10μmの下部クラッド層を形成し
た。 コア部分の形成 次に、放射線硬化性組成物Aを下部クラッド層の上にス
ピンコータで塗布し、70℃で10分間乾燥させた後、
幅4〜20μmの光導波路パターンを刻んだフォトマス
クを用いて、波長365nm、照度200mW/cmの紫外
線を5秒間照射することにより、露光を行った。その
後、この基板を1%テトラメチルアンモニウムヒドロキ
シドの水溶液に浸漬して、未露光部を溶解し、厚み7μ
mの下部コア部分を形成した。 上部クラッド層の形成 さらに、このコア部分を有する下部クラッド層の上面
に、放射線硬化性組成物Bをスピンコータで塗布し、7
0℃で10分間乾燥させた後、波長365nm、照度20
0mW/cmの紫外線を5秒間照射することにより、厚み
10μmの上部クラッド層を形成した。形成されたクラ
ッド層とコア層との波長1550nmの光の屈折率差は
0.006であり、コア層の屈折率はクラッド層の屈折
率よりも0.3%高かった。
【0072】(2)光導波路の評価 このようにして得られた光導波路について、波長155
0nmの光を導波路の端から入射させたときに他端から出
射する光量を測定することにより導波路の光損失を求め
たところ、0.5dB/cm以下であった。また、湿度90
%、80℃で1000時間保管後の屈折率は変化せず優
れた耐久性を有することが確認された。
【0073】[比較例の組成物との光硬化性の比較]放
射線硬化性組成物A、B、C、Dをシリコンウエハー上
にスピンコータで塗布後、乾燥して形成した厚さ10μ
m試料に対して、紫外線の照射時間を変えた場合の硬化
性を溶剤PGMEで濡らした布でこすることで比較し
た。塗膜が溶解するものを硬化性不良とし×で標記、変
化しないものを硬化性良好とし○と標記した。結果を表
―1に示す。表の結果より、本発明のポリゲルマノキサ
ンを含有する放射線硬化性組成物は比較例に比べて良好
な光硬化性を有することが確認された。
【表1】
【0074】
【発明の効果】以上のように、本発明の放射線硬化性組
成物によれば、特定の加水分解性ゲルマン化合物、光酸
発生剤および有機溶剤を含有しているため、きわめて容
易かつ短時間に硬化することができるようになった。ま
た、本発明の放射線硬化性組成物によれば、パターン露
光することにより、解像度に優れたパターンが得られる
ようになった。また、本発明の光導波路によれば、放射
線照射により容易に形成することができるとともに、優
れたパターン精度を有し、しかも導波路損失として、低
い値が得られるようになった。また、本発明の光導波路
の製造方法によれば、このような光導波路を効率的に製
造することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路の断面図である。
【図2】本発明の別な光導波路の断面斜視図である。
【図3】本発明の別な光導波路の斜視図である。
【図4】(a)〜(e)は、光導波路の製造方法の一部
工程図である。
【符号の説明】
10 光導波路 12 基板 13 下部クラッド層 14 コア用薄膜 15 コア部分 16 放射線 17 上部クラッド層 18 リッジ 19 フォトマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高瀬 英明 東京都中央区築地2丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 玉木 研太郎 東京都中央区築地2丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA02 AA13 AB14 AD01 BE00 CC03 2H047 KA04 PA02 PA21 QA02 QA05 2H097 FA02 GA45 LA17 4J030 CA01 CA02 CB03 CC15 CC16 CD11 CE07 CE11 CG06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)〜(C)成分を含有することを
    特徴とする放射線硬化性組成物。(A)一般式(1)で
    表される加水分解性ゲルマン化合物、その加水分解物お
    よびその縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1つ
    の化合物 (R1)pGe(X)4-p (1) [一般式(1)中、R1は、炭素数が1〜12である非
    加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0
    〜3の整数である。] (B)光酸発生剤 (C)有機溶剤
  2. 【請求項2】下記(A)’〜(C)成分を含有すること
    を特徴とする放射線硬化性組成物。(A)’一般式
    (1)で表される加水分解性ゲルマン化合物および一般
    式(2)で表される化合物、これらの加水分解物および
    これらの縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1つ
    の化合物 (R1)pGe(X)4-p (1) [一般式(1)中、R1は、炭素数が1〜12である非
    加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0
    〜3の整数である。] (R1)pSi(X)4-p (2) [一般式(2)中、R1は、炭素数が1〜12である非
    加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0
    〜3の整数である。] (B)光酸発生剤 (C)有機溶剤
  3. 【請求項3】下部クラッド層と、コア部分と、上部クラ
    ッド層とを含む光導波路において、 前記下部クラッド層、コア部分および上部クラッド層の
    少なくとも一つが、前記請求項1または2のいずれか一
    項に記載の放射線硬化性組成物の硬化物であることを特
    徴とする光導波路。
  4. 【請求項4】下部クラッド層と、コア部分と、上部クラ
    ッド層とを含む光導波路の製造方法において、 前記下部クラッド層を形成する工程と、コア部分を形成
    する工程と、上部クラッド層を形成する工程とを含むと
    ともに、 これらの少なくとも一つの工程が、下記(A)〜(C)
    成分を含有してなる放射線硬化性組成物を放射線硬化さ
    せて形成する工程であることを特徴とする光導波路の製
    造方法。 (A)一般式(1)で表される加水分解性ゲルマン化合
    物、その加水分解物およびその縮合物からなる群から選
    ばれる少なくとも1つの化合物 (R1)pGe(X)4-p (1) [一般式(1)中、R1は、炭素数が1〜12である非
    加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0
    〜3の整数である。] (B)光酸発生剤 (C)有機溶剤
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