JP2005177573A - 分離システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 臨床プロテオーム解析をする際に、微量成分の検出に対して妨害となる物質を取り除かれた溶液を得る。
【解決手段】 分離膜モジュールを用いて生体成分原液から生体成分を分離する膜分離ユニットに少なくとも生体成分原液流入後に希釈液をに流入させることで、分離膜表面でのタンパク質の堆積を防ぎ、妨害物質を効率よく取り除くことができる分離システム。本分離システムにより得られた溶液は、質量分析、電気泳動、液体クロマトグラフィー等のタンパク質分析に用いられ、高感度の分析が可能になる。
【選択図】 図1

Description

本発明は生体成分原液、特にヒトの血液、尿等から生体成分を分離して分析用溶液とする分離システムに関する。
近年、ポストゲノム研究として、プロテオーム解析研究(プロテオミクス)が注目され始めた。遺伝子産物であるタンパク質は遺伝子よりも疾患の病態に直接リンクしていると考えられることから、タンパク質を網羅的に調べるプロテオーム解析の研究成果は診断と治療に広く応用できると期待されている。しかも、ゲノム解析では発見できなかった病因タンパク質や疾患関連因子を多く発見できる可能性が高い。
プロテオーム解析の急速に進展しだしたのは、技術的には質量分析装置(mass spectrometer: MS)による高速構造分析が可能となってきたことが大きく、MALDI-TOF-MS (matrix assisted laser desorption ionization time-of-flight mass spectrometry) 等の実用化によって、ポリペプチドのハイスルースループット超微量分析が可能となり、従来検出し得なかった微量タンパク質までが同定可能となり、疾患関連因子の探索に強力なツールとなってきている。
プロテオーム解析の臨床応用の第一目的は、疾患によって誘導あるいは消失するバイオマーカータンパク質の発見である。バイオマーカーは、病態に関連して挙動するため、診断のマーカーとなり得るほか、創薬ターゲットとなる可能性も高い。すなわち、プロテオーム解析の成果は、特定遺伝子よりも診断マーカーや創薬ターゲットとなる可能性が高いため、ポストゲノム時代の診断と治療の切り札(エビデンス)技術となり、同定されたバイオマーカーは患者の薬剤応答性評価や副作用発現予測という直接的に患者が享受しえる利益につながることから、いわゆるテーラーメード医療(オーダーメード医療)の推進に大きな役割を果たすといえる。
臨床研究にプロテオーム解析(臨床プロテオミクス)を導入する場合には、大量の検体を迅速、確実に解析することが求められており、しかも臨床検体は微量で貴重なために高分解能・高感度・高機能測定を迅速に行う必要がある。この大きな推進力となったのは質量分析(mass spectrometry)であり、質量分析装置のもつ超高感度でハイスループットの特性の貢献するところが大きい。しかしながら、その手法や機器が急速に改良されてきてはいるものの、プロテオーム解析が臨床現場で簡便かつ迅速に実施できる状況にはまだない。
ヒト・タンパク質は10万種以上とも推定されているが、血清中に含まれるタンパク質だけでも約1万種類にものぼるといわれ、総量としての血清中濃度は約60〜80mg/mLである。血清中の高含量のタンパク質は、アルブミン(分子量66kDa)、免疫グロブリン(150〜1000kDa)、トランスフェリン(80kDa)、ハプトグロビン(>85kDa)、リポタンパク質(数100kDa)等であり、いずれも大量(>mg/mL)に存在する。一方、病態のバイオマーカーや病因関連因子と考えられているペプチドホルモン、インターロイキン、サイトカイン等の生理活性タンパク質の多くは、極微量 (<ng/mL)にしか存在せず。その含有量比は高分子の高含量成分に比べて、実にnanoからpicoレベルである。タンパク質の大きさという点では、タンパク質全種類の70%以上は分子量60kDa以下であり、上記の極微量なバイオマーカータンパク質はいずれもこの領域に含まれる場合がほとんどである(例えば非特許文献1)。これらのタンパク質は腎臓を通過して尿中に一部排泄されるため、血液のみならず尿を検体として測定することも可能である。
一般的な血清学的検査でプロテオーム解析するには、病因関連の微量成分検出の妨害となる分子量6万以上の高分子成分を除外することがまず必須となる。また、分子量6万未満の成分についてはできるだけ多く回収することが必須となる。
この高分子量タンパク質の分離手段として、現状では高速液体クロマトグラフィー (liquid chromatography: LC) や二次元電気泳動 (2 dimensional-polyacrylamide gel electrophoresis: 2D-PAGE) が用いられているが、これらは、微量のサンプルしか処理できないために、目的とするサンプル量も少なく、MS分析、2次元電気泳動分析などのタンパク質分析を行っても検出されない場合がある。
この点が解決されると、臨床プロテオーム解析による臨床検査の診断の迅速性は飛躍的に向上すると期待できる。具体的には、効率的に目的タンパク質群を分画・分離できるデバイスがあればよい。
アルブミンを主な対象物質として、すでに実用化されている製品あるいは開示されている技術としては、ブルー色素などのアフィニティーリガンドを固定化した担体(たとえば、日本ミリポア社:"Montage Albumin Deplete Kit(登録商標)"、日本バイオ・ラッド社:AffiGel Blueゲル(登録商標))、高分子量成分を遠心分離ろ過によって分画する遠心管形式の装置(たとえば、日本ミリポア社:"アミコンウルトラ(登録商標)")、特表2002−542163号公報(特許文献1)に開示されている電気泳動原理によって分画する方法(たとえば、グラディポア社:"Gradiflow(登録商標)"システム)、Cohnのエタノール沈澱などの伝統的な沈殿法やクロマトグラフィーによって分画する方法(例えば非特許文献2)などがある。
しかしこれらは、いずれも分離分画性能が十分ではなかったり、微量サンプルには不適当であったり、サンプルが希釈されてしまったり、あるいは質量分析等に障害となる薬剤が混入したりするなどの問題点がある。
また、人工腎臓、人工肺、血漿分離装置などに使用されている分離膜はその用途に応じて様々な大きさのものが開発され、生体成分との適合性を向上させるような改善もされているが(特許文献2)、臨床プロテオームが抱えている問題の解決を示唆するものはない。
これらを解決する溶液の開発により、医学研究ならびに臨床現場でプロテオーム解析が広く行われるようになり、より迅速で高精度な検査や診断が可能となって、有用な治療法がない難治性の疾患の原因究明や早期の診断法の開発には強力なツールとなると期待できる。
特表2002−542163号公報 特許3297707号明細書 アンダーソン・NL(Anderson NL),アンダーソン・NG( Anderson, NG)著,「ザ・ヒューマン・プラズマ・プロテオーム:ヒストリー・キャラクター・アンド・ダイアグノスティック・プロスペクツ (The human plasma proteome: history, character, and diagnostic prospects)」,モレキュラー・アンド・セルラー・プロテオミクス(Molecular & Cellular Proteomics),(米国),ザ・アメリカン・ソサエティー・フォー・バイオケミストリー・アンド・モレキュラー・バイオロジー・インコーポレーテッド(The American Society for Biochemistry and Molecular Biology, Inc.),2002年,第1巻,p845-867. 日本生化学会編,「新生化学実験講座(第1巻)タンパク質(1)分離・精製・性質」, 東京化学同人, 1990年 細胞工学別冊,「バイオ実験イラストレイテッド5」, 秀潤社, 2001年
上述のとおり、臨床プロテオーム解析をする際に、妨害となる過剰な高分子量のタンパク質を除去することが必要である。
極最近でも、Affi-Gel Blueゲルを用いた方法(N. Ahmed et al., Proteomics, On-line版, 2003/06/23)や"Gradiflow"システムを用いた方法(D. L. Rothemund et al. (2003), Proteomics, vol. 3, pp279-287)などが有効な改良されたアルブミン除去法として発表されている程度であり、より多くの情報を得るための分析用溶液を得ることができる分離システムはない。これらは、本発明が解決しようとする課題である。
したがって、本発明の目的は、余分な高分子量のタンパク質が除去された有利な分析用溶液を容易に得ることができる分離システムを提供することである。
本発明に係る分離システムは以下の(1)〜(9)ような構成をとる。
(1) 分離膜モジュールを用いて生体成分原液から生体成分を分離する膜分離ユニットからなるシステムにおいて、少なくとも生体成分原液流入後に希釈液を膜分離ユニットに流入させることからなる分離システム。
(2) 分離膜モジュールに流入する液の流量Q1、生体成分が分離された液が送液される流量Q2の比率Q2/Q1が、0<Q2/Q1<1を満たす条件で分離される上記(1)に記載の分離システム。
(3) 分離膜モジュールに流入する液の流量Q1、生体成分が分離された液が送液される流量Q2の比率Q2/Q1が、0.01≦Q2/Q1≦0.5を満たす条件で分離される上記(1)に記載の分離システム。
(4) 膜分離ユニットが少なくとも2ユニット以上含まれる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の分離システム。
(5) 生体成分が血液、血清などの血液由来物、尿、腹水、唾液、涙液、脳脊髄液、胸水もしくは細胞からのタンパク質抽出液から構成される上記(1)〜(4)のいずれかに記載の分離システム。
(6) 分離膜モジュールにて生体成分が分離された液が送液される流量Q2と希釈液を膜分離ユニットに流入させる流量Q3の比率Q2/Q3が0.5≦Q2/Q3≦1.5を満たす条件で生体成分が分離される上記(1)〜(5)のいずれかに記載の分離システム。
(7) 分離膜モジュールにて生体成分が分離された液が送液される流量Q2と希釈液を膜分離ユニットに流入させる流量Q3がQ2=Q3を満たす条件で生体成分が分離される上記(1)〜(5)のいずれかに記載の分離システム。
(8) 希釈液に、生理食塩水または緩衝溶液を用いる上記(1)〜(7)のいずれかに記載の分離システム。
(9) 血液中の成分から構成される成分を分離する上記(1)〜(8)のいずれかに記載の分離システム。
本発明における分離システムにより得られる生体成分分離溶液(分析用溶液)によって、特に血液、血清、血漿をはじめとする生体成分原液から従来検出されなかった微量のタンパク質を数多く検出することが可能となる。本発明者らは、特定の膜分離ユニットを用いて、全タンパク質中の分子量6万以上のタンパク質の濃度が低い生体成分分離溶液(分析用溶液)を得ることを可能にし、優れた分析結果を得ることに成功した。
本発明で言う生体成分分離溶液(分析用溶液)とは血液などの生体成分原液を特定の処理を行いタンパク質の構成を変えた溶液のことである。ここで、「血液」とはヒトなどの動物血液のことであり、血清、血漿など血液中の一部の成分からなる溶液も含まれる。「生体由来の溶液」(生体成分原液)とは血液の他、尿、唾液、涙液、脳脊髄液、腹水、胸水もしくは細胞からのタンパク質抽出液など生体関連の物質でタンパク質を含む溶液のことである。
「原液」とは本発明の生体成分分離溶液(分析用溶液)を作製するための、原溶液である。この生体成分分離溶液(分析用溶液)は、分子量6万以上のタンパク質の濃度が低いためタンパク質分析に好ましく用いられる。分析法としては特に限定しないがLCや2D-PAGE、核磁気共鳴(NMR)、MALDI-TOF-MSやESI-MS等を例示することができる。これらは、アルブミン等の一部の溶液中に多量に存在するタンパク質が高い含有率で含まれていることによって、分析感度が低くなる分析方法であり、本溶液を用いることによって、高感度分析が可能となる。
分子量1.5万未満のタンパク質とは、タンパク質の中でも比較的分子量が小さいタンパク質であり、血液であれば総タンパク質に対して存在割合が低いが、種類は非常に多い。ここでは、分子量1.16万であるβ2−ミクログロブリンを指標として用いる。分子量6万以上のタンパク質とは、血液であればアルブミンや免疫グロブリントランスフェリンなどが該当し原液中に高含有率で存在する。ここでは分子量が6万に近いアルブミンを指標にした。
本発明でいう「分離」とは回収目的のタンパク質と廃棄目的のタンパク質を弁別することをいう。主なタンパク質を分離・分画する手法は、濃度差による凝集沈殿法、分子篩い効果、イオン的相互作用、疎水的相互作用、水素結合、アフィニティーによる特異的結合などを利用したクロマトグラフィー、さらに電気泳動などが挙げられる。
「膜」とは多孔性の分離膜のことであり、平面フィルター、カートリッジ式フィルター等の平膜型分離膜(平膜)、中空糸等の中空状分離膜(中空糸膜)のいずれも用いることができるが、一般に、中空糸は処理液量あたりの膜表面積が大きく、圧損も少なくできるため、最も効率よく用いることができる。処理液量あたりの膜表面積を大きくするためには、中空糸内径は小さい方が好ましく、1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましい。また、平面フィルターは製膜が容易で安価に作成することができると言う利点がある。膜素材としては、セルロース、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート等のポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリ弗化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレンおよびポリプロピレンおよびこれらの誘導体からなる群より1種類以上選択される素材を例示することができる。この中でも近年透析器などに良く用いられているポリスルホンは分画特性が良好であるために好ましい素材である。
「分離膜モジュール」とは、膜をハウジング内に収納してなるものである。このハウジングには、分離される溶液が流入する入口及び流出する出口と分離された溶液が流出する分離液流出口が備えられている。上記ハウジングの素材は特に限定しないが、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のプラスチック製のものを挙げることができる。
「膜分離ユニット」とは、「分離膜モジュール」と「液を循環させるためのチューブ回路」からなるものである。ここで言う「循環」とは、分離膜モジュールから出た液をチューブ回路を介して分離膜モジュールに戻す送液方法である。
「分離システム」とは膜を用いて血液などの原液を分画する膜分離工程を含むシステムのことである。
本分離システムの膜分離ユニットの数は2以上であることが好ましい。膜分離ユニット数は、5以上であることが好ましく、更に10以上であることが好ましい。上限値は特に設けないが、システムが複雑になるため100以下である方が良い。
本分離システムでは、分子量1.5万未満のタンパク質と分子量6万以上のタンパク質との透過比率が20以上である分離膜を用いることが好ましい。透過比率は50以上であることが好ましく、更には100以上であることが好ましい、上限値は特に設けないが、この値があまりにも高い分離膜では、分子量1.5万未満のタンパク質を回収する量が少なくなってしまうことが懸念されるため、好ましくは10000以下である方が良い。
本分離システムに用いる分離膜は中空糸膜を用いることが好ましい。平膜を用いても同様の結果を得ることは可能であるが、特に中空糸膜は処理液量当たりの膜表面積を大きくする事が容易であり、効率よく本発明を実施することができる。中空糸膜の内径は、1mm以下であることが好ましく、更に0.5mm以下であることが好ましい。特に下限は設けないが、中空糸膜の圧力損出が大きくなり過ぎないように50μm以上であることが好ましい。
膜分離ユニットには、少なくとも生体成分原液流入後に希釈液を膜分離ユニットに流入させることが好ましい。希釈液を送液しない場合、膜分離ユニット内で濃縮が進み過ぎ、分離膜による透過比率が悪化する。また、希釈液には、生体成分原液と等張の溶液を使用することが好ましい。生体成分が血液成分から構成される場合、生理食塩水または「緩衝溶液」を用いることが好ましい。上記「緩衝溶液」としては、MES、BIS−TRIS、ADA、ACES、PIPES、MOPSO、BIS−TRIS PROPANE、BES、MOPS、TES、HEPES、DIPSO、MOBS、TAPSO、TRIZMA、HEPPSO、POPSO、TEA、EPPS、TRICINE、GLY−GLY、BICINE、PBS、TAPS、AMPD、TABS、AMPSO、CHES、CAPSO、AMP、CAPS、CABS等を挙げることができる。
分離膜モジュールに流入する液の流量Q1は、分離された液が送液される流量Q2よりも大きいことが望ましい。分離膜モジュールに流入する液の流量Q1と分離された液が送液される流量Q2が等しい場合、分離膜モジュール内で濃縮が進みすぎ、膜表面に堆積物が積層し、膜孔が目詰まりを起こすために分離膜での比率が悪化する。この膜表面への生体成分の堆積を抑制するためには、分離膜モジュールに流入する液の流量Q1、分離された液が送液される流量Q2の比率Q2/Q1は、0.5以下であることが望ましい。また、分離膜モジュールに流入する液の流量Q1、分離された液が送液される流量Q2の比率Q2/Q1が0の場合は、濾過が行われず、拡散のみでの物質移動になるため、分離の速度が遅くなるため、0.01以上であることが望ましい。
分離膜モジュールにて分離された液が送液される流量Q2と希釈液を膜分離ユニットに流入させる流量Q3は等しいことが望ましい。Q2≦0.5Q3では、経時的に膜分離ユニットの体積が大きくなり生体成分が薄まりすぎ分離効率が悪化する。Q2≧1.5Q3では、経時的に膜分離ユニットの体積が小さくなり、生体成分の分離膜モジュール内での濃縮が進み過ぎ、膜表面に堆積物が積層し、膜孔が目詰まりを起こすために分離膜での比率が悪化する。
本発明のデバイスの概念図は後記の図1のとおりであり、実際の構成は以下のとおりである。
(1)分画工程
「分画工程」とは水溶液(生体成分原液)中のアルブミン以上の分子量であるタンパク質を分画する工程を意味する。ここでいう「分画」とは分子量によりタンパク質を弁別することをいう。本工程では、平面フィルターあるいは中空糸モジュールの膜に分子篩い効果を有する多孔性膜を用い、分離ふるいによる分子分画を行う。特に中空糸を用いることは分画膜表面積が極めて大きくなるため、有効である。
本発明で用いる膜の素材は特に限定しないが、セルロース、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレート等のポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリ弗化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなる群より1種類以上選択される高分子を含む素材が使用される。膜構造に関しては、緻密層と空隙率が高く膜強度を維持する支持層の二層構造からなる非対称構造を有する膜を用いることが好ましい。電子顕微鏡を用いて膜の断面構造を1000倍の観察条件にて観察した場合に膜厚み方向に対して空孔が確認できない層と空孔が確認できる層の両者が存在するものを非対称構造とする。また、この非対称構造は被処理液を接触する面近傍が最も緻密であることが好ましい。これは濾過をかけたときの目詰まりを低減できるからである。
膜にはできるだけタンパク質が吸着しないことが好ましく、親水性の膜が好ましい。これらの親水性膜は必要とするタンパク質の吸着を抑え、無駄なく回収する効果がある。親水性膜では、親水性の単量体と疎水性の単量体を共重合させたものや、親水性の高分子と疎水性の高分子をブレンド製膜したもの、あるいは疎水性の高分子からなる膜の表面に親水性ポリマーを結合、付着させたもの、疎水性の高分子からなる膜の表面を化学処理、プラズマ処理、放射線処理したものなどがあげられるが、親水化されていればその方法は特に限定されない。親水性成分は特に限定しないが、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミドなどの親水性高分子が好ましい。
(2)全体の構成ならびに運転条件
各膜分離ユニットは溶液流路で直結され、連続して稼動できることによって、簡便かつ自動的に連続運転できるという効果が得られるが、必要により、各ユニットを独立して稼動させてもよい。チューブ回路にはポンプが装着され、ポンプにより送液されるが、小規模の場合にはシリンジによる送液、遠心チューブ型装置による遠心操作で行っても構わない。
本発明は生体成分原液、特にヒトの血漿、尿、唾液、涙液、脳脊髄液、腹水、胸水等のからの生体成分の分離に適する。上記の各分離ユニットの循環液の流速は、原料とする血漿や尿等の生体材料の質と量に依存して適宜決められるが、いわゆる卓上サイズで実施する場合、血漿では1〜400mL好ましくは5〜100mLで実施され、流速は1〜100mL/minが好ましくは2〜50mL/minで行われる。
また、膜分離システムは高速処理が可能であり、所要時間としては、1回の処理時間が6時間以内で、検体のコンタミネーションおよびバイオハザードの防止の点から、一連のデバイスは一回使用とする装置を作製する事が可能である。電気泳動システムや液体クロマトグラフィーを用いる分析では、機器を再使用して用いるため、検体による汚染の危険性や再生した分析カラムによる再現性への影響などが問題となることがあり、操作の煩雑さも含めて必ずしも多数の検体の頻回処理には向いていない。本発明になるタンパク質分画デバイスはディスポーザブル仕様が可能であり、検体からの汚染の回避や分析の再現性の確保の点からも大きな利点である。
このようにして総タンパク質中の分子量6万以上のタンパク質の組成比率が低い液を得ることができるが、高感度の分析を行うためにはその組成比が0.5未満である必要があり、好ましくは0.1未満、さらに好ましくは0.01未満であることがよく、できるだけ小さい方がよい。
このようにして得られた分析検体(分析用溶液)は、液体クロマトグラフ、電気泳動、MS等の各種のタンパク質分析に有用であるが、特に好ましくはMS、電気泳動を用いたプロテオーム解析に有用である。本装置が直接あるいは間接的に連結できるMSは特に限定されないが、好ましくは、電子スプレーイオン化型、大気圧イオン化型、四重極(QQQ)型、磁気セクター型、飛行時間型、MS/MS、MSn、FT-MS型、イオン捕捉型およびこれらの組合せ型のものである。また、MS/MSまたはMSn(例えばMS3)のようなタンデムMSを含む。タンデムMSの場合は、全てのタイプのMSが適用可能であるが、特にイオン捕捉、四重極−飛行時間(Q-TOF)、FT-MS、および四重極およびイオン捕捉とのセクター機器の組合せを使用することが効率がよい。これにより、MS/MSおよび/またはMSn測定において生じるピークの選択的な検出が可能となる。
本装置との組み合わせによる分析により、各種微量タンパク質成分の構造情報を集めることができるが、それらはペプチド・マスフィンガープリント(peptide-mass fingerprint: PMF)のみならず、各ペプチドの一次構造情報(アミノ酸配列)も含まれる。
以下、本発明の溶液得るための一態様例につき、図を用いながら説明する。
図1は、本発明の分離システムの概念図(膜分離ユニットの2ユニットの例)である。液の流れを矢印で示してある。血清などの材料の検体はバルブ1から溶液循環回路(チューブ回路)2の中をポンプ3によって送液せられ、第1の分離膜モジュール5に注入され、循環する。第1の膜分離ユニットで処理された液は、処理液回収口4から得られる。この態様が1ユニットの単位であり、2個の膜分離ユニットでは2段の繰り返しが、3個の膜分離ユニットでは3段繰り返えすことになる。処理液は最終の膜分離ユニットから回収される。
以下、実施例にて本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲がこれらの実施例にのみ限定されるものではない
(透過比率の測定方法)
ヒト血清(SIGMA社 H1388もしくは同等品)を3000rpm15分の条件にて遠心処理を行い沈殿物を取り除いた後0.45μmのフィルター処理を行う。分離膜モジュールに対して原液(人血清)側の液を循環するポンプと濾過をかけるポンプを接続し、PBS(日本製薬社製ダルベッコPBS(−))水溶液を充填しておく。原液を循環流量1ml/min、濾過流量0.2mL/minの流速で20℃にて濾過を開始する。この時モジュール出口の原液は戻さずに廃棄する。30分から60分後の液を採取し、モジュール原液入口、出口および濾液中のアルブミンおよびβ2ミクログロブリンの濃度を測定し、これらの測定値からアルブミンおよびβ2ミクログロブリンのふるい係数を算出する。アルブミン濃度の測定は、エスアールエル(株)に外注し、項目コード0721 4 (ラテックス凝集免疫法)にて測定する。この測定にて、アルブミン濃度 0.4 mg/L 以下の測定限界以下になったものについては、BETHYL 社製 Human Albumin ELISA Quantitation Kit ( Cat No E80-129 )にて測定する。β2ミクログロブリン濃度の測定は、エスアールエル(株)に外注し、項目コード0210 3 (ラテックス凝集免疫法)にて測定する。この時原液側濃度はモジュール入口、出口の濃度の平均値を用いる。得られたβ2ミクログロブリンのふるい係数をアルブミンのふるい係数で除した値を透過比率とする。
(電気泳動によるタンパク質分析)
得られた生体成分分離溶液(分析用溶液)を電気泳動法によって分析した。方法は次の通りである。
1.生体成分分離溶液にサンプルバッファーを等量加え、100℃3分加温し、泳動用サンプルとする。サンプルバッファーとして、グリセリン10ml、SDS 1g、BPB 0.05g、0.2M Tris-HCl pH6.8(TrisにHClを加え、pH6.8にしたもの) 25ml、蒸留水 14mlを混合したものを用いる。
2.市販のSDS-PAGE用ゲルであるSDS-PAGEmini 4-20% 1.0mm厚 10well(TEFCO製)を用いて、非特許文献3に記載の方法にて泳動する。
3.ゲルカセットからゲルを取り出し、CBB染色、銀染色を行う。銀染色は、市販のキットである銀染色IIキットワコー(和光純薬社製)を使用する。
(実施例1)
東レ株式会社製透析器BS1.8L ( Lot. 20440312 ) の両端の樹脂接着部分を切り、中空糸を得た。得られた中空糸膜の寸法は、内直径200μm膜厚40μmであり、中空糸の構造を電子顕微鏡(日立社製S800)にて確認したところ非対称構造を有していた。
該中空糸を100本束ね、中空糸中空部を閉塞しないようにエポキシ系ポッティング剤で両末端をガラス管モジュールケースに固定し、ミニモジュールを作成した。該ミニモジュールの内直径は約5mm、長さは約17cmであり、一般的な中空糸膜型透析器同様に中空糸の内側のポート(血液ポート)を2個と外側のポート(透析液ポート)を2個有している。該ミニモジュールの中空糸およびモジュール内部を蒸留水にて洗浄した。その後、PBS(日水製薬社製ダルベッコPBS(−))水溶液を充填し、中空糸膜ミニモジュール(以降、ミニモジュール1と略す)を得た。本ミニモジュールを2本作成し、うち1本の透過比率を測定したところ149であった。残りの1本は以下の実験に用いた。ヒト血清(SIGMA社 H1388、 Lot 122K0424)を3000rpm15分の条件にて遠心処理を行い沈殿物を取り除いた後0.45μmのフィルター処理を行った。ミニモジュール1の透析液側ポートの一方をキャップし、一方はシリコーンチューブをつなぎ、ペリスターポンプに接続した。中空糸膜内側の液は入口と出口をシリコーンチューブでつなぎ、ペリスターポンプを用いて血清を循環できるようにした(図2)。
図2は、この実施例1で用いた分離システムの概略図(膜分離ユニットの1ユニット)である。液の流れを矢印で示してある。血清及び希釈液(PBS)がバルブ1から溶液循環回路(チューブ回路)2の中をポンプ3によって送液せられ、第1の分離膜モジュール5に注入され、循環する。第1の膜分離ユニットで処理された液は、処理液回収口4から得られる。この処理液が、分離システムから回収される。
4mlの血清を1.0ml/minで加えた後、循環流量10ml/min、濾過流量1.0mL/minの流速で20℃、50分間濾過を実施した。この時、濾過された容量分のPBSを1.0ml/minで分画システムに加えて、循環する液量を一定に保った。50分間で得られた濾液は、約50mlでアルブミン濃度は32.8mg/l、α1−ミクログロブリン濃度は0.06mg/l、β2ミクログロブリン濃度は0.068mg/Lであり、原液として用いたヒト血清中のアルブミン濃度は29800mg/L、α1−ミクログロブリン濃度は13.2mg/L、β2−ミクログロブリン濃度は1.27mg/Lであった。原液として用いたヒト血清は、アルブミン量119000μg、α1−ミクログロブリン52.8μg、β2−ミクログロブリン量は5.08μgであったのに対して、濾液はアルブミン量1640μg、α1−ミクログロブリン3.00μg、β2−ミクログロブリン量は3.40μgであり、β2−ミクログロブリン量を維持しながら、アルブミンを大幅に除去することができた。
(実施例2)
実施例1と同様の中空糸(透過比率149)を用いて、ミニモジュール1を1個作成した。ミニモジュール1の形状、中空糸本数は実施例1と同様である。また、実施例1と同様の中空糸(透過比率149)40本を内直径は約5mm、長さは約12cmのガラス管モジュールケースに固定し、ミニモジュール(以降、ミニモジュール2と略す)を実施例1と同様に2個作成した。該ミニモジュールを以下の実験に用いた。
ヒト血清(SIGMA社、H1388、 Lot 122K0424)を3000rpm、15分の条件にて遠心処理を行い濾液および沈殿物を取り除いた後0.45μmのフィルター処理を行った。まず、1個のミニモジュール1を準備し、透析液側の一方をキャップし、一方はシリコーンチューブをつないだ。中空糸膜内側の液は入口と出口をシリコーンチューブでつなぎ、ペリスターポンプを用いて血清を循環できるようにした。これを1段目の膜分離ユニットとした。さらに、1個のミニモジュール2を透析液側の一方をキャップし、一方はシリコーンチューブをつなぎ、ペリスターポンプに接続した。このミニモジュール2の中空糸膜内側の液も入口と出口をシリコーンチューブでつなぎ、ペリスターポンプを用いて血清を循環できるようにした。これを2段目の膜分離ユニットとした。さらに、もう1個のミニモジュール2を透析液側の一方をキャップし、一方はシリコーンチューブをつなぎ、ペリスターポンプに接続した。このミニモジュール2の中空糸膜内側の液も入口と出口をシリコーンチューブでつなぎ、ペリスターポンプを用いて血清を循環できるようにした。これを3段目の膜分離ユニットとした。次にミニモジュールの透析液側のシリコーンチューブを次の段の膜分離ユニットのシリコーンチューブにバルブを介してつなぎ、分離システム全体にPBSを充填し、3段の膜分離ユニットを有する分離システムを作成した(図3)。
図3は、この実施例2で用いた分離システムの概略図(膜分離ユニットの3ユニットの例)である。液の流れを矢印で示してある。血清及び希釈液(PBS)がバルブ1から溶液循環回路(チューブ回路)2の中をポンプ3によって送液せられ、第1の分離膜モジュール5に注入され、循環する。第1の膜分離ユニットで処理された液は、処理液回収口4から得られる。次に、この処理液は、第2の分離膜モジュール7に注入され、循環する。第2の膜分離ユニットで処理された液は、処理液回収口6から得られる。さらに、この処理液は、第3の分離膜モジュール9に注入され、循環する。第3の膜分離ユニットで処理された液は、処理液回収口8から得られる。この処理液が分離システムから回収される。
4mlの血清を0.2ml/minで1段目の膜分離ユニットに加えた後、1段目の膜分離ユニット、2段目の膜分離ユニット、3段目の膜分離ユニット共に流量5.0mL/minで中空糸内側液を循環し、濾過流量0.2mL/minの流速で20℃、4時間濾過を実施した。この時、濾過された容量分のPBSを0.2ml/minで分画システムに加えて、循環する液量を一定に保った。4時間で得られた濾液は、約47mlであった。この濾液をザルトリウス社製vivaspin20(3000MWCOタイプ)を用いて4mlに濃縮したところ、アルブミン濃度は0.38mg/l、β2ミクログロブリン濃度は0.583mg/Lであり、原液として用いたヒト血清中のアルブミン濃度は31200mg/L、β2−ミクログロブリン濃度は1.19mg/Lであった。原液として用いたヒト血清は、アルブミン量124800μg、β2−ミクログロブリン量は4.76μgであったのに対して、濾液はアルブミン量19μg、β2−ミクログロブリン量は2.92μgであり、β2−ミクログロブリン量を維持しながら、アルブミンを大幅に除去することができた。
該サンプルをザルトリウス社製vivaspin500(3000MWCOタイプ)を用いて10倍濃縮し、サンプルバッファーを等量加え、100℃3分加温した泳動用サンプル25μlを電気泳動にて分析した。結果を図4の3レーンに示す。図4の2レーンは比較例1の分離システム処理前のヒト血清の希釈液の電気泳動写真である。図4の3レーンから判るように、分子量6万以上の場所にタンパク質は少なく、分子量1.5万以下の場所に多くのタンパク質があることが確認できた。
(比較例1)
サンプルバッファーで100倍に希釈したヒト血清(SIGMA社、H1388、 Lot 122K0424)をサンプル2μlを電気泳動にて分析した。結果を図4の2レーンに示す。
図4において、1レーンは、Rainbow coloured protein molecular weight markers(Amersham LIFE SCIENCE 、RPN756 Batch58)、2レーンは比較例1のヒト血清、3レーンは実施例2で得られた生体成分分離溶液の電気泳動写真である。2レーンから判るように、ヒト血清は、分子量6万以上の場所にタンパク質が多く存在し、分子量1.5万以下の場所にタンパク質は少量しか観察されなかった。それに対し、3レーンから判るように、分離システムで処理した実施例2の濾液の濃縮液は、分子量6万以上の場所にタンパク質は少なく、分子量1.5万以下の場所に多くのタンパク質があることが確認できた。
図4から判るように、分子量6万以上の場所にタンパク質が多く存在し、分子量1.5万以下の場所にタンパク質は少量しか観察されなかった。
本発明の分離システムの概念図である(膜分離ユニットの2ユニットの例)。 本発明の実施例1で用いた分離システムの概略図である(膜分離ユニットの1ユニット)。 本発明の実施例2で用いた分離システムの概略図である(膜分離ユニットの3ユニットの例)。 生体成分分離溶液の電気泳動写真である。
符号の説明
1 バルブ
2 溶液循環回路(チューブ回路)
3 ポンプ
4 1段目の膜分離ユニットの処理液回収口
5 第1分離膜モジュール
6 2段目の膜分離ユニットの処理液回収口
7 第2分離膜モジュール
8 3段目の膜分離ユニットの処理液回収口
9 第3分離膜モジュール

Claims (9)

  1. 分離膜モジュールを用いて生体成分原液から生体成分を分離する膜分離ユニットからなるシステムにおいて、少なくとも生体成分原液流入後に希釈液を膜分離ユニットに流入させることを特徴とする分離システム。
  2. 分離膜モジュールに流入する液の流量Q1、生体成分が分離された液が送液される流量Q2の比率Q2/Q1が、0<Q2/Q1<1を満たす条件で分離されることを特徴とする請求項1に記載の分離システム。
  3. 分離膜モジュールに流入する液の流量Q1、生体成分が分離された液が送液される流量Q2の比率Q2/Q1が、0.01≦Q2/Q1≦0.5を満たす条件で分離されることを特徴とする請求項1に記載の分離システム。
  4. 膜分離ユニットが少なくとも2ユニット以上含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の分離システム。
  5. 生体成分が血液、血清などの血液由来物、尿、腹水、唾液、涙液、脳脊髄液、胸水もしくは細胞からのタンパク質抽出液から構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の分離システム。
  6. 分離膜モジュールにて生体成分が分離された液が送液される流量Q2と希釈液を膜分離ユニットに流入させる流量Q3の比率Q2/Q3が0.5≦Q2/Q3≦1.5を満たす条件で生体成分が分離されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の分離システム。
  7. 分離膜モジュールにて生体成分が分離された液が送液される流量Q2と希釈液を膜分離ユニットに流入させる流量Q3がQ2=Q3を満たす条件で生体成分が分離されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の分離システム。
  8. 希釈液に、生理食塩水または緩衝溶液を用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の分離システム。
  9. 血液中の成分から構成される成分を分離することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の分離システム。
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