JP5300420B2 - シール付き軸受 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車のトランスミッション等に用いられるシール付き軸受に関する。
自動車のトランスミッション内にはギアの摩耗粉等の異物が混在する。このため、自動車のトランスミッションに用いられる従来の軸受は、その内外輪間に形成される軸受空間を密封する接触タイプのシール部材を備えたシール付き軸受とされ、これにより軸受内に異物が侵入するのを防止している。
このような接触タイプのシール部材で軸受空間を密封する場合、軸受内への異物の侵入は防げるが、シールトルクが大きいので、駆動トルクの機械損失の一因となり、自動車の省燃費化を進める上での課題となっている。
このようなシール付き軸受において、シール部材のシールリップ部が摺接する面、例えば軸受回転輪のシール溝の内壁面にショットピーリングを施して、接触面の最大粗さRyを2.5μm以下と小さくし、シールトルクを低減したものが提案されている(例えば特許文献1)。
特開2007−107588号公報
特許文献1のシール付き軸受などのように、接触面の表面粗さを小さくしてシールトルクを低減するのでは、そのトルク低減効果に限界があり、満足するトルク低減効果が得られない。非接触シールとすれば、シールトルクは零とできるが、上記のギア摩耗粉等の異物の侵入を防止できる程度にシール隙間を小さくすることは、組み立て誤差、加工誤差、熱膨張差等のため、実現が難しい。
この発明の目的は、軸受内への異物の確実な侵入防止が得られ、かつ使用開始後の早期に、十分なシールトルク低減が可能なシール付き軸受を提供することである。
この発明のシール付き軸受は、回転側の軌道輪である内輪と固定側の軌道輪である外輪の対向する軌道面間に複数の転動体が介在し、前記内輪と外輪間に形成される軸受空間を密封するシール部材を備えたシール付き軸受において、
前記シール部材は、基端が前記外輪に固定され、シールリップ部が内輪に接する接触シールであり、前記内輪は外周にシール溝を有し、このシール溝の内面が、前記シールリップ部が接するシール面となり、このシール面に、軸受を回転状態で使用することで、前記シール部材が非接触シールとなるかまたは接触圧が零と見なせる程度の軽接触となるようにすきま形成促進部(摩耗促進処理部)を設け、このすきま形成促進部は、前記シールリップ部が接する前記シール面の円周方向の一部に設けた微小突起であることを特徴とする。
この構成によると、シールリップ部が摺接する内輪のシール面に、シールリップ部の先端を摩耗させるすきま形成促進部を設けたので、運転初期には接触タイプであったシール部材が、前記すきま形成促進部への摺接により運転開始後の早期に非接触タイプのシール部材に変わる。あるいは摩耗により、接触圧が零と見なせる程度の軽接触となる。そのため、使用開始後の早期にシールトルクを十分に低減できる。例えば、回転開始後の数分程度で非接触または接触圧が零と見なせる程度の軽接触とできる。その結果、軸受の昇温の低下が可能となり、従来用いていた潤滑油よりもさらに低粘度の潤滑油を選択できる。特に、自動車のトランスミッションに用いた場合には自動車の省燃費化に寄与できる。
また、上記摩耗により、シール部材のシールリップ部と内輪のシール溝との間に最適
なラビリンスシール隙間となる微小隙間が形成されるので、潤滑油の通過は可能であるが、軸受寿命に影響するような粒径の大きい異物の侵入を防止できる。その結果、軸受内への異物の確実な侵入防止と、十分なシールトルク低減を容易に実現することができる。
さらに、前記すきま形成促進部が、前記シールリップ部が接する前記軌道輪のシール面の円周方向の一部に設けた微小突起であるため、すきま形成促進部を設ける加工が簡単に行える。また、突起が微小であるため、シールリップの浮き上がりによって異物が侵入することが回避できる。
また、シール溝を設け、このシール溝内でシールリップ部を接触させるようにしたため、シール効果が高められる。そのため、シールリップ部の摩耗により非接触シールとなっても、確実なシール性が確保される。
この発明において、前記シール部材に、このシール部材が前記内輪に吸着することを防止する吸着防止手段を設けても良い。また、前記シールリップ部に、このシールリップ部の内外に通じるスリットを設けても良い。このスリットは、吸着防止手段として機能させることができる。
接触式のシール部材を設けた場合、軸受内部圧力の低減により、シール部材が軌道輪に吸着してトルク増となることがある。この発明は、隙間形成促進部を設けているが、シール部材が摩耗するまでは、一般の接触シールと同様に吸着作用が生じる。また、非接触シールとなった後も、吸着作用が生じると接触状態になることがある。上記スリット等の吸着防止手段を設けることで、このような吸着が防止され、トルク増が回避される。上記スリットを設けた場合は、軸受内の空間が外気と通じることで、軸受内部圧力の低減が緩和され、吸着が防止されてトルク増が回避される。
この発明において、前記シール接触面が、軌道輪の半径方向に対して傾斜した傾斜面であり、前記シールリップ部は、この傾斜面からなるシール面に対してアキシアル方向に接触する形状としても良い。アキシアル接触とすると、接触時の接触圧を小さくすることが容易である。
また、前記シールリップ部を、前記シール面に対してラジアル方向に接触する形状としても良い。ラジアル接触とすると、非接触状態まで摩耗した後は、軸受空間内が負圧になっても、シールリップ部が吸着されることが、無くなるか少なくできる。
前記微小突起を設ける場合に、シールリップ部をシール面に対してアキシアル方向に接する形状とするときは、その傾斜面からなるシール面に前記微小突起を設ける。前記微小突起を設ける場合に、シールリップ部をシール面に対してラジアル方向に接する形状とするときは、その円筒面状等のシール面に前記微小突起を設ける。
前記スリットを設ける場合に、シールリップ部をシール面に対してアキシアル方向に接する形状とするときは、その傾斜面からなるシール面に沿って、スリットが軸受空間の内外に貫通する。前記スリットを設ける場合に、シールリップ部をシール面に対してラジルア方向に接する形状とするときは、その円筒面等からなるシール接触面に沿って、スリットが軸受空間の内外に貫通する。
この発明のシール付き軸受は、例えば、自動車用のトランスミッションの駆動伝達軸の支持に用いられるトランスミッション用軸受としても良い。上記駆動伝達軸は、入力軸、出力軸、中間伝達軸等のいずれの軸であっても良い。
自動車のトランスミッション用軸受は、軸受内への異物の確実な侵入防止とシールトルクの低減とが強く求められるため、この発明の効果がより効果的に発揮される。
この発明のシール付き軸受は、回転側の軌道輪である内輪と固定側の軌道輪である外輪の対向する軌道面間に複数の転動体が介在し、前記内輪と外輪間に形成される軸受空間を密封するシール部材を備えたシール付き軸受において、前記シール部材は、基端が前記外輪に固定され、シールリップ部が内輪に接する接触シールであり、前記内輪は外周にシール溝を有し、このシール溝の内面が、前記シールリップ部が接するシール面となり、このシール面に、軸受を回転状態で使用することで、前記シール部材が非接触シールとなるかまたは接触圧が零と見なせる程度の軽接触となるようにすきま形成促進部を設け、このすきま形成促進部は、前記シールリップ部が接する前記シール面の円周方向の一部に設けた微小突起であるため、軸受内への異物の確実な侵入防止が得られ、かつ使用開始後の早期に、十分なシールトルク低減が可能となる。
この発明の一実施形態を図1ないし図5と共に説明する。この実施形態のシール付き軸受1は、自動車のトランスミッションに用いられる転がり軸受であって、内輪2と外輪3の軌道面2a,3aの間に複数の転動体4を介在させ、これら転動体4を保持する保持器5を設け、内外輪2,3間に形成される環状の軸受空間の両端をそれぞれシール部材6で密封したものである。上記内輪2および外輪3が、請求項で言う一対の軌道輪である。軸受内にはグリースが初期封入される。この転がり軸受は、転動体4を玉とした深溝玉軸受であり、内輪2を回転輪とし、外輪3を固定輪とした内輪回転タイプである。
シール部材6は、環状の芯金7と、この芯金7に一体に固着されるゴムまたは樹脂製等の弾性部材8とで構成され、固定輪である外輪3の内周面に形成されたシール取付溝9に外周部が嵌合状態に固定される。シール部材6の全体は、例えば、前記芯金7にゴム材を加硫成形して形成される。
回転輪である内輪2は、各シール部材6の内周部に対応する位置に、円周溝からなるシール溝10が形成されている。シール溝10は、図示の例では、軌道面2aの肩部から立ち下がる傾斜面とされたシール面10aと、このシール面10aの内周縁から内輪端面に続く円筒面の溝底面10bとでなる断面形状とされている。なお、図示は省略するが、シール溝10は、U字状等の断面形状の溝であっても良く、またそのU字状断面形状等の溝の両側に続く周面の径が互いに異なっていても良い。
シール部材6は、その弾性部材8の芯金7よりも内径側に延びる弾性部材内周部8aの先端にシールリップ部8aaが形成されている。このシールリップ部8aaの先端が、内輪1のシール溝10のシール面10aに摺接する。この実施形態では、シールリップ部8aaは、図3(A)のように軸受の内側に延び、シール溝10の内側壁面となる傾斜面からなるシール面10aにアキシアル接触する。シールリップ部8aaの肉厚は、弾性部材内周部8aの肉厚に比べて、半分以下、例えば1/4以下と薄くされている。
図2のように、内輪2のシール面10aにおける前記シールリップ部8aaが摺接する幅ないし径方向範囲における円周方向の一部には、シールリップ部8aaの先端を摩耗させるすきま形成促進部として微小突起11が形成されている。微小突起11は、内輪2の全周に配して複数設けても、円周方向の1箇所に設けても良い。この微小突起11の高さは、軸受内部に侵入した場合に軸受寿命に影響を及ぼす異物の粒径よりも小さくされている。
また、シール部材6のシールリップ部8aaの先端には、図3(B)に拡大断面図で示すように、通気用のスリット12が設けられている。スリット12は、円周方向の1箇所または複数箇所に設けられる。このスリット12は、シールリップ部8aaの吸着防止手段となるものであり、シールリップ部8aaの先端がシール面10aに接した状態で、軸受空間を内外方向に通気状態とする。軸受の運転に伴う内部圧力の低減によってシール部材6が内輪2に吸着されることを、上記スリット12からの通気によって防止する。
この構成のシール付き軸受1によると、シール部材6のシールリップ部8aaが摺接する内輪2のシール面10aに、シールリップ部8aaの先端をすきま形成促進部となる微小突起11を設けたので、運転初期には接触タイプであったシール部材6が、前記微小突起11への摺接により運転開始後の早期(例えば、運転開始後数分)に非接触タイプのシール部材6に変わり、シールトルクを十分に低減できる。
これにより、十分なシールトルク低減が可能となる。その結果、軸受の昇温の低下が可能となり、従来用いていた潤滑油よりもさらに低粘度の潤滑油を選択できる。特に、自動車のトランスミッションに用いた場合には自動車の省燃費化に寄与できる。
また、前記摩耗により、シール部材6のシールリップ部8aaと内輪2のシール溝10との間に最適なラビリンスシール隙間となる微小隙間が形成されるので、潤滑油の通過は可能であるが、軸受寿命に影響するような粒径の大きい異物の侵入を防止できる。シール溝10には、すきま形成促進部となる微小突起11が設けられているが、微小突起11の高さは軸受寿命に影響する大きい粒径の異物よりも小さくされているので、異物を軸受内部に侵入させる要因とはならない。
図4はこの実施形態のシール付き軸受1の回転トルクおよび軸受温度の経時変化をグラフで示し、図5は比較のために従来のシール付き軸受の回転トルクおよび軸受温度の経時変化をグラフで示している。図4および図5において、実線のグラフは回転トルクを示し、破線のグラフは軸受温度を示す。図4に示すように、図5の従来品に比べて、実施形態のシール付き軸受1では、運転開始後数分でシールリップ部8aaの先端が摩耗して、最適ラビリンス隙間が形成されるので、軸受トルクの大半を占めていたシールトルクが排除され、回転トルクが大幅に低減されている。また、これに伴い、軸受の自己昇温も低下している。
また、この実施形態では、シール部材6のシールリップ部8aaの先端には、軸受の内部圧力の低減によってシール部材6が内輪1に吸着されることを防止する通気用の吸着防止手段としてスリット12が設けられているので、シール部材6が摩耗して非接触シールとなった後に、軸受内部圧力の低減で、内輪2のシール溝10にシール部材6が吸着されて接触シールとなることや、シール部材6が摩耗するまでの間に強く吸着されることが防止され、吸着によるトルク増加が回避される。
図6および図7は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態のシール付き軸受では、図1〜図5に示した実施形態において、図7(A)のように、シール部材6におけるシールリップ部8aaの先端が、内径側に延びて内輪2のシール溝10の溝底面10b′であるシール面に、ラジアル方向に接触している。なお、シール溝10の断面形状は、図1〜図5に示した実施形態と同じであるが、溝底面10b′がシール面となり、傾斜面10a′は非接触とされる。
また、この実施形態では、シール溝10の溝底面10b′がシールリップ部8aaの先端に接触するシール面となるため、この実施形態では、図6のように、シール溝10の溝底面10b′からなるシール面に、すきま形成促進部となる微小突起11が形成されている。この実施形態の場合にも、図7(B)に拡大断面図で示すように、シール部材6におけるシールリップ部8aaの先端に、通気用の吸着防止手段となるスリット12を設けられている。その他の構成は先の実施形態の場合と同様である。
この実施形態の場合にも、軸受内への異物の侵入防止と、十分なシールトルク低減が可能となり、自動車のトランスミッションに用いた場合には自動車の省燃費化に寄与することができる。
なお、以上の各実施形態では、シール部材6におけるシールリップ部8aaの先端を摩耗させるすきま形成促進部として、回転側軌道輪である内輪2のシール面10a、シール面となる溝底面10b′の円周方向の一部に微小突起11を設けた例を示したが、参考提案例を説明すると、微小突起11に変えて前記シール面10aや、シール面となる溝底面10b′に高摩擦塗装を施して高摩擦塗装部としても良い。この場合の高摩擦塗装として、例えばパーカー処理が挙げられる。ここでいうパーカー処理とは、パーカー加工株式会社が提供するパプロフリック処理(金属用高摩擦係数非潤滑剤塗装表面処理)と呼ばれる表面処理である。
また、上記実施形態では、弾性部材8の全体を同じ材質としたが、シールリップ部8aaの全体、またはシールリップ部8aaの先端を、他の部分よりも摩耗し易い材質としても良い。
また、以上の各実施形態では、内輪回転タイプの転がり軸受に適用した場合について説明したが、スラスト軸受に適用しても上記と同様の効果を上げることができる。
図8は、この発明のシール付き軸受1を組み込んだ自動車のトランスミッションのギア構成部の一例の概略図を示す。同図はマニュアルトランスミッションの例である。入力シャフト31が、上記実施形態のシール付き軸受1を介してハウジング35Aに回転自在に支持されている。出力シャフト32の一端は転がり軸受34を介して入力シャフト31の端部内径面に、また他端が前記シール付き軸受1を介してハウジング35Bにそれぞれ回転自在に支持されている。入力シャフト31のギア36、および出力シャフト32のギア37,38に噛み合うギア39,40,41、42を有するカウンターシャフト33は、出力シャフト32と平行に配置され、両端がハウジング35A,35Bに回転自在に支持されている。
このように、この発明のシール付き軸受1を自動車のトランスミッションに用いることにより、軸受内への異物の侵入防止と、十分なシールトルク低減が可能となり、自動車の省燃費化に寄与することができる。
図9は、この発明のシール付き軸受1を組み込んだ自動車のトランスミッションのギア構成部の他の例の概略図を示す。同図はオートマチックトランスミッションの例である。メインシャフト51の両端が、上記実施形態のシール付き軸受1を介してケース53に回転自在に支持されている。メインシャフト51のギア部に噛み合うギア部を有するカウンターシャフト52も、メインシャフト51と平行に配置されて前記ケース53に回転自在に支持されている。
この場合も、この発明のシール付き軸受1を自動車のトランスミッションに用いていることから、軸受内への異物の侵入防止と、十分なシールトルク低減が可能となり、自動車の省燃費化に寄与することができる。
この発明の一実施形態にかかるシール付き軸受の断面図である。 同シール付き軸受における内輪の部分斜視図である。 (A)は同シール付き軸受におけるシール部材接触部の部分拡大断面図、(B)は同シール部材の部分拡大断面図である。 同シール付き軸受の回転トルクおよび軸受温度の経時変化を示すグラフである。 従来品の回転トルクおよび軸受温度の経時変化を示すグラフである。 この発明の他の実施形態にかかるシール付き軸受の内輪の部分斜視図である。 (A)は同シール付き軸受におけるシール部材接触部の部分拡大断面図、(B)は同シール部材の部分拡大断面図である。 この発明のシール付き軸受を組み込んだ自動車のトランスミッションのギア構成部の一例の概略図である。 この発明のシール付き軸受を組み込んだ自動車のトランスミッションのギア構成部の他の例の概略図である。
符号の説明
1…シール付き軸受
2…内輪(軌道輪)
3…外輪(軌道輪)
2a,3a…軌道面
4…転動体
6…シール部材
8aa…シールリップ部
10…シール溝
10a…シール面
10b′…溝底面(シール面)
11…微小突起(すきま形成促進部)
12…スリット(吸着防止手段)

Claims (7)

  1. 回転側の軌道輪である内輪と固定側の軌道輪である外輪の対向する軌道面間に複数の転動体が介在し、前記内輪と外輪間に形成される軸受空間を密封するシール部材を備えたシール付き軸受において、
    前記シール部材は、基端が前記外輪に固定され、シールリップ部が内輪に接する接触シールであり、前記内輪は外周にシール溝を有し、このシール溝の内面が、前記シールリップ部が接するシール面となり、このシール面に、軸受を回転状態で使用することで、前記シール部材が非接触シールとなるかまたは接触圧が零と見なせる程度の軽接触となるようにすきま形成促進部を設け、このすきま形成促進部は、前記シールリップ部が接する前記シール面の円周方向の一部に設けた微小突起であるシール付き軸受。
  2. 請求項1において、前記微小突起の高さは、異物が軸受内部に侵入した場合に軸受寿命に影響を及ぼす異物の粒径よりも小さくされているシール付き軸受。
  3. 請求項1または請求項2において、前記シール部材に、このシール部材が前記内輪の軌道輪に吸着することを防止する吸着防止手段を設けたシール付き軸受。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記シールリップ部に、このシールリップ部の内外に通じるスリットを設けたシール付き軸受。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記シール面が、軌道輪の半径方向に対して傾斜した傾斜面であり、前記シールリップ部を、この傾斜面からなるシール面に対してアキシアル方向に接触する形状としたシール付き軸受。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記シールリップ部を、前記シール面に対してラジアル方向に接触する形状としたシール付き軸受。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、自動車用のトランスミッション駆動伝達軸の支持に用いられるトランスミッション用軸受であるシール付き軸受。
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