JP2018040436A - シール体、シールアダプタ及びシール部材 - Google Patents

シール体、シールアダプタ及びシール部材 Download PDF

Info

Publication number
JP2018040436A
JP2018040436A JP2016175419A JP2016175419A JP2018040436A JP 2018040436 A JP2018040436 A JP 2018040436A JP 2016175419 A JP2016175419 A JP 2016175419A JP 2016175419 A JP2016175419 A JP 2016175419A JP 2018040436 A JP2018040436 A JP 2018040436A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seal
peripheral surface
lip
outer peripheral
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016175419A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6807684B2 (ja
Inventor
誠人 紀平
Seito Kihira
誠人 紀平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nabtesco Corp
Original Assignee
Nabtesco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nabtesco Corp filed Critical Nabtesco Corp
Priority to JP2016175419A priority Critical patent/JP6807684B2/ja
Priority to DE102017213785.1A priority patent/DE102017213785A1/de
Priority to TW106128358A priority patent/TWI732026B/zh
Priority to KR1020170109097A priority patent/KR102430244B1/ko
Priority to CN201710775495.9A priority patent/CN107806516B/zh
Publication of JP2018040436A publication Critical patent/JP2018040436A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6807684B2 publication Critical patent/JP6807684B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/16Sealings between relatively-moving surfaces
    • F16J15/32Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings
    • F16J15/3204Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings with at least one lip
    • F16J15/3208Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings with at least one lip provided with tension elements, e.g. elastic rings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/16Sealings between relatively-moving surfaces
    • F16J15/32Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings
    • F16J15/3204Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings with at least one lip
    • F16J15/3232Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings with at least one lip having two or more lips
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/16Sealings between relatively-moving surfaces
    • F16J15/32Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings
    • F16J15/3248Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings provided with casings or supports
    • F16J15/3252Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings provided with casings or supports with rigid casings or supports
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/72Sealings
    • F16C33/76Sealings of ball or roller bearings
    • F16C33/78Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members
    • F16C33/7886Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted outside the gap between the inner and outer races, e.g. sealing rings mounted to an end face or outer surface of a race

Abstract

【課題】装置の内部で発生した異物に起因するシール性能の低下を生じさせにくくする技術を提供することを目的とする。
【解決手段】本出願は、装置の外側の外部空間と前記装置の内側の内部空間との間での流体の流通を防ぐシール体を開示する。シール体は、前記装置の表面に圧接されるシール部を有するシール部材と、前記内部空間で発生した異物が前記シール部へ侵入することを防止する防止部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、装置内に収容された流体の流出や装置内への流体の流入を防ぐためのシール技術に関する。
シール部材は、様々な技術分野で利用される。たとえば、シール部材は、装置の内部に封入されたオイルの漏出を防止するために用いられる。あるいは、シール部材は、装置の内部への液体の流入を防ぐために用いられる(特許文献1)。
特許文献1のシール部材は、回転シャフトの外周面に当接される2つの部位を有する。2つの部位のうちの一方は、メインリップである。2つの部位のうちの他方は、ダストリップである。ダストリップは、メインリップよりも外側で、回転シャフトの外周面に当接されるので、装置の外側で浮遊する異物(たとえば、塵埃)は、メインリップに到達しにくい。
実開昭62−100374号公報
装置が、使用されている間、装置の内部に配置された部品から細かな異物が発生することもある。たとえば、装置の内部に配置されたギアの歯面からは、鉄粉が発生する。特許文献1のダストリップは、装置の内部で発生した異物が、メインリップに到達することを防止することに貢献しない。したがって、装置の内部で発生した異物は、メインリップと回転シャフトとの間の境界に侵入することもある。この場合、異物は、メインリップ及び/又は回転シャフトの外周面を傷つけることもある。メインリップ及び/又は回転シャフトの外周面の擦過は、シール部材のシール性能を著しく低下させる。
本発明は、装置の内部で発生した異物に起因するシール性能の低下を生じさせにくくする技術を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係るシール体は、装置の外側の外部空間と前記装置の内側の内部空間との間での流体の流通を防ぐ。シール体は、前記装置の表面に圧接されるシール部を有するシール部材と、前記内部空間で発生した異物が前記シール部へ侵入することを防止する防止部と、を備える。
上記の構成によれば、シール体は、内部空間で発生した異物が前記シール部へ侵入することを防止する防止部を備えるので、装置の内部で発生した異物に起因するシール性能の低下は、生じにくい。
上記の構成に関して、前記防止部は、前記装置の前記表面に圧接されるリップ部を含んでもよい。前記リップ部は、前記シール部を前記内部空間から隔離する。
上記の構成によれば、装置の表面に圧接されるリップ部は、シール部を内部空間から隔離するので、装置の内部空間で発生した異物は、シール部に到達しにくい。したがって、装置の内部で発生した異物に起因するシール性能の低下は、生じにくい。
上記の構成に関して、前記シール部は、前記装置の前記表面に第1圧接力で押しつけられてもよい。前記リップ部は、前記第1圧接力よりも小さな第2圧接力で押しつけられてもよい。
上記の構成によれば、リップ部は、第1圧接力よりも小さな第2圧接力で押しつけられるので、シール体と装置の表面との間での摩擦力は、過度に大きくならない。したがって、シール体は、装置の動作に抗する過度に大きな抗力を生じさせない。
上記の構成に関して、前記防止部は、前記装置内に形成された環状空間内に配置された防止リングであってもよい。前記防止リングは、前記リップ部と一体的に形成され、且つ、前記リップ部が突出する内周縁を有する環状の弾性壁と、前記内周縁を取り囲むように前記弾性壁に固定され、且つ、前記弾性壁よりも高い剛性を有する剛性環と、を含んでもよい。
上記の構成によれば、弾性壁よりも高い剛性を有する剛性環が、弾性壁の内周縁を取り囲むように弾性壁に固定されるので、作業者が、防止リングを、装置内に形成された環状空間内に配置するとき、弾性壁は、変形しにくい。したがって、作業者は、シール体を、装置に容易に取り付けることができる。弾性壁と一体的に形成されたリップ部は、弾性壁の内周縁から突出するので、作業者が、防止リングを、装置内に形成された環状空間内に配置すると、リップ部は、装置の表面に圧接される。この結果、装置の内部空間で発生した異物は、シール部に到達しにくくなる。したがって、装置の内部で発生した異物に起因するシール性能の低下は、生じにくい。
上記の構成に関して、前記防止部は、前記シール部材と一体的であってもよい。
上記の構成によれば、防止部は、シール部材と一体的であるので、作業者は、シール体を装置に容易に取り付けることができる。
上記の構成に関して、前記シール部材は、前記シール部を有し、且つ、前記装置内に形成された環状空間内に配置された環状のメインリップと、前記メインリップを前記装置の前記表面に押しつける押圧部と、を含んでもよい。前記リップ部は、前記メインリップと一体的であり、且つ、前記メインリップから前記内部空間へ突出してもよい。
上記の構成によれば、装置内に形成された環状空間内に配置された環状のメインリップは、押圧部によって、装置の表面に押しつけられるので、シール体は、良好なシール機能を有することができる。リップ部は、メインリップと一体的であるので、作業者は、シール体を装置に容易に取り付けることができる。リップ部は、メインリップから内部空間へ突出し、装置の表面に当接するので、リップ部は、装置内で発生した異物が、メインリップに到達することを妨げることができる。したがって、装置の内部で発生した異物に起因するシール性能の低下は、生じにくい。
本発明の他の局面に係るシールアダプタは、上述のシール体と、前記装置のハウジングに取り付けられる取付部と、を備える。前記取付部は、前記装置のシャフトを取り囲む内周面を含む。前記シャフトは、前記装置の前記表面として外周面を有する。前記環状空間は、前記シャフトの前記外周面と前記取付部の前記内周面との間に形成される。
上記の構成によれば、シール体が配置される環状空間は、シャフトの外周面と取付部の内周面との間に形成されるので、作業者が、取付部を、装置のハウジングに取り付け、且つ、シャフトを、ハウジング内に配置すると、ハウジングとシャフトの外周面とによって形成された内部空間は、シール体によって、装置の外側の外部空間から離隔される。シール体は、防止部を有するので、内部空間で発生した異物は、シール部材のシール部に到達しない。したがって、シール部のシール性能は、長期間に亘って維持される。
上記の構成に関して、シールアダプタは、前記取付部から前記内部空間へ延出する保持筒と、前記保持筒と前記シャフトの前記外周面との間に嵌め込まれるベアリングと、を更に備えてもよい。前記リップ部は、前記弾性壁又は前記メインリップから前記ベアリングに向けて突出し、前記シャフトの前記外周面に圧接されてもよい。
上記の構成によれば、ベアリングは、シャフトの外周面と取付部から内部空間へ延出する保持筒との間に嵌め込まれるので、シャフトは、ハウジング内で回転することができる。あるいは、ハウジングは、シャフト周りに回転することができる。リップ部は、弾性壁又はメインリップからベアリングに向けて突出し、シャフトの外周面に圧接されるので、作業者が、シャフトを、シール体を通じてベアリングに嵌入させると、シャフトの挿入方向は、リップ部の突出方向に一致する。したがって、リップ部は、シャフトの外周面上で折れ曲がりにくい。
本発明の更に他の局面に係るシール部材は、装置内に形成された環状空間内に配置され、前記装置の外側の外部空間と前記装置の内側の内部空間との間での流体の流通を防ぐ。シール部材は、前記装置の表面に圧接されるシール部を有する環状のメインリップと、前記メインリップを前記装置の前記表面に押しつける押圧部と、前記メインリップよりも外側で前記装置の前記表面に押しつけられるダストリップと、を備える。前記ダストリップは、内径において、前記シール部よりも小さい。
上記の構成に関して、ダストリップは、内径において、シール部よりも小さいので、設計者は、ダストリップが当接される部位とメインリップが当接される部位との間に段差が形成されるように装置の表面を設計することができる。したがって、ダストリップと装置の表面との間の境界に塗布されたグリースは、段差によって、メインリップが当接される部位から離隔されるので、グリースと装置の内部空間に収容された潤滑油との接触に起因して生ずるスラッジのリスクは、大幅に低減される。スラッジは、シール部と装置の表面との間の境界に介在しにくいので、装置の内部で発生したスラッジに起因するシール性能の低下は、生じにくい。
上述のシール技術は、装置の内部で発生した異物に起因するシール性能の低下を生じさせにくくすることができる。
第1実施形態のシール体の概略的な断面図である。 第2実施形態のシール体の概略的な断面図である。 第3実施形態のシール体の概略的な断面図である。 第4実施形態のシールアダプタの概略的な断面図である。 シャフトをシールアダプタに取り付ける取付工程の概略図である。 シャフト及びシールアダプタからなる組立体をハウジングに取り付ける取付工程の概略図である。 第5実施形態のシール部材の概略的な断面図である。
<第1実施形態>
本発明者等は、装置の内部で発生した異物に起因するシール性能の低下を生じにくくする技術を開発した。第1実施形態において、良好なシール性能を長期間に亘って維持することができる例示的なシール体が説明される。
図1は、第1実施形態のシール体100の概略的な断面図である。図1を参照して、シール体100が説明される。
図1に示されるシール体100は、装置APTに組み込まれている。装置APTは、シャフトSFTとハウジングHSGとを含む。以下の説明において、ハウジングHSGとシャフトSFTとによって囲まれた空間は、「内部空間」と称される。ハウジングHSGの外側の空間は、「外部空間」と称される。
ハウジングHSGが、固定されているならば、シャフトSFTは、回転軸RAX周りに回転する。シャフトSFTが固定されているならば、ハウジングHSGは、回転軸RAX周りに回転する。装置APTは、減速機であってもよいし、他の装置であってもよい。本実施形態の原理は、装置APTとして用いられる特定の機構に限定されない。
シール体100は、全体的に、環状である。シャフトSFTは、全体的に、円柱状である。シャフトSFTは、シール体100が当接される外周面OSFを含む。ハウジングHSGは、全体的に円筒形状である。ハウジングHSGは、第1内周面FISと、第2内周面SISと、肩面SSFと、を含む。第1内周面FISは、外部空間と内部空間との間でシャフトSFTを取り囲み、環状空間を形成する。シール体100は、外周面OSFと第1内周面FISとの間に形成された環状空間に嵌め込まれる。第2内周面SISは、第1内周面FISよりも内方で、シャフトSFTを取り囲む。内部空間の少なくとも一部は、第2内周面SISと外周面OSFとの間で形成される。第2内周面SISは、直径において、第1内周面FISよりも小さい。したがって、肩面SSFは、第1内周面FISと第2内周面SISとの間に形成される。肩面SSFは、回転軸RAXに直交する仮想平面に沿う環状面である。
潤滑油は、内部空間に収容される。潤滑油は、内部空間に配置された装置APTの部品(図示せず:たとえば、ギア)を潤滑するために用いられてもよい。本実施形態の原理は、潤滑油によって潤滑される特定の部品に限定されない。
シール体100は、環状空間に嵌め込まれ、内部空間を外部空間から離隔する。この結果、内部空間からの潤滑油の流出は、シール体100によって妨げられる。装置APTの周囲で液体(たとえば、洗浄液)が散布されるならば、シール体100は、外部空間に存在する液体が内部空間へ流入することを妨げる。
シール体100は、環状のシール部材200と環状の防止リング300とを含む。シール部材200及び防止リング300は、ハウジングHSGの第1内周面FISとシャフトSFTの外周面OSFとの間に形成された環状空間に配置される。防止リング300は、シール部材200よりも内方に配置される。すなわち、防止リング300は、内部空間に臨む。一方、シール部材200は、外部空間に臨む。
シール部材200は、主リング部210と、環状のメインリップ220と、環状のダストリップ230と、スプリングリング240と、を含む。主リング部210は、回転軸RAXを包含する仮想平面上において、略L字状の断面を有する。主リング部210は、金属環211と、被覆層212と、を含む。金属環211は、回転軸RAXを包含する仮想平面上において、略L字状の断面を有する。被覆層212は、金属環211を全体的に覆う。被覆層212は、ゴム材料から形成されてもよいし、弾性を有する樹脂から形成されてもよい。
被覆層212は、第1当接面213と、第2当接面214と、外面215と、内面216と、内周面217と、を形成する。第1当接面213は、防止リング300の外周領域に当接し、防止リング300の外周領域を、ハウジングHSGの肩面SSFに押しつける。したがって、防止リング300は、シール部材200と肩面SSFとの間で固定される。第2当接面214は、ハウジングHSGの第1内周面FISに当接する。第2当接面214が第1内周面FISに接触する領域の面積は、メインリップ220及びダストリップ230がシャフトSFTの外周面OSFに接触する領域の面積よりも大きい。したがって、第2当接面214は、第1内周面FISに対して固定される一方で、メインリップ220及びダストリップ230は、外周面OSF上で摺動する。外面215は、外部空間に露出する。内面216は、第1当接面213から外面215に向けて広がり、且つ、シャフトSFTの外周面OSFを取り囲む第1領域218と、第1領域218からシャフトSFTの外周面OSFに向けて広がり、且つ、防止リング300に対向する第2領域219と、を含む。内周面217は、外周面OSFに対向する。ダストリップ230は、内周面217と外周面OSFとの間で形成される。
ダストリップ230は、被覆層212の内周面217からシャフトSFTの外周面OSFに向かう方向、且つ、外部空間に向かう方向へ突出する。ダストリップ230は、シャフトSFTの外周面OSFに圧接され、外部空間で浮遊する異物がメインリップ220に到達することを防止する。ダストリップ230は、被覆層212と同一の材料から形成されてもよい。
メインリップ220は、被覆層212と同一の材料から形成されてもよい。メインリップ220は、圧接部221と連結部222とを含む。圧接部221は、ダストリップ230と防止リング300との間で、シャフトSFTの外周面OSFに圧接される。メインリップ220は、ダストリップ230を通じて内部空間へ向かう液体の流入を防ぐ。加えて、メインリップ220は、防止リング300を通じて外部空間へ向かう潤滑油の流出を防ぐ。本実施形態において、シール部は、外周面OSFに圧接されるメインリップ220の表面領域によって例示される。装置の表面は、シャフトSFTの外周面OSFによって例示される。
連結部222は、主リング部210の内面216から内方に(すなわち、防止リング300に向けて)突出し、圧接部221に連結される。上述の如く、ダストリップ230は、外部空間で浮遊する異物の侵入を防ぐので、異物は、ダストリップ230、連結部222、圧接部221及びシャフトSFTの外周面OSFによって囲まれた空間にはほとんど入り込まない。
スプリングリング240は、メインリップ220の圧接部221の外周面(すなわち、主リング部210の内面216の第1領域218に対向する面)に形成された環状溝に嵌め込まれる。シール部材200にシャフトSFTが嵌入されると、スプリングリング240は弾性的に伸長される。この結果、回転軸RAXに向かう力が、圧接部221に作用する。圧接部221は、弾性的に圧縮変形される。したがって、良好なシール構造が、圧接部221とシャフトSFTの外周面OSFとの間の境界で形成される。本実施形態において、押圧部は、スプリングリング240によって例示される。代替的に、押圧部は、シャフトSFTの嵌入に応じて弾性的に伸長される他の部材によって形成されてもよい。本実施形態の原理は、押圧部に利用される特定の部品に限定されない。
防止リング300は、リング壁310とリップ部320とを含む。リング壁310は、内当接面311と、外当接面312と、外周面313と、内周面314と、を含む。外周面313は、ハウジングHSGの第1内周面FISに当接される。内当接面311は、外周面313の近くで、ハウジングHSGの肩面SSFに当接される外周領域と、内部空間に臨む内周領域と、を含む。内当接面311の反対側の外当接面312は、シール部材200の第1当接面213と当接される外周領域と、シール部材200の内面216の第2領域219に対向する内周領域と、を含む。外周面313とは反対側の内周面314は、直径において、シャフトSFTよりも大きい。内周面314は、シャフトSFTの外周面OSFに対向する。リップ部320は、内周面314と外周面OSFとの間に位置する。
リング壁310は、環状の弾性壁315と、剛性環316と、を含む。弾性壁315は、外周面313、内周面314及び内当接面311を形成する。加えて、弾性壁315は、外当接面312の一部を形成する。剛性環316は、弾性壁315よりも剛性において大きい。弾性壁315は、ゴム材料や弾性を有する樹脂材料から形成される一方で、剛性環316は、金属や硬質樹脂から形成されてもよい。剛性環316は、リング壁310の形状を維持するので、作業者は、防止リング300を装置APT内に容易に配置することができる。本実施形態の原理は、弾性壁315及び剛性環316に利用される特定の材料に限定されない。
剛性環316は、内周面314とは反対側の弾性壁315の領域において凹設された溝部に嵌め込まれる。この結果、剛性環316は、内周面314を取り囲むように、弾性壁315に固定される。
リップ部320は、弾性壁315と一体的に形成される。リップ部320は、弾性壁315と同一の材料から形成されてもよい。リップ部320は、リング壁310の内周面314からシャフトSFTに向けて突出する。リップ部320は、シャフトSFTの外周面OSFの近くで、内部空間に向けて若干屈曲し、外周面OSFに圧接される。この結果、圧接部221は、防止リング300によって、内部空間から離隔される。本実施形態において、内周縁は、リング壁310の内周面314によって例示される。
図1は、内部空間内で生じた鉄粉IPDを示す。たとえば、鉄粉IPDは、装置APT内に配置されたギアの歯面から生ずる。本実施形態の原理は、鉄粉IPDを発生させる特定の発生源に限定されない。
鉄粉IPDは、異物として、圧接部221とシャフトSFTの外周面OSFとの間の境界に入り込もうとすることもある。しかしながら、図1に示される如く、リップ部320は、鉄粉IPDを堰き止めるので、鉄粉IPDは、防止リング300とシール部材200との間に形成された空間には、ほとんど入り込まない。したがって、鉄粉IPDが、圧接部221とシャフトSFTの外周面OSFとの間の境界で擦過を引き起こすリスクは非常に小さい。この結果、シール体100は、長期間に亘って、良好なシール性能を発揮することができる。本実施形態において、防止部は、防止リング300によって例示される。
リップ部320は、圧接部221よりも弱い力で、シャフトSFTの外周面OSFに押しつけられてもよい。この結果、シャフトSFTとシール体100との間で発生する摩擦力は、不必要に高くなることはない。本実施形態において、第1圧接力は、圧接部221に作用する圧縮力(すなわち、スプリングリング240が発生させる押圧力)によって例示される。第2圧接力は、リップ部320をシャフトSFTの外周面OSFに押しつける力によって例示される。
<第2実施形態>
第1実施形態に関連して説明された防止リングは、弾性材料と剛性材料とからなる複合構造を有する。しかしながら、防止リングは、単一の材料から形成されてもよい。第2実施形態において、単一の材料から形成された防止リングを有する例示的なシール体が説明される。
図2は、第2実施形態のシール体100Aの概略的な断面図である。図2を参照して、シール体100Aが説明される。上述の実施形態の説明は、上述の実施形態と同一の符号が付された要素に援用される。
第1実施形態と同様に、シール体100Aは、シール部材200を備える。第1実施形態の説明は、シール部材200に援用される。
シール体100Aは、防止リング300Aを更に備える。防止リング300Aは、全体的に、フェルト材料から形成される。
防止リング300Aは、内当接面311Aと、外当接面312Aと、外周面313Aと、内周面314Aと、を含む。外周面313Aは、ハウジングHSGの第1内周面FISに当接される。内当接面311Aは、外周面313Aの近くで、ハウジングHSGの肩面SSFに当接される外周領域と、内部空間に臨む内周領域と、を含む。内当接面311Aの反対側の外当接面312Aは、シール部材200の第1当接面213と当接される外周領域と、シール部材200の内面216の第2領域219に対向する内周領域と、を含む。外周面313Aとは反対側の内周面314Aは、シャフトSFTの外周面OSFに当接される。したがって、シール部材200は、防止リング300Aによって、内部空間から離隔される。
図2に示される如く、内部空間で浮遊する鉄粉IPDは、防止リング300Aの内当接面311Aで捕捉される。したがって、鉄粉IPDは、防止リング300Aとシール部材200との間の空隙には、ほとんど入り込まない。鉄粉IPDが、圧接部221とシャフトSFTの外周面OSFとの間の境界で擦過を引き起こすリスクは非常に小さいので、シール体100Aは、長期間に亘って、良好なシール性能を発揮することができる。
<第3実施形態>
上述の実施形態に関して、装置の内部で発生した異物を堰き止める防止部は、シール部材とは別異の部材として形成されている。代替的に、防止部は、シール部材と一体的に形成されてもよい。この場合、作業者は、シール体を装置に容易に取り付けることができる。第3実施形態において、シール部材と一体化された防止部を有する例示的なシール体が説明される。
図3は、第3実施形態のシール体100Bの概略的な断面図である。図1及び図3を参照して、シール体100Bが説明される。上述の実施形態の説明は、上述の実施形態と同一の符号が付された要素に援用される。
シール体100Bは、環状のシール部材200Bとリップ部320Bとを備える。リップ部320Bは、図1を参照して説明されたリップ部320と同様に、鉄粉IPDを堰き止めるために用いられる。上述の実施形態とは異なり、リップ部320Bは、シール部材200Bと一体的である。本実施形態において、防止部は、リップ部320Bによって例示される。
第1実施形態と同様に、シール部材200Bは、主リング部210と、ダストリップ230と、スプリングリング240と、を含む。第1実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
シール部材200Bは、環状のメインリップ220Bを更に含む。第1実施形態と同様に、メインリップ220Bは、連結部222を含む。第1実施形態の説明は、連結部222に援用される。
メインリップ220Bは、圧接部221Bを更に含む。圧接部221Bは、スプリングリング240によって、ダストリップ230とリップ部320Bとの間で、シャフトSFTの外周面OSFに圧接される。メインリップ220Bは、ダストリップ230を通じて内部空間へ向かう液体の流入を防ぐ。加えて、メインリップ220Bは、リップ部320Bを通じて外部空間へ向かう潤滑油の流出を防ぐ。本実施形態において、シール部は、外周面OSFに圧接されるメインリップ220Bの表面領域によって例示される。
リップ部320Bは、圧接部221Bと一体的に形成される。リップ部320Bは、圧接部221Bから内部空間及びシャフトSFTの外周面OSFに向けて突出し、シャフトSFTの外周面OSFに押しつけられる。
圧接部221Bは、スプリングリング240に囲まれる一方で、リップ部320Bは、スプリングリング240によって囲まれていない。したがって、スプリングリング240の弾性変形によって生じた押圧力は、圧接部221Bに強く作用する一方で、リップ部320Bには弱く作用する。この結果、シール体100BとシャフトSFTの外周面OSFとの間の摩擦力は、不必要に高くならない。
シャフトSFTの外周面OSFに圧接される圧接部221Bの表面領域は、リップ部320Bとダストリップ230とによって、内部空間及び外部空間から離隔される。したがって、内部領域で浮遊する鉄粉IPDや外部空間で浮遊する異物は、圧接部221とシャフトSFTとの間の境界において擦過を引き起こしにくい。
<第4実施形態>
ダストリップは、外部空間に露出しているので、作業者は、装置に組み込まれたダストリップが折れ曲がっているか否かを視認することができる。しかしながら、内部空間で発生した異物を堰き止めるためのリップ部は、内部空間に露出しているので、作業者は、シール体が、リップ部が折れ曲がっているか否かを視認することはできない。リップ部が装置内で折れ曲がっているならば、内部空間で浮遊する異物は、メインリップに到達し、シャフトとメインリップとの間の境界に擦過を引き起こすこともある。第4実施形態において、リップ部が装置内で折れ曲がるリスクを低減するための例示的な技術が説明される。
図4は、第4実施形態のシールアダプタ400の概略的な断面図である。図1、図3及び図4を参照して、シールアダプタ400が説明される。上述の実施形態の説明は、上述の実施形態と同一の符号が付された要素に援用される。
シールアダプタ400は、シール体100Cと、ベアリング410と、止め環420と、アダプタ筒430と、を備える。シール体100Cは、図1を参照して説明されたシール体100であってもよい。代替的に、シール体100Cは、図3を参照して説明されたシール体100Bであってもよい。シール体100,100Bに関する説明は、シール体100Cに援用される。
アダプタ筒430は、環状のフランジ431と、保持筒432と、を含む。フランジ431は、内面441と、外面442と、内周面443と、外周面444と、肩面445と、を含む。内面441は、ハウジング(図示せず)の表面に当接される。内面441と反対側の外面442は、外部空間に露出する。外面442から内面441へ延びる複数の挿通孔446が、フランジ431に形成される。複数のネジは、複数の挿通孔にそれぞれ挿入され、ハウジングに形成されたネジ孔に螺合される。この結果、フランジ431は、ハウジングに固定される。本実施形態において、取付部は、フランジ431によって例示される。
外周面444は、内周面443を取り囲む。外周面444の軸長は、ハウジングに形成された円形凹部(図示せず)の深さに略一致する。外周面444の直径は、ハウジングに形成された円形凹部の直径に略一致する。
外周面444の反対側の内周面443は、シャフト(図示せず)が挿入される空間を形成する。内周面443の直径は、シャフトの直径よりも大きい。したがって、内周面443は、シャフトを取り囲み、環状空間が、内周面443とシャフトの外周面(図示せず)との間に形成される。シール体100Cは、環状空間に嵌め込まれる。
内周面443の直径は、保持筒432の内径よりも大きい。したがって、肩面445が、内周面443と保持筒432との間に形成される。肩面445は、回転軸RAXに直交する仮想平面に沿って形成された環状面である。作業者は、内周面443によって形成された空間にシール体100Cを押し込み、肩面445に押しつけることができる。
保持筒432は、肩面445から内部空間へ延出する。保持筒432は、主部451と、先端部452と、を含む。先端部452は、内径において、主部451よりも小さい。したがって、先端部452は、主部451から回転軸RAXに向けて突出する。作業者は、ベアリング410を保持筒432内へ押し込み、先端部452に当接させる。
主部451は、ベアリング410のアウターレースに当接する内周面453を含む。回転軸RAXを取り囲む環状溝は、内周面453に形成される。作業者は、ベアリング410を保持筒432に嵌入した後、止め環420を、内周面453に形成された環状溝に嵌め込む。止め環420及び先端部452は、ベアリング410を挟むので、ベアリング410は、回転軸RAXの延設方向に変位しない。作業者は、止め環420を、保持筒432に取り付けた後、シール体100Cをフランジ431に嵌め込む。この結果、シールアダプタ400が完成する。
図5は、シャフトSFTをシールアダプタ400に取り付ける取付工程の概略図である。図1、図3及び図5を参照して、取付工程が説明される。
シャフトSFTは、外部空間から内部空間へ向かう方向(すなわち、フランジ431の外面442から内面441へ向かう方向)で、シールアダプタ400に挿入される。シャフトSFTの外周面OSFは、ベアリング410の内周面に当接し、ベアリング410によって保持される。したがって、シャフトSFTは、回転軸RAX周りに回転することができる。
図1及び図3に関連して説明された如く、リップ部320,320Bは、内部空間に向けて突出するので、リップ部320,320Bの突出方向は、シャフトSFTの挿入方向に一致する。シャフトSFTの挿入の間、リップ部320,320Bは、ベアリング410に向けて突出する姿勢を維持することができるので、リップ部320,320Bは、折れ曲がりにくい。
シャフトSFTは、ギアシャフトGSFと、シャフト筒STTと、を含む。ギアシャフトGSFの基端部は、シャフト筒STTに嵌入される。ギアシャフトGSFの先端部には、ギア部GPTが形成される。ギア部GPTは、装置(図示せず)内に配置された他のギアと噛み合う。図1及び図3を参照して説明された鉄粉IPDは、ギア部GPTと他のギアとの間の噛み合いに起因して生じてもよい。
シャフト筒STTは、第1筒部FTBと、第2筒部STBと、を含む。第2筒部STBは、第1筒部FTBから内部空間に向けて延びる。第1筒部FTBは、外径において、第2筒部STBよりも大きい。したがって、肩面SLDは、第1筒部FTBと第2筒部STBとの間の境界に形成される。肩面SLDが、ベアリング410に当接するまで、作業者は、シャフトSFTをシールアダプタ400に挿入する。この結果、シール体100Cは、第1筒部FTBの外周面OSFとフランジ431の内周面443との間に形成された環状空間に収まることになる。図1及び図3を参照して説明されたリップ部320,320Bの先端は、第1筒部FTBの外周面OSFに圧接される。このとき、ベアリング410は、保持筒432の内周面453と第2筒部STBの外周面OSFとの間に形成された環状空間に収まることになる。本実施形態において、装置の表面は、シャフト筒STTの外周面OSFによって例示される。
図5の左図に示される如く、第2筒部STBの外周面OSFに、環状溝AGVが形成される。肩面SLDがベアリング410に当接すると、環状溝AGVは、保持筒432の先端部452によって囲まれた円形空間内に現れる。図5の右図に示される如く、作業者は、止め環SPRを、環状溝AGVに嵌め込む。この結果、ベアリング410のインナーレースは、肩面SLDと止め環SPRとによって挟まれる。一方、ベアリング410のアウターレースは、保持筒432の先端部452と止め環420とによって挟まれる。したがって、ベアリング410は、回転軸RAXの延設方向において、保持筒432内で固定される。
図6は、シャフトSFT及びシールアダプタ400からなる組立体をハウジングHSHに取り付ける取付工程の概略図である。図1、図3乃至図6を参照して、取付工程が説明される。
ハウジングHSHは、外端面OESと、凹面RCSと、保持壁面SWSと、を含む。外端面OESは、外部空間に露出する。凹面RCSは、回転軸RAX周りに外端面OESから凹設される。フランジ431は、凹部RCSによって囲まれた凹空間内に収容される。複数のネジSCWは、複数の挿通孔446(図4を参照)にそれぞれ挿通され、凹面RCSに形成されたネジ孔に螺合される。この結果、フランジ431は、ハウジングHSHに固定される。
保持壁面SWSは、内部空間の一部を形成する貫通孔を形成する。シャフトSFTは、貫通孔を貫通する。保持筒432は、保持壁面SWSによって形成された貫通孔に挿入される。保持筒432は、保持壁面SWSによって支持される。
本実施形態の原理によれば、作業者は、シャフトSFT及びシールアダプタ400からなる組立体を作成した後、組立体をハウジングHSHに組み込む。図5を参照して説明された如く、組立体の作成時において、リップ部320,320B(図1及び図3を参照)は、折れ曲がりにくい。ハウジングHSHへの組立体の組み込み時において、アダプタ筒430は、シール体100CとハウジングHSHとの間に存在するので、シール体100Cは、ハウジングHSHと干渉しない。したがって、リップ部320,320Bは、折れ曲がることなく、シャフトSFTの外周面OSFに圧接された状態を維持することができる。リップ部320,320Bは、ギア部GPTや他の摺接部位から生じた鉄粉IPD(図1及び図3を参照)を効果的に堰き止めることができるので、鉄粉IPDがシール体100Cのシール機能を損なうリスクは、大幅に低減される。
<第5実施形態>
ダストリップとシャフトとの間の摩擦力を低減させるためにグリースが塗布される。第1実施形態に関連して説明された如く、ダストリップは、メインリップの近くに配置されるので、グリース層が、メインリップとシャフトとの間の境界にも形成されることもある。この場合、ギア間の摩擦力を低減するためにハウジング内に収容された潤滑油が、メインリップとシャフトとの間の境界のグリース層に接触しうる。潤滑油及びグリースの成分の組み合わせに依存するけれども、グリース層に対する潤滑油の接触は、メインリップとシャフトとの間の境界でのスラッジの生成に帰結することもある。スラッジは、異物として作用し、メインリップの擦過を引き起こし得る。第5実施形態において、スラッジの生成のリスクを低減する例示的な技術が説明される。
図7は、第5実施形態のシール部材200Dの概略的な断面図である。図7を参照して、シール部材200Dが説明される。上述の実施形態の説明は、上述の実施形態と同一の符号が付された要素に援用される。
第1実施形態と同様に、シール部材200Dは、主リング部210と、メインリップ220と、スプリングリング240と、を含む。第1実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
図7は、装置APUを示す。第1実施形態と同様に、装置APUは、ハウジングHSGを含む。第1実施形態の説明は、ハウジングHSGに援用される。
装置APUは、シャフトSFUを更に含む。シャフトSFUは、ハウジングHSGによって取り囲まれる。シール部材200Dは、ハウジングHSGとシャフトSFUとの間に形成された環状空間に嵌め込まれ、外部空間と内部空間との間での流体の流通を防ぐ。
シャフトSFUは、第1外周面FOSと、第2外周面SOSと、テーパ周面TPCと、を含む。内部空間の少なくとも一部は、ハウジングHSGと第1外周面FOSとの間に形成される。メインリップ220は、スプリングリング240によって第1外周面FOSに押しつけられる。本実施形態において、押圧部は、スプリングリング240によって例示される。
第2外周面SOSは、外部空間に、部分的に露出する。第2外周面SOSは、直径において、第1外周面FOSよりも小さい。テーパ周面TPCは、第1外周面FOSから第2外周面SOSに向けて狭まる円錐台の周面を形成する。
シール部材200Dは、主リング部210の内周面217から第2外周面SOSに向けて延びるダストリップ230Dを更に備える。ダストリップ230Dは、第2外周面SOSに当接される先端部231を含む。すなわち、先端部231は、メインリップ220よりも外側でシャフトSFUの表面に圧接される。
先端部231によって定められるダストリップ230Dの内径は、メインリップ220の内径よりも小さい。上述の如く、第2外周面SOSは、第1外周面FOSよりも小さな直径を有するので、先端部231は、第2外周面SOSに過度に強く押し当てられない。本実施形態において、装置の表面は、第1外周面FOS及び第2外周面SOSによって例示される。
作業者は、グリースを第2外周面SOSに塗布し、先端部231と第2外周面SOSとの間の摩擦を低減することができる。第1外周面FOSと第2外周面SOSとの間のテーパ周面TPCは、第2外周面SOSに塗布されたグリースが第1外周面FOSへ乗り移ることを防止する。したがって、グリースは、内部空間に収容された潤滑油に接触しにくい。このことは、メインリップ220と第1外周面FOSとの間でのスラッジの発生のリスクが低減されることを意味する。この結果、メインリップ220及び第1外周面FOSの擦過のリスクも低減される。
上述の様々な実施形態に関連して説明された設計原理は、様々なシール構造に適用可能である。上述の様々な実施形態のうち1つに関連して説明された様々な特徴のうち一部が、他のもう1つの実施形態に関連して説明されたシール技術に適用されてもよい。
上述の実施形態の原理は、様々な機械設備に好適に利用される。
100,100A〜100C・・・・・・・・・・・・・シール体
200,200B,200D・・・・・・・・・・・・・シール部材
220,220B・・・・・・・・・・・・・・・・・・メインリップ
240・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・スプリングリング(押圧部)
300,300A・・・・・・・・・・・・・・・・・・防止リング
314・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内周面(内周縁)
315・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・弾性壁
316・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・剛性環
320,320B・・・・・・・・・・・・・・・・・・リップ部
410・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ベアリング
431・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フランジ
432・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・保持筒
443・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内周面
APT,APU・・・・・・・・・・・・・・・・・・・装置
HSG,HSH・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハウジング
OSF・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・外周面
SFT,SFU・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シャフト

Claims (9)

  1. 装置の外側の外部空間と前記装置の内側の内部空間との間での流体の流通を防ぐシール体であって、
    前記装置の表面に圧接されるシール部を有するシール部材と、
    前記内部空間で発生した異物が前記シール部へ侵入することを防止する防止部と、を備える
    シール体。
  2. 前記防止部は、前記装置の前記表面に圧接されるリップ部を含み、
    前記リップ部は、前記シール部を前記内部空間から隔離する
    請求項1に記載のシール体。
  3. 前記シール部は、前記装置の前記表面に第1圧接力で押しつけられ、
    前記リップ部は、前記第1圧接力よりも小さな第2圧接力で押しつけられる
    請求項2に記載のシール体。
  4. 前記防止部は、前記装置内に形成された環状空間内に配置された防止リングであり、
    前記防止リングは、前記リップ部と一体的に形成され、且つ、前記リップ部が突出する内周縁を有する環状の弾性壁と、前記内周縁を取り囲むように前記弾性壁に固定され、且つ、前記弾性壁よりも高い剛性を有する剛性環と、を含む
    請求項2又は3に記載のシール体。
  5. 前記防止部は、前記シール部材と一体的である
    請求項1乃至3に記載のシール体。
  6. 前記シール部材は、前記シール部を有し、且つ、前記装置内に形成された環状空間内に配置された環状のメインリップと、前記メインリップを前記装置の前記表面に押しつける押圧部と、を含み、
    前記リップ部は、前記メインリップと一体的であり、且つ、前記メインリップから前記内部空間へ突出する
    請求項2又は3に記載のシール体。
  7. 請求項4又は6に記載のシール体と、
    前記装置のハウジングに取り付けられる取付部と、を備え、
    前記取付部は、前記装置のシャフトを取り囲む内周面を含み、
    前記シャフトは、前記装置の前記表面として外周面を有し、
    前記環状空間は、前記シャフトの前記外周面と前記取付部の前記内周面との間に形成される
    シールアダプタ。
  8. 前記取付部から前記内部空間へ延出する保持筒と、
    前記保持筒と前記シャフトの前記外周面との間に嵌め込まれるベアリングと、を更に備え、
    前記リップ部は、前記弾性壁又は前記メインリップから前記ベアリングに向けて突出し、前記シャフトの前記外周面に圧接される
    請求項7に記載のシールアダプタ。
  9. 装置内に形成された環状空間内に配置され、前記装置の外側の外部空間と前記装置の内側の内部空間との間での流体の流通を防ぐシール部材であって、
    前記装置の表面に圧接されるシール部を有する環状のメインリップと、
    前記メインリップを前記装置の前記表面に押しつける押圧部と、
    前記メインリップよりも外側で前記装置の前記表面に押しつけられるダストリップと、を備え、
    前記ダストリップは、内径において、前記シール部よりも小さい
    シール部材。
JP2016175419A 2016-09-08 2016-09-08 シールアダプタ Active JP6807684B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016175419A JP6807684B2 (ja) 2016-09-08 2016-09-08 シールアダプタ
DE102017213785.1A DE102017213785A1 (de) 2016-09-08 2017-08-08 Dichtungskörper, Dichtungsadapter und Dichtungsglied
TW106128358A TWI732026B (zh) 2016-09-08 2017-08-22 密封配接器及密封構件
KR1020170109097A KR102430244B1 (ko) 2016-09-08 2017-08-29 시일체, 시일 어댑터 및 시일 부재
CN201710775495.9A CN107806516B (zh) 2016-09-08 2017-08-31 包含密封构件的装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016175419A JP6807684B2 (ja) 2016-09-08 2016-09-08 シールアダプタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018040436A true JP2018040436A (ja) 2018-03-15
JP6807684B2 JP6807684B2 (ja) 2021-01-06

Family

ID=61197817

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016175419A Active JP6807684B2 (ja) 2016-09-08 2016-09-08 シールアダプタ

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP6807684B2 (ja)
KR (1) KR102430244B1 (ja)
CN (1) CN107806516B (ja)
DE (1) DE102017213785A1 (ja)
TW (1) TWI732026B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021148141A (ja) * 2020-03-16 2021-09-27 住友重機械工業株式会社 シール部材

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20210018099A1 (en) * 2018-06-13 2021-01-21 Nok Corporation Sealing apparatus and sealing method using sealing apparatus
JP7398209B2 (ja) * 2019-05-23 2023-12-14 ナブテスコ株式会社 シール構造、減速機、およびシール構造の製造方法
CN111115426B (zh) * 2020-01-13 2021-12-21 日立电梯(广州)自动扶梯有限公司 自动扶梯及防水防尘滚轮组件

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4304412A (en) * 1979-11-02 1981-12-08 Federal-Mogul Corporation Contoured double-lip bearing seal
JPS62100374U (ja) * 1985-12-16 1987-06-26
JP2000110946A (ja) * 1998-10-06 2000-04-18 Koyo Sealing Techno Co Ltd 密封装置
JP2004239377A (ja) * 2003-02-07 2004-08-26 Ts Corporation 回転体及び減速機
JP2011089609A (ja) * 2009-10-23 2011-05-06 Nabtesco Corp ロボットの関節駆動装置
JP3192171U (ja) * 2014-05-20 2014-07-31 Nok株式会社 オイルシール
JP2016098944A (ja) * 2014-11-25 2016-05-30 ナブテスコ株式会社 シール装置および歯車伝動装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62100374A (ja) 1985-10-25 1987-05-09 Toyoda Autom Loom Works Ltd 精紡ワインダ−における管糸供給方法
IL98319A (en) * 1990-07-05 1997-04-15 Roussel Uclaf Sulphurous derivatives of imidazole, their preparation process, and pharmaceutical compositions containing them
CN201539564U (zh) * 2009-06-30 2010-08-04 青岛开世密封工业有限公司 组合式重卡轮毂油封
CN201475334U (zh) * 2009-08-04 2010-05-19 青岛开世密封工业有限公司 一种带有油内杂质阻挡结构的密封圈
CN201748076U (zh) * 2010-06-07 2011-02-16 苏州有色金属研究院有限公司 气动压紧式端面密封的新型回转接头
JP2014024360A (ja) 2012-07-24 2014-02-06 Aisin Aw Co Ltd アクチュエータユニット
JP6190179B2 (ja) * 2013-06-21 2017-08-30 光洋シーリングテクノ株式会社 密封装置
DE102014202427B4 (de) * 2014-02-11 2019-11-07 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Wälzlager einer Radlagereinheit mit angeschweißten Dichtkomponenten

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4304412A (en) * 1979-11-02 1981-12-08 Federal-Mogul Corporation Contoured double-lip bearing seal
JPS62100374U (ja) * 1985-12-16 1987-06-26
JP2000110946A (ja) * 1998-10-06 2000-04-18 Koyo Sealing Techno Co Ltd 密封装置
JP2004239377A (ja) * 2003-02-07 2004-08-26 Ts Corporation 回転体及び減速機
JP2011089609A (ja) * 2009-10-23 2011-05-06 Nabtesco Corp ロボットの関節駆動装置
JP3192171U (ja) * 2014-05-20 2014-07-31 Nok株式会社 オイルシール
JP2016098944A (ja) * 2014-11-25 2016-05-30 ナブテスコ株式会社 シール装置および歯車伝動装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021148141A (ja) * 2020-03-16 2021-09-27 住友重機械工業株式会社 シール部材
JP7449733B2 (ja) 2020-03-16 2024-03-14 住友重機械工業株式会社 シール部材

Also Published As

Publication number Publication date
KR20180028375A (ko) 2018-03-16
JP6807684B2 (ja) 2021-01-06
KR102430244B1 (ko) 2022-08-09
CN107806516A (zh) 2018-03-16
TW201816309A (zh) 2018-05-01
DE102017213785A1 (de) 2018-03-08
TWI732026B (zh) 2021-07-01
CN107806516B (zh) 2021-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6807684B2 (ja) シールアダプタ
US9103446B2 (en) Fluid seal assembly
JP6782600B2 (ja) シール及びシール機構
JP2015014303A (ja) 密封装置
JP6745154B2 (ja) シール部材及び洗浄ロボット
WO2017090583A1 (ja) 密封装置
JP4851114B2 (ja) 密封型転がり軸受
TWI534373B (zh) Sliding seal and seal structure with this
US20120153573A1 (en) Fluid Seal Assembly
JP2018048660A (ja) 密封装置
JP7114239B2 (ja) シール機構を備える装置
JP3117105U (ja) リングシール
JP2010265949A (ja) 密封装置
JP4415600B2 (ja) オイルシールによる密封構造
WO2016147835A1 (ja) 密封装置
US20150001804A1 (en) Fluid seal assembly with wear ring
JP6853367B2 (ja) 密封装置
JP2017166497A (ja) 密封部材
JP2005201313A (ja) バルブステムシール
JP2017172762A (ja) 密封装置
CN111609103A (zh) 一种滚珠丝杠副
JP2016070315A (ja) 転がり軸受
JPWO2017098985A1 (ja) 密封装置
JP2017180576A (ja) 密封部材
JP2017125530A (ja) 密封装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190808

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200901

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201027

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201208

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6807684

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250