JP4910427B2 - ボールねじ装置 - Google Patents
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Description
このようなグリースの飛散を防止するために、従来のボールねじ装置は、ねじ軸の外周面に螺旋状に形成した軸軌道溝と、ナットの内周面に形成した軸軌道溝に対向するナット軌道溝とを複数のボールを介して螺合させ、ボールを循環させながら対向配置されたナット軌道溝と軸軌道溝とにより形成される負荷路を転動するボールによりナットに加えられた荷重を支持してねじ軸の回転運動をナットの直線運動に変換し、ナットの軸方向の両端部のねじ軸との間に設けた非接触シールの外側にそれぞれ接触シールを離間させて配置し、非接触シールと接触シールとの間の空間に非接触シールから押し出されたグリースを空間に設けた廃油穴から外部に排出している(例えば、特許文献1参照。)。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、ボールねじ装置のねじ軸に付着したグリースの飛散を抑制する手段を提供することを目的とする。
図1において、1はボールねじ装置である。
2はボールねじ装置1のねじ軸であり、合金鋼等の鋼材で製作された棒状部材であって、その外周面には略半円弧状断面形状の軸軌道溝3が所定のリードLで螺旋状に形成されている。
6はフランジ部であり、ナット4の外周部の一方の端部に設けられ、図示しない機械装置の移動台にボルト等により固定される。
8はシール部材としての非接触シールであり、図2に示すように、樹脂材料や金属材料等で形成された環状部材であって、その内周面がねじ軸2の外周面に遊嵌し、内周面に形成された螺旋状突起部9が軸軌道溝3に遊嵌してラビリンスシールを形成しており、ナット4の内周面の軸方向の両端部に配置され、ナット4とねじ軸2との間をシールしてナット4の外部からの塵埃等の異物の侵入を防止する機能を有している。
この飛散防止カバー11は、その内周面を非接触シール8の外周面に嵌合させ、その外周面をナット4の両端面に設けられた取付穴14に嵌合させて、ナット4の半径方向に設けられた複数のねじ穴15に螺合する止めねじ16により非接触シール8と共にナット4の両端部に固定されている。
ねじ軸2の外周面の直径(ねじ軸外径Daという。):φ63mm
軸軌道溝3のリードL:20mm
グリース:リューベ株式会社製、製品番号NS−2
グリース動粘度:145Pa・s(0℃、せん断率10/s時)
ストローク範囲でのナット4の定常移動速度V:333mm/s(図5参照。ねじ軸2の回転速度:1000rpm)
ナット4の停止から定常移動速度Vに達するまでの平均加速度α:0.2G=1960mm/s2(Gは重力加速度)
この試験により、
(a)ねじ軸2のストローク端には、図6に示すようにグリースが堆積し、その堆積幅Waは上記のグリースの場合に5mmである。
(c)ストローク端に堆積したグリースおよびその油分は、図7に示すようにねじ軸2の回転による遠心力により半径方向に飛散するが、その大部分(約90%)は、ナット4の停止から定常移動速度Vに達するまでの加速区間で飛散する。
(e)飛散防止カバー11の内周面に付着したグリースのねじ軸2への再付着を防止するためには、ねじ軸2と飛散防止カバー11とを同軸に配置した場合に、飛散防止カバー11の内周面の直径(カバー内径Dbという。)をねじ軸外径Daより6mm大きく、つまり半径方向隙間を3mm以上とすることが必要である。
との知見が得られた。
X ≧ V2/(2α)+L ・・・・・・・・・・・・・(1)
とすることが望ましい。
すなわち、加速区間におけるナット4の加速距離Kは、加速終了までの時間をT(図5参照)とすると、
K=T・V/2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
また、ナット4の定常移動速度Vは、
V=α・T ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
であるので、(3)式から求めた時間Tを(2)式に代入すると、
K=V2/(2α) ・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
が得られる。
また、カバー内径Dbとねじ軸外径Daとの径方向隙間は、3mm以上とすることが望ましい。飛散防止カバー11の内周面に付着したグリースのねじ軸2への再付着を防止することができるからである。
これにより、飛散防止カバー11の内周面に付着したグリースがねじ軸2との間を満たしてしまうことがなくなり、飛散防止カバー11によるグリースの飛散防止効果を長期に維持することができる。
なお、本実施例においては、シール部材を非接触シールとして説明したが、シール部材を接触シールとしてもよい。このようにすれば、ねじ軸のストローク端に堆積するグリースの量を低減することができ、グリースの飛散量を更に低減して周囲環境を更に清浄に保つことができる。
更に、シール部材をナットの片側端部のみに設けるボールねじ装置の場合は、その側のみに飛散防止カバーを設けるようにすれば足りる。
図8に示す取付方法は、飛散防止カバー11のナット4側に半径方向内側に延在する鍔部21を設け、この鍔部21をボルト22によりナット4の端面に取付けた例である。
図10に示す取付方法は、エンドキャップ25をナット4の両端部に設けたボールねじ装置1の場合に、そのエンドキャップ25の軸方向の外側の端面に、図8で示した飛散防止カバー11を同様にして取付けた例である。
図11に示す貫通排出穴は、図8に示した飛散防止カバー11のねじ軸2の半径方向の直下に、軸方向に沿った長穴27として形成した例である。
更に、本実施例においては、飛散防止カバーは、ねじ軸の半径方向の周囲を覆う円筒であるとして説明したが、ねじ軸の半径方向の周囲を覆う蛇腹形状やテレスコピックパイプ形状等の軸方向に伸縮可能な円形断面形状を有する伸縮部材32を飛散防止カバーとして用いてもよい。この場合に伸縮部材32を図14に示す蛇腹形状とした場合には、蛇腹形状の小径Dsを上記のカバー内径Dbと同じ直径にし、カバー長Xは自然状態における軸方向長さに設定すると共に、円形の排出穴12をねじ軸2の直下に、軸方向に沿って蛇腹形状の山毎に直列に形成する。
また、上記実施例においては、リターンチューブやエンドキャップを用いてボールを循環させるチューブ式やエンドキャップ式の循環方式を用いたボールねじ装置に本発明を適用した場合を例に説明したが、こま式やデフレクタ式等とした循環方式のボールねじ装置に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。
2 ねじ軸
3 軸軌道溝
4 ナット
5 ナット軌道溝
6 フランジ部
7 ボール
8 非接触シール
9 螺旋状突起部
11 飛散防止カバー
12 排出穴
14 取付穴
15 ねじ穴
16 止めねじ
21 鍔部
22 ボルト
25 エンドキャップ
27 長穴
28 切欠き部
30 油分吸収材
32 伸縮部材
Claims (8)
- 外周面に螺旋状の軸軌道溝を形成したねじ軸と、内周面に前記軸軌道溝に対向するナット軌道溝を形成したナットと、前記軸軌道溝とナット軌道溝とを螺合させる複数のボールと、前記ナットの両端部または片側端部に配置され、前記ねじ軸とナットの間をシールするシール部材とを備えたボールねじ装置において、
前記シール部材の軸方向の外側に、前記ねじ軸の半径方向の周囲を覆う円筒形状の飛散防止カバーを設け、
前記軸軌道溝のリードをLとし、前記ナットの定常移動速度をVとし、前記ナットの停止から定常移動速度Vに達するまでの平均加速度をαとし、単位をmmとしたときに、前記飛散防止カバーのカバー長Xを、
X ≧ V2/(2α)+L
としたことを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1において、
前記飛散防止カバーが、前記シール部材と一体に形成されていることを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1または請求項2において、
前記シール部材が、非接触シールであることを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1または請求項2において、
前記シール部材が、接触シールであることを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
前記飛散防止カバーを、軸方向に伸縮可能な伸縮部材としたことを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
前記飛散防止カバーが、油分を吸収する油分吸収材で形成されていることを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
前記飛散防止カバーが、油分を吸収する油分吸収材で内張りされていることを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか一項において、
前記飛散防止カバーの側壁に、該側壁を半径方向に貫通する貫通排出部を設け、
該貫通排出部を、前記ねじ軸の直下に配置したことを特徴とするボールねじ装置。
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