JP4415600B2 - オイルシールによる密封構造 - Google Patents

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本発明は、歯車減速装置等における機器の内部の潤滑油等を密封対象とするオイルシールによる密封構造に関する。
図5は、産業用ロボットの旋回駆動装置等の差動式遊星歯車減速装置に用いられる従来のオイルシール110による密封構造を示す断面図である。この図5において、参照符号100は、差動式遊星歯車減速装置の一部を示しており、101は、内周に回転駆動装置が装着されると共に、この回転駆動装置によって回転され軸端に太陽歯車を備える出力軸を回転可能に支持し、かつ前記太陽歯車と噛合する遊星歯車をそれぞれ備える複数のクランク軸を保持した外歯歯車(いずれも不図示)等を支持している支持ブロック、102は、内周に前記外歯歯車と噛合する内歯歯車(不図示)を有するハウジング、103は、支持ブロック101とハウジング102との間に介在されたボールベアリングである。オイルシール110は、ボールベアリング103の外側にあって支持ブロック101とハウジング102との間で機内潤滑油を封止するものである。
この種のオイルシール110は、主シール111と摩耗粉除去シール112からなる。主シール111は、補強環111bで補強された外周の基部111aがハウジング102側に密嵌され、その内周に、支持ブロック101の外周面に摺動可能に密接されるラジアル型のシールリップ111cが設けられている。また、摩耗粉除去シール112は、主シール111の基部111aの内周面に密嵌された補強環112bの内周に、前記主シール111の機内側で支持ブロック101の外周面に摺動可能に密接されるラジアル型の第二シールリップ112bが設けられている。
このオイルシール110によれば、外歯歯車とハウジング102との噛合や、太陽歯車と遊星歯車との噛合等によって発生し、密封対象の潤滑油に混入した摩耗粉が、主シール111のシールリップ111cに噛み込まれるのを、摩耗粉除去シール112によって防止することができる。しかしながら、主シール111及び摩耗粉除去シール112の双方が、補強環にゴム状弾性材料を一体的に加硫成形(加硫接着)したものであるため、二部品の加硫成形及びその組立によって製造コストが高いものとなっており、しかも、摩耗粉除去シール112の第二シールリップ112bが摩耗粉の噛み込みによって損傷を受けると、結局、主シール111側への摩耗粉の侵入を許してしまい、密封性の低下を来すおそれがあった。
そこで、このような欠点を解消するため、例えば下記の特許文献1に記載されたようなオイルシールが開発されている。
特開2002−228009号公報
図6は、特許文献1に記載されたものと同種のオイルシール120による密封構造を示す断面図である。この図6に示されるように、オイルシール120は、補強環124で補強された接着部153が、ハウジング102の軸方向一端内周に形成されたシール装着凹部102aに密嵌固定され、前記補強環124の内周に、主リップ121と、摩耗粉除去リップ122を一体に有する。そして、主リップ121を、支持ブロック101の外周に密嵌したスリンガ125のスリーブ部125aの外周面に摺動可能に密接されるラジアル型とし、主リップ121の外周側で円錐面状に開いた摩耗粉除去リップ122を、スリンガ125におけるフランジ部125bに摺動可能に密接される端面シール型としたものである。
しかしながら、特許文献1に記載された密封構造によれば、フランジ部125bの外周縁が、シール装着凹部102aの機内側立上り面102bとオイルシール120の基部123との間にあって、一種のラビリンスシールを構成するものではあるが、機内側(図6における右側)から侵入した摩耗粉が、スリンガ125におけるフランジ部125bの周囲に回転時に作用する遠心力によって、シール装着凹部102aとスリンガ125のフランジ部125bとの間の隙間の外周部(ラビリンス部A)に蓄積されてしまい、その結果、摩耗粉除去リップ122の摺動部へ介入するおそれがあった。また、フランジ部125bの外周縁が、外周側へ向けて袋小路状となっているラビリンス部Aに位置しているため、フランジ部125bの回転による摩耗粉に対する振り切り効果が小さいものであった。
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、摩耗粉などの異物が含まれる流体を密封対象として、優れた密封性能を発揮し得るオイルシールによる密封構造を提供することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係るオイルシールによる密封構造は、相対的に回転可能に配置された内周部材と外周部材との間に設けられ、前記外周部材の内周面に密嵌固定される外周基部と、この外周基部の内周側に一体的に設けられた主リップ及び異物除去リップからなるオイルシール本体を備え、前記主リップは、前記内周部材側に設けられた円筒面に摺動可能に密接され、前記異物除去リップは、前記主リップの外周側にあって機内側を向くと共に外周側へ展開し、先端部が前記内周部材側に設けられた軸心と略垂直な端面に摺動可能に密接され、前記端面の外周端が前記外周基部の内周面より内周側に位置し、前記外周基部の機内側に、前記外周部材の内周面とこの内周面に対して径方向に交差する前記外周基部の端部によって、前記外周基部の内周面より大径の段差状空間が形成され、前記外周基部の端部が、金属製の補強環に被着されたゴム状弾性材料からなるものである。
また、請求項2の発明に係るオイルシールによる密封構造は、請求項1に記載された円筒面が、内周部材に密嵌外挿されたスリンガのスリーブ部に形成され、請求項1に記載された軸心と略垂直な端面が、前記スリンガの外向きフランジ部に形成され、この外向きフランジ部における機内側の端面が、外周基部の機内側の端部に対して、軸方向略同位置又はそれより機内側にある。
また、請求項3の発明に係るオイルシールによる密封構造は、請求項1に記載された円筒面が内周部材の外周面からなり、請求項1に記載された軸心と略垂直な端面が、前記内周部材に設けられた機器側構成部品に形成されたものである。
請求項1の発明によれば、内周部材側に設けられた、軸心と略垂直な端面が回転することによって、この端面と異物除去リップとの摺動部へ介入しようとする摩耗粉等の異物が振りきられて排除され、主リップ側へ侵入するのを防止することができる。また、外周基部における機内側の端部と、外周部材の内周面との間の空間は、外周基部の内周面より大径であるため、この空間に前記振りきり作用によって蓄積された異物が、異物除去リップの摺動部へ侵入するのを防止することができる。
請求項2の発明によれば、スリンガの外向きフランジ部における機内側の端面が、外周基部の機内側の端部に対して、軸方向略同位置又はそれより機内側にあるため、これに接触する流体に、遠心力によって段差状空間へ向かう流れを生じ、この流れによって、異物の侵入を一層困難にすることができる。
請求項3の発明によれば、スリンガが不要であるため、部品数の減少及び組み立工数の減少によって、コストの低減を図ることができる。
図1は、本発明に係るオイルシールによる密封構造を、差動式遊星歯車減速装置の油封手段として適用した第一の形態を示す部分断面図、図2は、本形態による作用を示す説明図である。なお、以下の説明において、機内側とは図における右側のことであり、機外側とは、図における左側のことである。
まず図1において、参照符号1は、差動式遊星歯車減速装置における支持ブロック、参照符号2は内歯歯車(不図示)を有する筒状のハウジングの端部を示しており、参照符号3は、支持ブロック1とハウジング2との間に介在されたボールベアリングである。支持ブロック1は、請求項1に記載された「内周部材」に相当し、ハウジング2は、請求項1に記載された「外周部材」に相当する。
ボールベアリング3におけるインナーレース3aは、支持ブロック1の外周部に形成された径方向段差部1aの小径側の外周面1bに嵌着されており、アウターレース3bは、ハウジング2の円筒状内周面2aに嵌着されている。
本形態に係るオイルシールは、ボールベアリング3の外側にあって支持ブロック1とハウジング2との間で機内潤滑油を封止するもので、オイルシール本体10と、スリンガ20とを有する。詳しくは、オイルシール本体10は、ハウジング2側に密嵌固定される補強環11と、この補強環11に接着部15を介して一体化された主リップ12、異物除去リップ13及びダストリップ14とからなる。
補強環11は、鋼板等の金属板を打ち抜きプレス成形したものであって、ハウジング2における内周面2aに所定の締め代をもって圧入され密嵌される嵌合筒部11aと、その機外側となる一端から内周側へ延びる内向きフランジ部11bからなる。主リップ12、異物除去リップ13及びダストリップ14は、ゴム状弾性材料からなるものであって、互いに連続しており、接着部15が、補強環11の嵌合筒部11aの内周面及び内向きフランジ部11bの内側面に一体的に加硫接着されている。そして、補強環11における嵌合筒部11aと、これに被着された接着部15の外周部15aが、オイルシール本体10の外周基部10aを構成している。
スリンガ20は、鋼板等の金属板を打ち抜きプレス成形したものであって、所定の締め代をもって支持ブロック1における径方向段差部1aの大径側の外周面1cに密接状態に圧入嵌着されたスリーブ部21と、その機内側となる端部から外周側へ展開した外向きフランジ部22からなる。
主リップ12は、接着部15の内周部から機内側へ向けて突出し、その先端部が、スリンガ20におけるスリーブ部21の外周面21aに摺動可能に密接している。なお、スリーブ部21の外周面21aは、請求項1に記載された「内周部材側に設けられた円筒面」に相当する。
異物除去リップ13は、主リップ12の外周側に位置して、接着部15における機内側の面から円錐面状に開いた形状に突出し、その先端部が、スリンガ20における外向きフランジ部22の端面22aに摺動可能に密接している。なお、前記端面22aは、請求項1に記載された「内周部材側に設けられた軸心と略垂直な端面」に相当する。
ダストリップ14は、主リップ12の機外側に位置して、接着部15の内周部から機内側かつ内周側へ向けて突出し、その先端部が、スリンガ20におけるスリーブ部21の外周面21aに摺動可能に密接している。
請求項1に記載された端面の外周端に相当する外向きフランジ部22の外周端22bは、オイルシール本体10の外周基部10aの内周面、言い換えれば補強環11の嵌合筒部11aに被着された接着部15の外周部15aの内周面よりも内周側に位置し、前記外周基部10aの機内側を向いた端部10bの内周面と径方向隙間Gをもって径方向に対向しており、外向きフランジ部22の機内側の端面22cと、外周基部10aの端部10bは、ほぼ同じ軸方向位置にある。また、ハウジング2の内周面2aは、ボールベアリング3のアウターレース3bとの嵌合部からオイルシール本体10の外周基部10aとの嵌合部にかけて連続した円筒面をなしており、外周基部10aの端部10bの機内側には、ハウジング2の内周面2aと外周基部10aの端部10bによって、外周基部10aの内周面よりも大径の段差状空間Sが形成されている。
以上の構成において、スリンガ20は内周部材である支持ブロック1と共に回転するので、外周基部10aを介してハウジング2側に固定されたオイルシール本体10の主リップ12及びダストリップ14の先端部は、スリンガ20におけるスリーブ部21の外周面21aと密封的に摺接し、異物除去リップ13の先端部は、スリンガ20における外向きフランジ部22の端面22aと密封的に摺接する。
ここで、密封対象である機内の潤滑油には、図示されていない機内の減速機構における歯車の噛合等によって発生した摩耗粉が含まれており、異物除去リップ13とスリンガ20の外向きフランジ部22との摺動部は、このような摩耗粉が主リップ12側へ侵入するのを防止するものである。詳しくは、支持ブロック1と共に回転しているスリンガ20の外向きフランジ部22は、これと接触する流体等に対して遠心力を与えるので、オイルシール本体10における外周基部10aの端部10bとの径方向隙間Gから侵入して外向きフランジ部22と異物除去リップ13との摺動部へ潤滑油と共に介入しようとする摩耗粉は、前記遠心力によって振りきられて外周側へ排除される。このため、摩耗粉が異物除去リップ13の内周側へ通過して主リップ12側へ侵入するのを有効に防止することができる。
また、スリンガ20における外向きフランジ部22の機内側の端面22cと、外周基部10aの端部10bは、ほぼ同じ軸方向位置にあるため、図2に示されるように、前記機内側の端面22cと接触する流体(空気及び潤滑油など)には、上述した遠心力によって、前記端部10bの機内側の段差状空間Sへ向かう流れFを生じる。したがって、異物除去リップ13と外向きフランジ部22との摺動部から、外向きフランジ部22の回転によっての振りきられた摩耗粉は、前記流れFに吸引されるようにして、前記段差状空間Sへ排出される。そして、この段差状空間Sの外周部は、オイルシール本体10の外周基部10aの内周面よりも大径であるから、摩耗粉がこの段差状空間Sの外周部に蓄積されても、流れFに逆らって異物除去リップ13とスリンガ20の外向きフランジ部22との摺動部へ侵入すること自体を困難なものとすることができる。
なお、このような流れFによる作用は、スリンガ20における外向きフランジ部22の機内側の端面22cが、オイルシール本体10の外周基部10aの端部10bより若干機内側に位置している場合も得ることができる。
密封対象の潤滑油も、スリンガ20における外向きフランジ部22と異物除去リップ13との摺動部では、上述した振りきり作用によって外周側へ排除されるが、潤滑油の一部は、前記摺動部を内周側へ通過し、異物除去リップ13のテーパ状の内側面13aを伝って主リップ12側へ僅かに流入する。しかし、この漏油は、主リップ12とスリンガ20におけるスリーブ部21の外周面21aとの摺動部において封止され、結局、スリンガ20における外向きフランジ部22の振りきり作用によって、外向きフランジ部22と異物除去リップ13との摺動部へ押し戻され、更に機内側へ排出される。
異物除去リップ13は、軸方向の曲げ反力でスリンガ20の外向きフランジ部22に密接されるため、その面圧は小さい。したがって、外向きフランジ部22との摺動による異物除去リップ13の摩耗量も小さいものとなる。また、主リップ12は、従来技術として示した図5及び図6のようなエキステンションスプリングを装着していないので、主リップ12の摩耗も小さいものとなる。
ダストリップ14は、その先端部が、スリンガ20におけるスリーブ部21の外周面21aに摺接することによって、外部から機内へのダスト等の侵入を防止するものである。なお、主リップ12とダストリップ14との間には、グリース等を充填して、前記スリーブ部21との潤滑を図ることが好ましい。
次に図3は、本発明に係るオイルシールによる密封構造を、差動式遊星歯車減速装置の油封手段として適用した第二の形態を示す部分断面図である。この形態において、上述した第一の形態と異なるところは、オイルシール本体10の主リップ12の外周に、スリンガ20におけるスリーブ部21の外周面21aに対する緊迫力を補償するためのエキステンションスプリング(ガータスプリングともいう)16を装着したものである。その他の部分は図1と同様であるので、図1と対応する部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
上記構成によれば、スリンガ20におけるスリーブ部21の外周面21aに対する主リップ12の面圧が、エキステンションスプリング16によって付加されるので、スリンガ20における外向きフランジ部22と異物除去リップ13との摺動部を内周側へ通過した漏油に対する一層優れた密封効果を奏する。また、主リップ12の内周部が、前記スリーブ部21との摺動によって摩耗しても、これによる面圧(緊迫力)の低下が、エキステンションスプリング16によって補償されるので、優れた密封性が維持される。
次に図4は、本発明に係るオイルシールによる密封構造を、差動式遊星歯車減速装置の油封手段として適用した第三の形態を示す部分断面図である。この形態において、上述した第一の形態と異なるところは、図1あるいは図3のようなスリンガ20が存在しないことにある。
オイルシール本体10は図1と同様の構成を有するものであるが、その主リップ12及びダストリップ14は、先端部が支持ブロック1の外周面1dに摺動可能に密接している。すなわちこの形態においては、支持ブロック1の外周面1dが、請求項1に記載の「内周部材側に設けられた円筒面」に相当するものであって、高精度に仕上げられている。
また、異物除去リップ13は、先端部が、支持ブロック1の外周面に密封的に固定され又は一体的に形成された機器側構成部品4の機外側を向いた端面4aに摺動可能に密接している。すなわちこの構成においては、機器側構成部品4の端面4aが、請求項1に記載の「内周部材側に設けられた軸心と略垂直な端面」に相当するものであって、高精度に仕上げられている。
機器側構成部品4の端面4aは、オイルシール本体10における外周基部10aの機内側を向いた端部10bの内周に位置しており、この端部10bの内周面と機器側構成部品4の外周面4bの間には適当な径方向隙間Gが形成されている。また、前記外周基部10aの端部10bの機内側には、この端部10bとハウジング2の内周面2aによって、外周基部10aの内周面よりも大径の段差状空間Sが形成されている。なお、ここでいう機器側構成部品4としては、軸受部材や、支持ブロック1の外周面に形成された段差部やフランジなどが考えられ、軸心と略垂直な端面が円周方向に連続して形成されたものが適用される。
上記構成によれば、機器側構成部品4の端面4aが、図1〜図3に示されるスリンガ20の外向きフランジ部22と同様、振りきり作用を発生するものである。すなわち、支持ブロック1と共に回転する機器側構成部品4は、これに接触する流体等に対して遠心力を与えるので、オイルシール本体10における外周基部10aの端部10bとの径方向隙間Gから侵入して機器側構成部品4の端面4aと異物除去リップ13との摺動部へ潤滑油と共に介入しようとする摩耗粉は、遠心力によって外周側へ振りきられ、径方向隙間Gからオイルシール本体10における外周基部10aの端部10bの機内側に形成された段差状空間Sへ排除される。このため、摩耗粉が異物除去リップ13の内周側へ通過して主リップ12側へ侵入するのを有効に防止することができる。
また、段差状空間Sの外周部は、オイルシール本体10の外周基部10aの内周面よりも大径であるから、摩耗粉がこの段差状空間Sの外周部に蓄積されても、異物除去リップ13と機器側構成部品4の端面4aとの摺動部へ容易に侵入することができない。
またこの形態によれば、図1〜図3のようなスリンガ20が不要であるため、部品数の減少、ひいては組立工数の減少によるコスト低減を図ることができる。
本発明に係るオイルシールによる密封構造を、差動式遊星歯車減速装置の油封手段として適用した第一の形態を示す部分断面図である。 第一の形態による作用を示す説明図である。 本発明に係るオイルシールによる密封構造を、差動式遊星歯車減速装置の油封手段として適用した第二の形態を示す部分断面図である。 本発明に係るオイルシールによる密封構造を、差動式遊星歯車減速装置の油封手段として適用した第三の形態を示す部分断面図である。 従来のオイルシール110による密封構造を示す断面図である。 従来のオイルシール120による密封構造を示す断面図である。
符号の説明
1 支持ブロック(内周部材)
2 ハウジング(外周部材)
2a 内周面
3 ボールベアリング
4 機器側構成部品
4a 端面(軸心と略垂直な端面)
10 オイルシール本体
10a 外周基部
10b 端部
11 補強環
11a 嵌合筒部
11b 内向きフランジ部
12 主リップ
13 異物除去リップ
14 ダストリップ
15 接着部
20 スリンガ
21 スリーブ部
21a 外周面(円筒面)
22 外向きフランジ部
22a 端面(軸心と略垂直な端面)
22b 外周端
22c 機内側の端面
G 径方向隙間
S 段差状空間

Claims (3)

  1. 相対的に回転可能に配置された内周部材(1)と外周部材(2)との間に設けられ、前記外周部材(2)の内周面(2a)に密嵌固定される外周基部(10a)と、この外周基部(10a)の内周側に一体的に設けられた主リップ(12)及び異物除去リップ(13)からなるオイルシール本体(10)を備え、前記主リップ(12)は、前記内周部材(1)側に設けられた円筒面(21a,1d)に摺動可能に密接され、前記異物除去リップ(13)は、前記主リップ(12)の外周側にあって機内側を向くと共に外周側へ展開し、先端部が前記内周部材(1)側に設けられた軸心と略垂直な端面(22a,4a)に摺動可能に密接され、前記端面(22a,4a)の外周端が前記外周基部(10a)の内周面より内周側に位置し、前記外周基部(10a)の機内側に、前記外周部材(2)の内周面(2a)とこの内周面(2a)に対して径方向に交差する前記外周基部(10a)の端部(10b)によって、前記外周基部(10a)の内周面より大径の段差状空間(S)が形成され、前記外周基部(10a)の端部(10b)が、金属製の補強環(11)に被着されたゴム状弾性材料からなることを特徴とするオイルシールによる密封構造。
  2. 円筒面(21a)が、内周部材(1)に密嵌外挿されたスリンガ(20)のスリーブ部(21)に形成され、軸心と略垂直な端面(22a)が、前記スリンガ(20)の外向きフランジ部(22)に形成され、この外向きフランジ部(22)における機内側の端面(22c)が、外周基部(10a)の機内側の端部(10b)に対して、軸方向略同位置又はそれより機内側にあることを特徴とする請求項1に記載のオイルシールによる密封構造。
  3. 円筒面(1d)が内周部材(1)の外周面からなり、軸心と略垂直な端面(4a)が、前記内周部材(1)に設けられた機器側構成部品(4)に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のオイルシールによる密封構造。
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