JP4910700B2 - 分画装置 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明はタンパク質および/またはペプチドを含有する溶液、特に血液、尿等の体液から、タンパク質および/またはペプチドなどの生体成分を分離して分析用溶液を調製するための分画装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ポストゲノム研究として、プロテオーム解析研究(プロテオミクス)が注目され始めた。遺伝子産物であるタンパク質は遺伝子よりも疾患の病態に直接リンクしていると考えられることから、タンパク質を網羅的に調べるプロテオーム解析の研究成果は診断と治療に広く応用できると期待されている。しかも、ゲノム解析では発見できなかった病因タンパク質や疾患関連因子を多く発見できる可能性が高い。
【0003】
プロテオーム解析の急速に進展しだしたのは、技術的には質量分析装置(mass spectrometer: MS)による高速構造分析が可能となってきたことが大きく、MALDI-TOF-MS(matrix
assisted laser desorption ionization time-of-flight mass spectrometry) 等の実用化によって、ポリペプチドのハイスルースループット超微量分析が可能となり、従来検出し得なかった微量タンパク質までが同定可能となり、疾患関連因子の探索に強力なツールとなってきている。
【0004】
プロテオーム解析の臨床応用の第一目的は、疾患によって誘導あるいは消失するバイオマーカータンパク質の発見である。バイオマーカーは、病態に関連して挙動するため、診断のマーカーとなり得るほか、創薬ターゲットとなる可能性も高い。すなわち、プロテオーム解析の成果は、特定遺伝子よりも診断マーカーや創薬ターゲットとなる可能性が高いため、ポストゲノム時代の診断と治療の切り札(エビデンス)技術となり、同定されたバイオマーカーは患者の薬剤応答性評価や副作用発現予測という直接的に患者が享受しえる利益につながることから、いわゆるテーラーメード医療(オーダーメード医療)の推進に大きな役割を果たすといえる。
【0005】
臨床研究にプロテオーム解析(臨床プロテオミクス)を導入する場合には、大量の検体を迅速、確実に解析することが求められており、しかも臨床検体は微量で貴重なために高分解能・高感度・高機能測定を迅速に行う必要がある。この大きな推進力となったのは質量分析(massspectrometry)であり、質量分析装置のもつ超高感度でハイスループットの特性の貢献するところが大きい。しかしながら、その手法や機器が急速に改良されてきてはいるものの、プロテオーム解析が臨床現場で簡便かつ迅速に実施できる状況にはまだない。
【0006】
ヒト・タンパク質は10万種以上とも推定されているが、血清中に含まれるタンパク質だけでも約1万種類にものぼるといわれ、総量としての血清中濃度は約60〜80mg/mLである。血清中の高含量のタンパク質は、アルブミン(分子量66kDa)、免疫グロブリン(150〜1000kDa)、トランスフェリン(80kDa)、ハプトグロビン(>85kDa)、リポタンパク質(数100kDa)等であり、いずれも大量(>mg/mL)に存在する。一方、病態のバイオマーカーや病因関連因子と考えられているペプチドホルモン、インターロイキン、サイトカイン等の生理活性タンパク質の多くは、極微量(<ng/mL)にしか存在せず。その含有量比は高分子の高含量成分に比べて、実にnanoからpicoレベルである。タンパク質の大きさという点では、タンパク質全種類の70%以上は分子量60kDa以下であり、上記の極微量なバイオマーカータンパク質はいずれもこの領域に含まれる場合がほとんどである(例えば非特許文献1)。これらのタンパク質は腎臓を通過して尿中に一部排泄されるため、血液のみならず尿を検体として測定することも可能である。
【0007】
一般的な血清中のタンパクのプロテオーム解析において、病因関連の微量成分検出の妨害となる分子量6万以上の高分子成分を除外することがまず必須となる。さらに、分子量6万未満の成分についてはできるだけ多く回収することが必須となる。
【0008】
この高分子量タンパク質の分離手段として、高速液体クロマトグラフィー(liquid chromatography: LC) や二次元電気泳動(2dimensional-polyacrylamide gel electrophoresis: 2D-PAGE)がある。また、アルブミンを主な対象物質として、すでに実用化されている製品、あるいは開示されている技術としては、ブルー色素などのアフィニティーリガンドを固定化した担体(たとえば、日本ミリポア社:"MontageAlbumin
Deplete Kit"、日本バイオ・ラッド社:AffiGel Blueゲル)、高分子量成分を遠心分離ろ過によって分画する遠心管形式の装置(たとえば、日本ミリポア社:"アミコンウルトラ")、特表2002−542163号公報(特許文献1)に開示されている電気泳動原理によって分画する方法(たとえば、グラディポア社:"Gradiflow"システム)、Cohnのエタノール沈澱などの伝統的な沈殿法やクロマトグラフィーによって分画する方法(例えば非特許文献2)などがある。一般的にこれらの技術が質量分析の前処理操作として行われてきた。
【0009】
タンパク質を取り扱う場合、常に基材表面へのタンパク質の非特異吸着が問題となる。この基材表面への非特異吸着は、タンパク質の減少による分析結果のバラツキを引き起こすだけではなく、分析対象タンパク質のロスといった重大な問題を引き起こすので、非特異吸着を防ぐ必要がある。一般的にタンパク質の非特異吸着によるタンパク質の減少率は溶液中のタンパク質の総濃度に依存し、タンパク質の総濃度が低いほどタンパク質の減少率が大きくなる。特に上述のようにプロテオーム解析において病因関連の微量成分を質量分析で分析する場合、既存の前処理装置には非特異吸着を抑制する処理が施したものがないために、検出を阻害する成分を除外して得られる分画液のタンパク質の総濃度は極めて低く、微量バイオマーカータンパク質の非特異吸着による減少・ロスが問題となっている。
このようなタンパクやペプチドの付着によるロスの問題に対して、大きく分けて二通りの対策がある。一つは吸着を抑制する化合物を生体成分溶液に添加する方法、もうひとつは基材表面の生体成分非吸着処理である。前者の代表的な方法として、ブロッキング剤を添加する方法がある。ブロッキング剤はアルブミンやカゼインの溶液であり競争吸着により有用生体成分の吸着を抑制する方法である。競争吸着であるためにブロッキング剤濃度は有用生体成分の濃度より高くするのが一般的である。したがって、分析用途ではブロッキング剤が分析を阻害したり、少量の添加でも生体成分が構造変化する危険性がある。ブロッキングの他に界面活性剤や有機溶媒を添加する方法もあるが、これもブロッキング剤と同様に分析系の阻害や生体成分の構造変化に伴う変性が問題となる。
【0010】
基材表面の非吸着処理として一般的なのは基材表面の親水化処理である。親水化処理にはいくつかの方法がある。例えば基材へ親水性化合物、例えば2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン共重合体(以下MPCと略記)をコーティング処理により導入する方法が特許文献2に記載されている。親水性化合物をグラフト処理により導入する方法が特許文献3、特許文献4に記載されている。リアクティブイオンエッチング処理、プラズマ処理やイオンクラスタービーム処理のように、基材表面へ親水性の官能基を直接生成する方法がある。
【0011】
しかしながら、従来の基材表面処理方法で処理した基材は、高濃度のタンパクやペプチドの溶液と接触した場合には生体成分の吸着抑制効果は認められるが、低濃度の生体成分を含有する溶液と接触した場合は依然として吸着による生体成分の減少やロスが発生し、課題解決には未だ十分といえるレベルのものではなかった。
【0012】
さらに親水性高分子によるコーティング処理による手法は、処理された基材に対して、さらに親水性高分子溶液に用いた溶媒が接触した場合、コーティングが剥離するなどして親水性が低下することが懸念される。また、分析や分離等の処理装置においては、溶出した親水性高分子が後の分析の阻害因子となりうることが懸念される。
【0013】
親水性高分子グラフトによる親水化はグラフト量に比例して親水性が向上するが、処理する親水性高分子溶液の濃度が高くなると親水性高分子同士で三次元的に架橋してしまうために親水性高分子の運動性が低下してしまい、生体成分の付着抑制効果が低くなるという問題がある。
【0014】
また、リアクティブイオンエッチング処理、プラズマ処理やイオンクラスタービーム処理は基材の外表面や板状基材の片面などへは簡便に親水化を行うことができるが、プラズマやイオンクラスタービームなどの影になる部分を親水化することが難しいので、板状の基材の両面や中空形状の基材内外表面などの多面を1回の処理で親水化するのには適していない。また、基材の生体成分の吸着特性は、生体成分と接触する部分の表面状態に依存し、一般的には、表面の親水性が高いほど、さらに表面に固定化された親水性分子の運動性が高いほど、生体成分の基材表面への吸着は抑制される。運動性の高い親水性分子は、その分子運動によって、タンパク質や血小板などの生体成分を排除していると考えられている。リアクティブイオンエッチング処理、プラズマ処理やイオンクラスタービーム処理による親水化は基材表面に水酸基などの親水性官能基が生成することによる、したがって親水性高分子の基材表面への導入による親水化と比較して親水性分子の運動性は低いので、生体成分の付着抑制効果は低く好ましくない。さらに、処理中に高温になる場合があるので基材が変性することもあるため好ましくない。
【0015】
このように、吸着抑制処理の技術が確立されていないために、タンパクおよび/またはペプチドを分画する装置においても吸着抑制処理が施されている装置はない。
【特許文献1】
特表2002−542163号公報
【特許文献2】
特開2003−130882号公報
【特許文献3】
特開昭58−40323号公報
【特許文献4】
特許第3297707号公報
【非特許文献1】
アンダーソン・NL(Anderson NL),アンダーソン・NG( Anderson, NG)著,「ザ・ヒューマン・プラズマ・プロテオーム:ヒストリー・キャラクター・アンド・ダイアグノスティック・プロスペクツ(Thehuman plasma proteome: history, character, and diagnostic prospects)」,モレキュラー・アンド・セルラー・プロテオミクス(Molecular&Cellular Proteomics),(米国),ザ・アメリカン・ソサエティー・フォー・バイオケミストリー・アンド・モレキュラー・バイオロジー・インコーポレーテッド(TheAmericanSociety for Biochemistry and Molecular Biology, Inc.),2002年,第1巻,p845-867.
【非特許文献2】
日本生化学会編,「新生化学実験講座(第1巻)タンパク質(1)分離・精製・性質」, 東京化学同人, 1990年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述のとおり、臨床プロテオーム解析をする際に、質量分析を妨害する高分子量タンパク質を除去する前処理操作が必要である。プロテオーム解析で分析対象となりうるタンパク質は微量であり、かつ前処理により総タンパク質濃度が低下するので、基材に対する非特異吸着によって分析対象タンパク質をロスし、安定したプロテオーム解析ができないという問題がある。安定したプロテオーム解析を行うために、上述の前処理におけるタンパク質の非特異吸着を抑制することが重要であり、基材へのタンパク質の非特異吸着が少なく、高分子量のタンパク質が除去された有利な分析用溶液を容易に調製できる装置を提供することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、本発明では以下の手段を採用する。
1)タンパク質および/またはペプチドの分画装置であって、タンパク質および/またはペプチドが接触する基材表面の少なくとも一部がケン化度が0.70以上1未満であるポリビニルアルコール−ポリ酢酸ビニル共重合体が基材表面にグラフトすることによって親水化処理されてなり、1000μg/mlのウシ血清アルブミン溶液を接触させたときの該基材表面へのウシ血清アルブミンの吸着量が50ng/cm以下である分画装置。
2)タンパク質および/またはペプチドの分画装置であって、タンパク質および/またはペプチドが接触する基材表面の少なくとも一部がケン化度が0.70以上1未満であるポリビニルアルコール−ポリ酢酸ビニル共重合体が基材表面にグラフトすることによって親水化処理されてなり、該基材表面に濃度200ng/mlのヒトβ2-ミクログロブリンと濃度10μg/mlのウシ血清アルブミンからなるタンパク質水溶液に接触させたとき、該基材に対するヒトβ2-ミクログロブリン吸着量が3ng/cm2以下である分画装置。
3)タンパク質および/またはペプチドの分画装置であって、タンパク質および/またはペプチドを含有する溶液を供給する供給手段、溶液からタンパク質および/またはペプチドを分離する手段、ならびに溶液の中のタンパク質および/またはペプチドを濃縮する手段を有し、分画装置におけるタンパク質および/またはペプチドが接触する基材表面の少なくとも一部が、ケン化度が0.70以上1未満であるポリビニルアルコール−ポリ酢酸ビニル共重合体によってグラフトされている分画装置。
【0018】
以上の構成をとることによって、 分画操作によっても分析の目的とするタンパク質の損失を少なく回収できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例A1で用いた分画装置の概略図である。また図における符号の意味は以下のとおりである。
【符号の説明】
【0020】
100 注入ポンプ
101 三方バルブ
102 1段目溶液循環回路(チューブ回路)
103 1段目ポンプ
104 1段目の膜分離ユニットの処理液回収口
105 第1分離膜モジュール
201 三方バルブ
202 2段目溶液循環回路(チューブ回路)
203 2段目ポンプ
204 2段目の膜分離ユニットの処理液回収口
205 第2分離膜モジュール
301 三方バルブ
302 3段目溶液循環回路(チューブ回路)
303 3段目ポンプ
304 3段目の膜分離ユニットの処理液回収口
305 第3分離膜モジュール
401 三方バルブ
402 4段目溶液循環回路(チューブ回路)
403 4段目ポンプ
404 濃縮膜ユニットの処理液回収口
405 濃縮膜モジュール
406 回収用三方バルブ
407 回収容器
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明でいうタンパク質および/またはペプチドの分画装置とは、分子量別またはタンパク質もしくはペプチドが有する特性別にこれらを分離する装置である。その手法としては、分子量、イオン相互作用、疎水性相互作用、抗体に代表される生物学的相互作用などが使用できる。一般的には、タンパク質またはペプチド試料を供給するする供給手段と、分離を行う分離手段を備える装置である。血清、血漿、尿などに代表される体液や、人為的に調製したタンパク質またはペプチドを含む溶液や、細胞培養によって生じた培養上清などの検体をそのままの濃度で、あるいはpH緩衝溶液などで希釈して供給手段に投入すると、検体が移動相によって搬送され、移動相の流路に設置された、膜、ゲル、吸着体を備えた分離手段で分離される。本発明の分画装置によって分離された目的とするタンパク質またはペプチド含む溶液は、必要に応じて紫外線吸収、蛍光、比色などによって定量されたり、タンパク質またはペプチドと共に含まれる水分を除去されることにより濃縮されたり、一定量ずつ分取または回収される。定量、濃縮、分取、回収の工程の為の手段は必ずしも分離工程の手段と一体化されていなくてもよいが、分離手段と、定量、濃縮、分取、回収の少なくとも一つの手段がさらに連結されている装置が好ましい。タンパク質またはペプチドを分離し、さらに回収した後行われる分析装置の要求により、高い濃度のタンパクまたはペプチド溶液を調製する必要がある場合には、分離手段の後濃縮手段が続いている装置が好ましい。移動相を用いてタンパク質またはペプチドをを搬送せしめる手段は特に限定されず、例えばチューブ、パイプ、溝などからなる流路をチューブポンプ、ギヤポンプ、ダイヤフラムポンプ、シリンジポンプなどが例示される。
【0022】
特にプロテオーム解析の前処理用の試料を得るための装置として用いる場合には、生体由来の溶液から分析の目的とする微量成分を多く含む溶液へ調製することになる。その機能は、分子量の高い(例えば分子量6万以上)のタンパク質を除去し、一方、プロテオーム解析の対象となりうる分子量の低い(例えば分子量1.5万未満)のタンパク質を回収することである。また、かような目的の装置は、タンパク質を分離する手段、タンパク質を濃縮する手段、および分画により得られたタンパク質を回収する手段から選ばれる手段を有し、さらにタンパク質溶液を送液する手段を有することが好ましい
ここでいう分子量6万以上のタンパク質とは、血液であればアルブミンや免疫グロブリン、トランスフェリンなどが該当する。このようなタンパク質は血液の場合にはタンパク質成分全体に対し高含有率で存在する。本発明の分画装置の機能評価としてここでは分子量が6万に近いウシ血清アルブミンを指標にした。また、分子量1.5万未満のタンパク質とはタンパク質の中でも比較的分子量が小さいタンパク質であり、血液であれば総タンパク質に対して存在割合が低いが、種類は非常に多い。
【0023】
本発明の分画装置が分離手段を有する場合、タンパク質またはペプチドを含む溶液は分離工程の際に希釈される場合がある。たとえば、検体を膜によって分離した場合、通常は溶媒も減少する。タンパク質またはペプチドの濃度が高くなっていくと膜表面に堆積物が積層し膜孔が目詰まりを起こし分離効率が低下する。それを回避するために希釈液を加えてタンパク質濃度が増加しないようにすることがある。
【0024】
しかしながら、分析の障害となるタンパク質を除去しても目的とするタンパク質の濃度が低い場合、分析装置の検出限界以下となってしまう恐れがある。したがって、分離の後目的成分を含む溶液の濃度が低い場合は、分離手段の後に濃縮手段を有し、濃縮操作をすることが好ましい。また、溶媒のみを除去してしまうと、溶液中の塩濃度が増加しすぎてタンパク質が変性してしまう恐れがあるので、溶媒と同時に塩も除去することが好ましい。主な濃縮操作として、加熱や減圧による溶媒の蒸発や凍結乾燥による方法、溶媒分子を優先的に透過する分離膜を用いて濾過や透析により溶媒を除去する方法、吸水ゲルなどの溶媒を吸収除去する方法、分子ふるい効果、イオン的相互作用、疎水的相互作用、水素結合、アフィニティーによる特異的結合などを利用したクロマトグラフィーにより濃縮する方法、電気泳動、遠心分離などが挙げられ、これら操作を組み合わせることも可能である。本発明の分画装置ではこれらの操作のいずれかを行える手段を有していることが好ましい。
【0025】
本発明のタンパク質またはペプチドが接触する基材としては、タンパク質またはペプチドを含有する試料を供給する手段、ならびに分離、吸着、定量、濃縮、分取、回収のいずれかの処理を行う手段のいずれかでタンパク質またはペプチドを含有する溶液が接触する構成素材が例示される。本発明の装置においては、検体が接触する基材表面の少なくとも一部に親水化処理されていることが必要であり、なるべく全ての基材表面に親水化処理されていることが最も好ましい。
【0026】
基材を構成する素材は特に限定されないが、化学的な加工や表面修飾が容易で、押し出し成形や射出成形など安価に大量生産が可能な高分子材料が好ましい。高分子材料の例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、セルロース、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、ポリアミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ビニルアルコール・エチレン共重合体、シリコンゴム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等があげられるがこれらに限定されるものではない。
【0027】
本発明の分画装置においては、タンパク質またはペプチドが接触する基材表面の少なくとも一部にタンパクまたはペプチドが吸着しにくい表面を設けることにより、吸着ロスを抑えるだけでなく、更なる作用としてタンパク質またはペプチドの吸着・堆積・目詰まりによる分離性能の低下を抑えることを可能にした点が重要である。その結果として、高い回収率を達成した。これを達成する表面特性は、基材表面の0.01cm以上10cm以下の範囲に1000μg/mlのウシ血清アルブミン溶液を接触させたときの該基材表面へのウシ血清アルブミンの吸着量が50ng/cm以下の表面である。または、基材表面に濃度200ng/mlのヒトβ2-ミクログロブリンと濃度10μg/mlのウシ血清アルブミンからなるタンパク質水溶液に接触させたとき、該基材に対するヒトβ2-ミクログロブリン吸着量が3ng/cm2以下の表面である。このような表面特性は以下の方法で評価される。
【0028】
基材表面に対するタンパク質の吸着評価について、比較的安価で汎用的なタンパク質であるウシ血清アルブミン(以下BSAと略す)の溶液で行う場合について説明する。BSA溶液とは不純物などによる吸着のばらつきを抑えるためにBSA(SIGMA製ALBUMIN,BOVINE(A-7906)をリン酸緩衝生理食塩水(日水製薬(株)製PBS(-)粉末(162-21112)9.6gを大塚製薬発売注射用水(2069)に溶解して1リットルとなるよう調製した溶液、以下PBSと略す)に1000μg/mlとなるよう溶解したものを使用する。また基材に対するBSA溶液を接触させる面積は小さすぎると正確な分析ができなるおそれがあること、逆に大きすぎると使用するタンパク質量が多くなってしまい効率が悪くなってしまうので0.01cm以上10cm以下の範囲で行うこととする。0.1cm以上5cm以下の範囲で行うことがより好ましい。
【0029】
BSA溶液と接触させる面は実際にタンパク質の前処理においてタンパク質溶液と接触する面で行うこととし、例えば基材の断片などを含む場合は断面などへのBSAの吸着は評価しないこととする。表面積について、基材が分離膜もしくは濃縮膜ではない場合、基材表面の中心線平均粗さが0.1μm未満であるときは表面の凹凸による面積の増加は勘案しないが、基材表面の中心線平均粗さが0.1μm以上であるときは表面の凹凸による面積の増加を勘案することにする。中心線平均粗さの測定はJIS-B0601付属書2記載の方法で行うこととする。表面の凹凸を勘案した表面積は、B.E.T.法などでのガス吸着法やキーエンス社の超深度顕微鏡「VK9500」などによる三次元形状測定顕微鏡により測定することが可能である。
【0030】
一方、基材が中空糸分離膜もしくは中空糸濃縮膜の場合の膜面積は以下のとおりに算出される。37℃、pH7.2に調整した5重量%のBSA水溶液で溶液流量200ml/min、濾過流量15ml/minの使用条件で、対象となる膜1.5mを充填したモジュールを用いて濾過し、濾過開始から30分後のBSAのふるい係数が0.1以上であるとき、BSAは膜の内表面に接し、膜を透過した後に膜の外表面にも接触しながら移動するので、膜の細孔内表面および外表面も表面積とする。一方、BSAのふるい係数が0.1未満であるときはBSAはほとんど膜を透過できず、膜内表面にしか接触しないため、膜の内表面を表面積とする。
【0031】
BSAのふるい係数は以下の数式で算出される。
【0032】
(a)=2×(b)/((c)+(d))
ここで(a)はBSAのふるい係数、(b)は濾過液のBSA濃度であり、(c)は膜分離前の原液側BSA濃度、(d)は膜分離後の原液側BSA濃度である。
【0033】
接触させる時間は、短すぎると吸着平衡に達する前であるおそれがあり、一方長すぎるとタンパク質が変性する危険性があるので2時間で行うこととする。また、BSA溶液量は少なすぎるとタンパク質の絶対量が少なくなるので膜面積1cmあたり50μl以上で行うこととする。また、吸着量は温度の影響を大きく受けるので、BSA溶液と基材と接触させる際は25℃で行う必要がある。
【0034】
吸着したBSAの吸着量の定量の仕方として以下の方法が例示される。基材を50mlのPBSに10秒間2回浸積し洗浄した後、1ml以上30ml以下の範囲の50体積%の酢酸水溶液に室温12時間浸積し、酢酸水溶液を凍結乾燥することで行う。乾燥BSAが再び壁に吸着しないように、ブロッキング剤を含む水溶液に乾燥BSAを溶解し、該溶液を定量に用いることとする。溶液中のBSAの定量はBETHYL社Bovine
Albumin ELISA Quantitation Kit (E10-113)もしくはその同等品で行うことができる。
【0035】
タンパク質が水に溶解しているときは、親水性のドメインがタンパク質分子の表面に存在し、疎水性ドメインタンパクの内部に存在している。タンパク質が疎水性の基材に接触すると内部の疎水性ドメインが表面に露出し疎水性相互作用により基材に吸着すると考えられる。したがって、タンパク質の吸着を抑制するためには基材表面の親水化が有効である。特に、親水性高分子を基材表面にグラフトすると親水性高分子による親水化の効果に加えて、タンパク質溶液中に伸展した親水性高分子鎖のミクロブラウン運動による排除体積効果によるタンパク質吸着抑制効果も期待できるので好ましい。
【0036】
親水化処理とは基材表面に親水性を付与する処理であり、基材の原料に親水性の化合物を混入させる方法、化学反応や放射線照射などで基材表面に親水性の官能基を生成させる方法、化学反応や放射線照射により親水性高分子をグラフトする方法などがあるが、本発明では親水性高分子をグラフトする方法を用いる。その中でも親水性高分子を放射線照射によりグラフトする方法は親水性高分子の種類や分子量などを選択することで親水性をコントロールすることが容易でかつ、副生成物も少なく滅菌も同時にできることから好ましい。
【0038】
親水性高分子とは水に可溶な高分子および水に不溶でも静電相互作用や水素結合で水分子と弱い相互作用をしうる高分子を指す。例えば、ポリビニルアルコール、ポリアリルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、糖化合物などやこれらと他のモノマーとの共重合体や、グラフト体などが挙げられるが、本発明ではポリビニルアルコールまたはポリビニルアルコール共重合体を用いる。ポリビニルアルコールの共重合体としては、重合体を構成する分子中のモノマー繰り返し単位としてビニルアルコール単位数が全モノマー繰り返し単位数に対して10%以上100%未満含有する重合体であることが好ましい。
ポリビニルアルコール共重合体としては、分子中に式(1)の化学構造式で表されるモノマー繰り返し単位と式(2)の化学構造式で表されるモノマー繰り返し単位を有する共重合体が好ましく使用される。またその他の共重合成分を含有していてもよい。またケン化度とは数式(2)で求められる数値である。ケン化度が低いと親水性が低くなり水に対する溶解性が低下する傾向にあるので、水溶液として基材に対して表面処理することが困難となるので0.70以上、より好ましくは0.74以上、さらに好ましくは0.78以上で1未満である。ケン化度が1の場合はポリビニルアルコールとなるが、上述のとおりこれも好ましい態様である。
【0039】
【化1】
Figure 0004910700
【0040】
【化2】
Figure 0004910700
【0041】
(k)=(m)/((n)+(m)) 数式(1)
(数式1)中の記号は以下の通り。
(k):ケン化度
(m):ポリビニルアルコール共重合体中の式(1)で表されるモノマー繰り返し単位数
(n):ポリビニルアルコール共重合体中の式(2)で表されるモノマー繰り返し単位数
なお共重合体はランダム共重合、交互共重合体、ブロック共重合、グラフト共重合のいずれでも良く、これらの組み合わせでも良い。
【0042】
親水性高分子の分子量は、小さいと親水性高分子の分子運動性が小さくなるので、重量平均分子量が好ましくは1000以上、より好ましくは5000以上、さらに好ましくは10000以上であるとよい。
【0043】
親水性高分子を基材へ導入する方法としては、基材へのグラフトが溶出も少なく用いられる。特に放射線を用いたグラフトは副生成物も少なく好ましい。また、基材を親水性高分子溶液、好ましくは水溶液に接触させて、そこで放射線によってグラフトするのがよい。 放射線はα線、β線、γ線、X線、紫外線、電子線などが用いられる。分画装置を長期間保存をする場合、菌が発生して性能低下を引き起こすおそれがある。特に分離または濃縮する手段を有する分画装置では、これらの手段中に水をすでに含ませていることができるが、含水状態では菌が増殖するリスクが大きくなるので滅菌することが好ましい。近年は簡便さの点から、放射線滅菌法が多用されており、特に、γ線などの電磁波線や電子線が好適に用いられている。すなわち、放射線による方法を用いることにより、滅菌と親水化処理が同時に達成できるので好ましい。線量は滅菌が必要な場合は15kGy以上で行うことが好ましいが、滅菌が必要ない場合は親水化処理の効率と基材の劣化防止の点から0.5kGy以上200kGy以下の範囲で行うことが好ましく、1kGy以上100kGy以下の範囲で行うことがより好ましい。
本発明の分画装置において、膜を用いて分離あるいは濃縮を行う場合には、平面フィルター、カートリッジ式フィルター等の平膜型分離膜(以下「平膜」という。)、中空糸等の中空状分離膜(中空糸膜)のいずれも用いることができるが、一般に、中空糸は処理液量あたりの膜表面積が大きく、圧損も少なくできるため、最も効率よく用いることができる。処理液量あたりの膜表面積を大きくするためには、中空糸内径は小さい方が好ましく、1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましい。また、平面フィルターは製膜が容易で安価に作成することができると言う利点がある。膜素材としては、セルロース、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート等のポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリ弗化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレンおよびポリプロピレンおよびこれらの誘導体からなる群より1種類以上選択される素材を例示することができる。この中でも近年透析器などに良く用いられているポリスルホンは分画特性が良好であるために好ましい素材である。
【実施例】
【0044】
以下実施例にて本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲がこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
<<実施例A>>
<回収容器のBSA吸着量測定>
SIGMA製ALBUMIN, BOVINE(A-7906, Lot.41k1270)100mgをPBS100mlに溶解して1000μg/mlのBSA溶液を調製した。該BSA溶液を回収容器に2ml加え、溶液が蒸発しないようにキャップをし、25℃、4時間静置させた。このとき、BSA溶液は回収容器内表面の4.0cm2に接触し、この面積を用いてBSA吸着量を計算することとする。回収容器中のBSA溶液をアスピレーターで吸引して取り除き、PBS3mlで5回洗浄した。回収容器に50体積%の酢酸水溶液3ml加えて25℃で12時間静置し、回収容器ごと凍結乾燥した。回収したいBSAが回収容器表面に吸着するのを抑制するために、回収容器に大日本製薬製ブロックエース粉末(UK-B40,lot.STK084206)40gを水1リットルに溶解させた液を1ml加え、ボルテックスミキサーにかけて回収容器内壁に付着しているBSAを溶解しBSA定量分析サンプルとした。
BSAの定量はBETHYL社Bovine
Albumin ELISA Quantitation Kit (E10-113,lotE10-113-11)を用い、キット付属の説明書にしたがって分析を行った。吸着量は数式(2)で計算した。
【0045】
A=B/C 数式(2)
式(2)中の記号
A:BSA吸着量(ng/cm2
B:BSA定量分析で得られたBSA量(ng)
C:BSA溶液と回収容器の接触面積(cm2
<中空糸膜のBSA吸着量測定>
ミニモジュールに使用した中空糸膜を30本束ね、中空糸膜中空部を閉塞しないようにエポキシ系ポッティング剤で両末端をガラス管モジュールケースに固定し、ミニモジュールを作成した。該ミニモジュールの内直径は約5mm、長さは約12cmであり、一般的な中空糸膜型透析器同様に中空糸膜の内側につながるポート(血液ポート)を2個と、外側につながるポート(透析液ポート)を2個有している。該ミニモジュールの中空糸膜およびモジュール内部を蒸留水にて洗浄した。その後、透析液ポートからPBSを注入後キャップをして、中空糸の外側をPBSで満たした。血液ポートのひとつをシリコンチューブについないで途中にペリスタポンプを設けた。もう一方の血液ポートにもシリコンチューブをつないだ。これら2本のシリコンチューブの開放端をGreinerBio-One社製PPチューブ(188261)に差し込んだ。該PPチューブにSIGMA製ALBUMIN,BOVINE(A-7906,Lot.41k1270)100mgをPBS100mlに溶解して1000μg/mlのBSA溶液を10ml入れ、ペリスタポンプで1ml/minの流速で25℃、4時間循環した。その後速やかにPBSをペリスタポンプで10ml/minの流速で300ml送液した。このとき、シリコンチューブから排出されたPBSは廃棄し、循環はしなかった。
【0046】
その後、ミニモジュール内のPBSを取り除いた。ミニモジュールを解体し中空糸を取り出した。取り出した中空糸の長さは15cmであった。該中空糸を1cmの長さに切断し全量をGreinerBio-One社製PPチューブ(188261)に入れ、50体積%の酢酸水溶液5ml加えて25℃で12時間静置した。その後、中空糸を濾別し、酢酸溶液を回収容器ごと凍結乾燥した。回収容器に大日本製薬製ブロックエース粉末(UK-B40,lot.STK084206)40gを水1リットルに溶解させた液を2ml加え、ボルテックスミキサーにかけて回収容器内壁に付着しているBSAを溶解しBSA定量分析サンプルとした。BSAの定量はBETHYL社Bovine
Albumin ELISA Quantitation Kit (E10-113,lotE10-113-11)を用い、キット付属の説明書にしたがって分析を行った。吸着量は式(3)で計算した。また中空糸内表面積は数式(4)で計算した。
【0047】
D=E/F 数式(3)
数式(3)中の記号
D:BSA吸着量(ng/cm2
E:BSA定量分析で得られたBSA量(ng)
F:中空糸内表面積(cm2
F=(G/2)P・H・I 数式(4)
数式(4)中の記号
F:中空糸内表面積(cm2
G:中空糸内径
P:円周率
H:モジュールから取り出した中空糸1本あたりの長さ(cm)
I:中空糸本数
<液中に存在するβ2ミクログロブリンの測定>
和光純薬工業株式会社発売グラザイムβ2−Microglobulin-EIA TEST(Code 305-11011)を用いて、キット付属の説明書に従って分析を行った。
<血清および回収液のアルブミンの測定>
BETHYL社 Human Albumin ELISA Quantitation Kit (E80-129,lotE80-129-9)を用い、キット付属の説明書にしたがって分析を行った。
<回収容器(1)の製造>
超純水にナカライテスク社製ポリビニルアルコール(28311-25, (実際にはビニルアルコール−酢酸ビニルの共重合体であり、ケンカ度86.5-89.0%)、LotNo.M2B1968)を溶解して濃度1000ppmのポリビニルアルコール共重合体水溶液を調製した。生産日本社製チャック付き袋(ユニパックE-4)に該ポリビニルアルコール水溶液50mlを加え、そこにBECTONDICKINSON社製5mlポリスチレンラウンドチューブ(352054)を浸積し、γ線を照射した。このときγ線の吸収線量は26kGyであった。γ線照射後ポリスチレンラウンドチューブを超純水1リットルで洗浄し、オーブンで50℃で3時間乾燥し、回収容器(1)を得た。
<回収容器(2)の準備>
BECTON DICKINSON社製5mlポリスチレンラウンドチューブ(352054)を回収容器(2)としてそのまま使用した。
<ミニモジュール(1)の製造>
東レ株式会社製透析器BS1.8L(Lot.20440312 )のモジュールの両端の樹脂接着部分を切り、中空糸膜を得た。得られた中空糸膜の寸法は、内直径200μm膜厚40μmであった。該中空糸膜を100本束ね、中空糸膜の中空部を閉塞しないようにエポキシ系ポッティング剤で両末端をガラス管モジュールケースに固定し、ミニモジュールを作成した。該ミニモジュールの内直径は約5mm、長さは約17cmであり、一般的な中空糸膜型透析器同様に中空糸膜の内側につながるポート(血液ポート)を2個と外側につながるポート(透析液ポート)を2個有している。該ミニモジュールの中空糸膜およびモジュール内部を蒸留水にて洗浄した。その後、PBSを充填し、中空糸膜ミニモジュール(以降、ミニモジュール(1)と略す)を得た。
<ミニモジュール(2)の製造>
同じく東レ株式会社製透析器BS1.8Lから切り出した中空糸膜を40本束ね、中空糸膜中空部を閉塞しないようにエポキシ系ポッティング剤で両末端をガラス管モジュールケースに固定し、ミニモジュールを作成した。該ミニモジュールの内直径は約5mm、長さは約17cmであり、一般的な中空糸膜型透析器同様に中空糸膜の内側につながるポート(血液ポート)を2個と外側につながるポート(透析液ポート)を2個有している。該ミニモジュールの中空糸膜およびモジュール内部を蒸留水にて洗浄した。その後、PBSを充填し、中空糸膜ミニモジュール(以降、ミニモジュール(2)と略す)を得た。
<ミニモジュール(3)の製造>
ポリスルホン(ソルベー社製ユーデル(登録商標)P−3500)18重量部およびポリビニルピロリドン(BASF社製K30)9重量部をN,N’−ジメチルアセトアミド72重量部および水1重量部の混合溶媒に加え、90℃で14時間加熱して溶解し、製膜原液を得た。この製膜原液を外径0.3mm、内径0.2mmのオリフィス型二重円筒型口金の外側の管より吐出した。芯液としてN,N’−ジメチルアセトアミド58重量部および水42重量部からなる溶液を内側の管より吐出した。
【0048】
吐出された製膜原液は、口金から凝固浴液面までの距離350mmを通過した後、水100%の凝固浴に導かれ、中空糸膜が得られた。得たれた中空糸膜の構造を電子顕微鏡(日立社製S800)にて確認したところ非対称構造を有していた。得られた中空糸膜を10000本、一般の透析器と同様に透析液入口および透析液出口を有する円筒状のプラスチックケースに挿入し、両端部を樹脂で封止して、有効膜面積1.6mの中空糸膜モジュールを作成した。この中空糸膜モジュールを水で洗浄した後、該モジュールから中空糸膜を切り出し、100本準備した。50℃、相対湿度13%の雰囲気下で24時間乾燥させた。この中空糸膜を実施例A4と同様にエポキシ系ポッティング剤で両末端をガラス管モジュールケースに固定し、ミニモジュールを作成した。該ミニモジュールの中空糸膜およびモジュール内部を蒸留水にて洗浄した。その後、PBSを充填し、濃縮用中空糸膜ミニモジュール(以降、ミニモジュール(3)と略す)を得た。
<ミニモジュール(4)の製造>
ミニモジュール(1)と同様にミニモジュールを製造した。ただし、ミニモジュールの中空糸膜およびモジュール内部の蒸留水洗浄は行ったが、BPSの充填までは行っていない。
【0049】
超純水にナカライテスク製ポリビニルアルコール(28311-25,LotNo.M2B1968)溶解して濃度1000ppmのポリビニルアルコール水溶液を調製し、ペリスタポンプで1ml/minの流速で10mlを該ミニモジュール中空糸膜の内側の一方の血液ポートから入れて中空糸内を経由しもう一方の血液ポートから出しチューブを介し該血液ポート側の透析液ポートに入れもう一方の透析液ポートから出した。
その後、ミニモジュールの中空糸内側と外側に該ポリビニルアルコールを充填した状態で、4ヶ所のポートを密栓した状態でγ線を照射した、このときγ線の吸収線量は26kGyであった。該ミニモジュールの中空糸膜およびモジュール内部を40℃の蒸留水3Lで洗浄した。
その後、PBSを充填し、中空糸膜ミニモジュール(以降、ミニモジュール(4)と略す)を得た。
<ミニモジュール(5)の製造>
ミニモジュール(2)と同様にミニモジュールを製造した。ただし、ミニモジュールの中空糸膜およびモジュール内部の蒸留水洗浄は行ったが、BPSの充填までは行っていない。
【0050】
超純水にナカライテスク製ポリビニルアルコール(28311-25,LotNo.M2B1968)溶解して濃度1000ppmのポリビニルアルコール水溶液を調製し、ペリスタポンプで1ml/minの流速で10mlを該ミニモジュール中空糸膜の内側の一方の血液ポートから入れて中空糸内を経由しもう一方の血液ポートから出しチューブを介し該血液ポート側の透析液ポートに入れもう一方の透析液ポートから出した。
その後、ミニモジュールの中空糸内側と外側に該ポリビニルアルコールを充填した状態で、4ヶ所のポートを密栓した状態でγ線を照射した、このときγ線の吸収線量は26kGyであった。該ミニモジュールの中空糸膜およびモジュール内部を40℃の蒸留水3Lで洗浄した。
【0051】
その後、PBSを充填し、中空糸膜ミニモジュール(以降、ミニモジュール(5)と略す)を得た。
<ミニモジュール(6)の製造>
ミニモジュール(3)と同様にミニモジュールを製造した。ただし、ミニモジュールの中空糸膜およびモジュール内部の蒸留水洗浄は行ったが、BPSの充填までは行っていない。
超純水にナカライテスク製ポリビニルアルコール(28311-25,LotNo.M2B1968)溶解して濃度1000ppmのポリビニルアルコール水溶液を調製し、ペリスタポンプで1ml/minの流速で10mlを該ミニモジュール中空糸膜の内側の一方の血液ポートから入れて中空糸内を経由しもう一方の血液ポートから出しチューブを介し該血液ポート側の透析液ポートに入れもう一方の透析液ポートから出した。その後、ミニモジュールの中空糸内側と外側に該ポリビニルアルコール水溶液を充填した状態で、4ヶ所のポートを密栓した状態でγ線を照射した、このときγ線の吸収線量は26kGyであった。該ミニモジュールの中空糸膜およびモジュール内部を40℃の蒸留水3Lで洗浄した。その後、PBSを充填し、濃縮用中空糸膜ミニモジュール(以降、ミニモジュール(6)と略す)を得た。
<実施例A1>
まず、1個のミニモジュール(1)を準備し、外側のポートのうちひとつをキャップし、もうひとつはシリコーンチューブをつないだ。中空糸膜内側の液については、原液入口と出口とをシリコーンチューブでつなぎ溶液循環回路とし、当該回路にペリスターポンプを設け、溶液を循環できるようにした。前記溶液循環回路の途中に三方バルブを設け、三方バルブの一方向には注入ポンプを取り付けた。これを1段目の膜分離ユニットとした。さらに、ミニモジュール(2)のうち1個のミニモジュールについて、外側のポートのうちひとつをキャップし、ほかのひとつはシリコーンチューブを接続した。ミニモジュール(2)の中空糸膜内側の液についても、モジュールの原液入口と出口をシリコーンチューブでつなぎ溶液循環回路とし、当該回路にペリスターポンプを設けて溶液を循環できるようにした。さらに前記溶液循環回路の途中に三方バルブを設けた。これを2段目の膜分離ユニットとした。さらに、もう1個のミニモジュール(2)の外側のポートのうちひとつをキャップし、のこりの一つはシリコーンチューブを接続した。2個目のミニモジュール(2)の中空糸膜内側の液についても、モジュールの原液入口と出口をシリコーンチューブでつなぎ、溶液循環回路となし、回路の途中にペリスターポンプを設けて溶液を循環できるようにした。さらに前記溶液循環回路の途中に三方バルブを設けた。これを3段目の膜分離ユニットとした。
【0052】
ミニモジュール(3)の外側のポートのうちひとつをキャップし、一方は濾液出口とした。このミニモジュール(3)の中空糸膜内側の液も、モジュールの原液入口と出口をシリコーンチューブでつなぎ溶液循環回路となし、ペリスターポンプを用いて原液を循環できるようにした。また溶液循環回路の途中には三方バルブを2個設けた。これを濃縮膜ユニットとした。
【0053】
分離膜ユニット3段目のミニモジュールの処理液回収口と濃縮膜ユニットの三方バルブとをシリコーンチューブで接合した。また濃縮膜ユニットの溶液循環回路の途中には、三方バルブからなる濃縮ユニットの処理液回収口が設けられており、濃縮の操作中は溶液循環回路のみが開通するようにしている。該処理液回収口の先には回収容器(1)が設けてある。システム全体にPBSを充填し、アルブミン以上のタンパク質を分子ふるいにより分画する膜分離ユニットとタンパク質を濃縮するユニットが直結された複合システムを作成した。
【0054】
図1は、この実施例A1で用いた分離システムの概略図である。液の流れを矢印で示してある。血清及び希釈液(PBS)は注入ポンプ100、三方バルブ101を経て、1段目溶液循環回路102の中に注入された。さらに液は、1段目ポンプ103によって送液され、第1分離膜モジュール105(ミニモジュール(1))に注入され、1段目溶液循環回路102を循環した。第1の膜分離ユニットで処理された溶液は、膜分離膜ユニットの1段目の膜分離ユニットの処理液回収口104から得られた。次に、この溶液は、2段目の膜分離ユニットの三方バルブ201を経て、2段目溶液循環回路202の中にさらに2段目ポンプ203によって送液され、第2分離膜モジュール205(第1のミニモジュール(2))に注入され、2段目溶液循環回路202を循環した。第2の膜分離ユニットで処理された溶液は、処理液回収口2段目の膜分離ユニットの2段目の膜分離ユニットの処理液回収口204から得られた。さらに、この溶液は、3段目の膜分離ユニットの三方バルブ301を経て、3段目溶液循環回路302の中にさらに3段目ポンプ303によって送液され、第3分離膜モジュール305(第2のミニモジュール(2))に注入され、溶液循環回路302を循環した。第3の膜分離ユニットで処理された液は、3段目の膜分離膜ユニットの処理液回収口304から得られた。さらに、この処理液は、濃縮膜ユニットの三方バルブ401を経て、4段目溶液循環回路402の中にさらに4段目ポンプ403によって送液され、濃縮膜モジュール405(ミニモジュール(3))に注入され、4段目溶液循環回路402を循環した。その際、濃縮膜モジュール405から透過した液は濃縮膜ユニットの濾液出口404から取り出され、廃棄される。透過、濃縮の操作終了後、ミニモジュール(3)の4段目溶液循環回路402に残っている溶液は濃縮ユニットの三方バルブ406を開放することにより回収容器407(回収容器(1))に取り出される。
【0055】
具体的条件は以下のとおりである。1mlのヒト血清(Sigma社製、H1388(Lot 073K445))を0.2ml/minで1段目の膜分離ユニットに加えた後、1段目の膜分離ユニット、2段目の膜分離ユニット、3段目の膜分離ユニット共に流量5.0mL/minの条件で各溶液循環回路を循環し、各モジュールの濾過流量0.2mL/minの流速で20℃、4時間濾過を実施した。この時、濾過された容量分のPBSを0.2ml/minで注入ポンプ100から加えて、各分離ユニットおよび濃縮ユニットを循環する液量を一定に保った。
【0056】
4時間の運転後、回収容器407(回収容器(1))に得られた液中のアルブミン量は0.336μg、β2ミクログロブリン量は0.853μgであり、原液として用いたヒト血清中のアルブミン量は31200μg、β2−ミクログロブリン量は1.19μgであり、β2−ミクログロブリン量を維持しながら、アルブミンを大幅に除去することができた。
【0057】
別途、BSAの吸着量を特定したところ、回収容器(1)が16.6ng/cm2、ミニモジュール(1)の中空糸が397.9ng/cm2、ミニモジュール(2)の中空糸が378.4ng/cm2、ミニモジュール(3)の中空糸が429.3ng/cm2であった。
<実施例A2>
まず、1個のミニモジュール(4)を準備し、外側のポートのうちひとつをキャップし、もうひとつはシリコーンチューブをつないだ。中空糸膜内側の液については、原液入口と出口とをシリコーンチューブでつなぎ溶液循環回路とし、当該回路にペリスターポンプを設け、溶液を循環できるようにした。前記溶液循環回路の途中に三方バルブを設け、三方バルブの一方向には注入ポンプを取り付けた。これを1段目の膜分離ユニットとした。さらに、ミニモジュール(5)のうち1個のミニモジュールについて、外側のポートのうちひとつをキャップし、ほかのひとつはシリコーンチューブを接続した。ミニモジュール(5)の中空糸膜内側の液についても、モジュールの原液入口と出口をシリコーンチューブでつなぎ溶液循環回路とし、当該回路にペリスターポンプを設けて溶液を循環できるようにした。さらに前記溶液循環回路の途中に三方バルブを設けた。これを2段目の膜分離ユニットとした。さらに、もう1個のミニモジュール(5)の外側のポートのうちひとつをキャップし、のこりの一つはシリコーンチューブを接続した。2個目のミニモジュール(5)の中空糸膜内側の液についても、モジュールの原液入口と出口をシリコーンチューブでつなぎ、溶液循環回路となし、回路の途中にペリスターポンプを設けて溶液を循環できるようにした。さらに前記溶液循環回路の途中に三方バルブを設けた。これを3段目の膜分離ユニットとした。
【0058】
ミニモジュール(6)の外側のポートのうちひとつをキャップし、一方は濾液出口とした。このミニモジュール(6)の中空糸膜内側の液も、モジュールの原液入口と出口をシリコーンチューブでつなぎ溶液循環回路となし、ペリスターポンプを用いて原液を循環できるようにした。また溶液循環回路の途中には三方バルブを2個設けた。これを濃縮膜ユニットとした。
【0059】
分離膜ユニット3段目のミニモジュールの処理液回収口と濃縮膜ユニットの三方バルブとをシリコーンチューブで接合した。また濃縮膜ユニットの溶液循環回路の途中には、三方バルブからなる濃縮ユニットの処理液回収口が設けられており、濃縮の操作中は溶液循環回路のみが開通するようにしている。該処理液回収口の先には回収容器(1)が設けてある。システム全体にPBSを充填し、実施例1と同様のアルブミン以上のタンパク質を分子ふるいにより分画する膜分離ユニットとタンパク質を濃縮するユニットが直結された複合システムを作成した。
【0060】
実施例1と同様に注入、分離、濃縮および回収の操作を行った。具体的条件は以下のとおりである。1mlの血清を0.2ml/minで1段目の膜分離ユニットに加えた後、1段目の膜分離ユニット、2段目の膜分離ユニット、3段目の膜分離ユニット共に流量5.0mL/minの条件で各溶液循環回路を循環し、各モジュールの濾過流量0.2mL/minの流速で20℃、4時間濾過を実施した。この時、濾過された容量分のPBSを0.2ml/minで注入ポンプから加えて、各分離ユニットおよび濃縮ユニットを循環する液量を一定に保った。
【0061】
4時間の運転後、回収容器(1)に得られた液中のアルブミン量は0.251μg、β2ミクログロブリン量は0.981μgであり、原液として用いたヒト血清中のアルブミン量は31200μg、β2−ミクログロブリン量は1.19μgであり、β2−ミクログロブリン量を維持しながら、アルブミンを大幅に除去することができた。
【0062】
別途、BSAの吸着量を特定したところ回収容器(1)が17.6ng/cm2、ミニモジュール(4)の中空糸が35.6ng/cm2、ミニモジュール(5)の中空糸が39.2ng/cm2、ミニモジュール(6)の中空糸が42.8ng/cm2であった。
<比較例A1>
実施例A1の回収容器(1)に代えて、回収容器(2)を使用した以外には、実施例A1と同様に4時間の濾過の運転を行った。回収容器(2)に得られた液中のアルブミン量は0.490μg、β2ミクログロブリン量は0.202μgであり、原液として用いたヒト血清中のアルブミン量は31200μg、β2−ミクログロブリン量は1.19μgであり、アルブミンを除去することができたが、β2−ミクログロブリンの回収率が低かった。
【0063】
別途、BSAの吸着量を特定したところ回収容器(2)が236.4ng/cm2、ミニモジュール(1)の中空糸が377.1ng/cm2、ミニモジュール(2)の中空糸が394.5ng/cm2ミニモジュール(3)の中空糸が429.3ng/cm2であった。
以上の結果を表1,2にまとめた。表1はBSAの吸着量を、表にはβ2-ミクログロブリンの回収量を示す。吸着量が50 ng/cm2以下の回収容器または中空糸を使用した実施例A1,A2ではβ2-ミクログロブリンの回収量が高かったのに対し、50ng/cm2よりも多い吸着量の回収容器と中空糸の膜を使用した比較例A1ではβ2-ミクログロブリンの回収量が低かった。このように低吸着の表面を一部に導入した装置ではβ2-ミクログロブリンの高い回収率が達成された。膜表面でのアルブミンの堆積・目詰まりが抑えられ、β2-ミクログロブリンが良好に膜を透過できただけでなく、透過したβ2-ミクログロブリンの吸着ロスも抑えられて高率に回収されたことを示している。
<<実施例B>>
本発明の分画装置において、分画された微量タンパク質を含む溶液を回収するために用いるポリスチレン製試験管(BECTON DICKINSON製「5mlPolystyrenRound-Bottom
Tube」)およびポリプロピレン製試験管(BECTON DICKINSON製「5mlPolypropyreneRound-Bottom Tube」)について、吸着および回収性能を比較した。
<ヒトβ2-ミクログロブリンの吸着試験> 基材表面に対するタンパク質の吸着評価について、ヒトβ2-ミクログロブリンの溶液で行う場合について説明する。実施例で使用したヒトβ2-ミクログロブリン(以下β2-MGと略記)とは、ORIENTALYEAST
CO.,LTD製 Recombinant Human β2-microgloblin, Cat.Code 47194000もしくは、その同等品である。また、本発明中のウシ血清アルブミンとはSIGMA製BovineAlbumin
Powder, Product Number A7906もしくは、その同等品である。
【0064】
β2-MG(ORIENTAL YEAST CO.,LTD製 Recombinant Humanβ2-microgloblin,Cat.Code47194000)を200ng/ml、ウシ血清アルブミン(SIGMA製Bovine Albumin Powder, Product
Number A7906)(以下BSAと略記)を10μg/mlに調整したPBS(日水製薬社製ダルベッコPBS)水溶液(以下、PBS水溶液と略記)をタンパク質溶液(以下、タンパク質溶液Aとする)として用いた。タンパク質溶液A中のタンパク質は調製に使用した容器にも吸着するので調製後5分以内に吸着実験を開始しなければならない。上記のように調製したタンパク質溶液Aを以下のように吸着実験に用いた。すなわち、コントロールサンプルとして、ブロッキング剤(大日本製薬発売ブロックエースCat.Code
UK-B25)を100μl加えておいた容器(エッペンドルフ社製セイフーロックチューブ商品No.0030 120,086)にタンパク質溶液Aを500μl加え、β2−MG濃度測定直前まで−70℃にて凍結保管した。吸着評価サンプルとして、タンパク質溶液Aを評価する基材に接触させ25℃で1時間静置した後に、ブロッキング剤(大日本製薬発売ブロックエースCat.Code
UK-B25)を100μl加えておいた容器(エッペンドルフ社製セイフーロックチューブ商品No.0030 120,086)に500μl加え、β2-MG濃度測定直前まで-70℃にて凍結保管する。なお、評価する基材表面積に対するタンパク質溶液Aの添加量は、2ml/cm以上8ml/cm以下とした。
β2-MG濃度の測定はβ2-MG測定キット(和光純薬工業発売 グラザイムβ2-microgloblin EIA TEST, Code.305-11011)にて、キット添付のマニュアルに従って行った。タンパク質の吸着量は(数式5)により算出した。
【0065】
(a)=((b)-(c))/(d) (数式5)
(数式5)中の記号は以下の通り。
【0066】
(a):プラスチック試験管タンパク質吸着量(ng/cm2)
(b):コントロールサンプル中β2-MG量 (ng)
(c):吸着評価サンプル中β2-MG量(ng)
(d):プラスチック試験管とタンパク質溶液Aとの接触面積(cm2)
<実施例B1>
ポリスチレン製試験管(BECTON DICKINSON製「5mlPolystyrene Round-Bottom Tube」)をビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体(重量平均分子量10000、ケン化度80%、Aldrich製Cat
No.360627)1000ppm水溶液100mlに浸漬し、γ線照射した。γ線の吸収線量は25kGyであった。ポリスチレン試験管をポリビニルアルコール水溶液から取り出して流水500mlで洗浄し、70℃のオーブンで1時間乾燥した。この試験管をヒトβ2-ミクログロブリン吸着試験に供した。結果を表3に示す。
<実施例B2>
実施例B1で最初に準備したものと同じポリスチレン製試験管を実施例B1ポビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体10ppm水溶液100mlに浸漬し、γ線照射した。γ線の吸収線量は26kGyであった。ポリスチレン試験管をポリビニルアルコール水溶液から取り出して流水500mlで洗浄し、70℃のオーブンで1時間乾燥した。この試験管をヒトβ2-ミクログロブリン吸着試験に供した。結果を表3に示す。
<実施例B3>
実施例B1で最初に準備したものと同じポリスチレン製試験管をポリビニルアルコール(分子量22000、ナカライテスク製 Code No.28311-25)1000ppm水溶液100mlに浸漬し、γ線照射した。γ線の吸収線量は25kGyであった。ポリスチレン試験管をポリビニルアルコール水溶液から取り出して流水500mlで洗浄し、70℃のオーブンで1時間乾燥した。この試験管をヒトβ2-ミクログロブリン吸着試験に供した。結果を表3に示す。
<実施例B4>
実施例B1で最初に準備したものと同じポリスチレン製試験管を実施例B3と同じポリビニルアルコールの10ppm水溶液100mlに浸漬し、γ線照射した。γ線の吸収線量は27kGyであった。ポリスチレン試験管をポリビニルアルコール水溶液から取り出して流水500mlで洗浄し、70℃のオーブンで1時間乾燥した。この試験管をヒトβ2-ミクログロブリン吸着試験に供した。結果を表3に示す。
<実施例B5>
ポリプロピレン製試験管(BECTON DICKINSON製「5mlPolypropyrene Round-Bottom Tube」)をポリビニルアルコール(分子量10000、Aldrich製Cat
No.360627)1000ppm水溶液100mlに浸漬し、γ線照射した。γ線の吸収線量は25kGyであった。ポリスチレン試験管をポリビニルアルコール水溶液から取り出して流水500mlで洗浄し、70℃のオーブンで1時間乾燥した。この試験管をヒトβ2-ミクログロブリン吸着試験に供した。結果を表3に示す。
<実施例B6>
実施例B5で最初に準備したものと同じポリプロピレン製試験管を実施例B5と同じポリビニルアルコールの10ppm水溶液100mlに浸漬し、γ線照射した。γ線の吸収線量は25kGyであった。ポリスチレン試験管をポリビニルアルコール水溶液から取り出して流水500mlで洗浄し、70℃のオーブンで1時間乾燥した。この試験管をヒトβ2-ミクログロブリン吸着試験に供した。結果を表3に示す。
<実施例B7>
実施例B5で最初に準備したポリプロピレン製試験管をポリビニルアルコール(分子量22000、ナカライテスク製 Code No.28311-25)1000ppm水溶液100mlに浸漬し、γ線照射した。γ線の吸収線量は26kGyであった。ポリスチレン試験管をポリビニルアルコール水溶液から取り出して流水500mlで洗浄し、70℃のオーブンで1時間乾燥した。この試験管をヒトβ2-ミクログロブリン吸着試験に供した。結果を表3に示す。
<実施例B8>
実施例B5で最初に準備したものと同じポリプロピレン製試験管を実施例B7と同じポリビニルアルコールの10ppm水溶液100mlに浸漬し、γ線照射した。γ線の吸収線量は27kGyであった。ポリスチレン試験管をポリビニルアルコール水溶液から取り出して流水500mlで洗浄し、70℃のオーブンで1時間乾燥した。この試験管をヒトβ2-ミクログロブリン吸着試験に供した。結果を表3に示す。
<比較例B1>
実施例B1で最初に準備したものと同じポリスチレン製試験管を流水500mlで洗浄し、70℃のオーブンで1時間乾燥した。この試験管をヒトβ2-ミクログロブリン吸着試験に供した。結果を表3に示す。
<比較例B2>
実施例B5で最初に準備したものと同じポリプロピレン製試験管を流水500mlで洗浄し、70℃のオーブンで1時間乾燥した。この試験管をヒトβ2-ミクログロブリン吸着試験に供した。結果を表3に示す。
<比較例B3>
実施例B1で最初に準備したものと同じポリスチレン製試験管をポリビニルピロリドン(分子量50000、BASF製 Kollidon25)1000ppm水溶液100mlに浸漬し、γ線照射した。γ線の吸収線量は25kGyであった。ポリスチレン試験管をポリビニルピロリドン水溶液から取り出して流水500mlで洗浄し、70℃のオーブンで1時間乾燥した。この試験管をヒトβ2-ミクログロブリン吸着試験に供した。結果を表3に示す。
<比較例B4>
実施例B1で最初に準備したものと同じポリスチレン製試験管をポリビニルピロリドン(分子量3000、BASF製 Kollidon12PF)1000ppm水溶液100mlに浸漬し、γ線照射した。γ線の吸収線量は27kGyであった。ポリスチレン試験管をポリビニルアルコール水溶液から取り出して流水500mlで洗浄し、70℃のオーブンで1時間乾燥した。この試験管をヒトβ2-ミクログロブリン吸着試験に供した。結果を表3に示す。
<比較例B5>
実施例B1で最初に準備したものと同じポリスチレン製試験管をポリエチレングリコール(分子量20000、片山化学工業製 ポリエチレングリコール20000)1000ppm水溶液100mlに浸漬し、γ線照射した。γ線の吸収線量は25kGyであった。ポリスチレン試験管をポリビニルアルコール水溶液から取り出して流水500mlで洗浄し、70℃のオーブンで1時間乾燥した。この試験管をヒトβ2-ミクログロブリン吸着試験に供した。結果を表3に示す。
<比較例B6>
実施例B1で最初に準備したものと同じポリスチレン製試験管をポリエチレングリコール(分子量2000、和光純薬工業製 ポリエチレングリコール2000)1000ppm水溶液100mlに浸漬し、γ線照射した。γ線の吸収線量は26kGyであった。ポリスチレン試験管をポリビニルアルコール水溶液から取り出して流水500mlで洗浄し、70℃のオーブンで1時間乾燥した。この試験管をヒトβ2-ミクログロブリン吸着試験に供した。結果を表3に示す。
<比較例B7>
実施例B1で最初に準備したものと同じポリスチレン製試験管をポリエチレイミン(分子量25000、Aldrich製 Cat.Code 40872-7)1000ppm水溶液100mlに浸漬し、γ線照射した。γ線の吸収線量は26kGyであった。ポリスチレン試験管をポリビニルアルコール水溶液から取り出して流水500mlで洗浄し、70℃のオーブンで1時間乾燥した。この試験管をヒトβ2-ミクログロブリン吸着試験に供した。結果を表3に示す。
<比較例B8>
実施例B1で最初に準備したものと同じポリスチレン製試験管の内壁を15mlのメタノールで洗浄し、70℃のオーブンで1時間乾燥した。該の試験管にMPCとブチルメタクリレート共重合体25000ppmメタノール溶液100mlに1分間浸漬した。該試験管をポリヒドロキシエチルメタクリレート溶液から取り出し、試験管内の液を排出し70℃のオーブンで1時間乾燥した。該試験管を流水500mlで洗浄し、70℃のオーブンで1時間乾燥した。この試験管をヒトβ2-ミクログロブリン吸着試験に供した。結果を表3に示す。
<比較例9>
実施例B5で最初に準備したものと同じポリプロピレン製試験管の内壁を15mlのメタノールで洗浄し、70℃のオーブンで1時間乾燥した。この試験管にMPCとブチルメタクリレート共重合体25000ppmメタノール溶液100mlに1分間浸漬した。該試験管をポリヒドロキシエチルメタクリレート溶液から取り出し、試験管内の液を排出し70℃のオーブンで1時間乾燥した。該試験管を流水500mlで洗浄し、70℃のオーブンで1時間乾燥した。この試験管をヒトβ2-ミクログロブリン吸着試験に供した。結果を表3に示す。
【0067】
表3から明らかなように、ヒトβ2-ミクログロブリン吸着試験(濃度200ng/mlのヒトβ2-ミクログロブリンと濃度10μg/mlのウシ血清アルブミンからなるタンパク質水溶液を使用)の結果、本発明の場合(実施例1〜9)は比較例1〜9に比してβ2-MG吸着量(ヒトβ2-ミクログロブリン吸着量)が少なく、微量生体成分の吸着抑制、高率回収に効果的である。
【0068】
【表1】
Figure 0004910700
【0069】
【表2】
Figure 0004910700
【0070】
【表3】
Figure 0004910700
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の分画装置は、プロテオーム解析を行う際の試料の作成において非常に有用なものであり、医学、特にヒトの病気の発見に利用可能となる。

Claims (10)

  1. タンパク質および/またはペプチドの分画装置であって、タンパク質および/またはペプチドが接触する基材表面の少なくとも一部がケン化度が0.70以上1未満であるポリビニルアルコール−ポリ酢酸ビニル共重合体が基材表面にグラフトすることによって親水化処理されてなり、1000μg/mlのウシ血清アルブミン溶液を接触させたときの該基材表面へのウシ血清アルブミンの吸着量が50ng/cm以下である分画装置。
  2. ウシ血清アルブミンの吸着量が50ng/cm以下である基材が膜である請求項に記載の分画装置。
  3. タンパク質および/またはペプチドの分画装置であって、タンパク質および/またはペプチドが接触する基材表面の少なくとも一部がケン化度が0.70以上1未満であるポリビニルアルコール−ポリ酢酸ビニル共重合体が基材表面にグラフトすることによって親水化処理されてなり、該基材表面に濃度200ng/mlのヒトβ2-ミクログロブリンと濃度10μg/mlのウシ血清アルブミンからなるタンパク質水溶液に接触させたとき、該基材に対するヒトβ2-ミクログロブリン吸着量が3ng/cm2以下である分画装置。
  4. ヒトβ2-ミクログロブリン吸着量が3ng/cm2以下である基材が膜を含むものである請求項3に記載の分画装置。
  5. 当該膜の形状が中空糸である請求項2または4に記載の分画装置。
  6. タンパク質および/またはペプチドを含有する溶液を供給する手段、溶液からタンパク質および/またはペプチドを分離する手段、ならびに溶液の中のタンパク質および/またはペプチドを濃縮する手段を有する請求項2または4に記載の分画装置。
  7. タンパク質および/またはペプチドの質量分析のための試料を作成する前処理装置である請求項6に記載の分画装置。
  8. タンパク質および/またはペプチドが血液、血清、血漿などの血液由来物、尿、腹水、唾液、涙液、房水、脳脊髄液、羊水、胸水もしくは細胞抽出液に含有されていたものである請求項7に記載の分画装置。
  9. タンパク質および/またはペプチドの分画装置であって、タンパク質および/またはペプチドを含有する溶液を供給する供給手段、溶液からタンパク質および/またはペプチドを分離する手段、ならびに溶液の中のタンパク質および/またはペプチドを濃縮する手段を有し、分画装置におけるタンパク質および/またはペプチドが接触する基材表面の少なくとも一部が、ケン化度が0.70以上1未満であるポリビニルアルコール−ポリ酢酸ビニル共重合体によってグラフトされている分画装置。
  10. グラフトが放射線によるものである請求項1、3、9のいずれかに記載の分画装置。
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