JP2003185861A - 光導波路ならびに光導波路の製造方法 - Google Patents

光導波路ならびに光導波路の製造方法

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JP2003185861A
JP2003185861A JP2001383162A JP2001383162A JP2003185861A JP 2003185861 A JP2003185861 A JP 2003185861A JP 2001383162 A JP2001383162 A JP 2001383162A JP 2001383162 A JP2001383162 A JP 2001383162A JP 2003185861 A JP2003185861 A JP 2003185861A
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JP
Japan
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group
optical waveguide
general formula
hydrolyzable
clad layer
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Application number
JP2001383162A
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English (en)
Inventor
Kentaro Tamaki
研太郎 玉木
Tomohiro Uko
友広 宇高
Hideaki Takase
英明 高瀬
Yuuichi Eriyama
祐一 江利山
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JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パターン精度等に優れた硬化物が得られる
光導波路ならびに光導波路の製造方法を得る。 【解決手段】 下部クラッド層と、コア部分と、上部
クラッド層とを含む光導波路において、前記下部クラッ
ド層、コア部分および上部クラッド層の少なくとも一つ
が、下記(A)〜(C)成分を含有する放射線硬化性樹
脂組成物の硬化物であることを特徴とする光導波路。 (A)一般式(1)で表される加水分解性シラン化合
物、その加水分解物およびその縮合物からなる群から選
択される少なくとも一つの化合物 (R1)pSi(X)4-p (1) [一般式(1)中、R1は炭素数が1〜12である非加
水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜
3の整数である。] (B)加水分解性シリル基含有ビニル系重合体 (C)光酸発生剤

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路ならびに
光導波路の製造方法に関する。より詳細には、パターン
精度等に優れた硬化物が得られる光導波路ならびに光導
波路の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マルチメディア時代を迎え、光通信シス
テムやコンピュータにおける情報処理の大容量化および
高速化の要求から、光の伝送媒体として光導波路が注目
されている。このような光導波路としては、石英系導波
路が代表的であり、一般に以下の工程により製造されて
いる。 シリコン基板上に、火炎堆積法(FHD)やCVD法
等の手法によりガラス膜よりなる下部クラッド層を形成
する。 下部クラッド層上に、これと屈折率の異なる無機質の
薄膜を形成し、この薄膜を反応性イオンエッチング法
(RIE)を利用してパターニングすることによりコア
部分を形成する。 更に、火炎堆積法によって上部クラッド層を形成す
る。 しかしながら、このような石英系導波路の製造方法で
は、特殊な製造装置が必要であるとともに、製造時間が
長くかかるなどの問題が見られた。
【0003】そこで、本発明の発明者らは、特開平10
−254140号公報にて開示されているように、加水
分解性シラン化合物と、光酸発生剤と、脱水剤とからな
る放射線硬化性組成物に、所定量の光を照射し、所定場
所を放射線硬化させるとともに、未露光部を現像するこ
とによりコア部分等を形成して、光導波路を製造する方
法を提案している。このような放射線硬化性組成物を用
いた光導波路の製造方法によれば、従来の石英系導波路
の製造方法と比較して、所定量の光を照射した後に現像
するだけで、短時間、かつ低コストで光導波路を製造で
きるという利点を得ることができる。しかしながら、か
かる光導波路の製造方法であっても、露光条件によって
はパターン精度が低下し、所定場所以外に発生した酸が
拡散して、微細幅を有する光導波路を形成することが困
難な場合が見られた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情を背景としてなされたものであって、優れたパタ
ーン精度を有する硬化物が得られる放射線硬化性組成
物、およびそれを用いた光導波路ならびにこのような光
導波路を効率的に製造することができる方法を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記
(A)〜(C)成分を含有することを特徴とする放射線
硬化性組成物が提供され、上述した問題を解決すること
ができる。 (A)一般式(1)で表される加水分解性シラン化合
物、その加水分解物およびその縮合物からなる群から選
択される少なくとも一つの化合物 (R1)PSi(X)4-P (1) [一般式(1)中、R1 は炭素数が1〜12である非加
水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜
3の整数である。] (B)加水分解性シリル基含有ビニル系重合体 (C)光酸発生剤
【0006】また、本発明の別の態様によれば、下部ク
ラッド層と、コア部分と、上部クラッド層とを含む光導
波路において、下部クラッド層、コア部分および上部ク
ラッド層の少なくとも一つが、上述した(A)〜(C)
成分を含有してなる放射線硬化性組成物の硬化物からな
る光導波路が提供され、上述した課題を解決することが
できる。すなわち、このように光導波路を構成すること
により、優れたパターン精度や、低導波路損失を有する
光導波路を迅速に得ることができる。
【0007】また、本発明の別の態様によれば、下部ク
ラッド層と、コア部分と、上部クラッド層とを含む光導
波路の製造方法において、下部クラッド層を形成する工
程と、コア部分を形成する工程と、上部クラッド層を形
成する工程とを含むとともに、これらの少なくとも一つ
の工程が、下記(A)〜(C)成分を含有してなる放射
線硬化性組成物を放射線硬化させて形成する工程である
光導波路の製造方法が提供される。 (A)一般式(1)で表される加水分解性シラン化合
物、その加水分解物およびその縮合物からなる群から選
択される少なくとも一つの化合物 (R1)PSi(X)4-P (1) [一般式(1)中、R1 は炭素数が1〜12である非加
水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜
3の整数である。] (B)(A)成分以外の加水分解性シリル基含有ビニル
系重合体 (C)光酸発生剤 このように実施することにより、優れたパターン精度を
有する光導波路を短時間、かつ簡単なプロセスで製造す
ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を適宜参照しながら、
本発明の光導波路および光導波路の製造方法に関する実
施形態をそれぞれ具体的に説明する。
【0009】図1は、放射線硬化性組成物を適用して構
成した光導波路の基本的構成を示す断面図である。この
図1に示すように、光導波路10は、紙面に直角方向
(奥行き方向)に伸びる基板12と、この基板12の表
面上に形成された下部クラッド層13と、この下部クラ
ッド層13上に形成された、特定の幅を有するコア部分
15と、このコア部分15を含む下部クラッド層13上
に積層して形成された上部クラッド層17と、を含んで
構成されている。そして、コア部分15は、導波路損失
が少なくなるように、その側部を含めて、下部クラッド
層13および上部クラッド層17により被覆してあり、
全体として埋設された状態である。
【0010】厚さおよび幅 以上のような構成の光導波路において、下部クラッド
層、上部クラッド層、およびコア部分の厚さはそれぞれ
特に制限されるものではないが、例えば、下部クラッド
層の厚さを1〜100μm、コア部分の厚さを3〜10
0μm、上部クラッド層の厚さを1〜100μmの範囲
内の値とすることが好ましい。また、コア部分の幅につ
いても特に限定されるものではないが、例えば、1〜1
00μmの範囲内の値とすることが好ましい。
【0011】屈折率 また、コア部分の屈折率を、下部および上部クラッド層
のいずれの屈折率よりも大きくすることが必要である。
したがって、波長1,300〜1,600nmの光に対
して、コア部分の屈折率を1.420〜1.650の範
囲内の値とするとともに、下部クラッド層および上部ク
ラッド層の屈折率をそれぞれ1.400〜1.648の
範囲内の値とすることが好ましい。また、コア部分の屈
折率を、下部および上部クラッド層の屈折率よりも少な
くとも0.05%大きい値とすることが好ましく、より
好ましくは0.1〜10%大きい値である。
【0012】放射線硬化性組成物の構成成分のうち、
(A)成分は、光硬化成分であって、一般式(1)で表
される加水分解性シラン化合物、その加水分解物および
その縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1つの化
合物である。
【0013】(A)成分の構造を表す一般式(1)中、
Xで表される加水分解性基は、通常、無触媒、過剰の水
の共存下、室温(25℃)〜100℃の温度範囲内で加
熱することにより、加水分解されてシラノール基を生成
することができる基、もしくはシロキサン縮合物を形成
することができる基を指す。また、一般式(1)中の添
え字pは、0〜3の整数であるが、より好ましくは0〜
2の整数であり、特に好ましくは1である。
【0014】ただし、一般式(1)で表される(A)成
分において、一部のXが加水分解されていてもよく、そ
の場合は、加水分解性シラン化合物と加水分解物との混
合物となる。また、加水分解性シラン化合物の加水分解
物というときは、加水分解反応によりアルコキシ基がシ
ラノール基に変わった化合物ばかりでなく、一部のシラ
ノール基同士が縮合した部分縮合物をも意味している。
【0015】(2)有機基R1 一般式(1)における有機基R1は、非加水分解性であ
る一価の有機基の中から選ぶことができる。このような
非加水分解性の有機基として、非重合性の有機基および
重合性の有機基あるいはいずれか一方の有機基を選ぶこ
とができる。なお、有機基R1における非加水分解性と
は、加水分解性基Xが加水分解される条件において、そ
のまま安定に存在する性質であることを意味する。
【0016】ここで、非重合性の有機基R1としては、
アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ
る。これらは、直鎖状、分岐状、環状あるいはこれらの
組み合わせであってもよい。さらに、非重合性の有機基
R1は、ヘテロ原子を含む構造単位とすることも好まし
い。そのような構造単位としては、エーテル、エステ
ル、スルフィド等を例示することができる。また、ヘテ
ロ原子を含む場合、非塩基性であることが好ましい。ま
た、重合性の有機基R1は、分子中にラジカル重合性の
官能基およびカチオン重合性の官能基あるいはいずれか
一方の官能基を有する有機基であることが好ましい。こ
のような官能基を導入することにより、ラジカル重合や
カチオン重合を併用して、放射線硬化性組成物をより有
効に硬化させることができる。
【0017】(3)加水分解性基X 一般式(1)における加水分解性基Xとしては、水素原
子、炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子、ア
ミノ基およびアシルオキシ基等が挙げられる。
【0018】(4)加水分解性シラン化合物の具体例 次に、一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物
(単に、「シラン化合物」と称する場合がある。)の具
体例を説明する。
【0019】まず、非重合性の有機基R1を有するシラ
ン化合物としては、テトラクロロシラン、テトラアミノ
シラン、テトラアセトキシシラン、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テ
トラフェノキシシラン、テトラベンジロキシシラン、ト
リメトキシシラン、トリエトキシシラン等の4個の加水
分解性基で置換されたシラン化合物が挙げられる。ま
た、同様に、メチルトリクロロシラン、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブ
トキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリ
イソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ブ
チルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ノナフ
ルオロブチルエチルトリメトキシシラン、トリフルオロ
メチルトリメトキシシラン等の3個の加水分解性基で置
換されたシラン化合物が挙げられる。また、同様に、ジ
メチルジクロロシラン、ジメチルジアミノシラン、ジメ
チルジアセトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、
ジフェニルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラ
ン等の2個の加水分解性基で置換されたシラン化合物、
及びトリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザ
ン、トリメチルシラン、トリブチルシラン、トリメチル
メトキシシラン、トリブチルエトキシシラン等の1個の
加水分解性基で置換されたシラン化合物を挙げることが
できる。また、重合性の有機基R1を有するシラン化合
物としては、Xにおける非加水分解性の有機基に重合性
の有機基R1を含むシラン化合物、Xにおける加水分解
性の有機基に重合性の有機基R1を有するシラン化合物
のいずれかを用いることができる。
【0020】また、上述したシラン化合物を加水分解ま
たは縮合させるための条件は、特に制限されるものでは
ないが、一例として、以下に示す1)〜3)の工程によ
って実施するのが好ましい。 1)一般式(1)に示す加水分解性シラン化合物と、所
定量の水とを、撹拌機付の容器内に収容する。 2)次いで、溶液の粘度を調節しながら、有機溶媒を容
器内にさらに収容し、混合溶液とする。 3)得られた混合溶液を、空気雰囲気中、0℃から有機
溶媒もしくは加水分解性シラン化合物の沸点以下の温度
で、1〜24時間の間加熱撹拌する。なお、加熱撹拌
中、必要に応じて蒸留によって混合溶液を濃縮したり、
あるいは溶剤を置換することも好ましい。
【0021】また、上述したシラン化合物を加水分解、
縮合させる際には、触媒を使用することも好ましい。こ
のような触媒の種類としては、金属キレート化合物、有
機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基等を挙げることがで
きる。
【0022】なお、これら触媒のうち、金属キレート化
合物、有機酸、無機酸が好ましく、より好ましくは、チ
タンキレート化合物、有機酸を挙げることができる。こ
れらは1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
また、上述した触媒の使用量は、(A)成分であるシラ
ン化合物100重量部に対して、通常、0.001〜1
0重量部の範囲であり、好ましくは0.005〜5重量
部の範囲である。なお、本発明において(A)成分の重
量は一般式(1)で表される化合物が完全に加水分解縮
合したものに換算することとする。
【0023】(5)加水分解物の重量平均分子量 次に、(A)成分としての加水分解性シラン化合物は、
加水分解性基を一部または全部が加水分解した加水分解
物であることも好ましく、その場合、加水分解物の重量
平均分子量を、500〜10,000の範囲内の値とす
るのが好ましい。この理由は、加水分解物における重量
平均分子量の値が500未満の場合、塗膜の成膜性が低
下する場合があるためであり、一方、10,000を越
えると放射線硬化性が低下する場合があるためである。
したがって、加水分解物における重量平均分子量を、
1,000〜5,000の範囲内の値とすることがより
好ましい。なお、加水分解物における重量平均分子量
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、
「GPC」と略記する。)を用い、ポリスチレン換算の
重量平均分子量として測定することができる。
【0024】(2)加水分解性シリル基含有ビニル系重
合体 種類および製造方法 本発明に使用する加水分解性シリル基含有ビニル系重合
体は、下記一般式(2)で表されるように、分子中に少
なくとも1個の加水分解性シリル基を有するビニルモノ
マーの重合体と定義される。そして、一般式(2)にお
ける加水分解性シリル基は、−Si(R1)w(X)3-w
(R1、Xは一般式(1)と同様であり、wは0〜2で
ある。)で表わされる基である。
【化3】 [一般式(2)中、R2はそれぞれ独立であり、水素原
子、ハロゲン原子または炭素数1〜12の一価の有機基
であり、R3は、炭素数0または1〜200の二価の有
機基であり、R1およびXは、一般式(1)の内容と同
様であり、wは0〜2の整数である。] また、加水分解性シリル基含有重合体の重量平均分子量
が1、000未満となると、柔軟性が低下する傾向があ
り、一方、重量平均分子量が1、000、000を超え
ると、硬化膜の透明性に乏しくなる傾向がある。したが
って、下地に対する密着力の向上と、硬化膜の透明性と
のバランスがより良好な観点から、加水分解性シリル基
含有重合体の重量平均分子量を3、000〜500、0
00の範囲内の値とするのがより好ましく、5、000
〜50、000の範囲内の値とするのがさらに好まし
い。なお、加水分解性シリル基含有重合体の重量平均分
子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィ)装置を用いて、ポリスチレン換算分子量として、測
定することができる。
【0025】また、このような加水分解性シリル基含有
ビニル系重合体を製造する際の、ビニル系重合体中への
加水分解性シリル基の導入方法は特に限定を受けるもの
ではないが、例えば、以下に示す第1の製造方法や第2
の製造方法を採ることが好ましい。
【0026】(第1の製造方法)第1の製造方法は、加
水分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマーをラジ
カル重合することにより、あるいは、加水分解性シリル
基を有する重合性不飽和モノマーと加水分解性シリル基
を有しない重合性不飽和モノマーとをラジカル共重合す
ることにより、加水分解性シリル基含有ビニル系重合体
を製造する方法である。
【0027】このような第1の製造方法に使用される加
水分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマーとして
は、例えば、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシ
シラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシ
ラン、ビス(メタクリロキシプロピル)ジメトキシシラ
ンなどの(メタ)アクリロキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエ
トキシシランなどのビニルシラン等を挙げることができ
る。なお、上述した加水分解性シリル基を有する重合性
不飽和モノマーは、1種を単独重合もしくは、2種以上
を組み合わせて重合しても良い。
【0028】また、加水分解性シリル基を含まない重合
性不飽和モノマーは、ラジカル重合性のエチレン性不飽
和結合(C=C)を分子中に有する化合物であり、1分
子中に1個のエチレン性不飽和結合を有する単官能モノ
マーから選ばれる。このような加水分解性シリル基を有
しない化合物(単官能性モノマー)としては、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリレート類、アクリルアミド
類、N−ビニル化合物、スチレン類、ビニルエーテル
類、ビニルエステル類、ハロゲン化オレフィン類、ジエ
ン類等が挙げられる。また、これらの単官能性モノマー
のうち、好ましい(メタ)アクリレート類としては、ア
ルキル(メタ)アクリート類、ヒドロキシ基含有(メ
タ)アクリレート、アミノ基含有(メタ)アクリレート
を挙げることができる。
【0029】また、好ましい(メタ)アクリレート類と
しては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジ
メチルオクチル(メタ)アクリレートイソボルニルオキ
シエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、エチルジエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジシ
クロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ジシクロペ
ンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロ
ペンテニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル
(メタ)アクリルアミドテトラクロロフェニル(メタ)
アクリレート、2−テトラクロロフェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)ア
クリレート、テトラブロモフェニル(メタ)アクリレー
ト、2−テトラブロモフェノキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−トリクロロフェノキシエチル(メタ)アク
リレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、
2−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル
(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリ
レート、ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、
ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、ボルニル
(メタ)アクリレート、メチルトリエチレンジグリコー
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0030】また、好ましいアクリルアミド類として
は、(メタ)アクリロイルモルホリン、イソブトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)ア
クリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ビ
ニルカプロラクタム、N−ビニル化合物としては、N−
ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、N,N−
ジメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0031】また、好ましいスチレン類としては、スチ
レン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、メトキシ
スチレン、ヒドロキシスチレン、クロロメチルスチレ
ン、また、ビニルエーテル類としては、例えば、メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニル
エーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキ
シブチルビニルエーテル、ノナフルオロブチルエチルビ
ニルエーテル等を挙げることができる。
【0032】また、好ましいビニルエステル類としては
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリル酸ビニル等
を挙げることができる。また、好ましいハロゲン化オレ
フィン類としては、フッ化ビニリデン、テトラフルオロ
エチレン、ヘキサフルオロプロペン、塩化ビニリデン等
を挙げることができる。また、好ましいジエン類として
はブタジエン、イソプレン等を挙げることができる。な
お、加水分解性シリル基を含有しないこれら単官能性モ
ノマーは単独もしくは2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0033】また、上述した加水分解性シリル基を含ま
ない重合性不飽和モノマー中、アミド構造やアミン構造
を含まないことより放射線硬化性を低下させることがな
く、かつ芳香族環を含まないことより耐光性も良好な観
点から、アルキル(メタ)アクリレートを使用すること
がさらに好ましい。このようなアルキル(メタ)アクリ
レートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ブトキシエチル(メタ)アクリレートポリエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、ボルニル(メ
タ)アクリレート、メチルトリエチレンジグリコール
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
グリシジル(メタ)アクリレート、β−(3、4−エポ
キシシクロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート等を
挙げることができる。
【0034】また、このような単官能性モノマーの市販
品としては、例えばアロニックスM−101、M−10
2、M−111、M−113、M−117、M−15
2、TO−1210(以上、東亞合成(株)製)、KA
YARAD TC−110S、R−564、R−128
H(以上、日本化薬(株))、ビスコート192、ビス
コート220、ビスコート2311HP、ビスコート2
000、ビスコート2100、ビスコート2150、ビ
スコート8F、ビスコート17F(以上、大阪有機化学
工業(株)製)等を挙げることができる。
【0035】これらビニル系モノマー及び加水分解性シ
リル基を有する重合性不飽和モノマーとの共重合方法は
公知の方法を採用することができる。例えば、アゾ化合
物、過酸化物、酸化剤/還元剤の組み合わせたレドック
ス重合開始剤などの熱ラジカル重合開始剤の共存下、有
機溶媒中もしくは無溶剤で加熱攪拌することにより共重
合体が製造される。また、有機溶媒の代わりに水を使用
することも可能であり、この場合乳化重合の際に添加さ
れる公知の界面活性剤の共存下で製造される。さらに、
熱ラジカル重合開始剤ばかりでなく、光で分解開始され
る重合開始剤を使用することも好ましく、熱ラジカル重
合開始剤を用いて得られた共重合と同等の特性を有する
共重合体を迅速に製造することができる。
【0036】また、加水分解性シリル基を有する重合性
不飽和モノマーと、ビニル系モノマーとの反応割合は特
に制限されるものではないが、例えば、下記一般式(3
−1)で表される構造単位の重合度をtとし、下記一般
式(3−2)で表される構造単位の重合度をuとしたと
きに、t/(t+u)を0.001〜1.000の範囲
内の値とするのが好ましい。この理由は、t/(t+
u)の値がこのような範囲外となると、得られた硬化物
における耐光性や耐薬品性が低下する場合があるためで
ある。したがって、t/(t+u)を0.01〜0.5
00の範囲内の値とするのが好ましい。
【化4】
【0037】[一般式(3−1)中、R4はそれぞれ独
立である、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜1
2の一価の有機基であり、R5は炭素数0または1〜2
00の二価の有機基であり、R1、Xおよびwは一般式
(1)および一般式(2)の内容と同様である。]
【0038】
【化5】 [一般式(3−2)中、R4はそれぞれ独立である、水
素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜12の一価の有
機基であり、R6は水素または炭素数1〜200の二価
の有機基である。]
【0039】これら加水分解性シリル基含有ビニル系重
合体の製造方法の中で好ましいものを挙げると、熱ラジ
カル重合開始剤の共存下に有機溶媒中で実施される方法
(溶液重合法)である。この場合、有機溶媒として1気
圧下での沸点が30℃から250℃の範囲、好ましく
は、50℃から200℃の範囲の有機溶媒を使用するこ
とが好ましい。このような有機溶媒としては、ジブチル
エーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジ
メチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、1,3−ジオキサン、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等のエ
ーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸
エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、γーブトロラクトン
等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、ブタノール、カルビトール等のアルコール類;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素
類;シクロヘキサン、n−ヘキサン、リグロインなどの
炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;塩化メチ
レンなどのハロゲン化炭化水素類を挙げることができ
る。また、これらの中でより好ましい有機溶媒として
は、アルコール類、ケトン類である。
【0040】また、これらの有機溶媒は加水分解性シリ
ル基の安定性を確保する意味で水分含有量が低いことが
好ましい。例えば1重量%以下、より好ましくは0.1
重量%以下の値とすることが好ましい。また、溶液中の
重合体固形分濃度は反応が均一、かつ円滑に進行される
限り特に制限を受けるものではないが、通常固形分濃度
として10〜80重量%、好ましくは20〜60重量%
の固形分濃度で実施される。
【0041】(第2の製造方法)第2の製造方法は、反
応性有機基を有するビニル系重合体と、加水分解性シリ
ル基を有する化合物とを化学反応させることにより、加
水分解性シリル基含有ビニル系重合体を製造する方法で
ある。この場合、加水分解性シリル基を有する化合物と
して、予め加水分解もしくは、さらに縮合させたものを
使用することができる。このように加水分解性シリル基
を化学反応により導入する場合、公知の方法を用いるこ
とができ、例えば 1)不飽和二重結合を有するポリマーに対し遷移金属触
媒の存在下、トリアルコキシシランを付加させるヒドロ
シリル化反応、 2)エポキシ基を含有するポリマーに対し、メルカプト
基もしくはアミノ基を有するアルコキシシラン類を付加
反応させる方法、 3)ヒドロキシ基を有するポリマーに対しイソシアネー
ト基を有するアルコキシシランを反応させウレタン結合
によりシリル化する方法などを用いることができる。
【0042】このようにして第1および第2の製造方法
で製造された加水分解性シリル基含有ビニル系重合体の
配合方法としては、(A)成分である加水分解性シラン
化合物中へ直接混合する方法が通常行われる。ただし、
加水分解性シリル基含有ビニル系重合体に対して、
(A)成分を混合した後、加水分解性シランの加水分解
および縮合を同一容器中で実施することも好ましい。こ
のようにして調製された成分(A)および成分(B)
は、それぞれがシロキサン結合を介して共縮合したポリ
マーとなっており、相分離することがない。したがっ
て、放射線硬化性樹脂組成物中の作製が容易となり、ま
た、得られた硬化膜の透明性がより向上する。
【0043】ビニル系重合体の添加量 次に、本発明で使用するビニル系重合体の添加量(含有
割合)について説明する。かかるビニル系重合体の添加
量は特に制限されるものではないが、完全加水分解縮合
物(つまり、加水分解性基が100%加水分解してOH
基となり、完全に縮合したもの)に換算した(A)成分
100重量部に対して、1〜10、000重量部の範囲
内の値とするのが好ましい。ビニル系重合体の添加量が
1重量部未満となると、下地に対する密着性や柔軟性、
あるいは耐薬品性が低下する傾向がある。一方、ビニル
系重合体の添加量が10、000重量部を超えると、放
射線硬化性樹脂組成物の放射線硬化性や、得られた硬化
物における耐候性が低下する傾向がある。なお、(A)
成分の重量が問題となる場合には、以下同様に完全加水
分解縮合物に換算された(A)成分が基準となる。した
がって、下地に対する密着性と得られる硬化物の耐候性
等とのバランスがより良好な観点から、ビニル系重合体
の添加量を、(A)成分100重量部に対して5〜20
0重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、10
〜100重量部の範囲内の値とすることがさらに好まし
い。
【0044】重量平均分子量 ビニル系重合体の重量平均分子量は特に制限されるもの
ではないが、例えば、1、000〜1、000、000
の範囲内の値であることが好ましい。 ガラス転移温度 ビニル系重合体のガラス転移温度(Tg)は、特に制限
されるものではないが、例えば、−100〜120℃の
範囲内の値であることが好ましい。ビニル系重合体のガ
ラス転移温度が−100℃未満となると、ビニル系重合
体の凝集力が低下し、下地に対する密着力が低下する傾
向があり、一方、ガラス転移温度が120℃を超える
と、ビニル系重合体が剛直となり、下地に対する密着力
がやはり低下する傾向にある。したがって、ビニル系重
合体の凝集力や下地に対する密着力の向上とのバランス
がより良好な観点から、ビニル系重合体のガラス転移温
度を−80〜100℃の範囲内の値とするのがより好ま
しく、−40〜50℃の範囲内の値とするのがさらに好
ましい。なお、ビニル系重合体のガラス転移温度は、示
差熱走査型熱量計(DSC)を用いて、窒素気流中、昇
温速度10℃/分の条件で測定することができる。
【0045】(C)成分は、光酸発生剤であり、紫外線
等の放射線を照射することにより、(A)成分である加
水分解性シラン化合物を光硬化(架橋)可能な酸性活性
物質を放出することができる化合物と定義される。
【0046】光酸発生剤の種類としては、一般式(4)
で表される構造を有するオニウム塩(第1群の化合物)
や、一般式(5)で表される構造を有するスルホン酸誘
導体(第2群の化合物)を挙げることができる。 [R2aR3bR4cR5dW]+m[MZm+n]-m (4) [一般式(2)中、カチオンはオニウムイオンであり、
WはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、
Br、Clまたは−N≡Nであり、R2、R3、R4およ
びR5は同一または異なる有機基であり、a、b、cお
よびdはそれぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c
+d)はWの価数に等しい。また、Mはハロゲン化物錯
体[MZm+n]の中心原子を構成する金属またはメタロイ
ドであり、例えばB、P、As、Sb、Fe、Sn、B
i、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、
Mn、Coである。Zは、例えばF、Cl、Br等のハ
ロゲン原子またはアリール基であり、mはハロゲン化物
錯体イオンの正味の電荷であり、nはMの原子価であ
る。]
【0047】Qs−〔S(=O)2−R6〕t (5) [一般式(3)中、Qは1価もしくは2価の有機基、R
6は炭素数1〜12の一価の有機基、添え字sは0又は
1、添え字tは1又は2である。]まず、第1群の化合
物であるオニウム塩は、光を受けることにより酸性活性
物質を放出することができる化合物である。ここで、一
般式(4)におけるアニオン[MZm+n]の具体例として
は、テトラフルオロボレート(BF4-)、ヘキサフルオ
ロホスフェート(PF6-)、ヘキサフルオロアンチモネ
ート(SbF6-)、ヘキサフルオロアルセネート(As
F6-)、ヘキサクロルアンチモネート(SbCl6-)、
テトラフェニルボレート、テトラキス(トリフルオロメ
チルフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロ
メチルフェニル)ボレート等が挙げられる。
【0048】また、一般式(4)におけるアニオン[M
Zm+n]の代わりに、一般式[MZnOH-]で表されるアニ
オンを使用することも好ましい。さらに、過塩素酸イオ
ン(ClO4-)、トリフルオロメタンスルホン酸イオン
(CF3SO3-)、フルオロスルホン酸イオン(FSO3
-)、トルエンスルホン酸イオン、トリニトロベンゼン
スルホン酸アニオン、トリニトロトルエンスルホン酸ア
ニオン等の他のアニオンを有するオニウム塩を使用する
こともできる。
【0049】次に、第2群の化合物について説明する。
一般式(5)で表されるスルホン酸誘導体の例を示す
と、ジスルホン類、ジスルホニルジアゾメタン類、ジス
ルホニルメタン類、スルホニルベンゾイルメタン類、イ
ミドスルホネート類、ベンゾインスルホネート類、1−
オキシ−2−ヒドロキシ−3−プロピルアルコールのス
ルホネート類、ピロガロールトリスルホネート類、ベン
ジルスルホネート類を挙げることができる。また、一般
式(5)で表されるスルホン酸誘導体の中で、より好ま
しくはイミドスルホネート類であり、さらに好ましくは
イミドスルホネートのうち、トリフルオロメチルスルホ
ネート誘導体である。
【0050】(2)添加量 次に、光酸発生剤の添加量(含有割合)について説明す
る。かかる光酸発生剤の添加量は特に制限されるもので
はないが、(A)成分100重量部に対して、通常0.
1〜15重量部の範囲内の値とするのが好ましい。この
理由は、光酸発生剤の添加量が0.1重量部未満となる
と、放射線硬化性が低下し、十分な硬化速度が得られな
い場合があるためであり、一方、光酸発生剤の添加量が
15重量部を超えると、得られる硬化物の耐候性や耐熱
性が低下する場合があるためである。したがって、放射
線硬化性と得られる硬化物の耐候性等とのバランスがよ
り良好となることから、(A)成分100重量部に対し
て、1〜10重量部の範囲内の値とすることがより好ま
しい。
【0051】また、放射線硬化性組成物において、上述
した光酸発生剤と併用して光増感剤を配合することも好
ましい。この理由は、光増感剤を併用することにより、
光等のエネルギー線をより効果的に吸収することがで
き、光酸発生剤の感度を向上させることができるためで
ある。このような光増感剤としては、チオキサントン、
ジエチルチオキサントンおよびチオキサントンの誘導
体;アントラキノン、ブロムアントラキノンおよびアン
トラキノンの誘導体;アントラセン、ブロムアントラセ
ンおよびアントラセン誘導体;ペリレンおよびペリレン
の誘導体;キサントン、チオキサントンおよびチオキサ
ントンの誘導体;クマリンおよびケトクマリン等を挙げ
ることができる。また、これらの光増感剤中で、より好
ましい化合物は、ジエチルチオキサントンおよびブロム
アントラセンである。
【0052】放射線硬化性組成物は通常さらに有機溶媒
を含有していることが好ましい。有機溶媒の種類として
は、本発明の目的、効果を損なわない範囲で選ぶことが
できるが、通常、大気圧下での沸点が50〜200℃の
範囲内の値を有する有機化合物であって、各構成成分を
均一に溶解させる有機化合物であることが好ましい。し
たがって、エーテル系有機溶媒、エステル系有機溶媒、
ケトン系有機溶媒、芳香族炭化水素系有機溶媒、アルコ
ール系有機溶媒からなる群から選択される少なくとも一
つの化合物を挙げることができ、さらに好ましくは、ア
ルコール類およびケトン類が挙げられる。この理由は、
これらの有機溶媒を使用することにより、放射線硬化性
組成物の保存安定性をより向上させることができるため
である。また、より好ましい有機溶媒としては、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプ
ロピルエーテル、乳酸エチル、メチルイソブチルケト
ン、メチルアミルケトン、トルエン、キシレン、および
メタノールからなる群から選択される少なくとも一つの
化合物が挙げられる。また、有機溶媒の添加量は、放射
線硬化性組成物の全体量を100重量%としたときに、
10〜99重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
【0053】本発明においては放射線硬化性組成物にさ
らに酸核酸制御剤を添加してもよい。酸拡散制御剤と
は、露光により酸発生剤から生じた酸の被膜中における
拡散現象を制御し、非露光領域での硬化反応を抑制する
作用を有する化合物と定義される。ただし、定義上、
(C)成分である酸発生剤と区別するため、酸拡散制御
剤は酸発生機能を有しない化合物である。このような酸
拡散制御剤を添加することにより、放射線硬化性組成物
を効果的に硬化して、優れたパターン精度を得ることが
できる。したがって、解像度として、例えば、5〜10
μm幅の光導波路であっても形成することができる。
【0054】酸拡散制御剤としては、形成工程中の露光
や加熱処理によって塩基性が変化しない含窒素有機化合
物が好ましい。このような含窒素有機化合物としては、
例えば、下記一般式(6)で表される化合物(以下、
「含窒素化合物(I)」という。)が挙げられる。
【0055】一般式(6) NR9R10R11 [一般式(6)中、R9、R10およびR11は相互に独立
であって、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル
基、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もし
くは非置換のアラルキル基を表している。] また、別の含窒素有機化合物としては、同一分子内に窒
素原子を2個有するジアミノ化合物(以下、「含窒素化
合物(II)」という。)や、窒素原子を3個以上有する
ジアミノ重合体(以下、「含窒素化合物(III)」とい
う。)、あるいは、アミド基含有化合物、ウレア化合
物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
【0056】ここで、含窒素化合物(I)としては、n
−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチル
アミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノ
アルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペ
ンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプ
チルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニル
アミン、ジ−n−デシルアミン等のジアルキルアミン
類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ト
リ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ト
リ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、
トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、
トリ−n−デシルアミン等のトリアルキルアミン類;ア
ニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリ
ン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メ
チルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミ
ン、トリフェニルアミン、1−ナフチルアミン等の芳香
族アミン類;エタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類等を挙
げることができる。
【0057】また、含窒素化合物(II)としては、例え
ば、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメ
チルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス
(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エ
チレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’
−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルアミン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プ
ロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミ
ノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−
2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−
アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−
1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4
−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン等を
挙げることができる。
【0058】また、含窒素化合物(III)としては、例
えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ジメチ
ルアミノエチルアクリルアミドの重合体等を挙げること
ができる。また、アミド基含有化合物としては、例え
ば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセ
トアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオン
アミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリ
ドン等を挙げることができる。また、ウレア化合物とし
ては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチル
ウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テ
トラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブ
チルチオウレア等を挙げることができる。
【0059】また、含窒素複素環化合物としては、例え
ば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、2−メチルイ
ミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルイ
ミダゾール、4−フェニルイミダゾール、4−メチル−
2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジ
ン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エ
チルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリ
ジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニ
ルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミ
ド、キノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピ
リジン類;ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザ
リン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、
4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジメチル
ピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オ
クタン等を挙げることができる。
【0060】これらの含窒素有機化合物のうち、含窒素
化合物(I)、含窒素複素環化合物等が好ましい。ま
た、含窒素化合物(I)の中では、トリアルキルアミン
類が特に好ましく、含窒素複素環化合物の中では、ピリ
ジン類が特に好ましい。なお、酸拡散制御剤は、一種単
独で使用することもできるし、あるいは二種以上を混合
して使用することも好ましい。
【0061】また、酸拡散制御剤の添加量を、(A)成
分100重量部に対して、0.001〜15重量部の範
囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる酸
拡散制御剤の添加量が0.001重量部未満では、プロ
セス条件によっては、光導波路のパターン形状や寸法再
現性が低下する場合があるためであり、一方、かかる酸
拡散制御剤の添加量が15重量部を超えると、(A)成
分の放射線硬化性が低下する場合があるためである。し
たがって、酸拡散制御剤の添加量を、(A)成分100
重量部に対して、0.001〜10重量部の範囲内の値
とすることがより好ましく、0.005〜5重量部の範
囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0062】放射線硬化性組成物には、本発明の目的や
効果を損なわない範囲において、上述した構成成分以外
に添加剤として、高分子樹脂、例えば、エポキシ樹脂、
アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリクロ
ロプレン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、
スチレン−ブタジエンブロック共重合体、石油樹脂、キ
シレン樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、フッ素系ポ
リマー、シリコーン系ポリマーを添加することができ
る。また、その他の添加剤として、脱水剤、反応性希釈
剤、無機粒子、重合禁止剤;重合開始助剤;レベリング
剤;濡れ性改良剤;界面活性剤;可塑剤;紫外線吸収
剤;酸化防止剤;帯電防止剤;シランカップリング剤等
を添加することも好ましい。
【0063】本発明では、光導波路を製造するにあた
り、下部クラッド層、コア部分および上部クラッド層の
各層を形成する工程を含むとともに、少なくとも一つの
工程が、上記(A)〜(C)成分ならびに必要に応じて
有機溶剤を含有する放射線硬化性組成物を塗工した後、
放射線により硬化させる。また、各放射線硬化性組成物
を調製する際に、その粘度を、1〜10,000cps
(25℃)の範囲内の値とすることが好ましく、5〜
8,000cps(25℃)の範囲内の値とすることが
より好ましく、10〜5,000cps(25℃)の範
囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0064】本発明において、光導波路10は、図2に
示すような工程を経て形成される。すなわち、下部クラ
ッド層13、コア部分15および上部クラッド層(図示
せず。)を、いずれも、それらの層を形成するための放
射線硬化性組成物を塗工したのち、放射線硬化すること
により形成することが好ましい。なお、以下の形成例で
は、下部クラッド層、コア部分および上部クラッド層
を、それぞれ硬化後において屈折率が異なる硬化物が得
られる放射線硬化性組成物である下層用組成物、コア用
組成物、および上層用組成物から形成することを想定し
て、説明する。
【0065】基板の準備 まず、図2(a)に示すように、平坦な表面を有する基
板12を用意する。この基板12の種類としては、特に
制限されるものではないが、例えば、シリコン基板やガ
ラス基板等を用いることができる。
【0066】下部クラッド層の形成工程 用意した基板12の表面に、下部クラッド層13を形成
する工程である。具体的には、図2(b)に示すよう
に、基板12の表面に、下層用組成物を塗布し、乾燥ま
たはプリベークさせて下層用薄膜を形成する。そして、
この下層用薄膜に、放射線を照射することにより硬化さ
せて、下部クラッド層13を形成することができる。な
お、下部クラッド層13の形成工程では、薄膜の全面に
放射線を照射し、その全体を硬化することが好ましい。
【0067】ここで、下層用組成物を塗布方法として
は、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法、バ
ーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グラ
ビア印刷法、シルクスクリーン法、またはインクジェッ
ト法等の方法を用いることができる。このうち、特に均
一な厚さの下層用薄膜が得られることから、スピンコー
ト法を採用することがより好ましい。また、下層用組成
物のレオロジー特性を塗布方法に適切に対応したものと
するために、各種レベリング剤、チクソ付与剤、フィラ
ー、有機溶媒、界面活性剤等を必要に応じて配合するこ
とが好ましい。また、下層用組成物からなる下層用薄膜
は、塗布後、50〜200℃でプリベークすることが好
ましい。なお、下部クラッド層の形成工程における塗布
方法や、レオロジー特性の改良等については、後述する
コア部分の形成工程や、上部クラッド層の形成工程にお
いてもあてはまる内容である。
【0068】また、下部クラッド層を形成する際の放射
線の照射量についても、特に制限されるものでは無い
が、波長200〜390nm、照度1〜500mW/c
m2の放射線を、照射量が10〜5,000mJ/cm2
となるように照射して、露光することが好ましい。ここ
に、照射される放射線の種類としては、可視光、紫外
線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を用いることが
できるが、特に紫外線が好ましい。そして、放射線(紫
外線)の照射装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、
低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマラン
プ等を用いることが好ましい。また、露光後に、塗膜全
面が十分硬化するように、さらに加熱処理(以下、「ポ
ストベーク」という。)を行うことが好ましい。この加
熱条件は、放射線硬化性樹脂組成物の配合組成、添加剤
の種類等により変わるが、通常、30〜400℃、好ま
しくは50〜300℃で、例えば5分間〜72時間の加
熱条件とすれば良い。なお、下部クラッド層の形成工程
における放射線の照射量、種類、および放射線(紫外
線)の照射装置等については、後述するコア部分の形成
工程や、上部クラッド層の形成工程においてもあてはま
る内容である。
【0069】コア部分の形成 次に、この下部クラッド層13上に、図2(c)に示す
ように、コア用組成物を塗布し、乾燥またはさらにプリ
ベークさせてコア用薄膜14を形成する。その後、図2
(d)に示すように、コア用薄膜14の上面に対して、
所定のパターンに従って、例えば所定のラインパターン
を有するフォトマスク19を介して放射線16の照射を
行うことが好ましい。これにより、放射線が照射された
箇所のみが硬化するので、それ以外の未硬化の部分を現
像除去することにより、図2(e)に示すように、下部
クラッド層13上に、パターニングされた硬化膜よりな
るコア部分15を形成することができる。
【0070】また、コア部分15を形成するためのコア
用薄膜14に対する放射線16の照射は、所定のパター
ンを有するフォトマスク19に従って行われた後、現像
液により未露光部分を現像することにより、未硬化の不
要な部分が除去され、これによってコア部分15が形成
される。このように所定のパターンに従って放射線の照
射を行う方法としては、放射線の透過部と非透過部とか
らなるフォトマスクを用いる方法に限られず、例えば、
以下に示すa〜cの方法が挙げられる。 a.液晶表示装置と同様の原理を利用した、所定のパタ
ーンに従って放射線透過領域と放射線不透過領域とより
なるマスク像を電気光学的に形成する手段を利用する方
法。 b.多数の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、
この導光部材における所定のパターンに対応する光ファ
イバーを介して放射線を照射する方法。 c.レーザ光、あるいはレンズ、ミラー等の集光性光学
系により得られる収束性放射線を走査させながら放射線
硬化性組成物に照射する方法。 なお、露光後、露光部分の硬化を促進させるために、加
熱処理(以下、「PEB」という。)を行うことが好ま
しい。その加熱条件は、放射線硬化性組成物の配合組
成、添加剤の種類等により変わるが、通常、30〜20
0℃、好ましくは50〜150℃である。一方、露光前
に、放射線硬化性組成物からなる塗膜を、室温条件に、
1〜10時間放置するだけで、コア部分の形状を半円形
とすることができる。したがって、半円形のコア部分を
得たい場合には、このように露光前に、室温条件に、数
時間放置することが好ましい。
【0071】このようにして所定のパターンに従ってパ
ターン露光し、選択的に硬化させた薄膜に対しては、硬
化部分と未硬化部分との溶解性の差異を利用して、現像
処理することができる。したがって、パターン露光後、
未硬化部分を除去するとともに、硬化部分を残存させる
ことにより、結果として、コア部分を形成することがで
きる。
【0072】ここで、現像液としては、有機溶媒、ある
いは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモ
ニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルア
ミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メ
チルジエチルアミン、N−メチルピロリドン、ジメチル
エタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチ
ルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウ
ムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,
8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、
1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノナンな
どのアルカリ類からなるアルカリ水溶液等を用いること
ができる。また、アルカリ水溶性を使用する場合、その
濃度を、通常0.05〜25重量%、好ましくは0.1
〜3.0重量%の範囲内の値とすることが好ましい。な
お、このようなアルカリ水溶液に、メタノール、エタノ
ールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤などを適当量添
加して、現像液として使用することも好ましい。
【0073】また、現像時間は、通常30〜600秒間
であり、また現像方法は液盛り法、ディッピング法、シ
ャワー現像法などの公知の方法を採用することができ
る。現像液として有機溶媒を用いた場合はそのまま風乾
することにより、また、アルカリ水溶液を用いた場合に
は流水洗浄を、例えば30〜90秒間行い、圧縮空気や
圧縮窒素等で風乾させることによって表面上の水分を除
去することにより、パターン状被膜が形成される。次い
で、パターニング部をさらに硬化させるために、ホット
プレートやオーブンなどの加熱装置により、例えば30
〜400℃の温度で5〜600分間ポストベーク処理
し、硬化されたコア部分が形成されることになる。
【0074】なお、コア用組成物には、下層用組成物や
上層用組成物よりも、酸拡散抑制剤を比較的多く添加す
ることが好ましい。例えば、下層用組成物や上層用組成
物には酸拡散抑制剤を添加せず、コア用組成物のみに酸
拡散抑制剤を添加しておくことも好ましい。このように
構成することにより、コア部分のパターン精度をより向
上させることができる一方、下層用組成物や上層用組成
物では、優れた保存安定性が得られるとともに、比較的
少ない放射線照射量で、十分に硬化させることができ
る。
【0075】上部クラッド層の形成 次いで、コア部分15が形成された下部クラッド層13
の表面に、上層用組成物を塗布し、乾燥またはプリベー
クさせて上層用薄膜を形成する。この上層用薄膜に対
し、放射線を照射して硬化させることにより、図1に示
したように上部クラッド層17を形成することができ
る。
【0076】また、放射線の照射によって得られる上部
クラッド層は、必要に応じて、さらに上述したポストベ
ークすることが好ましい。ポストベークすることによ
り、硬度および耐熱性に優れた上部クラッド層を得るこ
とができる。
【0077】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0078】[放射線硬化性組成物の合成] (1)ポリシロキサン溶液1の製造 撹拌機付の容器内に、フェニルトリメトキシシラン(7
6.9g、0.39モル)と、メチルトリメトキシシラ
ン(101.7g、0.75モル)と、電気伝導率が8
×10-5S・cm-1のイオン交換水(45.9g、2.
55モル)と、シュウ酸(0.1g、1.1×10-3
モル)とを収容した後、60℃、6時間の条件で加熱撹
拌することにより、フェニルトリメトキシシランおよび
メチルトリメトキシシランの加水分解を行った。次い
で、容器内にプロピレングリコールモノメチルエーテル
を加えた後、エバポレーターを用いて加水分解により副
生したメタノールを除去した。そして、最終的に固形分
を55重量%に調整したポリシロキサンを含有するプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル溶液を得た。これ
を「ポリシロキサン溶液1」とする。
【0079】(2)ポリシロキサン溶液2の製造 (a)アクリルポリマー溶液1 撹拌機付き容器内に、メチルメタアクリレート(450
g, 4.50モル)、メタアクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン(50g, 0.20モル)、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル(600g)、そして
2,2'-アゾビス−(2.4−ジメチルバレロニトリ
ル)(35g, 0.14モル)を収容した後、系内を
窒素置換する。その後、反応容器内温度が70℃に設定
し6時間撹拌する。最終的に固形分濃度を45重量%に
調製しアクリルポリマーを含有するプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル溶液を得た。これを「アクリルポ
リマー溶液1」とする。 (b)ポリシロキサン溶液3 撹拌機付き容器内にアクリルポリマー溶液1(133.
33g)、メチルトリメトキシシラン(231.36
g, 1.70モル)、フェニルトリメトキシシラン
(193.48g, 0.97モル)、電気伝導率が8
×10-5S・cm-1のイオン交換水(108.48g、
6.0モル)、そしてシュウ酸(0.30g,3.32
×103モル)を収容した後、60℃、6時間の条件で
加熱撹拌することにより、フェニルトリメトキシシラン
およびメチルトリメトキシシラン及びアクリルポリマー
溶液の加水分解を行った。次いで、容器内にプロピレン
グリコールモノメチルエーテルを加えた後、エバポレー
ターを用いて加水分解により副生したメタノールを除去
した。そして、最終的に固形分を45重量%に調整した
ポリシロキサンを含有するプロピレングリコールモノメ
チルエーテル溶液を得た。これを「ポリシロキサン溶液
2」とする。
【0080】(3)ポリシロキサン溶液3 撹拌機付き容器内に、メチルトリメトキシシラン(30
4.42g, 2.23モル)とフェニルトリメトキシ
シラン(230.33g, 1.16モル)、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル(150g)そしてAl
触媒(0.2g, 0.005重量%)を収容した後、
60℃のオイルバスに浸け、15分撹拌する。容器内温
が60℃に到達したら電気伝導率が8x10-5S・cm-1
のイオン交換水(244.15g, 13.56モル)
を一定量で添加する。そのまま5時間撹拌することによ
り、メチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシ
シランの加水分解を行った。次いで、アセチルアセトン
(30g, 0.30モル)を添加し、その後、エバポ
レーターにより加水分解により生成したメタノールを除
去した。最終的に固形分を65重量%に調製したポリシ
ロキサンを含有するプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル溶液を得た。これを「ポリシロキサン溶液3」と
する。
【0081】(4)ポリシロキサン溶液4 (a)アクリルポリマー溶液2 撹拌機付き容器内に、メチルメタアクリレート(375
g, 3.74モル)、2−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート(75g, 0.64モル)、メタアクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン(50g, 0.20モ
ル)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(12
50g)、そして2,2'-アゾビス−(2.4−ジメチ
ルバレロニトリル)(35g, 0.14モル)を収容
した後、系内を窒素置換する。その後、反応容器内温度
が70℃に設定し6時間撹拌する。最終的に固形分を2
8重量%に調製しアクリルポリマーを含有するプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル溶液を得た。これを
「アクリルポリマー溶液2」とする。撹拌機付き容器内
にアクリルポリマー溶液2(133.93g)、メチル
トリメトキシシラン(85.62g, 0.62モ
ル)、ジメチルジメトキシシラン(45.60g,
0.38モル)、フェニルトリメトキシシラン(64.
78g, 0.33モル)、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル(11.27g)そしてAl触媒(0.2
g, 0.005重量%)を収容した後、60℃のオイ
ルバスに浸け、15分撹拌する。容器内温が60℃に到
達したら電気伝導率が8x10-5S・cm-1のイオン交換
水(81.67g, 4.52モル)を一定量で添加す
る。そのまま5時間撹拌することにより、メチルトリメ
トキシシランとフェニルトリメトキシシランの加水分解
を行った。次いで、アセチルアセトン(30g, 0.
30モル)を添加し、その後、エバポレーターにより加
水分解により生成したメタノールを除去した。最終的に
固形分を65重量%に調製したポリシロキサンを含有す
るプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を得
た。これを「ポリシロキサン溶液4」とする。
【0082】(5)ポリシロキサン溶液5の製造 撹拌機付の容器内に、フェニルトリメトキシシラン(2
11.90g、1.06モル)と、メチルトリメトキシ
シラン(328.78g、2.41モル)と、電気伝導
率が8×10-5S・cm-1のイオン交換水(141.2
7g、7.84モル)と、シュウ酸(0.3g、3.3
×10-3モル)とを収容した後、60℃、6時間の条
件で加熱撹拌することにより、フェニルトリメトキシシ
ランおよびメチルトリメトキシシランの加水分解を行っ
た。次いで、容器内にプロピレングリコールモノメチル
エーテルを加えた後、エバポレーターを用いて加水分解
により副生したメタノールを除去した。そして、最終的
に固形分を55重量%に調整したポリシロキサンを含有
するプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を得
た。これを「ポリシロキサン溶液5」とする。
【0083】[光導波路形成用組成物の調製] (1)光導波路形成用組成物A(コア材A)の調製 上述したポリシロキサン溶液1を固形分換算で100重
量部に対し、光酸発生剤(トリフェニルスルホン トリ
フルオロメタンスルホネート)を1.0重量部、増感剤
(9−ヒドロキシメチルアントラセン)を0.33重量
部、酸拡散制御剤(トリエチルアミン)0.02重量
部、シリコーン系界面活性剤として、SH28PA(東
レダウコーニングシリコーン(株)製)0.05重量部
をそれぞれ添加し、均一に混合することにより、光導波
路形成用組成物A(コア材A)得た。
【0084】(2)光導波路形成用組成物B(クラッド
材B)の調製 上述したポリシロキサン溶液2(固形分)100重量部
に対し、光酸発生剤(トリフェニルスルホントリフルオ
ロメタンスルホネート)を1.0重量部、増感剤(9−
ヒドロキシメチルアントラセン)を0.33重量部、シ
リコーン系界面活性剤として、SH28PA(東レダウ
コーニングシリコーン(株)製)0.05重量部をそれ
ぞれ添加し、均一に混合することにより、光導波路形成
用組成物B(クラッド材B)を得た。
【0085】(3)光導波路形成用組成物C(コア材
C)の調製 上述したポリシロキサン溶液3を固形分換算で100重
量部に対し、光酸発生剤(トリフェニルスルホン トリ
フルオロメタンスルホネート)を1.0重量部、増感剤
(9−ヒドロキシメチルアントラセン)を0.33重量
部、酸拡散制御剤(トリエチルアミン)0.02重量
部、シリコーン系界面活性剤として、SH28PA(東
レダウコーニングシリコーン(株)製)0.05重量部
をそれぞれ添加し、均一に混合することにより、光導波
路形成用組成物C(コア材C)得た。
【0086】(4)光導波路形成用組成物D(クラッド
材D)の調製 上述したポリシロキサン溶液2(固形分)100重量部
に対し、光酸発生剤(トリフェニルスルホントリフルオ
ロメタンスルホネート)を1.0重量部、増感剤(9−
ヒドロキシメチルアントラセン)を0.33重量部、シ
リコーン系界面活性剤として、SH28PA(東レダウ
コーニングシリコーン(株)製)0.05重量部をそれ
ぞれ添加し、均一に混合することにより、光導波路形成
用組成物D(クラッド材D)を得た。
【0087】(5)光導波路形成用組成物E(クラッド
材E)の調製 上述したポリシロキサン溶液2(固形分)100重量部
に対し、光酸発生剤(トリフェニルスルホントリフルオ
ロメタンスルホネート)を1.0重量部、増感剤(9−
ヒドロキシメチルアントラセン)を0.33重量部、シ
リコーン系界面活性剤として、SH28PA(東レダウ
コーニングシリコーン(株)製)0.05重量部をそれ
ぞれ添加し、均一に混合することにより、光導波路形成
用組成物E(クラッド材E)を得た。
【0088】(6)光導波路形成用組成物F(コア材
F)の調製 上述したポリシロキサン溶液1を固形分換算で100重
量部に対し、光酸発生剤(トリフェニルスルホン トリ
フルオロメタンスルホネート)を1.0重量部、増感剤
(9−ヒドロキシメチルアントラセン)を0.33重量
部、シリコーン系界面活性剤として、SH28PA(東
レダウコーニングシリコーン(株)製)0.05重量部
をそれぞれ添加し、均一に混合することにより、光導波
路形成用組成物F(コア材F)得た。
【0089】[実施例1] (1)光導波路の形成 下部クラッド層の形成 光導波路形成用組成物B(クラッド材B)をシリコン基
板の表面上に、スピンコータで塗布し、ホットプレート
を用いて120℃、10分間の条件でプリベークした。
次いで、放射線硬化性組成物Aからなる塗膜に、波長3
65nm、照度7.0mW/cm2の紫外線が500m
Jになるように照射して、放射線硬化させた。そして、
この硬化膜を200℃、1時間の条件でポストベークを
することにより、厚さ10μmの下部クラッド層とし
た。このようにして形成した下部クラッド層の屈折率
(測定波長1550nm)を測定したところ、1.46
28であった。
【0090】コア部分の形成 次に、光導波路形成用組成物A(コア材A)を下部クラ
ッド層の上にスピンコータで塗膜を形成し、ホットプレ
ートを用いて120℃、10分の条件でプレベークし
た。その後、放射線硬化性組成物Bからなる厚さ10μ
mの塗膜に、幅5〜20μmのライン状パターンを有す
るフォトマスクを介して、波長365nm、照度7.0
mW/cm2の紫外線が500mJになるように照射し
て、塗膜を放射線硬化させた。次に、放射線照射した塗
膜を100℃、1分間の条件でPEBを行った。次い
で、放射線硬化させた塗膜を有する基板を1.8%テト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH)
からなる現像液中に浸漬して、塗膜の未露光部を溶解さ
せた。その後、200℃、1時間の条件でポストベーク
を行い、幅5〜20μmのライン状パターンを有するコ
ア部分を形成した。また、このコア部分の屈折率(測定
波長1,550nm)を測定したところ1.4685で
あった。
【0091】上部クラッド層の形成 次いで、コア部分を有する下部クラッド層の上面に、光
導波路形成用組成物B(クラッド材B)をスピンコータ
で塗布し、ホットプレートを用いて120℃、10分の
条件でプリベークした。その後、放射線硬化性組成物A
からなる塗膜に、波長365nm、照度7.0mW/c
m2の紫外線が500mJになるように照射して、厚さ
5μmの上部クラッド層を形成した。その後、この上部
クラッド層を、200℃、1時間の条件でポストベーク
した。形成された上部クラッド層の屈折率(測定波長
1,550nm)を測定したところ1.4628であっ
た。
【0092】(2)光導波路の評価 このようにして得られた下部クラッド層、コア部分およ
び上部クラッド層からなる光導波路について、波長1,
550nmの光を一端から入射させた。そして、他端か
ら出射する光量を測定することにより、導波路損失を求
めた。その結果、導波路損失は0.8dB/cm以下の
値であった。
【0093】[実施例2] 下部クラッド層の形成 光導波路形成用組成物D(クラッド材D)をシリコン基
板の表面上に、スピンコータで塗布し、ホットプレート
を用いて120℃、10分間の条件でプリベークした。
次いで、放射線硬化性組成物Aからなる塗膜に、波長3
65nm、照度7.0mW/cm2の紫外線が500m
Jになるように照射して、放射線硬化させた。そして、
この硬化膜を200℃、1時間の条件でポストベークを
することにより、厚さ10μmの下部クラッド層とし
た。このようにして形成した下部クラッド層の屈折率
(測定波長1550nm)を測定したところ、1.46
31であった。
【0094】コア部分の形成 次に、光導波路形成用組成物C(コア材C)を下部クラ
ッド層の上にスピンコータで塗膜を形成し、ホットプレ
ートを用いて120℃、10分の条件でプレベークし
た。その後、放射線硬化性組成物Bからなる厚さ10μ
mの塗膜に、幅5〜20μmのライン状パターンを有す
るフォトマスクを介して、波長365nm、照度7.0
mW/cm2の紫外線が500mJになるように照射し
て、塗膜を放射線硬化させた。次に、放射線照射した塗
膜を100℃、1分間の条件でPEBを行った。次い
で、放射線硬化させた塗膜を有する基板を1.8%テト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH)
からなる現像液中に浸漬して、塗膜の未露光部を溶解さ
せた。その後、200℃、1時間の条件でポストベーク
を行い、幅5〜20μmのライン状パターンを有するコ
ア部分を形成した。また、このコア部分の屈折率(測定
波長1,550nm)を測定したところ1.4690で
あった。
【0095】上部クラッド層の形成 次いで、コア部分を有する下部クラッド層の上面に、光
導波路形成用組成物D(クラッド材D)をスピンコータ
で塗布し、ホットプレートを用いて120℃、10分の
条件でプリベークした。その後、放射線硬化性組成物A
からなる塗膜に、波長365nm、照度7.0mW/c
m2の紫外線が500mJになるように照射して、厚さ
5μmの上部クラッド層を形成した。その後、この上部
クラッド層を、200℃、1時間の条件でポストベーク
した。形成された上部クラッド層の屈折率(測定波長
1,550nm)を測定したところ1.4631であっ
た。
【0096】(2)光導波路の評価 このようにして得られた下部クラッド層、コア部分およ
び上部クラッド層からなる光導波路について、波長1,
550nmの光を一端から入射させた。そして、他端か
ら出射する光量を測定することにより、導波路損失を求
めた。その結果、導波路損失は0.8dB/cm以下の
値であった。
【0097】[比較例1] 下部クラッド層の形成 光導波路形成用組成物E(クラッド材E)をシリコン基
板の表面上に、スピンコータで塗布し、ホットプレート
を用いて120℃、10分間の条件でプリベークした。
次いで、放射線硬化性組成物Aからなる塗膜に、波長3
65nm、照度7.0mW/cm2の紫外線が500m
Jになるように照射して、放射線硬化させた。そして、
この硬化膜を200℃、1時間の条件でポストベークを
することにより、厚さ10μmの下部クラッド層とし
た。このようにして形成した下部クラッド層の屈折率
(測定波長1550nm)を測定したところ、1.46
29であった。
【0098】コア部分の形成 次に、光導波路形成用組成物A(コア材A)を下部クラ
ッド層の上にスピンコータで塗膜を形成し、ホットプレ
ートを用いて120℃、10分の条件でプレベークし
た。その後、放射線硬化性組成物Bからなる厚さ10μ
mの塗膜に、幅5〜20μmのライン状パターンを有す
るフォトマスクを介して、波長365nm、照度7.0
mW/cm2の紫外線が500mJになるように照射し
て、塗膜を放射線硬化させた。次に、放射線照射した塗
膜を100℃、1分間の条件でPEBを行った。次い
で、放射線硬化させた塗膜を有する基板を1.8%テト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH)
からなる現像液中に浸漬して、塗膜の未露光部を溶解さ
せた。その後、200℃、1時間の条件でポストベーク
を行い、幅5〜20μmのライン状パターンを有するコ
ア部分を形成した。また、このコア部分の屈折率(測定
波長1,550nm)を測定したところ1.4685で
あった。
【0099】上部クラッド層の形成 次いで、コア部分を有する下部クラッド層の上面に、光
導波路形成用組成物E(クラッド材E)をスピンコータ
で塗布し、ホットプレートを用いて120℃、10分の
条件でプリベークした。その後、放射線硬化性組成物A
からなる塗膜に、波長365nm、照度7.0mW/c
m2の紫外線が500mJになるように照射して、厚さ
5μmの上部クラッド層を形成した。その後、この上部
クラッド層を、200℃、1時間の条件でポストベーク
した。しかし、上層クラッドからクラックが発生してい
たため、上部クラッド層の屈折率、及び光導波路損失測
定の評価には至らなかった。
【0100】[比較例2] 下部クラッド層の形成 光導波路形成用組成物B(クラッド材B)をシリコン基
板の表面上に、スピンコータで塗布し、ホットプレート
を用いて120℃、10分間の条件でプリベークした。
次いで、放射線硬化性組成物Aからなる塗膜に、波長3
65nm、照度7.0mW/cm2の紫外線が500m
Jになるように照射して、放射線硬化させた。そして、
この硬化膜を200℃、1時間の条件でポストベークを
することにより、厚さ10μmの下部クラッド層とし
た。このようにして形成した下部クラッド層の屈折率
(測定波長1550nm)を測定したところ、1.46
28であった。
【0101】コア部分の形成 次に、光導波路形成用組成物F(コア材F)を下部クラ
ッド層の上にスピンコータで塗膜を形成し、ホットプレ
ートを用いて120℃、10分の条件でプレベークし
た。その後、放射線硬化性組成物Bからなる厚さ10μ
mの塗膜に、幅5〜20μmのライン状パターンを有す
るフォトマスクを介して、波長365nm、照度7.0
mW/cm2の紫外線が500mJになるように照射し
て、塗膜を放射線硬化させた。次に、放射線照射した塗
膜を100℃、1分間の条件でPEBを行った。次い
で、放射線硬化させた塗膜を有する基板を1.8%テト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH)
からなる現像液中に浸漬して、塗膜の未露光部を溶解さ
せ、コアの形成を行った。しかしながら、十分な解像度
のラインパターンを得ることが出来なかった。よって、
それ以降の上部クラッド層の形成や、光導波路損失測定
についての評価は中止した。
【表1】
【0102】
【発明の効果】以上のように、本発明の光導波路は優れ
たパターン精度を有し、しかも導波路損失として、低い
値が得られるようになった。また、本発明の光導波路の
製造方法によれば、このような光導波路を効率的に製造
することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路の断面図である。
【図2】(a)〜(e)は、光導波路の製造方法の一部
工程図である。
【符号の説明】
10 光導波路 12 基板 13 下部クラッド層 14 コア用薄膜 15 コア部分 16 放射線 17 上部クラッド層 18 リッジ 19 フォトマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/075 521 G02B 6/12 M (72)発明者 江利山 祐一 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA02 AA10 AB14 AB20 BE00 BE10 BG00 CB14 CB34 CC20 2H047 KA04 PA02 PA15 PA24 PA28 QA05 TA41 4J035 GA02 GB08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部クラッド層と、コア部分と、上部ク
    ラッド層とを含む光導波路において、前記下部クラッド
    層、コア部分および上部クラッド層の少なくとも一つ
    が、下記(A)〜(C)成分を含有する放射線硬化性樹
    脂組成物の硬化物であることを特徴とする光導波路。 (A)一般式(1)で表される加水分解性シラン化合
    物、その加水分解物およびその縮合物からなる群から選
    択される少なくとも一つの化合物 (R1)pSi(X)4-p (1) [一般式(1)中、R1は炭素数が1〜12である非加
    水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜
    3の整数である。] (B)加水分解性シリル基含有ビニル系重合体(C)光
    酸発生剤
  2. 【請求項2】 前記加水分解性シリル基含有ビニル系重
    合体が、下記一般式(2)で表される化合物であること
    を特徴とする請求項1に記載の放射線硬化性樹脂組成
    物。 [一般式(2)中、R2 はそれぞれ独立であり、水素原
    子、ハロゲン原子または炭素数1〜12の一価の有機基
    であり、R3 は、炭素数0または1〜200の二価の有
    機基であり、R1 、Xおよびpは一般式(1)の内容と
    同様である。]
  3. 【請求項3】 前記加水分解性シリル基含有ビニル系重
    合体が、下記一般式(3−1)で表される繰り返し構造
    単位、および下記一般式(3−2)で表される繰り返し
    構造単位からなることを特徴とする請求項1または2に
    記載の放射線硬化性樹脂組成物。 【化1】 [一般式(3−1)中、R4はそれぞれ独立であり、水
    素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜12の一価の有
    機基であり、R5は炭素数0または1〜200の二価の
    有機基であり、R1、Xおよびwは一般式(1)および
    一般式(2)の内容と同様である。] 【化2】 [一般式(3−2)中、R4はそれぞれ独立であり、水
    素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜12の一価の有
    機基であり、R6は水素または炭素数1〜200の二価
    の有機基である。]
  4. 【請求項4】 前記放射線硬化性組成物が、さらに酸拡
    散制御剤を有することを特徴とする請求項1記載の光導
    波路。
  5. 【請求項5】 下部クラッド層と、コア部分と、上部ク
    ラッド層とを含む光導波路の製造方法において、 前記下部クラッド層を形成する工程と、コア部分を形成
    する工程と、上部クラッド層を形成する工程とを含むと
    ともに、 これらの少なくとも一つの工程が、下記(A)〜(C)
    成分を含有してなる放射線硬化性組成物を放射線硬化さ
    せて形成する工程であることを特徴とする光導波路の製
    造方法。 (A)一般式(1)で表される加水分解性シラン化合
    物、その加水分解物およびその縮合物からなる群から選
    択される少なくとも一つの化合物 (R1)pSi(X)4-p (1) [一般式(1)中、R1 は炭素数が1〜12である非加
    水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜
    3の整数である。] (B)加水分解性シリル基含有ビニル系重合体 (C)光酸発生剤
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