JP2012172762A - ボールねじ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ナット内から漏洩した潤滑剤によりボールねじ装置の周辺部が汚染されることを抑制することのできるねじ装置を提供する。
【解決手段】ボールねじ装置は、ねじ軸1の外周面に形成された軸側ねじ溝3と複数のボール5を介して係合するナット側ねじ溝4を有し、ねじ軸1の回転に伴ってねじ軸1の軸方向に移動するナット2を備えている。ねじ軸1の両端は軸受16によって支持され、
軸受16を収容する軸受ハウジング11のナット2側の端面に円筒状の蛇腹12及びこの蛇腹12がナット2の移動によって圧縮された後に元の位置までに復帰させる為のコイルバネ13を蛇腹12の外周部に設けた。
【選択図】図2
【解決手段】ボールねじ装置は、ねじ軸1の外周面に形成された軸側ねじ溝3と複数のボール5を介して係合するナット側ねじ溝4を有し、ねじ軸1の回転に伴ってねじ軸1の軸方向に移動するナット2を備えている。ねじ軸1の両端は軸受16によって支持され、
軸受16を収容する軸受ハウジング11のナット2側の端面に円筒状の蛇腹12及びこの蛇腹12がナット2の移動によって圧縮された後に元の位置までに復帰させる為のコイルバネ13を蛇腹12の外周部に設けた。
【選択図】図2
Description
本発明は、ボールねじ装置の潤滑剤の飛散防止に関する。
従来のねじ装置の一例を図4に示す。同図に示されるねじ装置はねじ軸1およびナット2を備えており、ねじ軸1の外周面には、軸側ねじ溝3がねじ軸1の一端部から他端部にわたって形成されている。
軸側ねじ溝3はナット2の内周面に形成されたナット側ねじ溝4と対向しており、軸側ねじ溝3とナット側ねじ溝4との間には、転動体としてのボール5が多数組み込まれている。これらのボール5は軸側ねじ溝3とナット側ねじ溝4との間に形成された螺旋状の転
動体負荷転走路をねじ軸1の回転運動に伴って転走するようになっている。そして、転動体負荷転走路を転走したボール5はナット2に組み付けられた循環チューブ6に導入され、この循環チューブ6を経由して元の位置に戻されるようになっている。
また、図4に示されるねじ装置はねじ軸1とナット2との間を密封する二つのシール7を備えており、これらのシール7はナット2の軸方向両端部に装着されている。
軸側ねじ溝3はナット2の内周面に形成されたナット側ねじ溝4と対向しており、軸側ねじ溝3とナット側ねじ溝4との間には、転動体としてのボール5が多数組み込まれている。これらのボール5は軸側ねじ溝3とナット側ねじ溝4との間に形成された螺旋状の転
動体負荷転走路をねじ軸1の回転運動に伴って転走するようになっている。そして、転動体負荷転走路を転走したボール5はナット2に組み付けられた循環チューブ6に導入され、この循環チューブ6を経由して元の位置に戻されるようになっている。
また、図4に示されるねじ装置はねじ軸1とナット2との間を密封する二つのシール7を備えており、これらのシール7はナット2の軸方向両端部に装着されている。
このようなボールねじ装置は、ねじ軸1に付着した塵埃や金属粉等の異物がナット2の内側に侵入してボール5の転がり運動が阻害されることをシール7によって防ぐことができるが、次のような問題点を有していた。すなわち、グリース等の潤滑剤がナット2の内側に絶えず供給される条件で使用される場合やシール7に劣化や熱的変形等が生じた場合には、潤滑剤がシール7を押し退けてナット2の外部に漏洩する。そして、ナット2の外部に漏洩した潤滑剤がねじ軸1に付着すると、ねじ軸1に付着した漏洩潤滑剤がナット2の移動
に伴ってねじ軸1の軸方向両端部(ナット2のストロークエンド)にシール7によってかき集められ、ねじ軸1の軸方向両端部にかき集められた漏洩潤滑剤が遠心力の作用によりねじ軸1の外径方向に飛散するため、ナット内から漏洩した潤滑剤によってねじ装置の周
辺部が汚染されるという問題があった。
そこで本出願人はこの問題を解決するために、潤滑剤飛散防止カバー10をナット2の軸方向端部に設けた発明及び飛散防止カバー10をナットのストロークエンドとなるねじ軸1の軸方向両端部に設けた発明をし、出願した。(特許文献2)
この出願の中で飛散防止カバー10は弾性材からなるもの以外に蛇腹状に形成されていても良い旨の記載がある。しかしながら、単に飛散防止カバー10を弾性材や蛇腹状に形成しただけでは飛散防止カバー10がナット2によって圧縮された場合に元の位置まで十分に復帰しない場合が考えられる。
本発明はこの問題点に着目してなされたものであり、その目的は、ナット2内から漏洩した潤滑剤がねじ軸1の端部にたまり、この潤滑剤が周囲に飛散して周辺部が汚染されることを抑制することのできるボールねじ装置を提供することにある。
に伴ってねじ軸1の軸方向両端部(ナット2のストロークエンド)にシール7によってかき集められ、ねじ軸1の軸方向両端部にかき集められた漏洩潤滑剤が遠心力の作用によりねじ軸1の外径方向に飛散するため、ナット内から漏洩した潤滑剤によってねじ装置の周
辺部が汚染されるという問題があった。
そこで本出願人はこの問題を解決するために、潤滑剤飛散防止カバー10をナット2の軸方向端部に設けた発明及び飛散防止カバー10をナットのストロークエンドとなるねじ軸1の軸方向両端部に設けた発明をし、出願した。(特許文献2)
この出願の中で飛散防止カバー10は弾性材からなるもの以外に蛇腹状に形成されていても良い旨の記載がある。しかしながら、単に飛散防止カバー10を弾性材や蛇腹状に形成しただけでは飛散防止カバー10がナット2によって圧縮された場合に元の位置まで十分に復帰しない場合が考えられる。
本発明はこの問題点に着目してなされたものであり、その目的は、ナット2内から漏洩した潤滑剤がねじ軸1の端部にたまり、この潤滑剤が周囲に飛散して周辺部が汚染されることを抑制することのできるボールねじ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明に係るボールねじ装置は、外周面に螺旋状の軸軌道溝を形成したねじ軸と、内周面に前記軸軌道溝に対向するナット軌道溝を形成したナットと、軸軌道溝とナット軌道溝とを螺合させる複数のボールとを備えたボールねじ装置において、ねじ軸の両端部を軸受によって支持し、この軸受を収容する軸受ハウジングのナット側の端面に円筒状の蛇腹をねじ軸を覆う様に設け、該蛇腹がナットの移動によって圧縮された際に元の位置に復帰させる為のコイルバネを蛇腹の外周部に設けたことを特徴
とする。
とする。
本発明によれば、円筒状の蛇腹をねじ軸を覆う様に設け、該蛇腹がナットの移動によって圧縮された際に元の位置に復帰させる為のコイルバネを蛇腹の外周部に設けたことにより、ナット内から漏洩した潤滑剤は蛇腹の内面に向かって飛散し、ボールねじ装置の周辺部に飛散することがないので、ナット内から漏洩した潤滑剤により周辺部が汚染されることを抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明が適用されるボールねじ装置を示す図、図2及び図3は本発明の実施形態を示す図である。
図1に示されるように、ボールねじ装置はねじ軸1およびナット2を備えており、ねじ軸1の外周面には、軸側ねじ溝3がねじ軸1の一端部から他端部にわたって形成されている。
図1は本発明が適用されるボールねじ装置を示す図、図2及び図3は本発明の実施形態を示す図である。
図1に示されるように、ボールねじ装置はねじ軸1およびナット2を備えており、ねじ軸1の外周面には、軸側ねじ溝3がねじ軸1の一端部から他端部にわたって形成されている。
軸側ねじ溝3はナット2の内周面に形成されたナット側ねじ溝4と対向しており、軸側ねじ溝3とナット側ねじ溝4との間には、ボール5が多数組み込まれている。(図4を参照)これらのボール5は軸側ねじ溝3とナット側ねじ溝4との間に形成された螺旋状の転動体負荷転走路をねじ軸1の回転運動に伴って転走し、転動体負荷転走路を転走したボール5はナット2に組み付けられた循環チューブ6に導入され、この循環チューブ6を経由して元の位置に戻されるようになっている。
ねじ軸1の両端は軸受16によってねじ軸が回転可能、軸方向移動不能に支持されている。
ねじ軸の一方の端部にはモーター7がカップリング8を介して連結され、このモーター7の回転によってナット2がねじ軸1に沿って往復移動する。
このナット2の往復移動に伴って、ナット2内に充填したグリースが徐々にナット2外に出てきてナット2のストロークエンドのねじ軸1上に集まり、それが固まり9(図3を参照)となってねじ軸1上に付着する。
ねじ軸1が回転すると遠心力によってこのグリースの固まり9がボールねじの周囲に飛び散り周辺を汚してしまう。特に半導体設備に使用するボールねじでは問題になっている。
ねじ軸の一方の端部にはモーター7がカップリング8を介して連結され、このモーター7の回転によってナット2がねじ軸1に沿って往復移動する。
このナット2の往復移動に伴って、ナット2内に充填したグリースが徐々にナット2外に出てきてナット2のストロークエンドのねじ軸1上に集まり、それが固まり9(図3を参照)となってねじ軸1上に付着する。
ねじ軸1が回転すると遠心力によってこのグリースの固まり9がボールねじの周囲に飛び散り周辺を汚してしまう。特に半導体設備に使用するボールねじでは問題になっている。
本発明はこのグリースの飛散を防止する為に図2に示す様に軸受16を収容する軸受ハウジング11のナット2側の端面に円筒状の蛇腹12及びこの蛇腹12がナット2の移動によって図3に示す様に圧縮された後に元の位置までに復帰させる為のコイルバネ13を設けた。
実施例ではねじ軸1の一方の軸受ハウジング11のみに蛇腹を設けた例を示している。
蛇腹12の両端にはフランジ部14を設けてあり、軸受ハウジング11側のフランジ部14には数箇所の貫通孔が設けられている。この貫通孔にねじを通し、軸受ハウジング11に設けられたねじ穴にねじをねじ込んで軸受ハウジング11に固定する。
蛇腹12の外周の両フランジ14間にはコイルバネ13が配置されている。
実施例ではねじ軸1の一方の軸受ハウジング11のみに蛇腹を設けた例を示している。
蛇腹12の両端にはフランジ部14を設けてあり、軸受ハウジング11側のフランジ部14には数箇所の貫通孔が設けられている。この貫通孔にねじを通し、軸受ハウジング11に設けられたねじ穴にねじをねじ込んで軸受ハウジング11に固定する。
蛇腹12の外周の両フランジ14間にはコイルバネ13が配置されている。
ナット2がねじ軸1上を例えば図2にいて左に移動すると蛇腹12が延びた状態の端部にナット2が当たり、蛇腹12が図3に示す位置まで圧縮される。この圧縮された状態からナット2が右方向に移動するとナット2の移動に伴って、コイルバネ13の復元力によって蛇腹12が元の位置まで復帰する。
蛇腹12が図3に示す位置まで圧縮された状態の位置(ナット2のストロークエンド)でナット2の端面部のねじ軸1上にはグリースが堆積している。この堆積したグリースはある程度の大きさのかたまりになるとねじ軸1の回転による遠心力によってねじ軸1の外周方向に飛散する。
しかしながら、図3の蛇腹12が圧縮された状態からナット2が右方向に移動し始めるとナット2の移動と共にコイルバネ13の復元力によって蛇腹12の元に位置まで戻り始める。
蛇腹12が戻りきった後にねじ軸1の回転がグリース9が飛散し始める回転数以上になるので飛散したグリース9は蛇腹12の内周面に捕捉される。
この様に軸受ハウジング11の端部に復帰用のコイルバネ13を装着した蛇腹12を設けることでナット2がねじ軸1上の移動を繰り返して、ナット2のストロークエンドのねじ軸1上に溜まったグリース9が飛散しても軸受ハウジング11の端部に設けた蛇腹12によって捕捉され、周囲に飛散することを防止でき、周囲を汚すことを防止することが出来る。
蛇腹12が図3に示す位置まで圧縮された状態の位置(ナット2のストロークエンド)でナット2の端面部のねじ軸1上にはグリースが堆積している。この堆積したグリースはある程度の大きさのかたまりになるとねじ軸1の回転による遠心力によってねじ軸1の外周方向に飛散する。
しかしながら、図3の蛇腹12が圧縮された状態からナット2が右方向に移動し始めるとナット2の移動と共にコイルバネ13の復元力によって蛇腹12の元に位置まで戻り始める。
蛇腹12が戻りきった後にねじ軸1の回転がグリース9が飛散し始める回転数以上になるので飛散したグリース9は蛇腹12の内周面に捕捉される。
この様に軸受ハウジング11の端部に復帰用のコイルバネ13を装着した蛇腹12を設けることでナット2がねじ軸1上の移動を繰り返して、ナット2のストロークエンドのねじ軸1上に溜まったグリース9が飛散しても軸受ハウジング11の端部に設けた蛇腹12によって捕捉され、周囲に飛散することを防止でき、周囲を汚すことを防止することが出来る。
本発明はジャバラを設けたボールねじ装置として各種機械装置に広く適用できる。
1 ねじ軸
2 ナット
3 軸側ねじ溝
4 ナット側ねじ溝
5 ボール
6 循環チューブ
11 軸受ハウジング
12 蛇腹
13 コイルバネ
2 ナット
3 軸側ねじ溝
4 ナット側ねじ溝
5 ボール
6 循環チューブ
11 軸受ハウジング
12 蛇腹
13 コイルバネ
Claims (1)
- 外周面に螺旋状の軸軌道溝を形成したねじ軸と、内周面に前記軸軌道溝に対向するナット軌道溝を形成したナットと、軸軌道溝とナット軌道溝とを螺合させる複数のボールとを備えたボールねじ装置において、前記ねじ軸の両端部を軸受によって支持し、この軸受を
収容する軸受ハウジングの前記ナット側の端面に円筒状の蛇腹を前記ねじ軸を覆う様に設け、該蛇腹が前記ナットの移動によって圧縮された際に元の位置に復帰させる為のコイルバネを前記蛇腹の外周部に設けたことを特徴とするボールねじ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011035274A JP2012172762A (ja) | 2011-02-22 | 2011-02-22 | ボールねじ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011035274A JP2012172762A (ja) | 2011-02-22 | 2011-02-22 | ボールねじ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012172762A true JP2012172762A (ja) | 2012-09-10 |
Family
ID=46975856
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011035274A Withdrawn JP2012172762A (ja) | 2011-02-22 | 2011-02-22 | ボールねじ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012172762A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101554197B1 (ko) | 2014-03-31 | 2015-09-21 | 주식회사 선익시스템 | 마스크 얼라인 장치 |
-
2011
- 2011-02-22 JP JP2011035274A patent/JP2012172762A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101554197B1 (ko) | 2014-03-31 | 2015-09-21 | 주식회사 선익시스템 | 마스크 얼라인 장치 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20140513 |