JP4906979B1 - ホイップ用冷凍生クリームの製造方法 - Google Patents

ホイップ用冷凍生クリームの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4906979B1
JP4906979B1 JP2011540241A JP2011540241A JP4906979B1 JP 4906979 B1 JP4906979 B1 JP 4906979B1 JP 2011540241 A JP2011540241 A JP 2011540241A JP 2011540241 A JP2011540241 A JP 2011540241A JP 4906979 B1 JP4906979 B1 JP 4906979B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cream
fresh cream
whipped
fresh
frozen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011540241A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2013042186A1 (ja
Inventor
智 若菜
潔 長谷川
貴康 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oriental Yeast Co Ltd
Original Assignee
Oriental Yeast Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oriental Yeast Co Ltd filed Critical Oriental Yeast Co Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP4906979B1 publication Critical patent/JP4906979B1/ja
Publication of JPWO2013042186A1 publication Critical patent/JPWO2013042186A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C13/00Cream; Cream preparations; Making thereof
    • A23C13/08Preservation
    • A23C13/085Freezing; Subsequent melting
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C13/00Cream; Cream preparations; Making thereof
    • A23C13/12Cream preparations
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C13/00Cream; Cream preparations; Making thereof
    • A23C13/08Preservation
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C2210/00Physical treatment of dairy products
    • A23C2210/30Whipping, foaming, frothing or aerating dairy products

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Dairy Products (AREA)
  • Grain Derivatives (AREA)
  • Freezing, Cooling And Drying Of Foods (AREA)

Abstract

冷凍保存することができ、解凍後のクリーム性状が冷蔵保存の生クリームと同等であり、かつ、ホイップクリームとした際のなめらかさ、口どけといった品質も冷蔵保存の生クリームをホイップしたホイップクリームと同等であるホイップ用冷凍生クリームの製造方法、及び前記製造方法により製造されたホイップ用冷凍生クリーム、並びに、前記ホイップ用冷凍生クリームを用いたホイップクリーム及びその製造方法の提供。
生クリームを冷却する冷却工程を含み、前記冷却工程において、前記生クリームは、0℃から−5℃までの間を8分間以下で通過するホイップ用冷凍生クリームの製造方法、及び該製造方法により製造されたホイップ用冷凍生クリーム、並びに前記ホイップ用冷凍生クリームを用いたホイップクリーム及びその製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ホイップ用冷凍生クリーム及びその製造方法、並びにホイップクリーム及びその製造方法に関する。
クリーム類は、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令において、「クリームとは、生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したものをいう。」と定義されている。また、同省令の「乳製品の成分規格並びに製造及び保存の方法の基準」では、「成分規格」として、「乳脂肪分 18.0%以上、酸度(乳酸として) 0.20%以下、細菌数(標準平板培養法で1mL当たり) 100,000以下、大腸菌群 陰性」と定められており、「製造方法の基準」及び「保存の方法の基準」についても定めがある。更に、生クリームは、これらの定めのほかに、植物油脂や乳化剤などの添加物を一切加えることができないという条件がある。
前記生クリームは、ホイップ(「起泡」、又は「泡立て」と称することがある。)した後、ケーキの装飾などに用いられている。
前記生クリームは、冷凍してしまうと解凍後にホイップしても、著しく品質が劣るホイップクリームとなってしまうという問題があり、ホイップクリーム用とする場合には、生クリームを冷凍してはならないというのが当業者の常識である(例えば、非特許文献1参照)。
上記問題を解決するために、例えば、乳化剤等を混合して得られた原料を所定の加圧下で均質化することにより、長期間凍結保存して、いつ解凍してホイップしても優れたホイップトッピングができるクリームが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、前記提案では、乳化剤が混合されているため、生クリームではなく、また、風味が劣ったり、最近の天然志向から外れてしまったりという問題がある。
また、クリームをホイップして凍結した凍結ホイップドクリームも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、前記提案の凍結ホイップドクリームにおいても、乳化剤が添加されているため、生クリームではなく、また、風味が劣ったり、最近の天然志向から外れてしまったりという問題がある。
以上のような状況から、ホイップ用生クリームは、冷凍せず、冷蔵(3℃〜10℃)で保管及び流通されているのが現状である。
近年、消費者の天然志向から、有機食品が注目されている。しかしながら、日本国内では、有機生クリームを製造するために必要な有機牛乳が十分に存在しているとは言えず、有機生クリームを製造することは困難な状況にある。そのため、有機生クリームを入手するためには、海外から輸入することも1つの手段となる。
ここで、上述のように、ホイップ用生クリームは、冷蔵で保管等されているため、その賞味期限が短く、特に海外から輸入をする場合には、賞味期限が短いことは非常に大きな問題であり、その問題の解決が強く求められている。
また、国内においても過剰に生産された牛乳が廃棄されている現状があり、廃棄される牛乳の新たな用途を見出し、有効活用することが模索されている。
したがって、冷凍保存することができ、解凍後のクリーム性状が冷蔵保存の生クリームと同等であり、かつ、ホイップクリームとした際のなめらかさ、口どけといった品質も冷蔵保存の生クリームをホイップしたホイップクリームと同等であるホイップ用冷凍生クリームの開発が強く求められているのが現状である。
特開昭52−79059号公報 特開昭58−51864号公報
澤山 茂、「調理の科学<味・材料・加工法を解析する> 97 クリームに関する基礎的な知識」、製菓製パン、2007年1月、Vol.73、No.1、147ページ−149ページ
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、冷凍保存することができ、解凍後のクリーム性状が冷蔵保存の生クリームと同等であり、かつ、ホイップクリームとした際のなめらかさ、口どけといった品質も冷蔵保存の生クリームをホイップしたホイップクリームと同等であるホイップ用冷凍生クリームの製造方法を提供すること、及び前記製造方法により製造されたホイップ用冷凍生クリーム、並びに、前記ホイップ用冷凍生クリームを用いたホイップクリーム及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、0℃から−5℃までの間を8分間以下で通過させることにより製造したホイップ用冷凍生クリームが、冷凍保存することができ、解凍後のクリーム性状が冷蔵保存の生クリームと同等であり、かつ、ホイップクリームとした際のなめらかさ、口どけといった品質も冷蔵保存の生クリームをホイップしたホイップクリームと同等であることを見出した。また、驚くべきことに、0℃から−5℃までの間を8分間以下で通過させることにより製造したホイップ用冷凍生クリームは、最大氷結晶生成帯と呼ばれる−5℃から0℃の間を緩やかに通過するような厳しい条件下、即ち、特殊な解凍手段を用いない、例えば、冷蔵庫内に静置して解凍した場合であっても、解凍後のクリーム性状が冷蔵保存の生クリームと同等であり、かつ、ホイップクリームとした際のなめらかさ、口どけといった品質も冷蔵保存の生クリームをホイップしたホイップクリームと同等であることを見出した。以上より、本発明者らは、本発明の完成に至った。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 生クリームを冷却する冷却工程を含み、
前記冷却工程において、前記生クリームは、0℃から−5℃までの間を8分間以下で通過することを特徴とするホイップ用冷凍生クリームの製造方法である。
<2> 冷却工程が生クリームを少なくとも−20℃まで冷却する工程である前記<1>に記載のホイップ用冷凍生クリームの製造方法である。
<3> 冷却工程において、前記生クリームは、−5℃から−20℃までの間を9分間以下で通過する前記<1>から<2>のいずれかに記載のホイップ用冷凍生クリームの製造方法である。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載のホイップ用冷凍生クリームの製造方法により製造されたことを特徴とするホイップ用冷凍生クリームである。
<5> 前記<1>から<3>のいずれかに記載のホイップ用冷凍生クリームの製造方法により製造されたホイップ用冷凍生クリームを3℃から10℃の間で解凍する解凍工程と、
前記解凍工程で解凍された生クリームを泡立てる起泡工程とを含むことを特徴とするホイップクリームの製造方法である。
<6> 前記<5>に記載のホイップクリームの製造方法により製造されたことを特徴とするホイップクリームである。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、冷凍保存することができ、解凍後のクリーム性状が冷蔵保存の生クリームと同等であり、かつ、ホイップクリームとした際のなめらかさ、口どけといった品質も冷蔵保存の生クリームをホイップしたホイップクリームと同等であるホイップ用冷凍生クリームの製造方法を提供すること、及び前記製造方法により製造されたホイップ用冷凍生クリーム、並びに、前記ホイップ用冷凍生クリームを用いたホイップクリーム及びその製造方法を提供することができる。
図1は、実施例1及び参考例2の冷却工程における生クリームの芯温の変化を表すグラフである。 図2は、比較例1から3の冷却工程における生クリームの芯温の変化を表すグラフである。
(ホイップ用冷凍生クリーム)
本発明のホイップ用冷凍生クリームは、本発明のホイップ用冷凍生クリームの製造方法により製造することができる。
以下、本発明のホイップ用冷凍生クリームの製造方法の説明と併せて本発明のホイップ用冷凍生クリームを説明する。
(ホイップ用冷凍生クリームの製造方法)
本発明のホイップ用冷凍生クリームの製造方法は、冷却工程を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
<冷却工程>
前記冷却工程は、生クリームを冷却し、冷凍させる工程である。
<<生クリーム>>
前記生クリームは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令において定められているものをいう。前記生クリームは、従来冷凍保存されているホイップドクリームと異なり、冷凍保存するためのホイップがされていない生クリームである。
前記生クリームは、乳から製造された直後のものを使用してもよいし、市販の冷蔵生クリームを使用してもよい。
前記生クリームの乳脂肪分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<<冷却の終点温度>>
前記生クリームの冷却の終点温度としては、前記生クリームを冷凍することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、−60℃〜−40℃が好ましく、−40℃〜−20℃がより好ましく、−20℃付近が特に好ましい。
前記生クリームの冷却温度が、−60℃未満であると冷却の時間及びコストを要することがあり、−20℃を超えると、生クリームが十分に冷凍されないことがある。一方、前記生クリームの冷却温度が−20℃付近であると、冷却に要する時間及びコストが効率的であり、また、流通時においても冷凍生クリームの温度変化が少なく、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で有利である。
本発明において、前記生クリームの温度とは、冷却対象の生クリームの中心部分の温度(以下、「芯温」と称することがある。)をいう。
前記芯温の測定装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、AM−8000シリーズ(安立計器株式会社製)などが挙げられる。
前記芯温は、前記生クリームを収容している容器の外部から、前記測定装置の温度センサを前記生クリームの中心に位置するように設置することにより測定することができる。
<<0℃から−5℃までの間の通過時間>>
前記冷却工程では、前記生クリームの芯温は、0℃から−5℃までの間を8分間以下で通過する。前記通過時間とすることにより、生クリーム中の脂肪球が破壊されることを抑えることができ、その結果、解凍後のクリーム性状が冷蔵保存の生クリームと同等であり、かつ、ホイップクリームとした際のなめらかさ、口どけといった品質も冷蔵保存の生クリームをホイップしたホイップクリームと同等となるものと推測される。
前記生クリームの芯温の0℃から−5℃までの通過時間としては、8分間以下であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、7分間以下が好ましく、6分間以下がより好ましく、5分間以下が特に好ましい。
前記生クリームの芯温の0℃から−5℃までの通過時間が、8分間を超えると、解凍後にホイップクリームとした場合の品質が劣ることがある。一方、前記生クリームの芯温の0℃から−5℃までの通過時間が、5分間以下であると、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で、有利である。
<<<0℃から−5℃までの間の冷却速度>>>
前記0℃から−5℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度としては、生クリームの芯温が0℃から−5℃までの間を8分間以下で通過する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.7℃/分〜6℃/分が好ましく、0.9℃/分〜6℃/分がより好ましく、1.0℃/分〜6℃/分が特に好ましい。
前記0℃から−5℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度が、0.7℃/分未満であると、冷却速度が緩慢となり、解凍後にホイップクリームとした場合の品質が低下することがあり、6℃/分を超えると、冷却に要するコストが大きくなることがある。一方、前記0℃から−5℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度が前記特に好ましい範囲内であると、効率よくホイップ用冷凍生クリームを製造することができ、また、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で有利である。
前記0℃から−5℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度は、一定の速度であってもよいし、異なる速度であってもよいが、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で、一定の速度が好ましい。
<<0℃から−20℃までの間の通過時間>>
前記生クリームの芯温の0℃から−20℃までの間の到達乃至通過時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40分間以下が好ましく、25分間以下がより好ましく、15分間以下が特に好ましい。
前記生クリームの芯温の0℃から−20℃までの間の到達乃至通過時間が、40分間を超えると、解凍後にホイップクリームとした場合の品質が劣ることがある。一方、前記生クリームの芯温の0℃から−20℃までの間の到達乃至通過時間が、15分間以下であると、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で、有利である。
<<<0℃から−20℃までの間の冷却速度>>>
前記0℃から−20℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5℃/分〜2.5℃/分が好ましく、0.8℃/分〜2.5℃/分がより好ましく、1.3℃/分〜2.5℃/分が特に好ましい。
前記0℃から−20℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度が、0.5℃/分未満であると、冷却速度が緩慢となり、解凍後にホイップクリームとした場合の品質が低下することがあり、2.5℃/分を超えると、冷却に要するコストが大きくなることがある。一方、前記0℃から−20℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度が前記特に好ましい範囲内であると、効率よくホイップ用冷凍生クリームを製造することができ、また、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で有利である。
前記0℃から−20℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度は、一定の速度であってもよいし、異なる速度であってもよいが、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で、一定の速度が好ましい。
<<−5℃から−20℃までの間の通過時間>>
前記生クリームの芯温の−5℃から−20℃までの間の到達乃至通過時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25分間以下が好ましく、20分間以下がより好ましく、9分間以下が特に好ましい。
前記生クリームの芯温の−5℃から−20℃までの間の到達乃至通過時間が、25分間を超えると、解凍後にホイップクリームとした場合の品質が劣ることがある。一方、前記生クリームの芯温の−5℃から−20℃までの間の到達乃至通過時間が、9分間以下であると、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で、有利である。
<<<−5℃から−20℃までの間の冷却速度>>>
前記−5℃から−20℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.6℃/分〜3℃/分が好ましく、0.8℃/分〜3℃/分がより好ましく、1.7℃/分〜3℃/分が特に好ましい。
前記−5℃から−20℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度が、0.6℃/分未満であると、冷却速度が緩慢となり、解凍後にホイップクリームとした場合の品質が低下することがあり、3℃/分を超えると、冷却に要するコストが大きくなることがある。一方、前記−5℃から−20℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度が前記特に好ましい範囲内であると、効率よくホイップ用冷凍生クリームを製造することができ、また、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で有利である。
前記−5℃から−20℃までの間の生クリームの芯温の冷却速度は、一定の速度であってもよいし、異なる速度であってもよいが、解凍後のクリーム性状及びホイップクリームとした際の品質がより優れる点で、一定の速度が好ましい。
<<冷却手段>>
前記冷却工程における冷却手段としては、前記生クリームの芯温が0℃から−5℃までの間を8分間以下で通過することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、短時間で冷却することができる点で、液体窒素が好ましい。
前記液体窒素を用いた冷却装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボックスフリーザー(BF−350、BF−600、BF−1000:いずれも昭和炭酸株式会社製)、トンネルフリーザー(TF−2000、TF−3000、TF−4000、TF−6000:いずれも昭和炭酸株式会社製)などが挙げられる。
前記生クリームの芯温は、前記冷却装置の設定を適宜調整することにより調整することができ、例えば、液体窒素を用いた冷却装置を用いて庫内温度を−100℃〜−130℃とすることにより調整することができる。冷却工程における前記庫内温度の設定は、一定温度であってもよいし、変更してもよい。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、予冷工程などが挙げられる。
<<予冷工程>>
前記予冷工程は、冷蔵状態(3℃〜10℃)の生クリームを予め0℃付近まで冷却する工程である。
前記予冷工程により、前記冷却工程の冷却を速やかに実施することが可能となる。
前記予冷工程の冷却手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記冷却工程の冷却手段と同様の冷却手段を用いることができる。
(ホイップクリーム)
本発明のホイップクリームは、本発明のホイップクリームの製造方法により製造することができる。本発明のホイップクリームは、なめらかさ、口どけといった品質の点で、冷蔵保存の生クリームをホイップしたホイップクリームと同程度の品質を有する。
以下、本発明のホイップクリームの製造方法の説明と併せて本発明のホイップクリームを説明する。
(ホイップクリームの製造方法)
本発明のホイップクリームの製造方法は、解凍工程と、起泡工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
<解凍工程>
前記解凍工程は、本発明のホイップ用冷凍生クリームの製造方法により製造されたホイップ用冷凍生クリームを3℃から10℃の間で解凍する工程である。
<<解凍温度、解凍時間及び解凍方法>>
前記ホイップ用冷凍生クリームの解凍温度としては、3℃から10℃の間であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ホイップ用冷凍生クリームの解凍時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5時間〜60時間が挙げられる。
前記ホイップ用冷凍生クリームの解凍方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、冷蔵庫内に静置した状態で解凍する方法、流水により解凍する方法などが挙げられる。これらの方法の中でも、簡便に解凍することができる点で、冷蔵庫内に静置した状態で解凍する方法が好ましい。
<起泡工程>
前記起泡工程は、前記解凍工程で解凍された生クリームを泡立てる工程である。
<<温度、時間、及び方法>>
前記生クリームを泡立てる温度及びとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記生クリームを泡立てる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、機器を用いる方法、手動で行う方法などが挙げられる。
前記機器としては、特に制限はなく、公知の機器を適宜選択することができ、例えば、HAND MIXER(HOME ELECTRIC社製)が挙げられる。
前記生クリームを泡立てる際には、生クリームを間接的に氷冷しながら行うことが好ましい。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保存工程などが挙げられる。
<<保存工程>>
前記保存工程は、解凍した生クリームを保存する工程である。
本発明のホイップクリームの製造方法は、解凍工程の後、続けて起泡工程を行ってもよいし、保存工程を経て所望の時期に起泡工程を行ってもよい。
−保存温度−
前記保存温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3℃から10℃などが挙げられる。
以下、参考例、実施例、及び比較例を挙げて、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(参考例1:冷蔵保存した生クリーム)
コントロールとして、冷蔵保存(5℃、冷蔵庫で保存)した生クリーム(商品名:フレッシュクリーム38、1,000mL、乳脂肪分 38質量%、株式会社明治)を用意した。
−クリーム性状の評価−
前記生クリームの性状について、容器を開封した後の状態を目視により観察したところ、さらさらとしており、容器内側に固形物の付着がなかった。
<ホイップクリームの製造>
<<起泡工程>>
前記参考例1の生クリームの質量に対し、7質量%の砂糖を添加し、500mLをボールに入れ、間接的に氷冷しながら、HAND MIXER(HOME ELECTRIC社製)を用いて、SPEED5の条件で4分間ホイップし、ホイップクリームを製造した。
−ホイップクリームの評価−
−−オーバーラン−−
前記参考例1のホイップクリームのオーバーラン(%)を下記式(1)により算出した結果、114%だった。
ホイップクリームのオーバーラン(%)={(A−B)/B}×100 ・・・式(1)
前記式(1)中、「A」は「体積500mL当たりのホイップ前のクリームの質量」を表し、「B」は「体積500mL当たりのホイップ後のクリームの質量」を表す。
−−官能評価−−
前記参考例1のホイップクリームのなめらかさ、及び口どけについて、パネラー5名により評価した。なお、前記参考例1のホイップクリームのなめらかさ、及び口どけを基準(評価点数:3点)とし、後述の実施例1、参考例2、及び比較例のホイップクリームのなめらかさ、及び口どけを評価した。
前記参考例1のホイップクリームは、なめらかな舌ざわりであり、粒状感がないものであった。
(実施例1:液体窒素で冷凍した生クリーム−1)
<ホイップ用冷凍生クリームの製造>
<<冷却工程>>
生クリームとして、前記参考例1と同じフレッシュクリーム38を用意した。
冷却手段として、液体窒素を冷媒として用いたボックス型のフリーザー(昭和炭酸株式会社製、BF−350)を用い、フリーザー内の温度を−130℃に設定し、冷却工程を行った。
前記冷却工程における生クリームの温度(芯温)変化は、安立計器株式会社製のAM−8000Eを用い、前記生クリームを収容している容器の外部から、前記測定装置の温度センサを前記生クリームの中心に位置するように設置することにより測定した。
前記冷却工程は、前記生クリームの芯温が−20℃となるまで行い、得られたホイップ用冷凍生クリームは、−20℃の冷凍庫で保管した。
前記冷却工程における生クリームの芯温が0℃から−5℃までの間を通過する時間は4.2分間であり、その間の冷却速度は1.2℃/分であった。
また、前記冷却工程における生クリームの芯温が0℃から−20℃となるまでの間の時間は11.6分間であり、その間の冷却速度は1.7℃/分であった。
そして、前記冷却工程における生クリームの芯温が−5℃から−20℃となるまでの間の時間は7.4分間であり、その間の冷却速度は2.0℃/分であった。
前記冷却工程における生クリームの芯温の変化を図1に示す。図1中、「A」が、実施例1の冷却工程における生クリームの芯温の変化を表すグラフである。
<ホイップクリームの製造>
<<解凍工程>>
前記−20℃の冷凍庫で保管したホイップ用冷凍生クリームを、5℃の冷蔵庫内で48時間静置することにより解凍した。
−クリーム性状の評価−
前記解凍した生クリームの性状について、容器を開封した後の状態を目視により観察したところ、さらさらとしており、容器内側に固形物の付着がなかった。
<<起泡工程>>
前記参考例1の起泡工程において、前記参考例1の生クリームを用いていた点を前記実施例1の解凍後の生クリームに代えた以外は、前記参考例1の起泡工程と同様にして、ホイップクリームを製造した。
−ホイップクリームの評価−
−−オーバーラン−−
前記参考例1と同様に、前記式(1)よりオーバーラン(%)を算出した結果、114%だった。
−−官能評価−−
前記参考例1と同様にホイップクリームのなめらかさ、及び口どけについて、パネラー5名により下記基準に基づき評価を行った。パネラー5名の評価を平均したところ、なめらかさは3点、口どけも3点であり、前記参考例1のホイップクリームと同等だった。
前記実施例1のホイップクリームは、なめらかな舌ざわりであり、粒状感がないものであった。
・ なめらかさの基準
5点:参考例1のホイップクリームと比べて非常に良い。
4点:参考例1のホイップクリームと比べて良い。
3点:参考例1のホイップクリームと同等。
2点:参考例1のホイップクリームと比べて劣る。
1点:参考例1のホイップクリームと比べて非常に劣る。
・ 口どけの基準
5点:参考例1のホイップクリームと比べて非常に良い。
4点:参考例1のホイップクリームと比べて良い。
3点:参考例1のホイップクリームと同等。
2点:参考例1のホイップクリームと比べて劣る。
1点:参考例1のホイップクリームと比べて非常に劣る。
参考例2:液体窒素で冷凍した生クリーム−2)
<ホイップ用冷凍生クリームの製造>
<<冷却工程>>
生クリームとして、前記参考例1と同じフレッシュクリーム38を用意した。
冷却手段として、液体窒素を冷媒として用いたボックス型のフリーザー(昭和炭酸株式会社製、BF−350)を用いた。前記フリーザー内の温度は、前記生クリームの芯温が−5℃になるまでは−130℃に設定し、前記生クリームの芯温が−5℃に到達した後は−80℃に設定した。
前記冷却工程における生クリームの温度(芯温)変化は、前記実施例1と同様にして測定した。
前記冷却工程は、前記生クリームの芯温が−20℃となるまで行い、得られたホイップ用冷凍生クリームは、−20℃の冷凍庫で保管した。
前記冷却工程における生クリームの芯温が0℃から−5℃までの間を通過する時間は2.9分間であり、その間の冷却速度は1.7℃/分であった。
また、前記冷却工程における生クリームの芯温が0℃から−20℃となるまでの間の時間は22.8分間であり、その間の冷却速度は0.9℃/分であった。
そして、前記冷却工程における生クリームの芯温が−5℃から−20℃となるまでの間の時間は19.9分間であり、その間の冷却速度は0.8℃/分であった。
前記冷却工程における生クリームの芯温の変化を図1に示す。図1中、「B」が、参考例2の冷却工程における生クリームの芯温の変化を表すグラフである。
<ホイップクリームの製造>
<<解凍工程>>
前記−20℃の冷凍庫で保管したホイップ用冷凍生クリームを、5℃の冷蔵庫内で48時間静置することにより解凍した。
−クリーム性状の評価−
前記解凍した生クリームの性状について、容器を開封した後の状態を目視により観察したところ、さらさらとしており、容器内側に固形物の付着がなかった。
<<起泡工程>>
前記参考例1の起泡工程において、前記参考例1の生クリームを用いていた点を前記参考例2の解凍後の生クリームに代えた以外は、前記参考例1の起泡工程と同様にして、ホイップクリームを製造した。
−ホイップクリームの評価−
−−オーバーラン−−
前記参考例1と同様に、前記式(1)よりオーバーラン(%)を算出した結果、106%だった。
−−官能評価−−
前記実施例1と同様にして、ホイップクリームのなめらかさ、及び口どけについて評価を行った結果、パネラー5名の評価を平均点は、なめらかさは3点、口どけは2点であった。
前記参考例2のホイップクリームは、なめらかな舌ざわりであり、粒状感がないもののやや油っぽいものであった。なお、前記参考例2のホイップクリームは、使用が可能なものである。
(比較例1:−20℃の冷凍庫で冷凍した生クリーム)
<ホイップ用冷凍生クリームの製造>
<<冷却工程>>
生クリームとして、前記参考例1と同じフレッシュクリーム38を用意した。
冷却手段として、−20℃の冷凍庫(日本フリーザー株式会社製、GSS−3065F3)を用いた。
前記冷却工程における生クリームの温度(芯温)変化は、前記実施例1と同様にして測定した。
前記冷却工程は、前記生クリームの芯温が−20℃となるまで行い、得られたホイップ用冷凍生クリームは、−20℃の冷凍庫で保管した。
前記冷却工程における生クリームの芯温が0℃から−5℃までの間を通過する時間は48分間であり、その間の冷却速度は0.10℃/分であった。
また、前記冷却工程における生クリームの芯温が0℃から−20℃となるまでの間の時間は116分間であり、その間の冷却速度は0.17℃/分であった。
そして、前記冷却工程における生クリームの芯温が−5℃から−20℃となるまでの間の時間は68分間であり、その間の冷却速度は0.22℃/分であった。
前記冷却工程における生クリームの芯温の変化を図2に示す。図2中、「C」が、比較例1の冷却工程における生クリームの芯温の変化を表すグラフである。
<ホイップクリームの製造>
<<解凍工程>>
前記−20℃の冷凍庫で保管したホイップ用冷凍生クリームを、5℃の冷蔵庫内で48時間静置することにより解凍した。
−クリーム性状の評価−
前記解凍した生クリームの性状について、容器を開封した後の状態を目視により観察したところ、容器内側に固形物が付着し、液中に凝集物が多数見られた。
<<起泡工程>>
前記参考例1の起泡工程において、前記参考例1の生クリームを用いていた点を前記比較例1の解凍後の生クリームに代えた以外は、前記参考例1の起泡工程と同様にして、ホイップクリームを製造した。
−ホイップクリームの評価−
−−オーバーラン−−
前記参考例1と同様に、前記式(1)よりオーバーラン(%)を算出した結果、98%だった。
−−官能評価−−
前記実施例1と同様にして、ホイップクリームのなめらかさ、及び口どけについて評価を行った結果、パネラー5名の評価を平均点は、なめらかさは2点、口どけは1点であった。
前記比較例1のホイップクリームは、ざらざらとした舌ざわりであり、油っぽいものであった。
(比較例2:−40℃の冷凍庫で冷凍した生クリーム)
<ホイップ用冷凍生クリームの製造>
<<冷却工程>>
生クリームとして、前記参考例1と同じフレッシュクリーム38を用意した。
冷却手段として、−40℃の冷凍庫(日本フリーザー株式会社製、SF−3156HC)を用いた。
前記冷却工程における生クリームの温度(芯温)変化は、前記実施例1と同様にして測定した。
前記冷却工程は、前記生クリームの芯温が−40℃となるまで行い、得られたホイップ用冷凍生クリームは、−20℃の冷凍庫で保管した。
前記冷却工程における生クリームの芯温が0℃から−5℃までの間を通過する時間は28分間であり、その間の冷却速度は0.18℃/分であった。
また、前記冷却工程における生クリームの芯温が0℃から−20℃までの間を通過する時間は68分間であり、その間の冷却速度は0.29℃/分であった。
そして、前記冷却工程における生クリームの芯温が−5℃から−20℃までの間を通過する時間は40分間であり、その間の冷却速度は0.38℃/分であった。
前記冷却工程における生クリームの芯温の変化を図2に示す。図2中、「D」が、比較例2の冷却工程における生クリームの芯温の変化を表すグラフである。
<ホイップクリームの製造>
<<解凍工程>>
前記−20℃の冷凍庫で保管したホイップ用冷凍生クリームを、5℃の冷蔵庫内で48時間静置することにより解凍した。
−クリーム性状の評価−
前記解凍した生クリームの性状について、容器を開封した後の状態を目視により観察したところ、容器内側に固形物が付着し、液中に凝集物が多数見られた。
<<起泡工程>>
前記参考例1の起泡工程において、前記参考例1の生クリームを用いていた点を前記比較例2の解凍後の生クリームに代えた以外は、前記参考例1の起泡工程と同様にして、ホイップクリームを製造した。
−ホイップクリームの評価−
−−オーバーラン−−
前記参考例1と同様に、前記式(1)よりオーバーラン(%)を算出した結果、103%だった。
−−官能評価−−
前記実施例1と同様にして、ホイップクリームのなめらかさ、及び口どけについて評価を行った結果、パネラー5名の評価を平均点は、なめらかさは1点、口どけも1点であった。
前記比較例2のホイップクリームは、ざらざらとした舌ざわりであり、油っぽいものであった。
(比較例3:−80℃の冷凍庫で冷凍した生クリーム)
<ホイップ用冷凍生クリームの製造>
<<冷却工程>>
生クリームとして、前記参考例1と同じフレッシュクリーム38を用意した。
冷却手段として、−80℃の冷凍庫(朝日ライフサイエンス株式会社製、レブコ超低温槽 ULT−1386−5−A41)を用いた。
前記冷却工程における生クリームの温度(芯温)変化は、前記実施例1と同様にして測定した。
前記冷却工程は、前記生クリームの芯温が−80℃となるまで行い、得られたホイップ用冷凍生クリームは、−20℃の冷凍庫で保管した。
前記冷却工程における生クリームの芯温が0℃から−5℃までの間を通過する時間は14分間であり、その間の冷却速度は0.36℃/分であった。
また、前記冷却工程における生クリームの芯温が0℃から−20℃までの間を通過する時間は48分間であり、その間の冷却速度は0.42℃/分であった。
そして、前記冷却工程における生クリームの芯温が−5℃から−20℃までの間を通過する時間は34分間であり、その間の冷却速度は0.44℃/分であった。
前記冷却工程における生クリームの芯温の変化を図2に示す。図2中、「E」が、比較例3の冷却工程における生クリームの芯温の変化を表すグラフである。
<ホイップクリームの製造>
<<解凍工程>>
前記−20℃の冷凍庫で保管したホイップ用冷凍生クリームを、5℃の冷蔵庫内で48時間静置することにより解凍した。
−クリーム性状の評価−
前記解凍した生クリームの性状について、容器を開封した後の状態を目視により観察したところ、容器内側に固形物が付着し、液中に凝集物が多数見られた。
<<起泡工程>>
前記参考例1の起泡工程において、前記参考例1の生クリームを用いていた点を前記比較例3の解凍後の生クリームに代えた以外は、前記参考例1の起泡工程と同様にして、ホイップクリームを製造した。
−ホイップクリームの評価−
−−オーバーラン−−
前記参考例1と同様に、前記式(1)よりオーバーラン(%)を算出した結果、96%だった。
−−官能評価−−
前記実施例1と同様にして、ホイップクリームのなめらかさ、及び口どけについて評価を行った結果、パネラー5名の評価の平均点は、なめらかさは1点、口どけも1点であった。
前記比較例3のホイップクリームは、ざらざらとした舌ざわりであり、油っぽいものであった。
前記参考例、実施例、及び比較例についてまとめたものを下記表1に示す。
上記参考例、実施例、及び比較例の結果から、生クリームの芯温が0℃から−5℃までの間を8分間以下で通過させた実施例1及び参考例2の製造方法で得られたホイップ用冷凍生クリームは、解凍時のクリーム性状、並びにホイップクリームとした際のオーバーラン及び官能評価が、冷凍していない参考例1(コントロール)の生クリームを用いたホイップクリームとほぼ同等であった。
更に、生クリームの芯温の−5℃から−20℃までの間の通過時間が参考例2よりも速い実施例1の製造方法で得られたホイップ用冷凍生クリームは、オーバーラン及び口どけの評価の点で、より冷凍していない参考例1(コントロール)の生クリームを用いたホイップクリームに近いものであることが示された。
一方、生クリームの芯温が0℃から−5℃までの間を8分間を超える時間で通過させた比較例1から3の製造方法で得られたホイップ用冷凍生クリームは、解凍時のクリーム性状、並びにホイップクリームとした際のオーバーラン及び官能評価のいずれもが、参考例、並びに実施例1及び参考例2と比較して劣るものであった。
本発明のホイップ用冷凍生クリームの製造方法によれば、冷凍保存することができ、解凍後のクリーム性状が冷蔵保存の生クリームと同等であり、かつ、ホイップクリームとした際のなめらかさ、口どけといった品質も冷蔵保存の生クリームをホイップしたホイップクリームと同等であるホイップ用冷凍生クリームを製造することができる。
また、本発明のホイップクリームの製造方法によれば、ケーキの装飾などに用いることができるホイップクリームを製造することができる。

Claims (3)

  1. 生クリームを冷却する冷却工程を含み、
    前記冷却工程において、前記生クリームは、0℃から−5℃までの間を8分間以下で通過し、かつ、−5℃から−20℃までの間を9分間以下で到達乃至通過することを特徴とするホイップ用冷凍生クリームの製造方法。
  2. 冷却工程において、生クリームは、0℃から−20℃までの間を15分間以下で到達乃至通過する請求項1に記載のホイップ用冷凍生クリームの製造方法。
  3. 冷却工程において、生クリームは、℃から−5℃までの間を分間以下で通過する請求項1から2のいずれかに記載のホイップ用冷凍生クリームの製造方法。
JP2011540241A 2011-09-20 2011-09-20 ホイップ用冷凍生クリームの製造方法 Active JP4906979B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2011/071341 WO2013042186A1 (ja) 2011-09-20 2011-09-20 ホイップ用冷凍生クリーム及びその製造方法、並びにホイップクリーム及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4906979B1 true JP4906979B1 (ja) 2012-03-28
JPWO2013042186A1 JPWO2013042186A1 (ja) 2015-03-26

Family

ID=46060776

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011540241A Active JP4906979B1 (ja) 2011-09-20 2011-09-20 ホイップ用冷凍生クリームの製造方法

Country Status (11)

Country Link
US (1) US9339046B2 (ja)
EP (1) EP2594137B1 (ja)
JP (1) JP4906979B1 (ja)
KR (1) KR101400748B1 (ja)
CN (1) CN103108552B (ja)
AU (1) AU2011356588B2 (ja)
DK (1) DK2594137T3 (ja)
NZ (1) NZ601169A (ja)
SG (1) SG188938A1 (ja)
TW (1) TWI451843B (ja)
WO (1) WO2013042186A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5146894B1 (ja) * 2011-06-22 2013-02-20 ビタミン乳業株式会社 冷凍耐性クリーム及びその製造方法
JP2016036273A (ja) * 2014-08-06 2016-03-22 ビタミン乳業株式会社 凍結液状乳製品およびその凍結方法
JP2018113972A (ja) * 2018-03-01 2018-07-26 ビタミン乳業株式会社 凍結液状乳製品、その凍結方法及びそれらに供される容器

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2936991B1 (de) 2014-04-24 2018-03-28 DMK Deutsches Milchkontor GmbH Haltbare Sahne ohne Konservierungsmittel
JP2016189722A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 大陽日酸株式会社 生クリームの粒状凍結方法
JP6767139B2 (ja) * 2016-03-18 2020-10-14 雪印メグミルク株式会社 乳脂肪クリームおよびその製造方法
AU2018234107B2 (en) * 2017-03-14 2024-03-28 Megmilk Snow Brand Co., Ltd. Milk fat cream and method for producing same
JP7057806B2 (ja) * 2020-07-28 2022-04-20 雪印メグミルク株式会社 乳脂肪クリームおよびその製造方法
CN116172074A (zh) * 2021-11-29 2023-05-30 内蒙古伊家好奶酪有限责任公司 一种uht淡奶油及其制备方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0792A (ja) * 1993-06-14 1995-01-06 Etsufueru:Kk 冷凍パンの製造方法
JP2000236809A (ja) * 1999-02-24 2000-09-05 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 乳脂肪組成物
JP2002272436A (ja) * 2001-03-23 2002-09-24 Mitsubishi Electric Corp 冷凍方法および解凍方法、並びに冷凍装置、解凍装置
JP2003180314A (ja) * 2001-12-13 2003-07-02 Morinaga Milk Ind Co Ltd 食品の保存方法および未凍結水の製造方法
JP2005198605A (ja) * 2004-01-19 2005-07-28 Glocal:Kk 乳製品の処理方法、乳製品および洋菓子
JP2008118916A (ja) * 2006-11-13 2008-05-29 Takanashi Milk Products Co Ltd 乳製品の処理方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB497649A (en) 1936-06-17 1938-12-19 Fritz Jung Improvements in and relating to the production of cream products
US2260450A (en) * 1940-04-24 1941-10-28 Gen Foods Corp Method of freezing food products
JPS5279059A (en) 1975-12-24 1977-07-02 Meiji Milk Prod Co Ltd Method of producing freezing preservable cream for whipping
JPS5515722A (en) 1978-07-19 1980-02-04 Toshiyuki Oota Production of whipped cream
US4251560A (en) 1979-08-21 1981-02-17 General Foods Corporation Cream-containing frozen whipped topping composition
JPS5847152B2 (ja) 1981-09-18 1983-10-20 日本油脂株式会社 凍結ホイツプドクリ−ム
US4578276A (en) * 1985-02-27 1986-03-25 Morley Robert G Frozen whipped cream
US6510890B1 (en) * 2000-04-14 2003-01-28 Iowa State University Research Foundation, Inc. Continuous system and method for producing frozen food products
JP3853570B2 (ja) * 2000-05-18 2006-12-06 森永乳業株式会社 凍結ホイップクリ−ム、凍結ホイップクリ−ム包装体、及び凍結ホイップクリームの製造方法
GB0105907D0 (en) * 2001-03-09 2001-04-25 Boc Group Plc Cryogenic processing methods and apparatus
JP4107369B2 (ja) * 2001-11-19 2008-06-25 高梨乳業株式会社 乳化組成物及び該組成物を用いる冷凍ホイップ済みクリーム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0792A (ja) * 1993-06-14 1995-01-06 Etsufueru:Kk 冷凍パンの製造方法
JP2000236809A (ja) * 1999-02-24 2000-09-05 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 乳脂肪組成物
JP2002272436A (ja) * 2001-03-23 2002-09-24 Mitsubishi Electric Corp 冷凍方法および解凍方法、並びに冷凍装置、解凍装置
JP2003180314A (ja) * 2001-12-13 2003-07-02 Morinaga Milk Ind Co Ltd 食品の保存方法および未凍結水の製造方法
JP2005198605A (ja) * 2004-01-19 2005-07-28 Glocal:Kk 乳製品の処理方法、乳製品および洋菓子
JP2008118916A (ja) * 2006-11-13 2008-05-29 Takanashi Milk Products Co Ltd 乳製品の処理方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5146894B1 (ja) * 2011-06-22 2013-02-20 ビタミン乳業株式会社 冷凍耐性クリーム及びその製造方法
JP2014003906A (ja) * 2011-06-22 2014-01-16 Vitamin Milk Products Co Ltd 冷凍耐性クリーム及びその製造方法
JP2016036273A (ja) * 2014-08-06 2016-03-22 ビタミン乳業株式会社 凍結液状乳製品およびその凍結方法
JP2018113972A (ja) * 2018-03-01 2018-07-26 ビタミン乳業株式会社 凍結液状乳製品、その凍結方法及びそれらに供される容器

Also Published As

Publication number Publication date
EP2594137A4 (en) 2013-05-22
DK2594137T3 (en) 2014-12-01
JPWO2013042186A1 (ja) 2015-03-26
TW201313130A (zh) 2013-04-01
SG188938A1 (en) 2013-05-31
KR101400748B1 (ko) 2014-05-29
CN103108552A (zh) 2013-05-15
KR20130041768A (ko) 2013-04-25
WO2013042186A1 (ja) 2013-03-28
CN103108552B (zh) 2014-09-17
US20130071540A1 (en) 2013-03-21
EP2594137A1 (en) 2013-05-22
US9339046B2 (en) 2016-05-17
NZ601169A (en) 2015-07-31
TWI451843B (zh) 2014-09-11
AU2011356588A1 (en) 2013-04-04
AU2011356588B2 (en) 2013-11-14
EP2594137B1 (en) 2014-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4906979B1 (ja) ホイップ用冷凍生クリームの製造方法
JP3787171B2 (ja) 氷結点以下の温度帯における食品等の未凍結保存方法
EP1973416A2 (en) Process for the manufacture of frozen dessert and frozen dessert thus obtained
EP1962612A2 (en) Frozen composition based on yoghurt and fruit
CN104982523A (zh) 一种无食品添加剂发酵乳及其制备方法
CN104621330B (zh) 一种冰淇淋奶浆及其制备方法和软冰淇淋
CN102334557A (zh) 充气提拉米苏再制奶酪及其制造方法
Hamad Comparative study between traditional Domiati cheese and recombined Feta cheese
CN104397316A (zh) 一种冰淇淋奶浆及其制备方法
CA2857139A1 (en) Crystallization resistant frozen food products
MXPA06007016A (es) Procedimiento para la produccion de un producto alimenticio congelado.
US20080241334A1 (en) Method of freezing ice cream
EP3057436B1 (en) A method of producing an aerated dairy product and an aerated dairy product
TWI618487B (zh) Frozen drink and preparation method thereof
JP5392629B2 (ja) 凍結クリームの処理方法及びその処理方法で処理されたクリーム
CN108094559A (zh) 奶酪及其制备方法
JPH11123049A (ja) 冷凍温度下でも軟らかい冷菓の製造方法
JP7073178B2 (ja) 凍結還元脱脂濃縮乳およびその製造方法
TWI657743B (zh) 含發酵乳冰品的霜料、其用途及抗冰品中酪蛋白結塊的方法
JPH06253744A (ja) チーズで作るアイスクリームの製造方法及びチーズで 作ったアイスクリーム
US1971981A (en) Food product and process for producing same
JP2016189722A (ja) 生クリームの粒状凍結方法
PH22021050706U1 (en) Composition of Kerson Fruit Ice Cream
PL390141A1 (pl) Sposób wytwarzania deseru mrożonego na patyku z homogenizowanych owoców oblanego polewą czekoladową
PL219420B1 (pl) Sposób wytwarzania tortów lodowych

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111227

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120110

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4906979

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250