JP6722517B2 - 密封装置 - Google Patents

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本発明は、転がり軸受の内部を密封する密封装置に関する。
例えば玉軸受のような転がり軸受は周知であり、例えば自動車のハブに使用されている。転がり軸受の内部を密封する密封装置としては、特許文献1に記載されたものがある。この密封装置は、転がり軸受の外輪に固定される環状体と、環状体から半径方向内側に延びるラジアルリップと、環状体から側方に延びる2つのサイドリップとを備える。ラジアルリップは、軸受の内輪の外周面または内輪に固定される部品の外周面に接触して、軸受内部の潤滑剤を密封する機能を有し、2つのサイドリップは、内輪のフランジ等に接触して、外部から泥水やダスト等の異物が軸受内部へ侵入しないように封止する機能を有する。
特許3991200号公報
この種の密封装置については、軸受内部と外部を遮断する機能が重要である一方で、密封装置自体が回転軸に与えるトルクができるだけ少ないことが望ましい。
そこで、本発明は、転がり軸受内部と外部を適切に遮断するととともに、回転軸に与えるトルクの上昇を抑制することができる密封装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る密封装置は、転がり軸受の相対的に回転する内側部材と外側部材との間に配置され、前記内側部材と前記外側部材との間の間隙を封止する密封装置であって、前記外側部材に固定される環状体と、前記環状体から半径方向内側に延びるラジアルリップと、前記環状体から側方に互いに並んで延びる2つのサイドリップとを備え、一方のサイドリップの他方のサイドリップに対向する面には、前記2つのサイドリップの周方向全体にわたる密着を防止するための突起または溝が形成されていることを特徴とする。
なんらかの原因で、2つのサイドリップが周方向全体にわたって密着し一体化してしまうと、一方のサイドリップが、内側部材または内側部材に固定される部品に対して、所望の接触状態を維持することができず、他方のサイドリップが内側部材または内側部材に固定される部品に対して、大きな力を与えてしまう。これは回転軸に与えるトルクの上昇の原因になる。そして、2つのサイドリップ間の空間内部が負圧になると、この状態が継続する。しかるに、本発明に係る密封装置においては、一方のサイドリップの他方のサイドリップに対向する面には、2つのサイドリップの周方向全体にわたる密着を防止するための突起または溝が形成されている。したがって、2つのサイドリップが互いに接近して、それらの一部同士が接触したとしても、2つのサイドリップ間の空間内部が他の部分と連通し、2つのサイドリップが離れることが容易である。このため、回転軸に与えるトルクの上昇を抑制することが可能である。
前記突起または前記溝が密封装置の周方向に不連続に複数設けられていると好ましい。突起が周方向に不連続なことにより、2つのサイドリップが互いに接近して、突起が対向するサイドリップに接触したとしても、突起以外の部分を介して、2つのサイドリップ間の空間内部が他の部分と連通する。また、周方向に不連続に複数の突起が設けられることによって、単一の突起が設けられる場合に比べて、2つのサイドリップ間の接触箇所が分散されるため、内側部材または内側部材に固定される部品に対する両方のサイドリップの接触圧の周方向のバラツキが低減される。溝が周方向に不連続なことにより、2つのサイドリップが互いに接近して、それらの一部同士が接触したとしても、溝を介して、2つのサイドリップ間の空間内部が他の部分と連通する。また、周方向に不連続に複数の溝が設けられることによって、単一の溝が設けられる場合に比べて、内側部材または内側部材に固定される部品に対する両方のサイドリップの接触圧の周方向のバラツキが低減される。
本発明においては、2つのサイドリップの周方向全体にわたる密着が防止される。このため、1つのサイドリップだけが、内側部材または内側部材に固定される部品に接触する事態が低減し、トルクの上昇を抑制することができる。また、2つのサイドリップの各々が、内側部材または内側部材に固定される部品に接触する期間がより長くなるため、外部からの異物の侵入を防止するサイドリップの機能が適切に維持される。
本発明の実施形態に係る密封装置が使用される転がり軸受の一例の部分断面図である。 本発明の第1実施形態に係る密封装置の部分断面図である。 図2の密封装置の一部の拡大断面図である。 図2の密封装置の一部の拡大斜視図である。 比較例の密封装置の一部の拡大断面図である。 密封装置で起こり得る不利な状況を示す比較例の密封装置の一部の拡大断面図である。 密封装置に起こり得る不利な状況の一因を説明するための概略図である。 本発明の第2実施形態に係る密封装置の一部の拡大断面図である。 本発明の第3実施形態に係る密封装置の一部の拡大断面図である。 本発明の第4実施形態に係る密封装置の一部の拡大断面図である。 本発明の第5実施形態に係る密封装置の部分断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る様々な実施の形態を説明する。
第1実施形態
図1は、本発明の実施形態に係る密封装置が使用される転がり軸受の一例である自動車用のハブ軸受を示す。但し、本発明の用途はハブ軸受には限定されず、他の転がり軸受にも本発明は適用可能である。また、以下の説明では、ハブ軸受は、玉軸受であるが、本発明の用途は玉軸受には限定されず、他の種類の転動体を有する、ころ軸受、針軸受などの他の転がり軸受にも本発明は適用可能である。
このハブ軸受1は、スピンドル(図示せず)が内部に挿入される孔2を有するハブ(内側部材)4と、ハブ4に取り付けられた内輪(内側部材)6と、これらの外側に配置された外輪(外側部材)8と、ハブ4と外輪8の間に1列に配置された玉10と、内輪6と外輪8の間に1列に配置された玉12と、これらの玉を定位置に保持する複数の保持器14,15とを有する。
スピンドルおよびハブ軸受1の共通軸線は、図1の上下方向に延びている。図1においては、共通軸線に対する左側部分のみが示されている。図示しないが、図1の上側は自動車の車輪が配置される外側(アウトボード側)であり、下側は差動歯車などが配置される内側(インボード側)である。ハブ軸受1の外輪8は、ハブナックル16に固定される。ハブ4は車輪を取り付けるためのアウトボード側フランジ18を有する。
外輪8のアウトボード側の端部の内側には、外輪8とハブ4との間の間隙を封止する密封装置20が配置されており、外輪8のインボード側の端部の内側には、外輪8と内輪6との間の間隙を封止する密封装置22が配置されている。これらの密封装置20,22の作用により、ハブ軸受1の内部からのグリース、すなわち潤滑剤の流出が防止されるとともに、外部からハブ軸受1の内部への異物の流入が防止される。
図2に示すように、密封装置20は、ハブ軸受1の外輪8のアウトボード側の端部と、ハブ軸受1のハブ4の玉10の近傍の外周面23と、ハブ4の外周面23よりも外側に広がるフランジ面24と、外周面23とフランジ面24とを連結する円弧面25とで囲まれた空間内に配置される。密封装置20は環状であるが、図2においては、その左側部分のみが示されている。
密封装置20は、弾性体、例えばエラストマーで形成された弾性環30と、弾性環30を補強する剛体、例えば金属製の断面がほぼL字形の補強環32とを有する。補強環32は、その一部が弾性環30に埋設されており、弾性環30に密着している。
密封装置20は、外輪8に固定される主環状体26と、主環状体26から半径方向内側に延びるラジアルリップ34と、主環状体26から側方に互いに並んで延びる2つのサイドリップ36,38とを有する。
主環状体26は、弾性環30と補強環32から構成される部分である。ラジアルリップ34およびサイドリップ36,38は、弾性体のみから形成されており、弾性環30から延びる薄板状の円環である。
主環状体26は、外輪8の端部の内部空間の内周面に固定される外側シール部である。固定の方式は、限定されないが、例えば締まり嵌めであってよい。補強環32の図2中の上下に延びる部分、すなわち円筒状の部分は、外輪8の端部の内部空間に挿入される。補強環32の外側には、弾性環30の一部分が配置されており、補強環32はその部分を外輪8の端部の内部空間の内周面に強固に押圧する。
ラジアルリップ34は、主環状体26から半径方向内側、かつ密封される転動体である玉10側に向けて延び、ハブ4の玉10の近傍の外周面23に接触する。ラジアルリップ34は、主にハブ軸受1の内部からの潤滑剤の流出を阻止する役割を担う。
サイドリップ36,38は、主環状体26から側方(この実施の形態ではアウトボード側)、かつ半径方向外側に向けて延びる。サイドリップ36は、ハブ4のフランジ面24に接触し、サイドリップ38はフランジ面24または円弧面25に接触する。サイドリップ36,38は、主に外部からハブ軸受1の内部への異物の流入を阻止する役割を担う。サイドリップ38に比べて、大気側に配置されるサイドリップ36は長いので、異物を阻止する能力が高い。サイドリップ38は、サイドリップ36をすり抜けて流入した異物を阻止するバックアップ機能を有する。サイドリップ38は、ラジアルリップ34とサイドリップ36との間に存在するので、中間リップと呼ぶこともできる。
図面においては、密封装置20をハブ軸受1に配置していない時のラジアルリップ34およびサイドリップ36,38が示されている。この時、ラジアルリップ34およびサイドリップ36,38は、外力を受けておらず、真っ直ぐな状態である。しかし、実際には、密封装置20をハブ軸受1に配置すると、これらのリップはハブ4に接触し反力を受けて変形する。
図3に拡大して示すように、一方のサイドリップ36の他方のサイドリップ38に対向する面には、2つのサイドリップ36,38の周方向全体にわたる密着を防止するための突起40が形成されている。図4に示すように、突起40はサイドリップ36の周方向(すなわち密封装置20の周方向)に不連続に複数設けられている。図6との対比から明らかなように、突起40は、サイドリップ38の先端が接触しうる位置に配置されている。
突起40の効果を以下に説明する。突起40が設けられていない図5に示すような密封装置を想定する。このような比較例の密封装置については、なんらかの原因で、図6に示すように、2つのサイドリップ36,38が周方向全体にわたって密着し一体化してしまうことがありうる。その原因としては以下が考えられる。
図7に示すように、サイドリップ36,38が接触するハブ4の外面に、ハブ4の製造時の切削加工または研磨加工によって螺旋状の微小な溝が残されてしまうことありうる(加工精度が低い場合)。ハブ軸受1の使用時に、このような螺旋状の溝が残ったままでいると、スピンドルひいてはハブ4の回転に伴って、溝による気流(図中矢印で示す)が発生し、この気流が短い方のサイドリップ38をサイドリップ36に近づけてゆき、ついにはサイドリップ38を周方向全体にわたってサイドリップ36に接触させてしまう可能性がある。また、スピンドルひいてはハブ4の回転に伴って、溝があたかも送りネジのように作用し、場合によっては、短い方のサイドリップ38をサイドリップ36に近づけてゆき、ついにはサイドリップ38を周方向全体にわたってサイドリップ36に接触させてしまう可能性がある。
また、密封装置20がハブ4に対して偏心している場合には、サイドリップ38の先端の一部がサイドリップ36に向けて強く押圧されて移動し、ハブ4の回転に伴って、その移動が進行し、ついにはサイドリップ38を周方向全体にわたってサイドリップ36に接触させてしまう可能性がある。
いずれの原因にせよ、2つのサイドリップ36,38が一体化してしまうと、一方のサイドリップ(特に短い方のサイドリップ38)が、ハブ4に対して、所望の接触状態を維持することができず、他方のサイドリップ(特に長い方のサイドリップ36)がハブ4に対して、大きな力を与えてしまう。これは回転スピンドルに与えるトルクの上昇の原因になる。
そして、2つのサイドリップ36,38間の空間内部が負圧になると、この状態が継続する。密封装置20の使用時には、スピンドルひいてはハブ4の回転時には熱が発生し温度が上昇し、回転が停止すると温度が低下する。互いに接触する2つのサイドリップ36,38で画定される空間内部の温度が低下すると、空間内部が負圧になり、サイドリップ36,38が密着した状態が維持される。したがって、スピンドルの回転再開時には、2つのサイドリップ36,38が密着しており、その時のトルクが高くなってしまう。
しかるに、密封装置20においては、図3および図4に示すように、一方のサイドリップ36の他方のサイドリップ38に対向する面には、2つのサイドリップ36,38の周方向全体にわたる密着を防止するための突起40が形成されている。したがって、2つのサイドリップ36,38が互いに接近して、それらの一部同士が接触したとしても、2つのサイドリップ36,38間の空間内部が突起40以外の部分を介して他の部分と連通し、2つのサイドリップ36,38が離れることが容易である。このため、1つのサイドリップだけがハブ4に接触する事態が低減し、スピンドルに与えるトルクの上昇を抑制することが可能である。
また、2つのサイドリップ36,38の各々が、ハブ4に接触する期間がより長くなるため、外部からの異物の侵入を防止するサイドリップ36,38の機能が適切に維持される。
以上の観点から、突起40の数は1つでもよい。2つのサイドリップ36,38が互いに接近して、突起40が対向するサイドリップ38に接触したとしても、突起40以外の部分を介して、2つのサイドリップ36,38間の空間内部が他の部分と連通する。
但し、図4に示すように、突起40はサイドリップ36の周方向(すなわち密封装置20の周方向)に不連続に複数設けられていると好ましい。突起40が周方向に不連続なことにより、2つのサイドリップ36,38が互いに接近して、それらの一部同士が接触したとしても、突起40以外の部分を介して、2つのサイドリップ36,38間の空間内部が他の部分と連通する。また、周方向に不連続に複数の突起40が設けられることによって、単一の突起が設けられる場合に比べて、2つのサイドリップ36,38間の接触箇所が分散されるため、ハブ4に対する両方のサイドリップ36,38の接触圧の周方向のバラツキが低減される。
限定されないが、これらの突起40の高さh(図3参照)は均等であると好ましく、突起40の周方向の間隔も均等であると好ましい。これらの場合には、ハブ4に対する両方のサイドリップ36,38の接触圧の周方向のバラツキがより低減される。
第2実施形態
図8は、本発明の第2実施形態に係る密封装置の一部の拡大断面図である。図9は、本発明の第3実施形態に係る密封装置の一部の拡大断面図である。図10は、本発明の第4実施形態に係る密封装置の一部の拡大断面図である。図8以降の図面において、第1実施形態と共通する構成要素を示すため、同一の符号が使用され、それらの構成要素については詳細には説明しない。
図8に示すように、第2実施形態においては、突起40の代わりに、溝42がサイドリップ36に形成されている。図6との対比から明らかなように、溝42は、溝42がなければサイドリップ38の先端が接触しうる位置に配置されている。図示しないが、溝42はサイドリップ36の周方向(すなわち密封装置20の周方向)に不連続に複数設けられている。
第2実施形態においても、2つのサイドリップ36,38が互いに接近して、それらの一部同士が接触したとしても、2つのサイドリップ36,38間の空間内部が溝42を介して他の部分と連通し、2つのサイドリップ36,38が離れることが容易である。このため、1つのサイドリップだけがハブ4に接触する事態が低減し、スピンドルに与えるトルクの上昇を抑制することが可能である。また、2つのサイドリップ36,38の各々が、ハブ4に接触する期間がより長くなるため、外部からの異物の侵入を防止するサイドリップ36,38の機能が適切に維持される。
以上の観点から、溝42の数は1つでもよい。2つのサイドリップ36,38が互いに接近して、突起40が対向するサイドリップ38に接触したとしても、溝42を介して、2つのサイドリップ36,38間の空間内部が他の部分と連通する。
但し、溝42はサイドリップ36の周方向(すなわち密封装置20の周方向)に不連続に複数設けられていると好ましい。溝42が周方向に不連続なことにより、2つのサイドリップ36,38が互いに接近して、それらの一部同士が接触したとしても、溝42を介して、2つのサイドリップ36,38間の空間内部が他の部分と連通する。また、周方向に不連続に複数の溝42が設けられることによって、単一の溝が設けられる場合に比べて、ハブ4に対する両方のサイドリップ36,38の接触圧の周方向のバラツキが低減される。
限定されないが、これらの溝42の深さdは均等であると好ましく、溝42の周方向の間隔も均等であると好ましい。これらの場合には、ハブ4に対する両方のサイドリップ36,38の接触圧の周方向のバラツキがより低減される。
第3実施形態
第1実施形態ではサイドリップ36に突起40が形成されているが、同じ目的のため、図9に示す第3実施形態のように、サイドリップ38の先端のサイドリップ36に対向する面に突起44が形成されてもよい。
第1実施形態に関して上述したのと類似の理由で、突起44の数は1つでもよいが、サイドリップ38の周方向(すなわち密封装置20の周方向)に不連続に複数設けられていると好ましい。また、限定されないが、複数の突起44の高さhは均等であると好ましく、突起44の周方向の間隔も均等であると好ましい。これらの場合には、ハブ4に対する両方のサイドリップ36,38の接触圧の周方向のバラツキがより低減される。
第4実施形態
第2実施形態ではサイドリップ36に溝42が形成されているが、同じ目的のため、図10に示す第4実施形態のように、サイドリップ38の先端のサイドリップ36に対向する面に溝46が形成されてもよい。
第2実施形態に関して上述したのと類似の理由で、溝46の数は1つでもよいが、サイドリップ38の周方向(すなわち密封装置20の周方向)に不連続に複数設けられていると好ましい。また、限定されないが、複数の複数の溝42の深さdは均等であると好ましく、溝42の周方向の間隔も均等であると好ましい。これらの場合には、ハブ4に対する両方のサイドリップ36,38の接触圧の周方向のバラツキがより低減される。
第5実施形態
図11は、本発明の第5実施形態に係る密封装置50の部分断面図である。この密封装置50と、図2に示す第1実施形態の密封装置20では、補強環32の形状および向きが異なっている。
また、第5実施形態においては、密封装置50は、スリンガと呼ばれる回転シール部材52とともに使用されている。密封装置50と回転シール部材52は組み合わせられたアセンブリとみなすことも可能である。密封装置50と回転シール部材52は協働して、ハブ軸受1の内部からの潤滑剤の流出を防止する。
回転シール部材52は、ハブ4の外周面に固定されるスリーブ54と、スリーブ54のアウトボード側の端部に一体に連結されてその外側に放射状に広がるフランジ56とを有する。ハブ4とスリーブ54の固定の方式は、限定されないが、例えば締まり嵌めであってよい。
フランジ56は、アウトボード側からの異物の侵入を低減する機能を有する。特に、ハブ4の回転には、フランジ56は異物を跳ね飛ばす。
密封装置50のラジアルリップ34は、回転シール部材52のスリーブ54の外周面に接触する。ラジアルリップ34は、主にハブ軸受1の内部からの潤滑剤の流出を阻止する役割を担う。サイドリップ36,38は、回転シール部材52のフランジ56に接触し、第1実施形態と同様に、主に外部からハブ軸受1の内部への異物の流入を阻止する役割を担う。図面においては、密封装置50をハブ軸受1に配置していない時のラジアルリップ34およびサイドリップ36,38が示されている。この時、ラジアルリップ34およびサイドリップ36,38は、外力を受けておらず、真っ直ぐな状態である。しかし、実際には、密封装置50をハブ軸受1に配置すると、これらのリップはハブ4に接触し反力を受けて変形する。
第5実施形態の密封装置50においても、第1〜第4実施形態と同様に、一方のサイドリップの他方のサイドリップに対向する面には、これらの2つのサイドリップの周方向全体にわたる密着を防止するための突起40もしくは44または溝42もしくは46を形成することができる。
第5実施形態の密封装置50を図1に示す密封装置22として使用してもよい。この場合、図11のアウトボード側とインボード側が逆になる。
他の変形
以上、本発明の様々な実施形態を説明したが、上記の説明は本発明を限定するものではなく、本発明の技術的範囲において、構成要素の削除、追加、置換を含む様々な変形例が考えられる。
例えば、サイドリップ36またはサイドリップ38に突起と溝の両方を形成してもよい。
また、サイドリップ36に突起を形成し、サイドリップ38の突起と噛み合わない位置に溝を形成してもよいし、逆にサイドリップ38に突起を形成し、サイドリップ36の突起と噛み合わない位置に溝を形成してもよい。これらの場合には、周方向に不連続な突起によって、2つのサイドリップ36,38の周方向全体にわたる密着を防止することができるので、溝は周方向に連続的であってもよい。
上記の溝または突起は、意図的に形成された溝または突起に限られず、サイドリップの表面の粗さによって現れる凹凸であってもよく、例えば、表面への梨地処理による凹凸であってもよい。
1 ハブ軸受
2 孔
4 ハブ(内側部材)
6 内輪(内側部材)
8 外輪(外側部材)
10,12 玉
14,15 保持器
16 ハブナックル
18 アウトボード側フランジ
20,22,50 密封装置
23 外周面
24 フランジ面
25 円弧面
26 主環状体(環状体)
30 弾性環
32 補強環
34 ラジアルリップ
36,38 サイドリップ
40,44 突起
42,46 溝
52 回転シール部材
54 スリーブ
56 フランジ

Claims (2)

  1. 転がり軸受の相対的に回転する内側部材と外側部材との間に配置され、前記内側部材と前記外側部材との間の間隙を封止する密封装置であって、
    前記外側部材に固定される環状体と、
    前記環状体から半径方向内側に延びるラジアルリップと、
    前記環状体から側方に互いに並んで延びる2つのサイドリップとを備え、
    一方のサイドリップの他方のサイドリップに対向する面には、前記2つのサイドリップの周方向全体にわたる密着を防止するための突起または溝が形成されており、
    前記突起または前記溝が密封装置の周方向に不連続に複数設けられていることを特徴とする密封装置。
  2. 前記突起または溝は、前記サイドリップの先端またはサイドリップの先端が接触しうる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
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