JP5615109B2 - 直線作動機 - Google Patents

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Description

本発明は、電動モータを駆動源とする直線作動機に関し、特に、清浄な環境下での使用に適した直線作動機に関する。
直線作動機は、広範な産業分野において、対象物に直線運動力を加える用途に用いられている。この種の直線作動機の一つとして、駆動源として電動モータを使用した電動式の直線作動機(電動パワーシリンダ)がある(例えば、特許文献1、2参照)。
電動パワーシリンダは、筒形のハウジング(外筒)の一端部に固定した電動モータと、前記ハウジングの他端部から突出する円筒状の内筒とを備えている。電動モータは、ハウジングの内部において伝動機構を介して内筒に連結してある。伝動機構は、ボールねじ機構、ラックピニオン式歯車機構等の運動変換機構を含んでおり、電動モータの回転は、直線運動に変換されて内筒に伝えられる。内筒は、電動モータの駆動により軸長方向に移動し、ハウジング外への突出部に直線運動力を加える出力ロッドとしての作用をなす。
内筒は、ハウジングの端部に取り付けた筒受部材を貫通して外部に突出させてあり、筒受部材は、内筒の突出部を補助的に支え、軸長方向の移動に伴う振れを抑制する作用をなす。
特開平10−42515号公報 特開2010−7769号公報
以上の如き電動パワーシリンダは、油圧源、空圧源の確保が難しい場所での使用が可能である上、内筒の位置制御が容易であることから、近年、その使用範囲が拡大しており、クリーンルーム等の清浄な環境下での使用に適した電動パワーシリンダの実現が切望されている。
電動パワーシリンダは、油圧又は空圧シリンダに比較してクリーンルーム内での使用に適している。しかしながら、電動パワーシリンダのハウジングの内部には、伝動機構の潤滑剤、伝動機構の動作に伴って発生する摩耗粉等の異物が存在するため、クリーンルーム内での使用を可能とするには、ハウジングの内外を確実に遮断し、ハウジング内の異物が外部に漏れ出すことを防止する必要がある。
特許文献1に記載された電動パワーシリンダは、ハウジングの端部に取り付けた筒受部材の内周部に、内筒を支持するブッシュと、該ブッシュに内嵌保持されたスクレーパとを備えている。ブッシュは、内筒を摺動案内し、スクレーパは、ブッシュにより案内された内筒の周面に摺接し、ハウジングの内部から外部(又は内部から外部)への異物の漏れ出しを防止する作用をなす。しかしながら、前記スクレーパによる異物の漏れ出し防止効果は十分ではなく、特許文献1の電動パワーシリンダは、クリーンルーム内での使用に適したものではない。
特許文献2に記載された電動パワーシリンダは、ハウジングの内外を遮断する蛇腹(ブーツ)を備えている。蛇腹は、ハウジング端部の筒受部材に一端を連結し、該筒受部材から突出する内筒の中途部に他端を連結し、内筒の突出部を覆うように取付けてあり、内筒の軸長方向移動に追随して伸縮する。ハウジングの内部の異物は、蛇腹の内部に止まり、外部への漏れ出しを防止することができる。なお特許文献2の電動パワーシリンダが備える筒受部材は、摺動する内筒の振れを抑制する作用をなすものではない。
しかしながら、異物の漏れ出しを防止するためには、蛇腹の両端を密封する必要がある一方、密封構造とした場合、蛇腹内の圧力が伸縮に伴って増減し、外部との圧力差により蛇腹が変形し、内筒の滑らかな動作を阻害するという問題がある。
特許文献2においては、以上の問題を、ハウジングの端部の筒受部材に蛇腹の内部とハウジングの内部とを連通する通気孔を設けることで解決している。ところが、特許文献2に記載の電動パワーシリンダは、内筒の両端がハウジング外に突出する特殊な構成を有しており、前述した通気孔は、ハウジングの一側で縮まる蛇腹の内圧を、ハウジングの内部を通路として他側で伸長する蛇腹の内部に逃がすことで問題を解消している。
同様の通気孔は、ハウジングの一側にのみ内筒が突出する一般的な電動パワーシリンダに設けることもできるが、伸縮する蛇腹の内圧変化が、通気孔により連通されたハウジングの内部空間を含めて生じるに止まり、蛇腹内部の圧力変動を抑制する効果は小さく、内圧による蛇腹の変形、及びこの変形に伴う内筒の動作阻害を効果的に防止することは難しい。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ハウジング外への異物の漏れ出しを有効に防止し、クリーンルーム等の清浄な環境下での使用に適した電動式の直線作動機を提供することを目的とする。
本発明に係る直線作動機は、筒形をなすハウジングの外部に、該ハウジングの端部に取り付けた筒受部材を通して突出し、前記ハウジング内部の運動変換機構を介して伝えられる電動モータの回転力により軸長方向に移動する内筒を備える直線作動機において、前記筒受部材及び前記内筒とに両端を夫々固定し、前記内筒の突出部を覆うように着脱可能な蛇腹と、前記蛇腹の内部と前記ハウジングの外部とを連通するように前記筒受部材に設けられた通気孔と、前記筒受部材に前記ハウジングの内側から外側に向けて並設してあり、前記内筒を摺動案内する軸受部及び前記内筒の外周面に摺接するスクレーパと、前記軸受部と前記スクレーパとの間に位置して前記筒受部材の内周面に周設された油溝とを備えることを特徴とする。
本発明においては、筒受部材に内筒を摺動案内する軸受部を設け、該軸受部により振れを抑えた内筒の外周に摺接するスクレーパにより内筒の外周に付着した異物を掻き取り、ハウジングの内部から外部への異物の持ち出しを防止する一方、内筒の突出部を蛇腹により覆い、突出部を外部に対して遮断して、わずかに持ち出された異物を蛇腹内に止め、外部への漏れ出しを防止して、クリーンルーム内等の清浄な環境下での使用を可能とする。筒受部材に設けた通気孔は、蛇腹の内外間の通気を限定的に可能とし、蛇腹の伸縮に伴う変形を防止して、内筒の移動を滑らかに行わせる。蛇腹は、着脱可能とし、使用環境に要求されるクリーン度に応じて取外すこともできるようにする。
またスクレーパと軸受部との間に油溝を設け、該油溝の内部に、スクレーパにより掻き取られた異物、特に、内筒の外周面に付着する潤滑油を止め、ハウジング外への持ち出しをより有効に防止する。
また本発明に係る直線作動機は、前記軸受部が、前記筒受部材に軸受メタルを内嵌固定して構成してあることを特徴とする。
この発明においては、筒受部材にメタル軸受を内嵌固定して軸受部を構成し、内筒を確実に摺動案内する。メタル軸受は、青銅、ホワイトメタル等の軸受合金製とするのが望ましい。
また本発明に係る直線作動機は、前記軸受部が、前記筒受部材の対応部位に一体形成してあることを特徴とする。
この発明においては、筒受部材の一部に一体形成した軸受部により内筒を摺動案内し、別部材を必要としない簡素な構成により目的を達成する。筒受部材は、例えば、鋳鉄製とし、鋼製の内筒を案内する軸受部を一体形成することができる。
更に本発明に係る直線作動機は、前記ハウジング外への前記通気孔の開口端に着脱自在に取付けられたフィルタを備えることを特徴とする。
この発明においては、通気孔の開口端にフィルタを取付け、該フィルタにより、蛇腹の内外間の通気中に含まれる異物を捕捉して、外部への漏れ出しを一層確実に防止する。フィルタは、高い清浄度が要求される環境下での使用の際にのみ装着すればよい。フィルタは、着脱自在とし、長期の使用により目詰まりしたフィルタの交換を可能とする。
本発明に係る直線作動機においては、ハウジングの端部の筒受部材から突出する内筒の外側を蛇腹により覆い、内筒の突出部を外部に対して遮蔽すると共に、筒受部材に内筒を摺動案内する軸受部、及び内筒の外周に摺接するスクレーパを設けたから、ハウジングの内部にて内筒の外周面に付着する異物が外部に持ちだされることを有効に防止することができ、クリーンルーム等の清浄な環境下において好適に使用することが可能となる。また蛇腹は着脱可能であり、使用環境に要求されるクリーン度が低い場合には、取外して使用することが可能であり、また予め取り外した状態で提供することにより製品コストを削減することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
本発明に係る直線作動機の全体構成を略示する断面図である。 図1に示す直線作動機の要部拡大断面図である。 本発明に係る直線作動機の他の実施の形態を示す要部拡大断面図である。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る直線作動機の全体構成を略示する断面図である。直線作動機1は、共に筒形をなす外筒(ハウジング)2及び内筒3と、駆動源としての電動モータ4とを備えている。
外筒2の内部には、ボールねじ軸20が配してある。ボールねじ軸20は、外筒2の基端部に嵌着された軸受箱21に、2つの軸受22,22を介して同軸上での回転自在に支持されている。図1中に矩形のブロックとして略示してある軸受22,22は、後述する動作に伴ってボールねじ軸20に加わるスラスト荷重を支えるために、円錐コロ軸受、アンギュラ玉軸受等、スラスト負荷能力の大きい軸受としてある。
ボールねじ軸20は、外筒2の内部で先端部に向けて延びている。ボールねじ軸20は、延長部の外周面に略全長に亘って形成されたねじ溝を有しており、該ねじ溝にボールナット23が螺合されてボールねじ機構を構成している。図1において、ボールねじ軸20外周のねじ溝は、略示法により示してあるが、このねじ溝は、半円形断面を有し、ボールねじ軸20の外周面にて螺旋状に連続する溝として形成してある(図2参照)。ボールナット23の内周面にも同様のねじ溝(図示を省略する)が形成してあり、ボールナット23は、内周のねじ溝に沿って循環するボールを介してボールねじ軸20に螺合されている。
内筒3は、薄肉の円筒形をなす鋼製のロッドであり、外筒2の先端部に取り付けた筒受部材5を通して、該外筒2の内部に挿入されている。外筒2内の内筒3は、ボールねじ軸20の外側を同軸的に囲繞するように延長され、該内筒3の延長端部(基端部)は、ボールナット23に嵌着固定されている。ボールねじ軸20の先端部には、内筒3の内面に当接し、該内筒3を内側から支えるストッパ24が固設してある。内筒3は、基端部に固着したボールナット23と、中途部内面に当接するストッパ24とにより、ボールねじ軸20との同心性を保っている。外筒2の外部に突出する内筒3の先端部には、対象物に連結するための連結金具30が固着してある。
電動モータ4は、軸受箱21の他端面に、モータブラケット40を介して固定してある。電動モータ4は、モータブラケット40内に同軸的に突出突出するモータ軸41を備えており、該モータ軸41は、軸受箱21から突出するボールねじ軸20の基端部に突き合わされ、カップリング42を介して連結されている。
以上の如く構成された直線作動機1は、外筒2を適宜の姿勢で固定し、内筒3の先端の連結金具30を対象物に連結し、電動モータ4を駆動することにより、前記対象物に直線運動力を加えるように使用される。
電動モータ4が駆動された場合、モータ軸41の回転がカップリング42を介してボールねじ軸20に伝わり、該ボールねじ軸20が回転する。ボールねじ軸20が回転した場合、外周に設けたねじ溝が螺進し、該ねじ溝に螺合するボールナット23は、ボールねじ軸20に沿って移動する。内筒3は、ボールナット23に連結してあり、該ボールナット23と共に軸長方向に移動する。
内筒3は、ボールねじ軸20外周のねじ溝の長さに対応するストローク範囲内で軸長方向に進退移動し、連結金具30に連結された対象物に直線運動力を加える。内筒3の進退動作は、例えば、電動モータ4の一回転当たりボールねじ軸3の1ピッチ相当分だけ生じるから、小容量の電動モータ4により大きい直線運動力を得ることができる。
内筒3の進退位置は、適宜の位置センサ(図示を省略する)により検出し、この検出結果に基づいて電動モータ4を駆動することにより高精度に制御することができる。ボールねじ軸20の先端部に取り付けたストッパ24は、ストローク端に達したボールナット23に当接し、誤った制御動作による内筒3の過剰な進出を機械的に阻止する作用もなす。
なお、図1に示す直線作動機1においては、電動モータ4の回転を内筒3の直線移動に変換する運動変換機構として、ボールねじ軸20及びボールナット23を備えるボールねじ機構を採用している。ボールねじ機構による運動変換は、ボールねじ軸20及びボールナット23のねじ溝間に介装された多数のボールの転動を伴って高い伝動効率下にてなされることから、駆動源としての電動モータ4の更なる小型化を図ることができる。なお。ボールねじ機構に代えて、台形ねじ等の他のねじ機構を用いた公知の運動変換機構を採用することもできる。
また、図1に示す直線作動機1においては、電動モータ4のモータ軸41とボールねじ軸20とを同軸上に配し、カップリング42を介して直結してあるが、電動モータ4とボールねじ軸20とは、歯車機構等の伝動機構を介して連結してもよい。この構成によれば、電動モータ4からボールねじ軸20への伝動系の構成が複雑化するという難点がある一方、ボールねじ軸23を支持する外筒2の一側に並べて電動モータ4を配置する等、電動モータ4の配置の自由度が増し、大容量の電動モータ4の使用により出力の増大を図ることができるという利点もある。
以上の構成を有する本発明に係る直線作動機1の特徴は、内筒3が外筒2外に突出する部分の構成にある。図2は、図1に示す直線作動機1の要部拡大断面図であり、内筒3の突出部分を示してある。
前述したように内筒3は、外筒2の外部に、該外筒2の先端部に取付けた筒受部材5を通して突出しており、内筒3の突出部の外側には、突出部を覆うように蛇腹6が装着されている。図2に示すように蛇腹6は、両端の筒状部60,61間に波形に成形された伸縮部62を備える公知の構成を有しており、一側の大径の円筒形をなす筒状部60を筒受部材5の端部に外嵌し、また他側の小径の筒状部61を内筒3の先端部に外嵌して、夫々の外側に巻装した固定バンド63,64を締め付けることにより、筒受部材5と内筒3とを連絡するように取付けられている。
このように取付けられた蛇腹6は、内筒3の進退動作を、筒受部材5に固定された筒状部60と内筒3に固定された筒状部61との間において、波形に成形された伸縮部62が伸長することにより許容し、外筒2外に突出する内筒3の外面を外部に対して遮蔽する作用をなす。
図2に示すように、筒受部材5には、蛇腹6の内外間を連通する通気孔50が形成されている。該通気孔50は、筒受部材5の基端部外周に突設された座部51の中心から内向きに延び、途中で直角に向きを変え、筒受部材5の先端側端面に連通するように設けてある。このように設けられた通気孔50は、前述した伸縮時の蛇腹6内部の容積変化を両方向の通気により許容する作用をなす。蛇腹6の伸長は、通気孔50を経て外部の空気を内部に吸い込みながら生じ、蛇腹6の縮短は、通気孔50を経て内部の空気を外部に押し出しながら生じる。従って、蛇腹6の伸縮は、内外の圧力差による変形を伴わずになされ、内筒3の進退動作を阻害しない。
筒受部材5外周の通気孔50の開口端には、図2に示すように、内周にねじ部が形成してある。このねじ部は、図2中に2点鎖線により示すフィルタホルダ52の固定のために使用される。フィルタホルダ52は、フィルタを保持し、通気孔50の開口端に着脱自在に取り付けられる。フィルタホルダ52が保持するフィルタは、蛇腹6の内外間にて生じる通気中の微小な塵埃を捕捉する作用をなす。なおフィルタを保持するフィルタホルダ52は、通気孔50の開口端に直接取付けるのではなく、通気孔50に連結した通気用のホースの端部に取付けてもよい。
筒受部材5には、基端部の内周にメタル軸受7が嵌着されている。メタル軸受7は、青銅、ホワイトメタル等の軸受合金製の円筒体であり、内筒3の外周に摺接し、該内筒3を摺動案内する作用をなす。メタル軸受7と内筒3との間には、ボールねじ機構の潤滑のために外筒2内に供給される潤滑油が介在しており、メタル軸受7による摺動案内は、前記潤滑油の作用により滑らかになされる。
また筒受部材5は、メタル軸受7の嵌着位置よりも先端側の内周に設けられた油溝8及びスクレーパ9を備えている。油溝8は、筒受部材5の内周に周設された溝であり、内筒3の表面に付着する潤滑油を捕捉する作用をなす。図示の油溝8は、径方向外側が縮幅された台形断面を有するが、油溝8は、矩形、三角形、半円、半楕円等、台形以外の断面形状を有していてもよい。
スクレーパ9は、油溝8よりも先端側に周設された装着溝90内に嵌合保持されている。図2に示すようにスクレーパ9は、内向きに突出る一対のリップを備えている。これらのリップは、内筒3の軸長方向に対して互いに逆向きに傾斜して内筒3の外周面に夫々当接させてあり、内筒3の外周面に付着する異物を掻き取る公知の動作をなす。
筒受部材5の基端側に位置するリップは、外筒2の内部に向けて傾斜しており、主として、外筒2の内部において内筒3の外周面に付着する潤滑油を掻き取る。掻き取られた潤滑油は、油溝8に捕捉される。筒受部材5の先端側に位置するリップは、外筒2の外部に向けて傾斜しており、主として、外筒2の外部において内筒3の外周面に付着する塵埃を掻き取る。
前述したように、本発明の直線作動機1においては、電動モータ4を駆動することにより内筒3が軸長方向に移動し、外筒2外への内筒3の突出端に連結金具30を介して連結された対象物に直線運動力が加えられる。内筒3は、筒受部材5を通して外筒2の外部に突出しており、筒受部材5は、メタル軸受7を備えるから、内筒3の移動は、メタル軸受7による案内下で安定して生じる。外筒2の内部には、電動モータ4の回転を内筒3の移動に変換するためのボールねじ機構を潤滑する潤滑油が存在しており、この潤滑油は、内筒3の外周面に付着してメタル軸受7との摺接部位に供給されるから、メタル軸受7は、内筒3を良好に摺動案内することができる。
内筒3の外周面に付着した潤滑油は、該内筒3の移動に伴ってメタル軸受7との摺接部位よりも更に外側に持ち出されるが、筒受部材5は、メタル軸受7の外側に油溝8及びスクレーパ9を備えているから、内筒3の外周面に付着した潤滑油は、スクレーパ9により掻き取られ、油溝8内に捕捉された状態で止まる。従って、外筒2内の潤滑油は、外筒2の外部に持ち出されることがない。
またスクレーパ9は、内筒3の外周面に付着する潤滑油以外の異物(外筒2内の機械的接触部分において発生する摩耗粉等)も掻き取るから、外筒2の内部から外部への異物の持ち出しを有効に阻止することができる。
更にスクレーパ9は、内筒3が外筒2内に向けて移動する際にも、該内筒3の外周面に付着する異物を掻き取るから、外筒2の外部から内部への異物の持ち込みも有効に阻止することができる。以上の如く本発明の直線作動機においては、外筒2内外間での異物の移動を確実に防止することができる。
内筒3は、メタル軸受7の案内により、径方向の倒れを生じることなく移動するから、スクレーパ9は、内筒3の外周面に安定して摺接し、確実な掻き取り作用がなされる。
また本発明の直線作動機1は、蛇腹6を備えている。蛇腹6は、外筒2外に突出する内筒3の外側を覆った状態で内筒3の移動に追随して伸縮するから、進退動作する内筒3の突出部分を外気に対して遮断することができ、該内筒3の外周面に付着した異物が外部環境に放出される虞れを軽減することができる。
以上のように本発明の直線作動機1は、筒受部材5に設けたメタル軸受7、油溝8及びスクレーパ9と、筒受部材5及び内筒3間に装着された蛇腹6との相乗作用により、外筒2の内外間での異物の移動を確実に防止することができるから、クリーンルーム等の清浄な環境下において、満足すべき発塵抑制効果を発揮し、最適に使用することができる。
更に本発明の直線作動機1は、外筒2の端部の筒受部材5に通気孔50が形成してあり、該通気孔50により蛇腹6の内外間の通気を可能としてあるから、蛇腹6の伸縮が、内外間の圧力差による変形を伴わずに生じ、内筒3の進退動作を滑らかに行わせることができる。一方、通気孔50を設けることにより、蛇腹6の内外間での異物の移動が可能となるが、内筒3の突出部分に持ち出される異物は、メタル軸受7、油溝8及びスクレーパ9の相乗作用により微量に抑えられているから、通気孔50の通気による外部環境の清浄度の低下は僅かである。より高い清浄度が要求される用途においては、通気孔50の開口端に前述したフィルタユニット52を取付け、該フィルタユニット52が保持するフィルタにより通気中に含まれる異物(油、摩耗粉等)を捕捉するようにすればよい。
なお蛇腹6は、両端の固定バンド63,64を緩めて取外すことができ、直線作動機1は、要求される環境清浄度が比較的低レベルである場合、蛇腹6を取外した形態で使用することもできる。更に、直線作動機1は、蛇腹6を装備していない状態で提供することも可能であり、製品コストを削減して安価に提供することも可能である。
図3は、本発明に係る直線作動機1の他の実施の形態を示す要部拡大断面図であり、図2と同様、内筒3の突出部分を示してある。この実施の形態においては、筒受部材5を鋳鉄製とし、基端側の内周を適長に亘って内筒3の外周面に摺接させ、該内筒3を摺動案内する軸受部を一体形成してある。鋳鉄製の筒受部材5は、鋼製の内筒3よりも柔らかく、前述したように内筒3の外周面に付着する潤滑油の介在下において良好な案内作用をなすことができる。筒受部材5は、青銅、ホワイトメタル等の軸受合金製とすることも可能である。
図3に示す直線作動機1の他の構成及び動作は、図1、図2に示す直線作動機1と同様であり、対応する部分に図2と同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。図3に示す直線作動機1においては、メタル軸受7が不要であり、簡素な構成にて目的を達成することができるという付加的な効果が得られる。
1 直線作動機
2 外筒
3 内筒
4 電動モータ
5 筒受部材
6 蛇腹
7 メタル軸受
8 油溝
9 スクレーパ
50 通気孔
52 フィルタユニット

Claims (4)

  1. 筒形をなすハウジングの外部に、該ハウジングの端部に取り付けた筒受部材を通して突出し、前記ハウジング内部の運動変換機構を介して伝えられる電動モータの回転力により軸長方向に移動する内筒を備える直線作動機において、
    前記筒受部材及び前記内筒とに両端を夫々固定し、前記内筒の突出部を覆うように着脱可能な蛇腹と、
    前記蛇腹の内部と前記ハウジングの外部とを連通するように前記筒受部材に設けられた通気孔と、
    前記筒受部材に前記ハウジングの内側から外側に向けて並設してあり、前記内筒を摺動案内する軸受部及び前記内筒の外周面に摺接するスクレーパと
    前記軸受部と前記スクレーパとの間に位置して前記筒受部材の内周面に周設された油溝と
    を備えることを特徴とする直線作動機。
  2. 前記軸受部は、前記筒受部材に軸受メタルを内嵌固定して構成してある請求項1に記載の直線作動機。
  3. 前記軸受部は、前記筒受部材の対応部位に一体形成してある請求項1に記載の直線作動機。
  4. 前記ハウジング外への前記通気孔の開口端に着脱自在に取付けられたフィルタを備える請求項1乃至請求項のいずれか1つに記載の直線作動機。
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