JP4906979B1 - ホイップ用冷凍生クリームの製造方法 - Google Patents
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Abstract
生クリームを冷却する冷却工程を含み、前記冷却工程において、前記生クリームは、0℃から−5℃までの間を8分間以下で通過するホイップ用冷凍生クリームの製造方法、及び該製造方法により製造されたホイップ用冷凍生クリーム、並びに前記ホイップ用冷凍生クリームを用いたホイップクリーム及びその製造方法である。
【選択図】なし
Description
前記生クリームは、ホイップ(「起泡」、又は「泡立て」と称することがある。)した後、ケーキの装飾などに用いられている。
ここで、上述のように、ホイップ用生クリームは、冷蔵で保管等されているため、その賞味期限が短く、特に海外から輸入をする場合には、賞味期限が短いことは非常に大きな問題であり、その問題の解決が強く求められている。
<1> 生クリームを冷却する冷却工程を含み、
前記冷却工程において、前記生クリームは、0℃から−5℃までの間を8分間以下で通過することを特徴とするホイップ用冷凍生クリームの製造方法である。
<2> 冷却工程が生クリームを少なくとも−20℃まで冷却する工程である前記<1>に記載のホイップ用冷凍生クリームの製造方法である。
<3> 冷却工程において、前記生クリームは、−5℃から−20℃までの間を9分間以下で通過する前記<1>から<2>のいずれかに記載のホイップ用冷凍生クリームの製造方法である。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載のホイップ用冷凍生クリームの製造方法により製造されたことを特徴とするホイップ用冷凍生クリームである。
<5> 前記<1>から<3>のいずれかに記載のホイップ用冷凍生クリームの製造方法により製造されたホイップ用冷凍生クリームを3℃から10℃の間で解凍する解凍工程と、
前記解凍工程で解凍された生クリームを泡立てる起泡工程とを含むことを特徴とするホイップクリームの製造方法である。
<6> 前記<5>に記載のホイップクリームの製造方法により製造されたことを特徴とするホイップクリームである。
本発明のホイップ用冷凍生クリームは、本発明のホイップ用冷凍生クリームの製造方法により製造することができる。
以下、本発明のホイップ用冷凍生クリームの製造方法の説明と併せて本発明のホイップ用冷凍生クリームを説明する。
本発明のホイップ用冷凍生クリームの製造方法は、冷却工程を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
前記冷却工程は、生クリームを冷却し、冷凍させる工程である。
前記生クリームは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令において定められているものをいう。前記生クリームは、従来冷凍保存されているホイップドクリームと異なり、冷凍保存するためのホイップがされていない生クリームである。
前記生クリームは、乳から製造された直後のものを使用してもよいし、市販の冷蔵生クリームを使用してもよい。
前記生クリームの乳脂肪分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記生クリームの冷却の終点温度としては、前記生クリームを冷凍することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、−60℃〜−40℃が好ましく、−40℃〜−20℃がより好ましく、−20℃付近が特に好ましい。
前記生クリームの冷却温度が、−60℃未満であると冷却の時間及びコストを要することがあり、−20℃を超えると、生クリームが十分に冷凍されないことがある。一方、前記生クリームの冷却温度が−20℃付近であると、冷却に要する時間及びコストが効率的であり、また、流通時においても冷凍生クリームの温度変化が少なく、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で有利である。
前記芯温の測定装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、AM−8000シリーズ(安立計器株式会社製)などが挙げられる。
前記芯温は、前記生クリームを収容している容器の外部から、前記測定装置の温度センサを前記生クリームの中心に位置するように設置することにより測定することができる。
前記冷却工程では、前記生クリームの芯温は、0℃から−5℃までの間を8分間以下で通過する。前記通過時間とすることにより、生クリーム中の脂肪球が破壊されることを抑えることができ、その結果、解凍後のクリーム性状が冷蔵保存の生クリームと同等であり、かつ、ホイップクリームとした際のなめらかさ、口どけといった品質も冷蔵保存の生クリームをホイップしたホイップクリームと同等となるものと推測される。
前記生クリームの芯温の0℃から−5℃までの通過時間としては、8分間以下であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、7分間以下が好ましく、6分間以下がより好ましく、5分間以下が特に好ましい。
前記生クリームの芯温の0℃から−5℃までの通過時間が、8分間を超えると、解凍後にホイップクリームとした場合の品質が劣ることがある。一方、前記生クリームの芯温の0℃から−5℃までの通過時間が、5分間以下であると、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で、有利である。
前記0℃から−5℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度としては、生クリームの芯温が0℃から−5℃までの間を8分間以下で通過する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.7℃/分〜6℃/分が好ましく、0.9℃/分〜6℃/分がより好ましく、1.0℃/分〜6℃/分が特に好ましい。
前記0℃から−5℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度が、0.7℃/分未満であると、冷却速度が緩慢となり、解凍後にホイップクリームとした場合の品質が低下することがあり、6℃/分を超えると、冷却に要するコストが大きくなることがある。一方、前記0℃から−5℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度が前記特に好ましい範囲内であると、効率よくホイップ用冷凍生クリームを製造することができ、また、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で有利である。
前記0℃から−5℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度は、一定の速度であってもよいし、異なる速度であってもよいが、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で、一定の速度が好ましい。
前記生クリームの芯温の0℃から−20℃までの間の到達乃至通過時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40分間以下が好ましく、25分間以下がより好ましく、15分間以下が特に好ましい。
前記生クリームの芯温の0℃から−20℃までの間の到達乃至通過時間が、40分間を超えると、解凍後にホイップクリームとした場合の品質が劣ることがある。一方、前記生クリームの芯温の0℃から−20℃までの間の到達乃至通過時間が、15分間以下であると、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で、有利である。
前記0℃から−20℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5℃/分〜2.5℃/分が好ましく、0.8℃/分〜2.5℃/分がより好ましく、1.3℃/分〜2.5℃/分が特に好ましい。
前記0℃から−20℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度が、0.5℃/分未満であると、冷却速度が緩慢となり、解凍後にホイップクリームとした場合の品質が低下することがあり、2.5℃/分を超えると、冷却に要するコストが大きくなることがある。一方、前記0℃から−20℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度が前記特に好ましい範囲内であると、効率よくホイップ用冷凍生クリームを製造することができ、また、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で有利である。
前記0℃から−20℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度は、一定の速度であってもよいし、異なる速度であってもよいが、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で、一定の速度が好ましい。
前記生クリームの芯温の−5℃から−20℃までの間の到達乃至通過時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25分間以下が好ましく、20分間以下がより好ましく、9分間以下が特に好ましい。
前記生クリームの芯温の−5℃から−20℃までの間の到達乃至通過時間が、25分間を超えると、解凍後にホイップクリームとした場合の品質が劣ることがある。一方、前記生クリームの芯温の−5℃から−20℃までの間の到達乃至通過時間が、9分間以下であると、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で、有利である。
前記−5℃から−20℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.6℃/分〜3℃/分が好ましく、0.8℃/分〜3℃/分がより好ましく、1.7℃/分〜3℃/分が特に好ましい。
前記−5℃から−20℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度が、0.6℃/分未満であると、冷却速度が緩慢となり、解凍後にホイップクリームとした場合の品質が低下することがあり、3℃/分を超えると、冷却に要するコストが大きくなることがある。一方、前記−5℃から−20℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度が前記特に好ましい範囲内であると、効率よくホイップ用冷凍生クリームを製造することができ、また、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で有利である。
前記−5℃から−20℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度は、一定の速度であってもよいし、異なる速度であってもよいが、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で、一定の速度が好ましい。
前記冷却工程における冷却手段としては、前記生クリームの芯温が0℃から−5℃までの間を8分間以下で通過することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、短時間で冷却することができる点で、液体窒素が好ましい。
前記液体窒素を用いた冷却装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボックスフリーザー(BF−350、BF−600、BF−1000:いずれも昭和炭酸株式会社製)、トンネルフリーザー(TF−2000、TF−3000、TF−4000、TF−6000:いずれも昭和炭酸株式会社製)などが挙げられる。
前記生クリームの芯温は、前記冷却装置の設定を適宜調整することにより調整することができ、例えば、液体窒素を用いた冷却装置を用いて庫内温度を−100℃〜−130℃とすることにより調整することができる。冷却工程における前記庫内温度の設定は、一定温度であってもよいし、変更してもよい。
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、予冷工程などが挙げられる。
前記予冷工程は、冷蔵状態(3℃〜10℃)の生クリームを予め0℃付近まで冷却する工程である。
前記予冷工程により、前記冷却工程の冷却を速やかに実施することが可能となる。
前記予冷工程の冷却手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記冷却工程の冷却手段と同様の冷却手段を用いることができる。
本発明のホイップクリームは、本発明のホイップクリームの製造方法により製造することができる。本発明のホイップクリームは、なめらかさ、口どけといった品質の点で、冷蔵保存の生クリームをホイップしたホイップクリームと同程度の品質を有する。
以下、本発明のホイップクリームの製造方法の説明と併せて本発明のホイップクリームを説明する。
本発明のホイップクリームの製造方法は、解凍工程と、起泡工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
前記解凍工程は、本発明のホイップ用冷凍生クリームの製造方法により製造されたホイップ用冷凍生クリームを3℃から10℃の間で解凍する工程である。
前記ホイップ用冷凍生クリームの解凍温度としては、3℃から10℃の間であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ホイップ用冷凍生クリームの解凍時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5時間〜60時間が挙げられる。
前記ホイップ用冷凍生クリームの解凍方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、冷蔵庫内に静置した状態で解凍する方法、流水により解凍する方法などが挙げられる。これらの方法の中でも、簡便に解凍することができる点で、冷蔵庫内に静置した状態で解凍する方法が好ましい。
前記起泡工程は、前記解凍工程で解凍された生クリームを泡立てる工程である。
前記生クリームを泡立てる温度及びとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記生クリームを泡立てる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、機器を用いる方法、手動で行う方法などが挙げられる。
前記機器としては、特に制限はなく、公知の機器を適宜選択することができ、例えば、HAND MIXER(HOME ELECTRIC社製)が挙げられる。
前記生クリームを泡立てる際には、生クリームを間接的に氷冷しながら行うことが好ましい。
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保存工程などが挙げられる。
前記保存工程は、解凍した生クリームを保存する工程である。
本発明のホイップクリームの製造方法は、解凍工程の後、続けて起泡工程を行ってもよいし、保存工程を経て所望の時期に起泡工程を行ってもよい。
前記保存温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3℃から10℃などが挙げられる。
コントロールとして、冷蔵保存(5℃、冷蔵庫で保存)した生クリーム(商品名:フレッシュクリーム38、1,000mL、乳脂肪分 38質量%、株式会社明治)を用意した。
前記生クリームの性状について、容器を開封した後の状態を目視により観察したところ、さらさらとしており、容器内側に固形物の付着がなかった。
<<起泡工程>>
前記参考例1の生クリームの質量に対し、7質量%の砂糖を添加し、500mLをボールに入れ、間接的に氷冷しながら、HAND MIXER(HOME ELECTRIC社製)を用いて、SPEED5の条件で4分間ホイップし、ホイップクリームを製造した。
−−オーバーラン−−
前記参考例1のホイップクリームのオーバーラン(%)を下記式(1)により算出した結果、114%だった。
ホイップクリームのオーバーラン(%)={(A−B)/B}×100 ・・・式(1)
前記式(1)中、「A」は「体積500mL当たりのホイップ前のクリームの質量」を表し、「B」は「体積500mL当たりのホイップ後のクリームの質量」を表す。
前記参考例1のホイップクリームのなめらかさ、及び口どけについて、パネラー5名により評価した。なお、前記参考例1のホイップクリームのなめらかさ、及び口どけを基準(評価点数:3点)とし、後述の実施例1、参考例2、及び比較例のホイップクリームのなめらかさ、及び口どけを評価した。
前記参考例1のホイップクリームは、なめらかな舌ざわりであり、粒状感がないものであった。
<ホイップ用冷凍生クリームの製造>
<<冷却工程>>
生クリームとして、前記参考例1と同じフレッシュクリーム38を用意した。
冷却手段として、液体窒素を冷媒として用いたボックス型のフリーザー(昭和炭酸株式会社製、BF−350)を用い、フリーザー内の温度を−130℃に設定し、冷却工程を行った。
前記冷却工程における生クリームの温度(芯温)変化は、安立計器株式会社製のAM−8000Eを用い、前記生クリームを収容している容器の外部から、前記測定装置の温度センサを前記生クリームの中心に位置するように設置することにより測定した。
前記冷却工程は、前記生クリームの芯温が−20℃となるまで行い、得られたホイップ用冷凍生クリームは、−20℃の冷凍庫で保管した。
また、前記冷却工程における生クリームの芯温が0℃から−20℃となるまでの間の時間は11.6分間であり、その間の冷却速度は1.7℃/分であった。
そして、前記冷却工程における生クリームの芯温が−5℃から−20℃となるまでの間の時間は7.4分間であり、その間の冷却速度は2.0℃/分であった。
前記冷却工程における生クリームの芯温の変化を図1に示す。図1中、「A」が、実施例1の冷却工程における生クリームの芯温の変化を表すグラフである。
<<解凍工程>>
前記−20℃の冷凍庫で保管したホイップ用冷凍生クリームを、5℃の冷蔵庫内で48時間静置することにより解凍した。
前記解凍した生クリームの性状について、容器を開封した後の状態を目視により観察したところ、さらさらとしており、容器内側に固形物の付着がなかった。
前記参考例1の起泡工程において、前記参考例1の生クリームを用いていた点を前記実施例1の解凍後の生クリームに代えた以外は、前記参考例1の起泡工程と同様にして、ホイップクリームを製造した。
−−オーバーラン−−
前記参考例1と同様に、前記式(1)よりオーバーラン(%)を算出した結果、114%だった。
前記参考例1と同様にホイップクリームのなめらかさ、及び口どけについて、パネラー5名により下記基準に基づき評価を行った。パネラー5名の評価を平均したところ、なめらかさは3点、口どけも3点であり、前記参考例1のホイップクリームと同等だった。
前記実施例1のホイップクリームは、なめらかな舌ざわりであり、粒状感がないものであった。
・ なめらかさの基準
5点:参考例1のホイップクリームと比べて非常に良い。
4点:参考例1のホイップクリームと比べて良い。
3点:参考例1のホイップクリームと同等。
2点:参考例1のホイップクリームと比べて劣る。
1点:参考例1のホイップクリームと比べて非常に劣る。
・ 口どけの基準
5点:参考例1のホイップクリームと比べて非常に良い。
4点:参考例1のホイップクリームと比べて良い。
3点:参考例1のホイップクリームと同等。
2点:参考例1のホイップクリームと比べて劣る。
1点:参考例1のホイップクリームと比べて非常に劣る。
<ホイップ用冷凍生クリームの製造>
<<冷却工程>>
生クリームとして、前記参考例1と同じフレッシュクリーム38を用意した。
冷却手段として、液体窒素を冷媒として用いたボックス型のフリーザー(昭和炭酸株式会社製、BF−350)を用いた。前記フリーザー内の温度は、前記生クリームの芯温が−5℃になるまでは−130℃に設定し、前記生クリームの芯温が−5℃に到達した後は−80℃に設定した。
前記冷却工程における生クリームの温度(芯温)変化は、前記実施例1と同様にして測定した。
前記冷却工程は、前記生クリームの芯温が−20℃となるまで行い、得られたホイップ用冷凍生クリームは、−20℃の冷凍庫で保管した。
また、前記冷却工程における生クリームの芯温が0℃から−20℃となるまでの間の時間は22.8分間であり、その間の冷却速度は0.9℃/分であった。
そして、前記冷却工程における生クリームの芯温が−5℃から−20℃となるまでの間の時間は19.9分間であり、その間の冷却速度は0.8℃/分であった。
前記冷却工程における生クリームの芯温の変化を図1に示す。図1中、「B」が、参考例2の冷却工程における生クリームの芯温の変化を表すグラフである。
<<解凍工程>>
前記−20℃の冷凍庫で保管したホイップ用冷凍生クリームを、5℃の冷蔵庫内で48時間静置することにより解凍した。
前記解凍した生クリームの性状について、容器を開封した後の状態を目視により観察したところ、さらさらとしており、容器内側に固形物の付着がなかった。
前記参考例1の起泡工程において、前記参考例1の生クリームを用いていた点を前記参考例2の解凍後の生クリームに代えた以外は、前記参考例1の起泡工程と同様にして、ホイップクリームを製造した。
−−オーバーラン−−
前記参考例1と同様に、前記式(1)よりオーバーラン(%)を算出した結果、106%だった。
前記実施例1と同様にして、ホイップクリームのなめらかさ、及び口どけについて評価を行った結果、パネラー5名の評価を平均点は、なめらかさは3点、口どけは2点であった。
前記参考例2のホイップクリームは、なめらかな舌ざわりであり、粒状感がないもののやや油っぽいものであった。なお、前記参考例2のホイップクリームは、使用が可能なものである。
<ホイップ用冷凍生クリームの製造>
<<冷却工程>>
生クリームとして、前記参考例1と同じフレッシュクリーム38を用意した。
冷却手段として、−20℃の冷凍庫(日本フリーザー株式会社製、GSS−3065F3)を用いた。
前記冷却工程における生クリームの温度(芯温)変化は、前記実施例1と同様にして測定した。
前記冷却工程は、前記生クリームの芯温が−20℃となるまで行い、得られたホイップ用冷凍生クリームは、−20℃の冷凍庫で保管した。
また、前記冷却工程における生クリームの芯温が0℃から−20℃となるまでの間の時間は116分間であり、その間の冷却速度は0.17℃/分であった。
そして、前記冷却工程における生クリームの芯温が−5℃から−20℃となるまでの間の時間は68分間であり、その間の冷却速度は0.22℃/分であった。
前記冷却工程における生クリームの芯温の変化を図2に示す。図2中、「C」が、比較例1の冷却工程における生クリームの芯温の変化を表すグラフである。
<<解凍工程>>
前記−20℃の冷凍庫で保管したホイップ用冷凍生クリームを、5℃の冷蔵庫内で48時間静置することにより解凍した。
前記解凍した生クリームの性状について、容器を開封した後の状態を目視により観察したところ、容器内側に固形物が付着し、液中に凝集物が多数見られた。
前記参考例1の起泡工程において、前記参考例1の生クリームを用いていた点を前記比較例1の解凍後の生クリームに代えた以外は、前記参考例1の起泡工程と同様にして、ホイップクリームを製造した。
−−オーバーラン−−
前記参考例1と同様に、前記式(1)よりオーバーラン(%)を算出した結果、98%だった。
前記実施例1と同様にして、ホイップクリームのなめらかさ、及び口どけについて評価を行った結果、パネラー5名の評価を平均点は、なめらかさは2点、口どけは1点であった。
前記比較例1のホイップクリームは、ざらざらとした舌ざわりであり、油っぽいものであった。
<ホイップ用冷凍生クリームの製造>
<<冷却工程>>
生クリームとして、前記参考例1と同じフレッシュクリーム38を用意した。
冷却手段として、−40℃の冷凍庫(日本フリーザー株式会社製、SF−3156HC)を用いた。
前記冷却工程における生クリームの温度(芯温)変化は、前記実施例1と同様にして測定した。
前記冷却工程は、前記生クリームの芯温が−40℃となるまで行い、得られたホイップ用冷凍生クリームは、−20℃の冷凍庫で保管した。
また、前記冷却工程における生クリームの芯温が0℃から−20℃までの間を通過する時間は68分間であり、その間の冷却速度は0.29℃/分であった。
そして、前記冷却工程における生クリームの芯温が−5℃から−20℃までの間を通過する時間は40分間であり、その間の冷却速度は0.38℃/分であった。
前記冷却工程における生クリームの芯温の変化を図2に示す。図2中、「D」が、比較例2の冷却工程における生クリームの芯温の変化を表すグラフである。
<<解凍工程>>
前記−20℃の冷凍庫で保管したホイップ用冷凍生クリームを、5℃の冷蔵庫内で48時間静置することにより解凍した。
前記解凍した生クリームの性状について、容器を開封した後の状態を目視により観察したところ、容器内側に固形物が付着し、液中に凝集物が多数見られた。
前記参考例1の起泡工程において、前記参考例1の生クリームを用いていた点を前記比較例2の解凍後の生クリームに代えた以外は、前記参考例1の起泡工程と同様にして、ホイップクリームを製造した。
−−オーバーラン−−
前記参考例1と同様に、前記式(1)よりオーバーラン(%)を算出した結果、103%だった。
前記実施例1と同様にして、ホイップクリームのなめらかさ、及び口どけについて評価を行った結果、パネラー5名の評価を平均点は、なめらかさは1点、口どけも1点であった。
前記比較例2のホイップクリームは、ざらざらとした舌ざわりであり、油っぽいものであった。
<ホイップ用冷凍生クリームの製造>
<<冷却工程>>
生クリームとして、前記参考例1と同じフレッシュクリーム38を用意した。
冷却手段として、−80℃の冷凍庫(朝日ライフサイエンス株式会社製、レブコ超低温槽 ULT−1386−5−A41)を用いた。
前記冷却工程における生クリームの温度(芯温)変化は、前記実施例1と同様にして測定した。
前記冷却工程は、前記生クリームの芯温が−80℃となるまで行い、得られたホイップ用冷凍生クリームは、−20℃の冷凍庫で保管した。
また、前記冷却工程における生クリームの芯温が0℃から−20℃までの間を通過する時間は48分間であり、その間の冷却速度は0.42℃/分であった。
そして、前記冷却工程における生クリームの芯温が−5℃から−20℃までの間を通過する時間は34分間であり、その間の冷却速度は0.44℃/分であった。
前記冷却工程における生クリームの芯温の変化を図2に示す。図2中、「E」が、比較例3の冷却工程における生クリームの芯温の変化を表すグラフである。
<<解凍工程>>
前記−20℃の冷凍庫で保管したホイップ用冷凍生クリームを、5℃の冷蔵庫内で48時間静置することにより解凍した。
前記解凍した生クリームの性状について、容器を開封した後の状態を目視により観察したところ、容器内側に固形物が付着し、液中に凝集物が多数見られた。
前記参考例1の起泡工程において、前記参考例1の生クリームを用いていた点を前記比較例3の解凍後の生クリームに代えた以外は、前記参考例1の起泡工程と同様にして、ホイップクリームを製造した。
−−オーバーラン−−
前記参考例1と同様に、前記式(1)よりオーバーラン(%)を算出した結果、96%だった。
前記実施例1と同様にして、ホイップクリームのなめらかさ、及び口どけについて評価を行った結果、パネラー5名の評価の平均点は、なめらかさは1点、口どけも1点であった。
前記比較例3のホイップクリームは、ざらざらとした舌ざわりであり、油っぽいものであった。
更に、生クリームの芯温の−5℃から−20℃までの間の通過時間が参考例2よりも速い実施例1の製造方法で得られたホイップ用冷凍生クリームは、オーバーラン及び口どけの評価の点で、より冷凍していない参考例1(コントロール)の生クリームを用いたホイップクリームに近いものであることが示された。
一方、生クリームの芯温が0℃から−5℃までの間を8分間を超える時間で通過させた比較例1から3の製造方法で得られたホイップ用冷凍生クリームは、解凍時のクリーム性状、並びにホイップクリームとした際のオーバーラン及び官能評価のいずれもが、参考例1、並びに実施例1及び参考例2と比較して劣るものであった。
また、本発明のホイップクリームの製造方法によれば、ケーキの装飾などに用いることができるホイップクリームを製造することができる。
Claims (3)
- 生クリームを冷却する冷却工程を含み、
前記冷却工程において、前記生クリームは、0℃から−5℃までの間を8分間以下で通過し、かつ、−5℃から−20℃までの間を9分間以下で到達乃至通過することを特徴とするホイップ用冷凍生クリームの製造方法。 - 冷却工程において、生クリームは、0℃から−20℃までの間を15分間以下で到達乃至通過する請求項1に記載のホイップ用冷凍生クリームの製造方法。
- 冷却工程において、生クリームは、0℃から−5℃までの間を5分間以下で通過する請求項1から2のいずれかに記載のホイップ用冷凍生クリームの製造方法。
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