JP2003185860A - 光導波路形成用放射線硬化性組成物および光導波路 - Google Patents

光導波路形成用放射線硬化性組成物および光導波路

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JP2003185860A
JP2003185860A JP2001383161A JP2001383161A JP2003185860A JP 2003185860 A JP2003185860 A JP 2003185860A JP 2001383161 A JP2001383161 A JP 2001383161A JP 2001383161 A JP2001383161 A JP 2001383161A JP 2003185860 A JP2003185860 A JP 2003185860A
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JP
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optical waveguide
radiation
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component
curable composition
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JP2001383161A
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Kentaro Tamaki
研太郎 玉木
Tomohiro Uko
友広 宇高
Hideaki Takase
英明 高瀬
Yuuichi Eriyama
祐一 江利山
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JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長365nmの紫外線に対して優れた感度を有
し、高精度のパターンを形成できると同時に光学特性が
良好で高湿、恒温下での長期の使用条件においても安定
した光学特性を維持できる光導波路に関する。 【解決手段】 (A)下記一般式(1)で表される加水分
解性シラン化合物、その加水分解物およびその縮合物か
らなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物 RmSi(X)4−m (1) (Rは炭素数1〜12の非加水分解性の有機基、Xは加水
分解性基、mは0〜3である)ならびに(B)波長365nmに
吸収を有する有機オニウム塩を含有する光導波路形成用
放射線硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路形成用放
射線硬化性組成物及びそれを用いた光導波路、及び光導
波路の形成方法に関する。より詳細には、波長365nmの
紫外線に対して優れた感度を有し、高精度のパターンを
形成できると同時に、微細気泡などの欠陥のない光学特
性が良好で高湿、恒温下での長期の使用条件においても
安定した光学特性を維持できる光導波路に関する。
【0002】
【従来の技術】マルチメディア時代を迎え、光通信シス
テムやコンピュータにおける情報処理の大容量化および
高速化の要求から、光の伝送媒体として光導波路が注目
されている。このような光導波路としては、石英系導波
路が代表的であり、一般に以下の工程により製造されて
いる。 シリコン基板上に、火炎堆積法(FHD)やCVD法
等の手法によりガラス膜よりなる下部クラッド層を形成
する。 下部クラッド層上に、これと屈折率の異なる無機質の
薄膜を形成し、この薄膜を反応性イオンエッチング法
(RIE)を利用してパターニングすることによりコア
部分を形成する。 更に、火炎堆積法によって上部クラッド層を形成す
る。 しかしながら、このような石英系導波路の製造方法で
は、特殊な製造装置が必要であるとともに、製造時間が
長くかかるなどの問題が見られた。そこで、本発明の発
明者らは、特開平10−254140号公報には、加水
分解性シラン化合物と、光酸発生剤と、脱水剤とからな
る放射線硬化性組成物に、所定量の光を照射し、所定場
所を放射線硬化させるととともに、未露光部を現像する
ことによりコア部分等を形成して、光導波路を製造する
方法が開始されている。このような放射線硬化性組成物
を用いた光導波路の製造方法によれば、従来の石英系導
波路の製造方法と比較して、所定量の光を照射した後に
現像するだけで、短時間、かつ低コストで光導波路を製
造できるという利点を得ることができる。しかしなが
ら、かかる光導波路の製造方法においては工業的に使用
される365nmを主体とする紫外線光源に対して十分な感
度をもつとは言えず、また、光導波路形成中に混入する
微細な気泡に基づく欠陥が発生する場合がある為、歩留
まりが低く、高温、高湿下での長期の使用条件において
光学特性が低下するという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情を背景としてなされたものであって、汎用の紫外
線光源に対して優れた感度を有し、微細な気泡などの光
学的欠陥がなく、高温、高湿下での長期の使用条件にお
いて光学特性が低下しない、光導波路形成用放射線硬化
性組成物、およびそれを用いた光導波路ならびにこのよ
うな光導波路を効率的に製造することができる方法を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)下記一般
式(1)で表される加水分解性シラン化合物、その加水
分解物およびその縮合物からなる群から選ばれる少なく
とも一つの化合物 RmSi(X)4−m (1) (Rは炭素数1〜12の非加水分解性の有機基、Xは加水
分解性基、mは0〜3である)ならびに(B)波長365nmに
吸収を有する有機オニウム塩を含有する光導波路形成用
放射線硬化性組成物を提供するものである。
【0005】(A)成分 一般式(1)中、R1は炭素数1〜12の非加水分解性の環
状、分岐状、直鎖状のアルキル基、アリール基、アラル
キル基から選ばれ、置換基上の水素原子の一部もしくは
総てが重水素、フッ素、塩素置換されていてもよく、p
は0〜3である。これらの加水分解性シラン化合物の1
種以上から選ばれる。具体的には、アルキル基として
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、ド
デシル、及びこれらの重水素置換体、アリール基として
はフェニル、ビフェニル、ナフチル、及びこれらの重水
素、フッ素、塩化物アラルキル基としてはトリル、キシ
リル、メシチル、及びこれらの重水素、フッ素、塩化物
が挙げられる。好ましいアルキル基としてはメチル基、
3,3,3-トリフルオロプロピル、トリジューテリオメチ
ル、好ましいアリール基としては、フェニル、ペンタフ
ルオロフェニル、ペンタジューテリオフェニル、好まし
いアラルキル基としては、トリフルオロメチルフェニ
ル、ビス(トリフルオロメチル)フェニルを挙げること
ができる。
【0006】加水分解性基Xとしては、水素原子、炭素
数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ア
ルキルカルボキシレート基が挙げられる。アルコキシ基
はRにおけるアルキル基に対応するアルコキシ基が挙げ
られ、ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、アミノ基と
しては、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ア
ルキルカルボキシレートとしてはアセトキシ、プロピオ
レート、好ましいXはアルコキシ基であり、より好まし
くは、メトキシ、エトキシである。
【0007】一般式(1)で表されるシラン化合物の具
体例を挙げると、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトラブトキシシラン、テトラ(2-メタクリ
ロキシエトキシ)シラン、テトラ(2-アクリロキシエト
キシ)シラン、テトラクロロシラン、テトラアセトキシ
シラン、テトラアミノシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、
メチルジメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラ
ン、トリジューテリオメチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、
3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラ
ン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシ
ラン、ベンジルトリメトキシシラン、フェニルトリメト
キシシラン、フェニルシラン、フェニルトリアセトキシ
シラン、フェニルトリアミノシラン、フェニルトリクロ
ロシラン、フェニルトリエトキシシラン、ペンタフルオ
ロフェニルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニ
ルトリクロロシラン、ペンタジューテリオフェニルトリ
メトキシシラン、ペンタジューテリオフェニルトリアセ
トキシシラン、ペンタジューテリオフェニルトリクロロ
シラン、ペンタジューテリオフェニルトリエトキシシシ
ラン、キシリルトリメトキシシラン、トリフルオロメチ
ルフェニルトチメトキシシラン、ビフェニルトリメトキ
シシラン、ビフェニルトリクロロシラン、ビス(トリジ
ューテリオメチル)ジメトキシシラン、ジメチルジメト
キシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジメ
トキシシラン、ジフェニルジクロロシラン、トリメチル
クロロシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチル
シラン、トリエチルクロロシランなどを挙げることがで
きる。好ましい具体例としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラアセトキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロ
プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシランを挙げることができ
る。
【0008】(A)成分の加水分解性シラン化合物の加
水分解または縮合させる為の条件は、加水分解性基がア
ルコキシ基である場合、加水分解、縮合の工程において
溶剤を添加することなく実施することができる。一方、
加水分解性基がハロゲン基などの希釈溶剤となる副生成
物を生成せず、かつ、自己触媒となる酸を副生する原料
の場合、後述する有機溶剤を予め添加して希釈した後に
加水分解、縮合反応を実施することが望ましい。その場
合、生成する酸は反応後も残存し、放射線硬化性組成物
としての安定性を損なうことから、例えば、塩基性物質
による中和、水での洗浄、イオン交換樹脂の添加などの
工程を加えることにより安定な放射線硬化性組成物にす
ることが好ましい。以下に加水分解性基がアルコキシ基
である場合のシラン化合物の加水分解、縮合工程を一例
として示す。すなわち、下記1)〜4)の工程によって
実施される。
【0009】1)加水分解性シラン化合物を容器に収容
する。 2)次いで、所定量の水及び触媒を攪拌しながら滴下す
る。 この工程は加水分解性シランの加水分解を開始する工程
であり、工程1)と同じ温度で乾燥雰囲気下で行われ
る。添加する水の量をPモル、加水分解性シラン化合物
中の総加水分解性基のモル数をQとした場合、 P/Q比
が小さすぎると加水分解、縮合物の収量と分子量が低下
する結果、形成される光導波路の耐久性が低下する。一
方、 P/Q比が大きすぎる場合、分子量が適正範囲を越
えることで放射線硬化性組成物の保存安定性が低下す
る。このことから、通常、0.1<P/Q<7の範囲、好ま
しくは0.3<P/Q<4の範囲で行われる。添加する水は
通常イオン交換水、蒸留水を用いるが、反応を加速する
目的で触媒を添加してもよい。触媒の添加量は(A)成
分の加水分解性シラン100重量部に対して、0.0001〜10
重量部、好ましくは、0.001〜1重量部である。触媒の
添加方法は特に規定されないが好ましくは水溶液として
加える。触媒としては蟻酸、酢酸、蓚酸、乳酸、マロン
酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル
酸、フタル酸、ピロメリット酸、p―トルエンスルフォ
ン酸、メタンスルフォン酸、トリフルオロ酢酸、トリフ
ルオロメタンスルフォン酸、などの1価、2価、3価の
有機酸、塩酸、リン酸、硝酸、フッ酸、臭素酸、塩素
酸、過塩素酸、などの無機酸、周期律表でアルカリ金
属、アルカリ土類の水酸化物、4級アルキルアンモニウ
ムの水酸化物や炭酸塩、1〜3級アミン類などのアルカ
リ、アンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウ
ムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、
テトラブチルアンモニウムスルフォネートなどの酸性
塩、次亜塩素酸ナトリウム、塩基性塩、スズ、ジルコニ
ウム、チタニウム、アルミニウム、硼素などのケイ素以
外の金属アルコキシドおよびそれらのキレート錯体、な
どで反応促進効果があるが、有機酸、無機酸、金属アル
コキシド、金属アルコキシドのキレート化合物など酸性
触媒が好ましく、有機酸が特に好ましい。
【0010】3)ついで、所定温度で所定時間加熱攪拌
する。 この工程は加水分解性シランの加水分解、縮合を実施す
る工程であり、反応温度はシラン化合物、水、及び加水
分解により副生するアルコールの沸点以下で行われ、通
常0℃〜150℃、好ましくは20℃〜100℃、乾燥雰囲気下
で行われる。反応時間は通常1時間〜12時間である。 4)所定の溶剤を加え希釈する。 この工程においては所定の溶剤による希釈もしくは置換
をおこなうが、光導波路を形成するに適切な希釈溶剤へ
の置換をこの段階で行うことが好ましい。好ましい希釈
溶剤としてはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、メチルイソアミルケトン、シクロヘキサノン、ア
セチルアセトン、ジアセトンアルコール、などのケトン
系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチル
エーテルなどのエーテル系、トルエン、キシレンなどの
炭化水素系、メタノール、エタノール、ブタノール、オ
クタノール、フルフリルアルコールなどのアルコール
系、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテ
ル含有アルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢
酸アミル、酢酸オクチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなど
のエステル系溶剤から単一もしくは2種以上組み合わせ
て選ばれる。好ましい溶剤はケトン系、アルコール系、
エーテル含有アルコール系及びエステル系溶剤であり、
さらに好ましくは、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン、ジアセトンアルコール、ブチルアルコール、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル、乳酸ブチ
ルを挙げることができる。これら希釈溶剤は成分(A)1
00重量部に対して、10〜1000重量部、好ましくは40〜25
0重量部用いられる。溶剤置換の方法は特に制限されな
いが、常圧下で蒸留置換する方法、減圧下で蒸留する方
法などを挙げることができる。
【0011】(A)成分の加水分解性シラン化合物の加
水分解、縮合物の分子量はゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(以下GPCと略記)で求めたポリスチレン
換算の重量平均分子量で500〜50000、好ましくは1000〜
10000の範囲とすることが好ましい。重量平均分子量が5
00未満の場合、光導波路の耐久性が低下し、一方50000
を越えると放射線硬化性組成物の保存安定性が低下する
為好ましくない。
【0012】(B)成分 (B)成分は波長365nmに吸収を有する有機オニウム塩で
ある。また、有機オニウム塩は365nmの紫外線を吸収す
ることで光分解を起こし、酸性活性物質を発生する化合
物から選ばれ、光酸発生剤として市販されている製品か
ら選ぶことができる。波長365nmの紫外線は安価な紫外
線光源として工業的に使用されている水銀灯から高い強
度で発生する。この為この波長で有機オニウム塩が吸収
をもつことは本発明の光導波路形成用放射線硬化性組成
物に高い感度を持たせる為に有用である。有機オニウム
塩の365nmでの吸収率は例えば、分光光度計を用いて光
路長1cmの透明セル中の有機オニウム塩溶液で求められ
る波長365nmにおけるモル吸光係数ε(単位;モル-1
リットル・cm-1)として評価することができる。モル吸
光係数εが1未満の場合は硬化性が低いことから、有機
オニウム塩のモル吸光係数εは好ましくは1以上、より
好ましくは100以上、さらに好ましくは1000以上であ
る。従って、以上のことから、本発明における有機オニ
ウム塩は365nmにおけるモル吸光係数εが1以上で有る化
合物として定義される。有機オニウム塩の添加量は
(A)成分100重量部に対して、0.01〜10重量部、好まし
くは、0.1〜5重量部、より好ましくは、0.1〜1部であ
る。0.01部重量部未満では放射線硬化性が不十分とな
り、10重量部を越えると光導波路としての光学特性、耐
久性が低下する。なお、本発明において(A)成分の重
量は一般式(1)で表される化合物が完全に加水分解縮
合したものに換算することとする。波長365nmで吸収を
有する有機オニウム塩の種類としては、下記一般式
(2)で表される構造を有するオニウム塩であり特に有
効な化合物は芳香族オニウム塩である。例えば特開昭5
0−151996号公報、特開昭50−158680号
公報などに記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−1
51997号公報、特開昭52−30899号公報、特
開昭56−55420号公報、特開昭55−12510
5号公報などに記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開
昭50−158698号公報などに記載のVA族芳香族
オニウム塩、特開昭56−8428号公報、特開昭56
−149402号公報、特開昭57−192429号公
報などに記載のオキソスルホキソニウム塩が挙げられ
る。 [R2 a3 b4 c5dW]+m[MZm+nーm (2) [一般式(2)中、カチオンはオニウムイオンであり、
WはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、Cl、または
−N≡Nであり、 R2、R3、R4、R5は同一または異な
る有機基であり、a、b、c、dはそれぞれ0〜3の整数で
あって、(a+b+c+d)はWの価数に等しい。また、M
はハロゲン化物錯体[MZm+n]の中心原子を構成する
金属またはメタロイドであり、例えば、B、P、As、Sb、
Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co
である。Zは例えば、F、Cl、Brなどのハロゲン原子また
はアリール基であり、mはハロゲン化物錯体イオンの正
味の電荷であり、nはMの原子価である]
【0013】ここで一般式(2)における[MZm+n
の具体例として、テトラフルオロボレート(BF4 )、ヘ
キサフルオロフォスフェート(PF6 )、ヘキサフルオロ
アンチモネート(Sb6 )、ヘキサフルオロアルセネート
(AsF6 )、このようなオニウム塩のうち、(B)成分とし
ヘキサクロロアンチモネート(SbCl6 )、テトラフェニ
ルボレート(BPh4 )、テトラキス(トリフルオロメチ
ルフェニル)ボレート[B(CF3―Ph)4 ]、ペンタキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(B(C6F5)4
)などが挙げられる。また、一般式(2)に使用する
アニオン[MZm+n]のかわりに、一般式(MZnOH )で
表されるアニオンを使用することもできる。さらに、価
塩素酸イオン(ClO 4―)、トリフルオロメタンスルフォ
ン酸イオン(CF3SO3 )、フルオロスルフォン酸(FS
O3 )、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベン
ゼンスルフォン酸イオン、トリニトロトルエンスルフォ
ン酸イオン、などの他のアニオンを有するオニウム塩を
使用することもできる。
【0014】好ましい具体例として、旭電化工業(株)製
のヘキサフルオロアンチモネートを陰イオンとする有機
オニウム塩として、SP-170、SP-171、SP-172、ヘキサフ
ルオロフォスフェートを陰イオンとする有機オニウム塩
として、SP-150、SP-151、SP-152、ユニオンカーバイド
社製のヘキサフルオロアンチモネートを陰イオンとする
有機オニウム塩としてUVI―6974、ヘキサフルオロフォ
スフェートを陰イオンとする有機オニウム塩として、UV
I―6990、ダイセルUCB(株)製のヘキサフルオロフォスフ
ェートを陰イオンとする有機オニウム塩として、Uvacur
e1590、 Uvacure1591、SARTOMER社製のヘキサフルオロ
アンチモネートを陰イオンとする有機オニウム塩として
CD-1010、CD-1012、ヘキサフルオロフォスフェートを陰
イオンとする有機オニウム塩として、CD-1011、KI-85、
ミドリ化学(株)製のヘキサフルオロアンチモネートを陰
イオンとする有機オニウム塩として、NAT-103、 NDS-10
3、TPS-103、MDS-103、DTS-103、トリフルオロメタンス
ルフォネートを陰イオンとする有機オニウム塩として、
NAT-105、NDS-105、NDS-155、NDS-165、TPS-105、MDS-
105、MDS-205、MDS-305を挙げることができる。これら
有機オニウム塩の中で、好ましい有機オニウム塩はトリ
フルオロメタンスルフォネートを陰イオンとする有機オ
ニウム塩である。トリフルオロメタンスルフォネートを
陰イオンとする有機オニウム塩の好ましい例を挙げる
と、例えば、前述の旭電化工業(株)製のSP-170、SP-17
1、SP-172、SP-150、SP-151、SP-152、及びユニオンカ
ーバイド社製のUVI―6974、 UVI―6990、及びダイセルU
CB(株)製Uvacure1590、 Uvacure1591、これらの陰イオ
ンをトリフルオロメタンスルフォネートにした有機オニ
ウム塩、ミドリ化学(株)製のNAT-105、NDS-105、NDS-15
5、NDS-165、TPS-105、MDS-105、MDS-205、MDS-305を挙
げることができる。
【0015】(C)消泡剤 消泡剤は組成物の取り扱い中に生成する気泡サイズを低
減もしくは消滅させる機能を有する化合物と定義され
る。従って、消泡剤、脱泡剤、整泡剤として市販されて
いる材料、及び消泡性を有する材料の中から選ばれる。
これらはシリコン系、非シリコン系の製品が市販されて
おり、さらに、オイル型、コンパウンド型、自己乳化コ
ンパウンド型、エマルジョン型、溶液型の製品として入
手できる材料の中から単独もしくは2種以上混合して配
合することができる。消泡剤の添加量は光導波路形成用
組成物100重量部に対して、 0.1〜0.0001部、好ましく
は0.1〜0.001部である。また、組成物中の乾燥後の固形
分100重量部に対しては、1〜0.001部、好ましくは1〜0.
01部である。消泡剤の添加量が多過ぎる場合、本発明の
光導波路用硬化性組成物を用いて製造される光導波路中
に光散乱を生ずる不均質部分が生成し、一方、消泡剤の
添加量が少なすぎる場合、微細気泡を含む光導波路が形
成される。いずれの場合も大きな光伝送損失を示す為好
ましくない。消泡剤の添加時期は本発明の組成物製造の
どの段階でもよいがが、化学反応による消泡剤の純度低
下を防ぐ為、(A)成分の加水分解縮合物を製造後に添
加することが好ましい。また、添加方法は(C)成分が組
成物中均一に溶解するならば制限を受けないが、予め有
機溶剤で希釈した後添加する方法が均一化までの時間を
短縮できる為好ましい。
【0016】市販されている製品を例示すると、東レ・
ダウコーニング・シリコーン(株)製のシリコン系製品で
は、オイル型製品として、SH200、FS1265、SH203、SH-7
PA、ST-86PA、SH192H、SH192、SF2909、SH190、SH194、
SRX280A、SRX298、SF2908、BY-10-123、SF2904、SRX294
A、SF2912、SF2913F、SF2965、SF2962、SF2964、SF296
9、BY10-540、SF2945F、SF2936F、SH193、SF2940F、PRX
607、コンパウンド型製品としてSH5500、SC5540、SC556
0、SC5570、自己乳化コンパウンド型製品として、Q2-31
83A、BY28-503、溶液型製品として、SD5591、SH7PA、エ
マルジョン型製品として、SH5503、SH5510、SM5513、SH
5561、SH5507、BY22-517、SM5511、SM5512、SM5515、SM
5517、SM5571、SM5572F、SM5573が挙げられる。また、
ビックケミー・ジャパン(株)製の非シリコン系製品とし
て、BYK-051、BYK-052、BYK-053、BYK-055、BYK-057、B
YK-354、BYK-355、BYK-356、BYK-359、BYK-361、BYK-39
0、シリコン系製品としてBYK-020、BYK-065、BYK-066、
BYK-066N、BYK-067、BYK-067N、BYK-070、BYK-080、BYK
-088、BYK-141、BYK-019、BYK-021、BYK-022、BYK-02
3、BYK-024、BYK-025、BYK-028、BYK-060N、BYK-300、B
YK-306、BYK-307、BYK-320、BYK-325、BYK-315、BYK-33
0、BYK-373 、共栄社油脂化学工業(株)製フローレンAC-
300、フローレンAC-900、フローレンAO-3、フローレンA
KS、フローノンSB-110N、フローノンSB-210、フローノ
ンSB-510、フローノンSB-551、新秋田化成(株)製EF-30
5、EF-306Aを挙げることができる。これらの中で好まし
い製品はシリコン系消泡剤であり、より好ましくは、オ
イル型、溶液型製品の中から選ばれる。
【0017】(D)成分は波長300nm以上に吸収を有する縮
合芳香族化合物であり、本発明の組成物の放射線硬化性
を高める目的で添加してよい。(D)成分の縮合芳香族化
合物はヘテロ原子、例えば酸素、硫黄、窒素、リン、ハ
ロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)などを有してい
てもよい。波長300nm以上での吸収率は、前述の(B)成
分と同様にモル吸光係数により定義することができ、
(D)成分の縮合芳香族化合物のモル吸光係数は好ましく
は1000以上、より好ましくは10000以上であると組成物
の放射線硬化性をより向上させることができる。縮合芳
香族化合物の添加量は成分(A)100重量部に対して、0.
0001〜1重量部、好ましくは、0.001〜0.1部である。
【0018】波長300nm以上に吸収を有する縮合芳香族
化合物の具体例としては、アントラセン、シアノアント
ラセン、ブロムアントラセン、クロルアントラセン、2
−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9−ヒドロ
キシメチルアントラセン、などのアントラセン誘導体、
アントラキノン、2−ヒドロキシメチルアントキノン、
エチルアントラキノン、アントラキノン誘導体、チオキ
サントン、クロルチオキサントン、ジエチルチオキサン
トン、イソプロピルチオキサントン、3−(ジエチルチ
オキサントニルオキシ)−2―ヒドキシートリメチルア
ンモニウム、チオキサントンなどのチオキサントン誘導
体、ベンゾフェノン、オルトベンゾイル安息香酸メチ
ル、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニル
メタン、4、4‘―ビスジエチルアミノベンゾフェノ
ン、4−ベンゾイルビフェニル、1、4−ジベンゾイル
ベンゼン、などのベンゾフェノン誘導体、ベンジル、ナ
フタレン、ベンゾイルナフタレンなどのナフタレン誘導
体、10−ブチル−2−クロロアクリドン、アクリドン
などのアクリドン誘導体、ペリレン誘導体、6−メチル
クマリン、ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−
ヒドロキシ4−メチルクマリン、クマリン、などのクマ
リン誘導体、ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチル
アミノ安息香酸イソアミル、などのアミノ安息香酸エス
テル誘導体、アクリジン、1、7−ジアクリジルヘプタ
ン、9−ヒドロキシ4−メチキシアクリジンなどのアク
リジン誘導体、N―オクチルービス(α―モルフォニル
ジメチルアセチル)カルバゾール、エチルカルバゾー
ル、メチルカルバゾール、などのカルバゾール誘導体な
どを挙げることができる。これらの中で好ましい化合物
はアントラセン、チオキサントン誘導体、ベンゾフェノ
ン誘導体である。
【0019】(E)成分は、成分(A)以外の架橋性の化合
物から選ばれ、そのような架橋性化合物としては、以下
のものを例示することができる。第1の例として、(A)以
外の酸性活性物質で重合、架橋する加水分解性シラン化
合物もしくはその縮合物を例示すると、例えば、シラン
カップリング剤として市販されている、グリシジロキシ
プロピルトリメトキシシラン、グリシジロキシプロピル
トリエトキシシラン、グリシジロキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、グリシジロキシプロピルジメチルメト
キシシラン、2−トリメトキシシリルエチルシクロヘキ
センオキシド、2−トリエトキシシリルエチルシクロヘ
キセンオキシド等のエポキシ置換アルコキシシラン類、
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロ
キシトリメトキシシランなどのアクリル置換アルコキシ
シラン類、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メ
ルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのメルカ
プト置換アルコキシシラン類、アミノプロピルトリエト
キシシラン、N-アミノエチルアミノプロピルトリメトキ
シシランなどのアミノ置換アルコキシシラン類、及びこ
れらの加水分解、縮合物からなる群から選ばれる1種以
上の化合物を挙げることができる。
【0020】第2の例として、分子中に1個以上のエポ
キシ基を含有するエポキシ化合物、例えば、ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリ
シジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテ
ル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭
素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビ
スフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラ
ック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添
ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシク
ロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)
シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシク
ロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキ
サン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキ
シルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチ
ルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチ
ルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス
(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタ
ジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレ
ンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレ
ート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エ
ポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−
ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリント
リグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグ
リシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種また
は2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによ
り得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエ
ーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル
類;脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル
類;フェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたは
これらにアルキレンオキサイドを付加して得られるポリ
エーテルアルコールのモノグリシジルエーテル類;高級
脂肪酸のグリシジルエステル類;エポキシ化大豆油;エ
ポキシステアリン酸ブチル;エポキシステアリン酸オク
チル;エポキシ化アマニ油;エポキシ化ポリブタジエン
などを例示することができる。
【0021】第3の例として、分子中に1個以上のオキ
センタン基を含有するオキセタン化合物としては、例え
ば、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロロメチ
ルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキ
セタン、ビス(3−エチル−3−メチルオキシ)ブタン
などのオキセタン類を挙げることができる。
【0022】第4の例として、分子中に1個以上のビニ
ルエーテル基を含有するビニルエーテル化合物として、
エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレング
リコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパント
リビニルエーテルなどのビニルエーテル類を挙げること
ができる。
【0023】第5の例として、分子中に1個以上のエポ
キシ、オキセタン、ビニルエーテル基、加水分解性シリ
ル基からなる群から選ばれる一つ以上の基を含有するビ
ニル系重合体を挙げることができる。これらの基は1分
子中に0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%含有する
ことができる。これらの官能基の共重合は、これら官能
基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類を主構成成
分のビニルモノマーとラジカル共重合する方法、もしく
は、カルボン酸、エポキシ基、ヒドロキシ基を含有する
ビニル系重合体にポリマー反応により導入する方法など
により製造される。
【0024】例えば、加水分解性シリル基含有のビニル
系重合体の製造においては、メタクリロキシプロピルト
リメトキシシランをラジカル共重合する方法に加え、カ
ルボン酸含有ビニル系重合体とグリシジロキシプロピル
トリメトキシシランを反応させる方法、ヒドキシ含有ビ
ニル系重合体にトリメトキシシリルプロピルイソシアネ
ートを反応させる方法、エポキシ基含有ビニル系重合体
にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させる方法
などにより製造される。これら架橋性基を含有したビニ
ル系重合体のGPCによる重量平均分子量は500〜100000、
好ましくは、1000〜50000、より好ましくは、3000〜100
00である。
【0025】ビニル系重合体の主構成成分となるビニル
モノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、な
どの芳香族不飽和エチレン含有化合物、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フ
チル(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリ
レートなどのアルキル(メタ)アクリレート類、ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト類、アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリ
ル酸類、N―ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタ
ムなどのN―ビニルラクタム類、(メタ)アクリロイル
モルフォリン、N,N―ジメチル(メタ)アクリルアミド
などの不飽和アミド類などを挙げることができる。ビニ
ル系重合体の製造はビスアゾバレロニトリルなどのジア
ゾ系の熱ラジカル重合開始剤、ビニルモノマー、有機溶
剤の混合液を50℃〜150℃の範囲で1〜10時間加熱攪拌す
る公知の方法により製造される。成分(E)の添加方法
は成分(A)と(B)と(C)〜(D)のいずれか1成分以
上を含有する混合物に添加、混合する方法が用いられる
が、成分(A)の加水分解性シランと成分(E)の混合物
を加水分解して組成物とすることも可能である。
【0026】(F)成分の酸拡散制御剤は光照射により光
酸発生剤から生じた酸性活性物質の被膜中における拡散
を制御し、非照射領域での硬化反応を抑制する作用を有
する化合物と定義される。ただし、定義上、光酸発生剤
と区別するため、(F)成分の酸拡散制御剤は酸発生機能
を有しない化合物である。このような酸拡散制御剤を添
加することにより、放射線硬化性組成物を効果的に硬化
して、優れたパターン精度を得ることができる。したが
って、解像度として、例えば、5〜10μm幅の光導波
路であっても形成することができる。
【0027】(F)成分の酸拡散制御剤としては、形成
工程中の露光や加熱処理によって塩基性が変化しない含
窒素有機化合物が好ましい。このような含窒素有機化合
物としては、例えば、下記一般式(3)で表される化合物
(以下、「含窒素化合物(I)」という。)が挙げられ
る。 NR678 (3) [一般式(3)中、R6、R7およびR8は相互に独立
であって、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル
基、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もし
くは非置換のアラルキル基を表している。]また、別の
含窒素有機化合物としては、同一分子内に窒素原子を2
個有するジアミノ化合物(以下、「含窒素化合物(I
I)」という。)や、窒素原子を3個以上有するジアミ
ノ重合体(以下、「含窒素化合物(III)」とい
う。)、あるいは、アミド基含有化合物、ウレア化合
物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
【0028】ここで、含窒素化合物(I)としては、n
−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチル
アミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノ
アルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペ
ンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプ
チルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニル
アミン、ジ−n−デシルアミン等のジアルキルアミン
類; トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、
トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、
トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミ
ン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミ
ン、トリ−n−デシルアミン等のトリアルキルアミン
類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチル
アニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、
4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニル
アミン、トリフェニルアミン、1−ナフチルアミン等の
芳香族アミン類;エタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類等
を挙げることができる。
【0029】また、含窒素化合物(II)としては、例え
ば、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチ
ルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス
(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エ
チレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−
ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニ
ルアミン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロ
パン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノ
フェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2
−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ア
ミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1
−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−
アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン等を挙
げることができる。
【0030】また、含窒素化合物(III)としては、例
えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ジメチ
ルアミノエチルアクリルアミドの重合体等を挙げること
ができる。 また、アミド基含有化合物としては、例え
ば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセ
トアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオン
アミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリ
ドン等を挙げることができる。 また、ウレア化合物と
しては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチ
ルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テト
ラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチ
ルチオウレア等を挙げることができる。
【0031】また、含窒素複素環化合物としては、例え
ば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、2−メチルイ
ミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルイ
ミダゾール、4−フェニルイミダゾール、4−メチル−
2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジ
ン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エ
チルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリ
ジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニ
ルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミ
ド、キノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピ
リジン類;ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザ
リン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、
4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジメチル
ピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オ
クタン等を挙げることができる。
【0032】これらの含窒素有機化合物のうち、含窒素
化合物(I)、含窒素複素環化合物等が好ましい。ま
た、含窒素化合物(I)の中では、トリアルキルアミン
類が特に好ましく、含窒素複素環化合物の中では、ピリ
ジン類が特に好ましい。なお、酸拡散制御剤は、一種単
独で使用することもできるし、あるいは二種以上を混合
して使用することも好ましい。
【0033】また、酸拡散制御剤の添加量を、(A)成
分100重量部に対して、0.001〜15重量部の範
囲内の値とすることが好ましい。 この理由は、かかる
酸拡散制御剤の添加量が0.001重量部未満では、プ
ロセス条件によっては、光導波路のパターン形状や寸法
再現性が低下する場合があるためであり、一方、かかる
酸拡散制御剤の添加量が15重量部を超えると、(A)
成分の放射線硬化性が低下する場合があるためである。
したがって、酸拡散制御剤の添加量を、(A)成分10
0重量部に対して、0.001〜10重量部の範囲内の
値とすることがより好ましく、0.005〜5重量部の
範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0034】(その他成分)本発明の光導波路形成用放
射線硬化性組成物に対して、本発明の効果を損なわない
範囲で成分(A)〜(F)の成分以外の成分を添加すること
ができる。そのような成分としては、例えば、オルトカ
ルボン酸エステル類から選ばれる脱水剤、平均粒子径が
50nm以下のSi、Ge、Sn、B、Al、Ti、Zrの酸化物微粒
子、界面活性剤、酸化防止剤を挙げることができる。
【0035】[実施形態]第2の実施形態は、放射線硬
化性組成物の硬化方法に関する実施形態であり、光導波
路の製造を例に取って説明する。なお、光導波路を製造
するにあたり、下部クラッド層、コア部分および上部ク
ラッド層の各層を形成する工程を含むとともに、少なく
とも一つの工程が、第1の実施形態で説明した(A)〜(E)
成分を含有してなる放射線硬化性組成物を塗工した後、
放射線により硬化させる工程である。
【0036】1.放射線硬化性組成物の調製 光導波路を構成する下部クラッド層、コア部分および上
部クラッド層を形成するための放射線硬化性組成物、す
なわち下層用組成物、コア用組成物および上層用組成物
は、それぞれ、第1の実施形態で説明した加水分解性シ
ラン化合物や光酸発生剤等を、常法にしたがって混合撹
拌することにより、調製することができる。また、調製
された下層用組成物、コア用組成物および上層用組成物
としては、それぞれ、最終的に得られる各部の屈折率の
関係が、光導波路に要求される条件を満足するように、
互いに異なる放射線硬化性組成物を用いることが好まし
い。
【0037】したがって、(A)成分の加水分解性シラ
ン化合物の種類等を適宜選択することにより、異なる屈
折率を有する硬化膜が得られる放射線硬化性組成物とす
ることができる。そして、屈折率の差が適宜の大きさと
なるような二種または三種の放射線硬化性組成物を用
い、最も高い屈折率の硬化膜を与える放射線硬化性組成
物をコア用組成物とし、他の放射線硬化性組成物を下層
用組成物および上層用組成物として用いることが好まし
い。ただし、下層用組成物と上層用組成物とは同一の放
射線硬化性組成物であってもよく、通常は同一の組成物
であることが、経済的に有利であり、製造管理も容易と
なることからより好ましい。また、各放射線硬化性組成
物を調製する際に、その粘度を、1〜10,000cp
s(25℃)の範囲内の値とすることが好ましく、5〜
8,000cps(25℃)の範囲内の値とすることが
より好ましく、10〜5,000cps(25℃)の範
囲内の値とすることがさらに好ましい。この理由は、各
放射線硬化性組成物の粘度がこれらの範囲外の値となる
と、取り扱いが困難になり、均一な塗膜を形成すること
が困難となる場合があるためである。なお、放射線硬化
性組成物の粘度は、反応性希釈剤や有機溶媒の配合量に
よって、適宜調整することができる。
【0038】2.形成方法 第2の実施形態の好適な態様によれば、光導波路10
は、図2に示すような工程を経て形成される。すなわ
ち、下部クラッド層13、コア部分15および上部クラ
ッド層(図示せず。)を、いずれも、それらの層を形成
するための放射線硬化性組成物を塗工したのち、放射線
硬化することにより形成することが好ましい。なお、以
下の形成例では、下部クラッド層、コア部分および上部
クラッド層を、それぞれ硬化後において屈折率が異なる
硬化物が得られる放射線硬化性組成物である下層用組成
物、コア用組成物、および上層用組成物から形成するこ
とを想定して、説明する。
【0039】基板の準備 まず、図2(a)に示すように、平坦な表面を有する基
板12を用意する。この基板12の種類としては、特に
制限されるものではないが、例えば、シリコン基板やガ
ラス基板等を用いることができる。
【0040】下部クラッド層の形成工程 用意した基板12の表面に、下部クラッド層13を形成
する工程である。具体的には、図2(b)に示すよう
に、基板12の表面に、下層用組成物を塗布し、乾燥ま
たはプリベークさせて下層用薄膜を形成する。そして、
この下層用薄膜に、放射線を照射することにより硬化さ
せて、下部クラッド層13を形成することができる。コ
ア層及びクラッド層の形成に用いる放射線は、特に制限
されるものでは無いが、通常200〜450nmの紫外〜可視領
域の光、好ましくは波長365nmの紫外線を含む放射線が
用いられる。365nmでの照度は1〜500mW/cm2、照射量が
0.01〜1000mJ/cm2、好ましくは0.1〜100mJ/cm2なるよう
に照射して、露光される。
【0041】ここに、照射される光の種類としては、可
視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を用
いることができるが、光源の工業的な汎用性から特に紫
外線、好ましくは320〜370nm、特に好ましくは365nmの
紫外線を含む波長が好ましい。そして、照射装置として
は、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタル
ハライドランプ、エキシマランプなどの広い面積を同時
に照射するランプ光源、パルス、連続発光のレーザー光
源、及び、両者のいずれかの光源から、ミラー、レン
ズ、光ファイバーを用いて収束光を用いることができ
る。収束光を用いて光導波路を形成する場合、収束光も
しくは被照射体を移動させることにより光導波路の形状
に露光することができる。これらの光源の中で365nmの
紫外線強度の高い光源が好ましく、例えば、ランプ光源
としては高圧水銀ランプ、レーザー光源としてはアルゴ
ンレーザーが好ましい。なお、下部クラッド層13の形
成工程では、薄膜の全面に光を照射し、その全体を硬化
することが好ましい。
【0042】ここで、下層用組成物を塗布方法として
は、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法、バ
ーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グラ
ビア印刷法、シルクスクリーン法、またはインクジェッ
ト法等の方法を用いることができる。このうち、特に均
一な厚さの下層用薄膜が得られることから、スピンコー
ト法を採用することがより好ましい。
【0043】また、下層用組成物のレオロジー特性を塗
布方法に適切に対応したものとするために、各種レベリ
ング剤、チクソ付与剤、フィラー、有機溶媒、界面活性
剤等を必要に応じて配合することができる。また、下層
用組成物からなる下層用薄膜は、塗布後、50〜200
℃でプリベークすることが好ましい。なお、下部クラッ
ド層の形成工程における塗布方法や、レオロジー特性の
改良等については、後述するコア部分の形成工程や、上
部クラッド層の形成工程においてもあてはまる内容であ
る。
【0044】また、露光後に、塗膜全面が十分硬化する
ように、さらに加熱処理(以下、「ポストベーク」とい
う。)を行うことが好ましい。この加熱条件は、放射線
硬化性樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等により変
わるが、通常、30〜400℃、好ましくは50〜30
0℃で、例えば5分間〜72時間の加熱条件とすれば良
い。なお、下部クラッド層の形成工程における光の照射
量、種類、および照射装置等については、後述するコア
部分の形成工程や、上部クラッド層の形成工程において
もあてはまる内容である。
【0045】コア部分の形成 次に、この下部クラッド層13上に、図2(c)に示す
ように、コア用組成物を塗布し、乾燥またはさらにプリ
ベークさせてコア用薄膜14を形成する。その後、図2
(d)に示すように、コア用薄膜14の上面に対して、
所定のパターンに従って、例えば所定のラインパターン
を有するフォトマスク19を介して放射線16の照射を
行うことが好ましい。これにより、光が照射された箇所
のみが硬化するので、それ以外の未硬化の部分を現像除
去することにより、図2(e)に示すように、下部クラ
ッド層13上に、パターニングされた硬化膜よりなるコ
ア部分15を形成することができる。
【0046】また、コア部分15を形成するためのコア
用薄膜14に対する放射線16の照射は、所定のパター
ンを有するフォトマスク19に従って行われた後、現像
液により未露光部分を現像することにより、未硬化の不
要な部分が除去され、これによってコア部分15が形成
される。このように所定のパターンに従って光の照射を
行う方法としては、光の透過部と非透過部とからなるフ
ォトマスクを用いる方法に限られず、例えば、以下に示
すa〜cの方法が挙げられる。 a.液晶表示装置と同様の原理を利用した、所定のパタ
ーンに従って光透過領域と不透過領域とよりなるマスク
像を電気光学的に形成する手段を利用する方法。b.多
数の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、この導
光部材における所定のパターンに対応する光ファイバー
を介して光を照射する方法。c.レーザー光、あるいは
レンズ、ミラー等の集光性光学系により得られる収束光
を走査させながら放射線硬化性組成物に照射する方法。
【0047】なお、露光後、露光部分の硬化を促進させ
るために、加熱処理(以下、「PEB」という。)を行
うことが好ましい。その加熱条件は、放射線硬化性組成
物の配合組成、添加剤の種類等により変わるが、通常、
30〜200℃、好ましくは50〜150℃である。
【0048】一方、露光前に、放射線硬化性組成物から
なる塗膜を、室温条件に、1〜10時間放置するだけ
で、コア部分の形状を半円形とすることができる。した
がって、半円形のコア部分を得たい場合には、このよう
に露光前に、室温条件に、数時間放置することが好まし
い。
【0049】このようにして所定のパターンに従ってパ
ターン露光し、選択的に硬化させた薄膜に対しては、硬
化部分と未硬化部分との溶解性の差異を利用して、現像
処理することができる。したがって、パターン露光後、
未硬化部分を除去するとともに、硬化部分を残存させる
ことにより、結果として、コア部分を形成することがで
きる。
【0050】ここで、現像液としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウ
ム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミ
ン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プ
ロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミ
ン、エタノールアミン、N―メチルエタノールアミン、
N、N―ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエ
チルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニ
ウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセ
ン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノナン
などの塩基性物質と水、メタノール、エタノール、プロ
ピルアルコール、ブタノール、オクタノール、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、N−メチルピロリドン、ホルム
アミド、N,N―ジメチルホルムアミド、 N,N―ジメチル
アセトアミドなどの溶媒で希釈された溶液を用いること
ができる。また、現像液中の塩基性物質の濃度を、通常
0.05〜25重量%、好ましくは0.1〜3.0重量
%の範囲内の値とすることが好ましい。
【0051】また、現像時間は、通常30〜600秒間
であり、また現像方法は液盛り法、ディッピング法、シ
ャワー現像法などの公知の方法を採用することができ
る。現像液として有機溶媒を用いた場合はそのまま風乾
することにより、また、アルカリ水溶液を用いた場合に
は流水洗浄を、例えば30〜90秒間行い、圧縮空気や
圧縮窒素等で風乾させることによって表面上の水分を除
去することにより、パターン状被膜が形成される。
【0052】次いで、パターニング部をさらに硬化させ
るために、ホットプレートやオーブンなどの加熱装置に
より、例えば30〜400℃の温度で5〜600分間ポ
ストベーク処理し、硬化されたコア部分が形成されるこ
とになる。
【0053】なお、コア用組成物には、下層用組成物や
上層用組成物よりも、酸拡散抑制剤を比較的多く添加す
ることが好ましい。例えば、下層用組成物や上層用組成
物には酸拡散抑制剤を添加せず、コア用組成物のみに酸
拡散抑制剤を添加しておくことも好ましい。
【0054】このように構成することにより、コア部分
のパターン精度をより向上させることができる一方、下
層用組成物や上層用組成物では、優れた保存安定性が得
られるとともに、比較的少ない放射線照射量で、十分に
硬化させることができる。
【0055】上部クラッド層の形成 次いで、コア部分15が形成された下部クラッド層13
の表面に、上層用組成物を塗布し、乾燥またはプリベー
クさせて上層用薄膜を形成する。この上層用薄膜に対
し、放射線を照射して硬化させることにより、図1に示
したように上部クラッド層17を形成することができ
る。また、放射線の照射によって得られる上部クラッド
層は、必要に応じて、さらに上述したポストベークする
ことが好ましい。ポストベークすることにより、硬度お
よび耐熱性に優れた上部クラッド層を得ることができ
る。
【0056】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0057】ポリシロキサン溶液1(PS1)の製造 撹拌機付の容器内に、フェニルトリメトキシシラン(7
6.9g、0.39モル)と、メチルトリメトキシシラ
ン(101.7g、0.75モル)と、電気伝導率が8
×10-5S・cm-1のイオン交換水(45.9g、2.
55モル)と、シュウ酸(0.1g、1.1×103モ
ル)とを収容した後、60℃、6時間の条件で加熱撹拌
することにより、フェニルトリメトキシシランおよびメ
チルトリメトキシシランの加水分解を行った。次いで、
容器内にプロピレングリコールモノメチルエーテルを加
えた後、エバポレーターを用いて加水分解により副生し
たメタノールを除去した。そして、最終的に固形分を5
5重量%に調整したポリシロキサンを含有するプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル溶液を得た。これを
「ポリシロキサン溶液1(PS1)」とする。
【0058】ポリシロキサン溶液2(PS2)の製造 撹拌機付の容器内に、フェニルトリメトキシシラン(1
03.65g、0.52モル)と、メチルトリメトキシ
シラン(136.99g、1.00モル)と、ジメチル
ジメトキシシラン(24.32g、0.20モル)と、
電気伝導率が8×10-5S・cm-1のイオン交換水(9
0.0g、5.0モル)と、シュウ酸(0.15g、
1.66×103モル)とを収容した後、60℃、6時
間の条件で加熱撹拌することにより、フェニルトリメト
キシシランおよびメチルトリメトキシシラン及びジメチ
ルジメトキシシランの加水分解を行った。次いで、容器
内にプロピレングリコールモノメチルエーテルを加えた
後、エバポレーターを用いて加水分解により副生したメ
タノールを除去した。そして、最終的に固形分を55重
量%に調整したポリシロキサンを含有するプロピレング
リコールモノメチルエーテル溶液を得た。これを「ポリ
シロキサン溶液2(PS2)」とする。
【0059】ポリシロキサン溶液3(PS3)の製造 (a)アクリルポリマー溶液 撹拌機付き容器内に、メチルメタアクリレート(450
g, 4.50モル)、メタアクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン(50g, 0.20モル)、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル(600g)、そして
2,2'-アゾビス−(2.4−ジメチルバレロニトリ
ル)(35g, 0.14モル)を収容した後、系内を
窒素置換する。その後、反応容器内温度が70℃に設定
し6時間撹拌する。最終的に固形分濃度を45重量%に
調製しアクリルポリマーを含有するプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル溶液を得た。これを「アクリルポ
リマー溶液」とする。 (b)ポリシロキサン溶液3 撹拌機付き容器内にアクリルポリマー溶液(133.3
3g)、メチルトリメトキシシラン(231.36g,
1.70モル)、フェニルトリメトキシシラン(19
3.48g, 0.97モル)、電気伝導率が8×10
-5S・cm-1のイオン交換水(108.48g、6.0
モル)、そしてシュウ酸(0.30g, 3.32×1
03モル)を収容した後、60℃、6時間の条件で加熱
撹拌することにより、フェニルトリメトキシシランおよ
びメチルトリメトキシシラン及びアクリルポリマー溶液
の加水分解を行った。次いで、容器内にプロピレングリ
コールモノメチルエーテルを加えた後、エバポレーター
を用いて加水分解により副生したメタノールを除去し
た。そして、最終的に固形分を45重量%に調整したポ
リシロキサンを含有するプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル溶液を得た。これを「ポリシロキサン溶液3
(PS3)」とする。
【0060】光導波路形成用硬化組成物Aの調製 上述したポリシロキサン溶液1の固形分換算100重量
部に対し、光酸発生剤(みどり化学(株)社製 NAT
−105)1重量部、消泡剤(東レ・ダウコーニング・
シリコーン(株)製 SH190)0.01重量部をそれぞれ
添加し、均一に混合し、0.5μmフィルターで濾過す
ることにより、光導波路形成用硬化組成物A(コアA)
を得た。
【0061】光導波路形成用硬化組成物Bの調製 上述したポリシロキサン溶液2の固形分換算100重量
部に対し、光酸発生剤(みどり化学(株)社製 NAT
−105)1重量部、消泡剤(東レ・ダウコーニング・
シリコーン(株)製 SH190)0.01重量部をそれぞれ
添加し、均一に混合し、0.5μmフィルターで濾過す
ることにより、光導波路形成用硬化組成物B(クラッド
B)を得た。
【0062】光導波路形成用硬化組成物Cの調製 上述したポリシロキサン溶液3の固形分換算100重量
部に対し、光酸発生剤(みどり化学(株)社製 NAT
−105)1重量部、消泡剤(ビックケミー・ジャパン
(株)製 BYK-325)0.01重量部をそれぞれ添加し、
均一に混合し、0.5μmフィルターで濾過することに
より、光導波路形成用硬化組成物C(クラッドC)を得
た。
【0063】放射線硬化性の評価 シリコンウエハー上に厚さ10μmにコートした塗膜を
大気下、CANON社製アライナー(PLA501F)
とUSHIO社製高圧水銀ランプ(USH−250D)
を用いて(356nmでの照度は7mJ/cm2)光量が50
mJ/cm2になるようにして照射後、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルに1分間浸漬し、塗膜が溶解、
剥離するかどうかで評価した。塗膜が溶解、剥離した場
合を×、変化ない場合を○とした。
【0064】光導波路中の微少気泡の評価 製造した光導波路を倍率200の光学顕微鏡で観察し、気
泡の有無を評価した。気泡が認められるものを×、観察
されないものを○とした。
【0065】[パターン性能評価]シリコンウエハー上に
厚さ10μmにコートした塗膜を大気下、CANON社
製アライナー(PLA501F)とUSHIO社製、高
圧水銀ランプ(USH−250D)を用いて(356n
mでの照度は7mJ/cm2)、ライン/スペース=10μ
m/30μmのアライナー用マスクを介し、光量を50
mJ/cm2照射後、アルカリ水溶液にて未露光部を洗浄
した。得られたラインパターンを倍率200の光学顕微鏡
で観察し、ラインパターンの評価した。マスク寸法との
誤差が±0.2μm以内のものを○、それ以外を×とし
た。
【0066】湿熱試験 湿度85%、温度85℃の恒温恒湿槽に光導波路を20
00時間保管した。 光導波路の伝送損失の評価 波長1.55μmの単色光を用いて、カットバック法に
より求めた伝送損失から接続損失を差し引くことで光伝
送損失を評価した。 光導波路形成用放射線硬化性組成物及びこれを用いた光
導波路の評価結果 前述した試験方法に基づき、組成物ならびに光導波路を
評価した結果を表-1及び表-2に示す。表-2より、消
泡剤を含有しない比較例-1の組成物は形成された光導
波路中に微少気泡を含有する。また、初期伝送損失は大
きく、長期の湿熱試験後にはさらに増大することを示し
ている。また、365nmでの吸収が実質的にない有機
オニウム塩を配合した比較例-2の組成物は放射線硬化
性に劣り、比較例-1と同様に初期、湿熱試験後の光学
特性の低下が示された。比較例に対して、本発明で開示
される光導波路形成用放射線硬化性組成物においては、
低光量の紫外線においても硬化性が良好で、微細気泡を
含まず、初期及び湿熱試験後においても光導波路として
良好な光学特性を維持することを示した。
【0067】
【表1】 ()は固形分濃度%を示している *1;コア材にコアAを
使用, *2;クラッド材にクラッドBを使用, d-1;2-
エチル-9,10-ジメトキシアントラセン, f-1;トリオク
チルアミン, f-2;N,N,N-テトラメチルエチレンジアミ
ン, MFG;プロピレングリコールモノメチルエーテル
【0068】
【表2】 ()は固形分濃度%を示している *1;コア材にコアAを
使用, *2;クラッド材にクラッドBを使用, d-1;2-
エチル-9,10-ジメトキシアントラセン, f-1;トリオク
チルアミン, f-2;N,N,N-テトラメチルエチレンジアミ
ン, MFG;プロピレングリコールモノメチルエーテル
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、高圧水銀ランプを光源
とする紫外線に対して感度が高い為、高精度の光導波路
を短時間で形成することができると同時に、微細気泡な
どの欠陥が低減されたことで初期の光伝送損失が低く、
かつ高湿下での長期の保管環境においても安定した光学
特性を維持できる光導波路を提供することができる。
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路の断面図である。
【図2】(a)〜(e)は、光導波路の製造方法の一部工
程図である。
【符号の説明】
10 光導波路 12 基板 13 下部クラッド層 14 コア用薄膜 15 コア部分 16 放射線 17 上部クラッド層 19 フォトマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江利山 祐一 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AB14 AC01 AD01 BE07 CB14 CB33 CC17 2H047 KA04 PA02 PA15 PA24 PA28 QA05 TA41

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記一般式(1)で表される加水分解
    性シラン化合物、その加水分解物およびその縮合物から
    なる群から選ばれる少なくとも一つの化合物 RmSi(X)4−m (1) (Rは炭素数1〜12の非加水分解性の有機基、Xは加水
    分解性基、mは0〜3である)ならびに(B)波長365nmに
    吸収を有する有機オニウム塩を含有する光導波路形成用
    放射線硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 (B)成分の有機オニウム塩を構成する
    陰イオンがトリフルオロメタンスルフォネートである請
    求項1記載の光導波路形成用放射線硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 (C)成分として波長300nm以上に吸収を
    有する縮合芳香族化合物さらにを含有することを特徴と
    する請求項1記載の光導波路形成用放射線硬化性組成
    物。
  4. 【請求項4】 (D)成分として、成分(A)以外の架橋
    性の化合物をさらに含有することを特徴とする請求項1
    記載の光導波路形成用放射線硬化性組成物
  5. 【請求項5】 (E)成分として酸拡散制御剤をさらに
    含有することを特徴とする請求項1記載の光導波路形成
    用放射線硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 下部クラッド層、コア層、上部クラッド
    層とを含む光導波路において、少なくとも1層が下記
    (A)成分および(B)成分を含有する放射線硬化性組成物の
    硬化物であることを特徴とする光導波路。
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